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JPH11254334A - メタルボンド砥石の製造方法 - Google Patents

メタルボンド砥石の製造方法

Info

Publication number
JPH11254334A
JPH11254334A JP11025698A JP11025698A JPH11254334A JP H11254334 A JPH11254334 A JP H11254334A JP 11025698 A JP11025698 A JP 11025698A JP 11025698 A JP11025698 A JP 11025698A JP H11254334 A JPH11254334 A JP H11254334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
metal
component
combustion synthesis
grindstone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11025698A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhide Matsumoto
泰秀 松本
Mitsuyuki Oyanagi
満之 大柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TKX Corp
Original Assignee
TKX Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TKX Corp filed Critical TKX Corp
Priority to JP11025698A priority Critical patent/JPH11254334A/ja
Publication of JPH11254334A publication Critical patent/JPH11254334A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結法に代えて、燃焼合成法によってメタル
ボンド砥石を得る方法を提供する。 【解決手段】 (イ)合成ダイヤモンド等の超砥粒、
(ロ)CuやSn等のメタルボンド粉末、(ハ)Ti,
Zr,Hf,V,Nb及びTaよりなる群から選ばれた
少なくとも1種以上の粉末、(ニ)C,B及びB4Cよ
りなる群から選ばれた少なくとも1種以上の粉末、を均
一に混合する。そして、この混合物を圧縮して成形体を
得る。この成形体を、燃焼合成法によって、燃焼及び焼
結してメタルボンド砥石を得る。(ハ)成分と(ニ)成
分とが発熱反応を起こし、燃焼合成のエネルギー源とな
る。この(ハ)成分と(ニ)成分との発熱反応による温
度は、(ロ)成分等の選択によって、(ロ)成分等が焼
結乃至は溶融し、(イ)成分は劣化乃至は損傷しにくい
適当な範囲に設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼合成法を用い
たメタルボンド砥石の製造方法に関し、特に、簡易な装
置で効率良くメタルボンド砥石を製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、超砥粒を用いた砥石として、
レジンボンド砥石,ビトリファイド砥石及びメタルボン
ド砥石が知られている。レジンボンド砥石は、超砥粒を
熱硬化性樹脂で結合保持したものであり、ビトリファイ
ド砥石は、超砥粒をガラス質で結合保持したものであ
り、メタルボンド砥石は、超砥粒を金属で結合保持した
ものである。メタルボンド砥石は、レジンボンド砥石や
ビトリファイド砥石に比べて、超砥粒の保持力が強く、
研削時又は砥石の切断時に、超砥粒が脱落しにくいとい
う長所がある。また、メタルボンド砥石は、ビトリファ
イド砥石に比べて耐折強度が高く、長寿命であるという
長所もある。更に、メタルボンド砥石は、レジンボンド
砥石に比べて、耐熱性に優れているため、長寿命である
という長所もある。
【0003】このため、メタルボンド砥石は重宝されて
いるが、その製造に長時間を要したり、或いは製造する
ための装置が大がかりになるという欠点があった。即
ち、メタルボンド砥石は、超砥粒と金属粉末との混合圧
縮成形体を焼結法によって製造しているため、昇温、温
度保持、降温に長時間を要し、エネルギー消費量が多く
なるという欠点があった。また、焼結時には加圧(ホッ
トプレス法の場合100〜500kg/cm2、コール
ドプレス法の場合3〜10t/cm2)及び加熱(約5
00℃以上)が施されるため、装置が大がかりになると
いう欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、焼
結法によらずに、燃焼合成法によってメタルボンド砥石
を製造することを検討した。しかし、燃焼合成法の場
合、一般的に、反応温度が高くなりすぎて、超砥粒も損
傷或いは燃焼してしまうということが多かった。本発明
者等は、更に実験を重ねた結果、周期律表の第4又は5
族の金属粉末と、炭素,ホウ素又は炭化ホウ素と、他の
金属粉末を混ぜて燃焼させれば、比較的高温になりにく
いことが判明した。本発明は、このような知見に基づい
てなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(イ)
超砥粒、(ロ)メタルボンド粉末、(ハ)Ti,Zr,
Hf,V,Nb及びTaよりなる群から選ばれた少なく
とも1種以上の粉末、(ニ)C,B及びB4Cよりなる
群から選ばれた少なくとも1種以上の粉末、を均一に混
合した後、圧縮してなる成形体を、燃焼合成法によっ
て、燃焼及び焼結してなることを特徴とするメタルボン
ド砥石の製造方法に関するものである。
【0006】本発明で用いる(イ)超砥粒とは、天然ダ
イヤモンド粉末,合成ダイヤモンド粉末及び立方晶窒化
ホウ素粉末のことを意味している。この中でも、特に、
安価である点及び耐熱性等に優れている点から、合成ダ
イヤモンド粉末を用いるのが好ましい。超砥粒の重量割
合は、任意であるが、一般的には、8〜36重量%であ
るのが好ましい。
【0007】本発明で用いる(ロ)メタルボンド粉末と
しては、従来、メタルボンド砥石においてメタルボンド
粉末として用いられているものであれば、どのようなも
のでも用いることができる。例えば、Cu,Co,N
i,P,Sn,Si,Ti,Zr,Fe等を用いること
ができる。このメタルボンド粉末は、(ハ)成分と反応
し、或いはそれら自身で焼結して、(イ)成分である超
砥粒を保持するものである。本発明においては、メタル
ボンド粉末として、特に、Ni,Sn,Cu及びSiよ
りなる群から選ばれた少なくとも1種以上を用いるのが
好ましい。このうち、Niの少なくとも一部は、(ハ)
成分と反応して焼結するものである。なお、(ハ)成分
と反応して焼結するものとしては、Co及びFeも同様
である。一方、Sn,Cu及びSiは、燃焼合成法にお
ける反応温度で溶融或いは焼結するもので、反応温度の
上昇を抑制するものである。いずれにしても、(ロ)成
分であるメタルボンド粉末は、反応したり、溶融した
り、或いは焼結して、反応温度の上昇を抑制すると共
に、(イ)成分である超砥粒を保持するという役割を果
たすものである。なお、メタルボンド粉末の重量割合
は、他の(イ),(ハ)及び(ニ)成分の重量割合によ
って、適宜決定されるものであり、40〜70重量%程
度であるのが一般的である。
【0008】本発明において用いられる(ハ)成分とし
ては、周期律表の第4又は5族の金属粉末を用いれば良
いが、具体的には、Ti,Zr,Hf,V,Nb及びT
aよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上を用い
る。これらの(ハ)成分は、(ニ)成分と発熱反応を起
こし、燃焼合成法における熱源として用いられるもので
ある。本発明においては、特に、Tiを用いるのが好ま
しい。Tiは、(ニ)成分、特に炭素やホウ素と発熱反
応し、この発熱の際のエネルギーが、メタルボンド粉末
を焼結するのに適したものとなるからである。(ハ)成
分の重量割合は、任意に決定しうる事項であるが、一般
的には、10〜30重量%であるのが好ましい。(ハ)
成分が10重量%未満であると、全体における燃焼量が
少なくなって、燃焼合成法における熱源とするためのエ
ネルギー量が少なくなる恐れがある。また、(ハ)成分
が30重量%を超えると、燃焼量が多過ぎて、(イ)成
分である超砥粒に損傷を与える恐れがある。
【0009】本発明において用いられる(ニ)成分とし
ては、C,B及びB4Cよりなる群から選ばれた少なく
とも1種以上を用いる。(ニ)成分は、上記したよう
に、(ハ)成分と発熱反応を起こし、燃焼合成法におけ
る熱源となるものである。特に、C,B又はB4Cを用
いるのは、これらの粉末が(ハ)成分と発熱反応を起こ
したときのエネルギー量が、(ロ)成分であるメタルボ
ンド粉末を溶融或いは焼結させるのに適しているからで
ある。本発明においては、このような観点から、特に
(ニ)成分としてホウ素を用いるのが好ましい。(ニ)
成分の重量割合は、5〜10重量%であるのが好まし
い。(ニ)成分が5重量%未満であると、燃焼量が少な
くなって、燃焼合成法における熱源とするためのエネル
ギー量が少なくなる恐れがある。また、(ニ)成分が1
0重量%を超えると、燃焼量が多過ぎて、(イ)成分で
ある超砥粒に損傷を与える恐れがある。
【0010】以上の(イ)〜(ニ)成分である各粉末を
均一に混合する。混合する順序として、一般的に、
(ロ)〜(ニ)成分である各粉末を均一に混合した後、
更に(イ)成分である超砥粒を添加、混合するのが好ま
しい。(イ)〜(ニ)成分を一挙に混合することも可能
であるが、この場合には、(イ)成分と(ロ)又は
(ハ)成分とが、粒度差等の影響で、均一に混合されに
くくなる場合がある。このような混合を終えた後、適宜
形状に圧縮して成形体を得る。成形体の形状としては、
例えば、円弧状やホイール形状(環形状)等が一般的で
ある。そして、着火源より、成形体の任意の箇所に着火
して、燃焼合成法による反応を進めれば良い。着火源と
しては、燃焼合成法で用いられている任意のものを用い
れば良いが、例えば、カーボンリボンに交流電流を通し
て、着火源としても良い。また、火花放電や火焔を着火
源としても良い。
【0011】燃焼合成法における反応温度は任意である
が、特に、1,000〜1,700℃の反応温度で燃焼
させるのが、本発明においては好ましい。燃焼反応温度
が1,000℃未満であると、(ロ)成分であるメタル
ボンド粉末が溶融或いは焼結しにくくなる恐れがある。
また、燃焼反応温度が1,700℃を超えると、(イ)
成分である超砥粒が損傷を受ける恐れがある。また、燃
焼合成法は、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行われ
る。不活性ガスとしては、窒素やアルゴン等が用いられ
る。燃焼合成法を空気等の活性ガス(酸素)の存在下で
行うと、(イ)〜(ロ)の各成分が酸化等を起こすた
め、砥石として機能しうる焼結体を得ることができない
のである。
【0012】また、本発明においては、得られたメタル
ボンド砥石を、研削機械の基盤等にロウ付けしやすくす
るため、二層構造とするのが好ましい。即ち、(イ)〜
(ニ)成分を均一に混合してなる成形体と、この成形体
の端面(成形体が円弧形状やホイール形状である場合に
は、円弧やホイールの内側端面)に、ロウ付けしやすい
組成を持つ第二成形体(成形体が円弧形状の場合は、第
二成形体も円弧形状であり、ホイール形状の場合は第二
成形体もホイール形状である。)とを積層した二層構造
成形体に、燃焼合成法を適用しても良い。ロウ付けしや
すい組成を持つ第二成形体としては、(イ)成分である
超砥粒に代えて、炭化珪素砥粒を用い、(ロ)〜(ニ)
成分は本発明に係るものと同様のものを用いれば良い。
また、(ロ)成分であるメタルボンド粉末として、Cu
粉末を比較的多量に含有するものを用いても良い。
【0013】以上の如き、燃焼合成法で得られたメタル
ボンド砥石は、従来のメタルボンド砥石と同様の方法で
使用しうるものである。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、周期律表の第4又は5族の金属粉末と、炭素,ホウ
素又は炭化ホウ素とを燃焼させれば、メタルボンド粉末
を良好に溶融乃至は焼結することができ、超砥粒の保持
力に優れたメタルボンド砥石を得られるという知見に基
づくものとして、解釈されるべきである。なお、実施例
中の「%」は、全て「重量%」であることを意味してい
る。
【0015】実施例1 以下の各粉末を準備した。 (1)Ni粉末(粒径3〜5μの範囲) 12.0% (2)Sn粉末(400メッシュパス) 9.1% (3)Cu粉末(325メッシュパス) 36.7% (4)Ti粉末(325メッシュパス) 17.8% (5)B粉末(325メッシュパス) 6.4% (6)合成ダイヤモンド砥粒(粒度60〜80メッシュ)18.0% そして、(1)〜(5)を均一に乾式混合した後、
(6)を添加混合し、金型を用いて円弧形状に圧縮成形
し、成形体を得た。なお、理論的には、(4)のTi粉
末のうち約14.2%は、(5)のB粉末と発熱反応を
起こし、TiB2を生成するものである。また、(4)
のTi粉末のうち約3.6%は、(1)のNi粉末のう
ち約4.5%と反応し、金属間化合物TiNiを生成す
るものである。
【0016】次に、上記(1)〜(6)の各粉末のう
ち、(6)の粉末を炭化珪素砥粒(粒度150メッシュ
パス)に代えた他は、同一の組成のものを準備した。そ
して、上記成形体の円弧内側端面に、これを積層し、再
度圧縮成形した。これによって、上記成形体の内側端面
に第二成形体が積層された、積層成形体が得られた。な
お、この第二成形体は、得られたメタルボンド砥石片を
基盤にロウ付けしやすくするものである。
【0017】この円弧状積層成形体の曲率が変形しない
ように、セラミックス製型内に置き、次いで、積層成形
体に接触させた着火用成形体を介して、カーボンリボン
と面接触させた。そして、更に、円弧状積層成形体の変
形防止のために、セラミックス製型で挟んで、45g/
cm2の重石を用いて固定し、これを真空引きした後ア
ルゴンガスで置換(常圧)した装置内に置いた。その
後、カーボンリボンに交流電流を通して、円弧状積層成
形体に着火し、燃焼合成を開始した。この燃焼合成によ
って、最高温度1417℃(二色高温計による測定)ま
で昇温した。この結果、Ti粉末とB粉末とは発熱反応
を起こし、TiB2を生成した。また、Ti粉末とNi
粉末とが反応し、金属間化合物TiNiを生成した。そ
の他のSn粉末やCu粉末等は溶融乃至は焼結したが、
合成ダイヤモンド砥粒は殆ど損傷することなく、内部に
保持された。以上のようにして、円弧状メタルボンド砥
石片が得られた。この円弧状メタルボンド砥石片の見掛
け比重は5.03g/cm3であり、合成ダイヤモンド
の集中度は100に相当した。なお、集中度とは、普通
砥石における組織に相当するもので、880mg/cm
3を100として定めているものである。
【0018】以上の方法を繰り返して、複数個の円弧状
メタルボンド砥石片を得た後、複数個の円弧状メタルボ
ンド砥石片を組み合わせ、基盤にメタルボンド砥石片の
内端面をロウ付けして、外周180mmΦで厚さ8mm
のホイール状メタルボンド砥石を得た。このホイール状
メタルボンド砥石を用いて、砥石周速2,000m/m
in、テーブルスピード13m/min、ステップ幅
2.5mm、1パスの切り込み20μm、総切り込み量
5mm、TKX社製研削液〔TKX−W−303A(5
0倍希釈)〕で、アルミナセラミックスの平面研削試験
を行った。その結果、実施例1に係るメタルボンド砥石
は、削除率94.0%、研削比344であった。なお、
削除率とは、設定研削厚みに対する、実際に研削された
厚みを百分率で示したものであり、〔(実際に研削され
た厚み)/(設定研削厚み)〕×100で算出されるも
のである。また、研削比とは、実際に研削した際のメタ
ルボンド砥石の磨耗体積に対する、実際に研削された被
研削物(ここではアルミナセラミックス)の体積を百分
率で示したものであり、〔(実際に研削された被研削物
の体積)/(実際に研削した際のメタルボンド砥石の磨
耗体積)〕×100で算出されるものである。
【0019】実施例2 以下の各粉末を準備した。 (1)Ni粉末(粒径3〜5μの範囲) 15.5% (2)Sn粉末(400メッシュパス) 7.8% (3)Cu粉末(325メッシュパス) 31.5% (4)Ti粉末(325メッシュパス) 21.8% (5)B粉末(325メッシュパス) 6.4% (6)合成ダイヤモンド砥粒(粒度60〜80メッシュ)17.0% そして、(1)〜(5)を均一に乾式混合した後、
(6)を添加混合し、金型を用いて円弧形状に圧縮成形
し、成形体を得た。なお、理論的には、(4)のTi粉
末のうち約14.3%は、(5)のB粉末と発熱反応を
起こし、TiB2を生成するものである。また、(4)
のTi粉末のうち約7.5%は、(1)のNi粉末のう
ち約9.1%と反応し、金属間化合物TiNiを生成す
るものである。
【0020】次に、上記(1)〜(6)の各粉末のう
ち、(6)の粉末を炭化珪素砥粒(粒度150メッシュ
パス)に代えた他は、同一の組成のものを準備した。そ
して、上記成形体の円弧内側端面に、これを積層し、再
度圧縮成形した。これによって、上記成形体の内側端面
に第二成形体が積層された、積層成形体が得られた。
【0021】この円弧状積層成形体を用いて、実施例1
と同様の方法で、燃焼合成を開始した。この燃焼合成に
よって、最高温度1465℃(二色高温計による測定)
まで昇温した。この結果、実施例1と同様の反応を起こ
し、円弧状メタルボンド砥石片が得られた。この円弧状
メタルボンド砥石片の見掛け比重は5.16g/cm3
であり、合成ダイヤモンドの集中度は100に相当し
た。この円弧状メタルボンド砥石片を複数個組み合わせ
て、実施例1と同様に、外周180mmΦで厚さ8mm
のホイール状メタルボンド砥石を得、実施例1と同様の
方法で研削試験を行った。その結果、実施例2に係るメ
タルボンド砥石は、削除率99.0%、研削比618で
あった。
【0022】実施例3 以下の各粉末を準備した。 (1)Ni粉末(粒径3〜5μの範囲) 18.8% (2)Sn粉末(400メッシュパス) 6.3% (3)Cu粉末(325メッシュパス) 25.6% (4)Ti粉末(325メッシュパス) 25.3% (5)B粉末(325メッシュパス) 6.4% (6)合成ダイヤモンド砥粒(粒度60〜80メッシュ)17.6% そして、(1)〜(5)を均一に乾式混合した後、
(6)を添加混合し、金型を用いて円弧形状に圧縮成形
し、成形体を得た。なお、理論的には、(4)のTi粉
末のうち約14.2%は、(5)のB粉末と発熱反応を
起こし、TiB2を生成するものである。また、(4)
のTi粉末のうち約11.1%は、(1)のNi粉末の
うち約13.6%と反応し、金属間化合物TiNiを生
成するものである。
【0023】次に、上記(1)〜(6)の各粉末のう
ち、(6)の粉末を炭化珪素砥粒(粒度150メッシュ
パス)に代えた他は、同一の組成のものを準備した。そ
して、上記成形体の円弧内側端面に、これを積層し、再
度圧縮成形した。これによって、上記成形体の内側端面
に第二成形体が積層された、積層成形体が得られた。
【0024】この円弧状積層成形体を用いて、実施例1
と同様の方法で、燃焼合成を開始した。この燃焼合成に
よって、最高温度1468℃(二色高温計による測定)
まで昇温した。この結果、実施例1と同様の反応を起こ
し、円弧状メタルボンド砥石片が得られた。この円弧状
メタルボンド砥石片の見掛け比重は4.995g/cm
3であり、合成ダイヤモンドの集中度は100に相当し
た。この円弧状メタルボンド砥石片を複数個組み合わせ
て、実施例1と同様に、外周180mmΦで厚さ8mm
のホイール状メタルボンド砥石を得、実施例1と同様の
方法で研削試験を行った。その結果、実施例3 に係るメ
タルボンド砥石は、削除率99.1%、研削比844で
あった。
【0025】実施例4 以下の各粉末を準備した。 (1)Ni粉末(粒径3〜5μの範囲) 11.8% (2)Si粉末(200メッシュパス) 1.6% (3)Cu粉末(325メッシュパス) 38.3% (4)Ti粉末(325メッシュパス) 23.7% (5)B粉末(325メッシュパス) 6.4% (6)合成ダイヤモンド砥粒(粒度60〜80メッシュ)18.2% そして、(1)〜(5)を均一に乾式混合した後、
(6)を添加混合し、金型を用いて円弧形状に圧縮成形
し、成形体を得た。なお、理論的には、(4)のTi粉
末のうち約14.1%は、(5)のB粉末と発熱反応を
起こし、TiB2を生成するものである。また、(4)
のTi粉末のうち約9.6%は、(1)のNi粉末と反
応し、金属間化合物TiNiを生成するものである。
【0026】次に、上記(1)〜(6)の各粉末のう
ち、(6)の粉末を炭化珪素砥粒(粒度150メッシュ
パス)に代えた他は、同一の組成のものを準備した。そ
して、上記成形体の円弧内側端面に、これを積層し、再
度圧縮成形した。これによって、上記成形体の内側端面
に第二成形体が積層された、積層成形体が得られた。
【0027】この円弧状積層成形体を用いて、実施例1
と同様の方法で、燃焼合成を開始した。この燃焼合成に
よって、最高温度1432℃(二色高温計による測定)
まで昇温した。この結果、実施例1と同様の反応を起こ
し、円弧状メタルボンド砥石片が得られた。この円弧状
メタルボンド砥石片の見掛け比重は4.79g/cm3
であり、合成ダイヤモンドの集中度は100に相当し
た。この円弧状メタルボンド砥石片を複数個組み合わせ
て、実施例1と同様に、外周180mmΦで厚さ8mm
のホイール状メタルボンド砥石を得、実施例1と同様の
方法で研削試験を行った。その結果、実施例4に係るメ
タルボンド砥石は、削除率95.8%、研削比399で
あった。
【0028】実施例5 以下の各粉末を準備した。 (1)Ni粉末(粒径3〜5μの範囲) 35.7% (2)Ti粉末(325メッシュパス) 40.2% (3)B粉末(325メッシュパス) 5.0% (4)CBN砥粒(粒度120〜140メッシュ) 19.1% そして、(1)〜(3)を均一に乾式混合した後、
(4)を添加混合し、金型を用いて円弧形状に圧縮成形
し、成形体を得た。なお、理論的には、(2)のTi粉
末のうち約11.1%は、(3)のB粉末と発熱反応を
起こし、TiB2を生成するものである。また、(2)
のTi粉末のうち約29.1%は、(1)のNi粉末と
反応し、金属間化合物TiNiを生成するものである。
【0029】次に、上記(1)〜(4)の各粉末のう
ち、(4)の粉末を炭化珪素砥粒(粒度150メッシュ
パス)に代えた他は、同一の組成のものを準備した。そ
して、上記成形体の円弧内側端面に、これを積層し、再
度圧縮成形した。これによって、上記成形体の内側端面
に第二成形体が積層された、積層成形体が得られた。
【0030】この円弧状積層成形体を用いて、実施例1
と同様の方法で、燃焼合成を開始した。この燃焼合成に
よって、最高温度1446℃(二色高温計による測定)
まで昇温した。この結果、実施例1と同様の反応を起こ
し、円弧状メタルボンド砥石片が得られた。この円弧状
メタルボンド砥石片の見掛け比重は4.57g/cm3
であり、CBNの集中度は99.3に相当した。この円
弧状メタルボンド砥石片を複数個組み合わせて、実施例
1と同様に、外周180mmΦで厚さ8mmのホイール
状メタルボンド砥石を得た。そして、このホイール状メ
タルボンド砥石を用いて、砥石周速1,800m/mi
n、テーブルスピード20m/min、ステップ幅2.
5mm、1パスの切り込み5μm、総切り込み量1m
m、TKX社製研削液〔TKX−W−303A(50倍
希釈)〕で、SKH−51(HRc62)の平面研削試
験を行った。その結果、実施例5に係るメタルボンド砥
石は、削除率90.8%、研削比62であった。
【0031】参考例1 以下の各粉末を準備した。 (1)Ni粉末(粒径3〜5μの範囲) 11.8% (2)Sn粉末(400メッシュパス) 14.4% (3)Cu粉末(325メッシュパス) 58.3% (4)合成ダイヤモンド砥粒(粒度60〜80メッシュ)15.5% そして、(1)〜(4)を均一に乾式混合した後、金型
を用いて円弧形状に圧縮成形し、成形体を得た。なお、
(1)〜(3)は、従来の焼結法によるメタルボンド砥
石の製造方法において、一般的に用いられているブロン
ズ系金属である。
【0032】この円弧状成形体の曲率が変形しないよう
に、セラミックス製型内に置き、更にその上にセラミッ
クス製型を置いて挟んだ。そして、このセラミックス製
型を、セラミックス製筒の中に鋳物砂と共に入れて、円
弧状成形体が283kg/cm2の圧力で擬等方圧縮さ
れるようにした。この後、高周波誘導加熱により、上記
(1)〜(3)を焼結させて、円弧状メタルボンド砥石
片を得た。
【0033】得られた複数個の円弧状メタルボンド砥石
片を組み合わせ、基盤にロウ付けして、外周180mm
Φで厚さ8mmのホイール状メタルボンド砥石を得た。
このホイール状メタルボンド砥石を用いて、実施例1と
同様の方法で、アルミナセラミックスの平面研削試験を
行った。その結果、参考例1に係るメタルボンド砥石
は、削除率96.0%、研削比807であった。
【0034】実施例3と、参考例1とを対比すれば明ら
かなように、実施例3に係る燃焼合成法によって、従来
のメタルボンド砥石と同様の性能をものを得ることがで
きる。また、実施例1,2,4及び5は、従来のメタル
ボンド砥石とは性能面において劣るが、いずれも燃焼合
成法によって製造しているため、エネルギー消費量が少
なく、反応装置も簡易なもので良く、従って安価に提供
しうるものである。
【0035】
【作用】本発明に係るメタルボンド砥石の製造方法は、
(ハ)Ti,Zr,Hf,V,Nb及びTaよりなる群
から選ばれた少なくとも1種以上の粉末と、(ニ)C,
B及びB4Cよりなる群から選ばれた少なくとも1種以
上の粉末とを用いると共に、必要であれば(ロ)成分で
あるメタルボンド粉末の種類や量を調整することによっ
て、適当な反応温度が維持でき、燃焼合成法によって、
超砥粒の劣化或いは損傷を少なくしながら、金属を焼結
乃至は燃焼することができる。
【0036】
【発明の効果】即ち、本発明に係る製造方法を採用すれ
ば、燃焼合成法でメタルボンド砥石を得ることができる
のである。従って、燃焼合成法による以下の如き効果
(i)〜(iii)を、メタルボンド砥石の製造方法にお
いて、十分に発揮しうるのである。(i)燃焼合成法は
基本的に自己伝播反応を利用するものであるので、着火
源さえあれば、どのような環境下で行うことができる。
従って、反応装置として、大がかりな加圧装置は不要
で、簡易な装置でメタルボンド砥石を得ることができ
る。(ii)着火源さえあれば、燃焼が開始し、燃焼開始
後は自己エネルギーによって燃焼反応が進行してゆく。
従って、エネルギー消費量は非常に少ない。(iii)燃
焼合成法は、材料の昇温及び高温速度が非常に早い。従
って、短時間でメタルボンド砥石を得ることができる。
そして、このような技術的効果の結果として、安価にメ
タルボンド砥石を市場に供給しうるのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)超砥粒、 (ロ)メタルボンド粉末、 (ハ)Ti,Zr,Hf,V,Nb及びTaよりなる群
    から選ばれた少なくとも1種以上の粉末、 (ニ)C,B及びB4Cよりなる群から選ばれた少なく
    とも1種以上の粉末、 を均一に混合した後、圧縮してなる成形体を、燃焼合成
    法によって、真空又は不活性ガス雰囲気下で燃焼及び焼
    結してなることを特徴とするメタルボンド砥石の製造方
    法。
  2. 【請求項2】(イ)合成ダイヤモンド粉末、 (ロ)Ni,Sn,Cu及びSiよりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種以上のメタルボンド粉末、 (ハ)Ti粉末、 (ニ)B粉末、 を均一に混合した後、圧縮してなる成形体を用いた請求
    項1記載のメタルボンド砥石の製造方法。
  3. 【請求項3】 (イ)が8〜36重量%、(ハ)が10
    〜30重量%、(ニ)が5〜10重量%、(ロ)が残部
    である請求項1又は2記載のメタルボンド砥石の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 燃焼合成法における燃焼反応温度が1,
    000〜1,700℃である請求項1乃至3のいずれか
    一項に記載のメタルボンド砥石の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107020583A (zh) * 2017-04-27 2017-08-08 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 一种硬度均匀超硬磨料油石的制备方法
CN110744465A (zh) * 2019-10-17 2020-02-04 江苏吉星新材料有限公司 一种蓝宝石研磨盘的制备方法

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