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JPH11171760A - 粉末状吸入用医薬品組成物 - Google Patents

粉末状吸入用医薬品組成物

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JPH11171760A
JPH11171760A JP33414297A JP33414297A JPH11171760A JP H11171760 A JPH11171760 A JP H11171760A JP 33414297 A JP33414297 A JP 33414297A JP 33414297 A JP33414297 A JP 33414297A JP H11171760 A JPH11171760 A JP H11171760A
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JP
Japan
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drug
inhalation
excipient
pharmaceutical composition
fine particles
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JP33414297A
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Yuji Makino
悠治 牧野
Wataru Kinoshita
渉 木下
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】粒径の小さい薬物粒子は粒径の大きい賦形剤表
面に付着することが知られており、この付着力が強すぎ
ると薬物は吸入操作中に賦形剤から分離せず口腟、咽喉
に沈着してしまい期待された薬効を発揮することができ
ない。一方、この付着力が弱すぎると混合粉体を製造す
る過程で薬物が混合容器に付着してしまい損失を生じ
る。薬物微粒子と賦形剤粒子との間の付着力を最適に設
定し、製造効率及び薬効を最大にした粉末状吸入用医薬
品組成物を提供することにある。 【解決手段】 球形度0.90以上に成型された薬物微粒子
と賦形剤とを含んで成る粉末状吸入用医薬品組成物。 【効果】粉末状吸入剤において、薬物粒子を球形に成型
することにより、その気管、気管支、肺への沈着効率を
上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薬物の肺内沈着量が
増加した新規な粉末状吸入用医薬品組成物に関する。更
に詳しくは薬物微粒子を球形に成型することにより薬物
微粒子と賦形剤との付着力が調節され、その結果吸入さ
れた後の薬物微粒子の肺内沈着量が増加した新規な粉末
状吸入用医薬品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】吸入剤とは、口腔あるいは鼻腔から、気
管、気管支、肺胞などの主に下気道へ薬物を投与するこ
とを目的とした製剤である。ここでいう下気道とは気道
のうち、気管、気管支、細気管支、肺胞等と定義され
る。
【0003】吸入剤は、喘息、気管支炎、肺気腫等の胸
部疾患に対する局所投与製剤として実用化されており、
また近年生理活性ペプチド類、蛋白質等を肺胞から全身
血流へ移行させる投与法としても注目を集めている。
【0004】このような吸入剤の剤型として、吸入液
剤、フロンまたは代替フロン製剤、粉末吸入剤の3つが
ある。吸入液剤は通常薬物の水溶液であり、ネブライザ
ーにより霧化されて微少の液滴となって患者の自発呼吸
下で吸入され、気道内に液滴の形で沈着する。フロンま
たは代替フロン製剤は、フロンまたは代替フロンに加圧
下で薬物が分散または溶解された製剤であり、加圧式定
量噴霧吸入器(MeteredDose Inhaler; MDI)と呼ばれる
加圧容器に充填されて用いられる。投与時は、加圧下の
MDIから開放されるとフロンまたは代替フロンが気化
し、溶解・分散していた薬物が通常薬物の微粒子粉末と
なって気道内に沈着する。また、粉末吸入剤は薬物を主
とする微粒子粉末を例えば粉末状組成物として賦形剤な
どとともにブリスター等の容器に充填し、通常患者自身
の吸気により適当な投与器から該容器内の微粒子粉末が
粉末エアロゾル化されて吸入され、薬物粉末として気道
内に沈着する。
【0005】これらの吸入剤の剤型のうち、吸入液剤は
一般に高価で大きく重いネブライザーでの投与がのた
め、また薬液をネブライザーに充填する際に細菌等の混
入の危険があるため、医療機関以外で患者自身が投与す
るには適さない。フロンまたは代替フロン製剤は、投与
器であるMDIが軽量で携帯性がよく、また密封された容
器に製剤が充填されいるが、フロンはオゾン層破壊、代
替フロンは温室効果の要因であり、地球環境を考える上
ではその使用は控えられるべきである。これらに対して
粉末吸入剤は、一般にその投与器は軽量で携帯性がよ
く、また細菌等の混入を防ぐように構成されており、製
剤中に環境破壊に関わるような成分を含まないことか
ら、理想的な吸入剤の剤型であると考えられている。
【0006】さらに粉末吸入剤には次の3種がある。 (1)薬物微粒子と乳糖等から選ばれる該薬物微粒子よ
り粒径の大きい賦形剤粒子とが均一に混合された混合粒
子が適当な容器から気道内に投与されると、賦形剤は口
腔、咽頭あるいは喉頭に沈着するが薬物微粒子のみ気
管、気管支等の下気道にまで到達、沈着する粉末状組成
物。
【0007】(2)薬物微粒子どうしが柔らかく造粒さ
れて比較的大きな粒径となっている粉末状製剤が、適当
な容器から気道内に投与されると飛行中に構成薬物微粒
子に解離され、生成した薬物微粒子が気管、気管支等の
下気道に到達、沈着する粉末状組成物。
【0008】(3)薬物微粒子のみからなる粉末状製剤
で、適当な容器から気道内に投与されると該薬物微粒子
が気管、気管支等の下気道にまで到達、沈着する粉末状
組成物。 これらの中でも薬物量が少ない場合は1回分投与量の粉
末状薬物を分割することが困難であるために(1)のよ
うな薬物と賦形剤との粉末状組成物が使用されることが
多い。
【0009】前述したように(1)のような粉末状組成
物は、吸入された後賦形剤と薬物とが分離しより大きい
粒径の賦形剤は口腔、咽喉に沈着し、より小さい粒径の
薬物のみが気管、気管支、肺にまで到達して沈着し局所
で薬効を発揮するか、あるいは肺から血中に吸収されて
全身作用を発揮することが期待されている。しかし、粒
径の小さい薬物は薬物同士が凝集して粒径の大きい二次
粒子を生成することが知られており、吸入されても気
管、気管支、肺に到達せず口腔、咽喉に沈着してしまう
ことがある。この現象は脂溶性の高い薬物で特に多く認
められる。また更に、粒径の小さい薬物粒子は粒径の大
きい賦形剤表面に付着することが知られており、この付
着力が強すぎると薬物は吸入操作中に賦形剤から分離せ
ず口腔、咽喉に沈着してしまい期待された薬効を発揮す
ることができない。一方、この付着力が弱すぎると混合
粉体を製造する過程で薬物が混合容器に付着してしまい
損失することなどがおきる。特に脂溶性の高い薬物の場
合薬物の混合容器への付着は顕著に認められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薬物
微粒子と賦形剤粒子との間の付着力を最適に設定し、製
造効率及び薬効を最大にした粉末状吸入用医薬品組成物
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、薬物微粒子を球形に成型することにより薬物微
粒子同士の凝集及び薬物微粒子と賦形剤との付着を最適
化することに成功し本発明に到達した。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で「球形」とは、Wadellの
球形度ψS(=πxv 2 / S)で粒子を評価して0.90以上のも
のをいう。なお xvは球体積相当径であるが、本発明で
は実用上フラウンホーファー回折の原理に基づくレーザ
ー回折型粒度分布測定装置で得られる体積平均径を用い
る。Sは粒子の表面積であって、空気透過法またはガス
透過法により測定される比表面積から換算する。また、
本発明で「滑らか」とは、空気透過法またはガス透過法
により測定される比表面積S0(単位重量あたり)が1.75
以下のものをいう。
【0013】粒子間の相互作用を最小にするために粒子
の表面積を最小にすることは当該業者であれば容易に到
達する手段である。従って薬物粒子を球形に成型するこ
と自体は新規ではない。例えば、WO96/09814号明細書に
おいて「少なくとも90%以上が1から10μmの空力学的平
均径を有する球形で滑らかな水溶性材料による治療・診
断用マイクロパーティクル」がクレームされている。し
かし該特許においては球形であることの定義もなく、ま
た球形であることの効果について明らかにする実施例等
の記載もない。粉末状吸入剤において球形に成型された
薬物粒子がその気管、気管支、肺への沈着効率を上昇さ
せることは本発明者らによりはじめて知見された。
【0014】本発明の球形の薬物粒子は気管、気管支、
肺に沈着するためにその粒径が0.5-10μmの範囲にある
必要から通常の造粒では製造できず、噴霧乾燥法、晶析
法、超臨界流体再結晶化法などで製造することができ
る。この中でも噴霧乾燥法がもっとも一般的である。噴
霧乾燥法による本発明の薬物微粒子は、プロピオン酸ベ
クロメタゾン(以下BDPとする)10gを無水エタノール5
00mLに溶解してサンプル溶液を調製し、噴霧乾燥機とし
てGS-31(ヤマトラボテック(株))を用い、ノズル径:
0. 4 mm、入口温度:105℃、出口温度:70-80℃、送液
速度:6.5g/min、熱風風量:0.6 m3/ min、噴霧圧力:
2.5 kg/ cm2、の条件で上記サンプル溶液を噴霧乾燥し
て製造することが出来る。(製造例1) このようにして製造された粉体粒子は回収率50%で得ら
れ、図1に示す走査型電子顕微鏡像に見られる球形粒子
(ψS>0.90)であり、平均径 1.5μm、85%以上が0.5-1
0μmの範囲であった。
【0015】本発明に用いられる薬物は原則としては吸
入薬として使用されるものであれば特に限定されない
が、特に粒子同士が凝集しやすいものが挙げられる。そ
のような例としては脂溶性の高い薬物、あるいは特異的
に凝集性が高い薬物が挙げられる。脂溶性の高い薬物と
しては副腎皮質ホルモン類、性ホルモン類、活性型ビタ
ミンD3類、プロスタグランジン類などが挙げられる。副
腎皮質ホルモン類としては、プロピオン酸ベクロメタゾ
ン、酢酸トリアムシノロン、フルニソリド、ブデソニド
およびプロピオン酸フルチカゾンなど、性ホルモン類と
しては、テストステロン、エストロジェンおよびエスト
ラジオールなど、活性型ビタミンD3類としては、1α, 2
4-ジヒドロキシビタミンD3、1α, 25-ジヒドロキシビタ
ミンD3(カルシフェロール)、カルシポトリオール、1
α-ヒドロキシ- 24-オキソビタミンD3、1α, 25-ジヒド
ロキシビタミンD3-26,23-ラクトン、1α, 25-ジヒドロ
キシビタミンD3-26,23-パーオキシラクトンおよび26,2
6,26,27,27,27-ヘキサフルオロ-1α, 25-ジヒドロキシ
ビタミンD3など、プロスタグランジン類としては、プロ
スタグランジンE1(アルプロスタジル)、プロスタグラ
ンジンF(ジノプロスト)、プロスタグランジンI
2(エポプロステノール)、ベラプロストおよびクリン
プロストなどをが挙げられる。特異的に凝集性が高い薬
物の例としてはインスリン、カルシトニンなどの高分子
量ペプチド類が挙げられる。
【0016】本発明の賦形剤としては通常吸入剤の賦形
剤として使用されるものであれば特に限定されないが、
例えば乳糖、ブドウ糖、マンニトール、果糖、蔗糖、ア
ラビノース、キシリトール、デキストロース、麦芽糖お
よびトレハロースおよびこれらの1水和物や、デキスト
ラン、デキストリン等多糖類が挙げられる。これらの中
でも乳糖が最も一般的に使用される。
【0017】本発明で使用される賦形剤の形状は原則と
しては口腔、咽喉内に沈着するような粒径であればいず
れの形状でもよく、95重量%以上の粒径が、30-150μm
の範囲であることが好ましい。つまり、薬物微粒子と同
様に球形として成型する場合には薬物微粒子と同様な噴
霧乾燥法や特表平4−504427号公報に記載されて
いるような特定の条件での析出法などで造粒される。ま
た、球形に成型しない場合には通常の機械的粉砕法で大
きな粒子から所望の範囲の粒径に調製される。しかし、
賦形剤が特表平4−504427号公報に記載された表
面よりも滑らかでなく、表面にある程度の平面構造を持
っていたり、あるいは多孔状で表面積が大きい形状の方
がより気管、気管支、肺への沈着率が向上することが本
発明者らにより知見されている。
【0018】本発明で使用される薬物量は薬物の薬効の
強さにより変わり、1回分の製剤単位に有効な量が含有
される。
【0019】本発明の薬物と賦形剤との重量比は0.1:9
9.9-50:50の範囲内であり、この割合は薬物量によって
変化する。従って本発明で使用される賦形剤量は薬物量
により変化するが、おおよそ10ng-5mgの範囲内であ
る。
【0020】本発明の医薬品組成物は、上記の製造例1
により得たBDP微粒子 1.0g、および微粉砕乳糖(一水
和物;Pharmatose 200M; DMV社)を100メッシュパス、4
00メッシュオンに篩い分けたもの(以下100-400M乳糖)
61.5gを、V型混合機にて3.5時間混合して製造すること
が出来る。(製造例2)このようにして得られた組成物
から無作為に30サンプルを抽出してそのBDP含量を測定
した結果、CV値が3.1%とほぼ均一に混合されていた。製
造された組成物の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
【0021】
【発明の効果】かくして本発明により気管、気管支、肺
への沈着率が良好な粉末吸入用医薬品組成物が提供さ
れ、その意義は高い。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、こ
れらは本発明を説明するものであって本発明を限定する
ものではない。
【0023】[実施例1] プロピオン酸ベクロメタゾン球形微粒子製剤の吸入効率
評価 本実施例は、製造例1にて得られた球形に成型されたプ
ロピオン酸ベクロメタゾン(以下球形BDP)と100-400M
乳糖(比表面積S0>1.75)を含んでなる混合粉体(1)
の吸入送達上の効果を、以下の対照製剤との比較評価を
実施したものである。 (1) 球形BDP+100-400M乳糖(本発明製剤1) (2) 球形BDP+吸入用乳糖(本発明製剤2) (3) 粉砕BDP+100-400M乳糖(対照製剤1) (4) 粉砕BDP+吸入用乳糖(対照製剤2) ここでいう粉砕BDPとは日本薬局方BDP(藤川(株))で
あり、また吸入用乳糖(Pharmatose 325M, DMV社)とは
再結晶された乳糖一水和物であって、滑らかな表面(S0
<1.75)を有している。(2)から(4)までの製剤
は、製造例2に準じてBDP1.0gと乳糖61. 5gをV型混合
機にて3-4時間混合することにより得た。これらをゼラ
チン3号カプセル(各製剤について)30個に、5mgずつ充
填した。アンダーセンカスケードインパクター2台に、
上記カプセルを充填した投与器Inhalater MTM(ベーリ
ンガー・インゲルハイム社)を2股の インダクション
ポートを介して据え付けた図3に示す装置を用いて、そ
れぞれのカスケードインパクターを1CFM(=28.3L/min)
流量で吸引しながら、15秒間隔で各製剤あたり30個のカ
プセルを吸引させ評価した。各製剤ごとに、BDPについ
て、投与器残存量、カプセル残存量、インダクションポ
ート付着量、インパクターのプレセパレーター、プレー
ト沈着量、バックアップフィルター(BUF)沈着量を高
速液体クロマトグラフィーにて定量した。評価の結果を
表1・2に示す。なおこの評価は25℃、40%RHの条件で
実施した(実施例2〜3も同じ)。得られた値は30カプ
セルの合計値であり、フラクション(括弧内のカプセル
充填量に対する%値)は30カプセルの平均値とみなすこ
とができる。0.65〜5.8μm (Stage2-6)のフラクション
は、製剤中含量に対する臨床における下気道沈着分に相
当する。このフラクションについては本発明製剤である
(1)および(2)は同等であり、これらは対照製剤で
ある(3)および(4)に対して有意に高い値(約1.4
倍)を示した。カプセル残存のフラクションについて
(1)および(2)の製剤は、(3)および(4)の製
剤より有意に低く、しかも(1)<(2)という結果で
あった。また、特にカプセル中残存分の粉体の走査型電
子顕微鏡観察において、(1)と(2)の製剤では多く
の場合、薬物BDP微粒子と乳糖とが分散して存在してい
たのに対して、(3)および(4)の製剤では薬物微粒
子が乳糖に付着したままの粉体、および薬物微粒子同士
が凝集している粉体が多くみられた。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】[実施例2] プロスタグランジンE1球形微粒子製剤の吸入効率評価 プロスタグランジンE1(アルプロスタジル;以下PGE1
をBDPと同じ条件で噴霧乾燥し、球形粒子(ψS>0.9)
を得た。対照粒子としてPGE1を酢酸エチル /ヘプタンに
溶解させて再結晶させ、得られた結晶を乳鉢で粉砕して
球形粒子と同等の粒径(1.9〜2.0μm)の粒子を得た。
実施例1と同様に、球形または粉砕したPGE1粒子と100-
400M乳糖または吸入用乳糖を、重量比0.4:99.6でV型混
合器にて1-2時間混合し、以下の製剤を調製した。 (1) 球形PGE1+100-400M乳糖(本発明製剤3) (2) 球形PGE1+吸入用乳糖球形乳糖(本発明製剤4) (3) 粉砕PGE1+100-400M乳糖(対照製剤3) (4) 粉砕PGE1+吸入用乳糖(対照製剤4) 実施例1と同様に、これら製剤をゼラチン3号カプセル
(各製剤について)90個に、5mgずつ充填した。上記カ
プセルを充填した投与器Inhalater MTM(ベーリンガー
・インゲルハイム社)を据え付けた図3に示す装置を用
いて、それぞれのカスケードインパクターを1CFM(=28.
3L/min)流量で吸引しながら、15秒間隔で各製剤あたり
90個のカプセルを吸引させ評価した。各製剤ごとに、各
部分でのPGE1定量を高速液体クロマトグラフィーにて実
施した。評価の結果を表3・4に示す。0.65〜5.8μm
(Stage2-6)のフラクションは本発明製剤である(1)お
よび(2)は同等であり、これらは対照製剤(3)およ
び(4)に対して有意に高い値を示した。カプセル残存
のフラクションについても実施例1と同傾向であり、
(1)および(2)の製剤は(3)および(4)の製剤
より有意に低く、しかも(1)<(2)という結果であ
った。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】[実施例3] BDP球形微粒子製剤のステンレス缶器壁への付着量評価 直径58mm、高さ750mmの円柱状のステンレス缶(円柱の
底面の一方は開放されている)に、製造例および実施例
1で製造した、(1)球形BDP+100-400M乳糖(本発明
製剤1)、(2)球形BDP+吸入用乳糖(本発明製剤
2)を各々1. 5gをとり、2時間振盪機によって底面直
径方向に振盪した。振盪中はフタをして粉体の飛散を防
いだ。振盪後フタをとり、内容物を取り出した。さらに
ステンレス缶をスパーテルで軽くたたくなどして粉末製
剤を排出した。取り出した(排出した)粉体を電子天秤
にて正確に秤量して、ステンレス缶への仕込み量から粉
体付着・吸着率を算出した。またステンレス缶を5mLの
アセトニトリルにて抽出して高速液体クロマトグラフィ
ーにて定量し、同様に仕込み量から付着・吸着率を算出
した。重量および抽出により算出した値は同等であり、
(1)9%、(2)16%であった。これより球形乳糖より
通常の乳糖を用いたほうが、材料への付着が少ないこと
が示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で製造したBDP球形微粒子の透過型電
子顕微鏡写真を示す。
【図2】製造例2で製造したBDP球形微粒子 / 吸入用乳
糖(重量比 1:61.5)の透過型電子顕微鏡写真を示す。
【図3】実施例1〜2で用いた吸入効率評価装置を示
す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球形度0.90以上に成型された薬物微粒子
    と賦形剤とを含んで成る粉末状吸入用医薬品組成物。
  2. 【請求項2】 薬物が脂溶性薬物である請求項1記載の
    粉末状吸入用医薬品組成物。
  3. 【請求項3】 脂溶性薬物が副腎皮質ホルモン類、性ホ
    ルモン類、活性型ビタミンD3類、プロスタグランジン
    類からなる群から選ばれた1種あるいは2種以上である
    請求項2記載の粉末状吸入用医薬品組成物。
  4. 【請求項4】 賦形剤が乳糖、ブドウ糖、果糖、マンニ
    トール、蔗糖、麦芽糖およびデキストランから選ばれた
    1種あるいは2種以上である請求項1記載の粉末状吸入
    用医薬品組成物。
  5. 【請求項5】 球形に成型された薬物微粒子が噴霧乾燥
    法で製造される請求項1記載の粉末状吸入用医薬品組成
    物。
  6. 【請求項6】 球形に成型された薬物微粒子の80重量%
    以上が0.5-10μmの範囲の粒子径を有し、賦形剤の95重
    量%以上が30-150μmの範囲の粒子径を有する請求項1記
    載の粉末状吸入用医薬品組成物。
  7. 【請求項7】 薬物と賦形剤との重量比が0.1:99.9-50:
    50である請求項1記載の粉末状吸入用医薬品組成物。
  8. 【請求項8】 賦形剤が比表面積S0>1.75の滑らかな表
    面でない請求項1記載の粉末状吸入用医薬品組成物。
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