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JPH11180336A - 自動車の車体構造 - Google Patents

自動車の車体構造

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JPH11180336A
JPH11180336A JP9350521A JP35052197A JPH11180336A JP H11180336 A JPH11180336 A JP H11180336A JP 9350521 A JP9350521 A JP 9350521A JP 35052197 A JP35052197 A JP 35052197A JP H11180336 A JPH11180336 A JP H11180336A
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JP
Japan
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vehicle body
crushable zone
engine
frame
body structure
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Satoshi Nagasaka
智 長坂
Yasuyuki Sasaki
康之 佐々木
Toru Hori
透 堀
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワンボックス車のように、エンジンがフロン
トシートの下部またはその後部にある自動車にクラッシ
ャブルゾーンを追加すること。 【解決手段】 メインフレーム3のリヤフレーム部8の
前側には、リヤフレーム部8の側部を車体の内方側に凹
ませたビード8aを設けている。ビード8aの後部に
は、メインフレーム3にクロスメンバ14が固定され、
エンジン部12の後部がリヤ側エンジンマウント15を
介在して、リヤフレーム部8に取付けられている。エン
ジン部12の前部は、フロント側エンジンマウント16
を介在して、フロントフレーム部6に取付けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワンボックス車や
トラックのように、キャビンより前のクラッシャブルゾ
ーンが小さい四輪自動車の車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に外力が加わったときに、車体が
部分的に変形することによって運動エネルギーを吸収
し、乗員の負担を緩和する部分として自動車の前部にク
ラッシャブルゾーンを設けている。図12に示す自動車
51は、エンジン52が乗員室53よりも前にあり、バ
ンパー51a、エンジン52及びエンジンルーム54等
の構成部品でクラッシャブルゾーン55を形成してい
る。このような自動車51は、前方から外力が加わった
ときに、エンジンルーム54等のクラッシャブルゾーン
を緩衝材とし、それらが塑性変形することにより運動エ
ネルギーを吸収し、乗員室53の変形を及びにくくして
いる。図13に示すワンボックス車56は、エンジン5
7が乗員室58のフロントシート59の下部にあるた
め、車体の前部に配設したフロントバンパー56aや車
両の構成部品で、クラッシャブルゾーン60を形成して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、エンジン
がフロントシートの下部にあるワンボックス車は、フロ
ントバンパーから乗員室までの距離が短く、クラッシャ
ブルゾーンの長さが大きく取れず、また、エンジンが乗
員室の前部に設けてある自動車のようにエンジンルーム
をクラッシャブルゾーンに配置できないため、外力によ
る運動エネルギーの吸収量が少ない。さらに、この吸収
量の不足分は、乗員室を変形することによって充当させ
る。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ワンボックス車のように、エンジンがフロントシー
トの下部、またはその後部にある車両のクラッシャブル
ゾーンの運動エネルギーの吸収量を大きくし、なおか
つ、その運動エネルギーを吸収させる部位をコントロー
ルする自動車の車体構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、エンジンがフロントシートの下部またはそ
れよりも車体の後部にある形式の自動車であって、車体
の前部に車体の塑性変形によって運動エネルギーを吸収
する前部クラッシャブルゾーンを設けた自動車の車体構
造において、上記前部クラッシャブルゾーンの他に、車
体のフロント座席より後部の任意の部位に、該部位をそ
の前後の部位よりも塑性変形させやすくした中央クラッ
シャブルゾーンを設けている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
自動車の車体構造について、図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明に係る自動車の車体構造を採用して
いる自動車1を示す。自動車1の車体2の下部には、そ
の前後方向に延在する左右一対のメインフレーム3を設
けている。メインフレーム3は、前端部からフロントシ
ート4の下部にわたって、ほぼ水平方向に延びるフロン
トフレーム部6を設け、後部にフロントフレーム部6よ
りも一段高く、かつほぼ水平方向に車体の後輪5の後ろ
まで延びるリヤフレーム部8を設けている。そして、そ
れらのフレーム部6,8の間に車体の後方側を高くする
勾配を形成させたセンターフレーム部7を設けている。
【0007】左右のメインフレーム3の間隔は、図3に
示すように、フロントフレーム部6とリヤフレーム部8
がほぼ平行であり、センタフレーム部7にメインフレー
ム3の間隔を車体の後方側に広くする傾斜を設けてい
る。図2に示すように、メインフレーム3は、上記勾配
部であるセンタフレーム部7の断面dを、フロントフレ
ーム部6、リヤフレーム部8の断面e,fよりも大きく
することで、センターフレーム部7に剛性をもたせてい
る。そして、メインフレーム3の傾斜(間隔)が変化す
るフロントフレーム部6の後端部及びリヤフレーム部8
の前端部(曲がり点)に、車体の幅方向に延びるクロス
メンバ9,10を固着させている。図4は、フロントフ
レーム部6の断面図である。図に示すように、フロント
フレーム部6はコ字形フレーム6aと、その両端部に設
けたフランジにフレームカバー6bが固定され、その内
部には車体の前後方向に延在する補強ビーム11が固定
されている。
【0008】フロントフレーム部6の先端部は図5に示
すように、フレームカバー6cが開口を閉塞し、これに
設けたフランジ部6dがコ字形フレーム6aの内壁に固
着されている。フランジ部6dのフランジ幅は溶接に必
要な部分の幅は大きく、他の部分は小さく形成されてい
る。図6に示すように、フロントフレーム部6の後端部
はセンタフレーム部7と接合され、通常の車両のフロン
トフレーム部の後端部と異なり、長さLだけセンタフレ
ーム部7の内部に挿入させた延長部6eを設け、それら
の接合部を大きくしている。
【0009】図7に示すように、リヤフレーム部8の前
側には、その側部を車体の内方側に凹ませたビード8a
を設けている。ビード8aの後部には、左右のメインフ
レーム3にわたってクロスメンバ14が固定され、エン
ジン部12の後部がリヤ側エンジンマウント15を介在
して、リヤフレーム部8に取付けられている。エンジン
部12の前部は、フロント側エンジンマウント16を介
在して、フロントフレーム部6に取付けられている。な
お、マウントブラケットのマウント方式は、フロント側
エンジンマウント16が主に上下方向、リヤ側エンジン
マウント15は上下が前後方向の荷重を受けるようにす
る。
【0010】図8は、メインフレーム3の上にフロント
フロアパネル17とリヤフロアパネル18が配設されて
いる状態を示す。フロントフロアパネル17は、メイン
フレーム3のセンタフレーム部7の上面に沿ってフロン
トフレーム部6側に配設され、リヤフロアパネル18
は、その前端部に上方への立上がり面18aが形成さ
れ、センターフレーム部7のほぼ後端部からリヤフレー
ム部8に沿って、水平方向にかつ後方側に延在させてい
る。センタフレーム部7の面上に対応するフロントフロ
アパネル17の部位と、リヤフロアパネル18の立上が
り面18aの合わせ目には、補強板19が溶接で固定さ
れている。なお、20はフロントシート4の下部に配設
されたエンジン部12等の点検用開口である。
【0011】図9に示すように、リヤフレーム部8の上
部に設けているフランジの幅を大きくした拡大部8bに
おいて、チドリ足状にリヤフロアパネル18をスポット
溶接し、リヤフレーム部8とリヤフロアパネル18の接
合を強化している。図10に示すように、車体2の各フ
ロントピラー2aの前側には、ステアリングホイール2
1部の変形を防止するためのリンフォースメント22を
設け、キャビンの変形を小さくしている。
【0012】次に、本発明の実施の形態による自動車の
車体構造の作用について説明する。本発明は、車体のフ
ロント座席より後部に、塑性変形により運動エネルギー
を吸収する中央クラッシャブルゾーンを設けている。こ
のクラッシャブルゾーンは種々の形態が考えられるが、
本実施の形態ではメインフレーム3のリヤフレーム部8
にビード8aを設け、該ビード8aを配設することによ
り、外力が加わったときにその部分を塑性変形させやす
くしている。また、ビード8a部をより塑性変形させや
すくするため、フロントフレーム部6とリヤフレーム部
8を湾曲させないで、直線形状にしている。
【0013】一方、ビード8a部以外の部位の変形を抑
えるため、側面視において勾配、かつ平面視において傾
斜しているセンターフレーム部7の断面を大きくして強
度を持たせるとともに、メインフレーム3(図3参照)
の平面視において傾斜している曲がり点にクロスメンバ
9,10を設けている。また、フロントフレーム部6と
センターフレーム部7との接合は、フロントフレーム部
6に延長部6eを設け、それらの接合強度を大きくして
いる。したがって、ビード8a部で塑性変形できるよう
にコントロールすることができる。また、本実施の形態
では、ビード8aの後部にエンジン部12の取付部を設
けているので、減速時におけるエンジン部12の重量が
ビード8aにかかりやすく、その部位の塑性変形をより
させやすくしている。
【0014】こうして、車体の前方向から外力を受けた
場合、従来技術で説明した前部クラッシャブルゾーン部
の塑性変形とともに、ビード8aを設けている部位が塑
性変形することにより、外力による運動エネルギーが吸
収される。一方、メインフレーム3の変形により起因す
る乗員室の変形は、それを生じさせないように、フロン
トフレーム部6に補強ビーム11を設けている。そし
て、フロントフロアパネル17及びリヤフロアパネル1
8の接合部には補強板19を設け、リヤフレーム部8に
は拡大部8bを設け、リヤフロアパネル18との溶接を
強化してキャビンの変形を抑制している。乗員室の前部
は、フロントフレーム部6に補強ビーム11を追加する
ことにより、変形を抑えている。図11は、本実施の形
態における自動車1に前方からの外力が加わったときの
減速度の変化を表しており、車体の減速度を縦軸に、時
間を横軸に表している。線図における実線cの曲線に示
すように、本実施の形態では緩やかな減速度で外部から
の運動エネルギーを吸収することができる。
【0015】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。例え
ば、上記実施の形態では、中央クラッシャブルゾーンに
ビード8aを設け、そのメインフレームの前後の部位よ
りも塑性変形させやすくしたが、塑性変形をさせる方法
は、その部位のメインフレームの板厚を多少薄くするな
ど、他の方法であってもよい。また、メインフレーム3
のセンタフレーム部7に勾配及び傾斜を設けたが、それ
らのいずれかのみを設け、クロスメンバ又はセンタフレ
ームの断面を大きくすることで、その部分の剛性を大き
くしてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、前
部のクラッシャブルゾーンの他に、車体のフロント座席
より後部に、塑性変形により運動エネルギーを吸収する
ための中央クラッシャブルゾーンを設けたので、自動車
に外部からの力が加わったときに、中央クラッシャブル
ゾーンが変形することにより、その外力による運動エネ
ルギーを吸収することができる。車体の前後方向に延在
する一対のメインフレームに、エンジン部を取付けるた
めのエンジンマウントの取付部を設け、該取付部を上記
中央クラッシャブルゾーンの後部に設けることにより、
中央クラッシャブルゾーンの変形がしやすくなる。ま
た、前部クラッシャブルゾーンと中央クラッシャブルゾ
ーン間に、上記一対のメインフレームの間隔を後方側に
広くする傾斜部を設け、該傾斜部の剛性を大きくすると
ともに、該傾斜部を補強するクロスメンバを車体の横方
向に配設したことにより、さらに中央クラッシャブルゾ
ーンの変形が生じやすくなる。またさらに、前部クラッ
シャブルゾーンと中央クラッシャブルゾーン間に、上記
メインフレームを車体の後方側に高くする勾配部を設
け、該勾配部に対応するメインフレームの部位の剛性を
大きくすることにより、さらに中央クラッシャブルゾー
ンの変形が生じやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による自動車の車体構造の
メインフレームの全体を示す概略側面図である。
【図2】図1のメインフレームの前側を示す概略側面図
である。
【図3】本発明の実施の形態による自動車の車体構造の
メインフレームとクロスメンバの全体を示す概略平面図
である。
【図4】図3におけるX−X線方向の断面図である。
【図5】図1のメインフレーム先端部の拡大斜視図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態による自動車の車体構造の
フロントフレーム部とセンターフレーム部の接合部の概
略側面図である。
【図7】本発明の実施の形態による自動車の車体構造の
メインフレームとエンジン部の取付状態を示す概略側面
図である。
【図8】本発明の実施の形態による自動車の車体構造の
フロントフロアパネルとリヤフロアパネルの接合部の斜
視図である。
【図9】本発明の実施の形態による自動車の車体構造の
メインフレームとリヤフロアパネルの接合状態を示す斜
視図である。
【図10】本発明の実施の形態による自動車の車体構造
の自動車のフロントピラー部を示す概略側面図である。
【図11】本発明の実施の形態による自動車の車体構造
を採用した自動車の経過時間に対応した車体の減速度を
示す線図である。
【図12】従来におけるエンジンが乗員室の前にある自
動車のクラッシャブルゾーンを示す側面図である。
【図13】従来におけるエンジンが乗員室のフロントシ
ートの下部にある自動車のクラッシャブルゾーンを示す
側面図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 車体 3 メインフレーム 4 フロントシート 5 後輪 6 フロントフレーム部 7 センタフレーム部 8 リアフレーム部 9,10,14 クロスメンバ 11 補強ビーム 12 エンジン部 17 フロントフロアパネル 19 補強板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンがフロントシートの下部または
    それよりも車体の後部にある形式の自動車であって、車
    体の前部に車体の塑性変形によって運動エネルギーを吸
    収する前部クラッシャブルゾーンを設けた自動車の車体
    構造において、上記前部クラッシャブルゾーンの他に、
    車体のフロント座席より後部の任意の部位に、該部位を
    その前後の部位よりも塑性変形させやすくした中央クラ
    ッシャブルゾーンを設けたことを特徴とする自動車の車
    体構造。
  2. 【請求項2】 車体の前後方向に延在する一対のメイン
    フレームに、上記中央クラッシャブルゾーンを設けると
    ともに、エンジン部を取付けるためのエンジンマウント
    の取付部を設け、該取付部を中央クラッシャブルゾーン
    の後部に設けてなる請求項1に記載の自動車の車体構
    造。
  3. 【請求項3】 上記前部クラッシャブルゾーンと中央ク
    ラッシャブルゾーン間に、上記一対のメインフレームの
    間隔を車体の後方側に広くする傾斜部を設け、該傾斜部
    に対応するメインフレームの部位の剛性を大きくすると
    ともに、該傾斜部を補強するクロスメンバをメインフレ
    ームに配設してなる請求項2に記載の自動車の車体構
    造。
  4. 【請求項4】 上記前部クラッシャブルゾーンと中央ク
    ラッシャブルゾーン間に、上記メインフレームを車体の
    後方側に高くする勾配部を設け、該勾配部に対応するメ
    インフレームの部位の剛性を大きくしてなる請求項2に
    記載の自動車の車体構造。
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