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JPH11349340A - 合成石英ガラス粉末の製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

合成石英ガラス粉末の製造方法及び石英ガラス成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH11349340A
JPH11349340A JP15581398A JP15581398A JPH11349340A JP H11349340 A JPH11349340 A JP H11349340A JP 15581398 A JP15581398 A JP 15581398A JP 15581398 A JP15581398 A JP 15581398A JP H11349340 A JPH11349340 A JP H11349340A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quartz glass
glass powder
powder
silica glass
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15581398A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Moriyama
隆 森山
Hatsuo Miyawaki
初男 宮脇
Akira Utsunomiya
明 宇都宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP15581398A priority Critical patent/JPH11349340A/ja
Publication of JPH11349340A publication Critical patent/JPH11349340A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1005Forming solid beads
    • C03B19/106Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction
    • C03B19/1065Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction by liquid phase reactions, e.g. by means of a gel phase

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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】黒色異物の発生の抑えられた合成石英ガラス粉
末及び泡の少ない石英ガラス成形体を提供する。 【解決手段】アルコキシシランを加水分解して得られた
ゲルを、焼成して合成石英ガラス粉末を得るに際し、加
水分解工程において、反応容器へのテトラアルコキシシ
ランの供給ラインに、反応容器外部より反応容器内部へ
向かって露点30℃以下の乾燥ガスを導入しながら、加
水分解反応を実施することを特徴とする合成石英ガラス
粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として半導体製
造分野、及び光ファイバー関連等の光学分野に於いて、
その製品中の泡の発生量の極めて少ないものを得る事が
出来る、合成石英ガラス粉末および、それを用いて得ら
れた石英ガラス製品に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、光通信分野、半導体産業等で使用さ
れるガラス製品においては、その品質に関して非常に厳
しい管理が行われている。このような、高純度のガラス
の製造方法としては、主に、(1)天然石英を精製して
用いる方法、(2)四塩化珪素等の気体珪素化合物の酸
水素炎中での加水分解、熱分解で発生したヒュームを用
い、これを溶融成形する気相法、(3)シリコンアルコ
キシド等の液相での加水分解、ゲル化等により得たシリ
カゲル粉末を焼成して得た合成石英ガラス粉を用いる方
法、等が知られている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、これら
のうち(1)の方法では微量不純物含有量の低減に限界
があり、(2)の方法では極めて製造コストが高い等の
問題がある。(3)のシリカゲルを用いる方法、特にシ
リコンアルコキシドを原料としたシリカゲル粉末を用い
る方法では、(2)の方法と比較すると安価に微量不純
物含有量が低い合成石英ガラスを得ることができる。
【0004】ここで、石英ガラス粉に要求される品質と
して、金属不純物レベルの低いことのみでなく、石英ガ
ラス粉を溶融成形してなる石英ガラス製品において、泡
の発生が少ないことが求められている。石英ガラス製品
中に泡が発生すると、半導体製造用部材で高温で使用さ
れる際に、強度低下の要因となり、また、泡表面に不純
物が蓄積し、シリコン単結晶引き上げ用ルツボでは、歩
留まり低下の要因となる。また、光学用途においても、
光の散乱起点となり透過率の低下が生じ、光ファイバー
製造においては、引き延ばし時に断線の原因となり得
る。
【0005】特に、シリコンアルコキシドを原料とした
ゾルゲル法により得た石英ガラス粉を用いた場合、ゾル
ゲル反応をバッチ式で実施する際、反応バッチ数が多く
なると、その反応容器の内壁部、あるいは撹拌翼等にス
ケールが生じ、スケールの厚みがある程度成長すると剥
離して、製品中に混入する。このスケールは、元々は加
水分解反応により生成したシリカゲルであるが、本発明
者らの検討の結果、このスケールは正常なゲルと比較し
て緻密な構造を有し、焼成して合成石英ガラス粉末とす
る際にアルコキシ基又は副生アルコール由来のカーボン
成分が脱離しにくいために石英ガラス粉中の黒色異物と
なり易く、これが溶融時にCO又はCO 2ガスとなり、
泡発生の原因となる事が判明している(特開平6−34
0411号公報、特開平8−188411号公報)。こ
のため、付着したスケールを定期的に苛性ソーダ水溶液
により溶解除去することにより、溶融成形時に発泡の少
ない合成石英ガラス粉末を安定的に得る方法が提案され
ている(特開平6−340411号公報)。
【0006】しかしながら、この方法では、反応機の構
造によっては、溶解除去に用いた苛性ソーダが反応機の
デッドスペース等に残留し、加水分解反応開始後、かな
りのバッチ数の製品が、Naで汚染されることがあり、
生産性が低下するという問題がある。石英ガラス粉末中
の黒色異物を発生し難くする方法として、加水分解反応
により得られたゲルを150℃以上の過熱水蒸気により
処理する方法(特公平5−4925号公報)が知られて
いるが、この方法は通常のゲル粒子については効果が期
待できるが、先述したスケールの様な著しく性状が変化
したもの(緻密化の進行したもの)については、水蒸気
処理を行っても、ほとんど効果のないことが本発明者ら
の検討により判った。
【0007】この問題に対する解決策として、アルコキ
シシランの加水分解を行う反応容器のうち、加水分解液
が接触する部分を、定期的に70℃以上の熱水で処理す
る事により、反応機内壁に生成したスケールを、焼成時
に黒色化しない様に改質できることが本発明者らにより
見出されており(特願平9−120750)、この方法
によればアルカリで洗浄した際のような製品ロスもなく
好適である。しかしながらこの方法では、熱水と接触す
る領域においては極めて高い改質効果が得られるもの
の、通常、反応機中には、反応容器天井部、原料液導入
部等、熱水と接液し得ない領域が存在し、この熱水と接
液しない部分で生成したスケールについては改質効果が
期待できず、万全とは言い難い。特に、この熱水と接液
しない領域のうち、原料アルコキシシランを導入するラ
インの配管内壁部分に、焼成時の黒色異物化に対し、極
めて悪性のスケールが生じることが本発明者らの検討に
より判明した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の問題
を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、加水分解反応機
のテトラアルコキシシラン供給ラインに乾燥ガスを導入
し、反応時の加水分解液揮発成分が、アルコキシシラン
供給ライン内部に凝縮するのを防ぐ事により、黒色異物
の発生を極めて低いレベルに抑えた合成石英ガラス粉末
を得る事が出来ることを見出し、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、アルコキシシランを加水分解して得
られたゲルを焼成して合成石英ガラス粉末を得るに際
し、加水分解工程において、反応容器へのテトラアルコ
キシシランの供給ラインに、反応容器外部より反応容器
内部へ向かって露点30℃以下の乾燥ガスを導入しなが
ら、加水分解反応を実施することを特徴とする合成石英
ガラス粉末の製造方法、及びこうして得られた合成石英
ガラス粉末を溶融成形して得られる石英ガラス成形体に
存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
アルコキシシランの加水分解によるシリカゲル粉末の製
造は、いわゆるゾル・ゲル法として公知の方法にしたが
って、アルコキシシランと水とを反応させることによっ
て行われる。原料として用いられるアルコキシシランと
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
等のC1〜4の低級アルコキシシラン或いはその低縮合
物であるオリゴマーが、加水分解が容易でありシリカゲ
ル中への炭素の残存が少ない点から好ましい。
【0010】水の使用量は通常、アルコキシシラン中の
アルコキシ基の1倍当量以上から10倍当量以下の範囲
から選択される。この際、必要に応じて、水と相溶性の
あるアルコール類やエーテル類等の有機溶媒を混合して
使用してもよい。使用されるアルコールの代表例として
は、メタノール・エタノール等の低級脂肪族アルコール
等が挙げられる。ここで、本発明においては、これらの
反応系に導入されるアルコキシシラン、水、及びアルコ
ール等の有機溶媒については、予め反応系に導入される
前に、フィルターを通して異物を除去する方が好まし
い。こうして、フィルターを通すことにより最終的に得
られた合成石英ガラス粉末は、溶融成型時の失透が防止
され、透明度が特に優れた成形体を得る事が出来る。こ
の理由は明らかではないが、フィルターで除去可能な粒
状異物が失透のメカニズムに何らかの役割を果たしてい
るものと考えられる。この加水分解反応には、触媒とし
て塩酸、酢酸等の酸や、アンモニア等のアルカリの存在
下としてもよい。なお、当然のことながら、ここで使用
する水、触媒等の、反応系に導入される物質は、全て高
純度とする。
【0011】加水分解反応工程をバッチで実施する場
合、反応バッチ数を繰り返す事により、反応機内壁部分
等にスケールが堆積し、このスケールが製品中に剥離、
混入し、焼成時の黒色異物発生の要因となることが判明
している(特開平6−340411号公報、特開平8−
188411号公報)。そこで、このスケールの焼成時
に於ける悪影響を回避するために、スケールを定期的に
アルカリで溶解除去する方法(特開平6−340411
号公報)、反応機内部を定期的に熱水で浸漬処理するこ
とによりスケールが焼成時に黒色異物化しない様にスケ
ールを改質する方法(特願平9−120750)が考案
されている。しかしながら、アルカリで溶解洗浄除去す
る手法では、洗浄後数バッチが微量のアルカリで汚染さ
れるため、半導体用途等のアルカリ含有量に関して極め
て低いレベルが要求される用途には用いる事が出来ず、
製品ロスとなるため、あまり高頻度で実施する事は工業
的に問題がある。一方、反応機内部の熱水洗浄によるス
ケール改質では、製品ロスは無いものの、熱水と接液し
ない部分に関しては、極めて改質効果が小さいという問
題があることは上述の通りである。
【0012】更に、この熱水と接液しない部分で発生す
るスケールの黒色異物化に対する悪性度を調べたとこ
ろ、アルコキシシランの供給ライン内壁部分に生成した
スケールの悪性度が極めて高い事が判明した。この要因
は、恐らく以下のように考えられる。すなわち、アルコ
キシシランの加水分解反応は発熱反応であるため、工業
的規模で加水分解を実施する際、通常、反応液は、数十
℃から、その反応組成における沸点まで温度上昇する。
この時の蒸発成分がアルコキシシランの供給配管中へも
逆流する事となる。蒸発成分中には水分が多く含まれ、
また、アルコキシシラン供給配管中には、完全に液切れ
しなかった残留アルコキシシランが付着しており、この
両者が反応してスケールが生成する。この現象が毎バッ
チ繰り返されることによって、スケールが黒色異物化に
おける悪性度すなわち焼成により黒色異物となる成り易
さが進行するものと思われる。このアルコキシシラン供
給配管部分へのスケール付着を抑制するためには、配管
の反応機入口直前部分に閉止バルブを設けた方が好まし
いが、バルブ下端から反応容器内壁部分までのデッドス
ペースが残るため、この部分へのスケール付着を完全に
抑えることはできない。
【0013】そこで、本発明においては、アルコキシシ
ラン供給のための常設配管を有するような加水分解反応
機に於いて、このアルコキシシラン供給ラインに乾燥ガ
スを導入する。乾燥ガスの導入位置は、供給ラインの末
端、すなわち反応容器内部分よりも外側から、反応容器
内部に向かってガスの流れを作るものとする。また、供
給ライン全域に渉って乾燥ガスを流通させる必要はな
く、少なくとも、反応容器内壁近傍だけで十分である。
導入ガス量についても、基本的に反応容器内部へ向かっ
てのガスの流れができれば効果が期待できるため、少量
で十分である。乾燥ガスの種類としては、特に限定はさ
れないが、工業的に実施する場合、保安上の観点から、
窒素ガス、或いは、不活性ガス(アルゴン等)を用いる
事が好ましい。
【0014】乾燥ガスの露点は30℃以下、好ましく
は、0℃以下のものを使用する。露点が高すぎると、ア
ルコキシシラン供給配管の内壁部分に付着した残留アル
コキシシランと反応し、スケール生成の要因となるから
である。この様な手法で乾燥ガスを導入する事により、
アルコキシシラン供給ライン内壁部分への悪性スケール
の生成をほぼ完全に抑制する事が出来る。これは、加水
分解反応中、常に反応機内部へ向かって乾燥ガスを導入
する事により、反応時の蒸発成分、特に水分が配管内部
へ侵入するのを抑制できたためと考えられる。次に、加
水分解生成物のゲル化は、加熱下あるいは常温で実施さ
れる。加熱を行うと、ゲル化の速度を向上することがで
きるので、加熱の程度を調節することにより、ゲル化時
間を調節することができる。
【0015】シリカゲルを得るには、これら公知の方法
をいずれも特に限定されず採用することができるのであ
るが、一般にはシリカゲルを沈殿物として生成させるよ
りも全体を一個のゲルとし、これを粉砕して粉砕シリカ
ゲル粉末として以下の工程に処するのが、得られる石英
粉の物性が特に優れ、上澄みとの分離等余分な工程を要
さずまた歩留まりもよいため、望ましい。こうして得ら
れたシリカゲルを必要に応じて粉砕等により細分化して
シリカゲル粉末とする。また、一般には後述する焼成に
先がけてシリカゲルを乾燥する。この場合、ゲルを細分
化してから乾燥してもよいし、乾燥してから細分化して
もよい。いずれにしても、乾燥後の粒径が、10〜10
00μm、好ましくは100〜600μmとなるように
細分化を行い、平均粒径を150〜300μmとする。
【0016】乾燥の温度は、条件によっても異なるが、
通常、50〜200℃である。また、操作は、回分、連
続のいずれによっても行うことができる。乾燥の程度
は、通常、含液率で5〜30重量%程度まで実施する。
この様にして得られた乾燥シリカゲル粉末を焼成する。
この際、上記乾燥シリカゲル粉末を直接、1000〜1
300℃の温度領域で加熱して無孔化させて合成石英ガ
ラス粉末とすることもできるが、いったん、300〜5
00℃の温度で加熱処理を行いカーボン濃度を充分に低
減させてから、1000〜1300℃で加熱処理を行う
のが望ましい。これは、以下の理由による。上記方法に
よって、熱水浸漬処理を施して得られた乾燥シリカゲル
粉末でも、通常、未反応のアルコキシ基及び副生したア
ルコールが若干量残存する。実際、シリカゲル粉末中の
カーボン濃度を測定すると、乾燥条件によっても異なる
が、数百ppm〜2wt%である。このシリカゲル粉末
を酸素含有ガス中、1000〜1300℃の温度領域で
加熱し無孔化すると、大部分のカーボンは、昇温過程で
燃焼除去されるが、一部が未燃カーボンとして合成石英
粉中に閉じこめられることがあること、この未燃カーボ
ンを含有する合成石英粉を用いると、溶融成形の際にC
2やCOガスとなって泡発生の原因となることが、本
発明者らの検討により明らかとなっている(特開平9−
118513号公報等)。そこで、シリカゲルの封孔前
に、未燃カーボンを実質的に全量除去しておくことが必
要となる。
【0017】ここで、本発明者らの更なる研究により、
乾燥シリカゲル粉末中の残存カーボンは、300℃以上
の温度域で酸素含有ガスと接触すると、COやCO2
発生しつつ減少し、処理温度を上げるに従いその減少速
度は増加すること、及び、シリカゲルの無孔化は600
℃以上の温度領域で急激に進行することが明らかとなっ
た。そこで、300〜500℃の温度での加熱処理によ
り、炭素濃度を数百ppm以下とした後、以下に説明す
るように、1000〜1300℃での加熱処理に処する
のが望ましいのである。1000〜1300℃の温度領
域での加熱操作は、一般には、回分法で行われる。用い
る容器は耐熱性であって合成石英粉への不純物のコンタ
ミを発生させない材質、例えば、石英製のルツボが挙げ
られる。以上説明した焼成工程は、乾燥ガスを流通しつ
つ行うのが望ましい。乾燥ガスとしては、窒素、アルゴ
ン等の不活性ガスや酸素、空気及びこれらの混合ガスが
挙げられるが、経済性の面から空気が好ましい。また、
使用するガスは、吸着等の方法により含有する水分を、
十分に除去し、露点を−20℃以下、好ましくは−40
℃以下にしておく。この範囲より露点が高いと、得られ
る合成石英粉の残存シラノール濃度が高くなり好ましく
ない。
【0018】乾燥ガスは、容器内に充填した粉体層の表
面に流通させる、或いは粉体層中に挿入された挿入管よ
り供給することにより流通させるのが簡便である。これ
ら方法のうち、粉体層中に挿入された挿入管により供給
する方法が、大容量の容器を用いて焼成する場合にも均
一な特性の合成石英ガラス粉末を得ることができ、好都
合である。但し、粉体層中の挿入管より供給する場合に
は、ガスの流量は、粉体がバブリング現象を発現しない
領域より選択することが望ましい。バブリング現象が発
現すると、理由はよく判らないが、シラノールの減少速
度が低下し、さらには、容器からの粉体のふきこぼれが
発生する。なお、バブリング現象が開始すると、乾燥ガ
ス挿入口付近の粉体が粉体層表面で踊りだし、更に流量
を上げるといわゆる「血の池地獄」の泡が破裂するよう
に、大きな泡がはじけ粉体が舞うので、バブリング現象
が生じていることは容易に確認することができる。挿入
管の材質は容器と同じく不純物のコンタミを発生させな
い材質、例えば、石英製が好ましい。
【0019】こうして合成石英ガラス粉末中のシラノー
ル濃度が100ppm以下、好ましくは60ppmとな
るまで焼成を継続する。このようにして得られた合成石
英ガラス粉末を、公知の方法により溶融成形して、石英
ガラス成形体とすることができる。成形方法は、成形体
の用途に応じて適宜選択すればよく、例えば用途がルツ
ボであればアークメルト法、IC用治具であれば、一
旦、酸水素炎によるベルヌーイ法でインゴットに成形す
る方法や、炭素製の鋳型を用いて真空下で加熱溶融する
フュージョン法等が挙げられる。本発明により得られた
合成石英粉は、焼成後の粉末中の黒点発生を抑制し、さ
らにこの合成石英粉を用いて製造したシリコン単結晶引
き上げ用ルツボ、拡散炉のチューブや治具等の半導体製
造用石英ガラス部材、光ファイバー等の光通信、光学分
野のガラス製品において、泡の少ない良質なガラス成形
体を得るための原料として好適に使用することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。 (実施例1)図1に概略を示すリボン型撹拌翼を有する
反応容器の内容積200リットルのジャケット付き横型
円筒反応機に、反応機天井部より超純水30kgを仕込
んだ後、20rpmで撹拌を開始した。その後、同じく
反応機天井部に接続されたSUS304製配管を介し
て、テトラメトキシシラン50kgを3分間かけて仕込
んだ。図1中、1は撹拌軸、2は閉止弁A、3は窒素導
入弁B、4は排出弁Cである。
【0021】テトラメトキシシランの供給終了後、図1
の閉止弁Aを閉じ、窒素導入弁Bを開放し、露点−50
℃の乾燥窒素を、3リットル/minで反応容器内部へ向
かって供給した。この反応機のジャケット部分に通液す
る温水の温度は、45℃とした。その後、均一なゾルに
なったところで撹拌を停止し、内容物を30分間静置し
た。内容物の変化を反応容器のガラス窓から観察したと
ころ、仕込み終了後の30分後にゲル化した。その後、
再度、撹拌翼の回転を開始して、こぶし大以下の大きさ
まで、ゲルの粗粉砕を行った後、反応機底部に設置した
排出弁Cを開放して、塊状ゲルを反応機から取り出し
た。次に、排出弁Cを閉止した後、同様の手順で反応を
繰り返した。また、反応15バッチ終了毎に、反応機内
に超純水を170リットル仕込み、ジャケット部分に蒸
気を流しながら、パージラインを開放させた状態で沸騰
させ、沸騰した状態で5Hr保持する事により、反応機
内部に付着したスケールの熱水浸漬処理を行い、反応機
底部より熱水を抜き出す操作を実施した。
【0022】そして、151バッチ終了した時点で、反
応機内部を観察すると、反応機内壁(材質:SUS30
4)表面に、白色のスケールが付着しているのが観察さ
れたが、テトラメトキシシランの供給配管の内壁部分へ
のスケールの付着は皆無であった。また、反応機内壁部
に生成したスケールを少量採取して、乾燥後、粉砕し、
1000℃に保持した大気雰囲気の電気炉中に投入し、
10分間保持した後、その変色度合いを目視にて観察し
たが、全ての粒子が透明であり、全く黒色化した部分は
見られなかった。一方、反応機より抜き出された151
バッチ目のゲルについては、SUS304製コーミル型
粉砕機で粉砕し、得られた粉状ゲルを、250リットル
のコニカルドライヤー(転動型乾燥機)に仕込み、ジャ
ケット部分に蒸気を流して減圧に引きながら乾燥を行
い、シリカゲル粉末約22kgを得た。得られたシリカ
ゲル粉末の一部について含液率を測定したところ、10
00℃灼熱減量ベースで11重量%であった。続いて、
このシリカゲル粉末を分級し、106〜500μmの粒
径に整えた。
【0023】このシリカゲル分級品15kgを、石英ガ
ラス製の容器に入れ、露点−45℃の乾燥空気を流通さ
せながら、箱形電気炉を用いて、500℃まで250℃
/Hrで昇温、500℃で5Hr保持、更に500〜12
00迄100℃/Hrで昇温、1200℃で40Hr保持
する条件で焼成を行った。冷却後、焼成品を取り出しな
がら、黒色異物発生量の目視検定を行ったが、取り出し
量14kg中、黒点発生はゼロであった。また、焼成後
に得られた石英ガラス粉末を、ベルヌイ溶融法(酸水素
炎溶融法)で溶融し、10mmφ×50mmLのインゴ
ットを作製して観察したが、泡の発生は皆無であった。
【0024】(比較例1)上述の実施例1に於いて、テ
トラメトキシシランの供給が終了し、閉止弁Aを閉じた
後、窒素導入弁を閉じたまま反応を実施する事を除いて
は、実施例1と同様の操作を行い、151バッチの反応
を行った。その後、反応機内部を観察したところ、反応
機内壁表面のみでなく、閉止弁Aよりも反応機側のテト
ラメトキシシラン供給配管内表面部分にも、白色のスケ
ールが堆積している事が確認された。これらのスケール
の一部を採取して、乾燥後、粉砕し、1000℃に保持
した大気雰囲気の電気炉中に投入し、10分間保持した
後、その変色度合いを目視で観察したところ、反応機内
壁部分のスケールについては、全く黒色化した部分が見
られなかったが、テトラメトキシシラン供給配管内のス
ケールは、全面的に黒色化した。
【0025】一方、反応機より排出された151バッチ
目のゲルは、実施例1と同様の条件で処理を行った。そ
して、1200℃での焼成終了後の黒色異物の発生量を
目視検定したところ、取り出した焼成品14kg中、2
3個の黒点が確認された。また、この焼成した石英ガラ
ス粉末の一部を、ベルヌイ法で溶融し、10mmφ×5
0mmLのインゴットを作製したところ、20μmφ以
上の大きさの泡が、3個確認された。
【0026】
【発明の効果】本発明により、黒色異物の発生の抑えら
れた合成石英ガラス粉末を得る事が出来、泡の少ない石
英ガラス成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたリボン型撹拌翼を有する反応
容器の概略を示す図
【符号の説明】
1 撹拌軸 2 閉止弁A 3 窒素導入弁B 4 排出弁C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコキシシランを加水分解して得られた
    ゲルを焼成して合成石英ガラス粉末を得るに際し、加水
    分解工程において、反応容器へのテトラアルコキシシラ
    ンの供給ラインに、反応容器外部より反応容器内部へ向
    かって露点30℃以下の乾燥ガスを導入しながら、加水
    分解反応を実施することを特徴とする合成石英ガラス粉
    末の製造方法。
  2. 【請求項2】露点30℃以下の乾燥ガスが、不活性ガス
    であることを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラス
    粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のいずれかに記載の製造方
    法により得られた合成石英ガラス粉末を溶融成形するこ
    とを特徴とする石英ガラス成形体の製造方法。
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