JPH114029A - 励起型固体レーザ装置 - Google Patents
励起型固体レーザ装置Info
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- JPH114029A JPH114029A JP15524297A JP15524297A JPH114029A JP H114029 A JPH114029 A JP H114029A JP 15524297 A JP15524297 A JP 15524297A JP 15524297 A JP15524297 A JP 15524297A JP H114029 A JPH114029 A JP H114029A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、固体レーザ結晶と金属ヒートシン
クの熱接触を理想的な状態にまで高めることによって、
固体レーザ結晶の変形を誘発するような高いLDパワー
で固体レーザ結晶を励起しても、熱接触を維持でき、熱
接触不良に起因する結晶破壊、共振器不安定性を抑制で
きる熱接触構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置において、固体レーザ結晶
100の排熱面に金属ヒートシンク101に対して拡散
接合性の高い金属コート1を設け、金属コートと金属ヒ
ートシンク間で拡散接合による合金層2を形成したこと
を特徴とする。
クの熱接触を理想的な状態にまで高めることによって、
固体レーザ結晶の変形を誘発するような高いLDパワー
で固体レーザ結晶を励起しても、熱接触を維持でき、熱
接触不良に起因する結晶破壊、共振器不安定性を抑制で
きる熱接触構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置において、固体レーザ結晶
100の排熱面に金属ヒートシンク101に対して拡散
接合性の高い金属コート1を設け、金属コートと金属ヒ
ートシンク間で拡散接合による合金層2を形成したこと
を特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高出力化が可能な励
起型固体レーザ装置の構造およびその製造方法に関す
る。
起型固体レーザ装置の構造およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高ピークパワー/高ビーム品質のレーザ
光源には、分光などの理化学応用に限らず電子産業分野
や機械工業における加工光源として、非常に大きな需要
がある。このようなレーザ光源として、固体レーザは他
の気体レーザ/液体レーザに比べ、その高い信頼性、高
メンテナンス性、低ランニングコスト、小サイズなどの
数多くの利点を持つ。
光源には、分光などの理化学応用に限らず電子産業分野
や機械工業における加工光源として、非常に大きな需要
がある。このようなレーザ光源として、固体レーザは他
の気体レーザ/液体レーザに比べ、その高い信頼性、高
メンテナンス性、低ランニングコスト、小サイズなどの
数多くの利点を持つ。
【0003】さらに近年、半導体レーザ(laser
diode、以下LDと略す。)の技術革新により、比
較的安価にて高出力・高効率のLDが入手可能になり、
固体レーザの励起光源を放電ランプから半導体レーザに
置き換えた、いわゆる半導体レーザ(LD)励起固体レ
ーザ装置の開発が活発化している。LD励起固体レーザ
は、ランプ励起固体レーザに比べ、長寿命/高効率であ
り、固体レーザ結晶へのLD励起パワーの吸収効率が高
く、小さな結晶体積から高い出力を得ることが可能であ
るという利点を持つ。
diode、以下LDと略す。)の技術革新により、比
較的安価にて高出力・高効率のLDが入手可能になり、
固体レーザの励起光源を放電ランプから半導体レーザに
置き換えた、いわゆる半導体レーザ(LD)励起固体レ
ーザ装置の開発が活発化している。LD励起固体レーザ
は、ランプ励起固体レーザに比べ、長寿命/高効率であ
り、固体レーザ結晶へのLD励起パワーの吸収効率が高
く、小さな結晶体積から高い出力を得ることが可能であ
るという利点を持つ。
【0004】高出力LD励起固体レーザの研究開発にお
いて、高出力化を阻む最も深刻な問題点の一つは、固体
レーザ結晶に蓄積する(レーザ光として抽出できない)
励起LD光のパワーが、熱へと変換され、温度上昇や結
晶媒質の歪み/そりなどを生み出すことである。この熱
歪みや結晶中での熱分布が、強励起状態において、レー
ザ共振器を不安定領域に移行させ、出力低下をきたす。
過度な励起を行った場合、その熱歪みに耐えきれず、固
体レーザ結晶が破壊してしまうこともある。
いて、高出力化を阻む最も深刻な問題点の一つは、固体
レーザ結晶に蓄積する(レーザ光として抽出できない)
励起LD光のパワーが、熱へと変換され、温度上昇や結
晶媒質の歪み/そりなどを生み出すことである。この熱
歪みや結晶中での熱分布が、強励起状態において、レー
ザ共振器を不安定領域に移行させ、出力低下をきたす。
過度な励起を行った場合、その熱歪みに耐えきれず、固
体レーザ結晶が破壊してしまうこともある。
【0005】結晶中で発生する熱量は、用いる固体レー
ザ結晶の種類により異なる。一般的に用いられるNd:
YAG結晶では、吸収されたパワーの30%が熱へと変
換されることが示されている(アイ・イー・イー・イ
ー、ジャーナル・オブ・カンタムエレクトロニクス、第
29巻、1457頁、1993年)。
ザ結晶の種類により異なる。一般的に用いられるNd:
YAG結晶では、吸収されたパワーの30%が熱へと変
換されることが示されている(アイ・イー・イー・イ
ー、ジャーナル・オブ・カンタムエレクトロニクス、第
29巻、1457頁、1993年)。
【0006】たとえば、300WのLDにより、Nd:
YAG固体結晶を励起し、出力100Wクラスの高出力
レーザ発振器を開発しようとすると、励起LDパワーの
30%すなわち90Wは、材料自身の性質により不可避
に熱へと変換されてしまう。しかもLD励起化にともな
い、固体レーザ結晶は数mm直径×数mm長〜数10m
m長程度のサイズに縮小化されているため、単位体積あ
たりの発熱量は1W/mm3程度にも達する。
YAG固体結晶を励起し、出力100Wクラスの高出力
レーザ発振器を開発しようとすると、励起LDパワーの
30%すなわち90Wは、材料自身の性質により不可避
に熱へと変換されてしまう。しかもLD励起化にともな
い、固体レーザ結晶は数mm直径×数mm長〜数10m
m長程度のサイズに縮小化されているため、単位体積あ
たりの発熱量は1W/mm3程度にも達する。
【0007】したがって固体レーザ装置においては、固
体レーザ結晶内に発生した熱を速やかに除去する冷却技
術が重要である。従来、固体レーザ結晶からの排熱に
は、(1)固体レーザ結晶を循環水中に設置し、生じる
乱流による熱伝達を利用して水へ熱を伝える水冷方式
と、(2)固体レーザ結晶を金属等の熱伝導性の高い材
質でできた金属ヒートシンクと接触させ、熱伝導により
冷却させる伝導冷却方式とが用いられている。
体レーザ結晶内に発生した熱を速やかに除去する冷却技
術が重要である。従来、固体レーザ結晶からの排熱に
は、(1)固体レーザ結晶を循環水中に設置し、生じる
乱流による熱伝達を利用して水へ熱を伝える水冷方式
と、(2)固体レーザ結晶を金属等の熱伝導性の高い材
質でできた金属ヒートシンクと接触させ、熱伝導により
冷却させる伝導冷却方式とが用いられている。
【0008】水冷方式は、長尺なロッド型固体レーザ結
晶を採用するランプ励起固体レーザ装置に従来より広く
用いられているが、循環水の引き起こす乱流の影響で出
力の変動が起こる。特に固体レーザ結晶のサイズが小さ
いLD端面励起固体レーザ装置においては、循環水との
接触面積が小さく、効率の良い熱伝達が困難であるた
め、伝導冷却方式でできる限り冷却することが望まれて
いる。この場合、金属ヒートシンクへと散逸した熱を、
さらに冷却水で冷却する場合もあるが、この場合は上述
の問題は起こらない。
晶を採用するランプ励起固体レーザ装置に従来より広く
用いられているが、循環水の引き起こす乱流の影響で出
力の変動が起こる。特に固体レーザ結晶のサイズが小さ
いLD端面励起固体レーザ装置においては、循環水との
接触面積が小さく、効率の良い熱伝達が困難であるた
め、伝導冷却方式でできる限り冷却することが望まれて
いる。この場合、金属ヒートシンクへと散逸した熱を、
さらに冷却水で冷却する場合もあるが、この場合は上述
の問題は起こらない。
【0009】伝導冷却方式の場合において、固体レーザ
結晶で発生する熱量を外部の金属ヒートシンクに逃がす
には、固体レーザ結晶と金属部分の境界面(排熱面)の
熱伝導を向上することが大きな課題である。固体レーザ
結晶は一般に酸化物やフッ化物など誘電体結晶であり、
金属とは構造も熱膨張率/熱伝導率などの熱的性質も大
きく異なる。
結晶で発生する熱量を外部の金属ヒートシンクに逃がす
には、固体レーザ結晶と金属部分の境界面(排熱面)の
熱伝導を向上することが大きな課題である。固体レーザ
結晶は一般に酸化物やフッ化物など誘電体結晶であり、
金属とは構造も熱膨張率/熱伝導率などの熱的性質も大
きく異なる。
【0010】図6に示すいわゆる端面励起方式の場合、
円柱状の固体レーザ結晶100を一方の端面から励起L
Dビーム104により励起し、固体レーザ結晶100の
側面から金属ヒートシンク101に熱を逃がす経路11
5を設けるのが普通である(側面冷却型ロッド型結
晶)。固体レーザ結晶100と金属ヒートシンク101
の間は、シート状の純インジウム(厚さ50〜500μ
m程度)102や金などの比較的柔らかい金属シートで
固体レーザ結晶側面を覆い、固体レーザ結晶直径よりわ
ずかに大きな径の金属製のヒートシンク101により、
固体レーザ結晶100とインジウム・シート102を機
械的に挟み込み、適当な圧力を加え、インジウムをつぶ
しながら密着させ熱接触をとっている。
円柱状の固体レーザ結晶100を一方の端面から励起L
Dビーム104により励起し、固体レーザ結晶100の
側面から金属ヒートシンク101に熱を逃がす経路11
5を設けるのが普通である(側面冷却型ロッド型結
晶)。固体レーザ結晶100と金属ヒートシンク101
の間は、シート状の純インジウム(厚さ50〜500μ
m程度)102や金などの比較的柔らかい金属シートで
固体レーザ結晶側面を覆い、固体レーザ結晶直径よりわ
ずかに大きな径の金属製のヒートシンク101により、
固体レーザ結晶100とインジウム・シート102を機
械的に挟み込み、適当な圧力を加え、インジウムをつぶ
しながら密着させ熱接触をとっている。
【0011】また、他の方法として、1W以下程度の比
較的低出力の固体レーザ装置においては、金属ヒートシ
ンクと固体レーザ結晶を、間に何も挿入せず、機械的に
直接接触させたり、場合によっては、シリコンコンパウ
ンドなどの熱伝導性の比較的すぐれたグリース材や接着
剤にて、固体レーザ結晶を金属ヒートシンクに張り付け
ることもある。しかし、高出力の固体レーザにおいて
は、十分に冷却することができないので通常用いられな
い。
較的低出力の固体レーザ装置においては、金属ヒートシ
ンクと固体レーザ結晶を、間に何も挿入せず、機械的に
直接接触させたり、場合によっては、シリコンコンパウ
ンドなどの熱伝導性の比較的すぐれたグリース材や接着
剤にて、固体レーザ結晶を金属ヒートシンクに張り付け
ることもある。しかし、高出力の固体レーザにおいて
は、十分に冷却することができないので通常用いられな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】インジウム箔などを挿
入した界面をミクロに観察すると、金属ヒートシンク表
面の凹凸や固体レーザ結晶表面の凹凸(研磨面ではミク
ロオーダー)が存在し、インジウム箔はそのような凹凸
に完全に追従することはできない。図7に模式的に示す
ように、金属ヒートシンク101と金属シート102の
間に微細な空気層(断熱層)112が多数存在し、熱的
に有効に接触している面積は、見かけの面積より著しく
小さい。
入した界面をミクロに観察すると、金属ヒートシンク表
面の凹凸や固体レーザ結晶表面の凹凸(研磨面ではミク
ロオーダー)が存在し、インジウム箔はそのような凹凸
に完全に追従することはできない。図7に模式的に示す
ように、金属ヒートシンク101と金属シート102の
間に微細な空気層(断熱層)112が多数存在し、熱的
に有効に接触している面積は、見かけの面積より著しく
小さい。
【0013】また、図8に示すように、LD励起時には
発熱領域103からの熱発生により固体レーザ結晶の
「歪み・そり」などの物理的熱変形が生じるが、これに
対しインジウム箔102は追随できず空気層(断熱層)
112が生じるため、高励起状態では非励起時の熱接触
面積を維持できない。結果として、固体レーザ結晶とイ
ンジウム箔、インジウム箔と金属ヒートシンクの間に新
たな空気層を生み、さらに熱伝導性が悪化して、温度上
昇と熱ひずみを生み出す。
発熱領域103からの熱発生により固体レーザ結晶の
「歪み・そり」などの物理的熱変形が生じるが、これに
対しインジウム箔102は追随できず空気層(断熱層)
112が生じるため、高励起状態では非励起時の熱接触
面積を維持できない。結果として、固体レーザ結晶とイ
ンジウム箔、インジウム箔と金属ヒートシンクの間に新
たな空気層を生み、さらに熱伝導性が悪化して、温度上
昇と熱ひずみを生み出す。
【0014】また、レーザ装置の一般的な使用形態とし
て、製造ラインに用いられているレーザ以外は、通常、
運転開始と終了を繰り返す。つまり、固体レーザ結晶に
対し、励起/非励起を繰り返すヒート・サイクルを負荷
として与えていることになる。この場合、固体レーザ結
晶を装置に組み込んだ当初は、十分な熱接触を確保でき
ていた場合でも、励起/非励起に伴う結晶の膨張/収縮
が、熱接触を低下させ、次第に固体レーザ装置の性能劣
化につながっていく。
て、製造ラインに用いられているレーザ以外は、通常、
運転開始と終了を繰り返す。つまり、固体レーザ結晶に
対し、励起/非励起を繰り返すヒート・サイクルを負荷
として与えていることになる。この場合、固体レーザ結
晶を装置に組み込んだ当初は、十分な熱接触を確保でき
ていた場合でも、励起/非励起に伴う結晶の膨張/収縮
が、熱接触を低下させ、次第に固体レーザ装置の性能劣
化につながっていく。
【0015】また、図9に示す固体レーザ結晶の裏面を
冷却するアクティブミラー型の固体レーザ結晶では、通
常、固体レーザ結晶裏面に施してある高反射率コート1
13が多結晶であるため、裏面と金属ヒートシンク10
1の接触は、金属シート102を用いた従来法では、な
おさら困難である。さらに図10に示すように、励起に
伴て結晶が変形し、熱接触は容易に低下する。
冷却するアクティブミラー型の固体レーザ結晶では、通
常、固体レーザ結晶裏面に施してある高反射率コート1
13が多結晶であるため、裏面と金属ヒートシンク10
1の接触は、金属シート102を用いた従来法では、な
おさら困難である。さらに図10に示すように、励起に
伴て結晶が変形し、熱接触は容易に低下する。
【0016】本発明は、このような問題点を解決し、固
体レーザ結晶と金属ヒートシンクの熱接触を理想的な状
態にまで高めることによって、固体レーザ結晶の変形を
誘発するような高いLDパワーで固体レーザ結晶を励起
しても、熱接触を維持でき、熱接触不良に起因する結晶
破壊、共振器不安定性を抑制できる熱接触構造を提供す
ることを目的とする。
体レーザ結晶と金属ヒートシンクの熱接触を理想的な状
態にまで高めることによって、固体レーザ結晶の変形を
誘発するような高いLDパワーで固体レーザ結晶を励起
しても、熱接触を維持でき、熱接触不良に起因する結晶
破壊、共振器不安定性を抑制できる熱接触構造を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体レーザ結
晶と金属ヒートシンクとを有する励起型固体レーザ装置
において、固体レーザ結晶の排熱面に金属ヒートシンク
に対して拡散接合性の高い金属コートを設け、金属コー
トと金属ヒートシンク間で合金層を形成したことを特徴
とする励起型固体レーザ装置に関する。
晶と金属ヒートシンクとを有する励起型固体レーザ装置
において、固体レーザ結晶の排熱面に金属ヒートシンク
に対して拡散接合性の高い金属コートを設け、金属コー
トと金属ヒートシンク間で合金層を形成したことを特徴
とする励起型固体レーザ装置に関する。
【0018】また、本発明は固体レーザ結晶と金属ヒー
トシンクとを有する励起型固体レーザ装置において、固
体レーザ結晶の排熱面に金属コートを設け、金属コート
と金属ヒートシンクの間に互いの金属に対して拡散接合
性の高い金属シートを挿入し、金属コートと金属シート
間、および金属シートと金属ヒートシンク間で合金層を
形成したことを特徴とする励起型固体レーザ装置に関す
る。
トシンクとを有する励起型固体レーザ装置において、固
体レーザ結晶の排熱面に金属コートを設け、金属コート
と金属ヒートシンクの間に互いの金属に対して拡散接合
性の高い金属シートを挿入し、金属コートと金属シート
間、および金属シートと金属ヒートシンク間で合金層を
形成したことを特徴とする励起型固体レーザ装置に関す
る。
【0019】さらに本発明は、固体レーザ結晶と金属ヒ
ートシンクとを有する励起型固体レーザ装置において、
固体レーザ結晶の排熱面に、固体レーザ結晶に高い付着
力を有する金属コートを設け、金属コートと金属ヒート
シンクとを低融点金属で接合したことを特徴とする励起
型固体レーザ装置に関する。
ートシンクとを有する励起型固体レーザ装置において、
固体レーザ結晶の排熱面に、固体レーザ結晶に高い付着
力を有する金属コートを設け、金属コートと金属ヒート
シンクとを低融点金属で接合したことを特徴とする励起
型固体レーザ装置に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の固体レーザの構造では、
固体レーザ結晶の排熱面(端面や側面など、熱を逃がす
経路に相当する面)と金属ヒートシンクへの熱接触が、
微視的にも理想的接合状態を実現できる。そのため高励
起状態においても熱接触を維持できるので、固体結晶で
発生した熱は速やかに金属ヒートシンクへと伝導し、固
体レーザ結晶に過度な熱ひずみや温度上昇/固体レーザ
結晶の熱破壊を生じさせず、高出力で安定な固体レーザ
装置を実現できる。
固体レーザ結晶の排熱面(端面や側面など、熱を逃がす
経路に相当する面)と金属ヒートシンクへの熱接触が、
微視的にも理想的接合状態を実現できる。そのため高励
起状態においても熱接触を維持できるので、固体結晶で
発生した熱は速やかに金属ヒートシンクへと伝導し、固
体レーザ結晶に過度な熱ひずみや温度上昇/固体レーザ
結晶の熱破壊を生じさせず、高出力で安定な固体レーザ
装置を実現できる。
【0021】以下、実施形態を具体的に示しながら本発
明を詳細に説明する。ここでは、励起レーザとして半導
体レーザを用いた場合を例に挙げて説明するが、励起光
としては必ずしもこれに限られるものではない。しか
し、本発明は小型化しながら固体レーザの高出力化を図
る用途に適用するときに最も効果を発揮しうるので、励
起光として半導体レーザを用いる用途に適用することが
最も好ましい。
明を詳細に説明する。ここでは、励起レーザとして半導
体レーザを用いた場合を例に挙げて説明するが、励起光
としては必ずしもこれに限られるものではない。しか
し、本発明は小型化しながら固体レーザの高出力化を図
る用途に適用するときに最も効果を発揮しうるので、励
起光として半導体レーザを用いる用途に適用することが
最も好ましい。
【0022】[実施形態1]図1は、励起半導体レーザ
107からのレーザ光をコリメートレンズ106および
集光レンズ105により集光した励起LDビーム104
を、円柱状の固体レーザ結晶100の一方の端面から入
射するいわゆる端面励起方式の場合である。固体レーザ
結晶100の側面から金属ヒートシンク101に熱を逃
がす経路115を設けるのが普通である。
107からのレーザ光をコリメートレンズ106および
集光レンズ105により集光した励起LDビーム104
を、円柱状の固体レーザ結晶100の一方の端面から入
射するいわゆる端面励起方式の場合である。固体レーザ
結晶100の側面から金属ヒートシンク101に熱を逃
がす経路115を設けるのが普通である。
【0023】この実施形態においては、固体レーザ結晶
100の側面の排熱面に金属コート1を設け、金属ヒー
トシンクとの間で合金層2を形成したものである。この
合金層2は、金属コート1と金属ヒートシンクとを加熱
しながら互いに加圧することで拡散接合させて形成する
ことができる。
100の側面の排熱面に金属コート1を設け、金属ヒー
トシンクとの間で合金層2を形成したものである。この
合金層2は、金属コート1と金属ヒートシンクとを加熱
しながら互いに加圧することで拡散接合させて形成する
ことができる。
【0024】一般に金属においては、界面の結合手は酸
素と結合し酸化物を形成している。清浄な金属表面同士
(同種でも異種でも可能)を接触させ、酸化物層を破砕
し、相互の原子間に凝集力が働く距離まで接近させる
と、両原子は互いに自由電子を共有する金属結合を形成
することが知られている。この効果が拡散接合である。
この接合形成プロセスにおいては、第1段階において、
突き合わされた清浄表面同士を加熱することで、接合面
の微小凹凸に応力集中し、塑性変形にともない酸化物層
を破壊する。このことで母材の金属同士が直接接触す
る。
素と結合し酸化物を形成している。清浄な金属表面同士
(同種でも異種でも可能)を接触させ、酸化物層を破砕
し、相互の原子間に凝集力が働く距離まで接近させる
と、両原子は互いに自由電子を共有する金属結合を形成
することが知られている。この効果が拡散接合である。
この接合形成プロセスにおいては、第1段階において、
突き合わされた清浄表面同士を加熱することで、接合面
の微小凹凸に応力集中し、塑性変形にともない酸化物層
を破壊する。このことで母材の金属同士が直接接触す
る。
【0025】さらに加圧加熱が続けられると、第2段階
として接触した金属同士が金属結合して合金層を形成す
るため、理想的な場合では、ほとんど界面が認識されな
い程度の優れた接合を実現できる。通常この合金層の厚
さが、200nm程度以上、好ましくは500nm程度
以上となれば2種の金属は十分に接合されている。
として接触した金属同士が金属結合して合金層を形成す
るため、理想的な場合では、ほとんど界面が認識されな
い程度の優れた接合を実現できる。通常この合金層の厚
さが、200nm程度以上、好ましくは500nm程度
以上となれば2種の金属は十分に接合されている。
【0026】このプロセスを金属ヒートシンクと金属コ
ートの接合に応用すれば、従来問題であった、インジウ
ム箔と金属ヒートシンクのミクロ界面の接触が改善され
効率の良い排熱が実現できる。
ートの接合に応用すれば、従来問題であった、インジウ
ム箔と金属ヒートシンクのミクロ界面の接触が改善され
効率の良い排熱が実現できる。
【0027】固体レーザ結晶と金属コートは薄膜形成技
術により、微視的には(多結晶ではあっても)ほぼ接触
している。金属コートと金属ヒートシンクは、拡散接合
で形成された合金層2を介してほぼ完全に一体化するの
で、金属とほぼ同等の熱伝導率を示す。このため、不完
全な熱接触に起因する排熱不良が低減できる。
術により、微視的には(多結晶ではあっても)ほぼ接触
している。金属コートと金属ヒートシンクは、拡散接合
で形成された合金層2を介してほぼ完全に一体化するの
で、金属とほぼ同等の熱伝導率を示す。このため、不完
全な熱接触に起因する排熱不良が低減できる。
【0028】拡散接合を生じさせるためには、一般に用
いる金属の融点の30%〜70%の温度が必要である。
また、押しつける圧力は、材料に応じて適宜変更するの
が好ましいが、例えば0.2〜1.5kg/mm2程度
である。
いる金属の融点の30%〜70%の温度が必要である。
また、押しつける圧力は、材料に応じて適宜変更するの
が好ましいが、例えば0.2〜1.5kg/mm2程度
である。
【0029】この金属コートの材料としては、固体レー
ザ結晶と付着力が高く、かつ熱伝導のなるべく高いもの
が好ましい。このようなものとしては、金(熱伝導率
3.18W/cmK)、銅(4.01W/cmK)、銀
(4.28W/cmK)、アルミニウム(2.35W/
cmK)等を挙げることができる。また、特に結晶との
付着力を上げるために、固体レーザ結晶の表面に例えば
0.1μm程度のチタン膜を成膜してからこれらの金属
膜を形成した積層構造としてもよい。
ザ結晶と付着力が高く、かつ熱伝導のなるべく高いもの
が好ましい。このようなものとしては、金(熱伝導率
3.18W/cmK)、銅(4.01W/cmK)、銀
(4.28W/cmK)、アルミニウム(2.35W/
cmK)等を挙げることができる。また、特に結晶との
付着力を上げるために、固体レーザ結晶の表面に例えば
0.1μm程度のチタン膜を成膜してからこれらの金属
膜を形成した積層構造としてもよい。
【0030】この実施形態の中で用いられるものとして
は、拡散接合が容易に起こるものが好ましく、このため
には融点が比較的低い方がよいので、アルミニウム、銅
および銀が特に好ましい。アルミニウムや銅では200
℃、銀では300℃程度で接合が可能になる。
は、拡散接合が容易に起こるものが好ましく、このため
には融点が比較的低い方がよいので、アルミニウム、銅
および銀が特に好ましい。アルミニウムや銅では200
℃、銀では300℃程度で接合が可能になる。
【0031】金属コートの形成方法は特に制限はなく、
用いる金属材料に適した方法であって、なるべく固体レ
ーザ結晶との密着性が良いものがよく、例えば電子ビー
ム蒸着法またはスパッタ法などの薄膜形成法を用いるこ
とができる。膜厚は、合金層に必要とされる厚さより厚
く、例えば0.5μm以上で、10μm程度以下であ
る。
用いる金属材料に適した方法であって、なるべく固体レ
ーザ結晶との密着性が良いものがよく、例えば電子ビー
ム蒸着法またはスパッタ法などの薄膜形成法を用いるこ
とができる。膜厚は、合金層に必要とされる厚さより厚
く、例えば0.5μm以上で、10μm程度以下であ
る。
【0032】この実施形態において金属ヒートシンク材
料としては、銅、アルミニウムおよび金等を用いること
ができる。価格等の点から通常は銅およびアルミニウム
が用いられる。
料としては、銅、アルミニウムおよび金等を用いること
ができる。価格等の点から通常は銅およびアルミニウム
が用いられる。
【0033】また、固体レーザ結晶に施す光学コーティ
ング111は、300℃程度で真空蒸着することが多い
為、接合形成の際の温度で分解することもあり得るが、
接合後に、光学コートを形成すれば、このような問題は
生じない。
ング111は、300℃程度で真空蒸着することが多い
為、接合形成の際の温度で分解することもあり得るが、
接合後に、光学コートを形成すれば、このような問題は
生じない。
【0034】[実施形態2]この実施形態では、図2の
ように金属ヒートシンクと金属コートの間に金属シート
102を挿入したものである。このような構成は、金属
ヒートシンクと金属コートとの間で、拡散接合を起こし
にくかったり、拡散接合させるのに高温が必要な場合等
に有効であり、金属シート102として金属ヒートシン
クと金属コートの両方と容易に拡散接合するような材料
を用いる。また、金属ヒートシンクの表面が多少粗い場
合にも、このような構成は有効である。
ように金属ヒートシンクと金属コートの間に金属シート
102を挿入したものである。このような構成は、金属
ヒートシンクと金属コートとの間で、拡散接合を起こし
にくかったり、拡散接合させるのに高温が必要な場合等
に有効であり、金属シート102として金属ヒートシン
クと金属コートの両方と容易に拡散接合するような材料
を用いる。また、金属ヒートシンクの表面が多少粗い場
合にも、このような構成は有効である。
【0035】このような材料としては、インジウム、
銀、鉄、銅、クロム、アルミニウム、チタン、シリコ
ン、およびこれらの金属の合金等を挙げることができ、
この中でも高い接合性を有し、低い温度で接合できるイ
ンジウム、銀、、銅、クロム、アルミニウム、およびこ
れらの合金が好ましい。
銀、鉄、銅、クロム、アルミニウム、チタン、シリコ
ン、およびこれらの金属の合金等を挙げることができ、
この中でも高い接合性を有し、低い温度で接合できるイ
ンジウム、銀、、銅、クロム、アルミニウム、およびこ
れらの合金が好ましい。
【0036】このような金属シートを用いる場合は、金
属コートとして、実施形態1で挙げた材料の他に、イン
ジウムおよびガリウム等を用いることができ、好ましく
はインジウム、銅、銀、アルミニウムおよびガリウム等
の金属シートの成分に類似の性質のものが用いられる。
また、チタンの薄膜を結晶表面に成膜した後にこれらの
金属膜を形成した積層構造としてもよい。
属コートとして、実施形態1で挙げた材料の他に、イン
ジウムおよびガリウム等を用いることができ、好ましく
はインジウム、銅、銀、アルミニウムおよびガリウム等
の金属シートの成分に類似の性質のものが用いられる。
また、チタンの薄膜を結晶表面に成膜した後にこれらの
金属膜を形成した積層構造としてもよい。
【0037】また、金属ヒートシンクの材料としては、
銅、アルミニウム、金、銀等を用いることができ、好ま
しくは銀および銅のような金属シートの成分に類似の性
質をもつものが用られる。
銅、アルミニウム、金、銀等を用いることができ、好ま
しくは銀および銅のような金属シートの成分に類似の性
質をもつものが用られる。
【0038】[実施形態3]この実施形態は、比較的容
易な方法として、図3に示すように金属コート1とヒー
トシンク101を低融点金属3で接合したものである。
ここで、低融点金属としては、例えば低融点はんだ(錫
−鉛−ビスマスはんだ等、融点100℃〜200℃程
度)、銀ロウ(銀−銅、融点600℃程度)、アルミニ
ウム・ロウ(アルミニウム−シリコン、融点370℃程
度)等を挙げることができる。
易な方法として、図3に示すように金属コート1とヒー
トシンク101を低融点金属3で接合したものである。
ここで、低融点金属としては、例えば低融点はんだ(錫
−鉛−ビスマスはんだ等、融点100℃〜200℃程
度)、銀ロウ(銀−銅、融点600℃程度)、アルミニ
ウム・ロウ(アルミニウム−シリコン、融点370℃程
度)等を挙げることができる。
【0039】このような低融点金属を用いたとき、金属
コートと低融点金属の間に合金層2ができ熱伝導が向上
する。
コートと低融点金属の間に合金層2ができ熱伝導が向上
する。
【0040】このような低融点金属を用いる場合は、金
属コートとして、ニッケル/金積層膜(ニッケルが結晶
側である。以下同じ)、チタン/金積層膜、チタン/ア
ルミニウム積層膜、アルミニウム、銀およびチタン/ク
ロム積層膜のようなはんだまたはロウ成分に類似の性質
のものを好ましく用いることができ、特に、ニッケル/
金積層膜、チタン/金積層膜、アルミニウムおよび銀が
好ましい。
属コートとして、ニッケル/金積層膜(ニッケルが結晶
側である。以下同じ)、チタン/金積層膜、チタン/ア
ルミニウム積層膜、アルミニウム、銀およびチタン/ク
ロム積層膜のようなはんだまたはロウ成分に類似の性質
のものを好ましく用いることができ、特に、ニッケル/
金積層膜、チタン/金積層膜、アルミニウムおよび銀が
好ましい。
【0041】また、金属ヒートシンクの材料としては、
アルミニウム、銅および金メッキされた銅のようなはん
だまたはロウ成分に類似の性質のものを好ましく用いる
ことができる。
アルミニウム、銅および金メッキされた銅のようなはん
だまたはロウ成分に類似の性質のものを好ましく用いる
ことができる。
【0042】[実施形態4]本発明は、図4に示すよう
な固体レーザ結晶の裏面を冷却するアクティブミラー型
の固体レーザ結晶の場合にも適用が可能である。固体レ
ーザ結晶100の高反射率コート113の最終層のさら
に外側に金属コート1を形成し、金属ヒートシンクと接
合することで、レーザ結晶の変形に伴う熱接触を確保で
き、高出力化へのスケーリングが可能である。
な固体レーザ結晶の裏面を冷却するアクティブミラー型
の固体レーザ結晶の場合にも適用が可能である。固体レ
ーザ結晶100の高反射率コート113の最終層のさら
に外側に金属コート1を形成し、金属ヒートシンクと接
合することで、レーザ結晶の変形に伴う熱接触を確保で
き、高出力化へのスケーリングが可能である。
【0043】図4は、金属コートと金属ヒートシンクの
間に実施形態2の場合と同様に金属シート102を設け
た例を示したが、金属コートと金属ヒートシンクの間の
関係を前述の実施形態1または実施形態3と同様にする
こともできる。
間に実施形態2の場合と同様に金属シート102を設け
た例を示したが、金属コートと金属ヒートシンクの間の
関係を前述の実施形態1または実施形態3と同様にする
こともできる。
【0044】
【実施例】実施例として前述の実施形態1〜3の熱接触
構造を持つ固体レーザ装置と、比較例として図6で示し
たようなインジウム箔で固体レーザ結晶と金属ヒートシ
ンクとの熱接触をとった従来の固体レーザ装置とを、3
00W出力の半導体レーザを励起光源とし、固体レーザ
結晶を端面励起する構成で実際にレーザ発振させて比較
した。
構造を持つ固体レーザ装置と、比較例として図6で示し
たようなインジウム箔で固体レーザ結晶と金属ヒートシ
ンクとの熱接触をとった従来の固体レーザ装置とを、3
00W出力の半導体レーザを励起光源とし、固体レーザ
結晶を端面励起する構成で実際にレーザ発振させて比較
した。
【0045】その結果を図5に示す。従来の構造では、
励起パワー150W近辺で、出力の飽和減少が見られ、
200W程度まで励起すると、固体レーザ結晶が熱ひず
みにより破壊されてしまっていた。しかし本発明の構造
では、固体レーザ結晶への励起パワーとして300W近
辺まで投入しても出力飽和や破壊が起きなかった。この
ことにより、従来50W程度が限界であった固体レーザ
の出力を、100W程度まで出力を増大することができ
た。
励起パワー150W近辺で、出力の飽和減少が見られ、
200W程度まで励起すると、固体レーザ結晶が熱ひず
みにより破壊されてしまっていた。しかし本発明の構造
では、固体レーザ結晶への励起パワーとして300W近
辺まで投入しても出力飽和や破壊が起きなかった。この
ことにより、従来50W程度が限界であった固体レーザ
の出力を、100W程度まで出力を増大することができ
た。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、高励起状態において
も、常に安定した熱接触を維持でき、高出力で安定動作
の固体レーザ装置が得られる。また、固体レーザ装置の
稼働/非稼働に伴う日常のレーザ使用においても、熱接
触は経時的に変化することがないため、日々の出力変動
をきわめて小さくすることができる。さらに熱接触不良
に伴う、高価な固体レーザ結晶の破壊がなくなり、固体
レーザのメンテナンス性が向上し、コスト低減を図るこ
とができる。
も、常に安定した熱接触を維持でき、高出力で安定動作
の固体レーザ装置が得られる。また、固体レーザ装置の
稼働/非稼働に伴う日常のレーザ使用においても、熱接
触は経時的に変化することがないため、日々の出力変動
をきわめて小さくすることができる。さらに熱接触不良
に伴う、高価な固体レーザ結晶の破壊がなくなり、固体
レーザのメンテナンス性が向上し、コスト低減を図るこ
とができる。
【図1】本発明の1実施形態を示した図である。
【図2】本発明の1実施形態を示した図である。
【図3】本発明の1実施形態を示した図である。
【図4】本発明の1実施形態を示した図である。
【図5】本発明の固体レーザと従来の固体レーザとを比
較した図である。
較した図である。
【図6】従来の端面励起側面冷却固体レーザを示した図
である。
である。
【図7】従来の構造におけるインジウムシートと金属ヒ
ートシンクに存在する空気層について説明した図であ
る。
ートシンクに存在する空気層について説明した図であ
る。
【図8】従来の構造における固体レーザ結晶の熱変形に
伴う熱接触不良を説明した図である。
伴う熱接触不良を説明した図である。
【図9】従来のアクティブミラー型固体レーザを示した
図である。
図である。
【図10】従来のアクティブミラー型固体レーザの熱変
形に伴う熱接触不良を説明した図である。
形に伴う熱接触不良を説明した図である。
【符号の説明】 1 金属コート 2 合金層 3 低融点金属 100 固体レーザ結晶 101 金属ヒートシンク 102 金属シート(インジウムなど) 103 発熱領域(=励起領域) 104 励起LDビーム 105 集光レンズ 106 コリメートレンズ 107 励起半導体レーザ(LD) 108 共振器内を往復しているレーザビーム 109 共振器出力鏡 110 出力レーザビーム 111 固体レーザ結晶に施された光学コーティング 112 微細空気層 113 高反射コート 115 排熱経路
Claims (6)
- 【請求項1】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置において、 固体レーザ結晶の排熱面に金属ヒートシンクに対して拡
散接合性の高い金属コートを設け、金属コートと金属ヒ
ートシンク間で合金層を形成したことを特徴とする励起
型固体レーザ装置。 - 【請求項2】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置において、 固体レーザ結晶の排熱面に金属コートを設け、金属コー
トと金属ヒートシンクの間に互いの金属に対して拡散接
合性の高い金属シートを挿入し、金属コートと金属シー
ト間、および金属シートと金属ヒートシンク間で合金層
を形成したことを特徴とする励起型固体レーザ装置。 - 【請求項3】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置において、 固体レーザ結晶の排熱面に金属コートを設け、金属コー
トと金属ヒートシンクとを低融点金属で接合したことを
特徴とする励起型固体レーザ装置。 - 【請求項4】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置の製造方法において、 固体レーザ結晶の排熱面に金属ヒートシンクに対して拡
散接合性の高い金属コートを形成する工程と、 前記固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを加熱しなが
ら互いに加圧して、金属コートと金属ヒートシンク間に
合金層を形成する工程とを有する励起型固体レーザ装置
の製造方法。 - 【請求項5】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置の製造方法において、 固体レーザ結晶の排熱面に金属コートを形成する工程
と、 金属コートと金属ヒートシンクの間に互いの金属に対し
て拡散接合性の高い金属シートを挿入する工程と、 前記固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを加熱しなが
ら互いに加圧して、金属コートと金属シート間、および
金属シートと金属ヒートシンク間で合金層を形成する工
程とを有する励起型固体レーザ装置の製造方法。 - 【請求項6】 固体レーザ結晶と金属ヒートシンクとを
有する励起型固体レーザ装置の製造方法において、 固体レーザ結晶の排熱面に、固体レーザ結晶に高い付着
力を有する金属コートを形成する工程と、 この金属コートと金属ヒートシンクとを低融点金属で接
合する工程とを有する励起型固体レーザ装置の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15524297A JPH114029A (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | 励起型固体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15524297A JPH114029A (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | 励起型固体レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH114029A true JPH114029A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15601650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15524297A Pending JPH114029A (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | 励起型固体レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH114029A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007081233A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | Topcon Corp | レーザ発振装置 |
WO2012080308A1 (fr) * | 2010-12-17 | 2012-06-21 | Fibercryst | Module a gain laser et methode de fabrication d'un tel module |
JP2018152539A (ja) * | 2017-03-15 | 2018-09-27 | 株式会社リコー | レーザ装置、点火装置および内燃機関 |
CN113540935A (zh) * | 2021-06-28 | 2021-10-22 | 福建船政交通职业学院 | 铟复合微晶凸点织构包激光晶体工艺 |
-
1997
- 1997-06-12 JP JP15524297A patent/JPH114029A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007081233A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | Topcon Corp | レーザ発振装置 |
WO2012080308A1 (fr) * | 2010-12-17 | 2012-06-21 | Fibercryst | Module a gain laser et methode de fabrication d'un tel module |
FR2969402A1 (fr) * | 2010-12-17 | 2012-06-22 | Fibercryst | Module a gain laser et methode de fabrication d'un tel module |
US8929413B2 (en) | 2010-12-17 | 2015-01-06 | Fibercryst | Laser gain module and method for producing such a module |
JP2018152539A (ja) * | 2017-03-15 | 2018-09-27 | 株式会社リコー | レーザ装置、点火装置および内燃機関 |
CN113540935A (zh) * | 2021-06-28 | 2021-10-22 | 福建船政交通职业学院 | 铟复合微晶凸点织构包激光晶体工艺 |
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