JPH11322412A - 複合酸化物セラミック及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents
複合酸化物セラミック及び固体電解質型燃料電池Info
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- JPH11322412A JPH11322412A JP10130414A JP13041498A JPH11322412A JP H11322412 A JPH11322412 A JP H11322412A JP 10130414 A JP10130414 A JP 10130414A JP 13041498 A JP13041498 A JP 13041498A JP H11322412 A JPH11322412 A JP H11322412A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 焼結密度が高く、低酸素分圧下での安定性に
優れ、相転移温度が摂氏零度以下で、熱膨張係数がYS
Zと一致する LaCrO3系複合酸化物セラミック及び
運転性能に優れた固体電解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】 LaCrO3系複合酸化物のLaサイト
の一部をSrで置換し、また、Crサイトの一部をAl
及びCoで置換し、さらに、各金属元素の置換量:x,
y,z,及びぺロブスカイト型結晶構造(ABO3)の
Bサイトに位置する原子とAサイトに位置する原子の比
b/aを制御する。
優れ、相転移温度が摂氏零度以下で、熱膨張係数がYS
Zと一致する LaCrO3系複合酸化物セラミック及び
運転性能に優れた固体電解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】 LaCrO3系複合酸化物のLaサイト
の一部をSrで置換し、また、Crサイトの一部をAl
及びCoで置換し、さらに、各金属元素の置換量:x,
y,z,及びぺロブスカイト型結晶構造(ABO3)の
Bサイトに位置する原子とAサイトに位置する原子の比
b/aを制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に固体電解質型
燃料電池用セパレータ材料として用いられる複合酸化物
セラミック及びそれを用いた固体電解質型燃料電池に関
する。
燃料電池用セパレータ材料として用いられる複合酸化物
セラミック及びそれを用いた固体電解質型燃料電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池のセパレータは、
導電率が高く、緻密で、酸化・還元両雰囲気に安定であ
ることが必要である。また、このセパレータは、固体電
解質材料として一般的に用いられるイットリア安定化ジ
ルコニア(以下、YSZという。)に熱膨張係数が近い
という特性も要求される。
導電率が高く、緻密で、酸化・還元両雰囲気に安定であ
ることが必要である。また、このセパレータは、固体電
解質材料として一般的に用いられるイットリア安定化ジ
ルコニア(以下、YSZという。)に熱膨張係数が近い
という特性も要求される。
【0003】ランタンクロマイト(以下、LaCrO3
という。)は高温酸化及び低酸素分圧の両雰囲気におい
て安定であることが知られているが、焼結性が悪く、緻
密性に劣っている。そのため、例えば、固体電解質型燃
料電池のセパレータとして使用する場合には、燃料ガス
と空気を完全に分離することができず、不満足なもので
あった。また、LaCrO3の熱膨張係数は、固体電解
質として用いられるYSZの熱膨張係数(10.0〜1
1.0×10-6K-1)に比べてかなり小さいので、昇降
温時の体積変化の違いによって、セルの接合部が剥がれ
るという問題があり、さらに、導電率の点でも十分なも
のとはいえなかった。
という。)は高温酸化及び低酸素分圧の両雰囲気におい
て安定であることが知られているが、焼結性が悪く、緻
密性に劣っている。そのため、例えば、固体電解質型燃
料電池のセパレータとして使用する場合には、燃料ガス
と空気を完全に分離することができず、不満足なもので
あった。また、LaCrO3の熱膨張係数は、固体電解
質として用いられるYSZの熱膨張係数(10.0〜1
1.0×10-6K-1)に比べてかなり小さいので、昇降
温時の体積変化の違いによって、セルの接合部が剥がれ
るという問題があり、さらに、導電率の点でも十分なも
のとはいえなかった。
【0004】また、LaCrO3のLaサイトの一部を
アルカリ金属(例えば、CaまたはSr)で置換し、C
rサイトの一部を遷移金属(Co,Ni,Cu,Zn,
Fe,Mn等)で置換したセラミックは、導電性が高
く、焼結しやすいぺロブスカイト型酸化物として提案さ
れている(特開平3−65517号公報、特開平4−2
14069号公報、特開平4−331764号公報、特
開平6−16471号公報)。
アルカリ金属(例えば、CaまたはSr)で置換し、C
rサイトの一部を遷移金属(Co,Ni,Cu,Zn,
Fe,Mn等)で置換したセラミックは、導電性が高
く、焼結しやすいぺロブスカイト型酸化物として提案さ
れている(特開平3−65517号公報、特開平4−2
14069号公報、特開平4−331764号公報、特
開平6−16471号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の組成のセラミックは、低酸素分圧下で膨張したり、強
度が低下して安定性が低く、固体電解質型燃料電池の運
転条件下で使用すると、セルに反りが生じたり、小さな
応力で破損したりする恐れがあった。
の組成のセラミックは、低酸素分圧下で膨張したり、強
度が低下して安定性が低く、固体電解質型燃料電池の運
転条件下で使用すると、セルに反りが生じたり、小さな
応力で破損したりする恐れがあった。
【0006】また、Laサイトの一部を置換するアルカ
リ金属(例えば、CaまたはSr)とCrサイトの一部
を置換する金属元素( CoまたはNiの少なくとも一
種とAlまたはMgの少なくとも一種)の量を制御する
ことにより、セラミックの低酸素分圧下の安定性が改善
された(特開平8−59341号公報)。ところが、こ
のセラミックは焼結温度が1750℃以上も必要であ
り、また、相転移温度についても検討されていない。よ
って、このセラミックを固体電解質型燃料電池のセパレ
ータとして使用すると、繰り返し昇降温させるうちに、
相転移による体積変化によって固体電解質材やその他の
構成材料との接触不良や変形等が発生する危険があっ
た。
リ金属(例えば、CaまたはSr)とCrサイトの一部
を置換する金属元素( CoまたはNiの少なくとも一
種とAlまたはMgの少なくとも一種)の量を制御する
ことにより、セラミックの低酸素分圧下の安定性が改善
された(特開平8−59341号公報)。ところが、こ
のセラミックは焼結温度が1750℃以上も必要であ
り、また、相転移温度についても検討されていない。よ
って、このセラミックを固体電解質型燃料電池のセパレ
ータとして使用すると、繰り返し昇降温させるうちに、
相転移による体積変化によって固体電解質材やその他の
構成材料との接触不良や変形等が発生する危険があっ
た。
【0007】また、Laサイトの一部をアルカリ金属
(例えば、CaまたはSr)で置換し、Crサイトの一
部を金属元素Alのみで置換することによって、相転移
温度を25℃以下に低下させた(特開平9−19609
8号公報)セラミックがあった。しかしながら、このセ
ラミックは、冬期や寒冷地での使用・運搬等を考えると
25℃では不十分で、さらに相転移温度を低くすること
が望ましい。また、熱膨張係数を固体電解質として用い
られるYSZに近づけることが考慮されておらず、昇降
温時の体積変化の違いによってセルの接合部が剥がれる
危険が残され、また、低酸素分圧下における安定性につ
いても充分検討されていなかった。
(例えば、CaまたはSr)で置換し、Crサイトの一
部を金属元素Alのみで置換することによって、相転移
温度を25℃以下に低下させた(特開平9−19609
8号公報)セラミックがあった。しかしながら、このセ
ラミックは、冬期や寒冷地での使用・運搬等を考えると
25℃では不十分で、さらに相転移温度を低くすること
が望ましい。また、熱膨張係数を固体電解質として用い
られるYSZに近づけることが考慮されておらず、昇降
温時の体積変化の違いによってセルの接合部が剥がれる
危険が残され、また、低酸素分圧下における安定性につ
いても充分検討されていなかった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記問題を解決
し、焼結密度が高く、低酸素分圧下での強度安定性に優
れ、相転移温度が摂氏零度以下で、熱膨張係数がYSZ
と一致する LaCrO3系複合酸化物セラミック及び運
転性能に優れた固体電解質型燃料電池を提供することに
ある。
し、焼結密度が高く、低酸素分圧下での強度安定性に優
れ、相転移温度が摂氏零度以下で、熱膨張係数がYSZ
と一致する LaCrO3系複合酸化物セラミック及び運
転性能に優れた固体電解質型燃料電池を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この目的を
達成するため、LaCrO3のLaサイトの一部をSr
で置換し、また、Crサイトの一部をAl及びCoで置
換し、さらに、各金属元素の置換量:x,y,z,及び
ぺロブスカイト型結晶構造(ABO3)のBサイトに位
置する原子とAサイトに位置する原子の比b/aを制御
して得られたLaCrO3系酸化物は、比較的低い温度
で緻密な焼結体が得られ、高温の大気中や低酸素分圧下
での安定性が大きく改善されたものになることを見出し
た。そして、この焼結体における置換固溶する各成分の
種類及び置換量を特定範囲に制御するとともに、焼結体
の相対密度、還元処理前後の曲げ強度、還元処理による
格子体積膨張率、熱膨張係数及び相転移温度を所定範囲
とすることにより、高温の大気中や還元雰囲気下におけ
る安定性が大幅に改善された焼結体が得られることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
達成するため、LaCrO3のLaサイトの一部をSr
で置換し、また、Crサイトの一部をAl及びCoで置
換し、さらに、各金属元素の置換量:x,y,z,及び
ぺロブスカイト型結晶構造(ABO3)のBサイトに位
置する原子とAサイトに位置する原子の比b/aを制御
して得られたLaCrO3系酸化物は、比較的低い温度
で緻密な焼結体が得られ、高温の大気中や低酸素分圧下
での安定性が大きく改善されたものになることを見出し
た。そして、この焼結体における置換固溶する各成分の
種類及び置換量を特定範囲に制御するとともに、焼結体
の相対密度、還元処理前後の曲げ強度、還元処理による
格子体積膨張率、熱膨張係数及び相転移温度を所定範囲
とすることにより、高温の大気中や還元雰囲気下におけ
る安定性が大幅に改善された焼結体が得られることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0010】本発明の請求項1にかかる複合酸化物セラ
ミックは、(1)一般式(La1-xSrx)a(Cr1-y-z
AlyCoz)b〇3(但し、式中、x+z≧0.06、z
≧0.02、x+y+3z≦0.25、2x+3y+5
z≧0.40、x+y≧0.12、1.00≦b/a≦
1.04である。)で表わされるぺロブスカイト型結晶
構造を有する焼結体であって、(2)焼結体の相対密度
が94%以上、(3)室温での曲げ強さ、及び1000
℃での酸素分圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気
中24時間処理した後の焼結体の室温曲げ強さのいずれ
もが15kgf/mm2以上であり、(4)1000℃
での酸素分圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気中
24時間処理した後の室温での焼結体の格子体積膨張率
が0.3%以下であり、(5)30〜1000℃の平均
熱膨張係数が9.8〜11.0×10-6K-1の範囲内で
あり、(6)焼結体の斜方晶から菱面体晶系への相転移
温度が−20℃以下であることを特徴とする。
ミックは、(1)一般式(La1-xSrx)a(Cr1-y-z
AlyCoz)b〇3(但し、式中、x+z≧0.06、z
≧0.02、x+y+3z≦0.25、2x+3y+5
z≧0.40、x+y≧0.12、1.00≦b/a≦
1.04である。)で表わされるぺロブスカイト型結晶
構造を有する焼結体であって、(2)焼結体の相対密度
が94%以上、(3)室温での曲げ強さ、及び1000
℃での酸素分圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気
中24時間処理した後の焼結体の室温曲げ強さのいずれ
もが15kgf/mm2以上であり、(4)1000℃
での酸素分圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気中
24時間処理した後の室温での焼結体の格子体積膨張率
が0.3%以下であり、(5)30〜1000℃の平均
熱膨張係数が9.8〜11.0×10-6K-1の範囲内で
あり、(6)焼結体の斜方晶から菱面体晶系への相転移
温度が−20℃以下であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の請求項2は、上記請求項1
の複合酸化物セラミックをセパレータに用いたことを特
徴とする固体電解質型燃料電池である。
の複合酸化物セラミックをセパレータに用いたことを特
徴とする固体電解質型燃料電池である。
【0012】以下に、本発明の複合酸化物セラミックが
満足する、上記(1)〜(6)の各構成要件について詳
細に説明する。
満足する、上記(1)〜(6)の各構成要件について詳
細に説明する。
【0013】(1)一般式(La1-xSrx)a(Cr
1-y-zAlyCoz)b〇3(但し、式中、 x+z≧0.0
6、z≧0.02、x+y+3z≦0.25、2x+3
y+5z≧0.40、x+y≧0.12、1.00≦b
/a≦1.04である。)で表わされるぺロブスカイト
型結晶構造を有する焼結体であること。
1-y-zAlyCoz)b〇3(但し、式中、 x+z≧0.0
6、z≧0.02、x+y+3z≦0.25、2x+3
y+5z≧0.40、x+y≧0.12、1.00≦b
/a≦1.04である。)で表わされるぺロブスカイト
型結晶構造を有する焼結体であること。
【0014】本発明のLaCrO3系複合酸化物セラミ
ックは、ぺロブスカイト型結晶構造を基本とし、Laサ
イトの一部をSrで置換し、Crサイトの一部をAl及
びCoで置換したものである、Srの置換量は、焼結
性、強度、還元による膨張、熱膨張、相転移のすべてに
影響する。このSrの置換量が多いほど、焼結性がよ
く、相転移温度が低くなるが、多すぎると還元によって
格子体積膨張が大きくなったり、還元によって強度が低
下する。
ックは、ぺロブスカイト型結晶構造を基本とし、Laサ
イトの一部をSrで置換し、Crサイトの一部をAl及
びCoで置換したものである、Srの置換量は、焼結
性、強度、還元による膨張、熱膨張、相転移のすべてに
影響する。このSrの置換量が多いほど、焼結性がよ
く、相転移温度が低くなるが、多すぎると還元によって
格子体積膨張が大きくなったり、還元によって強度が低
下する。
【0015】CoはLaCrO3のCrサイトの一部を
置換して、酸化クロムの蒸気圧を下げ、その蒸発を抑制
することによって、緻密な焼結体を得ることを可能にす
る。また、Coの微量置換によって、焼結体の熱膨張係
数を大きくし、YSZの熱膨張係数に近づける。しかし
ながら、置換量が多すぎると、Srの置換量と同様に、
還元により格子体積膨張が大きくなったり、還元により
強度が低下する。Alのイオン半径(0.55オングス
トローム)はCrのイオン半径(0.615オングスト
ローム)より小さく、AlでCrを置換することによっ
て、ぺロブスカイト構造のtolerance factor(騒乱因
子)が大きくなり、斜方晶から菱面体晶への相転移温度
を低下させることが可能である。また、LaCrO3の
熱膨張係数を大きくする効果もあるが、置換量が多すぎ
ると、Sr及びCoの置換量と同様に、還元によって格
子体積膨張が大きくなったり、還元によって強度が低下
する。
置換して、酸化クロムの蒸気圧を下げ、その蒸発を抑制
することによって、緻密な焼結体を得ることを可能にす
る。また、Coの微量置換によって、焼結体の熱膨張係
数を大きくし、YSZの熱膨張係数に近づける。しかし
ながら、置換量が多すぎると、Srの置換量と同様に、
還元により格子体積膨張が大きくなったり、還元により
強度が低下する。Alのイオン半径(0.55オングス
トローム)はCrのイオン半径(0.615オングスト
ローム)より小さく、AlでCrを置換することによっ
て、ぺロブスカイト構造のtolerance factor(騒乱因
子)が大きくなり、斜方晶から菱面体晶への相転移温度
を低下させることが可能である。また、LaCrO3の
熱膨張係数を大きくする効果もあるが、置換量が多すぎ
ると、Sr及びCoの置換量と同様に、還元によって格
子体積膨張が大きくなったり、還元によって強度が低下
する。
【0016】焼結性には、SrとCoの置換量が影響
し、Alの置換量の影響は小さい。特にCoの置換量の
影響が大きく、zは0.02以上が必要であり、この量
が少なすぎると焼結性が悪くなる。また、SrとCoの
置換量の和も焼結性に影響し、x+zは0.06以上が
必要である。
し、Alの置換量の影響は小さい。特にCoの置換量の
影響が大きく、zは0.02以上が必要であり、この量
が少なすぎると焼結性が悪くなる。また、SrとCoの
置換量の和も焼結性に影響し、x+zは0.06以上が
必要である。
【0017】還元処理前の強度には、密度が影響し、還
元処理後の強度には、格子体積膨張率が影響する。
元処理後の強度には、格子体積膨張率が影響する。
【0018】低酸素分圧下での膨張には、Sr,Al及
びCoの置換量がそれぞれ影響する。そして、Coの置
換量の影響度は他の二つの元素( SrとAl )の影響
度の3倍程度あり、SrとAlと、Coの置換量の3倍
の和、すなわち、x+y+3zは0.25以下が必要で
ある。この量が多すぎると低酸素分圧下での格子体積膨
張が大きくなり、反りの原因となってしまう。
びCoの置換量がそれぞれ影響する。そして、Coの置
換量の影響度は他の二つの元素( SrとAl )の影響
度の3倍程度あり、SrとAlと、Coの置換量の3倍
の和、すなわち、x+y+3zは0.25以下が必要で
ある。この量が多すぎると低酸素分圧下での格子体積膨
張が大きくなり、反りの原因となってしまう。
【0019】熱膨張係数にはSr、Al、Coの各置換
量が影響するが、その効果の比がおよそ2:3:5であ
り、Srの置換量の2倍とAlの置換量の3倍とCo置
換量の5倍の和、すなわち、2x+3y+5zが0.4
0以上が必要である。この量が少なすぎると、熱膨張係
数を一般的な固体電解質材料であるYSZに近づけるこ
とができない。
量が影響するが、その効果の比がおよそ2:3:5であ
り、Srの置換量の2倍とAlの置換量の3倍とCo置
換量の5倍の和、すなわち、2x+3y+5zが0.4
0以上が必要である。この量が少なすぎると、熱膨張係
数を一般的な固体電解質材料であるYSZに近づけるこ
とができない。
【0020】相転移温度には、SrとAlの置換量が影
響するが、その効果がほぼ同程度であり、SrとAlの
置換量の和、すなわちx+yは0.12以上が必要であ
る。この量が少なすぎると、相転移温度が−20℃を超
えてしまい、冬期や寒冷地での使用・運搬まで考える
と、繰り返し昇降温させる場合に相転移による体積変化
によって、固体電解質材やその他の構成材料との接触不
良や変形等が発生する恐れがある。
響するが、その効果がほぼ同程度であり、SrとAlの
置換量の和、すなわちx+yは0.12以上が必要であ
る。この量が少なすぎると、相転移温度が−20℃を超
えてしまい、冬期や寒冷地での使用・運搬まで考える
と、繰り返し昇降温させる場合に相転移による体積変化
によって、固体電解質材やその他の構成材料との接触不
良や変形等が発生する恐れがある。
【0021】また、本発明の焼結体における、LaCr
O3のCrサイトとLaサイトの比であるb/aの許容
範囲は、1.00〜1.04である。 b/aがこの範
囲内であれば、焼結体の粒界にクロム化合物が偏析し、
焼結する際に粒成長を阻害し、焼結体の強度を向上させ
ることができる。しかしながら、b/aが1.00を下
回ると焼結性が高くなるが、焼結体の粒界にLaCrO
3以外にLa2O3が偏析し、空気中においても非常に脆
くなるので好ましくない。 また、b/aの値が1.0
4を超えると焼結性が低下するので好ましくない。
O3のCrサイトとLaサイトの比であるb/aの許容
範囲は、1.00〜1.04である。 b/aがこの範
囲内であれば、焼結体の粒界にクロム化合物が偏析し、
焼結する際に粒成長を阻害し、焼結体の強度を向上させ
ることができる。しかしながら、b/aが1.00を下
回ると焼結性が高くなるが、焼結体の粒界にLaCrO
3以外にLa2O3が偏析し、空気中においても非常に脆
くなるので好ましくない。 また、b/aの値が1.0
4を超えると焼結性が低下するので好ましくない。
【0022】(2)焼結体の相対密度が94%以上であ
ること。
ること。
【0023】焼結体の相対密度が94%未満では、ガス
の透過率が大きくなる。したがって、固体電解質型燃料
電池のセパレータとして使用すると、セパレータの一方
の側が高温の空気等の高酸素分圧下にさらされ、他方の
側が高温の水素等の低酸素分圧下にさらされるために、
両ガスが局部で混合・燃焼し、不均一な温度分布を生成
させ、発電特性が低下する。
の透過率が大きくなる。したがって、固体電解質型燃料
電池のセパレータとして使用すると、セパレータの一方
の側が高温の空気等の高酸素分圧下にさらされ、他方の
側が高温の水素等の低酸素分圧下にさらされるために、
両ガスが局部で混合・燃焼し、不均一な温度分布を生成
させ、発電特性が低下する。
【0024】この所定の密度を実現するためには高温で
焼成すればよいが、普及型の電気炉(上限温度1650
℃)で相対密度94%以上に焼成するには、前記の一般
式の置換元素の量、x+zを0.06以上にし、かつz
を0.02以上にすることによって可能になる。
焼成すればよいが、普及型の電気炉(上限温度1650
℃)で相対密度94%以上に焼成するには、前記の一般
式の置換元素の量、x+zを0.06以上にし、かつz
を0.02以上にすることによって可能になる。
【0025】(3)室温での曲げ強さが15kgf/m
m2以上であり、かつ、1000℃での酸素分圧が10
-18atmとなる加湿水素雰囲気中24時間処理した後
の焼結体の室温曲げ強さが15kgf/mm2以上であ
ること。
m2以上であり、かつ、1000℃での酸素分圧が10
-18atmとなる加湿水素雰囲気中24時間処理した後
の焼結体の室温曲げ強さが15kgf/mm2以上であ
ること。
【0026】複合酸化物セラミックが固体電解質型燃料
電池のセパレータとして用いられる場合は、運転温度・
雰囲気を考慮して、焼結体の内部応力に耐えるため、焼
結体の強度は8kgf/mm2以上必要といわれている
〔Proceedings of the Fourth International Sym
posium on Solid Oxide Fuel Cells IV(第4回
固体電解質型燃料電池 国際シンポジウム 予稿集IV)
p.924−p933:1995年〕。
電池のセパレータとして用いられる場合は、運転温度・
雰囲気を考慮して、焼結体の内部応力に耐えるため、焼
結体の強度は8kgf/mm2以上必要といわれている
〔Proceedings of the Fourth International Sym
posium on Solid Oxide Fuel Cells IV(第4回
固体電解質型燃料電池 国際シンポジウム 予稿集IV)
p.924−p933:1995年〕。
【0027】本発明の複合酸化物セラミックは、固体電
解質型燃料電池部材として使用されるものであり、長寿
命を考慮して十分な強度を有するためには、焼結体の室
温曲げ強度が15kgf/mm2以上あることが必要で
ある。また、この焼結体が固体電解質型燃料電池のセパ
レータとして使用され、高温の加湿水素等の低酸素分圧
下にさらされる場合に、この雰囲気下でも十分な強度が
要求される。よって、この焼結体を1000℃での酸素
分圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気中24時間
処理した後の焼結体の室温曲げ強さが15kgf/mm
2以上であることが必要である。
解質型燃料電池部材として使用されるものであり、長寿
命を考慮して十分な強度を有するためには、焼結体の室
温曲げ強度が15kgf/mm2以上あることが必要で
ある。また、この焼結体が固体電解質型燃料電池のセパ
レータとして使用され、高温の加湿水素等の低酸素分圧
下にさらされる場合に、この雰囲気下でも十分な強度が
要求される。よって、この焼結体を1000℃での酸素
分圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気中24時間
処理した後の焼結体の室温曲げ強さが15kgf/mm
2以上であることが必要である。
【0028】この強度を実現するために、還元前強度で
は、焼結体の相対密度が重要であり、前記の一般式の置
換元素の量、x+zを0.06以上、かつzを0.02
以上にすることによって可能になる。また、還元後強度
では、焼結体の格子体積膨張率が重要であり、前記一般
式の置換元素の量、x+y+3zを0.25以下にする
ことによって可能となる。
は、焼結体の相対密度が重要であり、前記の一般式の置
換元素の量、x+zを0.06以上、かつzを0.02
以上にすることによって可能になる。また、還元後強度
では、焼結体の格子体積膨張率が重要であり、前記一般
式の置換元素の量、x+y+3zを0.25以下にする
ことによって可能となる。
【0029】(4)1000℃での酸素分圧が10-18
atmとなる加湿水素雰囲気中24時間処理した後の室
温での焼結体の格子体積膨張率が0.3%以下であるこ
と。
atmとなる加湿水素雰囲気中24時間処理した後の室
温での焼結体の格子体積膨張率が0.3%以下であるこ
と。
【0030】本発明の複合酸化物セラミックの焼結体
を、固体電解質型燃料電池のセパレータのように、その
両面を1000℃の異なる雰囲気、すなわち、一方の面
は水素ガス、他方の面は空気にさらして使用するとき、
低酸素分圧にさらされると酸素欠損及びCrの価数変化
により、結晶格子の膨張が起こる。そして、それによっ
て焼結体が伸びるため、焼結体に変形または割れが生じ
る。
を、固体電解質型燃料電池のセパレータのように、その
両面を1000℃の異なる雰囲気、すなわち、一方の面
は水素ガス、他方の面は空気にさらして使用するとき、
低酸素分圧にさらされると酸素欠損及びCrの価数変化
により、結晶格子の膨張が起こる。そして、それによっ
て焼結体が伸びるため、焼結体に変形または割れが生じ
る。
【0031】これを防いで安定に使用するためには、高
温における焼結体の応力等から、1000℃での酸素分
圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気中1000
℃、24時間処理した後の焼結体の格子体積膨張率が
0.3%以下であることが必要である(第1回 燃料電
池シンポジウム講演予稿集 p224−p249: 1
994年)。この格子体積膨張率が0.3%を上回る
と、焼結体の変形または割れが生じ、耐久性に劣るもの
となる。この格子体積膨張率を0.3%以下にするに
は、前記一般式の置換元素の量、 x+y+3zを0.
25以下にすることによって可能となる。
温における焼結体の応力等から、1000℃での酸素分
圧が10-18atmとなる加湿水素雰囲気中1000
℃、24時間処理した後の焼結体の格子体積膨張率が
0.3%以下であることが必要である(第1回 燃料電
池シンポジウム講演予稿集 p224−p249: 1
994年)。この格子体積膨張率が0.3%を上回る
と、焼結体の変形または割れが生じ、耐久性に劣るもの
となる。この格子体積膨張率を0.3%以下にするに
は、前記一般式の置換元素の量、 x+y+3zを0.
25以下にすることによって可能となる。
【0032】なお、格子体積膨張率は、熱処理前の室温
での焼結体の格子体積V0と1000℃の酸素分圧が1
0-18atmとなる加湿水素雰囲気中1000℃、24
時間処理した後の室温での焼結体の格子体積Vから、次
の式により求めた値である。
での焼結体の格子体積V0と1000℃の酸素分圧が1
0-18atmとなる加湿水素雰囲気中1000℃、24
時間処理した後の室温での焼結体の格子体積Vから、次
の式により求めた値である。
【0033】 格子体積膨張率={(V−V0)/V0}×100 (5)30〜1000℃の平均熱膨張係数が、9.8〜
11.0×10-6K-1の範囲にあること。
11.0×10-6K-1の範囲にあること。
【0034】固体電解質形燃料電池のセパレータの熱膨
張係数が他の部材、特に固体電解質として一般的に用い
られるYSZの熱膨張係数と異なると、繰り返し昇降温
するうちにセルの接合部が剥がれる恐れがある。そのた
め、固体電解質の主成分のジルコニア(ZrO2)にア
ルミナ(Al2O3)等の低熱膨張率の物質を混ぜて固体
電解質の熱膨張率を下げ、セパレータの熱膨張率に近づ
けることも可能であるが、固体電解質へのアルミナ添加
は抵抗を高めることにもつながる。本発明はセパレータ
に用いるLaCrO3系セラミックの熱膨張係数を、固
体電解質のYSZの熱膨張係数に近づけようとするもの
であるが、そのためには熱膨張係数として、最低9.8
×10-6K-1は必要である。
張係数が他の部材、特に固体電解質として一般的に用い
られるYSZの熱膨張係数と異なると、繰り返し昇降温
するうちにセルの接合部が剥がれる恐れがある。そのた
め、固体電解質の主成分のジルコニア(ZrO2)にア
ルミナ(Al2O3)等の低熱膨張率の物質を混ぜて固体
電解質の熱膨張率を下げ、セパレータの熱膨張率に近づ
けることも可能であるが、固体電解質へのアルミナ添加
は抵抗を高めることにもつながる。本発明はセパレータ
に用いるLaCrO3系セラミックの熱膨張係数を、固
体電解質のYSZの熱膨張係数に近づけようとするもの
であるが、そのためには熱膨張係数として、最低9.8
×10-6K-1は必要である。
【0035】この熱膨張係数を実現するには、前記一般
式の置換元素の量、2x+3y+5zが0.40以上に
なるようにすることで可能となる。
式の置換元素の量、2x+3y+5zが0.40以上に
なるようにすることで可能となる。
【0036】(6)焼結体の斜方晶から菱面体晶系への
相転移温度が−20℃以下であること。
相転移温度が−20℃以下であること。
【0037】LaCrO3系ぺロブスカイト型結晶構造
を有する焼結体は、温度の上昇と共に、結晶系が低温型
の斜方晶系から高温型の菱面体晶系へと相転移するが、
斜方晶系の格子体積のほうが大きいために、相転移に伴
って昇降温時に格子体積変化が起こる。
を有する焼結体は、温度の上昇と共に、結晶系が低温型
の斜方晶系から高温型の菱面体晶系へと相転移するが、
斜方晶系の格子体積のほうが大きいために、相転移に伴
って昇降温時に格子体積変化が起こる。
【0038】本発明の複合酸化物セラミックの焼結体
は、相転移温度が−20℃以下であることが必要であ
る。相転移温度が高くなると、固体電解質型燃料電池の
セパレータとして使用したとき、冬期や寒冷地の使用環
境で繰り返し昇降温させるうち、この焼結体とそれ以外
の構成材料との接合部が剥がれたり、変形したりする。
は、相転移温度が−20℃以下であることが必要であ
る。相転移温度が高くなると、固体電解質型燃料電池の
セパレータとして使用したとき、冬期や寒冷地の使用環
境で繰り返し昇降温させるうち、この焼結体とそれ以外
の構成材料との接合部が剥がれたり、変形したりする。
【0039】この相転移温度を実現するには、前記一般
式の置換元素の量、x+yが0.12以上になるように
することで可能となる。
式の置換元素の量、x+yが0.12以上になるように
することで可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例及び比較例にもとづき説明する。
例及び比較例にもとづき説明する。
【0041】(実施例1〜実施例13)表1及び表2に
示す各試料番号の組成式の配合となるように原料粉末を
秤量し、アルコール存在下で湿式で混合を行った後、乾
燥し、空気中1200℃で10時間仮焼した。なお、原
料粉末は、組成式に応じて、純度99.5%以上のLa
2O3、SrCO3、Cr2O3、CoO及びAl2O3の各
酸化物及び炭酸塩から選択して用いた。
示す各試料番号の組成式の配合となるように原料粉末を
秤量し、アルコール存在下で湿式で混合を行った後、乾
燥し、空気中1200℃で10時間仮焼した。なお、原
料粉末は、組成式に応じて、純度99.5%以上のLa
2O3、SrCO3、Cr2O3、CoO及びAl2O3の各
酸化物及び炭酸塩から選択して用いた。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】こうして得られたLaCrO3粉末をX線
回折法により分析した結果、第2相の存在は確認でき
ず、Sr、Al及びCoはぺロブスカイト構造を持った
LaCrO3格子中に固溶していることがわかった。
回折法により分析した結果、第2相の存在は確認でき
ず、Sr、Al及びCoはぺロブスカイト構造を持った
LaCrO3格子中に固溶していることがわかった。
【0045】そして、この粉末を乾式法で粉砕して、平
均粒径0.7μm、比表面積6.5〜7.5m2/gの
粉末が得られた。
均粒径0.7μm、比表面積6.5〜7.5m2/gの
粉末が得られた。
【0046】次に、この粉末に分散剤及び成形助剤を加
えてスラリーを作製し、このスラリーを用いて脱水成形
法で40×30×5mmの成形体(成形体の嵩密度:
3.70〜3.79g/cm-3)を得た後、空気中にお
いて表1に示す条件で焼成した。
えてスラリーを作製し、このスラリーを用いて脱水成形
法で40×30×5mmの成形体(成形体の嵩密度:
3.70〜3.79g/cm-3)を得た後、空気中にお
いて表1に示す条件で焼成した。
【0047】このようにして得られた焼結体をダイアモ
ンド研磨板により研磨し、表面を仕上げた試料について
特性を測定した。この測定結果を表3に示す。
ンド研磨板により研磨し、表面を仕上げた試料について
特性を測定した。この測定結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】なお、格子体積膨張率は、1000℃での
酸素分圧10-18atmとなる加湿水素雰囲気中100
0℃で24時間処理の前後において、室温で測定した格
子定数から求めた値である。また、熱膨張係数は、空気
中30〜1000℃における平均値である。また、曲げ
強度は、1000℃での酸素分圧10-18atmとなる
加湿水素雰囲気中1000℃で24時間処理の前後にお
いて、室温で測定した値である。また、相転移温度は、
示差走査熱量法で空気中で測定した値である。
酸素分圧10-18atmとなる加湿水素雰囲気中100
0℃で24時間処理の前後において、室温で測定した格
子定数から求めた値である。また、熱膨張係数は、空気
中30〜1000℃における平均値である。また、曲げ
強度は、1000℃での酸素分圧10-18atmとなる
加湿水素雰囲気中1000℃で24時間処理の前後にお
いて、室温で測定した値である。また、相転移温度は、
示差走査熱量法で空気中で測定した値である。
【0050】(比較例1〜比較例11)表1及び表2に
示す各試料番号の組成式の配合となるように原料粉末を
秤量し、その他は実施例と同様にして作製した焼結体に
ついて研磨加工した後、特性を測定した。その結果を表
3に示す。
示す各試料番号の組成式の配合となるように原料粉末を
秤量し、その他は実施例と同様にして作製した焼結体に
ついて研磨加工した後、特性を測定した。その結果を表
3に示す。
【0051】表3からわかるように、実施例1〜実施例
13の所定の置換元素の量を有し、かつ、ぺロブスカイ
ト型結晶構造のBサイトに位置する原子とAサイトに位
置する原子の比が所定の値を有する焼結体は、いずれも
相対密度が高く、格子体積膨張率、熱膨張係数、相転移
温度が好ましい範囲にあり、さらに還元処理前後の強度
に優れたものであった。
13の所定の置換元素の量を有し、かつ、ぺロブスカイ
ト型結晶構造のBサイトに位置する原子とAサイトに位
置する原子の比が所定の値を有する焼結体は、いずれも
相対密度が高く、格子体積膨張率、熱膨張係数、相転移
温度が好ましい範囲にあり、さらに還元処理前後の強度
に優れたものであった。
【0052】これら実施例に対し、比較例では、各組成
が所定の置換元素の量やぺロブスカイト型結晶構造のB
サイトに位置する原子とAサイトに位置する原子の比が
所定の値や範囲から外れているため、所望する効果が得
られていない。すなわち、比較例1の焼結体は、相対密
度が高く、強度、格子体積膨張率が所定範囲にあった
が、特に相転移温度が85℃と高かった。また、比較例
2、8の焼結体は、相転移温度が比較的低いものである
が、低酸素分圧にさらされると、格子体積膨張率が大き
くなり、強度が低下するという不満足なものであった。
また、比較例3、8、10の焼結体は、相対密度が不十
分であった。また、比較例4、7、9は、格子体積膨張
率が大きく、還元後の強度が低かった。また、比較例5
は、熱膨張係数が不満足であった。また、比較例6は相
転移温度が−18℃と不十分であった。また、比較例1
1は、1000℃で酸素分圧が10-18atmの加湿水
素雰囲気中で熱処理した後、焼結体の表面にひび割れが
見られ、強度測定できないほど弱かった。
が所定の置換元素の量やぺロブスカイト型結晶構造のB
サイトに位置する原子とAサイトに位置する原子の比が
所定の値や範囲から外れているため、所望する効果が得
られていない。すなわち、比較例1の焼結体は、相対密
度が高く、強度、格子体積膨張率が所定範囲にあった
が、特に相転移温度が85℃と高かった。また、比較例
2、8の焼結体は、相転移温度が比較的低いものである
が、低酸素分圧にさらされると、格子体積膨張率が大き
くなり、強度が低下するという不満足なものであった。
また、比較例3、8、10の焼結体は、相対密度が不十
分であった。また、比較例4、7、9は、格子体積膨張
率が大きく、還元後の強度が低かった。また、比較例5
は、熱膨張係数が不満足であった。また、比較例6は相
転移温度が−18℃と不十分であった。また、比較例1
1は、1000℃で酸素分圧が10-18atmの加湿水
素雰囲気中で熱処理した後、焼結体の表面にひび割れが
見られ、強度測定できないほど弱かった。
【0053】このように、本発明の複合酸化物セラミッ
クは、焼結密度が高く、高温の低酸素分圧下での安定性
がよく、また、相転移温度も低く、熱膨張係数が固体電
解質のYSZとほぼ一致するという特質を有しており、
これを固体電解質型燃料電池のセパレータに用いること
で、優れた運転性能を持つ燃料電池を構成することがで
きる。
クは、焼結密度が高く、高温の低酸素分圧下での安定性
がよく、また、相転移温度も低く、熱膨張係数が固体電
解質のYSZとほぼ一致するという特質を有しており、
これを固体電解質型燃料電池のセパレータに用いること
で、優れた運転性能を持つ燃料電池を構成することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、焼結密度が高く、高温
の低酸素分圧下での安定性がよく、また、相転移温度も
低く、熱膨張係数が固体電解質のYSZとほぼ一致する
LaCrO3系複合酸化物セラミックが得られる。
の低酸素分圧下での安定性がよく、また、相転移温度も
低く、熱膨張係数が固体電解質のYSZとほぼ一致する
LaCrO3系複合酸化物セラミックが得られる。
【0055】したがって、本発明の複合酸化物セラミッ
クを、固体電解質型燃料電池のセパレータなどの実用材
料として用いれば、通常の運転環境はもちろん、冬期や
寒冷地でも運転寿命の長い、発電特性に優れた固体電解
質型燃料電池が得られる。
クを、固体電解質型燃料電池のセパレータなどの実用材
料として用いれば、通常の運転環境はもちろん、冬期や
寒冷地でも運転寿命の長い、発電特性に優れた固体電解
質型燃料電池が得られる。
【0056】
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式:(La1-xSrx)a(Cr1-y-z
AlyCoz)b〇3(但し、式中、x+z≧0.06、z
≧0.02、x+y+3z≦0.25、2x+3y+5
z≧0.40、x+y≧0.12、1.00≦b/a≦
1.04である。)で表わされるぺロブスカイト型結晶
構造を有する焼結体であって、 焼結体の相対密度が94%以上、 室温での曲げ強さ、及び1000℃で酸素分圧が10
-18atmとなる加湿水素雰囲気中24時間処理した後
の焼結体の室温曲げ強さのいずれもが15kgf/mm
2以上であり、 1000℃での酸素分圧が10-18atmとなる加湿水
素雰囲気中24時間処理した後の室温での焼結体の格子
体積膨張率が0.3%以下であり、 30〜1000℃の平均熱膨張係数が9.8〜11.0
×10-6K-1の範囲内であり、 焼結体の斜方晶から菱面体晶系への相転移温度が−20
℃以下であることを特徴とする複合酸化物セラミック。 - 【請求項2】 請求項1の複合酸化物セラミックをセパ
レータに用いたことを特徴とする固体電解質型燃料電
池。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10130414A JPH11322412A (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 複合酸化物セラミック及び固体電解質型燃料電池 |
US09/304,777 US6248465B1 (en) | 1998-05-13 | 1999-05-04 | Complex oxide ceramic sintered body and solid-electrolyte fuel cell comprising the same |
DE19922145A DE19922145A1 (de) | 1998-05-13 | 1999-05-12 | Gesinterter Komplexoxid-Keramikkörper und denselben umfassenden Festelektrolyt-Brennstoffzelle |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10130414A JPH11322412A (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 複合酸化物セラミック及び固体電解質型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11322412A true JPH11322412A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15033700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10130414A Pending JPH11322412A (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 複合酸化物セラミック及び固体電解質型燃料電池 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6248465B1 (ja) |
JP (1) | JPH11322412A (ja) |
DE (1) | DE19922145A1 (ja) |
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---|---|---|---|---|
AUPR636401A0 (en) * | 2001-07-13 | 2001-08-02 | Ceramic Fuel Cells Limited | Fuel cell stack configuration |
AU2002344718B2 (en) * | 2001-07-13 | 2007-12-13 | Ceramic Fuel Cells Limited | A fuel cell gas separator plate |
AUPS076502A0 (en) * | 2002-02-26 | 2002-03-21 | Ceramic Fuel Cells Limited | A fuel cell gas separator plate |
CN100368304C (zh) * | 2005-10-28 | 2008-02-13 | 吉林大学 | 三重价态过渡金属氧化物及制备方法 |
JP2007317627A (ja) * | 2006-05-29 | 2007-12-06 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
KR101579308B1 (ko) * | 2008-02-25 | 2015-12-21 | 가부시키가이샤 노리타케 캄파니 리미티드 | 세라믹 제품 및 세라믹 부재의 접합 방법 |
JP7025695B2 (ja) * | 2018-01-31 | 2022-02-25 | Tdk株式会社 | 誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ |
Family Cites Families (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4562124A (en) * | 1985-01-22 | 1985-12-31 | Westinghouse Electric Corp. | Air electrode material for high temperature electrochemical cells |
US5306411A (en) * | 1989-05-25 | 1994-04-26 | The Standard Oil Company | Solid multi-component membranes, electrochemical reactor components, electrochemical reactors and use of membranes, reactor components, and reactor for oxidation reactions |
US4950562A (en) * | 1988-04-21 | 1990-08-21 | Toa Nenryo Kogyo Kabushiki Kaisha | Solid electrolyte type fuel cells |
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