JPH1180416A - アクリロニトリル系樹脂製多孔質膜 - Google Patents
アクリロニトリル系樹脂製多孔質膜Info
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- JPH1180416A JPH1180416A JP9236877A JP23687797A JPH1180416A JP H1180416 A JPH1180416 A JP H1180416A JP 9236877 A JP9236877 A JP 9236877A JP 23687797 A JP23687797 A JP 23687797A JP H1180416 A JPH1180416 A JP H1180416A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Cell Separators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 透水性に優れ、さらにはリチウムイオン導電
性ポリマーの基材膜としても有用なアクリロニトリル系
樹脂製多孔質膜を提供する。 【解決手段】 表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最
小孔径層の平均孔径が0.05μm〜5μmであり、架
橋されていることを特徴とするアクリロニトリル系樹脂
製多孔質膜。
性ポリマーの基材膜としても有用なアクリロニトリル系
樹脂製多孔質膜を提供する。 【解決手段】 表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最
小孔径層の平均孔径が0.05μm〜5μmであり、架
橋されていることを特徴とするアクリロニトリル系樹脂
製多孔質膜。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリロニトリル
系樹脂からなる、透水性に優れ、かつ高機能を示す多孔
質膜に関する。さらには、導電性ポリマーの基材膜に関
する。
系樹脂からなる、透水性に優れ、かつ高機能を示す多孔
質膜に関する。さらには、導電性ポリマーの基材膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル系樹脂からなる選択性
分離膜は、他の合成樹脂製膜に比べて親水性に優れるた
め、従来、使用される目的に応じて様々な構造の膜が提
案されている。その代表的なものの一つは、膜表面に緻
密層を有し、膜内部に巨大空孔を含む異方性構造の限外
濾過膜(例えば特開平6ー65809号公報)である。
これに対し、膜内部に巨大空孔を含まない機械的強度に
優れた膜(例えば特開昭63ー190012号公報)も
提案されているが、いずれも大量の水を処理する用途の
面からは、透水量が十分とは言い難い。
分離膜は、他の合成樹脂製膜に比べて親水性に優れるた
め、従来、使用される目的に応じて様々な構造の膜が提
案されている。その代表的なものの一つは、膜表面に緻
密層を有し、膜内部に巨大空孔を含む異方性構造の限外
濾過膜(例えば特開平6ー65809号公報)である。
これに対し、膜内部に巨大空孔を含まない機械的強度に
優れた膜(例えば特開昭63ー190012号公報)も
提案されているが、いずれも大量の水を処理する用途の
面からは、透水量が十分とは言い難い。
【0003】また、水処理以外の分野、例えば、リチウ
ムイオン二次電池においては、アクリロニトリル系樹脂
を素材としたリチウムイオン導電性ポリマー膜を構成材
料として用いることも提案されており(特開平8−19
5220号公報)、これらの新用途に適したアクリロニ
トリル系膜の開発も望まれている。
ムイオン二次電池においては、アクリロニトリル系樹脂
を素材としたリチウムイオン導電性ポリマー膜を構成材
料として用いることも提案されており(特開平8−19
5220号公報)、これらの新用途に適したアクリロニ
トリル系膜の開発も望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透水性に優
れ、かつ、リチウムイオン導電性ポリマー材料として使
用される場合に安定した性能を示す多孔質膜を提供する
ことを目的とする。
れ、かつ、リチウムイオン導電性ポリマー材料として使
用される場合に安定した性能を示す多孔質膜を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決したものであり、その好ましい態様は以下のとおり
である。 (1)表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最小孔径層
の平均孔径が0.05μm〜5μmであって、架橋され
ていることを特徴とするアクリロニトリル系樹脂製多孔
質膜。 (2)膜内部が巨大空孔を含まないスポンジ構造からな
る上記(1)のアクリロニトリル系樹脂製多孔質膜。 (2)表面に、円形または楕円形に開口した孔を有する
上記(1)のアクリロニトリル系樹脂製多孔質膜。 (3)最小孔径層が片側表面のみにあり、その平均孔径
と他の表面の平均孔径の比が2〜50である上記(1)
のアクリロニトリル系樹脂製多孔質膜。 (4)表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最小孔径層
の平均孔径が0.05μm〜5μmであって、架橋され
ていることを特徴とするアクリロニトリル系樹脂製多孔
質膜からなるリチウムイオン導電性ポリマー用基材膜。
解決したものであり、その好ましい態様は以下のとおり
である。 (1)表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最小孔径層
の平均孔径が0.05μm〜5μmであって、架橋され
ていることを特徴とするアクリロニトリル系樹脂製多孔
質膜。 (2)膜内部が巨大空孔を含まないスポンジ構造からな
る上記(1)のアクリロニトリル系樹脂製多孔質膜。 (2)表面に、円形または楕円形に開口した孔を有する
上記(1)のアクリロニトリル系樹脂製多孔質膜。 (3)最小孔径層が片側表面のみにあり、その平均孔径
と他の表面の平均孔径の比が2〜50である上記(1)
のアクリロニトリル系樹脂製多孔質膜。 (4)表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最小孔径層
の平均孔径が0.05μm〜5μmであって、架橋され
ていることを特徴とするアクリロニトリル系樹脂製多孔
質膜からなるリチウムイオン導電性ポリマー用基材膜。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の膜には、物質を透過させるための、膜の表裏を連
通する孔が多数存在する。表裏に連通した孔を有するこ
とは、ASTM F316−86記載の方法や、後記の
透水量の測定によって容易に確認することができる。こ
の発明の膜の最小孔径層の平均孔径は、0.05μm〜
5μmである。この値が0.05μm未満では膜の透水
量が十分とはいえず、また、リチウムイオン導電性ポリ
マー用途においては、高い電流密度での容量が低下す
る。一方、5μmを超えると、電解液の漏液性が大きく
なったり、電極間に短絡が生じる傾向がある。この値
は、0.07μm〜2μmの範囲が好ましく、0.1μ
m〜1μmの範囲が特に好ましい。
発明の膜には、物質を透過させるための、膜の表裏を連
通する孔が多数存在する。表裏に連通した孔を有するこ
とは、ASTM F316−86記載の方法や、後記の
透水量の測定によって容易に確認することができる。こ
の発明の膜の最小孔径層の平均孔径は、0.05μm〜
5μmである。この値が0.05μm未満では膜の透水
量が十分とはいえず、また、リチウムイオン導電性ポリ
マー用途においては、高い電流密度での容量が低下す
る。一方、5μmを超えると、電解液の漏液性が大きく
なったり、電極間に短絡が生じる傾向がある。この値
は、0.07μm〜2μmの範囲が好ましく、0.1μ
m〜1μmの範囲が特に好ましい。
【0007】本発明でいう最小孔径層の平均孔径とは、
膜の表面から1μm以内の範囲に、それ以外の部分より
孔径の小さい領域が観察される場合には、表面の平均孔
径をいう。表面の平均孔径の測定では、孔の形状が真円
でない場合には、画像解析によって面積相当径を計算し
て求める。一方、膜の表面から1μmを超える範囲に最
も孔径の小さい領域が観察される場合には、ASTM
F316−86記載の方法に基づいて、含浸液としてエ
タノールを用いて測定された平均流量細孔径をいう。
膜の表面から1μm以内の範囲に、それ以外の部分より
孔径の小さい領域が観察される場合には、表面の平均孔
径をいう。表面の平均孔径の測定では、孔の形状が真円
でない場合には、画像解析によって面積相当径を計算し
て求める。一方、膜の表面から1μmを超える範囲に最
も孔径の小さい領域が観察される場合には、ASTM
F316−86記載の方法に基づいて、含浸液としてエ
タノールを用いて測定された平均流量細孔径をいう。
【0008】本発明のアクリロニトリル系樹脂製多孔質
膜は、架橋されていることが必要である。架橋により、
膜の強度が向上する。しかも、アクリロニトリル系樹脂
は、一般にリチウムイオン二次電池等で用いられる有機
電解液によって膨潤する性質を有し、特に高温において
その度合いが著しいが、架橋構造を有することによって
高温においても膜の形態を安定に保持することができ、
電極間の短絡を防止できる。
膜は、架橋されていることが必要である。架橋により、
膜の強度が向上する。しかも、アクリロニトリル系樹脂
は、一般にリチウムイオン二次電池等で用いられる有機
電解液によって膨潤する性質を有し、特に高温において
その度合いが著しいが、架橋構造を有することによって
高温においても膜の形態を安定に保持することができ、
電極間の短絡を防止できる。
【0009】本発明において、アクリロニトリル系樹脂
製多孔質膜は、表裏に連通した孔を有していて、前述の
ような特定範囲の孔径と架橋構造を有することが必要で
あるが、その他の詳細な構造は特に限定されるものでは
ない。例えば、膜の構造の関しては、(a)少なくとも
一方の表面に内部よりも緻密な層を有し、内部に巨大空
孔及び三次元網目構造を有している膜、(b)少なくと
も一方の表面に内部よりも緻密な層を有し、内部が巨大
空孔を含まないスポンジ構造である膜、(c)表面が三
次元網目構造で内部が巨大空孔を含まないスポンジ構造
である膜、(d)片側表面に緻密な層を有し、該表面層
の下部に巨大空孔からなる層を有する2層構造膜、
(e)少なくとも両表面に緻密な層を有し、内部に巨大
空孔からなる層から構成される3層若しくは5層構造の
膜等が挙げられる。ここで巨大空孔とは、その最大長径
が膜厚の10%以上長さである空孔をいう。これらの構
造の中で、(a)、(b)および(c)の膜は、機械的
強度が良好である。特に(b)及び(c)の構造の膜
は、比較的大きな平均孔径が得られ、また、均質性が高
いので好ましい。巨大空孔を有する膜は、巨大空孔を含
まない膜に比べて膜強度が低く、また、導電性ポリマー
基材として用いた場合、局部的な短絡を起こす原因にな
りやすい。
製多孔質膜は、表裏に連通した孔を有していて、前述の
ような特定範囲の孔径と架橋構造を有することが必要で
あるが、その他の詳細な構造は特に限定されるものでは
ない。例えば、膜の構造の関しては、(a)少なくとも
一方の表面に内部よりも緻密な層を有し、内部に巨大空
孔及び三次元網目構造を有している膜、(b)少なくと
も一方の表面に内部よりも緻密な層を有し、内部が巨大
空孔を含まないスポンジ構造である膜、(c)表面が三
次元網目構造で内部が巨大空孔を含まないスポンジ構造
である膜、(d)片側表面に緻密な層を有し、該表面層
の下部に巨大空孔からなる層を有する2層構造膜、
(e)少なくとも両表面に緻密な層を有し、内部に巨大
空孔からなる層から構成される3層若しくは5層構造の
膜等が挙げられる。ここで巨大空孔とは、その最大長径
が膜厚の10%以上長さである空孔をいう。これらの構
造の中で、(a)、(b)および(c)の膜は、機械的
強度が良好である。特に(b)及び(c)の構造の膜
は、比較的大きな平均孔径が得られ、また、均質性が高
いので好ましい。巨大空孔を有する膜は、巨大空孔を含
まない膜に比べて膜強度が低く、また、導電性ポリマー
基材として用いた場合、局部的な短絡を起こす原因にな
りやすい。
【0010】本発明の多孔質膜の表面に開口する孔の形
状は、円形状または楕円状であることが好ましい。本発
明で楕円状とは、その長径と短径との比が10以下であ
るものを意味し、好ましい比の値は5以下である。この
値が10を超える場合や、延伸した膜において観察され
るスリット状の孔の場合には、特に高温環境下で電極間
の短絡が起こり易い傾向にある。
状は、円形状または楕円状であることが好ましい。本発
明で楕円状とは、その長径と短径との比が10以下であ
るものを意味し、好ましい比の値は5以下である。この
値が10を超える場合や、延伸した膜において観察され
るスリット状の孔の場合には、特に高温環境下で電極間
の短絡が起こり易い傾向にある。
【0011】また、多孔質膜の表面孔径は、使用する用
途によって適切な範囲が異なるので一概には限定できな
いが、一方の表面の平均孔径が他表面のそれよりも大き
いほうが好ましく、大きい方の平均孔径をΦLとし、小
さい方の平均孔径をΦSとしたとき、その比(ΦL/Φ
S)が1.5以上、さらにはその比が2〜50の範囲で
あることが好ましい。特にリチウムイオン導電性ポリマ
ー基材膜としては、片側表面に最小孔径層があり、該表
面側から他の表面側に向かって開口孔径が次第に大きく
なる傾斜構造をとる膜が、電解液の含浸が容易であると
同時に内部短絡を起し難く、好ましい。
途によって適切な範囲が異なるので一概には限定できな
いが、一方の表面の平均孔径が他表面のそれよりも大き
いほうが好ましく、大きい方の平均孔径をΦLとし、小
さい方の平均孔径をΦSとしたとき、その比(ΦL/Φ
S)が1.5以上、さらにはその比が2〜50の範囲で
あることが好ましい。特にリチウムイオン導電性ポリマ
ー基材膜としては、片側表面に最小孔径層があり、該表
面側から他の表面側に向かって開口孔径が次第に大きく
なる傾斜構造をとる膜が、電解液の含浸が容易であると
同時に内部短絡を起し難く、好ましい。
【0012】多孔質膜の空隙率は10〜95%の範囲に
あることが好ましく、さらに好ましくは20〜90%、
さらに好ましい範囲は40〜85%である。リチウムイ
オン導電性ポリマー基材膜としては、10%未満では電
解液を含浸したときのイオン伝導度が充分に高くなく、
また95%を超えると充分な強度が得られにくい。ま
た、多孔質膜の膜厚は、一般的には1〜500μm、好
ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜1
00μmがよい。1μm未満では強度が必ずしも十分と
はいえず、また、500μmを越える膜厚では、濾過抵
抗が大きくなり、電池に用いたときは体積当たりのエネ
ルギー密度が低くなる傾向がある。
あることが好ましく、さらに好ましくは20〜90%、
さらに好ましい範囲は40〜85%である。リチウムイ
オン導電性ポリマー基材膜としては、10%未満では電
解液を含浸したときのイオン伝導度が充分に高くなく、
また95%を超えると充分な強度が得られにくい。ま
た、多孔質膜の膜厚は、一般的には1〜500μm、好
ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜1
00μmがよい。1μm未満では強度が必ずしも十分と
はいえず、また、500μmを越える膜厚では、濾過抵
抗が大きくなり、電池に用いたときは体積当たりのエネ
ルギー密度が低くなる傾向がある。
【0013】この発明において、アクリロニトリル系樹
脂製多孔質膜を形成する重合体種としては、アクリロニ
トリル単独重合体、または、アクリロニトリルと共重合
可能なビニル化合物1種または2種以上との共重合体で
ある。これらのアクリロニトリル系樹脂の分子量として
は、30℃、ジメチルホルムアミドで測定された極限粘
度が、0.4以上であることが好ましい。この極限粘度
が0.4未満では十分な強度の膜が得難くなる。
脂製多孔質膜を形成する重合体種としては、アクリロニ
トリル単独重合体、または、アクリロニトリルと共重合
可能なビニル化合物1種または2種以上との共重合体で
ある。これらのアクリロニトリル系樹脂の分子量として
は、30℃、ジメチルホルムアミドで測定された極限粘
度が、0.4以上であることが好ましい。この極限粘度
が0.4未満では十分な強度の膜が得難くなる。
【0014】アクリロニトリルと共重合可能なビニル化
合物としては、具体的には、メタクリロニトリルや、例
えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル
類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸
エステル類;塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン等のハロオレフィン類;アクリル
アミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン等のビニ
ルアミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;スチレン、ビニルピリジン等のビニル芳
香族化合物;アクリル酸、アクリル酸ソーダ、メタクリ
ル酸、メタクリル酸ソーダ、pースチレンスルホン酸、
p−スチレンスルホン酸ソーダ、アリルスルホン酸、ア
リルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸、メタリル
スルホン酸ソーダ等のビニルカルボン酸及びその塩類が
挙げられる。共重合するビニル化合物の量は30重量%
以下が良く、好ましくは15重量%以下で、10重量%
未満が特に好ましい。
合物としては、具体的には、メタクリロニトリルや、例
えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル
類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸
エステル類;塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン等のハロオレフィン類;アクリル
アミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン等のビニ
ルアミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;スチレン、ビニルピリジン等のビニル芳
香族化合物;アクリル酸、アクリル酸ソーダ、メタクリ
ル酸、メタクリル酸ソーダ、pースチレンスルホン酸、
p−スチレンスルホン酸ソーダ、アリルスルホン酸、ア
リルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸、メタリル
スルホン酸ソーダ等のビニルカルボン酸及びその塩類が
挙げられる。共重合するビニル化合物の量は30重量%
以下が良く、好ましくは15重量%以下で、10重量%
未満が特に好ましい。
【0015】この発明のアクリロニトリル系樹脂製多孔
質膜は、例えば、重合体をポリビニルピロリドンやポリ
エチレングリコール等の添加剤と共に溶媒に溶解してお
き、この溶液を薄膜状にして非溶媒中に浸漬することで
凝固させ、溶媒や添加剤等を洗浄除去し、次いで、必要
により熱水処理や湿熱処理を行った後、乾燥処理を行う
ことによって得ることができる。この方法において、添
加剤の種類や添加量、溶媒と凝固液の組成や温度条件を
選択することによって、多孔膜の内部構造や孔径を制御
することができる。
質膜は、例えば、重合体をポリビニルピロリドンやポリ
エチレングリコール等の添加剤と共に溶媒に溶解してお
き、この溶液を薄膜状にして非溶媒中に浸漬することで
凝固させ、溶媒や添加剤等を洗浄除去し、次いで、必要
により熱水処理や湿熱処理を行った後、乾燥処理を行う
ことによって得ることができる。この方法において、添
加剤の種類や添加量、溶媒と凝固液の組成や温度条件を
選択することによって、多孔膜の内部構造や孔径を制御
することができる。
【0016】なかでも溶媒の選択が重要であり、プロピ
レンカーボネートと他の1種以上の溶媒との混合溶媒を
用いる場合に、本発明の構造の多孔質膜を製膜段階で容
易に得ることができる。ここで、他の溶媒としては、N
−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、γ
−ブチロラクトン、ヘキサメチレンホスホアミド等が用
いられるが、中でも、N−メチル−2−ピロリドンある
いはジメチルスルホキシドが特に好ましい。
レンカーボネートと他の1種以上の溶媒との混合溶媒を
用いる場合に、本発明の構造の多孔質膜を製膜段階で容
易に得ることができる。ここで、他の溶媒としては、N
−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、γ
−ブチロラクトン、ヘキサメチレンホスホアミド等が用
いられるが、中でも、N−メチル−2−ピロリドンある
いはジメチルスルホキシドが特に好ましい。
【0017】上記の薄膜状に凝固させる段階において
は、重合体溶液を非溶媒中に直接平膜状に押し出して浸
漬することにより、膜の両面に最小孔径層を有する膜が
製造でき、また、ガラスのような基板上に流延したもの
を基板ごと非溶媒中に浸漬することによって、片面に最
小孔径層を有する膜が製造できる。架橋構造は、重合
時、多孔質薄膜の形成前、形成後のどの段階でも導入す
ることができるが、多孔質薄膜の形成後に導入する方法
が特に好ましい。
は、重合体溶液を非溶媒中に直接平膜状に押し出して浸
漬することにより、膜の両面に最小孔径層を有する膜が
製造でき、また、ガラスのような基板上に流延したもの
を基板ごと非溶媒中に浸漬することによって、片面に最
小孔径層を有する膜が製造できる。架橋構造は、重合
時、多孔質薄膜の形成前、形成後のどの段階でも導入す
ることができるが、多孔質薄膜の形成後に導入する方法
が特に好ましい。
【0018】膜の架橋方法としては、重合時に多官能の
モノマーを用いる方法、重合後に電子線、γ線、X線、
紫外線等の輻射エネルギーを照射する方法、また、重合
後にラジカル開始剤を含有させて熱や輻射エネルギー照
射により反応させる方法、ニトリル基を変換して得られ
た、あるいは共重合体に含まれるアミド基やカルボキシ
ル基等をホルマリンあるいは多価アルコールを用いて架
橋する方法等を用いることができる。重合後に架橋構造
を導入する場合、新たに単官能または/および多官能の
モノマー成分を共存させておくこともできる。これらの
方法の中でも、夾雑物や未反応官能基が残存しにくいの
で、重合後に電子線、γ線、X線、紫外線等の輻射エネ
ルギーを照射する方法が好ましい。
モノマーを用いる方法、重合後に電子線、γ線、X線、
紫外線等の輻射エネルギーを照射する方法、また、重合
後にラジカル開始剤を含有させて熱や輻射エネルギー照
射により反応させる方法、ニトリル基を変換して得られ
た、あるいは共重合体に含まれるアミド基やカルボキシ
ル基等をホルマリンあるいは多価アルコールを用いて架
橋する方法等を用いることができる。重合後に架橋構造
を導入する場合、新たに単官能または/および多官能の
モノマー成分を共存させておくこともできる。これらの
方法の中でも、夾雑物や未反応官能基が残存しにくいの
で、重合後に電子線、γ線、X線、紫外線等の輻射エネ
ルギーを照射する方法が好ましい。
【0019】なかでも、膜厚が100μm以下の場合に
は、電子線照射による架橋が経済的であり、特に好まし
い。電子線照射により架橋を行う場合には、照射量は5
〜100Mradの範囲であることが好ましく、さらに
好ましくは10〜80Mradの範囲である。5Mra
d未満では架橋の効果が十分でなく、100Mradを
超えると重合体の崩壊が顕著になる傾向が生じる。
は、電子線照射による架橋が経済的であり、特に好まし
い。電子線照射により架橋を行う場合には、照射量は5
〜100Mradの範囲であることが好ましく、さらに
好ましくは10〜80Mradの範囲である。5Mra
d未満では架橋の効果が十分でなく、100Mradを
超えると重合体の崩壊が顕著になる傾向が生じる。
【0020】この架橋構造形成の確認は、未架橋重合体
が可溶な溶剤への溶解性により確認することができる。
即ち、架橋構造を有する重合体は可溶性溶剤に溶解しな
い成分を有し、均一溶解しないことから架橋構造形成を
判別することができる。
が可溶な溶剤への溶解性により確認することができる。
即ち、架橋構造を有する重合体は可溶性溶剤に溶解しな
い成分を有し、均一溶解しないことから架橋構造形成を
判別することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下実施例によって本発明をさら
に詳細に説明する。なお、必要により以下の前処理を行
ったサンプルを用いて、下記のように測定を行った。 《前処理》膜サンプル約20cm2 を50mlのエタノ
ール(特級試薬)中に浸漬して洗浄する操作を3回行っ
た。その後、60℃で真空乾燥を4時間行った。 (1)溶解試験(架橋の確認) 膜サンプル約1gを50℃で真空乾燥した後、重量を測
定して溶解前重量(Wx)を求めた。該サンプルを約1
cm角の大きさにカットしてガラス製サンプル瓶に入
れ、N−メチル−2−ピロリドン100mlを添加し
た。次いで、80℃に加温しながら24時間攪拌した
後、粒子保持能0.7μmのガラス繊維濾紙を用いて濾
過した。続いて20mlのN−メチル−2−ピロリドン
で洗浄した後濾過する操作を2回行い、さらに20ml
のエタノール2回洗浄した後、50℃で真空乾燥した。
その重量を濾過器ごと測定し、予め測定した濾過器のみ
の重量から差し引いて、未溶解分重量(Wz)を求め
た。Wz/Wxが0.05以上である場合を架橋されて
いるとみなした。 (2)断面構造及び表面平均孔径 断面構造は、膜サンプルを液体窒素を用いて凍結させた
後に割断し、その断面をSEM(日立製作所製SEM
S−800型)を用いて観察した。
に詳細に説明する。なお、必要により以下の前処理を行
ったサンプルを用いて、下記のように測定を行った。 《前処理》膜サンプル約20cm2 を50mlのエタノ
ール(特級試薬)中に浸漬して洗浄する操作を3回行っ
た。その後、60℃で真空乾燥を4時間行った。 (1)溶解試験(架橋の確認) 膜サンプル約1gを50℃で真空乾燥した後、重量を測
定して溶解前重量(Wx)を求めた。該サンプルを約1
cm角の大きさにカットしてガラス製サンプル瓶に入
れ、N−メチル−2−ピロリドン100mlを添加し
た。次いで、80℃に加温しながら24時間攪拌した
後、粒子保持能0.7μmのガラス繊維濾紙を用いて濾
過した。続いて20mlのN−メチル−2−ピロリドン
で洗浄した後濾過する操作を2回行い、さらに20ml
のエタノール2回洗浄した後、50℃で真空乾燥した。
その重量を濾過器ごと測定し、予め測定した濾過器のみ
の重量から差し引いて、未溶解分重量(Wz)を求め
た。Wz/Wxが0.05以上である場合を架橋されて
いるとみなした。 (2)断面構造及び表面平均孔径 断面構造は、膜サンプルを液体窒素を用いて凍結させた
後に割断し、その断面をSEM(日立製作所製SEM
S−800型)を用いて観察した。
【0022】表面平均孔径は、上記と同様にSEMを用
いて膜表面を観察し、孔が円形でない場合には、画像解
析を行って面積相当直径を求め、その面積基準の平均値
を平均孔径とした。 (3)厚みの測定 膜サンプルを表面が平滑なガラス板(厚み1mm)2枚
で挟み、その厚みをデジタルマイクロメーターで測定し
た。上記ガラス板2枚の厚みを別途測定し、前期測定値
からガラス板分の値を差し引いて求めた。 (4)空隙率の測定 膜サンプルをエタノール(特級試薬)に浸漬して親水化
処理を行ったのち、室温で2時間以上純水に浸漬して空
隙内を完全に純水で置換した。次いで、膜表面の水を拭
き取った後、空隙に純水を含む膜の重量(A)を測定し
た。続いて、該膜サンプルを真空中で60℃で4時間以
上乾燥して、空隙内の水を除去し、重合体部のみの重量
(B)を測定した。これらの重量と膜の構成重合体及び
水の真比重(dp、dw)とから、次式によって計算で
求めた。
いて膜表面を観察し、孔が円形でない場合には、画像解
析を行って面積相当直径を求め、その面積基準の平均値
を平均孔径とした。 (3)厚みの測定 膜サンプルを表面が平滑なガラス板(厚み1mm)2枚
で挟み、その厚みをデジタルマイクロメーターで測定し
た。上記ガラス板2枚の厚みを別途測定し、前期測定値
からガラス板分の値を差し引いて求めた。 (4)空隙率の測定 膜サンプルをエタノール(特級試薬)に浸漬して親水化
処理を行ったのち、室温で2時間以上純水に浸漬して空
隙内を完全に純水で置換した。次いで、膜表面の水を拭
き取った後、空隙に純水を含む膜の重量(A)を測定し
た。続いて、該膜サンプルを真空中で60℃で4時間以
上乾燥して、空隙内の水を除去し、重合体部のみの重量
(B)を測定した。これらの重量と膜の構成重合体及び
水の真比重(dp、dw)とから、次式によって計算で
求めた。
【0023】空隙率(%)=((A−B)/dw)/
(B/dp+(A−B)/dw)×100 なお、水の真比重(dw)は1.0とした。 (5)透水量の測定 膜サンプルを直径25mmに打ち抜いた後、エタノール
(特級試薬)中に浸漬して親水化した。次いで、超純水
中に浸漬して純水に置換し、該膜を有効面積3.5cm
2 のメンブランフィルターホルダーに組み込んで超純水
を充たした。5分間1atmの静水圧をかけ、透過した
水の重量を測定した。この時の超純水の温度を測定し、
その温度での純水の真密度と粘度から、25℃における
1時間当たり且つ1m2 当たりの透水量(リットル/m
2 /hr/atm、25℃)を計算した。 (6)イオン伝導度 膜サンプルを室温で電解液(エチレンカーボネート/プ
ロピレンカーボネート/γ−ブチロラクトンの1:1:
2混合溶媒にLiBF4 を1.5mol/リットルの濃
度で溶かした溶液)中に浸漬して、電解液を含浸した。
この電解液含浸膜をステンレス製電極で挟み込むことで
電気化学セルを構成した。通常の交流インピーダンス法
に基づいて、この電極間に交流を印可して抵抗成分を測
定し、コールコールプロットの実数インピーダンス切片
からイオン伝導度を計算した。
(B/dp+(A−B)/dw)×100 なお、水の真比重(dw)は1.0とした。 (5)透水量の測定 膜サンプルを直径25mmに打ち抜いた後、エタノール
(特級試薬)中に浸漬して親水化した。次いで、超純水
中に浸漬して純水に置換し、該膜を有効面積3.5cm
2 のメンブランフィルターホルダーに組み込んで超純水
を充たした。5分間1atmの静水圧をかけ、透過した
水の重量を測定した。この時の超純水の温度を測定し、
その温度での純水の真密度と粘度から、25℃における
1時間当たり且つ1m2 当たりの透水量(リットル/m
2 /hr/atm、25℃)を計算した。 (6)イオン伝導度 膜サンプルを室温で電解液(エチレンカーボネート/プ
ロピレンカーボネート/γ−ブチロラクトンの1:1:
2混合溶媒にLiBF4 を1.5mol/リットルの濃
度で溶かした溶液)中に浸漬して、電解液を含浸した。
この電解液含浸膜をステンレス製電極で挟み込むことで
電気化学セルを構成した。通常の交流インピーダンス法
に基づいて、この電極間に交流を印可して抵抗成分を測
定し、コールコールプロットの実数インピーダンス切片
からイオン伝導度を計算した。
【0024】なお、インピーダンスの測定は、EG&G
社、389型インピーダンスメーターを用い、周波数1
00kHz〜10Hzで行った。電解液の含浸と測定操
作は露点−60℃以下のドライ環境下で行った。 (7)急速充放電性能(電流密度依存性) 以下のような電極を用いた2次電池を構成し、その充放
電特性から評価した。
社、389型インピーダンスメーターを用い、周波数1
00kHz〜10Hzで行った。電解液の含浸と測定操
作は露点−60℃以下のドライ環境下で行った。 (7)急速充放電性能(電流密度依存性) 以下のような電極を用いた2次電池を構成し、その充放
電特性から評価した。
【0025】まず、平均粒径10μmのLiCoO2 粉
末とカーボンブラックを、ポリフッ化ビニリデン(呉羽
化学工業製、KF#1100)のN−メチル−2−ピロ
リドン溶液(5重量%)に混合分散してスラリーを作製
した。なお、スラリー中の固形分重量組成は、LiCo
O2 (89%)、カーボンブラック(8%)、ポリマー
(3%)とした。このスラリーをアルミ箔上にドクター
ブレード法で塗布、乾燥した後、プレスして膜厚110
μmの正極シートを作製した。
末とカーボンブラックを、ポリフッ化ビニリデン(呉羽
化学工業製、KF#1100)のN−メチル−2−ピロ
リドン溶液(5重量%)に混合分散してスラリーを作製
した。なお、スラリー中の固形分重量組成は、LiCo
O2 (89%)、カーボンブラック(8%)、ポリマー
(3%)とした。このスラリーをアルミ箔上にドクター
ブレード法で塗布、乾燥した後、プレスして膜厚110
μmの正極シートを作製した。
【0026】次に、平均粒径10μmのニードルコーク
ス粉末をカルボキシメチルセルロース溶液とスチレンブ
タジエンラテックス(旭化成工業製、L1571)分散
液混合体に分散してスラリーを作製した。なお、スラリ
ー中の固形分重量組成は、ニードルコークス/カルボキ
シメチルセルロース/スチレンブタジエン=100/
0.8/2とした。該スラリーを金属銅シートにドクタ
ーブレード法で塗布、乾燥した後、プレスして膜厚12
0μmの負極シートを作製した。
ス粉末をカルボキシメチルセルロース溶液とスチレンブ
タジエンラテックス(旭化成工業製、L1571)分散
液混合体に分散してスラリーを作製した。なお、スラリ
ー中の固形分重量組成は、ニードルコークス/カルボキ
シメチルセルロース/スチレンブタジエン=100/
0.8/2とした。該スラリーを金属銅シートにドクタ
ーブレード法で塗布、乾燥した後、プレスして膜厚12
0μmの負極シートを作製した。
【0027】イオン伝導度の測定の場合と同様にして、
電解液を含浸した膜(電解液含浸膜)を調製した。正極
シート、負極シートはそれぞれ2cm角に切断し、電解
液含浸膜は2.3cm角に切断した。2枚の電極シート
が該電解液含浸膜を挟んで対向した状態に積層した。こ
のとき、正負極シートの対向しない部分ができないよう
にした。さらに、該正極及び負極の外側からガラス板で
挟んで密着させて電池を形成した。次いで、該電池の正
極、負極にステンレス端子を取り付け、ガラス製容器内
に封入した。上記の電池の組立操作は、露点−60℃以
下のドライ環境下で行った。
電解液を含浸した膜(電解液含浸膜)を調製した。正極
シート、負極シートはそれぞれ2cm角に切断し、電解
液含浸膜は2.3cm角に切断した。2枚の電極シート
が該電解液含浸膜を挟んで対向した状態に積層した。こ
のとき、正負極シートの対向しない部分ができないよう
にした。さらに、該正極及び負極の外側からガラス板で
挟んで密着させて電池を形成した。次いで、該電池の正
極、負極にステンレス端子を取り付け、ガラス製容器内
に封入した。上記の電池の組立操作は、露点−60℃以
下のドライ環境下で行った。
【0028】該電池について充放電機(北斗電工製 1
01SM6)を用い、充放電を繰り返し行った。充電は
定電流充電後4.2V定電位充電で行い、放電はカット
オフ電圧2.7V定電流放電で行った。まず、1mA/
cm2 の電流密度で10回充放電を繰り返し、続いて3
mA/cm2 の電流密度で充放電を10回繰り返した。
このときの10回目(1mA/cm2 )の放電容量に対
する20回目(3mA/cm2 )の放電容量の比を求め
た。
01SM6)を用い、充放電を繰り返し行った。充電は
定電流充電後4.2V定電位充電で行い、放電はカット
オフ電圧2.7V定電流放電で行った。まず、1mA/
cm2 の電流密度で10回充放電を繰り返し、続いて3
mA/cm2 の電流密度で充放電を10回繰り返した。
このときの10回目(1mA/cm2 )の放電容量に対
する20回目(3mA/cm2 )の放電容量の比を求め
た。
【0029】電池性能(%)=(20回目の放電容量)
/(10回目の放電容量)×100 (8)電解液含浸膜の高温安定性 上記(7)と同様にして電池を形成し、さらに熱電対を
埋め込んだアルミナ板でそのセルの両面を押さえ、加熱
可能な油圧プレス機で2kg/cm2 に加圧して保持し
た。交流インピーダンス測定を行いながら、プレスダイ
を加熱し、室温から150℃まで昇温させたときのイン
ピーダンス変化を測定した。
/(10回目の放電容量)×100 (8)電解液含浸膜の高温安定性 上記(7)と同様にして電池を形成し、さらに熱電対を
埋め込んだアルミナ板でそのセルの両面を押さえ、加熱
可能な油圧プレス機で2kg/cm2 に加圧して保持し
た。交流インピーダンス測定を行いながら、プレスダイ
を加熱し、室温から150℃まで昇温させたときのイン
ピーダンス変化を測定した。
【0030】
【実施例1】 (多孔質膜の製造)アクリロニトリル/メチルアクリレ
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)1
6重量部、プロピレンカーボネート(東京化成社製特級
試薬)17重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京
化成社製特級試薬)51重量部、ポリビニルピロリドン
(BASF社製K−17)16重量部からなる溶液を調
製した。この原液を80℃でガラス板上に流延したの
ち、25℃の85重量%N−メチル−2−ピロリドン水
溶液中に浸漬して凝固させた。次いで、大量の水で水洗
し、緊張状態で90℃の熱水中に30分間浸漬したの
ち、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。該多孔質膜に電
子線照射(照射量60Mrad)し、架橋した多孔質膜
を作成した。溶解試験を行った結果、未溶解分が5%以
上であり、架橋していることを確認できた。
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)1
6重量部、プロピレンカーボネート(東京化成社製特級
試薬)17重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京
化成社製特級試薬)51重量部、ポリビニルピロリドン
(BASF社製K−17)16重量部からなる溶液を調
製した。この原液を80℃でガラス板上に流延したの
ち、25℃の85重量%N−メチル−2−ピロリドン水
溶液中に浸漬して凝固させた。次いで、大量の水で水洗
し、緊張状態で90℃の熱水中に30分間浸漬したの
ち、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。該多孔質膜に電
子線照射(照射量60Mrad)し、架橋した多孔質膜
を作成した。溶解試験を行った結果、未溶解分が5%以
上であり、架橋していることを確認できた。
【0031】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、片側表面に比較的緻密なスポンジ構造の層を有して
いて、内部はそれよりも孔径の大きな空孔が連結した、
巨大空孔を含まないスポンジ構造であった。両表面には
円形状の孔が開口しており、その平均孔径は、それぞれ
0.9μm、3.6μmであった。即ち、最小孔径層の
平均孔径が0.9μmであり、両表面の孔径比が4.0
である。この多孔質膜は、膜厚50μm、空隙率75%
であり、透水量が2000(リットル/m2 /hr/a
tm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)得られた多孔質
膜を電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含
浸し、完全に透明になった。この電解液含浸膜のイオン
伝導度は1.4mS/cmであった。また、この電解液
含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについて行ったと
ころ、2サンプルとも、150℃までの昇温過程におい
て抵抗値の大きな低下が無く、短絡する現象は起こらな
かった。これを隔膜として用いた電池の急速充放電性能
は93%であった。
と、片側表面に比較的緻密なスポンジ構造の層を有して
いて、内部はそれよりも孔径の大きな空孔が連結した、
巨大空孔を含まないスポンジ構造であった。両表面には
円形状の孔が開口しており、その平均孔径は、それぞれ
0.9μm、3.6μmであった。即ち、最小孔径層の
平均孔径が0.9μmであり、両表面の孔径比が4.0
である。この多孔質膜は、膜厚50μm、空隙率75%
であり、透水量が2000(リットル/m2 /hr/a
tm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)得られた多孔質
膜を電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含
浸し、完全に透明になった。この電解液含浸膜のイオン
伝導度は1.4mS/cmであった。また、この電解液
含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについて行ったと
ころ、2サンプルとも、150℃までの昇温過程におい
て抵抗値の大きな低下が無く、短絡する現象は起こらな
かった。これを隔膜として用いた電池の急速充放電性能
は93%であった。
【0032】
【実施例2】 (多孔質膜の製造)アクリロニトリル/メチルアクリレ
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)1
6重量部、プロピレンカーボネート(東京化成社製特級
試薬)34重量部、ジメチルスルホキシド(東京化成社
製特級試薬)34重量部、ポリビニルピロリドン(BA
SF社製K−17)16重量部からなる溶液を調製し
た。この原液を80℃でガラス板上に流延したのち、6
0℃の80重量%ジメチルスルホキシド水溶液中に浸漬
して凝固させた。次いで、大量の水で水洗し、緊張状態
で90℃の熱水中に30分間浸漬したのち、50℃で乾
燥して多孔質膜を得た。該多孔質膜に電子線照射(照射
量30Mrad)し、架橋した多孔質膜を作成した。溶
解試験を行った結果、未溶解分が5%以上であり、架橋
していることを確認できた。
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)1
6重量部、プロピレンカーボネート(東京化成社製特級
試薬)34重量部、ジメチルスルホキシド(東京化成社
製特級試薬)34重量部、ポリビニルピロリドン(BA
SF社製K−17)16重量部からなる溶液を調製し
た。この原液を80℃でガラス板上に流延したのち、6
0℃の80重量%ジメチルスルホキシド水溶液中に浸漬
して凝固させた。次いで、大量の水で水洗し、緊張状態
で90℃の熱水中に30分間浸漬したのち、50℃で乾
燥して多孔質膜を得た。該多孔質膜に電子線照射(照射
量30Mrad)し、架橋した多孔質膜を作成した。溶
解試験を行った結果、未溶解分が5%以上であり、架橋
していることを確認できた。
【0033】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、片側表面に比較的緻密なスポンジ構造の層を有して
いて、内部はそれよりも孔径の大きな空孔が連結した、
巨大空孔を含まないスポンジ構造であった。両表面には
円形状の孔が開口しており、その平均孔径は、それぞれ
0.5μm、1.8μmであった。即ち、最小孔径層の
平均孔径が0.5μmであり、両表面の孔径比が3.6
である。この多孔質膜は、膜厚35μm、空隙率71%
であり、透水量が1200(リットル/m2 /hr/a
tm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)得られた多孔質
膜を電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含
浸し、完全に透明になった。この電解液含浸膜のイオン
伝導度は1.5mS/cmであった。また、この電解液
含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについて行ったと
ころ、2サンプルとも、150℃までの昇温過程におい
て抵抗値の大きな低下が無く、短絡する現象は起こらな
かった。これを隔膜として用いた電池の急速充放電性能
は95%であった。
と、片側表面に比較的緻密なスポンジ構造の層を有して
いて、内部はそれよりも孔径の大きな空孔が連結した、
巨大空孔を含まないスポンジ構造であった。両表面には
円形状の孔が開口しており、その平均孔径は、それぞれ
0.5μm、1.8μmであった。即ち、最小孔径層の
平均孔径が0.5μmであり、両表面の孔径比が3.6
である。この多孔質膜は、膜厚35μm、空隙率71%
であり、透水量が1200(リットル/m2 /hr/a
tm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)得られた多孔質
膜を電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含
浸し、完全に透明になった。この電解液含浸膜のイオン
伝導度は1.5mS/cmであった。また、この電解液
含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについて行ったと
ころ、2サンプルとも、150℃までの昇温過程におい
て抵抗値の大きな低下が無く、短絡する現象は起こらな
かった。これを隔膜として用いた電池の急速充放電性能
は95%であった。
【0034】
【実施例3】 (多孔質膜の製造)アクリロニトリルホモポリマー(極
限粘度1.1)16重量部、プロピレンカーボネート
(東京化成社製特級試薬)14重量部、N−メチル−2
−ピロリドン(東京化成社製特級試薬)58重量部、ポ
リエチレングリコール#600(和光純薬社製一級試
薬)12重量部からなる溶液を調製した。この原液を8
0℃でガラス板上に流延したのち、25℃の75重量%
N−メチル−2−ピロリドン水溶液中に浸漬して凝固さ
せた。次いで、実施例1と同様にして多孔質膜を得て、
この多孔質膜に電子線照射(照射量30Mrad)し、
架橋した多孔質膜を作成した。溶解試験での未溶解分が
5%以上であったことから、架橋していることを確認で
きた。
限粘度1.1)16重量部、プロピレンカーボネート
(東京化成社製特級試薬)14重量部、N−メチル−2
−ピロリドン(東京化成社製特級試薬)58重量部、ポ
リエチレングリコール#600(和光純薬社製一級試
薬)12重量部からなる溶液を調製した。この原液を8
0℃でガラス板上に流延したのち、25℃の75重量%
N−メチル−2−ピロリドン水溶液中に浸漬して凝固さ
せた。次いで、実施例1と同様にして多孔質膜を得て、
この多孔質膜に電子線照射(照射量30Mrad)し、
架橋した多孔質膜を作成した。溶解試験での未溶解分が
5%以上であったことから、架橋していることを確認で
きた。
【0035】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、片側最表面に約0.3μmの厚みの比較的緻密なス
ポンジ構造の層を有していて、内部はそれよりも孔径の
大きな空孔が連結した、巨大空孔を含まないスポンジ構
造であった。両表面には円形状の孔が開口しており、そ
の平均孔径は、それぞれ0.08μm、1.2μmであ
った。即ち、最小孔径層の平均孔径が0.08μmであ
り、両表面の孔径比が15である。この多孔質膜は、膜
厚37μm、空隙率77%であり、透水量が840(リ
ットル/m2 /hr/atm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)得られた多孔質
膜を電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含
浸し、完全に透明になった。この電解液含浸膜を80℃
で30分間加熱したのち、室温に戻した。この膜のイオ
ン伝導度は、1.2mS/cmであった。また、この電
解液含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについて行っ
たところ、2サンプルとも、150℃までの昇温過程に
おいて抵抗値の大きな低下が無く、短絡する現象は起こ
らなかった。これを隔膜として用いた電池の急速充放電
性能は95%であった。
と、片側最表面に約0.3μmの厚みの比較的緻密なス
ポンジ構造の層を有していて、内部はそれよりも孔径の
大きな空孔が連結した、巨大空孔を含まないスポンジ構
造であった。両表面には円形状の孔が開口しており、そ
の平均孔径は、それぞれ0.08μm、1.2μmであ
った。即ち、最小孔径層の平均孔径が0.08μmであ
り、両表面の孔径比が15である。この多孔質膜は、膜
厚37μm、空隙率77%であり、透水量が840(リ
ットル/m2 /hr/atm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)得られた多孔質
膜を電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含
浸し、完全に透明になった。この電解液含浸膜を80℃
で30分間加熱したのち、室温に戻した。この膜のイオ
ン伝導度は、1.2mS/cmであった。また、この電
解液含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについて行っ
たところ、2サンプルとも、150℃までの昇温過程に
おいて抵抗値の大きな低下が無く、短絡する現象は起こ
らなかった。これを隔膜として用いた電池の急速充放電
性能は95%であった。
【0036】
【比較例1】 (多孔質膜の製造)電子線の照射による架橋処理を行わ
なかった他は、実施例1と同様にして多孔質膜を作成し
た。上記の多孔質膜の断面構造、平均孔径、膜厚、空隙
率は、実施例1と同様であった。また、透水量は190
0(リットル/m2 /hr/atm、25℃)であり、
実施例1の膜と同等であった。しかしながら、溶解試験
では完全に溶解してしまった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含浸
し、完全に透明になった。この電解液含浸膜の室温にお
けるイオン伝導度は1.3mS/cmであった。また、
この電解液含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについ
て行ったところ、2サンプルとも、100℃までの昇温
途中において抵抗値の大きな低下が起こり、遂には短絡
して測定不能になった。この電解液含浸膜を隔膜として
用いた電池の急速充放電性能は、55%と低いものであ
った。
なかった他は、実施例1と同様にして多孔質膜を作成し
た。上記の多孔質膜の断面構造、平均孔径、膜厚、空隙
率は、実施例1と同様であった。また、透水量は190
0(リットル/m2 /hr/atm、25℃)であり、
実施例1の膜と同等であった。しかしながら、溶解試験
では完全に溶解してしまった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、数秒以内に電解液を含浸
し、完全に透明になった。この電解液含浸膜の室温にお
けるイオン伝導度は1.3mS/cmであった。また、
この電解液含浸膜の高温安定性試験を2サンプルについ
て行ったところ、2サンプルとも、100℃までの昇温
途中において抵抗値の大きな低下が起こり、遂には短絡
して測定不能になった。この電解液含浸膜を隔膜として
用いた電池の急速充放電性能は、55%と低いものであ
った。
【0037】
【参考例1】 (多孔質膜の製造)アクリロニトリル/メチルアクリレ
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ、95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)
16重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成社
製特級試薬)74重量部、ポリエチレングリコール#6
00(和光純薬社製一級試薬)10重量部からなる溶液
を調製した。この原液を60℃でガラス板上に流延した
のち、25℃の水中に浸漬して凝固させた。次いで、大
量の水で水洗し、緊張状態で90℃の熱水中に30分間
浸漬したのち、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。該多
孔質膜に電子線照射(照射量30Mrad)し、架橋し
た多孔質膜を作成した。溶解試験を行った結果、未溶解
分が5%以上であり、架橋していることを確認できた。
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ、95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)
16重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成社
製特級試薬)74重量部、ポリエチレングリコール#6
00(和光純薬社製一級試薬)10重量部からなる溶液
を調製した。この原液を60℃でガラス板上に流延した
のち、25℃の水中に浸漬して凝固させた。次いで、大
量の水で水洗し、緊張状態で90℃の熱水中に30分間
浸漬したのち、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。該多
孔質膜に電子線照射(照射量30Mrad)し、架橋し
た多孔質膜を作成した。溶解試験を行った結果、未溶解
分が5%以上であり、架橋していることを確認できた。
【0038】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、両側表面には、比較的緻密な層を有していて、内部
には、膜厚方向の長さが約25μmである巨大空孔と、
孔径がサブμm〜数μmの空孔が連結したスポンジ構造
を有していた。両表面には円形状の孔が開口しており、
その平均孔径は、それぞれ0.02μm、0.12μm
であった。即ち、最小孔径層の平均孔径が0.02μm
であり、両表面の孔径比が6.0である。該多孔質膜
は、膜厚60μm、空隙率77%であり、透水量が12
0(リットル/m2 /hr/atm、25℃)であっ
た。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、完全に透明になるのに1分
以上を要した。この電解液含浸膜のイオン伝導度は1.
2mS/cmであった。また、この電解液含浸膜の高温
安定性試験を2サンプルについて行ったところ、2サン
プルとも、150℃までの昇温過程において抵抗値の大
きな低下が無く、短絡する現象は起こらなかったが、こ
れを隔膜として用いた電池の急速充放電性能は31%と
低いものであった。
と、両側表面には、比較的緻密な層を有していて、内部
には、膜厚方向の長さが約25μmである巨大空孔と、
孔径がサブμm〜数μmの空孔が連結したスポンジ構造
を有していた。両表面には円形状の孔が開口しており、
その平均孔径は、それぞれ0.02μm、0.12μm
であった。即ち、最小孔径層の平均孔径が0.02μm
であり、両表面の孔径比が6.0である。該多孔質膜
は、膜厚60μm、空隙率77%であり、透水量が12
0(リットル/m2 /hr/atm、25℃)であっ
た。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、完全に透明になるのに1分
以上を要した。この電解液含浸膜のイオン伝導度は1.
2mS/cmであった。また、この電解液含浸膜の高温
安定性試験を2サンプルについて行ったところ、2サン
プルとも、150℃までの昇温過程において抵抗値の大
きな低下が無く、短絡する現象は起こらなかったが、こ
れを隔膜として用いた電池の急速充放電性能は31%と
低いものであった。
【0039】
【参考例2】 (多孔質膜の製造)参考例1と同様にして調製した原液
を、30℃でTダイのスリットから薄膜状にして押し出
し、25℃の水中に浸漬して凝固させた。次いで、大量
の水で水洗し、緊張状態で90℃の熱水中に30分間浸
漬したのち、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。この多
孔質膜に電子線照射(照射量30Mrad)し、架橋し
た多孔質膜を作成した。溶解試験を行った結果、未溶解
分が5%以上であり、架橋していることを確認できた。
を、30℃でTダイのスリットから薄膜状にして押し出
し、25℃の水中に浸漬して凝固させた。次いで、大量
の水で水洗し、緊張状態で90℃の熱水中に30分間浸
漬したのち、50℃で乾燥して多孔質膜を得た。この多
孔質膜に電子線照射(照射量30Mrad)し、架橋し
た多孔質膜を作成した。溶解試験を行った結果、未溶解
分が5%以上であり、架橋していることを確認できた。
【0040】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、両表面には、厚み約2μmの非常に緻密な層を有し
ていて、内部には、膜厚方向の長さが約15μmである
巨大空孔と、孔径がサブμm〜数μmの空孔が連結した
スポンジ構造を有していた。この多孔質膜は、膜厚50
μm、空隙率80%であり、透水量が5(リットル/m
2 /hr/atm、25℃)であったが、両表面には1
万倍に拡大しても明確に測定できる程度の孔が観察され
なかった。このことから、最小孔径層の平均孔径は0.
01μm以下であり、両表面の孔径比は1と推定され
る。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、完全に透明になるのに1分
以上を要した。この電解液含浸膜のイオン伝導度は1.
1mS/cmであった。また、この電解液含浸膜の高温
安定性試験を2サンプルについて行ったところ、2サン
プルとも、150℃までの昇温過程において抵抗値の大
きな低下が無く、短絡する現象は起こらなかったが、こ
れを隔膜として用いた電池の急速充放電性能は20%で
あった。
と、両表面には、厚み約2μmの非常に緻密な層を有し
ていて、内部には、膜厚方向の長さが約15μmである
巨大空孔と、孔径がサブμm〜数μmの空孔が連結した
スポンジ構造を有していた。この多孔質膜は、膜厚50
μm、空隙率80%であり、透水量が5(リットル/m
2 /hr/atm、25℃)であったが、両表面には1
万倍に拡大しても明確に測定できる程度の孔が観察され
なかった。このことから、最小孔径層の平均孔径は0.
01μm以下であり、両表面の孔径比は1と推定され
る。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、完全に透明になるのに1分
以上を要した。この電解液含浸膜のイオン伝導度は1.
1mS/cmであった。また、この電解液含浸膜の高温
安定性試験を2サンプルについて行ったところ、2サン
プルとも、150℃までの昇温過程において抵抗値の大
きな低下が無く、短絡する現象は起こらなかったが、こ
れを隔膜として用いた電池の急速充放電性能は20%で
あった。
【0041】
【参考例3】 (多孔質膜の製造)アクリロニトリル/メチルアクリレ
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)1
6重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成社製
特級試薬)68重量部、ポリビニルピロリドン(BAS
F社製K−17)16重量部からなる溶液を調製した。
この原液を40℃でTダイのスリットから薄膜状にして
押し出し、40℃の水中に浸漬して凝固させた。次い
で、大量の水で水洗し、緊張状態で90℃の熱水中に3
0分間浸漬して1.6倍に延伸を行ったたのち、50℃
で乾燥して多孔質膜を得た。この多孔質膜に電子線照射
(照射量30Mrad)し、架橋した多孔質膜を作成し
た。溶解試験を行った結果、未溶解分が5%以上であ
り、架橋していることを確認できた。
ート/メタリルスルホン酸ソーダ3元系共重合体(それ
ぞれ95/4.5/0.5重量%、極限粘度1.2)1
6重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成社製
特級試薬)68重量部、ポリビニルピロリドン(BAS
F社製K−17)16重量部からなる溶液を調製した。
この原液を40℃でTダイのスリットから薄膜状にして
押し出し、40℃の水中に浸漬して凝固させた。次い
で、大量の水で水洗し、緊張状態で90℃の熱水中に3
0分間浸漬して1.6倍に延伸を行ったたのち、50℃
で乾燥して多孔質膜を得た。この多孔質膜に電子線照射
(照射量30Mrad)し、架橋した多孔質膜を作成し
た。溶解試験を行った結果、未溶解分が5%以上であ
り、架橋していることを確認できた。
【0042】上記の架橋した多孔質膜の断面を観察する
と、両側表面には、厚み約0.5μmの比較的緻密な層
を有していて、内部には、膜厚方向の長さが約7μmで
ある巨大空孔と、孔径がサブμm〜数μmの空孔が連結
したスポンジ構造を有していた。両表面には長径が1.
5μm、短径が0.1μmのスリット状の孔が観察され
た。即ち、最小孔径層の平均孔径は0.25μmであ
り、両表面の孔径比は1であって、長径と短径の比が1
5である。この多孔質膜は、膜厚40μm、空隙率78
%であり、透水量が500(リットル/m2 /hr/a
tm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、1分以内に電解液を含浸し
て透明になった。この電解液含浸膜のイオン伝導度は
1.3mS/cmであった。次いで、該電解液含浸膜の
高温安定性試験を2サンプルについて行ったところ、2
サンプルの内1サンプルが、150℃までの昇温途中に
おいて抵抗値の大きな低下が起こり、遂には短絡して測
定不能になった。
と、両側表面には、厚み約0.5μmの比較的緻密な層
を有していて、内部には、膜厚方向の長さが約7μmで
ある巨大空孔と、孔径がサブμm〜数μmの空孔が連結
したスポンジ構造を有していた。両表面には長径が1.
5μm、短径が0.1μmのスリット状の孔が観察され
た。即ち、最小孔径層の平均孔径は0.25μmであ
り、両表面の孔径比は1であって、長径と短径の比が1
5である。この多孔質膜は、膜厚40μm、空隙率78
%であり、透水量が500(リットル/m2 /hr/a
tm、25℃)であった。 (導電性ポリマー基材膜としての性能)この多孔質膜を
電解液中に浸漬したところ、1分以内に電解液を含浸し
て透明になった。この電解液含浸膜のイオン伝導度は
1.3mS/cmであった。次いで、該電解液含浸膜の
高温安定性試験を2サンプルについて行ったところ、2
サンプルの内1サンプルが、150℃までの昇温途中に
おいて抵抗値の大きな低下が起こり、遂には短絡して測
定不能になった。
【0043】
【発明の効果】本発明のアクリロニトリル系樹脂製多孔
質膜は、大きな孔を有する新規な構造の膜であるので、
透水性に優れ、高機能を有する。特に、リチウムイオン
含有非水電解液中に浸漬するだけで極めて短時間にその
空孔中に該電解液を保持させることができるので、イオ
ン伝導度の高いリチウムイオン導電性ポリマー膜の基材
膜として有用である。該リチウムイオン導電性ポリマー
膜を用いた電池は、大きな電流密度でも優れた電池性能
を示し、かつ、高温環境下に曝されても安定した性能を
発揮できる。
質膜は、大きな孔を有する新規な構造の膜であるので、
透水性に優れ、高機能を有する。特に、リチウムイオン
含有非水電解液中に浸漬するだけで極めて短時間にその
空孔中に該電解液を保持させることができるので、イオ
ン伝導度の高いリチウムイオン導電性ポリマー膜の基材
膜として有用である。該リチウムイオン導電性ポリマー
膜を用いた電池は、大きな電流密度でも優れた電池性能
を示し、かつ、高温環境下に曝されても安定した性能を
発揮できる。
【0044】したがって、本発明のアクリロニトリル系
樹脂製多孔質膜は、従来の水処理分野だけでなく、リチ
ウムを用いた一次電池や二次電池等のリチウムイオン電
池、電解コンデンサ、エレクトロクロミック等の電気化
学素子に利用されるリチウムイオン導電性ポリマー用の
構成材料としても有用である。
樹脂製多孔質膜は、従来の水処理分野だけでなく、リチ
ウムを用いた一次電池や二次電池等のリチウムイオン電
池、電解コンデンサ、エレクトロクロミック等の電気化
学素子に利用されるリチウムイオン導電性ポリマー用の
構成材料としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01M 10/40 Z // C08F 20/44 C08F 20/44
Claims (2)
- 【請求項1】 表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最
小孔径層の平均孔径が0.05μm〜5μmであって、
架橋されていることを特徴とするアクリロニトリル系樹
脂製多孔質膜。 - 【請求項2】 表裏を連通する多数の孔を有し、膜の最
小孔径層の平均孔径が0.05μm〜5μmであって、
架橋されていることを特徴とするアクリロニトリル系樹
脂製多孔質膜からなるリチウムイオン導電性ポリマー用
基材膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9236877A JPH1180416A (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | アクリロニトリル系樹脂製多孔質膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9236877A JPH1180416A (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | アクリロニトリル系樹脂製多孔質膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180416A true JPH1180416A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17007123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9236877A Pending JPH1180416A (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | アクリロニトリル系樹脂製多孔質膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180416A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1054465A1 (en) * | 1999-05-20 | 2000-11-22 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Polyelectrolytic gel |
JP4961654B2 (ja) * | 2000-02-24 | 2012-06-27 | 株式会社Gsユアサ | 非水電解質二次電池 |
-
1997
- 1997-09-02 JP JP9236877A patent/JPH1180416A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1054465A1 (en) * | 1999-05-20 | 2000-11-22 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Polyelectrolytic gel |
JP4961654B2 (ja) * | 2000-02-24 | 2012-06-27 | 株式会社Gsユアサ | 非水電解質二次電池 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040824 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060718 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061226 |