JPH11285773A - クラッチ部品の製造方法 - Google Patents
クラッチ部品の製造方法Info
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- JPH11285773A JPH11285773A JP9022798A JP9022798A JPH11285773A JP H11285773 A JPH11285773 A JP H11285773A JP 9022798 A JP9022798 A JP 9022798A JP 9022798 A JP9022798 A JP 9022798A JP H11285773 A JPH11285773 A JP H11285773A
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- intermediate product
- manufacturing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造コストを抑えることのできるクラッチ部
品の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 レバーサポート部品16の製造方法は、
第1工程及び第2工程を備えている。第1工程では、鍛
造によって、材料を予備形状を有する中間製品に成形す
る。第2工程では、中間製品の少なくとも一部に対して
常温において押出し加工を施して、中間製品を最終形状
を有する最終製品に成形する。
品の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 レバーサポート部品16の製造方法は、
第1工程及び第2工程を備えている。第1工程では、鍛
造によって、材料を予備形状を有する中間製品に成形す
る。第2工程では、中間製品の少なくとも一部に対して
常温において押出し加工を施して、中間製品を最終形状
を有する最終製品に成形する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ部品の製
造方法、特に寸法精度が要求されるクラッチ部品の製造
方法に関する。
造方法、特に寸法精度が要求されるクラッチ部品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のクラッチを構成するクラッチ
部品は、それぞれ高い寸法精度が要求される。例えば、
コイルスプリング式のクラッチにおいては、プレッシャ
ープレートのクラッチディスクに対する押圧を解除する
ために複数のレバーが設けられ、これらのレバーはレバ
ーサポート部品等によってクラッチカバーに支持される
が、このレバーサポート部品についても寸法精度を確保
することは重要である。
部品は、それぞれ高い寸法精度が要求される。例えば、
コイルスプリング式のクラッチにおいては、プレッシャ
ープレートのクラッチディスクに対する押圧を解除する
ために複数のレバーが設けられ、これらのレバーはレバ
ーサポート部品等によってクラッチカバーに支持される
が、このレバーサポート部品についても寸法精度を確保
することは重要である。
【0003】このレバーサポート部品は、従来において
は、熱間鍛造で最終形状よりも大きな形状に予備成形
し、予備成形品を熱処理した後に切削加工を施して製造
している。このように切削加工を施すことにより、レバ
ーをサポートする部分の厚みやクラッチカバーに固定す
るためのネジ固定部分の直径を仕上げている。
は、熱間鍛造で最終形状よりも大きな形状に予備成形
し、予備成形品を熱処理した後に切削加工を施して製造
している。このように切削加工を施すことにより、レバ
ーをサポートする部分の厚みやクラッチカバーに固定す
るためのネジ固定部分の直径を仕上げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
切削仕上げを行う場合、予備成形品の形状は削り取る分
だけ最終形状よりも大きくならざるを得ず、その分だけ
材料費がかかり製造コストが高くなる。本発明の課題
は、製造コストを抑えることのできるクラッチ部品の製
造方法を提供することにある。
切削仕上げを行う場合、予備成形品の形状は削り取る分
だけ最終形状よりも大きくならざるを得ず、その分だけ
材料費がかかり製造コストが高くなる。本発明の課題
は、製造コストを抑えることのできるクラッチ部品の製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チ部品の製造方法は、第1工程及び第2工程を備えてい
る。第1工程では、鍛造によって、材料を予備形状を有
する中間製品に成形する。第2工程では、中間製品の少
なくとも一部に対して常温において押出し加工を施し
て、中間製品を最終形状を有する最終製品に成形する。
チ部品の製造方法は、第1工程及び第2工程を備えてい
る。第1工程では、鍛造によって、材料を予備形状を有
する中間製品に成形する。第2工程では、中間製品の少
なくとも一部に対して常温において押出し加工を施し
て、中間製品を最終形状を有する最終製品に成形する。
【0006】ここでは、鍛造後の切削によって最終製品
に仕上げる場合に較べ、中間製品の容積が小さくなる。
すなわち、第2工程の押出し加工では中間製品の変形に
よって最終製品を作り出すため、切削される分だけ中間
製品を作るために必要な材料が少なくて済む。これによ
り、クラッチ部品の製造コストを下げることができる。
また、切り屑の発生もなくなり、切り屑の処分等の作業
が不要となる。
に仕上げる場合に較べ、中間製品の容積が小さくなる。
すなわち、第2工程の押出し加工では中間製品の変形に
よって最終製品を作り出すため、切削される分だけ中間
製品を作るために必要な材料が少なくて済む。これによ
り、クラッチ部品の製造コストを下げることができる。
また、切り屑の発生もなくなり、切り屑の処分等の作業
が不要となる。
【0007】請求項2に記載のクラッチ部品の製造方法
は、請求項1に記載の製造方法において、第2工程では
汎用プレス機によって押出し加工を行う。ここでは、プ
レスのタイミングや圧力、あるいはプレスのスピードの
調整等が可能な専用設備ではなく、汎用プレス機によっ
て押出し加工を行う。請求項3に記載のクラッチ部品の
製造方法は、請求項1に記載の製造方法において、中間
製品の予備形状は、第2工程で押出し加工を行う際の押
出し方向に沿った寸法が、最終形状に較べて短く設定さ
れている。
は、請求項1に記載の製造方法において、第2工程では
汎用プレス機によって押出し加工を行う。ここでは、プ
レスのタイミングや圧力、あるいはプレスのスピードの
調整等が可能な専用設備ではなく、汎用プレス機によっ
て押出し加工を行う。請求項3に記載のクラッチ部品の
製造方法は、請求項1に記載の製造方法において、中間
製品の予備形状は、第2工程で押出し加工を行う際の押
出し方向に沿った寸法が、最終形状に較べて短く設定さ
れている。
【0008】ここでは、中間製品を押出して、中間製品
の変形により、押出し方向に沿った寸法が最終形状の寸
法に延びる。すなわち、変形による延びを考慮して、中
間製品は最終製品よりも押出し方向に短く鍛造される。
請求項4に記載のクラッチ部品の製造方法は、請求項1
に記載の製造方法において、熱処理工程をさらに備えて
いる。熱処理工程では、中間製品に対して熱処理を行
う。この熱処理工程の熱処理により、第2工程の押出し
加工を行う前の中間製品の表面の硬度はHRC20以上
とされる。
の変形により、押出し方向に沿った寸法が最終形状の寸
法に延びる。すなわち、変形による延びを考慮して、中
間製品は最終製品よりも押出し方向に短く鍛造される。
請求項4に記載のクラッチ部品の製造方法は、請求項1
に記載の製造方法において、熱処理工程をさらに備えて
いる。熱処理工程では、中間製品に対して熱処理を行
う。この熱処理工程の熱処理により、第2工程の押出し
加工を行う前の中間製品の表面の硬度はHRC20以上
とされる。
【0009】ここでは、表面の硬度がHRC20以上で
あるときにも押出し加工で材料流動が良いような中間製
品の予備形状を定め、これに押出し加工を行って最終形
状に成形する。請求項5に記載のクラッチ部品の製造方
法は、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法にお
いて、製造するクラッチ部品は、二股のレバーサポート
部品であって、互いに平行である平面を有する2つのサ
ポート部を有している。
あるときにも押出し加工で材料流動が良いような中間製
品の予備形状を定め、これに押出し加工を行って最終形
状に成形する。請求項5に記載のクラッチ部品の製造方
法は、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法にお
いて、製造するクラッチ部品は、二股のレバーサポート
部品であって、互いに平行である平面を有する2つのサ
ポート部を有している。
【0010】ここでは、押出し加工を採用しているた
め、2つのサポート部の平行である平面の平面度の確保
及び精度の確保が容易となる。請求項6に記載のクラッ
チ部品の製造方法は、請求項5に記載の製造方法におい
て、2つのサポート部の互いに平行である平面は、中間
形状において傾斜を有している。
め、2つのサポート部の平行である平面の平面度の確保
及び精度の確保が容易となる。請求項6に記載のクラッ
チ部品の製造方法は、請求項5に記載の製造方法におい
て、2つのサポート部の互いに平行である平面は、中間
形状において傾斜を有している。
【0011】ここでは、押出し加工を行う前の中間製品
が、最終形状で平行になる面が傾斜を有する面となって
いる中間形状を有している。したがって、押出し加工に
おいて中間製品から最終製品に変形するときの材料流動
が滑らかとなり、破損やバリの発生等の不具合を起こさ
ずに押出し加工を行うことができる。請求項7に記載の
クラッチ部品の製造方法は、請求項5又は6に記載の製
造方法において、クラッチ部品は、2つのサポート部と
固定部とを有している。固定部は、円柱形状であって、
2つのサポート部とは反対側に形成される。そして、第
2工程の押出し加工は、2つのサポート部と固定部とに
対して、それぞれ別に行われる。
が、最終形状で平行になる面が傾斜を有する面となって
いる中間形状を有している。したがって、押出し加工に
おいて中間製品から最終製品に変形するときの材料流動
が滑らかとなり、破損やバリの発生等の不具合を起こさ
ずに押出し加工を行うことができる。請求項7に記載の
クラッチ部品の製造方法は、請求項5又は6に記載の製
造方法において、クラッチ部品は、2つのサポート部と
固定部とを有している。固定部は、円柱形状であって、
2つのサポート部とは反対側に形成される。そして、第
2工程の押出し加工は、2つのサポート部と固定部とに
対して、それぞれ別に行われる。
【0012】ここでは、クラッチ部品が、互いに対して
反対側にあるサポート部と固定部とを有している。この
ため、サポート部に対して押出し加工を行う際には固定
部を支持することができ、固定部に対して押出し加工を
行う際にはサポート部を支持することができる。請求項
8に記載のクラッチ部品の製造方法は、請求項7に記載
の製造方法において、製造するクラッチ部品のサポート
部の厚みが10mm以下である。
反対側にあるサポート部と固定部とを有している。この
ため、サポート部に対して押出し加工を行う際には固定
部を支持することができ、固定部に対して押出し加工を
行う際にはサポート部を支持することができる。請求項
8に記載のクラッチ部品の製造方法は、請求項7に記載
の製造方法において、製造するクラッチ部品のサポート
部の厚みが10mm以下である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施態様にお
ける製造方法で製造されるレバーサポート部品(クラッ
チ部品)を構成要素とするクラッチ装置1を示してい
る。クラッチ装置1は、エンジン側のフライホイール2
からトランスミッション入力シャフト(図示せず)にト
ルクを伝達及び遮断するための装置である。このクラッ
チ装置1は、主に、フライホイール2と、クラッチカバ
ー組立体3と、クラッチディスク組立体4とから構成さ
れる。
ける製造方法で製造されるレバーサポート部品(クラッ
チ部品)を構成要素とするクラッチ装置1を示してい
る。クラッチ装置1は、エンジン側のフライホイール2
からトランスミッション入力シャフト(図示せず)にト
ルクを伝達及び遮断するための装置である。このクラッ
チ装置1は、主に、フライホイール2と、クラッチカバ
ー組立体3と、クラッチディスク組立体4とから構成さ
れる。
【0014】クラッチカバー組立体3は、図1及び図2
に示すように、フライホイール2に固定された皿状のク
ラッチカバー11と、クラッチカバー11にストラップ
プレート14を介して相対回転不能にかつ軸方向に移動
可能に固定されたプレッシャープレート12と、プレッ
シャープレート12をフライホイール2側に押圧するた
めの複数のコイルスプリング13と、クラッチカバー1
1に支持されプレッシャープレート12の押圧を解除す
るための複数のレバー15とを有している。
に示すように、フライホイール2に固定された皿状のク
ラッチカバー11と、クラッチカバー11にストラップ
プレート14を介して相対回転不能にかつ軸方向に移動
可能に固定されたプレッシャープレート12と、プレッ
シャープレート12をフライホイール2側に押圧するた
めの複数のコイルスプリング13と、クラッチカバー1
1に支持されプレッシャープレート12の押圧を解除す
るための複数のレバー15とを有している。
【0015】プレッシャープレート12は、クラッチデ
ィスク組立体4の摩擦材に対向する摩擦面を有し、摩擦
面の背面(トランスミッション側の面)には複数の突起
12aを有している。そして、この突起12aにレバー
15の端部がピン21により回動自在に装着される。コ
イルスプリング13は、クラッチカバー11とプレッシ
ャープレート12との間に配置されており、所定の荷重
をプレッシャープレート12に与える。また、レバー1
5の先端(内周部)にはレリーズ部材5が当接可能であ
り、このレリーズ部材5がエンジン方向に移動させられ
ることよりレバー15を介してプレッシャープレート1
2がクラッチカバー11側に引き上げられるようになっ
ている。
ィスク組立体4の摩擦材に対向する摩擦面を有し、摩擦
面の背面(トランスミッション側の面)には複数の突起
12aを有している。そして、この突起12aにレバー
15の端部がピン21により回動自在に装着される。コ
イルスプリング13は、クラッチカバー11とプレッシ
ャープレート12との間に配置されており、所定の荷重
をプレッシャープレート12に与える。また、レバー1
5の先端(内周部)にはレリーズ部材5が当接可能であ
り、このレリーズ部材5がエンジン方向に移動させられ
ることよりレバー15を介してプレッシャープレート1
2がクラッチカバー11側に引き上げられるようになっ
ている。
【0016】レバー15は、レバーサポート部品16
と、サポートナット17と、ロックプレート18とを備
えたレバー支持装置により、クラッチカバー11に支持
される。レバーサポート部品16は、サポート部16b
の孔16cを貫通するピン20により、レバー15と回
動自在に連結されている。また、レバーサポート部品1
6は、先端部に雄ねじが切られた固定部16aを有し、
クラッチカバー11に設けられた孔を貫通し、サポート
ナット17と螺合している。このレバーサポート部品1
6の製造方法については、後に詳述する。サポートナッ
ト17は、クラッチカバー11に設けられた孔と勘合
し、その外周部は六角形状である。また、ロックプレー
ト18は、中央部の幅が広いほぼ矩形状のプレート部材
であり、中央部に形成されたロック用の穴18aと、両
端部に形成された1対の取付用のボルト穴18bとを有
している。ロック用の穴18aにはサポートナット17
が挿通可能であり、穴外周部にはサポートナット17の
外周部と係止する爪部18cが形成されている。
と、サポートナット17と、ロックプレート18とを備
えたレバー支持装置により、クラッチカバー11に支持
される。レバーサポート部品16は、サポート部16b
の孔16cを貫通するピン20により、レバー15と回
動自在に連結されている。また、レバーサポート部品1
6は、先端部に雄ねじが切られた固定部16aを有し、
クラッチカバー11に設けられた孔を貫通し、サポート
ナット17と螺合している。このレバーサポート部品1
6の製造方法については、後に詳述する。サポートナッ
ト17は、クラッチカバー11に設けられた孔と勘合
し、その外周部は六角形状である。また、ロックプレー
ト18は、中央部の幅が広いほぼ矩形状のプレート部材
であり、中央部に形成されたロック用の穴18aと、両
端部に形成された1対の取付用のボルト穴18bとを有
している。ロック用の穴18aにはサポートナット17
が挿通可能であり、穴外周部にはサポートナット17の
外周部と係止する爪部18cが形成されている。
【0017】次に、本発明の一実施態様における製造方
法であるレバーサポート部品16の製造方法について説
明する。 <レバーサポート部品16の形状>まず、製造するレバ
ーサポート部品16の形状について説明する。レバーサ
ポート部品16は、図2に示すように、二股のサポート
部16bに固定部16aが形成されている構成であっ
て、2つのサポート部16bが延びている方向と反対側
に固定部16aが延びている。各サポート部16bに
は、厚み方向に貫通する孔16cが設けられている。
法であるレバーサポート部品16の製造方法について説
明する。 <レバーサポート部品16の形状>まず、製造するレバ
ーサポート部品16の形状について説明する。レバーサ
ポート部品16は、図2に示すように、二股のサポート
部16bに固定部16aが形成されている構成であっ
て、2つのサポート部16bが延びている方向と反対側
に固定部16aが延びている。各サポート部16bに
は、厚み方向に貫通する孔16cが設けられている。
【0018】図3及び図4に、孔16cの穴あけ及び固
定部16aの雄ねじを転造する前のレバーサポート部品
16の形状を示す。図3及び図4において点線で示され
ている形状が、後述する第2工程の第1及び第2冷間サ
イジング後の最終形状であり、図3及び図4において実
線で示されている形状が、後述する第1工程の冷間鍛造
後の予備形状である。最終形状におけるサポート部16
bには、それぞれ平行である、一方のサポート部16b
の外面31及び内面32と他方のサポート部16bの内
面33及び外面34とが形成される。これらの外面3
1,内面32,内面33,及び外面34は、予備形状に
おいてはそれぞれ平行ではない。例えば、外面31は、
予備形状においては、外面31に対して傾斜を有する面
41a及び外面31とほぼ一致する面41bである。ま
た、内面32は、予備形状においては、内面32と平行
な面42a及び内面32に対して傾斜を有する面42b
である。
定部16aの雄ねじを転造する前のレバーサポート部品
16の形状を示す。図3及び図4において点線で示され
ている形状が、後述する第2工程の第1及び第2冷間サ
イジング後の最終形状であり、図3及び図4において実
線で示されている形状が、後述する第1工程の冷間鍛造
後の予備形状である。最終形状におけるサポート部16
bには、それぞれ平行である、一方のサポート部16b
の外面31及び内面32と他方のサポート部16bの内
面33及び外面34とが形成される。これらの外面3
1,内面32,内面33,及び外面34は、予備形状に
おいてはそれぞれ平行ではない。例えば、外面31は、
予備形状においては、外面31に対して傾斜を有する面
41a及び外面31とほぼ一致する面41bである。ま
た、内面32は、予備形状においては、内面32と平行
な面42a及び内面32に対して傾斜を有する面42b
である。
【0019】外面31と内面32との距離、すなわち、
最終形状におけるサポート部16bの厚さt1は、7〜
8mmである。予備形状のサポート部16bの先端の厚
さt2は厚さt1よりも大きい。図3に示すように、面
41aの先端は外面31よりも寸法s2だけ外側にあ
り、面42aの先端は内面32よりも寸法s3だけ内側
にある。寸法s2及び寸法s3は、1mm以下である。
予備形状のサポート部16bの厚さの最も小さい部分で
は、その厚さt3は厚さt1よりも小さい。すなわち、
内面32と面42bとは交差している。また、予備形状
のサポート部16bの高さ寸法h4は、最終形状のサポ
ート部16bの高さ寸法h2よりも小さい。
最終形状におけるサポート部16bの厚さt1は、7〜
8mmである。予備形状のサポート部16bの先端の厚
さt2は厚さt1よりも大きい。図3に示すように、面
41aの先端は外面31よりも寸法s2だけ外側にあ
り、面42aの先端は内面32よりも寸法s3だけ内側
にある。寸法s2及び寸法s3は、1mm以下である。
予備形状のサポート部16bの厚さの最も小さい部分で
は、その厚さt3は厚さt1よりも小さい。すなわち、
内面32と面42bとは交差している。また、予備形状
のサポート部16bの高さ寸法h4は、最終形状のサポ
ート部16bの高さ寸法h2よりも小さい。
【0020】一方、固定部16aについても、予備形状
での高さ寸法h3は最終形状での高さ寸法h1よりも小
さい。固定部16aの直径については、予備形状での直
径D2が最終形状での直径D1よりも大きい(D1=D
2−2×s1)。直径D1,D2は10〜20mmであ
り、寸法s1は1mm以下である。 <第1工程>第1工程では、素材を切断した材料を加熱
して、熱間鍛造によって、図3及び図4の実線に示す予
備形状を有する中間製品となるように加工する。そし
て、しごき抜きによって、図3及び図4の実線に示す中
間製品とする。
での高さ寸法h3は最終形状での高さ寸法h1よりも小
さい。固定部16aの直径については、予備形状での直
径D2が最終形状での直径D1よりも大きい(D1=D
2−2×s1)。直径D1,D2は10〜20mmであ
り、寸法s1は1mm以下である。 <第1工程>第1工程では、素材を切断した材料を加熱
して、熱間鍛造によって、図3及び図4の実線に示す予
備形状を有する中間製品となるように加工する。そし
て、しごき抜きによって、図3及び図4の実線に示す中
間製品とする。
【0021】<熱処理工程>ここでは、中間製品に対し
て、熱処理及びショットピーニングを行う。これによ
り、中間製品の表面の硬度をHRC20〜HRC30ま
で向上させる。 <第2工程>次に、第1冷間サイジング及び第2冷間サ
イジングを行う。第1冷間サイジングでは、冷間押出し
加工によって、2つのサポート部16bを最終形状に仕
上げる。第2冷間サイジングでは、冷間押出し加工によ
って、固定部16aを最終形状に仕上げる。
て、熱処理及びショットピーニングを行う。これによ
り、中間製品の表面の硬度をHRC20〜HRC30ま
で向上させる。 <第2工程>次に、第1冷間サイジング及び第2冷間サ
イジングを行う。第1冷間サイジングでは、冷間押出し
加工によって、2つのサポート部16bを最終形状に仕
上げる。第2冷間サイジングでは、冷間押出し加工によ
って、固定部16aを最終形状に仕上げる。
【0022】第1冷間サイジングは、図5及び図6に示
す一対のプレス型51,52と、汎用のクランクプレス
機(図示せず)とによって行われる。ここでは、まず、
予備形状に成形された中間製品を、固定部16aを下型
52に設けられている円柱状孔52aに係合させて、下
型52に載置する。次に、下型52に対して上型51を
クランクプレス機によって降ろすと、上型51に設けら
れている2つの直方体状開口51aにサポート部16b
が入り、サポート部16bが最終形状に変形する。ここ
では、サポート部16bの最終形状に対応した形状の直
方体状開口51aの内面からサポート部16bが圧力を
受け、材料流動が起こり、サポート部16bが予備形状
から最終形状に変形する。この変形時の材料流動は、例
えば図3に示すように面41a及び面42bが前方押出
し加工の方向(図5の上下方向)に対して僅かに傾斜を
有しているため、滑らかに起こる。同様に、他方のサポ
ート部16bにおいても材料流動は滑らかに起こる。こ
のため、局部的な変形が少なくなり、本加工時の製品破
損率が小さくなっている。
す一対のプレス型51,52と、汎用のクランクプレス
機(図示せず)とによって行われる。ここでは、まず、
予備形状に成形された中間製品を、固定部16aを下型
52に設けられている円柱状孔52aに係合させて、下
型52に載置する。次に、下型52に対して上型51を
クランクプレス機によって降ろすと、上型51に設けら
れている2つの直方体状開口51aにサポート部16b
が入り、サポート部16bが最終形状に変形する。ここ
では、サポート部16bの最終形状に対応した形状の直
方体状開口51aの内面からサポート部16bが圧力を
受け、材料流動が起こり、サポート部16bが予備形状
から最終形状に変形する。この変形時の材料流動は、例
えば図3に示すように面41a及び面42bが前方押出
し加工の方向(図5の上下方向)に対して僅かに傾斜を
有しているため、滑らかに起こる。同様に、他方のサポ
ート部16bにおいても材料流動は滑らかに起こる。こ
のため、局部的な変形が少なくなり、本加工時の製品破
損率が小さくなっている。
【0023】なお、図5に示す部材53はノックアウト
ピンである。また、図6に示すように、スプリング55
の伸張によって下型52に対して上下方向に出入りが可
能な補助部材54が、下型52に対するレバーサポート
部品16の中間製品の載置姿勢を安定させている。第2
冷間サイジングは、図7に示す一対のプレス型61,6
2と、汎用のクランクプレス機(図示せず)とによって
行われる。ここでは、まず、第1冷間サイジングを終え
た中間製品を、サポート部16bを下型62の載置部材
62cに係合させて、下型62に載置する。下型62
は、台62bの上に段付き部材62aが固定されてお
り、段付き部材62aに対して上下移動可能な載置部材
62cがスプリング62dを介して台62bに支持され
ているものである。次に、下型62に対して上型61を
クランクプレス機によって降ろすと、上型61に設けら
れている円柱状穴61aに固定部16aが入り、固定部
16aが最終形状に変形する。ここでは、固定部16a
の最終形状に対応した形状の円柱状穴61aの内面から
固定部16aが圧力を受け、材料流動が起こり、固定部
16aが予備形状から最終形状に変形する。
ピンである。また、図6に示すように、スプリング55
の伸張によって下型52に対して上下方向に出入りが可
能な補助部材54が、下型52に対するレバーサポート
部品16の中間製品の載置姿勢を安定させている。第2
冷間サイジングは、図7に示す一対のプレス型61,6
2と、汎用のクランクプレス機(図示せず)とによって
行われる。ここでは、まず、第1冷間サイジングを終え
た中間製品を、サポート部16bを下型62の載置部材
62cに係合させて、下型62に載置する。下型62
は、台62bの上に段付き部材62aが固定されてお
り、段付き部材62aに対して上下移動可能な載置部材
62cがスプリング62dを介して台62bに支持され
ているものである。次に、下型62に対して上型61を
クランクプレス機によって降ろすと、上型61に設けら
れている円柱状穴61aに固定部16aが入り、固定部
16aが最終形状に変形する。ここでは、固定部16a
の最終形状に対応した形状の円柱状穴61aの内面から
固定部16aが圧力を受け、材料流動が起こり、固定部
16aが予備形状から最終形状に変形する。
【0024】なお、図7に示す部材63はノックアウト
ピンである。また、図7に示すようなスプリング62d
を含む下型62の構成によって、下型62に対するレバ
ーサポート部品16の中間製品の載置姿勢が、降りてく
る上型61に対して柔軟性を持ったものとなっている。 <ブローチ及びネジ転造工程>ここでは、第1及び第2
冷間サイジングによって図3及び図4の実線で示す最終
形状に成形されたものに対して、サポート部16bに孔
16cを開けるブローチと、固定部16aに雄ねじをき
るネジ転造とが行われる。
ピンである。また、図7に示すようなスプリング62d
を含む下型62の構成によって、下型62に対するレバ
ーサポート部品16の中間製品の載置姿勢が、降りてく
る上型61に対して柔軟性を持ったものとなっている。 <ブローチ及びネジ転造工程>ここでは、第1及び第2
冷間サイジングによって図3及び図4の実線で示す最終
形状に成形されたものに対して、サポート部16bに孔
16cを開けるブローチと、固定部16aに雄ねじをき
るネジ転造とが行われる。
【0025】上記のようにしてレバーサポート部品16
が製造されるが、ここでは切削加工を行わないため、中
間製品の容積を小さくすることができている。すなわ
ち、第2工程の第1及び第2冷間サイジングでは前方押
出し加工を行い中間製品の変形によって最終製品を作り
出すため、切削加工を行う場合よりも中間製品を作るた
めに必要な材料が少なくて済む。このため、レバーサポ
ート部品16の製造コストが下がっている。
が製造されるが、ここでは切削加工を行わないため、中
間製品の容積を小さくすることができている。すなわ
ち、第2工程の第1及び第2冷間サイジングでは前方押
出し加工を行い中間製品の変形によって最終製品を作り
出すため、切削加工を行う場合よりも中間製品を作るた
めに必要な材料が少なくて済む。このため、レバーサポ
ート部品16の製造コストが下がっている。
【0026】また、プレスのタイミングや圧力、あるい
はプレスのスピードの特殊な調整等が可能な専用設備で
はなく、汎用プレス機によって第1及び第2冷間サイジ
ングを行っているため、レバーサポート部品16の製造
設備のためのコストが低く抑えられている。
はプレスのスピードの特殊な調整等が可能な専用設備で
はなく、汎用プレス機によって第1及び第2冷間サイジ
ングを行っているため、レバーサポート部品16の製造
設備のためのコストが低く抑えられている。
【0027】
【発明の効果】本発明では、第2工程の押出し加工で中
間製品の変形によって最終製品を作り出すため、鍛造後
の切削によって最終製品に仕上げる場合に較べ、切削さ
れる分だけ中間製品の容積が小さくなる。これにより、
クラッチ部品の製造コストを下げることができる。
間製品の変形によって最終製品を作り出すため、鍛造後
の切削によって最終製品に仕上げる場合に較べ、切削さ
れる分だけ中間製品の容積が小さくなる。これにより、
クラッチ部品の製造コストを下げることができる。
【図1】本発明の一実施態様による製造方法で製造され
るレバーサポート部品が使用されたクラッチ装置の断面
図。
るレバーサポート部品が使用されたクラッチ装置の断面
図。
【図2】クラッチカバー組立体の分解斜視図。
【図3】レバーサポート部品の正面図。
【図4】レバーサポート部品の側面図。
【図5】第1冷間サイジングのプレス型の正面断面図。
【図6】第1冷間サイジングの下型の側面断面図。
【図7】第2冷間サイジングのプレス型の正面断面図。
16 レバーサポート部品(クラッチ部品) 16a 固定部 16b サポート部 31,34 外面(平面) 32,33 内面(平面) t1 サポート部の厚さ
Claims (8)
- 【請求項1】材料を鍛造により予備形状の中間製品に成
形する第1工程と、 前記中間製品の少なくとも一部に対して常温において押
出し加工を施して、前記中間製品を最終形状の最終製品
に成形する第2工程と、を備えたクラッチ部品の製造方
法。 - 【請求項2】前記第2工程では汎用プレス機によって押
出し加工を行う、請求項1に記載のクラッチ部品の製造
方法。 - 【請求項3】前記予備形状は、前記第2工程で押出し加
工を行う際の押出し方向に沿った寸法が、前記最終形状
に較べて短い、請求項1に記載のクラッチ部品の製造方
法。 - 【請求項4】前記第1工程と前記第2工程との間に、中
間製品に対して熱処理を行う熱処理工程をさらに備えて
おり、 前記熱処理工程の熱処理により、前記第2工程の押出し
加工を行う前の中間製品の表面の硬度はHRC20以上
とされる、請求項1に記載のクラッチ部品の製造方法。 - 【請求項5】前記クラッチ部品は、互いに平行である平
面を有する2つのサポート部に分かれる二股のレバーサ
ポート部品である、請求項1から4のいずれかに記載の
クラッチ部品の製造方法。 - 【請求項6】前記2つのサポート部の互いに平行である
平面は、中間形状において傾斜を有している、請求項5
に記載のクラッチ部品の製造方法。 - 【請求項7】前記クラッチ部品は、前記2つのサポート
部と、前記2つのサポート部とは反対側に形成される円
柱形状の固定部とを有しており、 前記第2工程の押出し加工は、前記2つのサポート部と
前記固定部とに対して、それぞれ別に行われる、請求項
5又は6に記載のクラッチ部品の製造方法。 - 【請求項8】前記サポート部の厚みが10mm以下であ
る、請求項7に記載のクラッチ部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9022798A JPH11285773A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | クラッチ部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9022798A JPH11285773A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | クラッチ部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11285773A true JPH11285773A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=13992609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9022798A Pending JPH11285773A (ja) | 1998-04-02 | 1998-04-02 | クラッチ部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11285773A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103753142A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-30 | 重庆创精温锻成型有限公司 | 一种汽车离合器输入轴毂的制备方法 |
JP2016040050A (ja) * | 2008-12-23 | 2016-03-24 | バーンズ グループ インコーポレーテッド | 打ち抜きされた金属部品を形成する方法 |
CN109746360A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-05-14 | 江苏海宇机械有限公司 | 一种提高模锻件尺寸精度的制造方法 |
-
1998
- 1998-04-02 JP JP9022798A patent/JPH11285773A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016040050A (ja) * | 2008-12-23 | 2016-03-24 | バーンズ グループ インコーポレーテッド | 打ち抜きされた金属部品を形成する方法 |
CN103753142A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-30 | 重庆创精温锻成型有限公司 | 一种汽车离合器输入轴毂的制备方法 |
CN109746360A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-05-14 | 江苏海宇机械有限公司 | 一种提高模锻件尺寸精度的制造方法 |
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