[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH1112488A - イエロー色系顔料及びその製造方法 - Google Patents

イエロー色系顔料及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1112488A
JPH1112488A JP17217897A JP17217897A JPH1112488A JP H1112488 A JPH1112488 A JP H1112488A JP 17217897 A JP17217897 A JP 17217897A JP 17217897 A JP17217897 A JP 17217897A JP H1112488 A JPH1112488 A JP H1112488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
coating
metal
powder
base particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17217897A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Shinko
貴史 新子
Katsuto Nakatsuka
勝人 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Mining Co Ltd filed Critical Nittetsu Mining Co Ltd
Priority to JP17217897A priority Critical patent/JPH1112488A/ja
Publication of JPH1112488A publication Critical patent/JPH1112488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮明なイエロー色系の色調を有し、かつ特定
の優れた複合した機能を果たし得る顔料および、その顔
料の効率的、高精度の製造方法を提供する。 【解決手段】 基体粒子の表面に屈折率の大きい被膜と
小さい被膜とが隣合って積層する複数の被膜層を有し、
かつ、被覆層が550〜850nmの間にピークを有す
る反射スペクトルを示すことを特徴とし、多層膜の形成
において該基体粒子及び被膜層の屈折率、反射スペクト
ルを前記条件に設定することを特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイエロー色系顔料お
よびその製造方法に関するものであり、インキ用、プラ
スチック・紙用フィラー、磁性トナー、インクジェット
プリンターインク等多種の目的に用いられるイエロー色
系顔料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは先に、ある粉体粒子だけが
備える性質のほかに別の性質を合わせ持ち、複合した機
能を有する粉体を提供するために、該粉体粒子を基体と
して、その表面に、均一な0.01〜20μmの厚み
の、金属酸化物膜等を有する粉体を発明した(特開平6
−228604号公報)。また、本発明者らは前記の粉
体をさらに改良し、金属酸化物膜単独ではなく、金属酸
化物膜と金属膜とを交互に複数層有するようにした粉体
も発明した(特開平7−90310号公報)。
【0003】これらの粉体を製造するには、基体の表面
に均一な厚さの金属酸化物膜を複数層設けることが必要
であって、そのためには金属塩水溶液から金属酸化物又
はその前駆体である金属化合物を沈殿させることが難し
いので、本発明者らは、金属アルコキシド溶液中に前記
の基体を分散し、該金属アルコキシドを加水分解するこ
とにより、前記基体上に金属酸化物膜を生成させる方法
を開発し、この方法によって薄くてかつ均一な厚さの金
属酸化物膜を形成することができるようになり、特に多
層の金属酸化物膜を形成することが可能になった。
【0004】また、本発明者らは粉体粒子を基体とし
て、その表面に金属酸化物膜等の多層膜被膜を有する前
記粉体は、その多層膜の物質の組み合わせ、屈折率およ
び膜厚を制御することにより、多層膜の反射光干渉波形
を調整し、顔料等の着色粉体となり得ることを見い出し
た(WO96/28269)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、目的とする特
定の色調を有する着色粉体を得る技術については明確な
開示がなされていなく、従来の方法では、鮮やかなイエ
ロー色系の色を呈する多層膜被膜粉体の色を発色させる
ための条件範囲が明確でなかった。例えば、イエロー色
は、色の3原色の一つであり、また人に対して心理的に
温暖感、明朗感、健康感を与える重要な色素である。こ
のようなイエロー色系の色調を有し、かつ特定の機能を
有する顔料粉体を得ることは産業上大いに意義のあるこ
とである。従って、本発明の目的は、上述のように、粉
体粒子を基体として、その表面に金属酸化物膜等の多層
膜被膜を形成する方法において、産業上有用である鮮明
なイエロー色系の色調、すなわち、極大反射率が高く、
振幅の大きい分光反射波形を有し、かつ特定の優れた複
合した機能を果たし得る顔料および、その顔料の効率
的、高精度の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、多層膜被覆
粉体を形成する際、膜の組合せ、それぞれの膜の厚さ、
さらにそれらを制御する方法を改良することにより、膜
設計において、例えば、チタニアとシリカ等の交互膜の
各層を形成した際にみられる極大値の波長の範囲を、5
50〜850nmの間の範囲に限定した時、イエロー色
系の粉体が得られ、更に、基体粒子の上に金属銀膜を設
け、その上にシリカとチタニア等の交互被膜層を形成し
た際に、従来より、極大反射率が高く、分光反射波形の
振幅の大きい粉体が得られ、粉体自身の色が向上し、鮮
やかになることを見い出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1)基体粒子の外側に屈折率の大きい被膜と小さい被
膜とが隣合って積層した複数の被膜層を有し、550〜
850nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す
ことを特徴とするイエロー色系顔料。 (2)基体粒子と前記被膜層との間に金属銀膜層を有す
ることを特徴とする前記(1)のイエロー色系顔料。 (3)前記被膜層の最外層被膜の屈折率が、その直下に
隣合う下層被膜の屈折率よりも大きいことを特徴とする
前記(1)のイエロー色系顔料。 (4)基体粒子が無機物であることを特徴とする前記
(1)のイエロー色系顔料。 (5)基体粒子が金属である場合には、該基体粒子と前
記金属銀膜層との間に非金属膜層を有することを特徴と
する前記(1)のイエロー色系顔料。
【0008】(6)基体粒子の外側に複数の屈折率の異
なる被膜層を有するイエロー色系顔料の製造方法におい
て、該基体粒子の外側に屈折率の大きい被膜と小さい被
膜とが隣合って積層する複数の被膜層を形成し、550
〜850nmの間にピークを有する反射スペクトルを示
す様に該被膜層等の各種条件を設定することを特徴とす
るイエロー色系顔料の製造方法。 (7)基体粒子と前記被膜層との間に金属銀膜層を形成
することを特徴とする前記(6)のイエロー色系顔料の
製造方法。 (8)前記被膜層の最外層被膜を、その直下に隣合う下
層被膜より大きい屈折率を有する被膜とすることを特徴
とする前記(6)のイエロー色系顔料の製造方法。 (9)基体粒子を無機物とすることを特徴とする前記
(6)のイエロー色系顔料の製造方法。 (10)基体粒子を金属とする場合には、該基体粒子と
前記金属銀膜層との間に非金属膜層を形成することを特
徴とする前記(7)のイエロー色系顔料の製造方法。
【0009】本発明は、基体粒子の上に光干渉に関る多
層の被覆層を有するようにするだけではなく、それらの
多層被膜と基体粒子との間に、金属銀膜を設けることが
好ましい。金属銀膜(不透明層)が存在することにより
光の反射率を上げ、鮮やかなイエロー色系顔料が得られ
る。また、基体粒子が金属である場合、基体粒子と前記
金属銀膜層との間に非金属膜層(例えば、シリカ層)を
設けることが必要である。この基体粒子と前記金属銀膜
層との間に非金属膜層を設ける理由は、金属である基体
粒子と金属銀膜層の銀とが接触し、相互作用により合金
をつくり、光の反射率が低下し好ましくないためであ
る。なお、本発明において、基体粒子が磁性体である場
合には、鮮やかなイエロー色系顔料であると同時に、磁
場によって作動する磁性トナーとなり得、このため磁性
を有するキャリアを用いない電子複写方式(磁性1成分
現像方法)にも使用可能である。また、基体粒子が金属
あるいは誘電体(誘電率の高い物質)であり、その上に
絶縁膜(あるいは誘電率の低い膜)と金属銀膜あるいは
誘電体(誘電率の高い物質)膜とを順次に交互に有する
場合には、鮮やかなイエロー色系顔料であると同時に、
粉体自体がコンデンサーであり、このため静電場中では
分極し、電場によって作動することから、誘電トナーと
なり得、同じくキャリアを用いない電子複写方式(磁性
1成分現像方法)にも使用可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】前記基体粒子の表面上に金属酸化
物および金属膜等を複数層とする場合において、前記被
覆膜(基体粒子を被覆し、光干渉に関与する膜の層)の
各層の厚さを調整することにより特別の機能を与えるこ
とができる。例えば、基体粒子の表面に、屈折率の異な
る交互被覆膜を、次の式(1)を満たすように、被膜を
形成する物質の屈折率nと550〜850nmの間にあ
る可視光の波長の4分の1の整数m倍に相当する厚さd
を有する交互膜を適当な厚さと枚数設けると、550〜
850nmの間にある波長λの光(フレネルの干渉反射
を利用したもの)が反射または吸収される。 nd=mλ/4 (1)
【0011】この作用を利用して、基体粒子の表面に目
標とする550〜850nmの間の波長に対し、式
(1)を満たすような膜の厚みと屈折率を有する被膜を
製膜し、さらにその上に屈折率の異なる被膜を被覆する
ことを1度あるいはそれ以上交互に繰り返すことにより
550〜850nmの間に反射ピークを有する膜が形成
される。このとき光干渉に関る被膜層の最外層被膜は、
その直下に隣合う下層被膜よりも高い膜とすることが好
ましい。
【0012】膜厚は、膜屈折率と膜厚の積である光学膜
厚の変化を分光光度計などで反射波形として測定、制御
するが、反射波形が最終的に必要な波形になるように各
層の膜厚を設計する。例えば、図1に示すように各単位
被膜の反射波形のピーク位置を550〜850nmの範
囲に精密に合わせると、染料や顔料を用いずともイエロ
ー色系の単色の着色粉体とすることができる。
【0013】ただし、実際の基体の場合、基体の粒径、
形状、膜物質および基体粒子物質の相互の界面での位相
ずれ及び屈折率の波長依存性によるピークシフトなどを
考慮して設計する必要がある。例えば、基体粒子の形状
が平行平板状である場合には、粒子平面に形成される平
行膜によるフレネル干渉は上記式(1)のnを次の式
(2)のNに置き換えた条件で設計する。特に、基体の
形状が平行平板状である場合でも金属膜が含まれる場合
には、式(2)の金属の屈折率Nに減衰係数κが含まれ
る。なお、透明酸化物(誘電体)の場合にはκは非常に
小さく無視できる。 N=n+iκ(iは複素数を表す) (2) この減衰係数κが大きいと、膜物質および基体物質の相
互の界面での位相ずれが大きくなり、さらに多層膜のす
べての層に位相ずれによる干渉最適膜厚に影響を及ぼ
す。
【0014】これにより幾何学的な膜厚だけを合わせて
もピーク位置がずれるため、特にイエロー色系に着色す
る際に色が淡くなる。これを防ぐためには、すべての膜
に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュ
レーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう
に設計する。
【0015】さらに、基体または金属銀膜表面にある酸
化物層のための位相ずれや、屈折率の波長依存性による
ピークシフトがある。これらを補正するためには、分光
光度計などで、反射ピークが最終目的膜数で目標波長で
ある550〜850nmの範囲になるよう最適の条件を
見出すことが必要である。
【0016】球状粉体などの曲面に形成された膜の干渉
は平板と同様に起こり、基本的にはフレネルの干渉原理
に従う。したがって、着色方法も図1のようにイエロー
色系に設計することができる。ただし曲面の場合には、
粉体に入射し反射された光が複雑に干渉を起こす。これ
らの干渉波形は膜数が少ない場合には平板とほぼ同じで
ある。しかし、総数が増えると多層膜内部での干渉がよ
り複雑になる。多層膜の場合もフレネル干渉に基づい
て、反射分光曲線をコンピュータシミュレーションであ
らかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計することが
できる。特に基体粒子または金属銀膜表面への被膜形成
の場合、基体粒子または金属銀膜表面とすべての膜に対
する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレー
ションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計
する。さらに、基体粒子または金属銀膜表面にある酸化
物層のためのピークシフトや屈折率の波長依存性による
ピークシフトも加味する。実際のサンプル製造では設計
した分光曲線を参考にし、実際の膜においてこれらを補
正するために、分光光度計などで反射ピークが最終目的
膜数で550〜850nmの範囲の目標波長になるよう
膜厚を変えながら最適の条件を見出さねばならない。
【0017】不定形状の粉末に着色する場合も多層膜に
よる干渉が起こり、球状粉体の干渉多層膜の条件を参考
にし基本的な膜設計を行う。上記の多層膜を構成する各
単位被膜のピーク位置は各層の膜厚により調整すること
ができ、膜厚は基体粒子または金属銀膜の表面に金属酸
化物等の固相成分を形成させる被覆形成条件中、原料組
成、固相析出速度および基体量などを制御することによ
り、精度良く膜厚を制御でき、均一な厚さの被膜を形成
することができ、所望のイエロー色系に着色することが
できる。以上のように、反射ピークが最終目的膜数で5
50〜850nmの範囲の目標波長になるよう膜形成溶
液などの製膜条件を変えながら最適の条件を見出すこと
により、イエロー色系の粉体を得ることができる。ま
た、多層膜を構成する物質の組合せおよび各単位被膜の
膜厚を制御することにより多層膜干渉による発色を調整
することができる。これにより、染料や顔料を用いなく
ても粉体を所望のイエロー色系に鮮やかに着色すること
ができる。
【0018】以下、本発明のイエロー色系顔料およびそ
の製造方法について詳細に説明する。本発明のイエロー
色系顔料及びその製造方法において、その金属酸化物膜
等を形成させる対象となる基体粒子は、特に限定され
ず、金属を含む無機物でも、有機物でもよく磁性体、誘
電体、導電体および絶縁体等でもよい。基体が金属の場
合、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム等、
どのような金属でもよいが、その磁性を利用するものに
おいては、鉄等磁性を帯びるものが好ましい。これらの
金属は合金でも良く、前記の磁性を有するものであると
きには、強磁性合金を使用することが好ましい。また、
その粉体の基体が金属化合物の場合には、その代表的な
ものとして前記した金属の酸化物が挙げられるが、例え
ば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ケ
イ素等の外、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の
酸化物、あるいはこれらの複合酸化物でも良い。さら
に、金属酸化物以外の金属化合物としては、金属窒化
物、金属炭化物等を挙げることができる。
【0019】さらに、基体粒子として、金属以外では、
半金属、非金属の化合物、特に酸化物、炭化物、窒化物
であり、シリカ、ガラスビーズ等を使用することができ
る。その他の無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ
酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカ
スフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワ
イトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小
中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベント
ナイト、カオリン等を用いることができる。
【0020】有機物としては、樹脂粒子が好ましい。樹
脂粒子の具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セ
ルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹
脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸
エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれら
の誘導体の重合または共重合により得られる球状または
破砕の粒子などが挙げられる。特に好ましい樹脂粒子は
アクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により
得られる球状のアクリル樹脂粒子である。
【0021】基体の形状としては、球体、亜球状態、正
多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、板状
体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物
のような全く不定形な粉体も使用可能である。これらの
基体は、粒径については特に限定するものでないが、
0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。
【0022】また、基体粒子の比重としては、0.1〜
12の範囲のものが用いられるが、流動性、浮遊性の面
から0.1〜10.5が好ましく、より好ましくは0.
1〜5.5の範囲である。基体の比重が0.1未満では
液体中の浮力が大きすぎ、膜を多層あるいは非常に厚く
する必要があり、不経済である。一方、12を超える
と、浮遊させるための膜が厚くなり、同様に不経済であ
る。本発明の顔料粉体において、比重0.1〜12、好
ましくは0.8〜10.5の基体粒子の表面に形成され
る複数の被膜層(基体粒子を被覆し、光干渉に関与する
膜の層)は、それらの屈折率が互いに異なるものである
ことが必要であり、それらの被膜層を構成する材料は無
機金属化合物、金属または合金、および有機物のうちか
ら任意に選択することが望ましい。
【0023】被膜層を構成する無機金属化合物として
は、その代表的なものとして金属酸化物が挙げられ、具
体例として例えば鉄、ニッケル、クロム、チタン、アル
ミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、バリウ
ムなどの酸化物、あるいはこれらの複合酸化物が挙げら
れる。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としてはフ
ッ化マグネシウム、鉄窒化物などの金属窒化物、金属炭
化物などが挙げられる。
【0024】被膜層を構成する金属単体としては、金属
銀、金属コバルト、金属ニッケル、金属鉄などが挙げら
れ、金属合金としては鉄・ニッケル合金、鉄・コバルト
合金、鉄・ニッケル合金窒化物、鉄・ニッケル・コバル
ト合金窒化物などが挙げられる。
【0025】被膜層を構成する有機物としては、核を構
成する上記の有機物と同一でも異なってもよく、特に限
定されるものではないが、好ましくは樹脂である。樹脂
の具体例としては、セルロース、酢酸セルロース、ポリ
アミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、
ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル
酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチ
レン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共
重合体などが挙げられる。
【0026】このように、被膜層を構成する材料として
種々の材料を使用することができるが、それらの材料の
組合せは各被膜層の屈折率を考慮した上で、顔料や塗料
の種類、目的、被塗布物などに応じて適宜選択すること
が必要である。
【0027】その膜の形成方法としては、その形成する
物質に応じて次のような方法を挙げることができるが、
その外の方法を使用することもできる。 (1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合 a.液相中での重合法 基体粒子を分散させて乳化重合させることにより、その
粒子の上に樹脂膜を形成させる方法などが使用できる。 b.気相中での製膜法(CVD)(PVD)
【0028】(2)無機金属化合物膜を形成する場合 a.液相中での固相析出法 基体となる粒子を金属アルコキシド溶液中に分散し、金
属アルコキシドを加水分解することにより、その粒子の
上に金属酸化物膜を形成する方法が好ましく、緻密な金
属酸化物膜を形成することができる。また、金属塩水溶
液の反応により粒子の上に金属酸化物膜等を形成するこ
とができる。 b.気相中での製膜法(CVD)(PVD) (3)金属膜あるいは合金膜を形成する場合 a.液相中での金属塩の還元法 金属塩水溶液中で金属塩を還元して金属を析出させて金
属膜を形成する、いわゆる化学メッキ法が使用される。 b.気相中での製膜法(CVD)(PVD) 金属の真空蒸着などにより、粒子の表面に金属膜を形成
することができる。
【0029】次に一例として、本発明において、高い屈
折率の物質と低屈折率の物質の交互多層膜を形成する具
体的方法を以下に説明する。屈折率の高い被膜を形成す
るには、例えば、チタンあるいはジルコニウムなどのア
ルコキシドを溶解したアルコール溶液に、前記の基体粒
子を分散し、攪拌させながら水とアルコール及び触媒の
混合溶液を滴下し、前記アルコキシドを加水分解するこ
とにより、基体または金属銀表面に高屈折率膜として酸
化チタン膜あるいは酸化ジルコニウム膜等を形成する。
その後、粉体を固液分離し真空乾燥後、熱処理を施す。
乾燥手段としては、真空加熱乾燥、真空乾燥、自然乾燥
のいずれでもよい。また、雰囲気調整しながら不活性雰
囲気中で噴霧乾燥機などの装置を用いることも可能であ
る。熱処理は酸化しない被膜組成物は空気中で、酸化し
易い被膜組成物については不活性雰囲気中で150〜1
100℃(基体が無機粉体の場合)または150〜50
0℃(基体が無機粉体以外の場合)で1分〜3時間熱処
理する。
【0030】続いてケイ素アルコキシド、アルミニウム
アルコキシドなどの、酸化物になったときに低屈折率と
なる金属アルコキシドを溶解したアルコール溶液に、前
記の高屈折率膜を形成した粉体を分散し、攪拌させなが
ら水とアルコール及び触媒の混合溶液を滴下し、前記ア
ルコキシドを加水分解することにより、粉体表面に低屈
折率膜として酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウム等の
膜を形成する。その後、粉体を固液分離し真空乾燥後、
前記と同様に熱処理を施す。この操作により、基体粒子
の表面に高屈折率の被膜と低屈折率の被膜が2層に有す
る粉体が得られる。さらに、この被膜を形成する操作を
繰り返すことにより、多層の被膜をその表面上に有する
粉体が得られる。その際、前記したように、高屈折率の
被膜と低屈折率の被膜が交互に設けられている粉体とす
ることにより、高い反射率を有する粉体が得られる。
【0031】本発明においては、基体粒子の上に金属酸
化物等の膜を被覆した後、その形成された金属酸化物膜
を熱処理して、膜を構成する金属酸化物の密度を高める
ことにより、膜の屈折率を上げ、高い屈折率の金属酸化
物膜と低い屈折率の金属酸化物膜との差を大きくしさら
に粒径を小さくするものである。また、その熱処理は、
金属酸化物膜を被覆した毎に行ってもよいし、また金属
酸化物膜を被覆し、その上に金属酸化物膜を順次被覆し
た後に行ってもよい。さらに、加水分解後に、乾燥する
ことなく、次の被覆処理を行ってもよいし、乾燥した
後、次の被覆処理を行ってもよい。
【0032】また前述のとうり、光干渉に関る多層の被
覆層と基体粒子との間に、金属銀膜を設けることによ
り、光の反射率を上げ、鮮やかなイエロー色とすること
ができる。また、基体粒子が金属であり、かつこの金属
銀膜層を設ける場合、該基体粒子と該金属銀膜層との間
に非金属膜層を設け、該基体と金属銀とが接触し、相互
作用により合金をつくり、光の反射率が低下しないよう
にすることが好ましい。この金属銀膜以外に白金、パラ
ジウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、鉄、亜鉛、
スズ、鉛、銅、金、アルミニウム、チタンなどの金属が
適用できる。気相中での製膜法CVDやPVDにはいず
れの金属も使用可能である。但し、無電解メッキの場合
には、銀以外に白金、パラジウム、イリジウム、コバル
ト、亜鉛、スズ、鉛、銅、金、ニッケル、鉄の金属膜が
好ましい。非金属膜としては、シリカ、チタニア、アル
ミナ、ジルコニア、セリア、酸化亜鉛、金属酸化物等が
挙げられる。この場合、金属銀膜の厚さとしては、3〜
100nmの範囲が好ましく、より好ましくは3〜70
nmの範囲である。金属銀膜の厚さが3nm未満では、
可視光干渉反射に関与しなくなり、100nmを超えて
厚くなると、完全に光の反射率が飽和して、膜1層当た
りの反射率は変化しなくなり、共に不適である。また、
非金属膜の厚さとしては、10〜300nmの範囲が好
ましく、より好ましくは10〜200nmの範囲であ
る。非金属膜の厚さが10nm未満では、可視光干渉反
射に関与しなくなり、300nmを超えて厚くなると、
膜1層当たりの反射率は変化しなくなり、共に不適であ
る。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定
されるものではない。
【0034】実施例1(多層膜被覆粉体の製造) 1層目:シリカコーティング BASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm)10
gをエタノール100ml中に分散し、容器をオイルバ
スで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにシリ
コンエトキシド6gとアンモニア水(29%濃度)6g
および水8gを添加し、撹拌しながら2時間反応させ
た。反応後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で110℃で3時間乾燥した。乾燥後、回転式チュー
ブ炉を用いて加熱処理を650℃で30分間施し、シリ
カコート粉体A1 を得た。得られたシリカコート粉体A
の膜厚は67nmであり、分散状態は非常に良かった。
【0035】2層目:金属銀コーティング 硝酸銀7gを蒸留水120gに溶解する。この際生じる
酸化銀が溶解するまで、アンモニア水(29%)を添加
し、更にこの液に水酸化ナトリウム5gを蒸留水120
gに添加した後、この際生じる酸化銀が溶解するまで、
アンモニア水(29%)を再度添加し、銀液とする。こ
の銀液を十分撹拌しながらシリカコート粉体A1 5gを
加え、分散後さらにあらかじめ用意しておいた還元液2
40mlを投入する。1時間反応後、固形分を洗浄・分
離し、真空乾燥機で110℃で3時間乾燥した。乾燥
後、回転式チューブ炉を用いて加熱処理を650℃で5
分間施し、金属銀/シリカコート粉体A 2 を得た。な
お、還元液の組成は蒸留水1000mlに対しブドウ糖
45g、酒石酸5g、エタノール100mlであった。
蒸留水にブドウ糖、酒石酸を溶解した溶液を5分間煮沸
し、冷却後エタノールを加える。この混合液を、日光の
当たらない所で約1週間熟成させた物が最も還元率が良
い。
【0036】3層目:チタニアコーティング 加熱処理後再度、得られた金属銀/シリカコート粉体A
2 10gに対しエタノール200mlを加え分散した。
容器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持し
た。これにチタンエトキシド3.8gを加え撹拌する。
これにエタノール30mlと水7.6gの混合溶液を6
0分間かけて滴下した後、4時間反応させ、反応後エタ
ノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃で
3時間乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用いて加
熱処理を650℃で30分間施し、チタニア/金属銀/
シリカコート粉体Aを得た。得られた粉体は分散性が良
く、それぞれ単粒子であった。チタニア膜は56nmで
あった。得られたイエロー系色の粉は球状で、磁場10
kOeでの磁化は120emu/gであった。
【0037】上記被覆膜の被覆粉体の分光反射曲線のピ
ーク波長、そのピーク波長での反射率および被覆膜の屈
折率、膜厚は下記の方法で測定した。 (1)分光反射曲線は、日本分光製、積分球付分光光度
計で粉体試料をガラスホルダーに詰め、その反射光を測
定した。測定方法はJISZ8723(1988)によ
り、測定した。 (2)屈折率と膜厚は、異なる条件で作製した、膜厚の
試料の分光反射曲線測定結果を、干渉の式に基づく機器
計算の曲線とのフィッティングにより求め評価した。 この粉体の分光反射曲線のピーク波長は730nmであ
り、そのピーク波長での反射率は66%であった。上記
第1〜3層の屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線の
ピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2(多層膜被覆粉体の製造) 1層目:シリカコーティング BASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm)10
gをエタノール100ml中に分散し、容器をオイルバ
スで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにシリ
コンエトキシド6gとアンモニア水(29%濃度)6g
および水8gを添加し、撹拌しながら2時間反応させ
た。反応後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で110℃で8時間乾燥した。乾燥後、回転式チュー
ブ炉を用いて加熱処理を650℃で30分間施し、シリ
カコート粉体B1 を得た。得られた粉体の膜厚は27n
mであり、分散状態は非常に良かった。
【0040】2層目:金属銀コーティング 硝酸銀7gを蒸留水120gに溶解する。この際生じる
酸化銀が溶解するまで、アンモニア水(29%)を添加
し、更にこの液に水酸化ナトリウム5gを蒸留水120
gに添加した後、この際生じる酸化銀が溶解するまで、
アンモニア水(29%)を再度添加し、銀液とする。こ
の銀液を十分撹拌しながらシリカコート粉体B1 5gを
加え、分散後さらにあらかじめ用意しておいた還元液2
40mlを投入する。なお、還元液の組成は蒸留水10
00mlに対しブドウ糖45g、酒石酸5g、エタノー
ル100mlであった。1時間反応後、固形分を洗浄・
分離し、真空乾燥機で110℃で3時間乾燥した。乾燥
後、回転式チューブ炉を用いて加熱処理を650℃で5
分間施し、金属銀/シリカコート粉体B2 得た。
【0041】3層目:チタニアコーティング 加熱処理後再度、得られた金属銀/シリカコート粉体B
2 10gに対しエタノール200mlを加え分散し、容
器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持し
た。これにチタンエトキシド4.7gを加え撹拌する。
これにエタノール30mlと水8.0gの混合溶液を6
0分間かけて滴下した後、4時間反応させ、膜厚を乾
燥、加熱処理後、75nmになるように調節した。反応
後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で11
0℃で3時間乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用
いて加熱処理を650℃で30分間施し、チタニア/金
属銀/シリカコート粉体B3 を得た。得られた粉体は分
散性が良く、それぞれ単粒子であり、鮮やかなイエロー
色であった。上記被覆膜の屈折率、膜厚、被覆粉体の分
光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射
率を測定した。
【0042】4層目:シリカコーティング チタニア/金属銀/シリカコート粉体B3 10gをエタ
ノール100ml中に分散し、容器をオイルバスで加熱
して液の温度を55℃に保持した。これにシリコンエト
キシド6gとアンモニア水(29%濃度)6gおよび水
8gを添加し、撹拌しながら5時間反応させ、膜厚を乾
燥、加熱処理後、96nmになるように調節した。反応
後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で11
0℃で3時間乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用
いて加熱処理を650℃で30分間施し、シリカ/チタ
ニア/金属銀/シリカコート粉体B4 を得た。得られた
粉体の分散状態は非常に良かった。上記被覆膜の屈折
率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長および
そのピーク波長での反射率を測定した。
【0043】5層目:チタニアコーティング 加熱処理後再度、得られたシリカ/チタニア/金属銀/
シリカコート粉体B10gに対しエタノール200ml
を加え分散し、容器をオイルバスで加熱して液の温度を
55℃に保持した。これにチタンエトキシド5.5gを
加え撹拌する。これにエタノール30mlと水8.0g
の混合溶液を60分間かけて滴下した後、4時間反応さ
せ、膜厚を乾燥、加熱処理後、76nmになるように調
節した。反応後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空
乾燥機で110℃で3時間乾燥した。乾燥後、回転式チ
ューブ炉を用いて加熱処理を650℃で30分間施し、
チタニア/シリカ/チタニア/金属銀/シリカコート粉
体Bを得た。得られた粉体は分散性が良く、それぞれ単
粒子であり、粉体は鮮やかなイエロー色であった。得ら
れたイエロー系色の粉は球状で、磁場10kOeでの磁
化は78emu/gであった。上記被覆膜の屈折率、膜
厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピ
ーク波長での反射率を測定した。上記第1〜5層の屈折
率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長および
そのピーク波長での反射率を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】比較例1 1層目:シリカコーティング BASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm)10
gをエタノール100ml中に分散し、容器をオイルバ
スで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにシリ
コンエトキシド6gとアンモニア水(29%濃度)6g
を添加し、撹拌しながら5時間反応させ、膜厚を乾燥、
加熱処理後、27nmになるように調節した。反応後エ
タノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃
で3時間乾燥した。乾燥後回転式チューブ炉を用いて加
熱処理を650℃で30分間施し、シリカコート粉体C
1 を得た。得られた粉体の分散状態は非常に良かった。
【0046】2層目:銀コーティング 硝酸銀7gを蒸留水120gに溶解する。この際生じる
酸化銀が溶解するまで、アンモニア水(29%)を添加
し、更にこの液に水酸化ナトリウム5gを蒸留水120
gに添加した後、この際生じる酸化銀が溶解するまで、
アンモニア水(29%)を再度添加し、銀液とする。こ
の銀液を十分撹拌しながらシリカコート粉体C1 5gを
加え、分散後さらにあらかじめ用意しておいた還元液2
40mlを投入する。なお、還元液の組成は蒸留水10
00mlに対しブドウ糖45g、酒石酸5g、エタノー
ル100mlであった。1時間反応後、固形分を洗浄・
分離し、真空乾燥機で110℃で3時間乾燥した。乾燥
後、回転式チューブ炉を用いて加熱処理を650℃で5
分間施し、銀/シリカコート粉体C2 を得た。
【0047】3層目:チタニアコーティング 加熱処理後再度、得られた銀/シリカコート粉体C2
0gに対しエタノール200mlを加え分散し、容器を
オイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持した。こ
れにチタンエトキシド5gを加え撹拌する。これにエタ
ノール30mlと水8.0gの混合溶液を60分間かけ
て滴下した後、5時間反応させ、膜厚を乾燥、加熱処理
後、35nmになるように調節した。反応後エタノール
で希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃で3時間
乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用いて加熱処理
を650℃で30分間施し、チタニア/銀/シリカコー
ト粉体C3 を得た。得られた粉体は分散性が良く、それ
ぞれ単粒子であり、帶緑灰色であった。帶緑灰色の粉体
のピーク波長は455nmで、逆に650nmでボトム
が現れ、暗青灰色になった。得られた粉は球状で、磁場
10kOeでの磁化は112emu/gであった。上記
被覆膜の屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピー
ク波長およびそのピーク波長での反射率を測定した。上
記第1〜3層の屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線
のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表3に
示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明のイエロー色系顔料及びその製造
方法により、顔料、粉末冶金、窯業原料、電子工業など
の原料となるイエロー色系複合原料粉体を、染料や顔料
を用いずとも製造することができ、得られたイエロー色
系顔料はカラーインキ用顔料およびプラスチック・紙用
フィラーに用いられている従来の顔料にとって代わる優
れた性能を保持し、長期保存においても安定な色調の顔
料粉体を提供することができる。分散性が良好で、干渉
反射が大きく、鮮明な色を可能とするものであり、ま
た、基体粒子を用途、目的により、変えることができ
る。例えば、基体を磁性体にすると磁性トナーとなる。
また基体粒子を金属とし、その上に非金属膜と金属膜と
を順に有するものとすると、該基体粒子と該金属膜とを
電極とする粉体コンデンサーになるため、静電場中では
分極し、電場によって作動することから、誘電トナーと
なり得、キャリアを用いない複写方式にも使用可能であ
る。また基体を誘電体または導電体とすると、インクジ
ェットプリンター、静電記録装置等のインクの顔料を提
供でき、また化粧品、塗料などの原料として産業界に寄
与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】イエロー色系に着色した粉体の多層膜を構成す
る各単位被膜の反射強度の分光波形を示すグラフであ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体粒子の外側に屈折率の大きい被膜と
    小さい被膜とが隣合って積層した複数の被膜層を有し、
    550〜850nmの間にピークを有する反射スペクト
    ルを示すことを特徴とするイエロー色系顔料。
  2. 【請求項2】 基体粒子と前記被膜層との間に金属銀膜
    層を有することを特徴とする請求項1記載のイエロー色
    系顔料。
  3. 【請求項3】 前記被膜層の最外層被膜の屈折率が、そ
    の直下に隣合う下層被膜の屈折率よりも大きいことを特
    徴とする請求項1記載のイエロー色系顔料。
  4. 【請求項4】 基体粒子が無機物であることを特徴とす
    る請求項1記載のイエロー色系顔料。
  5. 【請求項5】 基体粒子が金属である場合には、該基体
    粒子と前記金属銀膜層との間に非金属膜層を有すること
    を特徴とする請求項2記載のイエロー色系顔料。
  6. 【請求項6】 基体粒子の外側に複数の屈折率の異なる
    被膜層を有するイエロー色系顔料の製造方法において、
    該基体粒子の外側に屈折率の大きい被膜と小さい被膜と
    が隣合って積層する複数の被膜層を形成し、550〜8
    50nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す様
    に該被膜層等の各種条件を設定することを特徴とするイ
    エロー色系顔料の製造方法。
  7. 【請求項7】 基体粒子と前記被膜層との間に金属銀膜
    層を形成することを特徴とする請求項6記載のイエロー
    色系顔料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記被膜層の最外層被膜を、その直下に
    隣合う下層被膜より大きい屈折率を有する被膜とするこ
    とを特徴とする請求項6記載のイエロー色系顔料の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 基体粒子を無機物とすることを特徴とす
    る請求項6記載のイエロー色系顔料の製造方法。
  10. 【請求項10】 基体粒子を金属とする場合には、該基
    体粒子と前記金属銀膜層との間に非金属膜層を形成する
    ことを特徴とする請求項7記載のイエロー色系顔料の製
    造方法。
JP17217897A 1997-06-27 1997-06-27 イエロー色系顔料及びその製造方法 Pending JPH1112488A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17217897A JPH1112488A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 イエロー色系顔料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17217897A JPH1112488A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 イエロー色系顔料及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1112488A true JPH1112488A (ja) 1999-01-19

Family

ID=15937031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17217897A Pending JPH1112488A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 イエロー色系顔料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1112488A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004031305A1 (ja) * 2002-10-01 2004-04-15 Nittetsu Mining Co., Ltd. 光干渉性多層膜被覆粉体の設計方法、製造方法および光干渉性多層膜被覆粉体
JP2010532808A (ja) * 2007-07-12 2010-10-14 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア パーライトフレークを基礎とする干渉顔料
DE102009059102A1 (de) 2009-12-18 2011-06-22 Leibniz-Institut für Neue Materialien gemeinnützige GmbH, 66123 Verfahren zur Herstellung von eingekapselten Metall-Kolloiden als anorganische Farbpigmente
JP2015091997A (ja) * 2008-12-11 2015-05-14 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se パーライトフレークを主成分とする干渉顔料

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004031305A1 (ja) * 2002-10-01 2004-04-15 Nittetsu Mining Co., Ltd. 光干渉性多層膜被覆粉体の設計方法、製造方法および光干渉性多層膜被覆粉体
US7566499B2 (en) 2002-10-01 2009-07-28 Nittetsu Mining Co., Ltd. Light interference multi-layered film-coated powder design method, manufacturing method, and light interference multi-layered film-coated powder
JP2010532808A (ja) * 2007-07-12 2010-10-14 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア パーライトフレークを基礎とする干渉顔料
JP2015052117A (ja) * 2007-07-12 2015-03-19 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se パーライトフレークを基礎とする干渉顔料
US9963593B2 (en) 2007-07-12 2018-05-08 Basf Corporation Interference pigments on the basis of perlite flakes
JP2015091997A (ja) * 2008-12-11 2015-05-14 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se パーライトフレークを主成分とする干渉顔料
DE102009059102A1 (de) 2009-12-18 2011-06-22 Leibniz-Institut für Neue Materialien gemeinnützige GmbH, 66123 Verfahren zur Herstellung von eingekapselten Metall-Kolloiden als anorganische Farbpigmente
WO2011079909A2 (de) 2009-12-18 2011-07-07 Leibniz-Institut Für Neue Materialien Gemeinnützige Gmbh Verfahren zur herstellung von eingekapselten metall-kolloiden als anorganische farbpigmente
US9399206B2 (en) 2009-12-18 2016-07-26 Toyota Motor Corporation Process for producing encapsulated metal colloids as inorganic coloured pigments

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1179507A1 (en) White powder and method for production thereof
WO1997047693A1 (fr) Poudre revetue de couches multiples
WO1998007792A1 (fr) Composition d'une matiere colorante
JP2002080749A (ja) 膜被覆粉体、塗料組成物および塗布物
JP3052193B2 (ja) カラーインキ組成物
JPH1112489A (ja) レッド色系顔料及びその製造方法
JP3697355B2 (ja) 蛍光性多層膜被覆粉体
JPH1112488A (ja) イエロー色系顔料及びその製造方法
JP3652786B2 (ja) 顔料粉体
JP3601762B2 (ja) 蛍光顔料組成物
JPH1112490A (ja) グリーン色系顔料及びその製造方法
JP3670546B2 (ja) 青色色材組成物およびその製造方法
JP3650289B2 (ja) マゼンタ色粉体およびその製造方法
JPH1121467A (ja) マゼンタ色系顔料及びその製造方法
JP3627908B2 (ja) 青色粉体およびその製造方法
JP3874600B2 (ja) 触媒粉体、塗料組成物および塗布物
JPH10330644A (ja) ブルー色系顔料及びその製造方法
JPH1135843A (ja) シアン色系顔料及びその製造方法
JP3650290B2 (ja) シアン色粉体およびその製造方法
JP2000191942A (ja) 蓄光顔料組成物
JP3627910B2 (ja) 赤色粉体およびその製造方法
JP3670548B2 (ja) 緑色色材組成物およびその製造方法
JP3650302B2 (ja) 赤色色材組成物およびその製造方法
JP3698414B2 (ja) 酸化チタン膜被覆粉体およびその製造方法
JP3650292B2 (ja) イエロー色粉体およびその製造方法