JPH1160957A - 前駆体ポリマー組成物及び低誘電率絶縁材料 - Google Patents
前駆体ポリマー組成物及び低誘電率絶縁材料Info
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- JPH1160957A JPH1160957A JP9225118A JP22511897A JPH1160957A JP H1160957 A JPH1160957 A JP H1160957A JP 9225118 A JP9225118 A JP 9225118A JP 22511897 A JP22511897 A JP 22511897A JP H1160957 A JPH1160957 A JP H1160957A
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Abstract
及び耐O2 プラズマ性を示す絶縁材料及びその前駆体を
提供すること。 【解決手段】 主たる繰り返し単位として−(RSiN
3 )−、−(RSiN2O)−、−(RSiNO2 )−
及び−(RSiO3 )−〔式中、Rはアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルア
ミノ基又はアルキルシリル基である〕を含み数平均分子
量が400〜100000であることを特徴とするポリ
オルガノシロキサザンと、前記ポリオルガノシロキサザ
ンに対して1〜50重量%のポリオルガノシラザン又は
ペルヒドロポリシラザンとを含む前駆体ポリマー組成
物、並びにこれを焼成して得られる絶縁材料。
Description
前駆体となるポリマー組成物に関する。本発明による絶
縁材料は、耐熱性が高く、極めて低い比誘電率を示すと
共に、耐O2 プラズマ性に非常に優れているため、その
他の特性(グローバル平坦性、耐吸湿性)と相まって電
子材料分野における層間絶縁膜として特に有用である。
化、高集積化に伴い一層の低誘電率化が求められてお
り、無機系、有機系を問わず様々な材料が開発されてい
る。無機系材料の多くはSiOx 系であり、誘電率を低
下させるために多孔質化(ポーラス化)やフッ素による
変性(F変性)などを施すことが知られている。例え
ば、ヒドロシルセスキオキサン(HSQ)を多孔質化す
ることにより比誘電率3.0〜3.5を示す層間絶縁膜
が得られることが知られている。また、F変性による低
誘電率化でも3.5程度の比誘電率が得られている。一
方、有機系材料では、無機系材料よりも低い比誘電率
2.5〜3.0を示す層間絶縁膜が知られている。
膜は、一般に電子材料の製造工程(例えば、CVDによ
る配線蒸着工程)において、400℃を超える高温に晒
される。このような高温環境下では、上記HSQの場
合、側鎖のSiH基が分解して多孔質構造の緻密化が起
こるため、HSQ由来の層間絶縁膜は電子材料の製造工
程において比誘電率が上昇する。また、絶縁膜に撥水性
を付与し、誘電率の上昇を防止していたSiH基の分解
は、膜の吸湿による誘電率の上昇を引き起こすことにも
なる。F変性を施した絶縁膜の場合、耐熱性は得られる
が、フッ素自体に吸湿性があるために膜が吸湿し、実用
上3.5よりも低い比誘電率を安定的に示す絶縁膜を得
ることは困難である。また、無機系材料よりも低い比誘
電率を示すとはいえ、400℃以上の耐熱性を有する有
機系材料はほとんどなく、高温処理に晒される電子材料
用の層間絶縁膜に適するものはない。
造工程における高温処理後にも低い比誘電率(2.5〜
2.7)を安定的に示すセラミックス材料及びその前駆
体ポリマーを開発した(特願平8−351064号:発
明の名称「ポリオルガノシロキサザン及びその製造方
法」)。電子材料の製造工程には、配線などのパターン
形成に使用した後の残留レジストを除去するために酸素
(O2 )プラズマ処理を施す工程がある。従って、層間
絶縁膜には高い耐O2 プラズマ性が要求される。
縁膜のさらなる低誘電率化を要求している。従って、本
発明の目的は、より一層低い比誘電率を400℃以上の
高温処理後にも安定して示す耐熱性を有し且つ耐O2 プ
ラズマ性にも優れた絶縁材料(層間絶縁膜)及びその前
駆体を提供することにある。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、特定の構造を有
するポリオルガノシロキサザンとポリシラザンを所定の
割合で組み合わせたポリマー組成物が、これを焼成した
場合に、ポリオルガノシロキサザンを単独で焼成した場
合よりも低い比誘電率(2.2〜2.5)を400℃以
上の高温処理後にも安定して示す耐熱性を有すると同時
に、非常に高い耐O2 プラズマ性を示すことを見い出し
た。
−(RSiN2 O)−、−(RSiNO2 )−及び−
(RSiO3 )−〔式中、Rはアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基
又はアルキルシリル基である〕を含み数平均分子量が4
00〜100000であることを特徴とするポリオルガ
ノシロキサザンと、前記ポリオルガノシロキサザンに対
して1〜50重量%のポリオルガノシラザン又はペルヒ
ドロポリシラザンとを含む前駆体ポリマー組成物が提供
される。
−(RSiN2 O)−、−(RSiNO2 )−及び−
(RSiO3 )−〔式中、Rはアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基
又はアルキルシリル基である〕を含み数平均分子量が4
00〜100000であることを特徴とするポリオルガ
ノシロキサザンと、前記ポリオルガノシロキサザンに対
して1〜50重量%のポリオルガノシラザン又はペルヒ
ドロポリシラザンとを含む前駆体ポリマー組成物を焼成
することにより得られる、比誘電率が2.7以下である
ことを特徴とする絶縁材料が提供される。
えば、400℃以上)で焼成処理した場合でも極めて低
い比誘電率(例えば、2.5以下)を安定して示すと同
時に、非常に高い耐O2 プラズマ性を示す絶縁材料を得
ることができるので、高集積化電子材料用の絶縁材料
(層間絶縁膜)の前駆体として非常に適している。
記載する。 〔3〕前記ポリオルガノシロキサザンのRがフェニル基
である、〔1〕項に記載の前駆体ポリマー組成物。 〔4〕前記ポリオルガノシロキサザンのRがフェニル基
である、〔2〕項に記載の絶縁材料。 〔5〕前記ポリオルガノシラザンが、−(R1 SiHN
H)n −(SiH2 NH)m −〔式中、R1 は、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ
基又はアルキルシリル基であり、nは1〜99の整数で
あり、そしてmは99〜1の整数である〕を主たる繰り
返し単位とし且つ、数平均分子量が500〜10000
0である、〔1〕項又は〔3〕項に記載の前駆体ポリマ
ー組成物。
項に記載の前駆体ポリマー組成物。 〔7〕前記ペルヒドロポリシラザンが、−(SiH2 N
H)−を主たる繰り返し単位とし且つ、数平均分子量が
500〜20000である、〔1〕項又は〔3〕項に記
載の前駆体ポリマー組成物。 〔8〕焼成が、窒素中又は乾燥空気中、350〜450
℃で焼成する工程を含む、〔2〕項に記載の絶縁材料。
〔8〕項に記載の絶縁材料。
ノシロキサザンは、一般式Rn SiX4-n で示される有
機ハロシランを、アンモニア及び水と反応させることに
よって得られる。前記式中、Rはアルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアミノ
基又はアルキルシリル基であり、Xはハロゲン原子であ
り、そしてnは1又は2である。
7、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1又は2のア
ルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、等が挙げられる。特に好ましいアルキル基
はメチル基である。アルケニル基としては、炭素原子数
2〜7、好ましくは2〜5のアルケニル基が好ましく、
具体的には、ビニル基、アリル基、等が挙げられる。特
に好ましいアルケニル基はビニル基である。
〜7のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が
挙げられる。アリール基としては、炭素原子数6〜1
8、好ましくは炭素原子数6〜9のアリール基が好まし
く、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、
クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニル
基、ナフチル基が挙げられる。特に好ましいアリール基
はフェニル基である。アルキルアミノ基(モノ−、ジ−
置換体)及びアルキルシリル基(モノ−、ジ−、トリ−
置換体)としては、炭素原子数1〜5の基であることが
好ましい。
びIが挙げられる。特に好ましいハロゲンはClであ
る。nは1又は2であり、特にn=1であることが好ま
しい。Rn SiX4-n で示される有機ハロシランの具体
例として、メチルトリクロロシラン、トリクロロシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロ
ロシラン、フェニルトリクロロシラン、等が挙げられ
る。特に好ましい有機ハロシランはメチルトリクロロシ
ラン、フェニルトリクロロシラン及びビニルトリクロロ
シランである。
じて反応溶媒中でアンモニア及び水と反応させることが
できる。使用する場合、反応溶媒は特に限定されず、ル
イス塩基、非反応性溶媒又はこれらの混合物のいずれを
使用してもよい。ルイス塩基としては、例えば、第三ア
ミン類(トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジ
エチルメチルアミン、トリエチルアミン、等のトリアル
キルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチルアニリン並
びにこれらの誘導体)、立体障害性を有する第二アミン
類、フォスフィン、スチピン、アルシン並びにこれらの
誘導体を挙げることができる。好ましいルイス塩基は、
低沸点でアンモニアより塩基性の小さい塩基、トリメチ
ルフォスフィン、トリエチルフォスフィン)であり、特
にピリジン、ピコリンが取扱い性の点で好ましい。
脂環式炭化水素、芳香族炭化水素の炭化水素系溶媒;ハ
ロゲン化メタン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼ
ン、等のハロゲン化炭化水素;脂肪族エーテル、脂環式
エーテル、等のエーテル類を挙げることができる。好ま
しい非反応性溶媒の具体例としては、塩化メチレン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、塩化エチリデ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、等のハロ
ゲン化炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエー
テル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、1,2
−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、
テトラヒドロフラン、等のエーテル類、ペンタン、ヘキ
サン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソ
ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、
メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジグライム、等の
炭化水素を挙げることができる。安全性の点から、ジク
ロロメタン、キシレンを使用することが好ましい。
上記有機ハロシランモノマーRn SiX4-n をアンモニ
ア及び水と反応させる。該モノマーとアンモニア及び水
の反応順序は特に限定されない。即ち、該モノマーとア
ンモニアとを反応させてからその反応混合物に水を加え
ること、該モノマーと水を反応させてからその反応混合
物にアンモニアを加えること、或いは、アンモニア及び
水を同時に該モノマーと反応させることができる。水
は、単独で滴下反応させてもよいし、上記溶媒に予め溶
解又は分散させておいて反応させてもよい。また、アン
モニアは、窒素ガス等の不活性ガス中に拡散させたもの
を有機ハロシランを含む反応溶媒中に吹き込むことによ
って反応させることができる。
−80℃〜50℃の範囲、好ましくは−20℃〜10℃
とする。この反応温度が−80℃よりも低いと、溶媒の
融点に達し、使用できる溶媒に制約が生じる。また、−
80℃以下にすることは経済的にも好ましくない。ま
た、この反応温度が50℃よりも高いと、反応が急激に
進み、反応生成物のゲル化が起こり、収率が低下する。
反応圧力に特に制限はなく、常圧で反応させればよい。
反応時間は、有機ハロシランと水との反応では一般に1
0〜600分、好ましくは30〜180分とし、有機ハ
ロシランとアンモニアとの反応では一般に10〜180
分、好ましくは20〜120分とすることができる。
シランモノマーのモル数から計算される必要モル数を基
準として10モル%〜90モル%、好ましくは20モル
%〜80モル%とし、アンモニアと水のモル数の合計を
100モル%とする。なお、このように合成されたポリ
マーの物性に影響を及ぼすものではないが、有機ハロシ
ランと水との反応により塩酸が生成し、この時に副反応
として一部水素付加反応が起こりポリマー中にSi−H
基が生成する可能性がある。しかしながら、この反応は
優先的に起こるものではなく、Si−H基が生成したと
してもその量はSi基準で10モル%以下である。
キサザンは、主たる繰り返し単位として−(RSi
N3 )−、−(RSiN2 O)−、−(RSiNO2 )
−及び−(RSiO3 )−を含む線状又は環状の重合体
であるが、一般にはそのような線状又は環状の重合体の
複合体となる。式中、Rは既述の通りである。これらの
繰り返し単位:−(RSiN3 )−、−(RSiN
2 O)−、−(RSiNO2 )−及び−(RSiO3 )
−は、ポリオルガノシロキサザンにおいて任意の割合で
存在し、またこれらの配列は規則的である必要はなく、
実際には不規則である。
均分子量は400〜100000、好ましくは400〜
10000である。この数平均分子量が100000を
超えると、常温で架橋反応が起こるためにポリマーのゲ
ル化が進行しやすくなり、取扱いが困難となる。また、
この数平均分子量が400未満であると、沸点が低いダ
イマーとなり、焼成時に飛散し、絶縁材料の物性が悪化
する。
キサザンにポリオルガノシラザンを組み合わせることに
より調製することができる。好適なポリオルガノシラザ
ンとして、本出願人による特開平3−31326号公報
に記載されているランダム共重合シラザンを挙げること
ができる。特に好適なランダム共重合シラザンは、−
(R1 SiHNH)n −(SiH2 NH)m −〔式中、
R1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アルキルアミノ基又はアルキルシリル基であり、nは1
〜99の整数であり、そしてmは99〜1の整数であ
る〕を主たる繰り返し単位とし且つ、数平均分子量が5
00〜100000である。この共重合シラザンは、一
般式SiH2 X2 (式中、Xはハロゲン原子)で示され
る無機ジハロシランと一般式RSi(H)X2 で示され
るオルガノ(ヒドロ)ジハロシランをルイス塩基と反応
させて得られた錯体混合物をアンモニアと反応させるこ
とにより合成することができる。ランダム共重合シラザ
ンについての詳細は、上記特開平3−31326号公報
を参照されたい。
キサザンにペルヒドロポリシラザンを組み合わせること
によっても調製することができる。好適なペルヒドロポ
リシラザンとして、本出願人による特開昭60−145
903号公報に記載されているものを挙げることができ
る。特に好適なペルヒドロポリシラザンは、−(SiH
2 NH)−を主たる繰り返し単位とし且つ、数平均分子
量が500〜20000である。このペルヒドロポリシ
ラザンは、ハロシランを用いた無機ポリシラザンの合成
方法において、原料から最終生成物に至る反応工程にお
いて、ハロシランのアダクツを生成せしめる工程を含む
ことを特徴とする無機ポリシラザンの合成方法により合
成することができる。ペルヒドロポリシラザンについて
の詳細は、上記特開昭60−145903号公報を参照
されたい。
ノシロキサザンと、該ポリオルガノシロキサザンに対し
て、1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より
好ましくは5〜25重量%の上記ポリオルガノシラザン
又は1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%、より
好ましくは5〜15重量%の上記ペルヒドロポリシラザ
ンとを含む。本発明による前駆体ポリマー組成物の調製
は、上記ポリオルガノシロキサザンと上記ポリオルガノ
シラザン又は上記ペルヒドロポリシラザンを単に混合し
て攪拌すればよい。ポリオルガノシロキサザンとポリシ
ラザンの混合は、常温以下の乾燥雰囲気で行うことが好
ましい。溶媒を使用する場合には、共通の溶媒を使用す
ることが好ましいが、場合によっては異なる溶媒を用
い、得られる前駆体ポリマー組成物を混合溶媒系とする
ことも可能である。
することによって、耐熱性に優れた誘電率の低い絶縁材
料が得られる。焼成と共に、或いは焼成に代わり、赤外
線照射、紫外線照射等を施してもよい。焼成は、一般に
は大気中、水蒸気中、窒素中、等、いずれの雰囲気でも
実施できるが、水分が存在すると焼成炉内での結露によ
り半導体デバイスを劣化させる恐れがあるため、窒素又
は乾燥空気中で行うことが好ましい。また、焼成雰囲気
の圧力に特に制限はなく、常圧であっても、加圧であっ
てもよい。
350〜450℃の範囲とする。この焼成温度が100
℃よりも低いと、ポリオルガノシロキサザンが十分に硬
化することができず、反対に700℃よりも高いと、硬
化が進み、緻密な材質となって誘電率が上昇する。ま
た、残留応力レベルも高くなり、割れが生じやすくな
る。
0.5〜2.0時間、好ましくは0.5〜1.0時間の
焼成を行う。前駆体ポリマー組成物の焼成に用いられる
焼成装置としては、上記の製造条件を制御することがで
きるものであればいずれの装置でも使用することができ
る。例えば、マッフル炉、管状炉、等を使用すると便利
である。
コーティングとして提供する場合には、本発明による前
駆体ポリマー組成物に溶媒を配合して成る塗布組成物を
使用すると便利である。塗布組成物の溶媒としては、芳
香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼ
ン及びトリエチルベンゼン、シクロヘキサン、デカヒド
ロナフタレン、ジペンテン、飽和炭化水素化合物、例え
ば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−
ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタ
ン、i−オクタン、n−ノナン、i−ノナン、n−デカ
ン及びi−デカン、エチルシクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、p−メンタン、エーテル類、例えば、ジプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル及びジペンチルエー
テル、並びにケトン類、例えば、メチルイソブチルケト
ン、等が挙げられる。特に、キシレン、ジブチルエーテ
ル等を溶媒とすることが好ましい。また、溶媒の蒸発を
調節するために、二種以上の溶媒を混合して用いること
もできる。溶媒使用量は、その後の塗布方法によっても
異なるが、一般に前駆体ポリマー組成物1重量部に対し
て1.0〜10000重量部、より好ましくは1.0〜
100重量部とする。
機材料、等、任意の基板に塗布することができる。ま
た、適用する焼成温度に耐えられるものであればプラス
チック基板に塗布することも可能である。上記のよう
に、本発明による塗布組成物を焼成して得られる絶縁膜
は、400℃よりも高い温度で処理された場合でも低い
比誘電率(例えば、2.5以下)を維持できると共に耐
O2 プラズマ性に優れているという特徴を有し、特に、
高集積化、高速化された次世代半導体用層間絶縁膜とし
て有用であるため、電子材料用基板に塗布することが特
に考えられる。
ち、浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー
塗り、フロー塗り、スピンコート、等の方法を採用する
ことができる。塗布後、必要に応じて塗膜を乾燥して溶
媒を除去し、次いで上記のように焼成を行う。
る。ポリマー1(ポリオルガノシロキサザン)の合成 温度−5℃の恒温槽内に設置した1Lの反応容器内を乾
燥窒素で置換した後、乾燥キシレン400mLを入れ、
その温度が一定になるまで保持した後、攪拌しながらフ
ェニルトリクロロシラン(PhSiCl3 )105.7
5グラムを徐々に加えた。次いで、温度が一定になった
ことを確認してから、蒸留水4.5グラムを含む含水ピ
リジン400mLを約30分かけてゆっくりと添加し
た。このとき、温度の上昇が認められた。
後、反応混合物中にアンモニアを吹き込んだ。反応終了
後約1時間攪拌し、次いで窒素雰囲気下で加圧濾過して
濾液750mLを得た。この濾液に乾燥m−キシレン約
1000mLを加え、減圧下で溶媒を除去したところ、
64グラムの固体状ポリマーが得られた。このポリマー
の数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GP
C)で測定したところ870であった。また、重量平均
分子量は1300であった。
(FT−IR)で測定したところ、波数(cm-1)33
60にNH基に基づく吸収;3000付近にベンゼン環
に起因するC−Hに基づく吸収;1050付近にSi−
O−Siに基づく吸収;950付近にSi−N−Siに
基づく吸収;1140付近にSi−Phに基づく吸収が
確認された。さらに、29SiNMR分析から、TMS
(テトラメチルシラン)基準で−31ppm付近にPh
SiN3 のシグナル、−40〜−50ppmにかけてP
hSiN2 Oのシグナル、−55〜−65ppmにかけ
てPhSiNO2 のシグナル、−70〜−80ppmに
かけてPhSiO3 のシグナルが観測された。
ら、このポリマーは主鎖に−(PhSiN3 )−、−
(PhSiN2 O)−、−(PhSiNO2 )−及び−
(PhSiO3 )−を有するフェニルシロキサザンポリ
マーであることが同定された。
マー)の合成 特開平3−31326号公報に記載された方法に従い、
モノマーとしてMeSiHCl2 (0.5モル)、Si
H2 Cl2 (0.5モル)を用い、主鎖が−(MeSi
HNH)−、−(SiH2 NH)−からなるメチルシラ
ザンランダムポリマーを合成した。合成されたメチルシ
ラザンランダムポリマーは、コモノマー比n:m=1:
1、数平均分子量670及び重量平均分子量1300で
あった。
合成 特開昭60−145903号公報に記載された方法に従
い、モノマーとしてSiH2 Cl2 (0.5モル)を用
い、一般式−(SiH2 NH)n −で示されるペルヒド
ロポリシラザンを合成した。合成されたペルヒドロポリ
シラザンは、数平均分子量850及び重量平均分子量1
400であった。
0.2μmのフィルターで濾過した。濾過後の溶液をア
ルミ蒸着ガラス基板にスピンコート法で塗布して塗膜を
形成した。この塗膜を大気中、170℃のホットプレー
ト上で3分間乾燥処理し、その後乾燥空気中、400℃
で1時間の焼成処理を施した。焼成後の被膜にパターニ
ングしたアルミ蒸着を施すことにより、コンデンサーを
製作した。このコンデンサーのキャパシタンスを測定し
て焼成被膜の比誘電率を求めたところ、平均で2.5を
示した。この平均値は同一試料について10点測定して
得られた値である。
布し、上記と同じ条件で乾燥、焼成を実施した。焼成後
の被膜の耐O2 プラズマ性を調べるため、ANELVA DEM-4
51(日電アネルバ(株)製)のプラズマ装置を用い、8
00ミリトール、100w、5分の条件で酸素プラズマ
照射を施した。酸素プラズマ照射前後で被膜の厚さを断
差計により測定し、照射後の膜厚残存率を求めたとこ
ろ、約46%であった。
リマー)の20重量%キシレン溶液をそれぞれ調製し
た。ポリマー1に対してポリマー2が10重量%となる
ように、ポリマー1の溶液にポリマー2の溶液を加えて
攪拌、混合した。この混合物を用いて比較例と同様にコ
ンデンサーを製作し、焼成被膜の比誘電率を測定したと
ころ2.44であった。
ラズマ性を調べた結果、膜厚残存率が84%となり、比
較例(46%)に対して大幅な改善効果が認められた。
酸素プラズマ照射前後の焼成被膜の化学構造をFT−I
Rスペクトルで比較(図1及び図2)したところ、その
スペクトルに実質的な変化は見られず、本発明による焼
成被膜は酸素プラズマ照射に対して化学構造的にも安定
していることが認められた。特に、図2より、本発明に
よる焼成被膜は、酸素プラズマ照射後にもSi−Phに
基づく吸収(1130cm-1付近)を示していること及
び水の吸収ピーク(3500cm-1付近)を示さないこ
とから、耐吸湿性が高く、ひいては本発明の特徴となる
非常に低い比誘電率を安定に示すことが理解される。
20重量%(実施例2)及び30重量%(実施例3)と
したこと以外、実施例1と同様に比誘電率及び酸素プラ
ズマ照射後の膜厚残存率を測定した。結果を表1に示
す。
チルシラザンランダムポリマーを配合してなる前駆体ポ
リマー組成物から得られた焼成被膜(実施例1〜3)
は、ポリオルガノシロキサザンのみから得られた焼成被
膜(比較例)と同等又はそれより低い比誘電率を示すと
同時に、大幅に改善された耐O2 プラズマ性を示すこと
がわかる。
の20重量%キシレン溶液をそれぞれ調製した。ポリマ
ー1に対するポリマー3の混合割合を、それぞれ10重
量%(実施例4)及び20重量%(実施例5)としたこ
と以外、実施例1と同様に比誘電率及び酸素プラズマ照
射後の膜厚残存率を測定した。結果を表2に示す。
ルヒドロポリシラザンを配合してなる前駆体ポリマー組
成物から得られた焼成被膜は、ペルヒドロポリシラザン
の配合割合が10重量%の場合(実施例4)に、2.2
という極めて低い比誘電率を示したことがわかる。ま
た、本発明による前駆体ポリマー組成物から得られた焼
成被膜(実施例4及び実施例5)は、ポリオルガノシロ
キサザンのみから得られた焼成被膜(比較例)と比較し
て大幅に改善された耐O2 プラズマ性を示すことがわか
る。
℃以上の高い温度で焼成処理した場合でも極めて低い比
誘電率(例えば、2.5以下)を安定して示すと同時
に、非常に高い耐O2 プラズマ性を示す絶縁材料を得る
ことができるので、高速高集積化電子材料用の絶縁材料
(層間絶縁膜)の前駆体として非常に適している。
射前におけるフーリエ変換赤外(FT−IR)分光分析
のスペクトルを表すグラフである。
射後におけるフーリエ変換赤外(FT−IR)分光分析
のスペクトルを表すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位として−(RSiN
3 )−、−(RSiN2 O)−、−(RSiNO2 )−
及び−(RSiO3 )−〔式中、Rはアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルア
ミノ基又はアルキルシリル基である〕を含み数平均分子
量が400〜100000であることを特徴とするポリ
オルガノシロキサザンと、前記ポリオルガノシロキサザ
ンに対して1〜50重量%のポリオルガノシラザン又は
ペルヒドロポリシラザンとを含む前駆体ポリマー組成
物。 - 【請求項2】 主たる繰り返し単位として−(RSiN
3 )−、−(RSiN2 O)−、−(RSiNO2 )−
及び−(RSiO3 )−〔式中、Rはアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルア
ミノ基又はアルキルシリル基である〕を含み数平均分子
量が400〜100000であることを特徴とするポリ
オルガノシロキサザンと、前記ポリオルガノシロキサザ
ンに対して1〜50重量%のポリオルガノシラザン又は
ペルヒドロポリシラザンとを含む前駆体ポリマー組成物
を焼成することにより得られる、比誘電率が2.7以下
であることを特徴とする絶縁材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22511897A JP4046809B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 前駆体ポリマー組成物及び低誘電率絶縁材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22511897A JP4046809B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 前駆体ポリマー組成物及び低誘電率絶縁材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160957A true JPH1160957A (ja) | 1999-03-05 |
JP4046809B2 JP4046809B2 (ja) | 2008-02-13 |
Family
ID=16824258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22511897A Expired - Lifetime JP4046809B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 前駆体ポリマー組成物及び低誘電率絶縁材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4046809B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6627559B2 (en) * | 2000-07-27 | 2003-09-30 | Contamination Control Services | Coating film |
JP2005036089A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Clariant (Japan) Kk | ポリシラザン組成物 |
JP2016117881A (ja) * | 2014-12-19 | 2016-06-30 | 三星エスディアイ株式会社SAMSUNG SDI Co., LTD. | シリカ系膜形成用組成物、シリカ系膜の製造方法および前記シリカ系膜を含む電子素子 |
-
1997
- 1997-08-21 JP JP22511897A patent/JP4046809B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2005036089A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Clariant (Japan) Kk | ポリシラザン組成物 |
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