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JPH11293214A - 前処理剤および前処理方法 - Google Patents

前処理剤および前処理方法

Info

Publication number
JPH11293214A
JPH11293214A JP10429098A JP10429098A JPH11293214A JP H11293214 A JPH11293214 A JP H11293214A JP 10429098 A JP10429098 A JP 10429098A JP 10429098 A JP10429098 A JP 10429098A JP H11293214 A JPH11293214 A JP H11293214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bond
water
vinyl alcohol
pretreatment agent
pretreatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10429098A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Tanimoto
征司 谷本
Masato Nakamae
昌人 仲前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP10429098A priority Critical patent/JPH11293214A/ja
Publication of JPH11293214A publication Critical patent/JPH11293214A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】、基材の表面を改質し、水系接着剤や塗料等と
の密着性を上げ、さらに基材から放散されるホルムアル
デヒド量を低減すること 【解決手段】(A)ビニルアルコール系重合体と(B)
−NH−結合を有する化合物を主たる成分とし、(A)
/(B)が固形分基準で100/0.001〜100/
100である水系接着剤用または水系塗料用前処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前処理剤および前
処理方法に関し、さらに詳しくは、ビニルアルコール系
重合体および−NH−結合を有する化合物を主たる成分
とする前処理剤および該前処理剤を基材に塗布する前処
理方法に関し、特に、木材、合板、紙等の表面を改質す
ることで、水系接着剤や水系塗料との密着性を上げるこ
とができる前処理剤および前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木材、合板、紙等の接着や、
それら基材上への塗膜の生成は、ポリ酢酸ビニル系エマ
ルジョンをはじめとする水性エマルジョン、ポリビニル
アルコールなどの水溶性高分子、尿素−ホルマリン系、
フェノール−ホルマリン系をはじめとするアミノ樹脂、
フェノール樹脂などの水系樹脂により行われるケースが
多い。これは、水系樹脂の場合には、火災等の危険性が
少ないという安全上の利点に加え、木材、合板、紙等が
比較的親水性の表面を有しているために水系樹脂でも比
較的高い密着力が得られるためである。しかしながら、
接着や塗膜生成に対する要求が高まると同時に、木材資
源の枯渇が叫ばれる中で、例えば、水系樹脂では密着力
が出にくいヤニ分の多い木材等の利用を余儀なくされる
ケースが増えてきており、従来の水系樹脂では十分な密
着力を達成できないケースが増えてきている。また、ア
ミノ樹脂、フェノール樹脂などは合成時にホルマリンを
使用するため、これらの樹脂を用いて製造した合板等か
らは、ホルマリンが放出される場合があり、住宅等の環
境への影響が問題となっている。
【本発明が解決しようとする課題】
【0003】本発明は上記従来技術の欠点を解消し、木
材、合板、紙等の表面を改質することで、水系接着剤や
水系塗料との密着性を上げることができ、さらに合板か
ら放出されるホルマリンを低減することができる前処理
剤および前処理方法を提供することを目的になされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
のために鋭意検討した結果、(A)ビニルアルコール系
重合体および(B)−NH−結合を有する化合物を
(A)/(B)を固形分基準で100/0.001〜1
00/100に配合したものを主たる成分とする前処理
剤および該前処理剤をビニルアルコール系重合体として
0.3〜200g/m2基材に塗布することを特徴とす
る前処理方法が、木材、合板、紙等の表面を改質し、水
系接着剤や水系塗料との密着性を上げることができ、さ
らに放出されるホルマリンを低減できることを見い出し
本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の態様】本発明の前処理剤を構成する
(A)ビニルアルコール系重合体および(B)−NH−
結合を有する化合物の構成割合は(A)/(B)を固形
分基準で100/0.001〜100/100に配合す
ることが必要であり、好ましくは100/0.01〜1
00/90である。(B)の割合が0.001より少な
い場合、ホルマリン低減性能が発現しにくく、100を
越えると接着物性、塗膜物性が低下する。
【0006】本発明の前処理剤を構成する(A)ビニル
アルコール系重合体は特に制限されないが、中でも、分
子内に一級アミノ基、二級アミノ基、アセトアセチル基
から選ばれる1種以上の官能基を有するビニルアルコー
ル重合体が、基材との密着性向上、ホルマリン吸収性向
上という観点から特に好ましい。ビニルアルコール系重
合体は従来公知の方法により合成される。分子内に一級
アミノ基、二級アミノ基、アセトアセチル基から選ばれ
る1種以上の官能基を有するビニルアルコール系重合体
は従来公知の方法により合成される。
【0007】例えば、一級または二級アミノ基を有する
ビニルアルコール系重合体の場合、1.一級アミノ基また
は二級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、また
は加水分解等により一級アミノ基または二級アミノ基を
生成しうる官能基を有するエチレン性不飽和単量体と、
酢酸ビニル等のビニルエステル類とを共重合させた後、
鹸化する方法や、2.アリルグルシジルエーテルなどのエ
ポキシ基を有する単量体と酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類からなる重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を
有するメルカプタンをNaOH等を触媒として付加反応
させた後、鹸化する方法や、3.従来公知のポリビニルア
ルコールの水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、
かつ、一級あるいは二級アミノ基を有する化合物をビニ
ルアルコール系重合体に反応させる方法等によって得ら
れる。また、4.メルカプト基を有するビニルアルコール
系重合体の存在下で、一級アミノ基または二級アミノ基
を有するエチレン性不飽和単量体を重合する方法もあ
り、この方法ではポリビニルアルコール系ブロックポリ
マーが得られる。また、分子内にアセトアセチル基を有
するビニルアルコール系重合体の場合、通常、従来公知
のビニルアルコール系重合体にジケテンを付加させるこ
とによる後反応で得られる。
【0008】本発明の前処理剤を構成するビニルアルコ
ール系重合体は、一級アミノ基、二級アミノ基、アセト
アセチル基以外にも、本発明の効果を損なわない範囲
で、他の官能基を有するかまたは官能基を有しない単量
体を共重合させることも差し支えない。例えば、単量体
単位としては、エチレン,プロピレン、イソブチレン,
アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリル酸,
メタクリル酸,(無水)フマル酸,(無水)マレイン
酸,(無水)イタコン酸、アリルスルホン酸、メタリル
スルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホプロピル、
メタクリル酸スルホプロピル及びそれらのアルカリ塩、
アクリルアミド,メタクリルアミド,トリメチル−(3
−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニ
ウムクロリド,エチルビニルエーテル,ブチルビニルエ
ーテル,N−ビニルピロリドン,塩化ビニル,臭化ビニ
ル,フッ化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニリデ
ン,テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。また、
チオール酢酸,メルカプトプロピオン酸などのチオール
化合物存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単
量体を重合することによって得られる末端に官能基を有
するものでも良い。
【0009】本発明の前処理剤を構成するビニルアルコ
ール系重合体が一級アミノ基、二級アミノ基、アセトア
セチル基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する
場合、官能基の含有量は、特に制限はなく各種の状況に
応じて適宜選定すればよいが、通常は、0.1から30モル
%、好ましくは0.5〜25モル%である。該官能基が0.1モ
ル%未満では一級アミノ基、二級アミノ基あるいはアセ
トアセチル基を導入したことによる効果が十分に発現し
ない場合があり、一方、30モル%を越えると本発明の前
処理剤のポットライフが悪化する等の問題が顕在化する
恐れがある。また、ビニルアルコール系重合体の重合度
は、各種状況に応じて選択され、一義的に定めることは
できないが、50〜8000が好ましく、特に100〜
4000がより好ましい。また、ビニルアルコール系重
合体のけん化度についても特に制限はないが、水溶性等
の観点から50モル%以上が好ましく、特に60モル%
以上がより好ましい。
【0010】本発明の前処理剤を構成する(B)−NH
−結合を有する化合物は、とりわけアミノ結合、尿素結
合、アミド結合、イミド結合またはヒドラジノ結合を有
する化合物である。アミノ結合を有する化合物として
は、ヒドロキシルアミン、クロルアミン、アンモニア、
メタノールアミン、エタノールアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジシアノジアミ
ド、エチレンイミン、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、2−ジエチルアミノエ
タノール、2−ジメチルアミノエタノール、1,2−ジ
アミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビ
スプロピルアミン、テトラメチレンジアミン、炭酸グア
ニジン、グリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン
酸、ヘキサメチレンジアミン、メラミン、モルホリン、
2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、3−アザ
ヘキサン−1,6−ジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミ
ン、グアニン、アセトアルデヒドアンモニア、4,7−
ジアザデカン-1,10−ジアミン、ピロリジン、ピペ
リジン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、ポリアリル
アミン、ポリビニルアミン、アミノ安息香酸塩などがあ
る。
【0011】尿素結合を持った化合物としては尿素、チ
オ尿素、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエ
チル尿素、エチレン尿素、アセチル尿素、グアニル尿
素、グアニルチオ尿素、アゾジカルボンアミド、グリコ
リルウレア、アセチルウレアなどがある。アミド結合を
持った化合物としてはホルムアミド、アセトアミド、ベ
ンズアミド、オキサミド、ピロリドン、ピロリドンカル
ボン酸、オキサミン酸、コハク酸アミド、ジシアンジア
ミド、オキサゾリドン、マロンアミドなどがある。
【0012】イミド結合を持った化合物としてはスクシ
ンイミド、フタルイミド、マレイミド、コハク酸イミ
ド、ヒダントイン、バルビツール酸、1−メチロール−
5,5−ジメチルヒダントイン、イソシアヌル酸などが
ある。ヒドラジノ結合を有する化合物としては、ヒドラ
ジン、ヒドラジノ安息香酸、α−ヒドラジノイソ酪酸、
ヒドラジノ酢酸、ヒドラジノギ酸、α−ヒドラジノプロ
ピオン酸、2ーヒドラジノエタノール、蓚酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グ
ルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバ
シン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル
酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、エチレン−
1,2ージヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラ
ジン、ポリアクリルアミドとヒドラジンヒドラートとの
反応物、アミド基及び/またはエステル基を有する水溶
性あるいは水分散性ポリマーとヒドラジンヒドラーとの
反応物等がある。これらは一種単独あるいは二種以上の
組み合わせにより使用される。
【0013】本発明の前処理剤はビニルアルコール系重
合体および−NH−結合を有する化合物を主たる成分と
するものであり、ビニルアルコール系重合体および−N
H−結合を有する化合物以外にも性能を損なわない範囲
で各種化合物を含有しても良い。含有することができる
化合物としては、例えば、ポリ酢酸ビニルエマルジョ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体エマルジョン、ポリウ
レタンエマルジョン、エポキシエマルジョン、スチレン
−ブタジエン共重合体エマルジョン等の水性エマルジョ
ン、各種ポリビニルアルコール、でんぷん,変性でんぷ
ん,酸化でんぷん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチ
ルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセ
ルロース,無水マレイン酸−イソブテン共重合体,無水
マレイン酸−スチレン共重合体,無水マレイン酸−メチ
ルビニルエーテル共重合体等の水溶性高分子化合物、尿
素−ホルマリン樹脂,尿素−メラミン−ホルマリン樹
脂,フェノール−ホルマリン樹脂等、従来公知の非イオ
ン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン系界
面活性剤、両性界面活性剤、さらに、可塑剤、トルエン
等の溶剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤や、クレー,カオ
リン,タルク,炭酸カルシウム,木粉等の充填剤、小麦
粉等の増量剤、酸化チタン等の顔料等が挙げられる。
【0014】本発明は、ビニルアルコール系重合体およ
び−NH−結合を有する化合物を主たる成分とする前記
前処理剤を提供すると共に、該前処理剤をビニルアルコ
ール系重合体として基材に0.3〜200g/m2 塗布
することを特徴とする処理方法をも提供するものであ
る。前処理剤の塗布量は、例えば、木材、合板、紙等の
基材の表面を改質し、放出されるホルマリン量を低減す
るためにはビニルアルコール系重合体として0.3〜2
00g/m2必要であり、好ましくは0.5〜150g
/m2である。塗布量が0.3g/m2より少ない場合及
び200g/m2よりも多い場合には本前処理剤の効
果、すなわち、水系接着剤や水系塗料との密着性、ホル
マリン低減性能が十分に発現しない場合がある。ここ
で、水系接着剤および水系塗料としては、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマル
ジョン、(メタ)アクリル酸エステル系重合体エマルジ
ョン、ポリウレタンエマルジョン、エポキシエマルジョ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン等の水
性エマルジョン、ポリビニルアルコール、でんぷん,変
性でんぷん,酸化でんぷん,無水マレイン酸−イソブテ
ン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共重合体,無水
マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体等の水溶性
高分子化合物、尿素−ホルマリン樹脂,尿素−メラミン
−ホルマリン樹脂,フェノール−ホルマリン樹脂等を含
む水系接着剤および水系塗料が挙げられる。これらのう
ち、ポリビニルアルコールを含む水系接着剤または水系
性塗料が好適であり、とくにポリビニルアルコールを含
む水性エマルジョンを含む水系接着剤または水系塗料が
最適である。
【0015】本発明の前処理剤による前処理方法として
は、該前処理剤をビニルアルコール系重合体として基材
に0.3〜200g/m2 塗布して処理すること以外は
特に制限はない。処理剤の基材への塗布方法としては、
刷毛塗り、ロール塗工、スプレー塗布、浸漬塗布等のあ
らゆる方法が選択でき、また、塗布する処理剤の濃度
も、最終的な活性水素を含有する官能基を分子内に有す
るポリビニルアルコール系重合体として塗布量(乾燥状
態)が0.3〜200g/m2 になりさえすれば何ら制
限されない。また、通常は前処理剤は、ビニルアルコー
ル系重合体および−NH−結合を有する化合物を含む水
溶液あるいは水分散液として使用されるが、場合によっ
ては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール等の各種アルコール類やその他の溶剤類
を少量含んでも問題ない。さらに、通常は、本発明の前
処理剤を基材に塗布した後乾燥を行うが、その乾燥方法
としては加熱乾燥、減圧乾燥、送風乾燥、風乾等のあら
ゆる乾燥方法が採用でき、場合によっては完全に乾燥さ
せず、半乾き状態(セミドライ)で後の工程(例えば、
水系接着剤、水系塗料の塗布等)に供することも可能で
ある。
【0016】本発明の前処理剤を本発明の前処理剤及び
前処理方法によって処理される基材の形態は特に制限は
なく、木材、合板、紙、繊維、布、フィルム等が挙げら
れる。また、材質も、木材、合板、紙等のセルロース系
をはじめとして、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレ
フィン等の各種プラスチックス、セメント系等の無機物
が挙げられる。中でも、本発明の前処理剤を構成するビ
ニルアルコール系重合体として、一級アミノ基、二級ア
ミノ基、アセトアセチル基から選ばれる少なくとも一種
の官能基を有するものを用いた場合、これらの官能基と
化学的に反応する可能性のある官能基を表面あるいは内
部に有する基材の場合、特に本発明の効果が著しい。例
えば、木材、合板等はアルデヒド化合物を基材中に含ん
でいるために、本発明の前処理剤の効果は顕著である。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中、
「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示
すものとする。
【0018】実施例1 (A)無変性ポリビニルアルコール(重合度1000、
鹸化度98.5mol%、PVA−1)、(B)尿素を
固形分基準(A)/(B)=90/10で固形分5%の
水溶液を調製し、前処理剤とした。該前処理剤を合板
(F2合板、厚み10mm)に刷毛で乾燥塗布量がPV
Aとして20g/m2となる様に塗布し、60℃熱風乾
燥で乾燥して合板表面を処理した。処理した合板を被着
材として、ポリ酢酸ビニルエマルジョン(分散安定剤と
してPVA使用;「コニシ製CH−18」)を用いて接
着し、JAS2類浸漬剥離試験を実施した。小口の剥離
率を表1に示す。また、合板から放散するホルムアルデ
ヒド量をJAS(デシケータ法)法により測定した。結
果を併せて表1に示す。
【0019】実施例2 ビニルホルムアミドと酢酸ビニルを共重合した後、鹸化
することにより得られた1級アミノ基変性ポリビニルア
ルコール(重合度1000、鹸化度98.0mol%、
1級アミノ基含有量5.0mol%:PVA−2)を用
いる以外は実施例1と同様に前処理剤を調製し、それを
用いて実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0020】実施例3 アリルグリシジルエーテルと酢酸ビニルを共重合した
後、2−アミノチオフェノールをNaOHを触媒として
付加し、さらに鹸化することにより得られたアニリン基
変性ポリビニルアルコール(重合度150、鹸化度8
7.5mol%、アニリン基変性量1.0mol%:P
VA−3)を用いる以外は実施例1と同様に前処理剤を
調製し、それを用いて実施例1と同様に試験した。結果
を合わせて表1に示す。
【0021】実施例4 無変性ポリビニルアルコールにジケテンを後反応させる
ことによりアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール
(重合度1000、鹸化度97.0mol%、アセトア
セチル基変性量5.2mol%:PVA−4)を用いる
以外は実施例1と同様に前処理剤を調製し、それを用い
て実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
【0022】実施例5 実施例3において、(B)尿素の代わりにエチレン尿素
を用いる他は実施例3と同様に試験を行った。結果を表
1に示す。
【0023】実施例6 実施例3において、(B)尿素の代わりにエタノールア
ミンを用いる他は実施例3と同様に試験を行った。結果
を表1に示す。
【0024】実施例7 実施例3において、(B)尿素の代わりにアセトアミド
を用いる他は実施例3と同様に試験を行った。結果を表
1に示す。
【0025】実施例8 実施例3において、(B)尿素の代わりにアジピン酸ジ
ヒドラジドを用いる他は実施例3と同様に試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0026】実施例9 実施例3において、前処理剤の乾燥塗布量がPVAとし
て100g/m2となるように塗布する以外は実施例3
と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例10 実施例3において、前処理剤の乾燥塗布量がPVAとし
て5g/m2となるように塗布する以外は実施例3と同
様に試験を行った。結果を表1に示す。
【0028】実施例11 実施例3において、(A)/(B)の配合割合を100/
80とする以外は、実施例3と同様に試験をおこなっ
た。結果を表1に示す。
【0029】実施例12 実施例3において、(A)/(B)の配合割合を100/
1とする以外は、実施例3と同様に試験をおこなった。
結果を表1に示す。
【0030】比較例1 前処理剤で処理しない合板を用いる以外は実施例1と同
様に試験を行った。結果を表1に示す。
【0031】比較例2 実施例1において(B)尿素を用いない以外は実施例1
と同様に試験を行った。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の前処理剤及び前処理方法によれ
ば、基材の表面を改質し、水系接着剤や塗料等との密着
性を上げることができ、基材から放散されるホルムアル
デヒド量を低減することができる。本発明の前処理剤及
び前処理方法は、木材、合板、紙、プラスチック、繊
維、無機物等に対して使用可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ビニルアルコール系重合体と(B)
    −NH−結合を有する化合物を主たる成分とし、(A)
    /(B)が固形分基準で100/0.001〜100/
    100である水系接着剤用または水系塗料用前処理剤。
  2. 【請求項2】(B)−NH−結合がアミノ結合、尿素結
    合、アミド結合、イミド結合またはヒドラジノ結合であ
    る請求項1記載の前処理剤。
  3. 【請求項3】(A)ビニルアルコール系重合体が、分子
    内に一級または二級アミノ基、アセトアセチル基から選
    ばれた少なくとも一種の官能基を有する変性ポリビニル
    アルコールである請求項1記載の前処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の前処理剤が、木材、合
    板、紙の表面処理剤である請求項1記載の前処理剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の前処理剤を、ビニルアル
    コール系重合体として0.3〜200g/m2基材に塗
    布することを特徴とする前処理方法。
JP10429098A 1998-04-15 1998-04-15 前処理剤および前処理方法 Pending JPH11293214A (ja)

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