JPH11257613A - バーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水冷式バーナの利点を保持し、しかも、炉が
水蒸気爆発を起こす危険のない安全なバーナを提供する
ことである。 【解決手段】 管状をなすバーナ本体１の先端部に備わ
るノズル１０を、炉本体３内の燃焼室２に向けてあるバ
ーナにおいて、バーナ本体１の素材に金属を用い、バー
ナ本体１の全長のうち、炉本体３の外部に突出している
部分の外周に、水冷式の冷却手段５を設けてあることを
特徴とするバーナ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は金属やセッラミック
スの溶解、或いはセラミックスの焼成等の高温度加熱炉
に使用するバーナに関するもので、さらに詳しく言え
ば、管状をなすバーナ本体の先端部に備わるノズルの焼
損を阻止するバーナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】炉内を加熱するバーナは、燃料を、その
燃料の燃焼に最適な量の空気や酸素、或いは酸素を多く
含んだ空気（以下、空気等と総称する）によって燃焼さ
せて、燃焼効率を向上させている。従来の一般的なバー
ナは、供給装置から燃料及び空気等を管状のバーナ本体
内に送出し、バーナ本体の先端部に備わるノズルから燃
焼室内に吐出するように構成されている。ノズルは、高
温に加熱される燃焼室内に向けられている為、焼損しや
すい状況下に置かれていると言えるが、バーナ本体内を
通過する燃料や空気等によって自然に冷却され、焼損を
最小限度に抑えるようになっている。ところが、燃焼室
内の温度を調整する為には、燃料の供給を停止したり、
減らすことを行わなければならず、燃料の供給量を減ら
した状態で、それに合わせて空気等の供給量をも減らす
と、ノズルが燃焼室の熱気で焼損するという問題があっ
た。かといって、燃料の供給量を減らした状態で空気等
の供給を過剰に行うと、焼損は確かに抑えられるが、燃
焼室内の温度が下がるので、燃焼室内の温度を維持する
為に余分な燃料を供給しなけれならず、また、燃焼室の
熱気で空気中の窒素が窒素酸化物になるという問題があ
った。

【０００３】そこで、バーナ本体の全長に亘って、その
外周を水冷式の冷却装置で取り囲んだ構造の水冷式バー
ナが開発された。これは、前記した問題を全て解消する
ものであったが、その反面、バーナ本体の一部であるノ
ズルの外周を冷却水が直接冷やす構造なので、燃焼室に
晒された箇所が破損した場合、そこから水漏れが起こっ
て炉が水蒸気爆発を引き起こす危険性がある。この為、
水冷式バーナでは破損箇所の有無について常時、厳密な
点検が必要とされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、
水冷式バーナの利点を保持し、しかも、炉が水蒸気爆発
を起こす危険のない安全なバーナを提供することであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、管状をなすバ
ーナ本体の先端部に備わるノズルを、炉本体内の燃焼室
に向けてあるバーナにおいて、バーナ本体の素材に金属
を用い、バーナ本体の全長のうち、炉本体の外部に突出
している部分の外周に、水冷式の冷却手段を設けてある
ことを特徴とする。

【０００６】冷却手段を設ける箇所は、炉本体の外部に
突出している部分のうち、必ずしも全長に亘って設ける
必然性はないが、できるだけ炉本体に近い箇所に設ける
ことが、高温化に晒されるノズルを冷却する観点上望ま
しい。また、バーナ本体には熱伝導性に優れた金属、例
えば銅、銅合金等を用いることが好ましく、ノズルには
耐熱性に優れた金属、例えばニッケル、クロム、鉄等の
合金を使用することもある。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明のバーナの一例は図１に示
すように、同心円状に配置された複数本のパイプからな
るバーナ本体１と、バーナ本体１に燃料及び空気等を送
出する供給装置（図示省略）とを備え、燃焼室２を囲む
炉本体３の一部に備わる抜孔４中に、バーナ本体１の先
部を、配設してあることは従来と同一であり、バーナ本
体１の先部より後方箇所、即ち、炉本体３の外部に突出
している露出部分に、水冷式の冷却手段５を設けてある
ことを特徴とする。

【０００８】バーナ本体１は、主管６の全長に亘って、
その外周全周を副管７で間隔を開けて取り囲んであり、
供給装置から主管６内の第一流路８に燃料を送ると共
に、主管６と副管７の間の第二流路９に、空気等（酸素
や通常の空気、或いは酸素を豊富に含んだ空気）を送
り、バーナ本体１の先端部であるノズル１０から（具体
的にいえば開口している主管６の先端と副管７の先端か
ら）、燃焼室２に燃料と空気等を夫々吐出するようにし
てある。

【０００９】冷却手段５は、副管７のうち、炉本体３の
外部に突出している露出部分の略全長に亘って、その外
周全周を導水管１１で間隔を開けて取り囲み、導水管１
１の前端と後端を副管７の外周全周に沿って溶接して副
管７に導水管１１を一体化し、それによって導水管１１
と副管７の間に水路１２を設け、該導水管１１の後部側
に流入口１３を設け、導水管１１の前部側に流出口１４
を設け、両口１３，１４を連結管１５で繋ぎ、連結管１
５の一部に、水の冷却機能と循環機能を兼備した冷却循
環装置１６を介在したものである。なお、冷却水が循環
する方向は図面と全く逆方向であっても良い。

【００１０】図２は本発明のバーナの他の例を示したも
ので、先の例とはバーナ本体１の構造が幾分異なってお
り、それに合わせて冷却手段５を設けたことを特徴とす
る。以下にその構造を説明する。バーナ本体１は、三本
のパイプを同心円状に配置したものであり、より具体的
に言えば、副管７を、その基部（炉本体３の外部に突出
している部分のうち、炉本体３から離れている後方箇
所）を露出して設け、その先端から中間部（炉本体３の
外部に突出している部分のうち、炉本体３に近い前方箇
所）に亘って、その外周全周を補助管１７で間隔を開け
て取り囲む状態に設けると共に、供給装置から、副管７
と補助管１７との間の第三流路１８にも空気等を流す構
造にしてある。そして、冷却手段５は、副管７と補助管
１７の露出している部分、即ち、副管７の基部の外周全
周、並びに補助管１７の中間部の外周全周を、導水管１
１で間隔を開けて取り囲む状態に夫々設け、両導水管１
１，１１に流入口１３，流出口１４を夫々設け、一方の
導水管１１の流出口１３と他方の導水管１１の流入口１
４を連結管１５で夫々繋ぎ、連結管１５の一部に冷却循
環装置１６を設けてある。なお、導水管１１と補助管１
７とを一体化する手法は、前例の導水管１１と副管７と
を一体化した手法と同様であり、また、補助管１７はそ
の基端を、後方の導水管１１とフランジ結合してある。

【００１１】上記したバーナは、主管６の基部の外周に
沿って、副管７の基端を溶接又はネジ接合によって一体
化して設けてあるので、副管７の外周を冷却することに
よって主管６の先部も冷却されることとなり、その焼損
を最小限に押さえることができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明のバーナは、金属からなるバーナ
本体の全長のうち、炉本体の外部に突出している部分を
水冷式の冷却手段で冷やす構造なので、金属の熱伝導に
よってノズルが間接的に冷却され、その結果、ノズルの
焼損を阻止できる有用なものである。また、冷却手段は
炉本体の外部に配置してあるので、燃焼室の熱気に晒さ
れることがなく、従って、冷却手段の耐用期間を長期に
向上でき、しかも、たとえ冷却手段が水漏れしたとして
も燃焼室内に流れ込まないこととなり、炉を安全に運転
できる。さらに、水冷式であるので、環境に問題のある
ガスを発生する恐れがなく、燃料を効率良く使用でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバーナの典型的な構造例を示す要部断
面図である。

【図２】本発明のバーナの他の構造例を示す要部断面図
である。

【符号の説明】

１ バーナ本体 ２ 燃焼室 ３ 炉本体 ５ 冷却手段 １０ ノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管状をなすバーナ本体（１）の先端部に
   備わるノズル（１０）を、炉本体（３）内の燃焼室
   （２）に向けてあるバーナにおいて、 バーナ本体（１）の素材に金属を用い、バーナ本体
   （１）の全長のうち、炉本体（３）の外部に突出してい
   る部分の外周に、水冷式の冷却手段（５）を設けてある
   ことを特徴とするバーナ。