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JPH11262590A - 被移送体の案内機構 - Google Patents

被移送体の案内機構

Info

Publication number
JPH11262590A
JPH11262590A JP2975899A JP2975899A JPH11262590A JP H11262590 A JPH11262590 A JP H11262590A JP 2975899 A JP2975899 A JP 2975899A JP 2975899 A JP2975899 A JP 2975899A JP H11262590 A JPH11262590 A JP H11262590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide
guide shaft
shaft
axis direction
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2975899A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Hori
正幸 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2975899A priority Critical patent/JPH11262590A/ja
Publication of JPH11262590A publication Critical patent/JPH11262590A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 案内精度が高くかつ製造が容易な被移送体の
案内機構を提供すること。 【解決手段】 刺繍ミシンの刺繍枠送り装置におけるY
方向案内装置に具体化したものであって、X軸方向に移
動可能に設けられたX軸方向移動キャリッジ板127に
Y案内軸121を固定すると共に、そのY案内軸121
にスライド可能に挿入されたスライドガイド部材165
に支持部フレーム15Aが固定されている。その支持部
フレーム15Aには前記Y案内軸121に直交して延び
る支軸173が設けられており、その支軸173には球
コロ175が回転可能に支持され、その球コロ175
は、前記Y案内軸121に平行に延びるようにX軸方向
移動キャリッジ板127に形成された摺接面127Cに
下方から当接し、支持部フレーム15AのY案内軸12
1の周りの回転が規制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被移送体の案内機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の案内機構として、例えば
家庭用ミシンに着脱する刺繍枠送り装置に適用された案
内機構がある(実開昭57−39877号公報,特開平
2−80084号公報)。刺繍枠送り装置は2軸の案内
機構を備えており、与えられたデータに基づいて刺繍枠
を2軸方向に移動し位置決めする。この刺繍枠送り装置
による刺繍枠の移動と、ミシンの縫針の上下運動とが共
に働くことで、刺繍枠に装着した加工布に所望の刺繍が
施される。
【0003】従来のこの刺繍枠送り装置が備える2軸の
案内機構は、例えばガイドレールとこれに係合するガイ
ドとの組合せ(実開昭57−39877号公報)や、長
孔とこれに嵌まるピンとの組合せ(特開平2−8008
4号公報)から構成されている。案内機構が案内する刺
繍枠の保持部材は各種の駆動機構(ボールねじや、ワイ
ヤ、ラックとピニオン、タイミングベルト等)により移
動される。
【0004】上記従来の案内機構ではガイドレールとガ
イドの係合精度、あるいは長孔とピンの係合精度に刺繍
枠の案内の精度が依存する。したがって、案内機構のガ
イドレール等の構成要素には高い寸法精度が要求され
る。また、組み付け時には平行度や直角度などの微妙な
調整を行なう必要がある。もし部品の寸法精度や組み付
け精度が低くて誤差が大きければ円滑に動作しなくなる
だけでなく、刺繍枠の位置決めが正確でなくなり刺繍の
形が崩れてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の案内機構は
上述のように部品に寸法精度の高いものを使用し、さら
に組み付け精度も高くしなければならず、製造が容易で
ないという問題がある。また、長孔とピンとを組み合わ
せた構成では、長期使用によりガタが発生し、ガタによ
り刺繍の形が崩れたり騒音を発生したりするおそれがあ
る。
【0006】本発明の被移送体の案内機構は上記課題を
解決し、案内の精度が高くかつ製造が容易な機構を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の被移送体の案内
機構は、フレームに支持した案内軸により被移送体を案
内する案内機構であって、前記案内軸に係合する係合部
を前記被移送体に固定し、前記フレームに前記案内軸と
平行な摺接面を設け、前記被移送体から延出した延出部
に接触子を取り付け、該接触子を前記摺接面に摺接させ
たことを特徴とする。
【0008】上記構成においては、被移送体に固定した
係合部が案内軸に係合することにより、被移送体が案内
軸に案内される。案内される際、被移送体の延出部に取
り付けた接触子がフレームの摺接面に摺接して、被移送
体の回転を止める。したがって、被移送体は安定した姿
勢を保持しながら案内軸に案内される。
【0009】この案内機構の有する誤差には係合部や案
内軸等の構成部材の寸法誤差、さらにフレームへの案内
軸の取り付けや、案内軸と摺接面との平行度といった組
み付け誤差がある。これらの寸法誤差や組み付け誤差に
より、案内軸は実際には微小角度で傾いている。このた
め被移送体の移送に伴い被移送体が案内軸の傾き方向に
移動する。ところが、被移送体の接触子は摺接面に摺接
するだけであるから、案内軸の傾き方向への被移送体の
移動が規制されない。したがって、こじり等による無理
な力が係合部や案内軸等の各構成部材に作用しない。
【0010】以上のように接触子が摺接面を移動するこ
とで誤差の影響が排除されるが、被移送体の案内方向に
関しては、案内軸の微小角度の傾きは実質的に無視でき
る程度の位置の誤差しか与えない。この結果、各構成部
材の寸法精度や組み付け精度が高くなく誤差がさほど小
さくなくても、被移送体が案内軸に高精度でスムースに
案内される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の被移送体の案内機
構をミシンの刺繍枠送り装置に適用した実施例を説明す
る。図1に示すように、刺繍枠送り装置1はミシンMの
ベッドBの側面に合体し、刺繍枠3をミシンMの針板の
上面に支持する。ミシンMの押え棒5には予め刺繍用の
押え足7が装着されている。刺繍枠送り装置1は刺繍枠
3の移動のために、X軸方向移送機構9とY軸方向移送
機構11とを備える。X軸方向移送機構9は移送体13
をX軸方向に位置決め制御し、移送体13に内蔵された
Y軸方向移送機構11が刺繍枠3の支持部15をY軸方
向に位置決め制御する。こうした刺繍枠3のXY軸の位
置決め制御と、ミシンMの針棒17に取り付けた縫針1
9の上下運動とが共に働いて、刺繍が形成される。上記
Y軸方向移送機構9に本発明の被移送体の案内機構が適
用されている。
【0012】以下、X軸方向移送機構9とY軸方向移送
機構11とを順に説明する。
【0013】X軸方向移送機構9は、2本の平行なX案
内軸21,23を備える。2本のX案内軸21,23に
移送体13が架け渡される。ケース外部に露出した移送
体13をX軸方向移送機構9により移動するため、ケー
スにはX軸方向に長孔25が形成されている。2本のX
案内軸21,23の内側には2本のタイミングベルト2
7,29が張設される。2本のタイミングベルト27,
29はX案内軸21,23の直交方向に配置された駆動
軸31により回動される。駆動軸31はモータ33によ
り回動する。まず、このX軸方向移送機構9を以下に詳
細に説明する。図2の平面図に示すように、2本のX案
内軸21,23は平行に支持される。X案内軸21は、
図3の拡大平面図と、図3をA−A線で切断した断面図
である図4とに示すように、底板35に立設したフレー
ム37に軸止め板41,43によって支持される。ま
た、X案内軸23は、図5の拡大図と、図5をB−B線
で切断した断面図である図6とに示すように、底板35
に立設したフレーム39に軸の一方の端部が軸止め板4
5によって支持される。X案内軸23の他方の端部はフ
レーム39に高さ調節板49を介して支持される。高さ
調節板49には、フレーム39に回動自在に支持した調
節ネジ47が噛合する。つまり調節ネジ47の回動によ
り高さ調節板49の高さが変更される。高さ調節板49
の高さを変更することでX案内軸23の高さ方向の傾き
の微調整がなされる。変更された高さ調節板49の位置
は締めネジ51の締めつけで固定される。
【0014】次に駆動系を説明する。
【0015】図2の平面図および図7の左側面図に示す
ように、底板35に立設した側板53に球メタル55,
57が保持部材59,61により固定されている。この
球メタル55,57に駆動軸31が回動自在に支持され
る。駆動軸31の両端には駆動プーリ63,65が取り
付けられる。また、駆動軸31には、駆動プーリ63と
の間に上記球メタル55を密に挟むようにしてセットカ
ラー67が固定されている。これにより駆動軸31の軸
方向の位置が移動しない。駆動軸31の中間には大径ギ
ヤ69が固定される。大径ギヤ69には中間ギヤ71が
噛合する。中間ギヤ71にはパルスモータ33の駆動軸
に固定した駆動ギヤ73が噛合する。これらギヤ69,
71,73によりパルスモータ33の駆動軸の回転運動
が駆動軸31に伝達される。
【0016】駆動軸31の両側の駆動プーリ63,65
にはタイミングベルト27,29が架けられる。そし
て、図2に示すように、タイミングベルト27,29は
X案内軸21,23の内側に平行に、テンションプーリ
75,77との間に架け渡される。テンションプーリ7
5,77は、図3および図5に示すように、プーリ支持
板79,81に支持される。プーリ支持板79,81は
底板35から立設した補助板83,85にX方向にスラ
イド可能に組み付けられる。プーリ支持板79,81に
は、補助板83,85に回動自在に支持した調節ネジ8
7,89が噛合する。つまり調節ネジ87,89を回動
することでプーリ支持板79,81のX方向の位置が変
更される。プーリ支持板79,81の位置変更によりタ
イミングベルト27,29の張力が調節される。位置変
更後のプーリ支持板79,81は締めネジ91,93の
締めつけで固定される。
【0017】以上、X案内軸21,23、タイミングベ
ルト27,29等を説明したが、実施例では、図4およ
び図6に示すように、上記タイミングベルト27,29
の上側のベルトの厚みの中心線(Cb)と、X案内軸2
1,23の中心線(Ca)とが同一高さに配置され、同
一平面(図7:符号H)に存在する。
【0018】次に、X案内軸21,23に架け渡される
移送体13を説明する。
【0019】移送体13は、図8の左側面図に示すよう
に、略コ字状のフレーム構造を備える。両側には2本の
脚部95,97を有する。脚部95,97の下部外側に
は、X案内軸21が挿入される第1スライドガイド99
と、X案内軸23が挿入される第2スライドガイド10
1とが構成される。第1スライドガイド99は、図8を
C視した図9に示すように、長い円筒状のガイドで、脚
部95にねじ止めされている。
【0020】第2スライドガイド101は、図8、およ
び図8をD視した図10に示すように、両側にフランジ
部101aを持つ短い円筒状のガイドである。第2スラ
イドガイド101は2個使用され、脚部97の両側に設
けた2組の一対の挟持爪103により挟持される。第2
スライドガイド101のフランジ部101aは、図10
に示すように、挟持爪103の両面に密接しており、X
方向に関してはフランジ部101aと挟持爪103との
間にすき間がない。これに対して、図8に示すように、
X案内軸23の直交方向である水平方向に関しては、挟
持爪103と第2スライドガイド101との間に遊びが
ある。したがって、第2スライドガイド101は挟持爪
103に挟持された状態で、水平方向に関して若干位置
をずれることができる。
【0021】以上のようにして脚部95,97の外側に
は第1スライドガイド99,第2スライドガイド101
が構成される。
【0022】上記脚部95,97の内側には、タイミン
グベルト27,29との固定構造が備えられる。脚部9
5の下部内側には、図8をE−E線で切断した断面図で
ある図11に示すように、タイミングベルト27を挟持
するベルト押え105とベルト押え板107とが締めね
じ109,111により固定される。ベルト押え105
は表面が歯面形状に形成されており、タイミングベルト
27の内周側からタイミングベルト27を押さえる。ベ
ルト押え板107は、タイミングベルト27の外周面の
上側からタイミングベルト27を押さえる。
【0023】同様に、脚部97の下部内側には、図8を
F視した図12に示すように、タイミングベルト29を
挟持するベルト押え113と、ベルト押え板115とが
締めねじ117,119により固定される。ベルト押え
113は表面が歯面形状に形成されており、タイミング
ベルト29の内周側からタイミングベルト27を押え
る。ベルト押え板115は、タイミングベルト29の外
周面の上側からタイミングベルト29を押える。
【0024】以上説明したX軸方向移送機構9は以下の
ように作用する。
【0025】パルスモータ33の回転制御に応じて駆動
軸31が回転し、2本のタイミングベルト27,29が
移動する。各タイミングベルト27,29に移送体13
の脚部95,97が固定してあるので、タイミングベル
ト27,29の移動にともなって移送体13は、2本の
X案内軸21,23に案内されながら移動する。
【0026】このX軸方向移送機構9の有する誤差に
は、X案内軸21,23、移送体13の脚部95,9
7、第1スライドガイド99、第2スライドガイド10
1、挟持爪103等の構成部材の寸法誤差、さらに、こ
れら各構成部材の組み付け誤差(2本の案内軸21,2
3の水平方向の平行度など)がある。なお、案内軸2
1,23の高さ方向の平行度は、案内軸23の高さ調節
機構(高さ調節板49)により調節され、是正されてい
る。
【0027】このようにX軸方向移送機構9には寸法誤
差や組み付け誤差があるため、移送体13の位置によっ
て、2本のX案内軸21,23の間隔は若干異なる。と
ころが、挟持爪103と第2スライドガイド101との
間に設けたX案内軸23の直交方向の遊びにより、2本
のX案合い軸21,23の間隔の変化にあわせて、第2
スライドガイド101がずれる。この結果、第1スライ
ドガイド99や第2スライドガイド101、X案内軸2
1,23、移送体13等の各構成部材には、間隔の不一
致に基づくこじり等が発生せず無理な力が作用しない。
【0028】以上のようにして遊びにより誤差の影響が
排除されるが、挟持爪103と第2スライドガイド10
1との間の遊びはX案内軸23の直交方向であり、X案
内軸23の軸方向に関しては、挟持爪103とスライド
ガイド101とが密接している。したがって、移送体1
3を移送するX方向に関しては挟持爪103と第2スラ
イドガイド101とが一体に移動し、ずれが生じない。
X方向の移送の精度は高いといえる。即ち、各構成部材
の寸法精度や組み付け精度が高くなく誤差がさほど小さ
くなくても、移送体13は高い精度で円滑にX方向に案
内される。
【0029】また、タイミングベルト27,29の上側
のベルトの中心線(Cb)と、X案内軸21,23の中
心線(Ca)とは同一高さである。したがって、2本の
タイミングベルト27,29によって伝達される駆動力
の作用位置がX案内軸21,23と同じ高さにあり、X
案内軸21,23やタイミングベルト27,29に偶力
が発生しない。したがって、移送体13の動作が一層安
定したスムースなものとなる。
【0030】次に、本発明が適用されたY軸方向移送機
構11を説明する。
【0031】Y軸方向移送機構11は、図1に示すよう
に移送体13に内蔵される。Y軸方向移送機構11は1
本のY案内軸121を備える。Y案内軸121により、
刺繍枠3を支持する支持部15が案内される。Y案内軸
121のすぐ後ろには、支持部15をY方向に移動させ
るタイミングベルト123が張設される。タイミングベ
ルト123はモータ125により回動される。このY軸
方向移送機構11を以下に詳細に説明する。
【0032】図8に示すように、Y軸方向移送機構11
は既述した略コ字状のフレーム構造に内蔵される。フレ
ーム構造は2本の脚部95,97とキャリッジ板127
とから主に構成される。キャリッジ板127は脚部95
にスタッド129を介して皿ねじ131で固定され(図
13平面図参照)、脚部97にねじ133により固定さ
れる。なお、図8は図13をG−G線で切断した断面図
である。
【0033】キャリッジ板127の前部は、図13をH
−H線で切断した断面図である図14に示すように、Y
案内軸121をY方向に支持する。Y案内軸121の一
方の端部はスペーサ135を挟んでネジ137によりキ
ャリッジ板127に固定される。Y案内軸121の他方
の端部は脚部97の板材を挟んでネジ139によりキャ
リッジ板127に固定される。
【0034】Y案内軸121のすぐ後ろに張設されたタ
イミングベルト123は、キャリッジ板127に回動自
在に支持した駆動プーリ141およびテンションプーリ
143との間に架け渡される。
【0035】駆動プーリ141は、図13をI−I線で
切断した断面図である図15に示すように、キャリッジ
板127に固定した軸145に回動自在に支持される。
駆動プーリ141にはギヤ147が一体に形成されてい
る。ギヤ147には2段ギヤ149が噛合し、2段ギヤ
149には駆動ギヤ151が噛合する。2段ギヤ149
はキャリッジ板127に固定した軸153に回動自在に
支持される。駆動ギヤ151はパルスモータ125の駆
動軸155に固定される。このように動力伝達系を構成
することでパルスモータ125がキャリッジ板127の
下方に配置される。
【0036】テンションプーリ143は、図13をJ−
J線で切断した断面図である図16に示すように、プー
リ支持板159に固定した軸161に回動自在に支持さ
れている。プーリ支持板159はキャリッジ板127に
締めねじ157により固定される。上記軸161にはテ
ンション調節カラー163が回動可能に取り付けられ
る。テンション調節カラー163は偏心した厚肉の円盤
部163Aを有する。この円盤部163Aがキャリッジ
板127の端面127Aに当接する。テンション調節カ
ラー163を専用工具を用いて所望の角度回転させ、偏
心した円盤部163Aの向きを変更すればテンションプ
ーリ143がY方向に若干移動する。つまり、テンショ
ン調節カラー163の回転角度を調節することによりテ
ンションプーリ143と駆動プーリ141との離間距離
が変わり、タイミングベルト123の張力が調節され
る。
【0037】上記タイミングベルト123が張設された
キャリッジ板127の後部には、図8をK−K線で切断
した断面図である図17、および図13をL−L線で切
断した断面図である図18に示すように、断面略コ字状
の屈曲部127Bが形成されている。
【0038】次に、刺繍枠3を支持する支持部15まわ
りの構造を説明する。
【0039】支持部15は、図18に示すように、支持
部フレーム15Aによりキャリッジ板127の前面に配
置される。支持部フレーム15Aは、Y案内軸121が
嵌められたスライドガイド部材165に締めネジ167
により固定される。また、スライドガイド部材165に
はタイミングベルト123の外周面が当たる押圧面16
5Aが形成される。押圧面165Aと対面する側には、
タイミングベルト123の歯面と合致する表面形状を有
するベルト押え169が配置される。ベルト押え169
は、タイミングベルト123を押圧面165A側に押さ
えた状態で、ネジ171によりスライドガイド部材16
5に固定される。
【0040】支持部フレーム15Aの後部には支軸17
3が固定される。支軸173には球形状のコロ173が
回動自在に取り付けられる。コロ175は、キャリッジ
板127の屈曲部127Bの摺接面127Cに接する。
摺接面127CはY案内軸121と平行になるように形
成されている。
【0041】以上説明したY軸方向移送機構11は以下
のように作用する。
【0042】パルスモータ125の回転制御に応じて駆
動プーリ141が回動し、タイミングベルト123が移
動する。タイミングベルト123には支持部フレーム1
5Aが固定してあるので、タイミングベルト123の移
動にともない支持部5が、Y案内軸121により案内さ
れながら移動する。この時、コロ175がキャリッジ板
127の摺接面127Cに摺接することにより、支持部
15のY案内軸123まわりの回転が止められる。した
がって、支持部15は安定した姿勢を保持しながらY案
内軸121に沿って案内される。
【0043】このY軸方向移送機構11の有する誤差に
は支持部フレーム15Aや、Y案内軸121、キャリッ
ジ板127の摺接面127C、スライドガイド部材16
5等の各構成部材の寸法誤差、さらに支持部フレーム1
5Aとスライドガイド部材165との固定や、キャリッ
ジ板127へのY案内軸121の固定、Y案内軸121
とキャリッジ板127の摺接面127Cとの平行度とい
った組み付け誤差がある。これらの寸法誤差や組み付け
誤差により、Y案内軸121は実際には微小角度で傾い
ている。このため支持部15の移送に伴い支持部15が
理論上の軌跡よりずれて移送される。このとき支持部1
5のコロ175は摺接面127Cに摺接するだけである
から、支持部15が理論上の軌跡よりずれるのを何ら阻
まない。したがって、無理な力が各構成部材に作用しな
い。
【0044】以上のようにコロ175が摺接面を移動す
ることで誤差の影響が排除されるのであるが、支持部1
5の案内方向に関してはY案内軸121の傾きが微小角
度であるから実質的に無視できる程度のY方向の位置の
誤差しか与えない。即ち、各構成部材の寸法精度や組み
付け精度が高くなく誤差がさほど小さくなくても、支持
部15がY方向にスムースに移送される。
【0045】以上説明した刺繍枠送り装置1によれば、
そのY軸方向移送機構11は各構成部材の寸法誤差や組
み付け誤差があっても、コロ175の移動により誤差の
影響を排除できるから、支持部15を高い精度で円滑に
Y方向に移送することができるという効果を奏する。し
たがって、構成部材の加工や組み付け、調整作業が容易
になる。
【0046】また、実施例ではコロ175が球面を有し
ているので、Y案内軸121が水平および垂直のどちら
に傾いていても、コロ175が摺接面127Cに安定し
て接するから、上記効果が一層発揮される。
【0047】さらに、パルスモータ125が下方に位置
するから、移送体13の重心が下方になり、移送体13
の動作が安定する。また、外観に表れる移送体13が小
さくなり、当該刺繍枠送り装置1をミシンMに装着した
際の外観を良好にすることができる。
【0048】以上実施例を説明したが、本発明は実施例
に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲において種々なる態様で実施しえることは勿論
である。例えば本発明を刺繍枠送り装置以外の案内装置
に適用してもよい。案内軸は実施例のような丸軸に限ら
ず、案内する軌跡が凹凸により形成されたものでもよ
い。係合部は実施例のように軸が挿入される構成でなく
とも、軸に係合する構成であればよい。接触子は実施例
のように球面でなくても円筒状でもよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の被移送体
の案内機構によれば、接触子を用いることで誤差の影響
を吸収する構成としたから、部材の寸法精度や組み付け
精度が高くなく誤差がさほど小さくなくても、被移送体
の案内の精度が高くなる。したがって、製造が容易とな
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被移送体の案内機構を適用した刺繍枠
送り装置の斜視図である。
【図2】刺繍枠送り装置のX軸方向移送機構の平面図で
ある。
【図3】X案内軸21まわりの構成を示す平面図であ
る。
【図4】図3をA−A線で切断した断面図である。
【図5】X案内軸23まわりの構成を示す平面図であ
る。
【図6】図5をB−B線で切断した断面図である。
【図7】駆動軸31まわりの構成を示す平面図である。
【図8】移送体の構造を示す移送体の左側面図である。
【図9】図8をC視した要部拡大図である。
【図10】図8をD視した要部拡大図である。
【図11】図8をE−E線で切断した断面図である。
【図12】図8をF視した要部拡大図である。
【図13】Y軸方向移送機構の平面図である。
【図14】図13をH−H線で切断した断面図である。
【図15】図13をI−I線で切断した断面図である。
【図16】図13をJ−J線で切断した断面図である。
【図17】図8をK−K線で切断した断面図である。
【図18】図13をL−L線で切断した断面図である。
【符号の説明】
3 刺繍枠 9 X軸方向移送機構 11 Y軸方向移送機構 13 移送体 15 刺繍枠3の支持部 21 X案内軸 23 X案内軸 27 タイミングベルト 29 タイミングベルト 121 Y案内軸 123 タイミングベルト 127C 摺接面 175 コロ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 被移送体の案内機構
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被移送体の案内機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の案内機構として、例えば
家庭用ミシンに着脱する刺繍枠送り装置に適用された案
内機構がある(実開昭57−39877号公報,特開平
2−80084号公報)。刺繍枠送り装置は2軸の案内
機構を備えており、与えられたデータに基づいて刺繍枠
を2軸方向に移動し位置決めする。この刺繍枠送り装置
による刺繍枠の移動と、ミシンの縫針の上下運動とが共
に働くことで、刺繍枠に装着した加工布に所望の刺繍が
施される。
【0003】従来のこの刺繍枠送り装置が備える2軸の
案内機構は、例えばガイドレールとこれに係合するガイ
ドとの組合せ(実開昭57−39877号公報)や、長
孔とこれに嵌まるピンとの組合せ(特開平2−8008
4号公報)から構成されている。案内機構が案内する刺
繍枠の保持部材は各種の駆動機構(ボールねじや、ワイ
ヤ、ラックとピニオン、タイミングベルト等)により移
動される。
【0004】上記従来の案内機構ではガイドレールとガ
イドの係合精度、あるいは長孔とピンの係合精度に刺繍
枠の案内の精度が依存する。したがって、案内機構のガ
イドレール等の構成要素には高い寸法精度が要求され
る。また、組み付け時には平行度や直角度などの微妙な
調整を行なう必要がある。もし部品の寸法精度や組み付
け精度が低くて誤差が大きければ円滑に動作しなくなる
だけでなく、刺繍枠の位置決めが正確でなくなり刺繍の
形が崩れてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の案内機構は
上述のように部品に寸法精度の高いものを使用し、さら
に組み付け精度も高くしなければならず、製造が容易で
ないという問題がある。また、長孔とピンとを組み合わ
せた構成では、長期使用によりガタが発生し、ガタによ
り刺繍の形が崩れたり騒音を発生したりするおそれがあ
る。
【0006】本発明の被移送体の案内機構は上記課題を
解決し、案内の精度が高くかつ製造が容易な機構を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
被移送体の案内機構は、平面状の被加工面を有する被
加工物が装着されて加工に伴う外力ないしは装着に伴う
外力が加わる第2の被移送体が連結される被移送体を、
被加工面の平面に平行な方向に案内する、被移送体の案
内機構において、矩形状のフレームと、前記フレームの
長手方向に平行に前記フレームに支持された案内軸と、
前記被移送体に固定されるとともに前記案内軸に係合し
て前記被移送体を案内軸に沿ってガイドする係合部と、
前記案内軸に平行に前記フレームに形成された摺接面
と、前記被移送体から延出した延出部に取り付けられて
前記摺接面に摺接可能な接触子とを備え、前記案内軸
は、前記被加工面の垂直方向から見て、前記第2の被移
送体と前記摺接面との間に配置されていることを特徴と
している。
【0008】上記構成においては、平面状の被加工面を
有する被加工物が装着されて加工に伴う外力ないしは装
着に伴う外力が加わる第2の被移送体が連結された被移
送体に固定した係合部が案内軸に係合することにより、
被移送体が案内軸に案内される。案内される際、被移送
体の延出部に取り付けた接触子がフレームの摺接面に摺
接して、被移送体の回転を止める。したがって、被移送
体は安定した姿勢を保持しながら案内軸に案内され、
れにともない第2の被移送体及び被加工物も被移送体と
ともに安定した姿勢を保持しながら移動する。
【0009】この案内機構の有する誤差には係合部や案
内軸等の構成部材の寸法誤差、さらにフレームへの案内
軸の取り付けや、案内軸と摺接面との平行度といった組
み付け誤差がある。これらの寸法誤差や組み付け誤差に
より、案内軸は実際には微小角度で傾いている。このた
め被移送体の移送に伴い被移送体が案内軸の傾き方向に
移動する。ところが、被移送体の接触子は摺接面に摺接
するだけであるから、案内軸の傾き方向への被移送体の
移動が規制されない。したがって、こじり等による無理
な力が係合部や案内軸等の各構成部材に作用しない。
【0010】以上のように接触子が摺接面を移動するこ
とで誤差の影響が排除されるが、被移送体の案内方向に
関しては、案内軸の微小角度の傾きは実質的に無視でき
る程度の位置の誤差しか与えない。この結果、各構成部
材の寸法精度や組み付け精度が高くなく誤差がさほど小
さくなくても、被移送体が案内軸に高精度でスムースに
案内される。
【0011】また、案内軸は、被加工面の垂直方向から
見て、第2の被移送体と摺接面との間に配置されている
ので、第2の被移送体に装着される被加工物に加わる外
力に伴い摺接面に発生する荷重を、案内軸との係合部に
発生する荷重より少なくでき、摺接にともない発生する
摩耗を少なく出来る。
【0012】また、本発明の請求項2に記載の被移送体
の案内機構は、請求項1に記載の被移送体の案内機構に
おいて、前記フレームは前記案内軸に直交する方向へ第
2の移送手段により移送されるとともに、前記被加工物
は第2の移送手段による移送方向ならびに前記案内軸に
ともに略平行になるように装着される。
【0013】上記構成によれば、被加工物の加工平面を
任意の方向に移送できるとともに、移動に伴う被加工物
の移動空間を少なく出来る。
【0014】また、請求項3に記載の被移送体の案内機
構は、請求項1または請求項2に記載の被移送体の案内
機構において、無端状ベルトと、該無端状ベルトを張設
する駆動プーリーならびに従動プーリーとを備え、被加
工面の垂直方向から見て、案内軸とフレームに形成され
た摺接面との間で該無端状ベルトを張設するとともに、
該無端状ベルトの一部に被移送体を固着して駆動プーリ
の回転により被移送体が移送されるように構成されてい
る。
【0015】上記構成によれば、フレーム上に配置され
る案内軸と摺動面との間に移送のための無端状ベルトを
張設できるので装置が小型にできる。
【0016】また、請求項4に記載の被移送体の案内機
構は、請求項3に記載の被移送体の案内機構において、
無端状ベルトと被移送体とは、張設された無端状ベルト
の案内軸側のベルト部で固着されている。
【0017】上記構成によれば、被移送体を案内軸方向
へ駆動する駆動力が、無端状ベルトの案内軸に近い側で
連結されるので、この駆動力により被移送体へ発生する
回転モーメントを少なくでき、係合部材に発生する応力
を低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の被移送体の案内機
構をミシンの刺繍枠送り装置に適用した実施例を説明す
る。図1に示すように、刺繍枠送り装置1はミシンMの
ベッドBの側面に合体し、刺繍枠3をミシンMの針板の
上面に支持する。ミシンMの押え棒5には予め刺繍用の
押え足7が装着されている。刺繍枠送り装置1は刺繍枠
3の移動のために、X軸方向移送機構9とY軸方向移送
機構11とを備える。X軸方向移送機構9は移送体13
をX軸方向に位置決め制御し、移送体13に内蔵された
Y軸方向移送機構11が刺繍枠3の支持部15をY軸方
向に位置決め制御する。こうした刺繍枠3のXY軸の位
置決め制御と、ミシンMの針棒17に取り付けた縫針1
9の上下運動とが共に働いて、刺繍が形成される。上記
Y軸方向移送機構9に本発明の被移送体の案内機構が適
用されている。
【0019】以下、X軸方向移送機構9とY軸方向移送
機構11とを順に説明する。
【0020】X軸方向移送機構9は、2本の平行なX案
内軸21,23を備える。2本のX案内軸21,23に
移送体13が架け渡される。ケース外部に露出した移送
体13をX軸方向移送機構9により移動するため、ケー
スにはX軸方向に長孔25が形成されている。2本のX
案内軸21,23の内側には2本のタイミングベルト2
7,29が張設される。2本のタイミングベルト27,
29はX案内軸21,23の直交方向に配置された駆動
軸31により回動される。駆動軸31はモータ33によ
り回動する。まず、このX軸方向移送機構9を以下に詳
細に説明する。図2の平面図に示すように、2本のX案
内軸21,23は平行に支持される。X案内軸21は、
図3の拡大平面図と、図3をA−A線で切断した断面図
である図4とに示すように、底板35に立設したフレー
ム37に軸止め板41,43によって支持される。ま
た、X案内軸23は、図5の拡大図と、図5をB−B線
で切断した断面図である図6とに示すように、底板35
に立設したフレーム39に軸の一方の端部が軸止め板4
5によって支持される。X案内軸23の他方の端部はフ
レーム39に高さ調節板49を介して支持される。高さ
調節板49には、フレーム39に回動自在に支持した調
節ネジ47が噛合する。つまり調節ネジ47の回動によ
り高さ調節板49の高さが変更される。高さ調節板49
の高さを変更することでX案内軸23の高さ方向の傾き
の微調整がなされる。変更された高さ調節板49の位置
は締めネジ51の締めつけで固定される。
【0021】次に駆動系を説明する。
【0022】図2の平面図および図7の左側面図に示す
ように、底板35に立設した側板53に球メタル55,
57が保持部材59,61により固定されている。この
球メタル55,57に駆動軸31が回動自在に支持され
る。駆動軸31の両端には駆動プーリ63,65が取り
付けられる。また、駆動軸31には、駆動プーリ63と
の間に上記球メタル55を密に挟むようにしてセットカ
ラー67が固定されている。これにより駆動軸31の軸
方向の位置が移動しない。駆動軸31の中間には大径ギ
ヤ69が固定される。大径ギヤ69には中間ギヤ71が
噛合する。中間ギヤ71にはパルスモータ33の駆動軸
に固定した駆動ギヤ73が噛合する。これらギヤ69,
71,73によりパルスモータ33の駆動軸の回転運動
が駆動軸31に伝達される。
【0023】駆動軸31の両側の駆動プーリ63,65
にはタイミングベルト27,29が架けられる。そし
て、図2に示すように、タイミングベルト27,29は
X案内軸21,23の内側に平行に、テンションプーリ
75,77との間に架け渡される。テンションプーリ7
5,77は、図3および図5に示すように、プーリ支持
板79,81に支持される。プーリ支持板79,81は
底板35から立設した補助板83,85にX方向にスラ
イド可能に組み付けられる。プーリ支持板79,81に
は、補助板83,85に回動自在に支持した調節ネジ8
7,89が噛合する。つまり調節ネジ87,89を回動
することでプーリ支持板79,81のX方向の位置が変
更される。プーリ支持板79,81の位置変更によりタ
イミングベルト27,29の張力が調節される。位置変
更後のプーリ支持板79,81は締めネジ91,93の
締めつけで固定される。
【0024】以上、X案内軸21,23、タイミングベ
ルト27,29等を説明したが、実施例では、図4およ
び図6に示すように、上記タイミングベルト27,29
の上側のベルトの厚みの中心線(Cb)と、X案内軸2
1,23の中心線(Ca)とが同一高さに配置され、同
一平面(図7:符号H)に存在する。
【0025】次に、X案内軸21,23に架け渡される
移送体13を説明する。
【0026】移送体13は、図8の左側面図に示すよう
に、略コ字状のフレーム構造を備える。両側には2本の
脚部95,97を有する。脚部95,97の下部外側に
は、X案内軸21が挿入される第1スライドガイド99
と、X案内軸23が挿入される第2スライドガイド10
1とが構成される。第1スライドガイド99は、図8を
C視した図9に示すように、長い円筒状のガイドで、脚
部95にねじ止めされている。
【0027】第2スライドガイド101は、図8、およ
び図8をD視した図10に示すように、両側にフランジ
部101aを持つ短い円筒状のガイドである。第2スラ
イドガイド101は2個使用され、脚部97の両側に設
けた2組の一対の挟持爪103により挟持される。第2
スライドガイド101のフランジ部101aは、図10
に示すように、挟持爪103の両面に密接しており、X
方向に関してはフランジ部101aと挟持爪103との
間にすき間がない。これに対して、図8に示すように、
X案内軸23の直交方向である水平方向に関しては、挟
持爪103と第2スライドガイド101との間に遊びが
ある。したがって、第2スライドガイド101は挟持爪
103に挟持された状態で、水平方向に関して若干位置
をずれることができる。
【0028】以上のようにして脚部95,97の外側に
は第1スライドガイド99,第2スライドガイド101
が構成される。
【0029】上記脚部95,97の内側には、タイミン
グベルト27,29との固定構造が備えられる。脚部9
5の下部内側には、図8をE−E線で切断した断面図で
ある図11に示すように、タイミングベルト27を挟持
するベルト押え105とベルト押え板107とが締めね
じ109,111により固定される。ベルト押え105
は表面が歯面形状に形成されており、タイミングベルト
27の内周側からタイミングベルト27を押さえる。ベ
ルト押え板107は、タイミングベルト27の外周面の
上側からタイミングベルト27を押さえる。
【0030】同様に、脚部97の下部内側には、図8を
F視した図12に示すように、タイミングベルト29を
挟持するベルト押え113と、ベルト押え板115とが
締めねじ117,119により固定される。ベルト押え
113は表面が歯面形状に形成されており、タイミング
ベルト29の内周側からタイミングベルト27を押え
る。ベルト押え板115は、タイミングベルト29の外
周面の上側からタイミングベルト29を押える。
【0031】以上説明したX軸方向移送機構9は以下の
ように作用する。
【0032】パルスモータ33の回転制御に応じて駆動
軸31が回転し、2本のタイミングベルト27,29が
移動する。各タイミングベルト27,29に移送体13
の脚部95,97が固定してあるので、タイミングベル
ト27,29の移動にともなって移送体13は、2本の
X案内軸21,23に案内されながら移動する。
【0033】このX軸方向移送機構9の有する誤差に
は、X案内軸21,23、移送体13の脚部95,9
7、第1スライドガイド99、第2スライドガイド10
1、挟持爪103等の構成部材の寸法誤差、さらに、こ
れら各構成部材の組み付け誤差(2本の案内軸21,2
3の水平方向の平行度など)がある。なお、案内軸2
1,23の高さ方向の平行度は、案内軸23の高さ調節
機構(高さ調節板49)により調節され、是正されてい
る。
【0034】このようにX軸方向移送機構9には寸法誤
差や組み付け誤差があるため、移送体13の位置によっ
て、2本のX案内軸21,23の間隔は若干異なる。と
ころが、挟持爪103と第2スライドガイド101との
間に設けたX案内軸23の直交方向の遊びにより、2本
のX案合い軸21,23の間隔の変化にあわせて、第2
スライドガイド101がずれる。この結果、第1スライ
ドガイド99や第2スライドガイド101、X案内軸2
1,23、移送体13等の各構成部材には、間隔の不一
致に基づくこじり等が発生せず無理な力が作用しない。
【0035】以上のようにして遊びにより誤差の影響が
排除されるが、挟持爪103と第2スライドガイド10
1との間の遊びはX案内軸23の直交方向であり、X案
内軸23の軸方向に関しては、挟持爪103とスライド
ガイド101とが密接している。したがって、移送体1
3を移送するX方向に関しては挟持爪103と第2スラ
イドガイド101とが一体に移動し、ずれが生じない。
X方向の移送の精度は高いといえる。即ち、各構成部材
の寸法精度や組み付け精度が高くなく誤差がさほど小さ
くなくても、移送体13は高い精度で円滑にX方向に案
内される。
【0036】また、タイミングベルト27,29の上側
のベルトの中心線(Cb)と、X案内軸21,23の中
心線(Ca)とは同一高さである。したがって、2本の
タイミングベルト27,29によって伝達される駆動力
の作用位置がX案内軸21,23と同じ高さにあり、X
案内軸21,23やタイミングベルト27,29に偶力
が発生しない。したがって、移送体13の動作が一層安
定したスムースなものとなる。
【0037】次に、本発明が適用されたY軸方向移送機
構11を説明する。
【0038】Y軸方向移送機構11は、図1に示すよう
に移送体13に内蔵される。Y軸方向移送機構11は1
本のY案内軸121を備える。Y案内軸121により、
刺繍枠3を支持する支持部15が案内される。Y案内軸
121のすぐ後ろには、支持部15をY方向に移動させ
るタイミングベルト123が張設される。タイミングベ
ルト123はモータ125により回動される。このY軸
方向移送機構11を以下に詳細に説明する。
【0039】図8に示すように、Y軸方向移送機構11
は既述した略コ字状のフレーム構造に内蔵される。フレ
ーム構造は2本の脚部95,97とキャリッジ板127
とから主に構成される。キャリッジ板127は脚部95
にスタッド129を介して皿ねじ131で固定され(図
13平面図参照)、脚部97にねじ133により固定さ
れる。なお、図8は図13をG−G線で切断した断面図
である。
【0040】キャリッジ板127の前部は、図13をH
−H線で切断した断面図である図14に示すように、Y
案内軸121をY方向に支持する。Y案内軸121の一
方の端部はスペーサ135を挟んでネジ137によりキ
ャリッジ板127に固定される。Y案内軸121の他方
の端部は脚部97の板材を挟んでネジ139によりキャ
リッジ板127に固定される。
【0041】Y案内軸121のすぐ後ろに張設されたタ
イミングベルト123は、キャリッジ板127に回動自
在に支持した駆動プーリ141およびテンションプーリ
143との間に架け渡される。
【0042】駆動プーリ141は、図13をI−I線で
切断した断面図である図15に示すように、キャリッジ
板127に固定した軸145に回動自在に支持される。
駆動プーリ141にはギヤ147が一体に形成されてい
る。ギヤ147には2段ギヤ149が噛合し、2段ギヤ
149には駆動ギヤ151が噛合する。2段ギヤ149
はキャリッジ板127に固定した軸153に回動自在に
支持される。駆動ギヤ151はパルスモータ125の駆
動軸155に固定される。このように動力伝達系を構成
することでパルスモータ125がキャリッジ板127の
下方に配置される。
【0043】テンションプーリ143は、図13をJ−
J線で切断した断面図である図16に示すように、プー
リ支持板159に固定した軸161に回動自在に支持さ
れている。プーリ支持板159はキャリッジ板127に
締めねじ157により固定される。上記軸161にはテ
ンション調節カラー163が回動可能に取り付けられ
る。テンション調節カラー163は偏心した厚肉の円盤
部163Aを有する。この円盤部163Aがキャリッジ
板127の端面127Aに当接する。テンション調節カ
ラー163を専用工具を用いて所望の角度回転させ、偏
心した円盤部163Aの向きを変更すればテンションプ
ーリ143がY方向に若干移動する。つまり、テンショ
ン調節カラー163の回転角度を調節することによりテ
ンションプーリ143と駆動プーリ141との離間距離
が変わり、タイミングベルト123の張力が調節され
る。
【0044】上記タイミングベルト123が張設された
キャリッジ板127の後部には、図8をK−K線で切断
した断面図である図17、および図13をL−L線で切
断した断面図である図18に示すように、断面略コ字状
の屈曲部127Bが形成されている。
【0045】次に、刺繍枠3を支持する支持部15まわ
りの構造を説明する。
【0046】支持部15は、図18に示すように、支持
部フレーム15Aによりキャリッジ板127の前面に配
置される。支持部フレーム15Aは、Y案内軸121が
嵌められたスライドガイド部材165に締めネジ167
により固定される。また、スライドガイド部材165に
はタイミングベルト123の外周面が当たる押圧面16
5Aが形成される。押圧面165Aと対面する側には、
タイミングベルト123の歯面と合致する表面形状を有
するベルト押え169が配置される。ベルト押え169
は、タイミングベルト123を押圧面165A側に押さ
えた状態で、ネジ171によりスライドガイド部材16
5に固定される。
【0047】支持部フレーム15Aの後部には支軸17
3が固定される。支軸173には球形状のコロ173が
回動自在に取り付けられる。コロ175は、キャリッジ
板127の屈曲部127Bの摺接面127Cに接する。
摺接面127CはY案内軸121と平行になるように形
成されている。
【0048】以上説明したY軸方向移送機構11は以下
のように作用する。
【0049】パルスモータ125の回転制御に応じて駆
動プーリ141が回動し、タイミングベルト123が移
動する。タイミングベルト123には支持部フレーム1
5Aが固定してあるので、タイミングベルト123の移
動にともない支持部5が、Y案内軸121により案内さ
れながら移動する。この時、コロ175がキャリッジ板
127の摺接面127Cに摺接することにより、支持部
15のY案内軸123まわりの回転が止められる。した
がって、支持部15は安定した姿勢を保持しながらY案
内軸121に沿って案内される。
【0050】このY軸方向移送機構11の有する誤差に
は支持部フレーム15Aや、Y案内軸121、キャリッ
ジ板127の摺接面127C、スライドガイド部材16
5等の各構成部材の寸法誤差、さらに支持部フレーム1
5Aとスライドガイド部材165との固定や、キャリッ
ジ板127へのY案内軸121の固定、Y案内軸121
とキャリッジ板127の摺接面127Cとの平行度とい
った組み付け誤差がある。これらの寸法誤差や組み付け
誤差により、Y案内軸121は実際には微小角度で傾い
ている。このため支持部15の移送に伴い支持部15が
理論上の軌跡よりずれて移送される。このとき支持部1
5のコロ175は摺接面127Cに摺接するだけである
から、支持部15が理論上の軌跡よりずれるのを何ら阻
まない。したがって、無理な力が各構成部材に作用しな
い。
【0051】以上のようにコロ175が摺接面を移動す
ることで誤差の影響が排除されるのであるが、支持部1
5の案内方向に関してはY案内軸121の傾きが微小角
度であるから実質的に無視できる程度のY方向の位置の
誤差しか与えない。即ち、各構成部材の寸法精度や組み
付け精度が高くなく誤差がさほど小さくなくても、支持
部15がY方向にスムースに移送される。
【0052】以上説明した刺繍枠送り装置1によれば、
そのY軸方向移送機構11は各構成部材の寸法誤差や組
み付け誤差があっても、コロ175の移動により誤差の
影響を排除できるから、支持部15を高い精度で円滑に
Y方向に移送することができるという効果を奏する。し
たがって、構成部材の加工や組み付け、調整作業が容易
になる。
【0053】また、実施例ではコロ175が球面を有し
ているので、Y案内軸121が水平および垂直のどちら
に傾いていても、コロ175が摺接面127Cに安定し
て接するから、上記効果が一層発揮される。
【0054】さらに、パルスモータ125が下方に位置
するから、移送体13の重心が下方になり、移送体13
の動作が安定する。また、外観に表れる移送体13が小
さくなり、当該刺繍枠送り装置1をミシンMに装着した
際の外観を良好にすることができる。
【0055】以上実施例を説明したが、本発明は実施例
に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲において種々なる態様で実施しえることは勿論
である。例えば本発明を刺繍枠送り装置以外の案内装置
に適用してもよい。案内軸は実施例のような丸軸に限ら
ず、案内する軌跡が凹凸により形成されたものでもよ
い。係合部は実施例のように軸が挿入される構成でなく
とも、軸に係合する構成であればよい。接触子は実施例
のように球面でなくても円筒状でもよい。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の被移送体
の案内機構によれば、接触子を用いることで誤差の影響
を吸収する構成としたから、部材の寸法精度や組み付け
精度が高くなく誤差がさほど小さくなくても、被移送体
の案内の精度が高くなる。したがって、製造が容易とな
るという効果を奏する。
【0057】また、案内軸は、被加工面の垂直方向から
見て、第2の被移送体と摺接面との間に配置されている
ので、第2の被移送体に装着される被加工物に加わる外
力に伴い摺接面に発生する荷重を、案内軸との係合部に
発生する荷重より少なくできるという効果を奏する。
【0058】また、本発明の請求項2に記載の被移送体
の案内機構によれば、被加工物の加工平面を任意の方向
に移送できるとともに、移動に伴う被加工物の移動空間
を少なく出来るので、実施例のように固定的に設置され
たミシンヘッドにより刺繍枠に装着されて平面状に移送
される加工布の表面に刺繍を施すような刺繍ミシンに応
用する場合に、ミシンヘッドと刺繍枠の間隔を狭く設定
できるという効果がある。
【0059】また、請求項3に記載の被移送体の案内機
構によれば、フレーム上に配置される案内軸と摺動面と
の間に移送のための無端状ベルトを張設できるので装置
が小型にできる。
【0060】また、請求項4に記載の被移送体の案内機
構は、請求項3に記載の被移送体の案内機構において、
無端状ベルトと被移送体とは、張設された無端状ベルト
の案内軸側のベルト部で固着されている。
【0061】上記構成によれば、被移送体を案内軸方向
へ駆動する駆動力が、無端状ベルトの案内軸に近い側で
連結されるので、この駆動力により被移送体へ発生する
回転モーメントを少なくでき、係合部材に発生する応力
を低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被移送体の案内機構を適用した刺繍枠
送り装置の斜視図である。
【図2】刺繍枠送り装置のX軸方向移送機構の平面図で
ある。
【図3】X案内軸21まわりの構成を示す平面図であ
る。
【図4】図3をA−A線で切断した断面図である。
【図5】X案内軸23まわりの構成を示す平面図であ
る。
【図6】図5をB−B線で切断した断面図である。
【図7】駆動軸31まわりの構成を示す平面図である。
【図8】移送体の構造を示す移送体の左側面図である。
【図9】図8をC視した要部拡大図である。
【図10】図8をD視した要部拡大図である。
【図11】図8をE−E線で切断した断面図である。
【図12】図8をF視した要部拡大図である。
【図13】Y軸方向移送機構の平面図である。
【図14】図13をH−H線で切断した断面図である。
【図15】図13をI−I線で切断した断面図である。
【図16】図13をJ−J線で切断した断面図である。
【図17】図8をK−K線で切断した断面図である。
【図18】図13をL−L線で切断した断面図である。
【符号の説明】 3 刺繍枠 9 X軸方向移送機構 11 Y軸方向移送機構 13 移送体 15 刺繍枠3の支持部 21 X案内軸 23 X案内軸 27 タイミングベルト 29 タイミングベルト 121 Y案内軸 123 タイミングベルト 127C 摺接面 175 コロ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに支持した案内軸により被移送
    体を案内する案内機構であって、 前記案内軸に係合す
    る係合部を前記被移送体に固定し、前記フレームに前記
    案内軸と平行な摺接面を設け、前記被移送体から延出し
    た延出部に接触子を取り付け、該接触子を前記摺接面に
    摺接させたことを特徴とする被移送体の案内機構。
JP2975899A 1999-02-08 1999-02-08 被移送体の案内機構 Pending JPH11262590A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104736755A (zh) * 2012-10-22 2015-06-24 东海工业缝纫机株式会社 缝制用框的框边限制装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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