JPH1149873A - 共重合ポリエステルフィルム並びに該フィルムによるラミネート金属板及びその製造法 - Google Patents
共重合ポリエステルフィルム並びに該フィルムによるラミネート金属板及びその製造法Info
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- JPH1149873A JPH1149873A JP22115297A JP22115297A JPH1149873A JP H1149873 A JPH1149873 A JP H1149873A JP 22115297 A JP22115297 A JP 22115297A JP 22115297 A JP22115297 A JP 22115297A JP H1149873 A JPH1149873 A JP H1149873A
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Abstract
び製缶加工性に優れた金属容器を製造することができる
ラミネート用フィルムを提供すること。 【解決手段】 融点150〜250℃、厚み3〜50μ
mの共重合ポリエステルフィルムであって、フィルムの
融点+30℃の温度でフィルムを60秒間熱処理した後
の共重合ポリエステルの還元粘度と熱処理前の共重合ポ
リエステルの還元粘度との差が0.05デシリットル/
g以下であることを特徴とする。
Description
ルフィルム、ラミネート金属板及びその製造法に関し、
さらに詳しくは、耐衝撃性、耐加水分解性及び耐熱分解
性に優れた共重合ポリエステルフィルム、ラミネート金
属板及びその製造法に関するものである。
防食の目的で樹脂塗料が塗布されている。この塗料は製
缶後にスプレー塗装法等で一缶毎に塗装するために効率
が悪く、また、塗料を高温で焼き付けるために多大なエ
ネルギーが必要であり、さらに、有機溶剤の飛散による
環境悪化の問題がある。
るため、缶を成形する前に金属板に予め塗料をコーティ
ングしておく技術(プレコート技術)やフィルムをラミ
ネートしておく技術(プレラミネート技術)が開発され
つつある。しかし、これらの技術においては、コートや
ラミネートにより形成された有機樹脂層は、製缶工程に
おいて過酷な変形や熱履歴を受けるので製缶後に欠陥が
生じやすく、十分な耐食性を発揮させることが困難であ
る。
ルムとしては衛生性や保香性が優れていることからポリ
エチレンテレフタレートを中心としたポリエステルフイ
ルムが用いられている。しかし、プレラミネートされた
ポリエステルフィルムが延伸配向されているとラミネー
ト金属板は製缶時の変形に追従できず、フィルムに亀裂
が入って耐食性が悪化し、それと共に缶の外観も悪いも
のとなる。
板にラミネートした後、ラミネートフィルムの融点以上
に加熱してリメルトさせ、ついで急冷し、非晶質無配向
にする方法(リメルト法)が検討されている。この方法
で製造したラミネート金属板を用いて製缶すると、ラミ
ネートフィルムが製缶時の変形に追従しやすいため、製
缶後もフィルムに亀裂や剥離が起きず、良好な外親と耐
食性が得られる。
ート金属板は製缶後の耐衝撃性が悪く、缶を落下させる
とフィルムに亀裂が入りやすく、耐食性を維持できな
い。そこで、耐衝撃性を向上させるために、ポリエステ
ルの還元粘度を上げる試みがなされているが、フィルム
をリメルトする際、ポリエステルの還元粘度が大きく低
下し、上記問題を解決するに至っていない。
ポリエステルフィルム及びラミネート金属板の問題を解
決し耐衝撃性、耐加水分解性、耐熱分解性及び製缶加工
性に優れた金属容器を製造することができるラミネート
用フィルムを提供することにある。
め、本発明の共重合ポリエステルフィルムは、融点15
0〜250℃、厚み3〜50μmの共重合ポリエステル
フィルムであって、フィルムの融点+30℃の温度でフ
ィルムを60秒間熱処理した後の共重合ポリエステルの
還元粘度と熱処理前の共重合ポリエステルの還元粘度と
の差が0.05デシリットル/g以下であることを特徴
とする。
ィルムは耐衝撃性、耐加水分解性及び耐熱分解性に優れ
ており、金属板と積層して容器を製造するのに適したラ
ミネート金属板を容易に得ることができる。
の共重合ポリエステルフイルムが少なくとも片面にラミ
ネートされていることを特徴とする。
衝撃性、耐加水分解性及び耐熱分解性に優れており、容
器を製造するのに適している。
は、上記の共重合ポリエステルフイルムを金属板の表面
に積層した状態で、該フィルムの融点以上の温度で熱処
理を行うことを特徴とする。
造法は耐衝撃性、耐加水分解性及び耐熱分解性に優れて
おり、容器を製造するのに適したラミネート金属板を得
るのに適している。
ルボン酸成分とジオール成分とからなる飽和ポリエステ
ルであり、融点が150℃〜250℃の範囲の共重合ポ
リエステルである。特にエチレンテレフタレート単位に
ナフタレンジカルボン酸成分又はネオぺンチルグリコー
ル成分を共重合して得た共重合ポリエステルを特に好ま
しい例として挙げることができる。
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、
ダイマー酸、インダンジカルボン酸、ジフェニルカルボ
ン酸、スルホイソフタル酸金属塩等が挙げられる。
リコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等が挙げられる。
結果としてポリエステルの融点が150℃〜250℃、
好ましくは210℃〜240℃、更に好ましくは215
℃〜235℃の範囲になる割合である。ポリステルの融
点が150℃未満では耐熱性が劣る。一方、ポリエステ
ルの融点が250℃を越えると、ポリエステルの結晶性
が大きすぎて成形加工性が損なわれる。
は、その製造方法によって限定されることはない。例え
ば、エステル交換法や直接重合法で、溶融下に縮重合す
ることにより得ることができる。
は、必要に応じ添加剤、例えば白色顔料、滑剤、ブロッ
キング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐
光剤、耐衝撃性改良剤等の公知の添加剤が配合されても
よい。
融点が150℃〜250℃、厚み3〜50μmであっ
て、フィルムの融点+30℃の温度でフィルムを60秒
間熱処理した後の共重合ポリエステルの還元粘度と熱処
理前の共重合ポリエステルの還元粘度との差が0.05
デシリットル/g以下であるフィルムである。
の方法によりポリエステルを溶融、押し出し、冷却して
得ることができ、また、さらに1軸ないし2軸延伸して
得ることができる。そして、フィルムの厚みは3〜50
μm、好ましくは10〜20μmであるが、フィルムの
厚みが3μm未満であると、フィルムにピンホールがで
きやすく耐食性に劣る。また、フィルムの厚みが50μ
mを越えると成形加工性が損なわれやすい。
還元粘度が好ましくは0.4〜1.0デシリットル/
g、より好ましくは0.5〜0.8デシリットル/gの
範囲である。還元粘度が0.4デシリットル/g未満で
あると、得られる共重合ポリエステルフィルムを金属板
にラミネートして得たラミネート金属板から製造した金
属容器の耐衝撃性が不足しやすくなる傾向がある。還元
粘度が1.0デシリットル/gを越えると、共重合ポリ
エステルの重合、フィルムの製膜、ラミネート金属板の
製造等により多くのエネルギーが必要になり、コストが
高くなる傾向がある。
の熱処理は、該温度に設定した熱風オーブンに該フィル
ムを入れて行う。ただし、フィルムを熱風オーブンに直
接入れると飛んでしまったり熱風オーブン中に粘着して
しまうので、厚さ100μmのアルミ板にフィルムをラ
ミネートしてから熱処理を行う。熱処理後、10%の塩
酸にフィルムをラミネートしたアルミ板を入れ、アルミ
部分のみを溶かして熱処理後のフィルムを取り出し、還
元粘度を測定する。
が0.05デシリットル/gを越える共重合ポリエステ
ルフィルムをリメルト法により金属板にラミネートした
場合は、得られたラミネート金属板を成形した金属容器
の耐衝撃性は十分でない。また、得られた金属容器を飲
料缶として用いた場合にはフレーバー性が悪くなる。
ルフィルムを金属板にラミネートし、融点以上の温度に
加熱したあと急冷する方法である。この時、得られたラ
ミネートフィルムは実質的に無配向非晶質の状態である
のが好ましい。実質的に無配向非晶質の状態にすること
により、製缶工程でのラミネートフィルムの製缶追従性
をよくすることができる。
する金属板の材料は特に限定されず、例えば鉄、鋼、ブ
リキ、ティンフリースチール、黄銅、銅、アルミニウ
ム、アルミニウム合金等が挙げられる。
施されていてもよい。表面処理としては、電気化学的処
理、無機化学的処理、有機化学的処理等があり、例えば
クロメート処理、リン酸クロメート処理、ジンククロメ
ート処理、アルマイト処理等が挙げられる。
フィルムにも接着性や濡れ性を向上させるために必要に
応じてコロナ処理、コーティング処理、火炎処理等を施
すことができる。
層する方法としては、フィルムの軟化点以上に暖められ
た金属板にフィルムを圧着する方法や予め金属板に接着
剤を塗布して置き、その上に圧着する方法等が挙げられ
る。
のフィルムを完全に溶融させて無配向にした後、急冷固
化することによって、非晶質無配向のラミネート層を得
ると成形加工性が向上し好ましい。積層したフィルムを
完全に溶融するための加熱方法としては、熱風加熱、ロ
ール加熱、通電加熱、誘電加熱、高周波加熱等が挙げら
れる。例えば、熱風加熱の場合、通常フィルムの融点〜
融点+40℃の温度で15〜120秒間、好ましくは融
点+5℃〜融点+20℃の温度で30〜60秒間加熱す
ることによりフィルムを完全に溶融することができる。
風吹き付け等の方法が挙げられる。ここで、急冷とは溶
融フィルムが固化する際に結晶が生成するのを防止する
のに十分な冷却速度を持つ冷却操作であり、通常10℃
/秒以上、好ましくは50℃/秒以上の速さで冷却する
ことにより、目的を達成することができる。
り製造される浅絞り容器、絞り再絞リ法により製造され
る深絞り容器、絞り引っ張り曲げ伸ばし法により製造さ
れる薄肉化絞り容器、絞りしごき法(DI法)により製
造される絞りしごき容器等に成形される。なお、このよ
うな成形加工を行うに際しては、ラミネート金属板の温
度はフィルムのガラス転移点付近で行うのが好ましい。
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
下の通りである。
い、サンプル量10mg、昇温速度20℃/分で測定し
た。ここで、検知された融解の吸熱ピーク温度を融点と
した。
溶媒を用い、ポリエステルを溶液渡度0.4g/デシリ
ットルとなるように溶解させる。次いでウベローデ型粘
度管を用いて温度30℃で測定した。
メート処理されたアルミニウム板の片面に、共重合ポリ
エステルフィルムをロールラミネーターで融着させた。
ここで、アルミニウム板は室温で供給し、ゴムロール温
度は180〜250℃、通過速度は25〜100cm/
分、ゲージ圧カは6kg/cm2とした。
着させたアルミニウム板を、熱風オーブン中で該フィル
ムの融点+30℃の温度で60秒間加熱し、フィルムを
完全に溶融させた。これをオーブンより取り出し、5秒
以内に5℃の冷風を吹き付け急冷固化した。この熱処理
後のラミネート金属板を10%塩酸中に浸し、アルミニ
ウム板のみを溶解し、熱処理後のフィルムを得た。
で還元粘度を測定した。
し、エナメルレーターでERV(エナメルレイティング
値)を測定した。電圧は直流6ボルト、缶底外側に金属
露出部を作りそこを陽極に接続し、通電時間30秒で、
30秒後の電流値を測定した。ERV値測定において、
電流が多く流れるほど絶縁体であるフィルムに欠陥が存
在し、金属が露出しているため腐食が起こりやすく、製
缶直後のERV値は10mA以下が望ましい。
0℃、15分間熱処理を行った後、製造した金属容器に
水350ccを満たし、缶底を下向きにして1mの高さ
より落下させた後、水を除去して(3)と同様に食塩水
を満たしてERVを測定した。落下衝撃後のERV値は
20mA以下が望ましい。
フタレート、(b)ナフタレンジカルボン酸10モル%
共重合ポリエチレンテレフタレート、(c)ネオペンチ
ルグリコール30モル共重合ポリエチレンテレフタレー
ト、および(d)シクロヘキサンジメタノール30モル
共重合ポリエチレンテレフタレートのチップを直重法に
よって得た。
ぞれ(a)0.68デシリットル/g、(b)0.63
デシリットル/g、(c)0.67デシリットル/g、
(d)0.67デシリットル/gであった。すべてのポ
リエステルには適度の滑り性を確保するため、平均粒径
1.8μmのシリカゲル微粉末をフィルム中に0.06
重量%含有するように添加し分散させた。
(d))のチップと還元粘度0.65デシリットル/g
のポリエチレンテレフタレートのチップとを、組成が表
1、2のようになるように配合して、真空乾燥し水分率
0.01重量%以下にした後、Tダイより押出し機で2
70℃で溶融押出しして、30℃の冷却ロールに引き取
り、未延伸シートを得た。直ちに、ロール式延伸機で縦
方向に90〜100℃で3.5倍延伸し、更にテンター
式延伸機で横方向に90〜100℃で4倍延伸した後、
10%緩和させつつ融点より15〜30℃低い温度で熱
固定し、厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
れたアルミニウム板の両面に、上記B項で得られた2軸
延伸フィルムをロールラミネーターで融着させた。ここ
で、アルミニウム板は室温で供給し、ゴムロール温度は
180〜250℃、通過速度は25〜100cm/分、
ゲージ圧カは6kg/cm2とした。
ルミニウム板を、熱風オーブン中で該フィルムの融点+
30℃の温度で60秒間加熱し、フィルムを完全に溶融
させた。これをオーブンより取り出し、5秒以内に5℃
の冷風を吹き付け急冷固化した。
mの円に切り出し、絞りしごき加工して、直径66m
m、高さ125mm、壁面の厚み0.12mmのDI缶
を製造した。
エステルフィルムの特性とこれを用いたDI缶の特性を
表1、2に示した。
ムは熱処理前後で還元粘度の差が0.05以下である。
その結果として、このフィルムを用いて製造したDI缶
は落下衝撃を加えてもフィルムに欠陥や亀裂ができにく
く、ERV値も低かった。
ムは熱処理後に還元粘度の低下が大きく、これらのフィ
ルムを用いて製造したDI缶は落下衝撃を加えるとフィ
ルムに欠陥や亀裂ができやすく、ERV値も高かった。
は、耐衝撃性、耐加水分解性及び耐熱分解性が優れてお
り、特に、ラミネート、熱処理の工程での加水分解、熱
分解に伴うオリゴマーの発生が少なく、耐フレーバー性
に優れる。
ネート、熱処理の工程後でも適度な還元粘度を維持して
いるため製缶加工性に優れ、かつ、製缶された金属容器
は耐衝撃性、耐食性に優れており、特に、焼き付け塗装
やレトルト処理等の熱処理による脆化が起こりにくく、
ラミネートフィルムの亀裂等の発生が抑制できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 融点150〜250℃、厚み3〜50μ
mの共重合ポリエステルフィルムであって、フィルムの
融点+30℃の温度でフィルムを60秒間熱処理した後
の共重合ポリエステルの還元粘度と熱処理前の共重合ポ
リエステルの還元粘度との差が0.05デシリットル/
g以下であることを特徴とする共重合ポリエステルフイ
ルム。 - 【請求項2】 請求項1記載の共重合ポリエステルフイ
ルムが少なくとも片面にラミネートされていることを特
徴とするラミネート金属板。 - 【請求項3】 請求項1記載の共重合ポリエステルフイ
ルムを金属板の表面に積層した状態で、該フィルムの融
点以上の温度で熱処理を行うことを特徴とするラミネー
ト金属板の製造法。
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---|---|---|---|
JP22115297A JP3831489B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | ラミネート金属板及びその製造法 |
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---|---|---|---|
JP22115297A JP3831489B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | ラミネート金属板及びその製造法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019123765A (ja) * | 2018-01-12 | 2019-07-25 | 株式会社ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー | 金属層保持用フィルム、金属調加飾シート中間体、金属調加飾シート、押出ラミネート体、金属調成形体、射出成形体、金属調成形体の製造方法、射出成形体の製造方法および押出ラミネート体の製造方法 |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP22115297A patent/JP3831489B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2019123765A (ja) * | 2018-01-12 | 2019-07-25 | 株式会社ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー | 金属層保持用フィルム、金属調加飾シート中間体、金属調加飾シート、押出ラミネート体、金属調成形体、射出成形体、金属調成形体の製造方法、射出成形体の製造方法および押出ラミネート体の製造方法 |
US11993057B2 (en) | 2018-01-12 | 2024-05-28 | Wavelock Advanced Technology Co., Ltd. | Film to hold a metal layer, metallic decorative sheet intermediate product, metallic decorative sheet, extruded laminate product, metallic molded product, injection molded product, method for producing a metallic molded product, method for producing injection molded product, and method for producing an extruded laminate product |
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