JPH11346702A - 生葉加工品の製造方法 - Google Patents
生葉加工品の製造方法Info
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- JPH11346702A JPH11346702A JP10155773A JP15577398A JPH11346702A JP H11346702 A JPH11346702 A JP H11346702A JP 10155773 A JP10155773 A JP 10155773A JP 15577398 A JP15577398 A JP 15577398A JP H11346702 A JPH11346702 A JP H11346702A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生葉を真空凍結乾燥処理することにより、酸
化を抑制し、生葉本来の香味と有効成分を変えることな
く、長期保存に耐える各種生葉加工品を低コストでの製
造する方法を提供すること。 【解決手段】 生葉1を洗浄し水で濡らした状態で真空
庫4内に入れ、真空引きすることにより前記水の気化熱
で前記生葉1を凍結させる前処理を施した後、真空凍結
乾燥処理により乾燥させる。前記真空凍結乾燥処理の後
に加熱処理を施してもよい。
化を抑制し、生葉本来の香味と有効成分を変えることな
く、長期保存に耐える各種生葉加工品を低コストでの製
造する方法を提供すること。 【解決手段】 生葉1を洗浄し水で濡らした状態で真空
庫4内に入れ、真空引きすることにより前記水の気化熱
で前記生葉1を凍結させる前処理を施した後、真空凍結
乾燥処理により乾燥させる。前記真空凍結乾燥処理の後
に加熱処理を施してもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生葉を乾燥させて
各種茶製品や乾燥食品等の生葉加工品を得るための製造
方法に関し、詳しくは、生葉を真空凍結乾燥法により乾
燥させて加工する方法に関する。
各種茶製品や乾燥食品等の生葉加工品を得るための製造
方法に関し、詳しくは、生葉を真空凍結乾燥法により乾
燥させて加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば茶生葉を乾燥させて緑茶を
製造する製茶方法では、茶生葉を高温の蒸気で蒸した
後、高温の熱風を当てながら揉む、粗揉、揉捻、中揉、
精揉工程により徐々に水分を取り煎茶の形状に整形し、
熱風乾燥機で乾燥させて緑茶を製造している。また、従
来の粉茶の製造方法は、煎茶あるいは碾茶を石うすで焼
いたり、セラミック製やステンレス製の玉をドラムの中
で回転させて、煎茶を粉砕して粉末にする方法がとられ
ている。また、別な方法として煎茶に湯を注ぎ、その浸
出液を適当な濃度で抽出して、高温乾燥や、凍結乾燥、
減圧乾燥、高周波乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥等のいず
れかの方法で、お茶の浸出液を乾燥させて、粉末や顆粒
に加工する方法が取られている。以上の例は、茶生葉か
ら緑茶を得る製茶方法の技術であるが、それ以外の各種
の生葉から各種茶製品や乾燥食品を製造する方法におい
ても、これらに準じた方法が用いられている。
製造する製茶方法では、茶生葉を高温の蒸気で蒸した
後、高温の熱風を当てながら揉む、粗揉、揉捻、中揉、
精揉工程により徐々に水分を取り煎茶の形状に整形し、
熱風乾燥機で乾燥させて緑茶を製造している。また、従
来の粉茶の製造方法は、煎茶あるいは碾茶を石うすで焼
いたり、セラミック製やステンレス製の玉をドラムの中
で回転させて、煎茶を粉砕して粉末にする方法がとられ
ている。また、別な方法として煎茶に湯を注ぎ、その浸
出液を適当な濃度で抽出して、高温乾燥や、凍結乾燥、
減圧乾燥、高周波乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥等のいず
れかの方法で、お茶の浸出液を乾燥させて、粉末や顆粒
に加工する方法が取られている。以上の例は、茶生葉か
ら緑茶を得る製茶方法の技術であるが、それ以外の各種
の生葉から各種茶製品や乾燥食品を製造する方法におい
ても、これらに準じた方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来方
法では、生葉を空気中で蒸し、高温の熱風を長時間当て
るため、生葉が酸化されて成分が変化し、生葉の本来含
有する有効成分が損なわれてしまう。また、生葉加工品
としての形状を作るための揉む工程が複雑で、何工程も
の機械を経るため非効率である。また、こうした従来方
法で作られた乾燥製品をそのまま原材料として粉末に加
工したり、浸出液を乾燥して利用する方法は、使用した
製品価格にさらに加工費が加わるため、製品の価格は高
価になっている。
法では、生葉を空気中で蒸し、高温の熱風を長時間当て
るため、生葉が酸化されて成分が変化し、生葉の本来含
有する有効成分が損なわれてしまう。また、生葉加工品
としての形状を作るための揉む工程が複雑で、何工程も
の機械を経るため非効率である。また、こうした従来方
法で作られた乾燥製品をそのまま原材料として粉末に加
工したり、浸出液を乾燥して利用する方法は、使用した
製品価格にさらに加工費が加わるため、製品の価格は高
価になっている。
【0004】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、特に、生葉
を直接真空凍結乾燥処理することにより、酸化を抑制
し、生葉本来の香味と有効成分を変えることなく、長期
保存に耐える各種生葉加工品を低コストで製造する方法
を提供することである。
たものであって、その目的とするところは、特に、生葉
を直接真空凍結乾燥処理することにより、酸化を抑制
し、生葉本来の香味と有効成分を変えることなく、長期
保存に耐える各種生葉加工品を低コストで製造する方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、生葉を洗浄し水で濡らした
状態で真空庫内に入れ、真空引きすることにより前記水
の気化熱で前記生葉を凍結させる前処理を施した後、真
空凍結乾燥処理により乾燥させることを特徴とする。
め、請求項1記載の発明は、生葉を洗浄し水で濡らした
状態で真空庫内に入れ、真空引きすることにより前記水
の気化熱で前記生葉を凍結させる前処理を施した後、真
空凍結乾燥処理により乾燥させることを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の発明は、前記真空凍
結乾燥処理の後に加熱処理を施すことを特徴とする。
結乾燥処理の後に加熱処理を施すことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、前記生葉を前記真
空庫内で真空引きによる水の気化熱で自己凍結を行う工
程、生葉を冷凍し真空引きで予備凍結を行う工程、酸素
の少ない水蒸気により不活性処理を施す工程、のいずれ
か1つを含む前処理工程を前記真空凍結乾燥処理の前に
行うことを特徴とする。
空庫内で真空引きによる水の気化熱で自己凍結を行う工
程、生葉を冷凍し真空引きで予備凍結を行う工程、酸素
の少ない水蒸気により不活性処理を施す工程、のいずれ
か1つを含む前処理工程を前記真空凍結乾燥処理の前に
行うことを特徴とする。
【0008】また、請求項4記載の発明は、前記生葉は
茶生葉であり、生葉加工品は緑茶であることを特徴とす
る。
茶生葉であり、生葉加工品は緑茶であることを特徴とす
る。
【0009】本発明では、生葉を洗浄することにより、
付着物やゴミを除去して衛生的に処理すると共に、水で
濡らした状態で真空庫内に挿入し、真空引きすること
で、前記生葉に付着した水の気化熱により冷却して自己
凍結させる。次いで生葉を冷凍庫に入れて真空引きする
ことにより予備凍結する。
付着物やゴミを除去して衛生的に処理すると共に、水で
濡らした状態で真空庫内に挿入し、真空引きすること
で、前記生葉に付着した水の気化熱により冷却して自己
凍結させる。次いで生葉を冷凍庫に入れて真空引きする
ことにより予備凍結する。
【0010】さらに、生葉を酸素の少ない真空庫内で、
高温の無酸素蒸気により、酸化を抑制するための不活性
処理を施す。これらの前処理工程は、製品となる生葉飲
食物の種類や利用方法によって、最適手段を選ぶことが
でき、また、組み合わせて行うことも可能である。
高温の無酸素蒸気により、酸化を抑制するための不活性
処理を施す。これらの前処理工程は、製品となる生葉飲
食物の種類や利用方法によって、最適手段を選ぶことが
でき、また、組み合わせて行うことも可能である。
【0011】上記前処理を施した後、真空庫内を真空に
して真空凍結乾燥処理を行った後、加熱処理し、乾燥し
た生葉加工品を得る。前記真空凍結乾燥の際に、その温
度と時間をコントロールすることにより、生葉加工品の
香りや色合いが高められ、味も向上すると共に、加熱に
よる殺菌処理を施すことができる。
して真空凍結乾燥処理を行った後、加熱処理し、乾燥し
た生葉加工品を得る。前記真空凍結乾燥の際に、その温
度と時間をコントロールすることにより、生葉加工品の
香りや色合いが高められ、味も向上すると共に、加熱に
よる殺菌処理を施すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態
に記載されている構造部品の寸法、材質、形状、相対位
置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範
囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。なお、以下の実施の形態は茶生葉により緑茶
を製造する例で説明する。図1は本発明方法を実施する
装置の実施例を示すもので、真空庫4の一端に通路13
を介して冷却室14が設けられ、他端には開閉ハッチ3
が設けられている。この通路13に主弁8が設けられて
いる。真空庫4には乾燥棚5が設けられると共に、天井
部分には、電磁波加熱器12からの電磁波を出力する出
力アンテナ15、およびボイラ7から弁6を介して供給
されてきた蒸気を噴出するノズル16が取り付けられて
いる。真空庫4の底部には排水弁17が接続されてい
る。前記冷却室14には、冷凍装置10により冷却され
る冷却機9が設けられ、かつ、真空ポンプ13が連結さ
れている。
施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態
に記載されている構造部品の寸法、材質、形状、相対位
置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範
囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。なお、以下の実施の形態は茶生葉により緑茶
を製造する例で説明する。図1は本発明方法を実施する
装置の実施例を示すもので、真空庫4の一端に通路13
を介して冷却室14が設けられ、他端には開閉ハッチ3
が設けられている。この通路13に主弁8が設けられて
いる。真空庫4には乾燥棚5が設けられると共に、天井
部分には、電磁波加熱器12からの電磁波を出力する出
力アンテナ15、およびボイラ7から弁6を介して供給
されてきた蒸気を噴出するノズル16が取り付けられて
いる。真空庫4の底部には排水弁17が接続されてい
る。前記冷却室14には、冷凍装置10により冷却され
る冷却機9が設けられ、かつ、真空ポンプ13が連結さ
れている。
【0013】次に、図2の工程図に基づいて作用を説明
する。 前処理工程(S1) a.洗浄 茶畑で摘み取られた茶生葉1を洗浄機2に入れて洗浄
し、付着物やゴミを除去した後、開閉ハッチ3を通して
真空庫4に入れ、水で濡らした状態のままで乾燥棚5上
にセットする。 b.自己凍結 主弁8を開き、真空ポンプ11により真空庫4を減圧す
ることにより、茶生葉1は水の気化熱により凍結され
る。 c.予備凍結 主弁8を開いた状態で、冷凍装置10と冷却機9により
−30℃以下に真空庫4内を冷却し、茶生葉1を凍結し
た後、真空ポンプ11により、真空庫4内の真空度を
0.2〜0.3〔Torr〕とすることにより、茶生葉
1は5%以下の含水率まで真空凍結乾燥される。 d.蒸気による不活性処理 主弁8を閉じた後、ボイラ7から弁6を通して含有酸素
ガスの少ない70℃〜90℃の高温の水蒸気をノズル1
6から噴射して不活性処理が行われる。その際、余分な
水は排水弁17から除去される。
する。 前処理工程(S1) a.洗浄 茶畑で摘み取られた茶生葉1を洗浄機2に入れて洗浄
し、付着物やゴミを除去した後、開閉ハッチ3を通して
真空庫4に入れ、水で濡らした状態のままで乾燥棚5上
にセットする。 b.自己凍結 主弁8を開き、真空ポンプ11により真空庫4を減圧す
ることにより、茶生葉1は水の気化熱により凍結され
る。 c.予備凍結 主弁8を開いた状態で、冷凍装置10と冷却機9により
−30℃以下に真空庫4内を冷却し、茶生葉1を凍結し
た後、真空ポンプ11により、真空庫4内の真空度を
0.2〜0.3〔Torr〕とすることにより、茶生葉
1は5%以下の含水率まで真空凍結乾燥される。 d.蒸気による不活性処理 主弁8を閉じた後、ボイラ7から弁6を通して含有酸素
ガスの少ない70℃〜90℃の高温の水蒸気をノズル1
6から噴射して不活性処理が行われる。その際、余分な
水は排水弁17から除去される。
【0014】真空凍結乾燥工程(S2) 主弁8を開き、再び真空ポンプ11で庫内4を減圧させ
ることにより、茶生葉1は水の気化熱で冷却される。そ
して冷凍装置10で作動する冷却機9により真空庫4を
冷却させ、茶生葉1を凍結した後、真空ポンプ11によ
り、真空庫4内の真空度を0.2〜0.3〔Torr〕
とすることにより、茶生葉1は5%以下の含水率まで真
空凍結乾燥される。
ることにより、茶生葉1は水の気化熱で冷却される。そ
して冷凍装置10で作動する冷却機9により真空庫4を
冷却させ、茶生葉1を凍結した後、真空ポンプ11によ
り、真空庫4内の真空度を0.2〜0.3〔Torr〕
とすることにより、茶生葉1は5%以下の含水率まで真
空凍結乾燥される。
【0015】加熱工程(S3) 真空凍結乾燥処理工程(S2)の後に、電磁波加熱器1
2による電磁波を茶生葉1に70℃〜120℃で5〜3
0分間輻射加熱処理することにより、香味豊かな緑茶が
得られる。
2による電磁波を茶生葉1に70℃〜120℃で5〜3
0分間輻射加熱処理することにより、香味豊かな緑茶が
得られる。
【0016】こうして得られた緑茶を、適宜のサイズに
粉末化し、あるいは造粒に加工を施し(S4)、包装し
て製品として出荷する(S5)。
粉末化し、あるいは造粒に加工を施し(S4)、包装し
て製品として出荷する(S5)。
【0017】上述の実施の形態の真空凍結乾燥処理方法
では、茶の生葉が前処理工程で急速に冷却され、酸素の
少ない雰囲気中で水分が除去されるため、このように処
理された茶の葉は、長時間にわたり酸化現象の少ない新
鮮な緑色の状態で安定した保存が可能となる。また、従
来の製茶方法のように、茶を蒸し、何工程もの機械を経
て長時間熱風を当てながら揉み続けることがないため、
茶の葉の組織が破壊されずに、その有効成分がそのまま
保有された状態で製品化できる。
では、茶の生葉が前処理工程で急速に冷却され、酸素の
少ない雰囲気中で水分が除去されるため、このように処
理された茶の葉は、長時間にわたり酸化現象の少ない新
鮮な緑色の状態で安定した保存が可能となる。また、従
来の製茶方法のように、茶を蒸し、何工程もの機械を経
て長時間熱風を当てながら揉み続けることがないため、
茶の葉の組織が破壊されずに、その有効成分がそのまま
保有された状態で製品化できる。
【0018】以下に、茶生葉を使用して緑茶を製造する
実施例により本発明を具体的に説明する。 〔実施例〕10月中旬に摘採した四番茶の茶生葉と枝付
の茶生葉について真空凍結乾燥処理を施した。その結果
を図3に示す。なお、図3において、(自己)とあるの
は、前記b.の自己凍結の前処理の後、S2の真空凍結
乾燥処理およびS3の加熱処理を施したもの、(予備)
とあるのは、前記S3の予備凍結の後、S2の真空凍結
乾燥処理およびS3の加熱処理を施したものを示してい
る。
実施例により本発明を具体的に説明する。 〔実施例〕10月中旬に摘採した四番茶の茶生葉と枝付
の茶生葉について真空凍結乾燥処理を施した。その結果
を図3に示す。なお、図3において、(自己)とあるの
は、前記b.の自己凍結の前処理の後、S2の真空凍結
乾燥処理およびS3の加熱処理を施したもの、(予備)
とあるのは、前記S3の予備凍結の後、S2の真空凍結
乾燥処理およびS3の加熱処理を施したものを示してい
る。
【0019】いずれの方法にしても、良好な緑色の緑茶
ができた。本実施例で得られた緑茶(試験茶)と、従来
法で製造された抹茶や煎茶、ウーロン茶、紅茶について
近赤外分光分析法(NIP)により分析を行った。その
結果を図4に示す。該図4で明らかなように、本実施例
で得られた試験茶は、従来の抹茶や煎茶の成分と比較し
た場合、カテキンや、ビタミンC、繊維の含有量が多い
ことが分かる。
ができた。本実施例で得られた緑茶(試験茶)と、従来
法で製造された抹茶や煎茶、ウーロン茶、紅茶について
近赤外分光分析法(NIP)により分析を行った。その
結果を図4に示す。該図4で明らかなように、本実施例
で得られた試験茶は、従来の抹茶や煎茶の成分と比較し
た場合、カテキンや、ビタミンC、繊維の含有量が多い
ことが分かる。
【0020】次に、この緑茶を粉末化し、適量を湯飲み
に入れ、熱湯を注ぎ、飲用した結果、色は鮮やかな緑色
となり、味は渋みと苦みが抑えられたマイルドな飲み味
の茶が得られた。また、茶がらが出ないので煩わしさが
なく、インスタントティーとして良好な粉末茶が得られ
た。香りは、電磁波による加熱工程で100℃を30分
間行ったものが最良であり、番茶独特の硬葉臭(青臭
さ)が消え、煎茶の仕上工程で強く火入れを行うのと同
じ香ばしさが得られた。
に入れ、熱湯を注ぎ、飲用した結果、色は鮮やかな緑色
となり、味は渋みと苦みが抑えられたマイルドな飲み味
の茶が得られた。また、茶がらが出ないので煩わしさが
なく、インスタントティーとして良好な粉末茶が得られ
た。香りは、電磁波による加熱工程で100℃を30分
間行ったものが最良であり、番茶独特の硬葉臭(青臭
さ)が消え、煎茶の仕上工程で強く火入れを行うのと同
じ香ばしさが得られた。
【0021】なお、室内での通常の保管状態において、
本緑茶も粉末にした茶も変色することなく、長期にわた
り保存できることも確認された。
本緑茶も粉末にした茶も変色することなく、長期にわた
り保存できることも確認された。
【0022】一般に、四番茶は製茶しても下級茶として
扱われ、採算が合わず、場合によっては刈り捨てられて
いる。しかしながら、四番茶には有効成分が豊富に含ま
れており、この四番茶を有効利用するため、真空凍結乾
燥処理による本発明の製造方法によって、新たな付加価
値を生み出すことが可能となった。
扱われ、採算が合わず、場合によっては刈り捨てられて
いる。しかしながら、四番茶には有効成分が豊富に含ま
れており、この四番茶を有効利用するため、真空凍結乾
燥処理による本発明の製造方法によって、新たな付加価
値を生み出すことが可能となった。
【0023】また、真空凍結乾燥処理により製造された
緑茶は、いずれの処理においても酸素の少ない真空状態
で処理が行われるため、酸化による茶生葉の成分が変化
することがなく、安定した状態でそのまま茶葉に保持さ
れるため、緑茶の有効成分を利用した各種加工品の原材
料として、また香味豊な緑茶飲料として、製品の付加価
値が一層高められることになる。
緑茶は、いずれの処理においても酸素の少ない真空状態
で処理が行われるため、酸化による茶生葉の成分が変化
することがなく、安定した状態でそのまま茶葉に保持さ
れるため、緑茶の有効成分を利用した各種加工品の原材
料として、また香味豊な緑茶飲料として、製品の付加価
値が一層高められることになる。
【0024】上記実施の形態では、茶生葉を真空凍結乾
燥して緑茶を製造する方法について述べたが、その他各
種生葉を乾燥させて各種茶製品、飲料品、乾燥食品等の
各種生葉加工品を製造する方法に全て適用可能である。
燥して緑茶を製造する方法について述べたが、その他各
種生葉を乾燥させて各種茶製品、飲料品、乾燥食品等の
各種生葉加工品を製造する方法に全て適用可能である。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の真空凍結
乾燥熱処理による生葉加工品の製造方法は、次のような
効果がある。 (1)生葉の組織が破壊されずに原形を留めた状態で真
空凍結乾燥処理が施されるため、生葉の含有する有効成
分を損ねることなく生葉加工品を得ることができる。 (2)生葉を直接真空凍結乾燥処理することにより、生
葉を揉みながら製品形状を作る工程をすべて省略できる
ため、工程が大幅に簡略化され、目的とする生葉加工品
を効率よく低コストで製品化することができる。 (3)生葉が前処理工程で急速に冷却され、酸素の少な
い雰囲気中で乾燥されるため、酸化現象の少ない新鮮な
状態で、安定した品質で製品化できる。 (4)製造された生葉加工品の製品を適宜のサイズに粉
末化し、あるいは造粒加工を施して、直接湯を注ぎ飲用
できるインスタントティー、および香味豊かな各種飲料
や食品として製品化できる。
乾燥熱処理による生葉加工品の製造方法は、次のような
効果がある。 (1)生葉の組織が破壊されずに原形を留めた状態で真
空凍結乾燥処理が施されるため、生葉の含有する有効成
分を損ねることなく生葉加工品を得ることができる。 (2)生葉を直接真空凍結乾燥処理することにより、生
葉を揉みながら製品形状を作る工程をすべて省略できる
ため、工程が大幅に簡略化され、目的とする生葉加工品
を効率よく低コストで製品化することができる。 (3)生葉が前処理工程で急速に冷却され、酸素の少な
い雰囲気中で乾燥されるため、酸化現象の少ない新鮮な
状態で、安定した品質で製品化できる。 (4)製造された生葉加工品の製品を適宜のサイズに粉
末化し、あるいは造粒加工を施して、直接湯を注ぎ飲用
できるインスタントティー、および香味豊かな各種飲料
や食品として製品化できる。
【図1】本発明の生葉加工品の製造方法に使用される設
備の一例を示す模式的構成図である。
備の一例を示す模式的構成図である。
【図2】本発明の生葉加工品の製造方法の実施の形態を
示す工程図である。
示す工程図である。
【図3】本発明方法による茶生葉の乾燥試験結果を示す
表図である。
表図である。
【図4】本発明方法により製造された緑茶と従来方法に
より製造された各種茶製品の分析結果を示す表図であ
る。
より製造された各種茶製品の分析結果を示す表図であ
る。
1 生葉 4 真空庫 7 ボイラ 9 冷却器 10 冷凍装置 11 真空ポンプ 12 電磁波加熱器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月23日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、例えば茶生葉を乾燥させて緑茶を
製造する製茶方法では、茶生葉を高温の蒸気で蒸した
後、高温の熱風を当てながら揉む、粗揉、揉捻、中揉、
精揉工程により徐々に水分を取り煎茶の形状に整形し、
熱風乾燥機で乾燥させて緑茶を製造している。また、従
来の粉茶の製造方法は、煎茶あるいは碾茶を石うすでひ
いたり、セラミック製やステンレス製の玉をドラムの中
で回転させて、煎茶を粉砕して粉末にする方法がとられ
ている。また、別な方法として煎茶に湯を注ぎ、その浸
出液を適当な濃度で抽出して、高温乾燥や、凍結乾燥、
減圧乾燥、高周波乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥等のいず
れかの方法で、お茶の浸出液を乾燥させて、粉末や顆粒
に加工する方法が取られている。以上の例は、茶生葉か
ら緑茶を得る製茶方法の技術であるが、それ以外の各種
の生葉から各種茶製品や乾燥食品を製造する方法におい
ても、これらに準じた方法が用いられている。
製造する製茶方法では、茶生葉を高温の蒸気で蒸した
後、高温の熱風を当てながら揉む、粗揉、揉捻、中揉、
精揉工程により徐々に水分を取り煎茶の形状に整形し、
熱風乾燥機で乾燥させて緑茶を製造している。また、従
来の粉茶の製造方法は、煎茶あるいは碾茶を石うすでひ
いたり、セラミック製やステンレス製の玉をドラムの中
で回転させて、煎茶を粉砕して粉末にする方法がとられ
ている。また、別な方法として煎茶に湯を注ぎ、その浸
出液を適当な濃度で抽出して、高温乾燥や、凍結乾燥、
減圧乾燥、高周波乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥等のいず
れかの方法で、お茶の浸出液を乾燥させて、粉末や顆粒
に加工する方法が取られている。以上の例は、茶生葉か
ら緑茶を得る製茶方法の技術であるが、それ以外の各種
の生葉から各種茶製品や乾燥食品を製造する方法におい
ても、これらに準じた方法が用いられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態
に記載されている構造部品の寸法、材質、形状、相対位
置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範
囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。なお、以下の実施の形態は茶生葉により緑茶
を製造する例で説明する。図1は本発明方法を実施する
装置の実施例を示すもので、真空庫4の一端に通路13
を介して冷却室14が設けられ、他端には開閉ハッチ3
が設けられている。この通路13に主弁8が設けられて
いる。真空庫4には乾燥棚5が設けられると共に、天井
部分には、電磁波加熱器12からの電磁波を出力する出
力アンテナ15、およびボイラ7から弁6を介して供給
されてきた蒸気を噴出するノズル16が取り付けられて
いる。真空庫4の底部には排水弁17が接続されてい
る。前記冷却室14には、冷凍装置10により冷却され
る冷却機9が設けられ、かつ、真空ポンプ11が連結さ
れている。
施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態
に記載されている構造部品の寸法、材質、形状、相対位
置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範
囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。なお、以下の実施の形態は茶生葉により緑茶
を製造する例で説明する。図1は本発明方法を実施する
装置の実施例を示すもので、真空庫4の一端に通路13
を介して冷却室14が設けられ、他端には開閉ハッチ3
が設けられている。この通路13に主弁8が設けられて
いる。真空庫4には乾燥棚5が設けられると共に、天井
部分には、電磁波加熱器12からの電磁波を出力する出
力アンテナ15、およびボイラ7から弁6を介して供給
されてきた蒸気を噴出するノズル16が取り付けられて
いる。真空庫4の底部には排水弁17が接続されてい
る。前記冷却室14には、冷凍装置10により冷却され
る冷却機9が設けられ、かつ、真空ポンプ11が連結さ
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 弘 静岡県浜松市笠井新田町1209−1 東亜熱 研株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 生葉を洗浄し水で濡らした状態で真空庫
内に入れ、真空引きすることにより前記水の気化熱で前
記生葉を凍結させる前処理を施した後、真空凍結乾燥処
理により乾燥させることを特徴とする生葉加工品の製造
方法。 - 【請求項2】 前記真空凍結乾燥処理の後に加熱処理を
施すことを特徴とする請求項1記載の生葉加工品の製造
方法。 - 【請求項3】 前記生葉を前記真空庫内で真空引きによ
る水の気化熱で自己凍結を行う工程、生葉を冷凍し真空
引きで予備凍結を行う工程、酸素の少ない水蒸気により
不活性処理を施す工程、のいずれか1つを含む前処理工
程を前記真空凍結乾燥処理の前に行うことを特徴とする
請求項1または2記載の生葉加工品の製造方法。 - 【請求項4】 前記生葉は茶生葉であり、生葉加工品は
緑茶であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
1項記載の生葉加工品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10155773A JPH11346702A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 生葉加工品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10155773A JPH11346702A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 生葉加工品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11346702A true JPH11346702A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15613103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10155773A Pending JPH11346702A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 生葉加工品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11346702A (ja) |
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-
1998
- 1998-06-04 JP JP10155773A patent/JPH11346702A/ja active Pending
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