JPH1140892A - Iii 族窒化物半導体素子およびその製造方法 - Google Patents
Iii 族窒化物半導体素子およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH1140892A JPH1140892A JP19139397A JP19139397A JPH1140892A JP H1140892 A JPH1140892 A JP H1140892A JP 19139397 A JP19139397 A JP 19139397A JP 19139397 A JP19139397 A JP 19139397A JP H1140892 A JPH1140892 A JP H1140892A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iii nitride
- group iii
- layer
- nitride semiconductor
- type
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Led Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】動作電流が低く、発振モードの安定化した電流
狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体を提供する。 【解決手段】電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体
素子において、電流狭窄構造をp 型のAlX Gay In1-X-Y
N (但し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦x +y≦1)からなるIII 族
窒化物層内に形成する。この電流狭窄構造は、ベリリウ
ム、マグネシウム、亜鉛またはカドミウムの内少なくと
も1種の元素をアクセプタとして添加したストライプ状
の低抵抗部分を、前記アクセプタにさらに水素原子の添
加された高抵抗部分によって前記III 族窒化物層に沿っ
て両側から挟む構造とする。1は基板、2はバッファ
層、3、7はコンタクト層、4、6はクラッド層、5は
活性層、7h水素原子の添加された高抵抗部分、8、9
は電極である。
狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体を提供する。 【解決手段】電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体
素子において、電流狭窄構造をp 型のAlX Gay In1-X-Y
N (但し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦x +y≦1)からなるIII 族
窒化物層内に形成する。この電流狭窄構造は、ベリリウ
ム、マグネシウム、亜鉛またはカドミウムの内少なくと
も1種の元素をアクセプタとして添加したストライプ状
の低抵抗部分を、前記アクセプタにさらに水素原子の添
加された高抵抗部分によって前記III 族窒化物層に沿っ
て両側から挟む構造とする。1は基板、2はバッファ
層、3、7はコンタクト層、4、6はクラッド層、5は
活性層、7h水素原子の添加された高抵抗部分、8、9
は電極である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電流狭窄構造を有
するIII 族窒化物半導体素子、特に発光素子とその製造
方法に関する。
するIII 族窒化物半導体素子、特に発光素子とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】III 族窒化物半導体 (AlN 、GaN 、InN
およびそれらの混晶) は、1.9 eVから6.2 eVにわたるバ
ンドギャップをもつ直接遷移型半導体で、500 nm前半よ
り短波長側の可視域および紫外域の光源である短波長レ
ーザダイオードや発光ダイオードを実現させる材料とし
て期待されている。しかし、大型で良質なバルク単結晶
の育成は非常に難しいため、III 族窒化物の結晶薄膜の
作製は、サファイア (Al 2O3)、スピネル (MgAl2O4)、炭
化珪素 (6H-SiC) 、シリコン (Si) 等の結晶基板上にヘ
テロエピタキシャルで行われる。いずれもIII 族窒化物
と大きな格子不整合があるため、基板とエピタキシャル
膜の間に低温GaN 層あるいは低温AlN 層からなる低温バ
ッファー層を介在させることにより良質なエピタキシャ
ル膜が得られる。そして、シリコン (Si) やマグネシウ
ム (Mg) をドーパントとして用いることにより n型や p
型の伝導性制御が実現できる。
およびそれらの混晶) は、1.9 eVから6.2 eVにわたるバ
ンドギャップをもつ直接遷移型半導体で、500 nm前半よ
り短波長側の可視域および紫外域の光源である短波長レ
ーザダイオードや発光ダイオードを実現させる材料とし
て期待されている。しかし、大型で良質なバルク単結晶
の育成は非常に難しいため、III 族窒化物の結晶薄膜の
作製は、サファイア (Al 2O3)、スピネル (MgAl2O4)、炭
化珪素 (6H-SiC) 、シリコン (Si) 等の結晶基板上にヘ
テロエピタキシャルで行われる。いずれもIII 族窒化物
と大きな格子不整合があるため、基板とエピタキシャル
膜の間に低温GaN 層あるいは低温AlN 層からなる低温バ
ッファー層を介在させることにより良質なエピタキシャ
ル膜が得られる。そして、シリコン (Si) やマグネシウ
ム (Mg) をドーパントとして用いることにより n型や p
型の伝導性制御が実現できる。
【0003】短波長レーザダイオードは、III 族窒化物
薄膜を積層してダブルヘテロ構造 (以後、DH構造と記
す) や多重量子井戸構造を形成することにより実現され
ている。また、従来のレーザダイオードでは、動作電流
の低減、発振モード (横モード) の安定化および発光ス
ポットの位置を限定する目的で活性層のストライプ状の
一部にのみ電流路を限定する電流狭窄構造が広く採用さ
れている。これは、III族窒化物半導体を用いたレーザ
ダイオードも例外ではなく、特性向上のためには必要不
可欠な技術の一つである。
薄膜を積層してダブルヘテロ構造 (以後、DH構造と記
す) や多重量子井戸構造を形成することにより実現され
ている。また、従来のレーザダイオードでは、動作電流
の低減、発振モード (横モード) の安定化および発光ス
ポットの位置を限定する目的で活性層のストライプ状の
一部にのみ電流路を限定する電流狭窄構造が広く採用さ
れている。これは、III族窒化物半導体を用いたレーザ
ダイオードも例外ではなく、特性向上のためには必要不
可欠な技術の一つである。
【0004】図4は従来のIII 族窒化物半導体を用いた
電流狭窄構造を有するDH構造のレーザダイオードの断
面図であり、(a)は電極による電流狭窄構造の場合で
あり、(b)はメサ構造による電流狭窄構造の場合であ
る。絶縁基板1i上にAlN のバッファ層2、GaN の第1
のコンタクト層3、AlX Gay In1-X-Y N の第1のクラッ
ド層4、GaN の活性層5、AlX Gay In1-X-Y N の第2の
クラッド層6およびGaN の第2のコンタクト層7が順次
積層されている。そしてエピタキシャル層側電極8およ
び基板側電極9がそれぞれ形成されている。
電流狭窄構造を有するDH構造のレーザダイオードの断
面図であり、(a)は電極による電流狭窄構造の場合で
あり、(b)はメサ構造による電流狭窄構造の場合であ
る。絶縁基板1i上にAlN のバッファ層2、GaN の第1
のコンタクト層3、AlX Gay In1-X-Y N の第1のクラッ
ド層4、GaN の活性層5、AlX Gay In1-X-Y N の第2の
クラッド層6およびGaN の第2のコンタクト層7が順次
積層されている。そしてエピタキシャル層側電極8およ
び基板側電極9がそれぞれ形成されている。
【0005】電極による電流狭窄構造の場合は、コンタ
クト層7上のストライプ状の隙間を挟んだ2 枚の絶縁層
(酸化ケイ素層)Zの上に、エピタキシャル側電極9が
形成されている。コンタクト層7とエピタキシャル側電
極9のストライプ状の接触部が電流路Nであり、活性層
ではこれに対応したストライプ状領域のみに電流は流れ
る。
クト層7上のストライプ状の隙間を挟んだ2 枚の絶縁層
(酸化ケイ素層)Zの上に、エピタキシャル側電極9が
形成されている。コンタクト層7とエピタキシャル側電
極9のストライプ状の接触部が電流路Nであり、活性層
ではこれに対応したストライプ状領域のみに電流は流れ
る。
【0006】メサ構造による電流狭窄構造の場合は、コ
ンタクト層7の両側がエピタキシャル側電極層と共にエ
ッチングされてメサ構造とされている。残されストライ
プ状部分が電流路Nであり、活性層ではこれに対応した
ストライプ状領域のみに電流は流れる。
ンタクト層7の両側がエピタキシャル側電極層と共にエ
ッチングされてメサ構造とされている。残されストライ
プ状部分が電流路Nであり、活性層ではこれに対応した
ストライプ状領域のみに電流は流れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの構造
では、ストライプ幅を5 μm 以下と狭くすることは困難
であり、またレーザ発振時のジュール熱のエピタキシャ
ル側からの放熱は、熱伝導の低い絶縁層を介しての電極
からまたは狭い電極からと十分ではなく、素子の高温化
のため安定したレーザ発振は得にくかった。
では、ストライプ幅を5 μm 以下と狭くすることは困難
であり、またレーザ発振時のジュール熱のエピタキシャ
ル側からの放熱は、熱伝導の低い絶縁層を介しての電極
からまたは狭い電極からと十分ではなく、素子の高温化
のため安定したレーザ発振は得にくかった。
【0008】本発明の目的は、発振モードの安定化した
電流狭窄構造を有し、動作電流の低いIII 族窒化物半導
体素子およびその製造方法を提供することにある。
電流狭窄構造を有し、動作電流の低いIII 族窒化物半導
体素子およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体素子に
おいて、前記電流狭窄構造は p型のAlX Gay In1-X-Y N
(但し、0 ≦x,y ≦1、0 ≦x +y≦1)からなるIII 族窒
化物層内に形成されていることとする。前記 p型のIII
族窒化物層内にはベリリウム (Be) 、マグネシウム (M
g) 、亜鉛 (Zn) またはカドミウム (Cd) の内少なくと
も1種の元素がアクセプタとして添加されていると良
い。
めに、電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体素子に
おいて、前記電流狭窄構造は p型のAlX Gay In1-X-Y N
(但し、0 ≦x,y ≦1、0 ≦x +y≦1)からなるIII 族窒
化物層内に形成されていることとする。前記 p型のIII
族窒化物層内にはベリリウム (Be) 、マグネシウム (M
g) 、亜鉛 (Zn) またはカドミウム (Cd) の内少なくと
も1種の元素がアクセプタとして添加されていると良
い。
【0010】前記電流狭窄構造は、前記 p型のIII 族窒
化物層において、さらに水素原子の添加された2つの高
抵抗部分によって、前記 p型のIII 族窒化物層面に沿っ
て両側から、水素原子が添加されてないストライプ状部
分が挟まれてなると良い。上記のIII 族窒化物半導体素
子の製造方法において、前記水素原子の添加は前記 p型
のIII 族窒化物層がアンモニア (NH3)雰囲気中でアニー
ルされることよってなされることとする。
化物層において、さらに水素原子の添加された2つの高
抵抗部分によって、前記 p型のIII 族窒化物層面に沿っ
て両側から、水素原子が添加されてないストライプ状部
分が挟まれてなると良い。上記のIII 族窒化物半導体素
子の製造方法において、前記水素原子の添加は前記 p型
のIII 族窒化物層がアンモニア (NH3)雰囲気中でアニー
ルされることよってなされることとする。
【0011】または、上記のIII 族窒化物半導体素子の
製造方法において、前記水素原子の添加は前記 p型のII
I 族窒化物層が電子サイクロトロン共鳴により励起され
た水素プラズマ中でアニールされることよってなされる
こととする。前記ストライプ状部分はストライプ状のマ
スクによって被覆された状態で前記アニールが行われる
ことによって形成されると良い。
製造方法において、前記水素原子の添加は前記 p型のII
I 族窒化物層が電子サイクロトロン共鳴により励起され
た水素プラズマ中でアニールされることよってなされる
こととする。前記ストライプ状部分はストライプ状のマ
スクによって被覆された状態で前記アニールが行われる
ことによって形成されると良い。
【0012】水素原子によってアクセプタやドナーが不
活性化される現象はSiおよびGaAsではよく知られてお
り、またアクセプタとなるMgやZnをドーピングしたMO
CVDによる p型のGaN 膜においても、成膜に用いるア
ンモニア(NH3 )のH 原子が膜中に取り込まれ、膜は高
抵抗化されていることが報告されている。通常は高抵抗
の膜は半導体装置には適していない。
活性化される現象はSiおよびGaAsではよく知られてお
り、またアクセプタとなるMgやZnをドーピングしたMO
CVDによる p型のGaN 膜においても、成膜に用いるア
ンモニア(NH3 )のH 原子が膜中に取り込まれ、膜は高
抵抗化されていることが報告されている。通常は高抵抗
の膜は半導体装置には適していない。
【0013】本発明においては、RFラジカルビームM
BEにより成膜したMg (またはZn、Be、Cd)をドープし
た低抵抗の p型AlX Gay In1-X-Y N 層をアンモニア雰囲
気中で600 ℃〜1000℃程度でアニールすることにより、
AlX Gay In1-X-Y N 層を低抵抗から高抵抗へと変化させ
ている。これは、Siの場合のように、アンモニア中の水
素原子がAlX Gay In1-X-Y N 層中に拡散して、アクセプ
タ(MgまたはZn)と結合して例えばMg-H対を形成し、ア
クセプタを不活性化させることができるからである。ま
た、アンモニア雰囲気中でのアニールに換えて、例え
ば、電子サイクロトロン共鳴(以下ECRと記す)によ
り励起された水素プラズマで表面処理することよって
も、水素原子をAlX Gay In1-X-Y N 層中に拡散させ、上
記の不活性化を生じさせることができる。
BEにより成膜したMg (またはZn、Be、Cd)をドープし
た低抵抗の p型AlX Gay In1-X-Y N 層をアンモニア雰囲
気中で600 ℃〜1000℃程度でアニールすることにより、
AlX Gay In1-X-Y N 層を低抵抗から高抵抗へと変化させ
ている。これは、Siの場合のように、アンモニア中の水
素原子がAlX Gay In1-X-Y N 層中に拡散して、アクセプ
タ(MgまたはZn)と結合して例えばMg-H対を形成し、ア
クセプタを不活性化させることができるからである。ま
た、アンモニア雰囲気中でのアニールに換えて、例え
ば、電子サイクロトロン共鳴(以下ECRと記す)によ
り励起された水素プラズマで表面処理することよって
も、水素原子をAlX Gay In1-X-Y N 層中に拡散させ、上
記の不活性化を生じさせることができる。
【0014】このような水素原子によるアクセプタの不
活性化現象を利用して、 p型AlX Ga y In1-X-Y N (但
し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦x+y ≦1)層内に、ストライプ状
の低抵抗のp+領域を挟んだ高抵抗のp-領域を形成できる
ことをみいだした。この構成では、 p型AlX Gay In
1-X-Y N 層の電極から注入されるキャリア (正孔) は、
高抵抗のp-領域を流れず、ストライプ状の低抵抗のp+領
域のみを流れる、すなわち電流狭窄構造が形成される。
活性化現象を利用して、 p型AlX Ga y In1-X-Y N (但
し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦x+y ≦1)層内に、ストライプ状
の低抵抗のp+領域を挟んだ高抵抗のp-領域を形成できる
ことをみいだした。この構成では、 p型AlX Gay In
1-X-Y N 層の電極から注入されるキャリア (正孔) は、
高抵抗のp-領域を流れず、ストライプ状の低抵抗のp+領
域のみを流れる、すなわち電流狭窄構造が形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】電極から注入されたキャリアは、
水素によるアクセプタの不活性化効果により形成された
電流狭窄構造により、活性層内ではストライプ付近の狭
い領域に閉じ込められる。その結果、低電流レベルでも
キャリアは高密度となり反転分布が形成され、レーザ発
振開始電流(しきい値)の低減が可能となる。
水素によるアクセプタの不活性化効果により形成された
電流狭窄構造により、活性層内ではストライプ付近の狭
い領域に閉じ込められる。その結果、低電流レベルでも
キャリアは高密度となり反転分布が形成され、レーザ発
振開始電流(しきい値)の低減が可能となる。
【0016】一方、レーザ出力の電流依存特性におい
て、レーザ出力が数mW以上になるとキンクと呼ばれる不
安定モードが現れる (図3のカーブb参照) 。この発振
モード(横モード) の不安定性は半導体レーザが持つ本
質的な問題であるが、狭窄構造のストライプ幅を5 μm
以下にすることによって改善できる。レーザの発振スポ
ットは、活性層内のキャリアを閉じ込めたストライプ幅
の領域に限定できる。 実施例1 図1は本発明に係る電流狭窄構造を有するDH構造のII
I 族窒化物レーザダイオードの断面図である。
て、レーザ出力が数mW以上になるとキンクと呼ばれる不
安定モードが現れる (図3のカーブb参照) 。この発振
モード(横モード) の不安定性は半導体レーザが持つ本
質的な問題であるが、狭窄構造のストライプ幅を5 μm
以下にすることによって改善できる。レーザの発振スポ
ットは、活性層内のキャリアを閉じ込めたストライプ幅
の領域に限定できる。 実施例1 図1は本発明に係る電流狭窄構造を有するDH構造のII
I 族窒化物レーザダイオードの断面図である。
【0017】導電性の基板1sとして n型のSi (1,1,1)
基板を用いた。層構成は従来のDH構造のIII 族窒化物
レーザダイオード(図4)と同じであるが、 p型GaN コ
ンタクト層7内に電流狭窄構造を形成した。各III 族窒
化物層の成長にはRFラジカルビームMBE法を用い
た。キャリア密度 1×1018cm-3のn-Si (1,1,1)基板1s
上に、厚さ2 nmのAlN の低温バッファー層2を介して、
厚さ300 nmの n型GaN コンタクト層3、厚さ325 nmの n
型Al0. 2Ga0.8N からなる第1のクラッド層4、厚さ50 n
m の n型GaN からなる活性層5、厚さ325 nmの p型Al
0.2Ga0.8N からなる第2のクラッド層6、厚さ300 nmの
p型GaN からなる第2のコンタクト層7の順に形成し、
DH構造とした。 n型GaNコンタクト層3、 n型All0.1
Ga0.8N クラッド層4および n型GaN 活性層5にはドナ
ーとしてSi(Nd=1×1016cm-3〜1 ×1019cm-3)を、 p型
Al0.2Ga0.8N クラッド層6にはアクセプタとしてMg(Na
=1 ×1018cm-3)を、 p型GaN コンタクト層7にはアク
セプタとしてZn(Na=1 ×1018cm-3)をそれぞれ添加し
た。
基板を用いた。層構成は従来のDH構造のIII 族窒化物
レーザダイオード(図4)と同じであるが、 p型GaN コ
ンタクト層7内に電流狭窄構造を形成した。各III 族窒
化物層の成長にはRFラジカルビームMBE法を用い
た。キャリア密度 1×1018cm-3のn-Si (1,1,1)基板1s
上に、厚さ2 nmのAlN の低温バッファー層2を介して、
厚さ300 nmの n型GaN コンタクト層3、厚さ325 nmの n
型Al0. 2Ga0.8N からなる第1のクラッド層4、厚さ50 n
m の n型GaN からなる活性層5、厚さ325 nmの p型Al
0.2Ga0.8N からなる第2のクラッド層6、厚さ300 nmの
p型GaN からなる第2のコンタクト層7の順に形成し、
DH構造とした。 n型GaNコンタクト層3、 n型All0.1
Ga0.8N クラッド層4および n型GaN 活性層5にはドナ
ーとしてSi(Nd=1×1016cm-3〜1 ×1019cm-3)を、 p型
Al0.2Ga0.8N クラッド層6にはアクセプタとしてMg(Na
=1 ×1018cm-3)を、 p型GaN コンタクト層7にはアク
セプタとしてZn(Na=1 ×1018cm-3)をそれぞれ添加し
た。
【0018】次いで、 p型GaN コンタクト層7上にフォ
トリソグラフィーによりストライプ幅5 μm のSiO2膜(
厚さ1 μm)マスクを形成後、アンモニア雰囲気中( 圧力
1 気圧、流量500 sccm) で700 ℃のアニールを7 分行っ
た。以上のプロセスにより、p型GaN コンタクト層7の
表面に、2つに分けられた高抵抗部7hを形成し、これ
らに挟まれた幅5 μm のストライプ状の低抵抗部からな
る電流狭窄構造を形成した。ストライプの長手方向は I
II族窒化物のへき開面(1,-1,0,0)に垂直である。
トリソグラフィーによりストライプ幅5 μm のSiO2膜(
厚さ1 μm)マスクを形成後、アンモニア雰囲気中( 圧力
1 気圧、流量500 sccm) で700 ℃のアニールを7 分行っ
た。以上のプロセスにより、p型GaN コンタクト層7の
表面に、2つに分けられた高抵抗部7hを形成し、これ
らに挟まれた幅5 μm のストライプ状の低抵抗部からな
る電流狭窄構造を形成した。ストライプの長手方向は I
II族窒化物のへき開面(1,-1,0,0)に垂直である。
【0019】そして、SiO2膜マスクを除去し、Ni/Au の
エピタキシャル側電極8およびSi基板の裏面にTi/Ni/Al
の基板側電極9をそれぞれ形成した。光共振面はSi (1,
1,1)面を劈開することにより得られるGaN(1,-1,0,0) 面
を用いた。図3は本発明に係る電流狭窄構造を有するD
H構造のレーザダイオードの光出力の入力パルス電流依
存性を示すグラフである。カーブaは本発明に係るレー
ザダイオードであり、カーブbは同じ層構成で電流狭窄
構造を有しないレーザダイオードである。 III族窒化物
層内に電流狭窄構造を形成することにより、従来のDH
構造に比べ、より低電流でのレーザ発振を確認した。ま
た、レーザ発振の不安定モードであるキンクも生じなく
なった。 実施例2 この実施例ではGaN 以外のIII 族窒化物層においても電
流狭窄構造を形成できることを示すために、実施例1に
おける p型コンタクト層の材料を p型GaN からp型Al0.1
Ga0.9N に換えて狭窄構造を作製した。
エピタキシャル側電極8およびSi基板の裏面にTi/Ni/Al
の基板側電極9をそれぞれ形成した。光共振面はSi (1,
1,1)面を劈開することにより得られるGaN(1,-1,0,0) 面
を用いた。図3は本発明に係る電流狭窄構造を有するD
H構造のレーザダイオードの光出力の入力パルス電流依
存性を示すグラフである。カーブaは本発明に係るレー
ザダイオードであり、カーブbは同じ層構成で電流狭窄
構造を有しないレーザダイオードである。 III族窒化物
層内に電流狭窄構造を形成することにより、従来のDH
構造に比べ、より低電流でのレーザ発振を確認した。ま
た、レーザ発振の不安定モードであるキンクも生じなく
なった。 実施例2 この実施例ではGaN 以外のIII 族窒化物層においても電
流狭窄構造を形成できることを示すために、実施例1に
おける p型コンタクト層の材料を p型GaN からp型Al0.1
Ga0.9N に換えて狭窄構造を作製した。
【0020】但し、 p型コンタクト層にはアクセプタと
してMgを添加し、その濃度をNa=1×1018cm-3とした。こ
のDH構造のレーザーダイオードの光出力の電流依存性
は、実施例1と同様であり有効な電流狭窄構造が形成さ
れたことが判る。 実施例3 実施例1における p型コンタクト層の材料を p型GaN か
ら p型In0.2Ga0.8N に換えて狭窄構造を作製した。但
し、 p型コンタクト層にはアクセプタとしてCdを添加
し、その濃度をNa=1×1018cm-3とした。
してMgを添加し、その濃度をNa=1×1018cm-3とした。こ
のDH構造のレーザーダイオードの光出力の電流依存性
は、実施例1と同様であり有効な電流狭窄構造が形成さ
れたことが判る。 実施例3 実施例1における p型コンタクト層の材料を p型GaN か
ら p型In0.2Ga0.8N に換えて狭窄構造を作製した。但
し、 p型コンタクト層にはアクセプタとしてCdを添加
し、その濃度をNa=1×1018cm-3とした。
【0021】このDH構造のレーザーダイオードの光出
力の電流依存性は、実施例1と同様であり有効な電流狭
窄構造が形成されたことがわかる。 実施例4 実施例1の導電性基板に換えて絶縁性基板( (0,0,0,1)
面サファイア基板)を用いた。
力の電流依存性は、実施例1と同様であり有効な電流狭
窄構造が形成されたことがわかる。 実施例4 実施例1の導電性基板に換えて絶縁性基板( (0,0,0,1)
面サファイア基板)を用いた。
【0022】図2は本発明に係る電流狭窄構造を有する
DH構造のIII 族窒化物レーザダイオードの断面図であ
る。絶縁性基板1i上に、実施例1と同じ層構成のDH
構造のIII 族窒化物レーザダイオードを形成したが、電
流狭窄構造形成のための水素添加を変えた。第2のコン
タクト層7に酸化ケイ素のストライプ用マスクを形成し
た後、基板を電子サイクロトロン共鳴 (ECR) により
励起した水素プラズマ中で処理することにより、p-の不
活性化膜を形成させた。ECR水素プラズマ処理の条件
を表1に示す。
DH構造のIII 族窒化物レーザダイオードの断面図であ
る。絶縁性基板1i上に、実施例1と同じ層構成のDH
構造のIII 族窒化物レーザダイオードを形成したが、電
流狭窄構造形成のための水素添加を変えた。第2のコン
タクト層7に酸化ケイ素のストライプ用マスクを形成し
た後、基板を電子サイクロトロン共鳴 (ECR) により
励起した水素プラズマ中で処理することにより、p-の不
活性化膜を形成させた。ECR水素プラズマ処理の条件
を表1に示す。
【0023】
【表1】 素子の個別化においては、上記の基板は絶縁体であるた
め、基板側電極9は第1のクラッド層4以降をエッチン
グして除去した後の第1コンタクト層2に形成した。
め、基板側電極9は第1のクラッド層4以降をエッチン
グして除去した後の第1コンタクト層2に形成した。
【0024】光共振面はサファイアの (1,-1,0,0) 面を
劈開して得られるGaAlN (1,1,-2,0) 面である。このD
H構造のレーザダイオードの光出力の電流依存性は実施
例1と同様であり、有効な電流狭窄構造が形成されたこ
とが判る。
劈開して得られるGaAlN (1,1,-2,0) 面である。このD
H構造のレーザダイオードの光出力の電流依存性は実施
例1と同様であり、有効な電流狭窄構造が形成されたこ
とが判る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、電流狭窄構造を有する
III 族窒化物半導体素子において、前記電流狭窄構造を
p型のAlX Gay In1-X-Y N (但し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦
x +y≦1)からなるIII 族窒化物層内に形成したため、電
流路の幅の従来より狭い電流狭窄構造を形成でき、レー
ザ発振開始電流は低く、また、発振モード(横モード)
は安定となり、レーザ出力電流特性のキンクも改善され
る。
III 族窒化物半導体素子において、前記電流狭窄構造を
p型のAlX Gay In1-X-Y N (但し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦
x +y≦1)からなるIII 族窒化物層内に形成したため、電
流路の幅の従来より狭い電流狭窄構造を形成でき、レー
ザ発振開始電流は低く、また、発振モード(横モード)
は安定となり、レーザ出力電流特性のキンクも改善され
る。
【0026】前記電流狭窄構造を、ベリリウム (Be) 、
マグネシウム (Mg) 、亜鉛 (Zn) またはカドミウム (C
d) の内少なくとも1種の元素がアクセプタとして添加
されているストライプ状の低抵抗部分を、前記アクセプ
タにさらに水素原子の添加された高抵抗部分によって前
記III 族窒化物層に沿って両側から挟んだ構造としたた
め、これらアクセプタと水素原子との結合により高抵抗
部分の抵抗は十分高く電流狭窄は確実に行われる。
マグネシウム (Mg) 、亜鉛 (Zn) またはカドミウム (C
d) の内少なくとも1種の元素がアクセプタとして添加
されているストライプ状の低抵抗部分を、前記アクセプ
タにさらに水素原子の添加された高抵抗部分によって前
記III 族窒化物層に沿って両側から挟んだ構造としたた
め、これらアクセプタと水素原子との結合により高抵抗
部分の抵抗は十分高く電流狭窄は確実に行われる。
【0027】上記のIII 族窒化物半導体素子の製造方法
において、前記 p型のIII 族窒化物層はアンモニア (NH
3)雰囲気中でまたは電子サイクロトロン共鳴により励起
された水素プラズマ中でアニールするので、水素原子の
拡散速度を制御しやすく、高抵抗領域のサイズを精度良
く再現でき、電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体
素子の製造歩留りは高い。
において、前記 p型のIII 族窒化物層はアンモニア (NH
3)雰囲気中でまたは電子サイクロトロン共鳴により励起
された水素プラズマ中でアニールするので、水素原子の
拡散速度を制御しやすく、高抵抗領域のサイズを精度良
く再現でき、電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体
素子の製造歩留りは高い。
【図1】本発明に係る電流狭窄構造を有するDH構造の
III 族窒化物レーザダイオードの断面図
III 族窒化物レーザダイオードの断面図
【図2】本発明に係る電流狭窄構造を有するDH構造の
III 族窒化物レーザダイオードの断面図
III 族窒化物レーザダイオードの断面図
【図3】本発明に係る電流狭窄構造を有するDH構造の
レーザダイオードの光出力の入力パルス電流依存性を示
すグラフ
レーザダイオードの光出力の入力パルス電流依存性を示
すグラフ
【図4】従来のIII 族窒化物半導体を用いた電流狭窄構
造を有するDH構造のレーザダイオードの断面図であ
り、(a)は電極による電流狭窄構造の場合であり、
(b)はメサ構造による電流狭窄構造の場合
造を有するDH構造のレーザダイオードの断面図であ
り、(a)は電極による電流狭窄構造の場合であり、
(b)はメサ構造による電流狭窄構造の場合
1s 導電性基板 1i 絶縁性基板 2 バッファ層 3 第1のコンタクト層 4 第1のクラッド層 5 活性層 6 第2のクラッド層 7 第2のコンタクト層 7h 高抵抗部 8 エピタキシャル層側電極 9 基板側電極層 N 電流路 Z 絶縁層
Claims (6)
- 【請求項1】電流狭窄構造を有するIII 族窒化物半導体
素子において、前記電流狭窄構造は p型のAlX Gay In
1-X-Y N (但し、0 ≦x,y ≦1 、0 ≦x +y≦1)からなる
III 族窒化物層内に形成されていることを特徴とするII
I 族窒化物半導体素子。 - 【請求項2】前記 p型のIII 族窒化物層内にはベリリウ
ム (Be) 、マグネシウム (Mg) 、亜鉛 (Zn) またはカド
ミウム (Cd) の内少なくとも1種の元素がアクセプタと
して添加されていることを特徴とする請求項1に記載の
III 族窒化物半導体素子。 - 【請求項3】前記電流狭窄構造は、前記 p型のIII 族窒
化物層において、さらに水素原子の添加された2つの高
抵抗部分によって、前記 p型のIII 族窒化物層面に沿っ
て両側から、水素原子が添加されてないストライプ状部
分が挟まれてなることを特徴とする請求項2に記載のII
I 族窒化物半導体素子。 - 【請求項4】請求項3に記載のIII 族窒化物半導体素子
の製造方法において、前記水素原子の添加は前記 p型の
III 族窒化物層がアンモニア (NH3)雰囲気中でアニール
されることよってなされることを特徴とするIII 族窒化
物半導体素子の製造方法。 - 【請求項5】請求項3に記載のIII 族窒化物半導体素子
の製造方法において、前記水素原子の添加は前記 p型の
III 族窒化物層が電子サイクロトロン共鳴により励起さ
れた水素プラズマ中でアニールされることよってなされ
ることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造
方法。 - 【請求項6】前記ストライプ状部分はストライプ状のマ
スクによって被覆された状態で前記アニールが行われる
ことによって形成されることを特徴とする請求項4また
は5に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19139397A JPH1140892A (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | Iii 族窒化物半導体素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19139397A JPH1140892A (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | Iii 族窒化物半導体素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1140892A true JPH1140892A (ja) | 1999-02-12 |
Family
ID=16273866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19139397A Pending JPH1140892A (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | Iii 族窒化物半導体素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1140892A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100367508C (zh) * | 2000-12-22 | 2008-02-06 | 大连路明科技集团有限公司 | 发光二极管 |
JP2014160872A (ja) * | 2014-05-26 | 2014-09-04 | Ricoh Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JP2016054321A (ja) * | 2015-12-08 | 2016-04-14 | 株式会社リコー | 半導体装置 |
WO2022065683A1 (ko) * | 2020-09-23 | 2022-03-31 | 삼성전자주식회사 | 마이크로 led 및 이를 구비한 디스플레이 모듈 |
-
1997
- 1997-07-16 JP JP19139397A patent/JPH1140892A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100367508C (zh) * | 2000-12-22 | 2008-02-06 | 大连路明科技集团有限公司 | 发光二极管 |
JP2014160872A (ja) * | 2014-05-26 | 2014-09-04 | Ricoh Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JP2016054321A (ja) * | 2015-12-08 | 2016-04-14 | 株式会社リコー | 半導体装置 |
WO2022065683A1 (ko) * | 2020-09-23 | 2022-03-31 | 삼성전자주식회사 | 마이크로 led 및 이를 구비한 디스플레이 모듈 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3160914B2 (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体レーザダイオード | |
US8044439B2 (en) | Light-emitting device and manufacturing method of the same | |
JP3293996B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP2003198045A (ja) | 半導体レーザ構造体 | |
JP2001210863A (ja) | 選択的にドーピングされたiii−v窒化物層を有する半導体装置 | |
JPH11214800A (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
US20040061119A1 (en) | Nitride-based semiconductor light-emitting device | |
JP2010021576A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP2002319703A (ja) | 半導体装置およびその作製方法 | |
JPH0274088A (ja) | 半導体レーザ装置 | |
JPH09293936A (ja) | 半導体装置 | |
JP4865186B2 (ja) | Iii−v族化合物半導体装置及びその製造方法 | |
JP4295489B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP2001068786A (ja) | 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法 | |
JP5907210B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
US7215691B2 (en) | Semiconductor laser device and method for fabricating the same | |
JPH10144962A (ja) | 半導体発光素子およびその製造方法 | |
JP4465890B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH1140892A (ja) | Iii 族窒化物半導体素子およびその製造方法 | |
JP3763459B2 (ja) | 半導体レーザ素子及びその製造方法 | |
JPH09326508A (ja) | 半導体光素子 | |
JPH11274645A (ja) | 半導体素子及びその製造方法 | |
JPH11261106A (ja) | 半導体装置 | |
JPH0983079A (ja) | 半導体素子 | |
JPH11266054A (ja) | Iii 族窒化物半導体発光素子およびその製造方法 |