JP3348920B2 - エマルジョン組成物 - Google Patents
エマルジョン組成物Info
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Description
し、さらに詳しくは、耐水接着力,耐熱性および耐圧縮
強度に優れ、木工用や紙管用などの接着剤として好適に
用いられる水性エマルジョン組成物に関する。
て、分散安定剤(保護コロイド)にポリビニルアルコー
ルや、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体また
はその誘導体などの水溶性高分子化合物を含有する水性
エマルジョンが広く用いられている。このような水性エ
マルジョン、特にポリビニルアルコールを保護コロイド
として含有する水性エマルジョンは、初期接着力が高
く、適度な粘性を有していることから、高速貼合性や作
業性に優れており、この点では紙管用や木工用接着剤と
して適している。しかしながら、該水性エマルジョン
は、保護コロイドとして水溶性高分子化合物を使用して
いるために、耐水接着力に劣り、また耐熱性や耐圧縮強
度が不充分であるという欠点を有している。
事情のもとで、ポリビニルアルコール保護コロイド系水
性エマルジョンの特徴(高い初期接着力,適度な粘性)
を損なうことなく、耐水接着力,耐熱性および耐圧縮強
度に優れた水性エマルジョン組成物を提供することを目
的とするものである。
い性質を有する水性エマルジョン組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、分散剤、すなわち保護コロイドと
して、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールおよび
イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体やその誘導
体を用い、エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得ら
れた水性エマルジョン(A)およびポリアミドとエポキ
シ基含有化合物との反応物(B)からなるエマルジョン
組成物がその目的に適合しうることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、エチレン性不飽和単量体を、分散剤とし
てのカルボキシル基変性ポリビニルアルコール(a)お
よびイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体または
その誘導体(b)の存在下に乳化重合して得られる水性
エマルジョン(A)およびポリアミドとエポキシ基含有
化合物との反応物(B)からなるエマルジョン組成物を
提供するものである。
性エマルジョン(A)とポリアミドとエポキシ基含有化
合物との反応物(B)とから構成されるものである。こ
こで、該水性エマルジョン(A)は、分散剤として、カ
ルボキシル基変性ポリビニルアルコール(a)およびイ
ソブチレンと無水マレイン酸との共重合体またはその誘
導体(b)を、エチレン性不飽和単量体の乳化重合時に
用いるものである。該分散剤の(a)成分として用いら
れるカルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、分子
内にカルボキシル基を有する変性ポリビニルアルコール
であれば特に制限はないが、通常は、酢酸ビニルに代表
されるビニルエステル系単量体を、アクリル酸,メタク
リル酸,(無水)フタル酸,(無水)マレイン酸,イタ
コン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸と共重合した
後、けん化したもの(ランダム共重合体)か、末端にチ
オール基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在
下、上記エチレン性不飽和カルボン酸をラジカル重合し
たもの(ブロック共重合体)が好適に用いられる。な
お、上記のビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニ
ル以外に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサチ
ック酸ビニル,ピバリン酸ビニルなどを用いることも可
能である。
ニルアルコールの重合度については特に制限はないが、
50〜3000の範囲が好ましく、100〜2000の
範囲がより好ましい。また、該カルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコールのけん化度についても特に制限はない
が、70〜100モル%の範囲が好ましく、80〜98
モル%の範囲がより好ましい。さらに、カルボキシル基
変性量についても特に制限はないが、0.1〜50モル%
の範囲が好ましく、0.5〜10モル%の範囲がより好ま
しく、0.5〜5モル%の範囲が特に好ましい。カルボキ
シル基変性量が0.1モル%未満では、充分な架橋密度が
得られず耐水性が向上しない。一方、カルボキシル基変
性量が50モル%を超えると、安定なエマルジョンを得
ることが難しくなり、また、安定なエマルジョンが得ら
れても、耐水性などが充分に発現しにくくなる。
ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範
囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合す
ることもできる。このようなエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、エチレン,イソブチレン,アクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド,メタク
リルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−
ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチルビ
ニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロ
リドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化
ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレ
ン,ビニルスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸,メル
カプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢
酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレン性
不飽和カルボン酸と共重合し、それをけん化することに
よって得られる末端変性物も用いることができる。
れるイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体やその
誘導体としては、例えばイソブチレンと無水マレイン酸
との二元共重合体の他に、イソブチレン/長鎖α−オレ
フィン/無水マレイン酸共重合体,イソブチレン/長鎖
アルキルアクリレート/無水マレイン酸共重合体,イソ
ブチレン/N−フェニルマレイミド/無水マレイン酸共
重合体,イソブチレン/n−ブチル(メタ)アクリレー
ト/無水マレイン酸共重合体などの共重合変性物、ある
いはイソブチレン/無水マレイン酸共重合体の部分イミ
ド化物などの誘導体が挙げられ、これらはいずれも水酸
化ナトリウムやアンモニアなどのアルカリにより水溶液
化して用いられる。これらのイソブチレンと無水マレイ
ン酸との共重合体やその誘導体は一種用いてもよいし、
二種以上を混合して用いてもよい。
ける分散質であるエチレン性不飽和単量体の重合体は、
各種のものがあるが、この重合体の原料であるエチレン
性不飽和単量体の好ましい例としては、エチレン,プロ
ピレン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,
フッ化ビニル,ビニリデンクロリド,ビニリデンフルオ
リドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル,酢酸ビ
ニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸,メタクリル酸,アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,ア
クリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ドデシル,ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ
ル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタ
クリル酸ドデシル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
などのメタクリル酸エステル,アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの四級化物、さらには、アクリルアミド,メタクリ
ルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジ
メチルアクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリ
ルアミド系単量体、スチレン,α−メチルスチレン,p
−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム,カリウム
塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリド
ンなど、また、ブタジエン,イソプレン,クロロプレン
などのジエン系単量体が挙げられ、これらは単独あるい
は、二種以上混合して用いられる。
ニルエステル,(メタ)アクリル酸エステル,スチレン
およびジエン系単量体が好ましく、特にビニルエステ
ル,エチレンとビニルエステルとの併用および(メタ)
アクリル酸エステルが好適である。上記(A)成分であ
る水性エマルジョンを調製する方法については特に制限
はなく、各種の手法を用いることができる。例えば前述
したカルボキシル基変性ポリビニルアルコールおよびイ
ソブチレンと無水マレイン酸との共重合体やその誘導体
の水溶液を分散剤に用いて、重合開始剤の存在下に、上
記エチレン性不飽和単量体を一時または連続的に添加し
て、加熱,攪拌するような通常の乳化重合法を用いるこ
とができる。また、エチレン性不飽和単量体を、予めカ
ルボキシル基変性ポリビニルアルコールおよびイソブチ
レンと無水マレイン酸との共重合体やその誘導体を含有
する水溶液と混合乳化したものを連続的に重合反応系に
添加する乳化重合法も採用することができる。さらに、
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、あるいはイ
ソブチレンと無水マレイン酸との共重合体やその誘導体
の水溶液はその一部を重合中および重合後に添加するこ
ともできる。
ルおよびイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体や
その誘導体の使用量については特に制限はないが、エチ
レン性不飽和単量体100重量部に対して、カルボキシ
ル基変性ポリビニルアルコール1〜30重量部が好まし
く、2〜20重量部が特に好ましく、またイソブチレン
と無水マレイン酸との共重合体やその誘導体1〜30重
量部が好ましく、2〜20重量部が特に好ましい。本発
明に用いられる該水性エマルジョンは、上記の方法で得
られた水性エマルジョンをそのまま用いてもよいが、必
要に応じて、従来公知の各種エマルジョンを本発明の効
果を損なわない範囲で添加することができる。なお、本
発明の組成物において、(A)成分として用いられる水
性エマルジョンにおける分散剤としては、カルボキシル
基変性ポリビニルアルコールおよびイソブチレンと無水
マレイン酸との共重合体やその誘導体が用いられるが、
必要に応じて、従来公知のアニオン性,ノニオン性ある
いはカチオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール
系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなどを併用する
こともできる。
て用いられるポリアミドとエポキシ基含有化合物との反
応物としては、その種類は特に制限はないが、ポリアミ
ドとグリシジル基含有化合物との反応物がさらに好まし
く、ポリアミドとエピクロルヒドリンとの反応物である
ポリアミドエピクロルヒドリンが特に好ましい。
は、アルキルポリアミン化合物とアルキルジカルボン酸
との縮合反応で得られるポリアミド樹脂にエピクロルヒ
ドリンを作用させて、第四級化した水溶性樹脂であり、
例えばアジピン酸とジエチレントリアミンとから得られ
たポリアミドにエピクロルヒドリンを作用させたものな
どが挙げられる。上記(B)成分であるポリアミドとエ
ポキシ基含有化合物との反応物の重合度については、特
に制限はないが、濃度10重量%水溶液の温度25℃に
おけるブルックフィールド型粘度(B型粘度)が、好ま
しくは5〜10,000mPas・s(ミリパスカル
秒)、より好ましくは10〜5,000mPas・s、
さらに好ましくは10〜1,000mPas・sの範囲
にあるのがよい。該ポリアミドとエポキシ基含有化合物
との反応物の官能基含有量については、特に制限はない
が、0.01〜1モル/100gの範囲が好ましく、
0.03〜0.5モル/100gの範囲がより好まし
い。
は、各種の方法があるが、一般には上記(B)成分であ
るポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応物をその
まま、または水溶液として、あるいは適当な水溶性溶剤
に溶解させてから、(A)成分である水性エマルジョン
に添加,混合することによって調製する。なお、その際
の(B)成分の添加量は、該エマルジョンの固形分10
0重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲が好まし
く、0.2〜15重量部の範囲がより好ましい。該
(B)成分の添加量が0.1重量部未満および30重量
部を超える場合は、耐水接着力および耐熱性が低下する
ことがあり、好ましくない。
は上記(A)成分である水性エマルジョンと(B)成分
であるポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応物と
からなるが、さらに必要に応じて、トルエン,パークレ
ン,ジクロロベンゼン,トリクロロベンゼンなどの各種
有機溶剤、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷん,ア
ルギン酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,メチル
セルロース,ヒドロキシメチルセルロース,無水マレイ
ン酸/スチレン共重合体,無水マレイン酸/メチルビニ
ルエーテル共重合体などの水溶性高分子化合物や尿素/
ホルマリン樹脂,尿素/メラミン/ホルマリン樹脂,フ
ェノール/ホルマリン樹脂などの一般に接着剤として使
用されている熱硬化性樹脂もそれぞれ適宜使用すること
ができる。さらに、本発明のエマルジョン組成物には、
クレー,カオリン,タルク,炭酸カルシウム,木粉など
の充填剤、小麦粉などの増量剤、ホウ酸,硫酸アルミニ
ウムなどの反応促進剤、酸化チタンなどの顔料あるいは
その他、消泡剤,分散剤,凍結防止剤,防腐剤,防錆剤
などの各種添加剤をも適宜添加することができる。
らに詳細に説明する。なお以下の実施例および比較例に
おいて「部」および「%」は、特に断らない限り重量基
準を意味する。また、組成物の木/木(ツガ材)接着力
試験、合板/塩化ビニル(塩ビ)シート接着試験(耐熱
性)および耐圧縮強度試験は下記の要領で実施した。 (1)木/木(ツガ材)接着力試験 以下の条件で試験体を作製し、接着力を測定した。 〈接着条件〉 被着材:ツガ/ツガ(マサ目),含水率8% 塗布量:150g/m2 (両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/cm2 〈測定条件〉 JIS K−6852に準ずる圧縮せん断接着強度を測
定 常態強度:20℃,7日間養生後、そのままの状態で測
定 耐水強度:20℃,7日間養生後、試験片を20℃の水
に3時間浸漬したのち、濡れたままの状態で測定 耐温水強度:20℃,7日間養生後、試験片を60℃の
温水に3時間浸漬したのち、20℃水中で冷却し、濡れ
たままの状態で測定
社製,アルトロン,500μm) 塗布量:150g/m2 (合板へ塗布) 堆積時間:0.5分 圧締条件:ゴムハンドローラーで軽く圧締 〈測定条件〉試験片を25mm巾に切断し、塩ビの先端
に550gの重りを取付け、77℃の熱風乾燥機中につ
るし、重りが落下するまでの時間を測定した。 (3)耐圧縮強度試験 秤量580g/m2 の紙管用原紙を巾6cmに切断し、
これにエマルジョン組成物を60g/m2 塗布し、2秒
後、外径6.5cmの塩ビパイプに巻つけ貼合する。さら
に同じ要領で延べ10枚の原紙を重ね巻きし、10層の
紙管とした。これを24時間放置し、次いで105℃に
て5分間乾燥したのち、20℃,相対湿度(RH)65
%の条件で3日間調湿した。このようにして得られた紙
管を長さ10cmに切断し、圧縮速度2mm/分の条件
で耐圧縮強度を測定した。
えた1リットルガラス製重合容器に水400g,カルボ
キシル基変性ポリビニルアルコール(重合度1750,
けん化度87.5モル%,イタコン酸1モル%ランダム共
重合変性)12gとイソブチレンと無水マレイン酸との
共重合体の部分イミド化物(イソバン304,(株)ク
ラレ製)12gを仕込み、さらに水酸化ナトリウム1.6
gを添加し、95℃で完全に溶解した。次に上記水溶液
を冷却し、窒素置換後140rpmで攪拌しながら、酢
酸ビニル400gを仕込み、60℃に昇温したのち、過
酸化水素/ロンガリットのレドックス開始剤系で重合を
行った。2時間で重合は終了し、重合率99.9%,固形
分濃度50.6%,粘度2400mPas・sの安定なポ
リ酢酸ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの固形分100部に対して、ジブチルフタレート10
部とポリアミドエピクロルヒドリン(WS−525,日
本PMC社製)1部を添加混合し、エマルジョン組成物
を調製した。このエマルジョン組成物について、木/木
接着力試験,合板/塩ビシート接着試験および耐圧縮強
度試験を行った。結果を第1表に示す。
g単独で用いた以外は、実施例1と同様にしてエマルジ
ョンを得た。このエマルジョンは固形分濃度49.8%、
粘度1700mPas・sであった。このエマルジョン
を用いて実施例1と同様にしてエマルジョン組成物を調
製し、評価した。結果を第1表に示す。
加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてエマル
ジョン組成物を調製し、評価した。その結果を第1表に
示す。
コールの代わりに無変性ポリビニルアルコール(重合度
1750,けん化度88.0モル%)12gを用いた以外
は、実施例1と同様にしてエマルジョンを得た。このエ
マルジョンは固形分濃度50.3%、粘度3000mPa
s・sであった。このエマルジョンを用い、実施例1と
同様にしてエマルジョン組成物を調製し、評価した。結
果を第1表に示す。
50,けん化度87.5モル%,イタコン酸1モル%ラン
ダム共重合変性)3.6gおよびイソブチレンと無水マレ
イン酸との共重合体の部分イミド化物(イソバン30
4,(株)クラレ製)8.4gを、イオン交換水290g
に加え、10%アンモニア水5gをさらに添加して95
℃で加熱攪拌した。このものを窒素吹込口、温度計を備
えた耐圧オートクレーブ中に仕込み、さらに酢酸ビニル
300gを仕込み、次いでエチレンを45kg/cm2
Gまで昇圧した。温度60℃に昇温後、過酸化水素−ロ
ンガリット系レドックス開始剤を用い重合を開始した。
2時間後、残存酢酸ビニル濃度が0.7%となったところ
で重合を終了した。固形分濃度51.8%,粘度1600
mPas・sの安定なポリ(酢酸ビニル−エチレン)共
重合体エマルジョンが得られた。このエマルジョンの固
形分100部に対して、ポリアミドエピクロルヒドリン
(WS−525,日本PMC社製)1部を添加してエマ
ルジョン組成物を調製した。このエマルジョン組成物に
ついて、木/木接着力試験,合板/塩ビシート接着試験
および耐圧縮強度試験を行った。結果を第1表に示す。
えた1リットルガラス製重合容器に、水300gおよび
末端にチオール基を有するカルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコール(重合度500,けん化度88.2モル%,
イタコン酸1モル%ランダム共重合変性、〔SH〕濃
度:5×10-5モル/g−ポリビニルアルコール)20
gを仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このポリビ
ニルアルコール水溶液を冷却後、希硫酸でpHを4.0に
調整し、窒素置換を行い、140rpmで攪拌しなが
ら、メタクリル酸メチル80gとアクリル酸n−ブチル
80gを仕込み70℃に上昇したのち、5%過硫酸アン
モニウム水溶液5gを添加して重合を開始した。その
後、メタクリル酸メチル120gとアクリル酸n−ブチ
ル120g、および水100gにイソブチレンと無水マ
レイン酸との共重合体(イソバン─04,(株)クラレ
製)10gと25%アンモニア水5.2gを添加して加熱
溶解したものを2時間かけて逐次添加した。4時間で重
合は完了し、重合率99.9%,固形分濃度51.8%およ
び粘度1400mPas・sの安定なポリ(メタクリル
酸メチル/アクリル酸n−ブチル)共重合体エマルジョ
ンが得られた。このエマルジョンを用い、実施例2と同
様にしてエマルジョン組成物を調製し、評価した。結果
を第1表に示す。
ルアルコール(重合度300,けん化度96.0モル%,
イタコン酸1モル%ランダム共重合変性,〔SH〕濃
度:7×10-5モル/g−ポリビニルアルコール)12
gおよびイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体の
部分イミド化物(イソバン304,(株)クラレ製)8
gをイオン交換水290gに加え、10%アンモニア水
5gをさらに添加して95℃で加熱溶解した。このもの
を窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オートクレーブ
中に仕込んだ。希硫酸でpHを4.0としたのち、スチレ
ン165gと次いで耐圧計量器よりブタジエン135g
を仕込み、70℃に昇温後、2%過硫酸カリウム水溶液
10gを圧入して重合を開始した。内圧は、4.8kg/
cm2 Gから重合の進行とともに低下し、15時間後に
0.4kg/cm2 Gとなり、重合率を求めたところ99.
2%であった。得られたエマルジョンをアンモニア水で
pH6.0とし、固形分濃度49.0%および粘度2500
mPas・sの安定なポリ(スチレン−ブタジエン)共
重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンを用い
て、実施例2と同様にしてエマルジョン組成物を調製
し、評価した。結果を第1表に示す。
%)ランダム共重合変性ポリビニルアルコール,重合度
1750,けん化度87.5モル% 2)無変性PVA:重合度1750,けん化度88.0モ
ル% 3)SH−IA−PVA:末端チオール基を有し、イタ
コン酸(1モル%)ランダム共重合変性ポリビニルアル
コール、重合度500、けん化度88.2モル%、〔S
H〕5×10-5モル/g−PVA 4)SH−IA−PVA:末端チオール基を有し、イタ
コン酸(1モル%)ランダム共重合変性ポリビニルアル
コール、重合度300,けん化度96.0モル%,〔S
H〕7×10-5モル/g−PVA モノマー記号の意味 VAC:酢酸ビニル MMA:メタクリル酸メチル n−BA:アクリル酸n−ブチル St:スチレン Bu:ブタジエン Et:エチレン
ニルアルコール保護コロイド系水性エマルジョンの特徴
(高い初期接着力,適度の粘性)を維持するとともに、
特に耐水接着力、耐熱性、耐圧縮強度に優れており、木
工用および紙管用接着剤などとして好適に用いられる。
Claims (1)
- 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体を、分散剤とし
てのカルボキシル基変性ポリビニルアルコール(a)お
よびイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体または
その誘導体(b)の存在下に乳化重合して得られる水性
エマルジョン(A)およびポリアミドとエポキシ基含有
化合物との反応物(B)からなるエマルジョン組成物。
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