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JPH11137298A - 細菌毒素遺伝子増幅用オリゴヌクレオチドおよびその用途 - Google Patents

細菌毒素遺伝子増幅用オリゴヌクレオチドおよびその用途

Info

Publication number
JPH11137298A
JPH11137298A JP9312356A JP31235697A JPH11137298A JP H11137298 A JPH11137298 A JP H11137298A JP 9312356 A JP9312356 A JP 9312356A JP 31235697 A JP31235697 A JP 31235697A JP H11137298 A JPH11137298 A JP H11137298A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
nucleic acid
acid sequence
primer
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9312356A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kusumoto
楠本  正博
Akio Sugiyama
明生 杉山
Yoshiaki Nishiya
西矢  芳昭
Fumikiyo Kawakami
川上  文清
Yoshihisa Kawamura
川村  良久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP9312356A priority Critical patent/JPH11137298A/ja
Publication of JPH11137298A publication Critical patent/JPH11137298A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】検体中のベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)の
産生するベロ毒素(VT1または2)遺伝子の検出と同
時にVT1遺伝子またはVT2遺伝子の型別を可能とす
るオリゴヌクレオチドを提供する。 【解決手段】配列番号1および2、または配列番号3お
よび4に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸
配列のうち、少なくとも連続した15塩基よりなる核酸
配列を含有するオリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオ
チドのうち、少なくとも2種をプライマーとして使用す
るVT1遺伝子またはVT2遺伝子の増幅用試薬、該増
幅方法、ならびに、これらの型別を行なう細菌毒素遺伝
子検出法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベロ毒素産生性大
腸菌(Verotoxin-producing Escherichia coli、VTE
Cと略称する)のベロ毒素(Verotoxin、VTと略称す
る)とその変異型遺伝子を特異的に増幅することが可能
なオリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを使用す
るVT遺伝子の増幅用試薬、該増幅方法ならびに該遺伝
子の検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】VTECは腸管出血性大腸菌(Enterohe
morrhagic Escherichia coli、EHECと略称する)と
も呼ばれ、病原性因子としてVTを産生することを特徴
とする病原性大腸菌である。現在、該毒素に関して同一
の毒素が発見の経緯により、VTまたは志賀様毒素(Sh
iga-like toxin、SLTと略称する)など複数の名称で
呼ばれており、そこで生じる混乱を避ける目的で毒素名
を志賀毒素(Shiga toxin、STXと略称する)へ、こ
れに伴い該毒素産生菌のカテゴリー名をVTECまたは
EHECから志賀毒素産生性大腸菌(Shiga toxin-prod
ucing Escherichia coli、STECと略称する)へ統一
すべきという提案が示されている。しかし、これらの名
称の統一は未だ世界的な合意に達していないため、本発
明では毒素名としてVTを、また該毒素産生菌のカテゴ
リー名としてVTECを使用する。したがって、本発明
における名称、VTおよびVTECには、これらと同一
の意味で使用され得るすべての名称が包含される。
【0003】VTECによる感染症の主な症状は出血性
大腸炎に代表される食中毒症状であるが、場合により、
溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome 、H
USと略称する)へと重症化することが知られている。
近年、我が国においても大規模なVTEC集団感染が短
期間のうちに続発し、HUS発症から死亡に至る事例が
多数報告されており、迅速なVTEC検出方法が望まれ
ている。
【0004】現在までに、我が国で分離同定されたVT
ECの大部分は血清型O157:H7であるが、O2
6:H11など、他の血清型のVTECによる集団感染
事例も報告されている。したがって、血清型によるVT
ECの同定を行う場合はO157:H7に限らず、過去
にVTECと同定された様々な血清型に対する抗血清を
用いた試験を行う必要がある。
【0005】さらに、H抗原の同定には数日を要するこ
とから、これらの方法は迅速性および簡便性の高いVT
EC検出法とは言い難い。また、血清型と毒素産生性が
一致しない場合もあることから、VTECの同定には病
原性因子VTを検出する方法がより有効であると考えら
れる。
【0006】VTには、志賀赤痢菌の産生する志賀毒素
と同一構造のベロ毒素1型(VT1)、および生物学的
性状はVT1と類似しているが免疫学的性状が大きく異
なるベロ毒素2型(VT2)が存在し、それぞれについ
て一部抗原性およびアミノ酸配列の異なるバリアントが
知られている。また、これらをコードする遺伝子配列に
ついても解析が進められ、VT1では少なくとも7種
類、VT2では少なくとも21種類の変異型(バリアン
トを含む)遺伝子が報告されている。そこで現在、あら
ゆる生物の糞便または食品または環境中に存在するVT
ECのVT遺伝子を、PCR(polymerase chain react
ion)法を用いて増幅する方法が注目されている。
【0007】現在までに報告されているVT遺伝子増幅
用オリゴヌクレオチド(特開平4−297488号公
報、特開平4−297489号公報、特開平7−828
0号公報)は、1回の増幅により、VT1およびVT2
の両遺伝子の共通配列の増幅によるVT遺伝子の(型別
を伴わない)検出、またはVT1遺伝子の特異配列の増
幅によるVT1遺伝子の検出、またはVT2遺伝子の特
異配列の増幅によるVT2遺伝子の検出のいずれかを行
うものである。したがって、これらのオリゴヌクレオチ
ドを用いて検体中のVT遺伝子の検出と同時にVT1遺
伝子またはVT2遺伝子の型別を行う場合には、1検体
あたり少なくとも2サンプルの反応液による遺伝子の増
幅を行う必要がある。
【0008】VTECの産生するVTの型別を、その検
出と同時に行うことは、感染菌および感染源を特定する
手段として非常に効果的である。さらに、VTECの検
出に迅速性および簡便性が要求されていることを考慮す
ると、VT遺伝子の検出と同時にその型別を行うために
最適化されたオリゴヌクレオチドを用いて遺伝子の増幅
を行うことが、非常に効果的であると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、VT
ECのVTとその変異型遺伝子を特異的に増幅するため
の新規なオリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを
使用して、検体中のVT遺伝子の検出と同時にVT1遺
伝子またはVT2遺伝子の型別を同時に行う方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、VTEC
のVTとその変異型遺伝子に関して、鋭意検討を重ねた
結果、VT1遺伝子とその変異型遺伝子にほぼ特異的な
核酸配列およびVT2遺伝子とその変異型遺伝子にほぼ
特異的な核酸配列を見出し、それらを用いた遺伝子増幅
法を確立し、本発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明は配列番号1または2に
示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のう
ち、少なくとも連続した15塩基よりなる核酸配列を含
有することを特徴とするオリゴヌクレオチドである。
【0012】また、本発明は配列番号3または4に示さ
れる核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち、
少なくとも連続した15塩基よりなる核酸配列を含有す
ることを特徴とするをオリゴヌクレオチドである。
【0013】本発明は少なくとも2種のプライマーが、
配列番号1および2に示される核酸配列または該配列に
相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基
よりなる核酸配列を含有する、ベロ毒素産生性大腸菌の
産生するベロ毒素1型の遺伝子(VT1遺伝子)を増幅
するためのオリゴヌクレオチドであり、一方のプライマ
ーの伸長生成物が、その相補体から分離された場合に、
他方のプライマーの鋳型となるプライマー、熱安定性D
NAポリメラーゼ、dNTPおよび緩衝液を含むことを
特徴とするVT1遺伝子増幅用試薬である。
【0014】また、本発明は少なくとも2種のプライマ
ーが、配列番号3および4に示される核酸配列または該
配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した1
5塩基よりなる核酸配列を含有する、ベロ毒素産生性大
腸菌の産生するベロ毒素2型の遺伝子(VT2遺伝子)
を増幅するためのオリゴヌクレオチドであり、一方のプ
ライマーの伸長生成物が、その相補体から分離された場
合に、他方のプライマーの鋳型となるプライマー、熱安
定性DNAポリメラーゼ、dNTPおよび緩衝液を含む
ことを特徴とするVT2遺伝子増幅用試薬である。
【0015】さらに、本発明は(i)少なくとも2種の
プライマーが、配列番号1および2に示される核酸配列
または該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連
続した15塩基よりなる核酸配列を含有する、VT1遺
伝子を増幅するためのオリゴヌクレオチドであり、一方
のプライマーの伸長生成物が、その相補体から分離され
た場合に、他方のプライマーの鋳型となるプライマー、
および(ii)少なくとも2種のプライマーが、配列番号
3および4に示される核酸配列または該配列に相補的な
核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基よりなる
核酸配列を含有する、VT2遺伝子を増幅するためのオ
リゴヌクレオチドであり、一方のプライマーの伸長生成
物が、その相補体から分離された場合に、他方のプライ
マーの鋳型となるプライマー、(iii)熱安定性DNAポ
リメラーゼ、(iv)dNTPおよび(v) 緩衝液を含むこと
を特徴とするVT1遺伝子、VT2遺伝子またはそれら
の遺伝子増幅用試薬である。
【0016】本発明は少なくとも2種のプライマーとし
て、配列番号1および2に示される核酸配列または該配
列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した15
塩基よりなる核酸配列を含有する、VT1遺伝子を増幅
するためのオリゴヌクレオチドを使用し、一方のプライ
マーの伸長生成物が、その相補体から分離された場合
に、他方のプライマーの鋳型となることを特徴とするV
T1遺伝子の増幅方法である。
【0017】また、本発明は少なくとも2種のプライマ
ーとして、配列番号3および4に示される核酸配列また
は該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続し
た15塩基よりなる核酸配列を含有する、VT2遺伝子
を増幅するためのオリゴヌクレオチドを使用し、一方の
プライマーの伸長生成物が、その相補体から分離された
場合に、他方のプライマーの鋳型となることを特徴とす
るVT2遺伝子の増幅方法である。
【0018】さらに、本発明は少なくとも2種のプライ
マーとして、配列番号1および2に示される核酸配列ま
たは該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続
した15塩基よりなる核酸配列を含有する、VT1遺伝
子を増幅するためのオリゴヌクレオチドを使用し、か
つ、少なくとも2種のプライマーとして、配列番号3お
よび4に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸
配列のうち、少なくとも連続した15塩基よりなる核酸
配列を含有する、VT2遺伝子を増幅するためのオリゴ
ヌクレオチドを使用し、それぞれ、一方のプライマーの
伸長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方
のプライマーの鋳型となることを特徴とするVT1遺伝
子、VT2遺伝子またはそれらの遺伝子の増幅方法であ
る。
【0019】本発明は上記増幅方法で得られた増幅遺伝
子断片の鎖長より、該増幅遺伝子断片がVT1遺伝子、
VT2遺伝子またはそれら両遺伝子のうちの何れに該当
するかを検出することを特徴とする細菌毒素遺伝子検出
法である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のオリゴヌクレオチドは、
配列番号1〜4に示される核酸配列(ただし、Aはアデ
ニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表
す。また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換され
ていてもよい。)の少なくとも連続した15塩基よりな
る核酸配列を含有する。
【0021】本発明のオリゴヌクレオチドは、プライマ
ーとして使用されるが、特に遺伝子増幅用のプライマー
として使用され得る。その際、少なくとも2種のオリゴ
ヌクレオチドが使用され、2種のプライマーは増幅しよ
うとする核酸配列の両端を規定し、一方のプライマーの
伸長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方
のプライマーの鋳型となるように、その塩基配列が選択
される。また、本発明のオリゴヌクレオチドはシークエ
ンス解析を行う場合のプライマーとしても使用され得
る。さらには、検出用プローブとしても使用可能であ
る。
【0022】本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号
1〜4に示される配列またはそれらの相補配列の全域を
使用する必要はない。配列表の配列およびその相補配列
に由来する適度な長さの配列が、PCR反応条件などに
合わせて、解離温度(Tm値)などを計算することによ
り決定され得る。しかし、プライマーに十分な特異性を
持たせるためには、少なくとも連続した15塩基、さら
に望ましくは、少なくとも連続した20塩基の長さが必
要である。
【0023】プライマーが十分な特異性を有するために
は、3’末端の塩基は配列表の配列に示される3’末端
の塩基を用いることが望ましい。使用する条件、目的な
どに応じて、オリゴヌクレオチド中にある程度の置換を
行ってもよい。また、プライマーの特異性に影響を及ぼ
さない程度に、VT1とその変異型遺伝子またはVT2
とその変異型遺伝子の配列に従って、プライマーの5’
末端側をさらに延長して使用してもよい。
【0024】本発明では、オリゴヌクレオチド設計にあ
たり、オリゴヌクレオチドの3’末端に相補するターゲ
ット遺伝子中の塩基が突然変異を起こした変異体もまた
存在することを考慮して、変異する確率の少ない塩基を
オリゴヌクレオチドの3’末端の塩基として設定する。
ポリメラーゼのプライマーとなるオリゴヌクレオチドの
3’末端の塩基は、ポリメラーゼ反応の起点となる。こ
のため、ターゲット遺伝子の配列が変異した場合にはポ
リメラーゼ反応の効率が極端に低下することになる。
【0025】配列番号1に示されるオリゴヌクレオチド
の3’末端の塩基(G)に相当するVT1遺伝子の塩基
G(プラス鎖)は、すでに配列が決定されているVT1
とその変異型遺伝子の間で保存されており、該塩基
(G)がAまたはCまたはTに変異した場合、GGCに
よりコードされるグリシンはセリン(AGC)またはア
ルギニン(CGC)またはシステイン(TGC)として
翻訳される。さらに、このGGCによりコードされるグ
リシンも、すでに配列が決定されているVT1とその変
異型毒素においてアミノ酸レベルで保存されている。
【0026】また、配列番号2に示されるオリゴヌクレ
オチドの3’末端の塩基(C)に相補するVT1遺伝子
の塩基G(プラス鎖)は、すでに配列が決定されている
VT1とその変異型遺伝子の間で保存されており、該塩
基(G)がAまたはCまたはTに変異した場合、GCA
によりコードされるアラニンはスレオニン(ACA)ま
たはプロリン(CCA)またはセリン(TCA)として
翻訳される。さらに、このGCAによりコードされるア
ラニンも、すでに配列が決定されているVT1とその変
異型毒素においてアミノ酸レベルで保存されている。
【0027】さらに、配列番号3に示されるオリゴヌク
レオチドの3’末端の塩基(A)に相当するVT2遺伝
子の塩基A(プラス鎖)はすでに配列が決定されている
VT2とその変異型遺伝子の間で保存されており、該塩
基(A)がCまたはGまたはTに変異した場合、ACG
によりコードされるスレオニンはプロリン(CCG)ま
たはアラニン(GCG)またはセリン(TCG)として
翻訳される。このとき、該アミノ酸(スレオニン)のコ
ード配列(ACG)がACAまたはACCであるVT2
変異型遺伝子も存在するが、該塩基(A)の変異により
翻訳され得るアミノ酸の種類に違いはみられない。さら
に、このACGによりコードされるスレオニンも、すで
に配列が決定されているVT2とその変異型毒素におい
てアミノ酸レベルで保存されている。
【0028】また、配列番号4に示されるオリゴヌクレ
オチドの3’末端の塩基(A)に相補するVT2遺伝子
の塩基T(プラス鎖)はすでに配列が決定されているV
T2とその変異型遺伝子の間で保存されており、該塩基
(T)がAまたはCまたはGに変異した場合、TCTに
よりコードされるセリンはスレオニン(ACT)または
プロリン(CCT)またはアラニン(GCT)として翻
訳される。さらにこのTCTによりコードされるセリン
も、すでに配列が決定されているVT2とその変異型毒
素においてアミノ酸レベルで保存されている。これらの
ことは、該アミノ酸が蛋白質の機能を維持する上で重要
な役割を担っており、突然変異によりこれらのアミノ酸
が他のアミノ酸に変異した場合、そのクローンは自然淘
汰により消滅する可能性が高いことを意味している。
【0029】したがって、配列番号1および2に示され
るオリゴヌクレオチドを用いる増幅法により、存在し得
るほぼすべてのVT1とその変異型遺伝子を特異的に増
幅し得る。また配列番号3および4に示されるオリゴヌ
クレオチドを用いる増幅法により、存在し得るほぼすべ
てのVT2とその変異型遺伝子を特異的に増幅し得る。
【0030】本発明では、オリゴヌクレオチド設計にあ
たり、VTECの保有するVT遺伝子の種類が菌株によ
り異なる、すなわち、VTECにはVT1とその変異型
遺伝子を保有する菌株またはVT2とその変異型遺伝子
を保有する菌株またはそれら両遺伝子を保有する菌株が
存在することを考慮して、VT1とその変異型遺伝子増
幅用オリゴヌクレオチドおよびVT2とその変異型遺伝
子増幅用オリゴヌクレオチドを混合して使用しても、V
T1とその変異型遺伝子およびVT2とその変異型遺伝
子がそれぞれ独立して増幅し、さらに、それぞれの増幅
遺伝子断片を鎖長により容易に分離および分類し得るオ
リゴヌクレオチド配列を設定する。
【0031】本発明の配列番号1に示されるオリゴヌク
レオチドは、VT1とその変異型遺伝子において、該オ
リゴヌクレオチドに相当する部分(プラス鎖)に対して
高い相同性を有するが、この部分を除いたVT1とその
変異型遺伝子全長に対しては増幅可能な程度の相同性は
みられない。さらに、該オリゴヌクレオチドはVT2と
その変異型遺伝子全長に対しても増幅可能な程度の相同
性はみられない。
【0032】また、配列番号2に示されるオリゴヌクレ
オチドは、VT1とその変異型遺伝子において該オリゴ
ヌクレオチドに相補する部分(プラス鎖)に対して高い
相同性を有するが、この部分を除いたVT1とその変異
型遺伝子全長に対しては増幅可能な程度の相同性はみら
れない。さらに、該オリゴヌクレオチドはVT2とその
変異型遺伝子全長に対しても増幅可能な程度の相同性は
みられない。これらのことは、配列番号1および2に示
されるオリゴヌクレオチドを用いる増幅により、VT1
とその変異型遺伝子およびVT2とその変異型遺伝子が
同時に存在する場合においても、VT1とその変異型遺
伝子に由来する唯一の増幅DNA断片(658bp)を
生じ得ることを意味している。
【0033】配列番号3に示されるオリゴヌクレオチド
は、VT2とその変異型遺伝子において、該オリゴヌク
レオチドに相当する部分(プラス鎖)に対して高い相同
性を有するが、この部分を除いたVT2とその変異型遺
伝子全長に対しては増幅可能な程度の相同性はみられな
い。さらに、該オリゴヌクレオチドはVT1とその変異
型遺伝子全長に対しても増幅可能な程度の相同性はみら
れない。
【0034】また、配列番号4に示されるオリゴヌクレ
オチドは、VT2とその変異型遺伝子において該オリゴ
ヌクレオチドに相補する部分(プラス鎖)に対して高い
相同性を有するが、この部分を除いたVT2とその変異
型遺伝子全長に対しては増幅可能な程度の相同性はみら
れない。さらに、該オリゴヌクレオチドはVT1とその
変異型遺伝子全長に対しても増幅可能な程度の相同性は
みられない。これらのことは、配列番号3および4に示
されるオリゴヌクレオチドを用いる増幅により、VT1
とその変異型遺伝子およびVT2とその変異型遺伝子が
同時に存在する場合においても、VT2とその変異型遺
伝子に由来する唯一の増幅DNA断片(429bp)を
生じ得ることを意味している。
【0035】したがって、配列番号1〜4に示されるオ
リゴヌクレオチドを併用する増幅法により、得られる増
幅DNA断片長からVTECの保有するVT遺伝子の種
類、すなわち、VTECがVT1とその変異型遺伝子を
保有する場合(658bp)またはVT2とその変異型
遺伝子を保有する場合(429bp)または、それら両
遺伝子を保有する場合(658bpおよび429bp)
を判断し得る。
【0036】本発明のVT1とその変異型遺伝子を増幅
する方法は、配列番号1および2に示されるオリゴヌク
レオチドを用いることを特徴とする。本発明のVT2と
その変異型遺伝子を増幅する方法は、配列番号3および
4に示されるオリゴヌクレオチドを用いることを特徴と
する。本発明のVT1とその変異型遺伝子またはVT2
とその変異型遺伝子またはそれら両遺伝子を増幅する方
法は、配列番号1〜4に示されるオリゴヌクレオチドを
混合して用いることを特徴とする。しかし、これらの増
幅方法においては、少なくとも2種のオリゴヌレオチド
を増幅用プライマーとして使用し、一方のプライマーの
伸長生成物は、その相補体から分離された場合、他方の
プライマーの鋳型となるように配列を選択する必要があ
る。
【0037】さらには、この方法で得られた増幅遺伝子
断片の鎖長より、該遺伝子断片がVT1遺伝子またはV
T2遺伝子またはそれら両遺伝子のうちの何れに該当す
るかを判断することが可能である。
【0038】本発明において、増幅する遺伝子はあらゆ
る生物の糞便または食品または環境中に存在するVTE
C由来の遺伝子であるが、単離培養された菌体の遺伝子
を増幅することも含まれる。また、本発明における試料
には、上記の各種材料や培養菌体の他、これらより単離
および精製された核酸なども含まれる。
【0039】すなわち、本発明における試料としては、
上記の各種材料を直接用いる場合の他に、上記の各種材
料の培養液、またはそこから祖抽出または精製された核
酸などが用いられ得る。さらに、上記の各種材料から単
離された寒天培地上の菌体またはその培養液、またはそ
こから祖抽出または精製された核酸なども試料として用
いられ得る。
【0040】遺伝子増幅に用いるプライマーとしては、
上述のすべてのオリゴヌクレオチドが挙げられる。この
遺伝子増幅には、一般的にPCR(polymerase chain r
eaction)法が用いられる。上述したように、各種試料か
らのVT1とその変異型遺伝子の増幅には、配列番号1
および2にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドの組み
合わせが好適に用いられ得る。しかし、配列番号1およ
び2にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドよりも外側
のプライマーにより増幅されたDNAを、さらに配列番
号1および2にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドを
用いて再増幅することによって、より高感度の増幅が可
能となることが予想される。このとき使用する外側のプ
ライマーは、VT1とその変異型遺伝子に特異的である
ことが望ましいが、特異性の低いプライマーも使用し得
る。
【0041】また、各種試料からのVT2とその変異型
遺伝子の増幅には、配列番号3および4にそれぞれ示さ
れるオリゴヌクレオチドの組み合わせが好適に用いられ
得る。しかし、配列番号3および4にそれぞれ示される
オリゴヌクレオチドよりも外側のプライマーにより増幅
されたDNAを、さらに配列番号3および4にそれぞれ
示されるオリゴヌクレオチドを用いて再増幅することに
よって、より高感度の増幅が可能となる。このとき使用
する外側のプライマーは、VT2とその変異型遺伝子に
特異的であることが望ましいが、特異性の低いプライマ
ーも使用し得る。
【0042】VT1とその変異型遺伝子の増幅におい
て、配列番号1および2にそれぞれ示されるオリゴヌク
レオチドの組み合わせを用いることが必要である。ま
た、VT2とその変異型遺伝子の増幅において、配列番
号3および4にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドの
組み合わせを用いることが必要である。これらのこと
は、増幅反応における特異性には、使用する2つのオリ
ゴヌクレオチドの相乗効果が重要であることによる。ま
た、さらに特異性を高めるためには、増幅に使用するプ
ライマーの濃度をできるだけ低く抑えることも重要であ
る。
【0043】VT1とその変異型遺伝子およびVT2と
その変異型遺伝子を同時に増幅する場合、すなわち、検
出対象のVTECが2種類の型のVT遺伝子を保有する
場合において、配列番号1〜4にそれぞれ示されるオリ
ゴヌクレオチドの組み合わせを用いることが必要であ
る。このことは、異なる遺伝子の同時増幅反応における
独立性には、互いの増幅反応に干渉しないオリゴヌクレ
オチドの使用が必要であることによる。また、該オリゴ
ヌクレオチドの組み合わせは、VT1とその変異型遺伝
子またはVT2とその変異型遺伝子の一方のみを増幅す
る場合、すなわち検出対象のVTECが2種類の型のV
T遺伝子の何れか一方のみを保有する場合においても好
適に用いられ得る。
【0044】従来のVT遺伝子を増幅する方法(特開平
4−297488号公報、特開平4−297489号公
報、特開平7−8280号公報)は、VT1およびVT
2両遺伝子に共通した配列を有するオリゴヌクレオチド
をプライマーとしたPCR増幅によるVT遺伝子の(型
別を伴わない)検出、またはVT1遺伝子に特異的な配
列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとしたPC
R増幅によるVT1遺伝子の検出、またはVT2遺伝子
に特異的な配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマ
ーとしたPCR増幅によるVT2遺伝子の検出のいずれ
かを1回のPCRにより行うものである。したがって、
検体中のVT遺伝子の検出と同時にVT1遺伝子または
VT2遺伝子の型別を行う場合には、1検体あたり少な
くとも2サンプルの反応液によるPCRを行う必要があ
った。
【0045】しかし、本発明では、組み合わせを最適化
した複数のオリゴヌクレオチドを用いた1回のPCRに
より、VT遺伝子の検出と同時に増幅遺伝子断片の鎖長
よりVT1遺伝子とその変異型遺伝子またはVT2遺伝
子とその変異型遺伝子の型別を行うことが可能となる。
すなわち本発明では、プライマーとして配列番号1〜4
にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドの組み合わせて
用いるPCRにより、VTECのVT遺伝子の検出と同
時にVT1とその変異型遺伝子またはVT2とその変異
型遺伝子の型別を行うことが可能となる。
【0046】本発明のVT1遺伝子増幅用試薬、VT2
遺伝子増幅用試薬ならびにVT1遺伝子、VT2遺伝子
またはそれらの遺伝子増幅用試薬は、上記VT1遺伝子
を増幅するためのオリゴヌクレオチドまたはVT2遺伝
子を増幅するためのオリゴヌクレオチドを少なくとも2
種のプライマーとして含み、さらに、熱安定性DNAポ
リメラーゼ、dNTPおよび緩衝液を含む。
【0047】プライマー、熱安定性DNAポリメラー
ゼ、dNTPは当該増幅工程を十分に行い得る量が含ま
れるが、例えばDNAポリメラーゼは1〜200U/m
l、dNTPは50〜500μM、プライマーは1〜1
000nM程度が含められる。さらに本発明の試薬に
は、VT1遺伝子、VT2遺伝子を単離するための工程
に適した緩衝液および当該遺伝子を増幅するに適した緩
衝液を併せて含めてもよい。さらに増幅した遺伝子を検
出するための試薬も、検出法に併せて各種組み合わせて
おくこともできる。
【0048】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。実施例1 (1)オリゴヌクレオチドの合成 VT遺伝子増幅用オリゴヌクレオチドは、ABI社DN
Aシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト
法にて、配列番号1〜4にそれぞれ示される配列を有す
るオリゴヌクレオチド(プライマー1:配列番号1のう
ち、1〜33番目、プライマー2:配列番号2のうち、
1〜21番目、プライマー3:配列番号3のうち、1〜
31番目、プライマー4:配列番号4のうち、1〜22
番目)を合成することにより得た。手法はABI社のマ
ニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はア
ンモニア水で55℃にて一夜実施した。精製はHPLC
(ベックマン製)を用い、逆相クロマトカラム(ナカラ
イテスク製)にて実施した。
【0049】(2)試料の調製 患者、家畜および食品などから分離されたVTEC菌
株、合計37株の菌体コロニーをそれぞれ直接、PCR
の試料として使用した。いずれのVTEC菌株も、従来
の各種毒素産生試験により産生するVTの型(VT1ま
たはVT2またはそれら両方)がすでに同定されている
ものである。寒天培地上のVTECコロニー(1白金
耳)を水100μlに懸濁し、そのうちの1μlのコロ
ニーをPCRに使用した。
【0050】(3)PCR 配列番号1および2に示されるオリゴヌクレオチド(プ
ライマー1および2)、または配列番号3および4に示
されるオリゴヌクレオチド(プライマー3および4)、
または配列番号1〜4に示されるオリゴヌクレオチド
(プライマー1、プライマー2、プライマー3、プライ
マー4)を、PCRのプライマーとして用いた。反応液
組成は、プライマー1および2、または3および4、ま
たは1〜4をそれぞれ0.2μM、dATPおよびdG
TPおよびdCTPおよびdTTP各0.2mM、熱安
定性DNAポリメラーゼ(KOD Dash:東洋紡
製)25単位/ml、および1倍濃度の増幅用緩衝液
(東洋紡製)である。実際の使用にあたっては、反応液
に試料溶液(VTECコロニー懸濁液)1μlを添加
し、反応液量を100μlとして、以下の反応に供し
た。
【0051】反応条件は以下の通りである: 熱変性: 94℃、20秒 アニーリング: 65℃、2秒 伸長反応: 74℃、30秒 上記熱変性、アニーリングおよび伸長反応を30回繰り
返した。これらの操作はパーキンエルマー社のDNAサ
ーマルサイクラー(GeneAmp2400)を用いて
行った。
【0052】(4)検出 増幅反応後の反応液10μlを2%アガロースゲルにて
電気泳動し、エチジウムブロマイド染色した後、紫外線
照射下での蛍光を検出した。電気泳動の条件は、定電圧
100V、30分間にて行った。操作方法ならびに他の
条件は、マニアティス(Maniatis)らのモレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)(1982年) に記載の技
法に従った。反応液の他に分子量マーカーも同時に泳動
し、相対泳動度の比較により、検出されたDNA断片の
長さを算出した。
【0053】(5)結果 前述のように、VTECのVT1遺伝子およびVT2遺
伝子は、すでに塩基配列が決定されており、本発明のオ
リゴヌクレオチドをプライマー(プライマー1〜4)と
して用いたPCRにより増幅されるDNA断片の長さ
は、容易に推定できる。それによると、試料中にVT1
遺伝子が存在する場合には、プライマー1および2に示
されるオリゴヌクレオチドにより658bpの長さのD
NA断片が増幅され、VT2遺伝子が存在する場合に
は、プライマー3および4に示されるオリゴヌクレオチ
ドにより429bpの長さのDNA断片が増幅されるは
ずである。これらの推定値と増幅されたDNA断片の長
さが一致した場合、これらのオリゴヌクレオチド、すな
わち、プライマーは遺伝子中の標的としている領域を正
しく増幅しており、かつ、試料中の菌株は増幅DNA断
片の長さに対応したVT遺伝子を有していると判断し
た。
【0054】由来の異なるVTEC菌株37株のコロニ
ーについて行ったPCR増幅実験の結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】また、増幅遺伝子断片の検出に用いたアガ
ロースゲル電気泳動の一部を図1に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表1および図1(レーン1〜4)から明ら
かなように、プライマー1および2は、従来の各種毒素
産生試験によりVT1陽性と判断された菌株の遺伝子の
みを増幅して658bpの長さのDNA断片を生じ、V
T1陰性と判断された菌株の遺伝子とは全く反応しなか
った。すなわち、該オリゴヌクレオチドがVT1遺伝子
を特異的に増幅し、VT1遺伝子を保有するVTECを
正確に検出できることを示している。
【0059】また、表1および図1(レーン5〜8)か
ら明らかなように、プライマー3および4に示されるオ
リゴヌクレオチドは、従来の各種毒素産生試験によりV
T2陽性と判断された菌株の遺伝子のみを増幅して42
9bpの長さのDNA断片を生じ、VT2陰性と判断さ
れた菌株の遺伝子とは全く反応しなかった。すなわち、
該オリゴヌクレオチドがVT2遺伝子を特異的に増幅
し、VT2遺伝子を保有するVTECを正確に検出でき
ることを示している。
【0060】さらに、表1および図1(レーン9〜1
2)から明らかなように、プライマー1〜4に示される
オリゴヌクレオチドを混合して用いた場合でも、該オリ
ゴヌクレオチドによる特異的な増幅に悪影響はみられ
ず、VT1遺伝子またはVT2遺伝子またはそれらの遺
伝子を保有するVTECを正確に検出することができ
た。すなわち、該オリゴヌクレオチドの組み合わせを用
いることにより、VTECの検出と同時に、増幅DNA
断片の鎖長より、該菌が産生するVTの型をVT1また
はVT2またはそれら両方の何れかに分類できることを
示している。
【0061】
【発明の効果】本発明により、多くの生物の糞便または
食品または環境中から簡便、迅速、かつ特異的にVTE
CのVT遺伝子を増幅し得る。また、本発明により、V
TECの保有するVT遺伝子の検出と同時にその型別、
すなわち、VT1とその変異型遺伝子を保有する場合
(658bp)またはVT2とその変異型遺伝子を保有
する場合(429bp)またはそれら両遺伝子を保有す
る場合(658bpおよび429bp)の分類を、増幅
DNA断片の鎖長より簡便かつ迅速に行うことができ
る。
【0062】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1...33 特徴を決定した方法:S 他の特徴:VTECの産生するVT1遺伝子の配列と相
補的な配列を有する。 配列 CAGGAGGTAC GTCTTTACTG ATGATTGATA GTG 33
【0063】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..21 特徴を決定した方法:S 他の特徴:VTECの産生するVT1遺伝子の配列と相
補的な配列を有する。 配列 CATTCTGGCA ACTCGCGATG C 21
【0064】配列番号:3 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..31 特徴を決定した方法:S 他の特徴:VTECの産生するVT2遺伝子の配列と相
補的な配列を有する。 配列 CAGGCACTGT CTGAAACTGC TCCTGTGTAT A 31
【0065】配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..22 特徴を決定した方法:S 他の特徴:VTECの産生するVT2遺伝子の配列と相
補的な配列を有する。 配列 CCGCCGCCAT TGCATTAACA GA 22
【図面の簡単な説明】
【図1】 VTEC菌株37株の菌体コロニー中の遺伝
子を本発明のプライマーを用いて増幅した後、増幅遺伝
子をアガロースゲルにて電気泳動した結果を示す図面に
代わる電気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 文清 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内 (72)発明者 川村 良久 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1または2に示される核酸配列
    または該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連
    続した15塩基よりなる核酸配列を含有することを特徴
    とするオリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 配列番号3または4に示される核酸配列
    または該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連
    続した15塩基よりなる核酸配列を含有することを特徴
    とするオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 少なくとも2種のプライマーが、配列番
    号1および2に示される核酸配列または該配列に相補的
    な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基よりな
    る核酸配列を含有する、ベロ毒素産生性大腸菌の産生す
    るベロ毒素1型の遺伝子(VT1遺伝子)を増幅するた
    めのオリゴヌクレオチドであり、一方のプライマーの伸
    長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方の
    プライマーの鋳型となるプライマー、熱安定性DNAポ
    リメラーゼ、dNTPおよび緩衝液を含むことを特徴と
    するVT1遺伝子増幅用試薬。
  4. 【請求項4】 少なくとも2種のプライマーが、配列番
    号3および4に示される核酸配列または該配列に相補的
    な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基よりな
    る核酸配列を含有する、ベロ毒素産生性大腸菌の産生す
    るベロ毒素2型の遺伝子(VT2遺伝子)を増幅するた
    めのオリゴヌクレオチドであり、一方のプライマーの伸
    長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方の
    プライマーの鋳型となるプライマー、熱安定性DNAポ
    リメラーゼ、dNTPおよび緩衝液を含むことを特徴と
    するVT2遺伝子増幅用試薬。
  5. 【請求項5】 (i)少なくとも2種のプライマーが、
    配列番号1および2に示される核酸配列または該配列に
    相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基
    よりなる核酸配列を含有する、VT1遺伝子を増幅する
    ためのオリゴヌクレオチドであり、一方のプライマーの
    伸長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方
    のプライマーの鋳型となるプライマー、および(ii)少
    なくとも2種のプライマーが、配列番号3および4に示
    される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のう
    ち、少なくとも連続した15塩基よりなる核酸配列を含
    有する、VT2遺伝子を増幅するためのオリゴヌクレオ
    チドであり、一方のプライマーの伸長生成物が、その相
    補体から分離された場合に、他方のプライマーの鋳型と
    なるプライマー、(iii)熱安定性DNAポリメラーゼ、
    (iv)dNTPおよび(v) 緩衝液を含むことを特徴とする
    VT1遺伝子、VT2遺伝子またはそれらの遺伝子増幅
    用試薬。
  6. 【請求項6】 少なくとも2種のプライマーとして、配
    列番号1および2に示される核酸配列または該配列に相
    補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基よ
    りなる核酸配列を含有する、VT1遺伝子を増幅するた
    めのオリゴヌクレオチドを使用し、一方のプライマーの
    伸長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方
    のプライマーの鋳型となることを特徴とするVT1遺伝
    子の増幅方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも2種のプライマーとして、配
    列番号3および4に示される核酸配列または該配列に相
    補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基よ
    りなる核酸配列を含有する、VT2遺伝子を増幅するた
    めのオリゴヌクレオチドを使用し、一方のプライマーの
    伸長生成物が、その相補体から分離された場合に、他方
    のプライマーの鋳型となることを特徴とするVT2遺伝
    子の増幅方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも2種のプライマーとして、配
    列番号1および2に示される核酸配列または該配列に相
    補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した15塩基よ
    りなる核酸配列を含有する、VT1遺伝子を増幅するた
    めのオリゴヌクレオチドを使用し、かつ、少なくとも2
    種のプライマーとして、配列番号3および4に示される
    核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち、少な
    くとも連続した15塩基よりなる核酸配列を含有する、
    VT2遺伝子を増幅するためのオリゴヌクレオチドを使
    用し、それぞれ、一方のプライマーの伸長生成物が、そ
    の相補体から分離された場合に、他方のプライマーの鋳
    型となることを特徴とするVT1遺伝子、VT2遺伝子
    またはそれらの遺伝子の増幅方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の方法で得られた増幅遺伝
    子断片の鎖長より、該増幅遺伝子断片がVT1遺伝子、
    VT2遺伝子またはそれらの遺伝子のうちの何れに該当
    するかを検出することを特徴とする細菌毒素遺伝子検出
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005218317A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Tosoh Corp 腸管出血性大腸菌の志賀毒素群遺伝子の検出試薬

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005218317A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Tosoh Corp 腸管出血性大腸菌の志賀毒素群遺伝子の検出試薬
JP4501443B2 (ja) * 2004-02-03 2010-07-14 東ソー株式会社 腸管出血性大腸菌の志賀毒素群遺伝子の検出試薬

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