JPH1097735A - 光学的情報記録媒体 - Google Patents
光学的情報記録媒体Info
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- JPH1097735A JPH1097735A JP8249524A JP24952496A JPH1097735A JP H1097735 A JPH1097735 A JP H1097735A JP 8249524 A JP8249524 A JP 8249524A JP 24952496 A JP24952496 A JP 24952496A JP H1097735 A JPH1097735 A JP H1097735A
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- tracks
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光記録媒体に設けた凹溝の底面(低所)と基
板の表面(高所)にそれぞれ情報トラックを設けて記録
の高密度化を行うと、隣接する情報トラックで相互干渉
が生じ、記録情報の損傷が発生する。 【解決手段】 透明基板11に案内溝12を設け、これ
に干渉層21,相変化記録層22、干渉層23、反射層
24、保護層25,26を形成して低所情報トラック1
4と高所情報トラック13を形成する。そして、これら
情報トラック13,14の高さの差を、光記録媒体の透
明基板11中の光ビームの波長λのλ/2程度とする。
隣接する情報トラック間の高さの差が大きいため、隣接
する情報トラックでの記録に際しての熱の影響が少なく
なり、記録情報の損傷が防止される。また、隣接する情
報トラックの反射光信号の位相が等しくなり、相互干渉
による再生信号の乱れが防止され、再生の安定化が実現
できる。
板の表面(高所)にそれぞれ情報トラックを設けて記録
の高密度化を行うと、隣接する情報トラックで相互干渉
が生じ、記録情報の損傷が発生する。 【解決手段】 透明基板11に案内溝12を設け、これ
に干渉層21,相変化記録層22、干渉層23、反射層
24、保護層25,26を形成して低所情報トラック1
4と高所情報トラック13を形成する。そして、これら
情報トラック13,14の高さの差を、光記録媒体の透
明基板11中の光ビームの波長λのλ/2程度とする。
隣接する情報トラック間の高さの差が大きいため、隣接
する情報トラックでの記録に際しての熱の影響が少なく
なり、記録情報の損傷が防止される。また、隣接する情
報トラックの反射光信号の位相が等しくなり、相互干渉
による再生信号の乱れが防止され、再生の安定化が実現
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザビーム等の光
ビームを用いて情報の記録あるいは再生を行う大容量フ
ァイル用の光ディスク、光カード等の光学的情報記録媒
体に関し、特に媒体基板に設けた凹部の底面(低所)と
凹部間の基板表面(高所)のそれぞれに情報の記録が可
能な高密度化を図った光学的情報記録媒体に関する。
ビームを用いて情報の記録あるいは再生を行う大容量フ
ァイル用の光ディスク、光カード等の光学的情報記録媒
体に関し、特に媒体基板に設けた凹部の底面(低所)と
凹部間の基板表面(高所)のそれぞれに情報の記録が可
能な高密度化を図った光学的情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等の光学的情報記録媒体はハ
ードディスクと同様に大量な情報の蓄積装置として非常
に優れた特徴を有している。特に光ディスクは、情報の
記録・再生を光ビームで行い、情報蓄積部のみを運ぶこ
とができるため、超大容量を必要とする画像データ等の
マルチメディア情報データの頒布、運搬媒体として最も
適している。このような光学的情報記録媒体に大容量の
情報を記録するためには情報記録密度をさらに向上させ
なければならない。光学的情報記録媒体の情報密度は、
情報トラックのピッチ及びトラック方向の情報密度すな
わち情報の線密度で決まり、光学的情報記録媒体の情報
密度を向上させるにはトラックピッチを狭くして、線密
度を高くする必要がある。
ードディスクと同様に大量な情報の蓄積装置として非常
に優れた特徴を有している。特に光ディスクは、情報の
記録・再生を光ビームで行い、情報蓄積部のみを運ぶこ
とができるため、超大容量を必要とする画像データ等の
マルチメディア情報データの頒布、運搬媒体として最も
適している。このような光学的情報記録媒体に大容量の
情報を記録するためには情報記録密度をさらに向上させ
なければならない。光学的情報記録媒体の情報密度は、
情報トラックのピッチ及びトラック方向の情報密度すな
わち情報の線密度で決まり、光学的情報記録媒体の情報
密度を向上させるにはトラックピッチを狭くして、線密
度を高くする必要がある。
【0003】従来の光学的情報記録媒体は、円盤状の透
明基板表面に幅0.8μm,ピッチ1.6μmという微
小な凹部の案内溝をスパイラル状に形成し、この基板表
面上にスパッタリング等でGeSbTeやAgInSb
Te等の相変化記録材料や、TbFeCoTiやTbF
eCoTa等の光磁気記録材料の薄膜を形成している。
この記録材料の薄膜層は透明誘電体等の保護膜層で挟ま
れ、その上に反射膜層が設けられているものも多い。さ
らにその上に保護膜層が設けられているものも多い。ま
た、近年では、このような媒体の透明基板側を外側にし
て2枚を貼り合わせて記録情報量の増大を図ったものも
提案されている。なお、この案内溝付き透明基板は、フ
ォトレジストをレーザビームで露光して光反応を起こし
た後、現像して凹部を形成し、これを型としてスタンパ
ーを作製し、このスタンパーを用いてインジェクション
モールド等の方法により大量に複製される。
明基板表面に幅0.8μm,ピッチ1.6μmという微
小な凹部の案内溝をスパイラル状に形成し、この基板表
面上にスパッタリング等でGeSbTeやAgInSb
Te等の相変化記録材料や、TbFeCoTiやTbF
eCoTa等の光磁気記録材料の薄膜を形成している。
この記録材料の薄膜層は透明誘電体等の保護膜層で挟ま
れ、その上に反射膜層が設けられているものも多い。さ
らにその上に保護膜層が設けられているものも多い。ま
た、近年では、このような媒体の透明基板側を外側にし
て2枚を貼り合わせて記録情報量の増大を図ったものも
提案されている。なお、この案内溝付き透明基板は、フ
ォトレジストをレーザビームで露光して光反応を起こし
た後、現像して凹部を形成し、これを型としてスタンパ
ーを作製し、このスタンパーを用いてインジェクション
モールド等の方法により大量に複製される。
【0004】ところで、この従来の光学的情報記録媒体
では、情報の記録・再生は、透明基板を通して光ビーム
を凹凸形状の案内溝周辺のうち、低所(凹部)または高
所(凸部)のどちらか一方の面に照射することにより行
っている。この案内溝は、光ビームが情報トラック位置
を正確に位置決め追随するために用いる。光ビームと案
内溝との位置ずれ信号(トラック誤差信号)はプッシュ
プル法で検出される。すなわち、光学的情報記録媒体か
らの反射光のファーフィールドパターンを2つの受光領
域を有する2分割の光検出器で検出し、両受光領域で検
出された光電流の差より光学的情報記録媒体上の案内溝
と光ビームとの位置ずれを検出する。この情報トラッキ
ング用の案内溝の深さは、トラッキング誤差信号が一番
大きくなるλ/8の値(ここでλは透明基板中の光ビー
ムの波長)に設定される(例えば、特開平3−8044
3号公報)。ここで、高密度化のために案内溝ピッチを
狭くすると、基板の作製が困難となる。
では、情報の記録・再生は、透明基板を通して光ビーム
を凹凸形状の案内溝周辺のうち、低所(凹部)または高
所(凸部)のどちらか一方の面に照射することにより行
っている。この案内溝は、光ビームが情報トラック位置
を正確に位置決め追随するために用いる。光ビームと案
内溝との位置ずれ信号(トラック誤差信号)はプッシュ
プル法で検出される。すなわち、光学的情報記録媒体か
らの反射光のファーフィールドパターンを2つの受光領
域を有する2分割の光検出器で検出し、両受光領域で検
出された光電流の差より光学的情報記録媒体上の案内溝
と光ビームとの位置ずれを検出する。この情報トラッキ
ング用の案内溝の深さは、トラッキング誤差信号が一番
大きくなるλ/8の値(ここでλは透明基板中の光ビー
ムの波長)に設定される(例えば、特開平3−8044
3号公報)。ここで、高密度化のために案内溝ピッチを
狭くすると、基板の作製が困難となる。
【0005】このような案内溝ピッチを狭くすることに
よる記録密度の増大に伴う問題を解消するために、低所
である案内溝の底面と、高所である案内溝間の基板表面
の両方を情報トラックとする方式が、米国特許4423
502号公報に提案されている。この方式では、案内溝
ピッチは従来と同じでも、低所と高所のそれぞれの情報
トラックに情報が記録されるため、従来のほぼ2倍の記
録密度を得ることが可能となる。
よる記録密度の増大に伴う問題を解消するために、低所
である案内溝の底面と、高所である案内溝間の基板表面
の両方を情報トラックとする方式が、米国特許4423
502号公報に提案されている。この方式では、案内溝
ピッチは従来と同じでも、低所と高所のそれぞれの情報
トラックに情報が記録されるため、従来のほぼ2倍の記
録密度を得ることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者がこのような高所と低所のそれぞれの情報トラックに
情報を記録し、その再生を行う方式を相変化型光ディス
クや光磁気光ディスクに対して適用して高密度記録・再
生の実験を行ったところ、低所情報トラックに情報を記
録すると隣接する高所情報トラックの相状態や磁気状態
に影響が生じ、この高所情報トラックの情報に損傷を与
えるという問題が生じた。同様に、高所情報トラックに
情報を記録すると隣接する低所情報トラックの情報に損
傷を与えるという問題が生じた。このため、実際には高
密度記録・再生を高品質で実現することが難しいという
問題が生じている。
者がこのような高所と低所のそれぞれの情報トラックに
情報を記録し、その再生を行う方式を相変化型光ディス
クや光磁気光ディスクに対して適用して高密度記録・再
生の実験を行ったところ、低所情報トラックに情報を記
録すると隣接する高所情報トラックの相状態や磁気状態
に影響が生じ、この高所情報トラックの情報に損傷を与
えるという問題が生じた。同様に、高所情報トラックに
情報を記録すると隣接する低所情報トラックの情報に損
傷を与えるという問題が生じた。このため、実際には高
密度記録・再生を高品質で実現することが難しいという
問題が生じている。
【0007】本発明の目的は、隣接する低所情報トラッ
クと高所情報トラックとのそれぞれの記録情報の損傷を
防止して高密度化を可能とした光学的情報記録媒体を提
供することにある。
クと高所情報トラックとのそれぞれの記録情報の損傷を
防止して高密度化を可能とした光学的情報記録媒体を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板に設
けた凹溝の底面と、この凹溝間の透明基板表面のそれぞ
れに記録層を形成し、かつこれらの記録層を低所情報ト
ラックと高所情報トラックとして構成し、各情報トラッ
クに前記透明基板を通して光ビームを照射することによ
り情報を記録あるいは再生する光学的情報記録媒体にお
いて、高所と低所との高さの差はλ/2あるいはその近
傍の値に設定する。ここで、記録層は相変化材料からな
る相変化記録層、あるいは光磁気材料からなる光磁気記
録層である。
けた凹溝の底面と、この凹溝間の透明基板表面のそれぞ
れに記録層を形成し、かつこれらの記録層を低所情報ト
ラックと高所情報トラックとして構成し、各情報トラッ
クに前記透明基板を通して光ビームを照射することによ
り情報を記録あるいは再生する光学的情報記録媒体にお
いて、高所と低所との高さの差はλ/2あるいはその近
傍の値に設定する。ここで、記録層は相変化材料からな
る相変化記録層、あるいは光磁気材料からなる光磁気記
録層である。
【0009】また、本発明においては、光ビームで記録
された情報のトラックを制御するためのプリピットを設
けることが好ましい。このトラック制御用プリピットは
チドリ状に配置されたもの、あるいはプリピットの深さ
は略λ/4の値であることが好ましい。
された情報のトラックを制御するためのプリピットを設
けることが好ましい。このトラック制御用プリピットは
チドリ状に配置されたもの、あるいはプリピットの深さ
は略λ/4の値であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1および図2は本発明の一
実施形態の光学的情報記録媒体を説明するための図であ
り、図1は透明基板11の概略断面斜視図、図2は本実
施形態を相変化型光記録媒体に適用した場合の断面図で
ある。図1において、透明基板11の表面に複数の凹溝
12が案内溝として形成されており、この案内溝12間
の透明基板11の表面が高所情報トラック13として、
案内溝の底面が低所情報トラック14として、2つの情
報トラックが交互に設けられている。なお、前記案内溝
12は、光ディスクの場合には渦巻状に形成され、光カ
ードの場合には直線状に形成される。ここで、前記透明
基板11における高所情報トラック13と低所情報トラ
ック14との高さの差はλ/2あるいはその近傍の値と
している。ここで、λは、透明基板11の中における記
録再生用光ビームの波長である。例えば、空気中波長6
40nmの記録再生用レーザを想定した場合、ここでは
高所情報トラック13の幅は0.56μm、低所情報ト
ラック14の幅は0.56μm、高さの差は202nm
のポリカーボネイト製透明基板を用いている。すなわ
ち、情報トラックの高さの差はおよそλ/2となってい
る。
図面を参照して説明する。図1および図2は本発明の一
実施形態の光学的情報記録媒体を説明するための図であ
り、図1は透明基板11の概略断面斜視図、図2は本実
施形態を相変化型光記録媒体に適用した場合の断面図で
ある。図1において、透明基板11の表面に複数の凹溝
12が案内溝として形成されており、この案内溝12間
の透明基板11の表面が高所情報トラック13として、
案内溝の底面が低所情報トラック14として、2つの情
報トラックが交互に設けられている。なお、前記案内溝
12は、光ディスクの場合には渦巻状に形成され、光カ
ードの場合には直線状に形成される。ここで、前記透明
基板11における高所情報トラック13と低所情報トラ
ック14との高さの差はλ/2あるいはその近傍の値と
している。ここで、λは、透明基板11の中における記
録再生用光ビームの波長である。例えば、空気中波長6
40nmの記録再生用レーザを想定した場合、ここでは
高所情報トラック13の幅は0.56μm、低所情報ト
ラック14の幅は0.56μm、高さの差は202nm
のポリカーボネイト製透明基板を用いている。すなわ
ち、情報トラックの高さの差はおよそλ/2となってい
る。
【0011】そして、図2のように、前記透明基板11
の上に、ZnSとSiO2 との混合物からなる干渉層2
1を160nm、GeSbTeからなる相変化記録層2
2を10nm、ZnSとSiO2 との混合物からなる干
渉層23を30nm、AlTiからなる反射層24を6
0nm、ZnSとSiO2 との混合物からなる保護層2
5を60nm積層し、その上に有機物の保護層26を形
成して光記録媒体を形成する。さらに、この実施形態で
は、このように形成された光記録媒体を、前記透明基板
11が外側になるように、前記保護層側を背中合わせに
してUV硬化樹脂27により2枚の光記録媒体を貼り合
わせて、光学的情報記録媒体を構成している。
の上に、ZnSとSiO2 との混合物からなる干渉層2
1を160nm、GeSbTeからなる相変化記録層2
2を10nm、ZnSとSiO2 との混合物からなる干
渉層23を30nm、AlTiからなる反射層24を6
0nm、ZnSとSiO2 との混合物からなる保護層2
5を60nm積層し、その上に有機物の保護層26を形
成して光記録媒体を形成する。さらに、この実施形態で
は、このように形成された光記録媒体を、前記透明基板
11が外側になるように、前記保護層側を背中合わせに
してUV硬化樹脂27により2枚の光記録媒体を貼り合
わせて、光学的情報記録媒体を構成している。
【0012】この光学的情報記録媒体を用いて情報を記
録する場合は、光学的情報記録媒体を前記情報トラック
13,14の長さ方向に沿って所定の速度で移動させ、
透明基板11を通して入射された光ビームが情報トラッ
ク上に位置するようにトラック制御を行いながら、光ビ
ームの強度を記録する情報に応じて非晶質化レベルの間
で強弱に変調して行う。例えば、記録マークが非晶質状
態となるように記録する場合には、相変化記録層を溶融
する程度の光量の光ビームを照射して非晶質状態のマー
クを形成し、記録マーク以外の期間は溶融しない程度の
光量の光ビームを照射して結晶化する。したがって、記
録マーク以外の期間は、照射前の状態が非晶質であろう
と結晶質であろうと結晶状態となるので、情報が既に記
録されている場所であってもオーバーライト(重ね書
き)されたことになる。また、この光学的情報記録媒体
に記録されている情報を再生するには、非晶質状態と結
晶状態で反射率及び位相差が異なることを利用して行
う。例えば、弱い強度一定の光ビームを照射し、光学的
情報記録媒体からの反射光を光検出器で受光して、反射
光量の変化で情報の再生を行う。
録する場合は、光学的情報記録媒体を前記情報トラック
13,14の長さ方向に沿って所定の速度で移動させ、
透明基板11を通して入射された光ビームが情報トラッ
ク上に位置するようにトラック制御を行いながら、光ビ
ームの強度を記録する情報に応じて非晶質化レベルの間
で強弱に変調して行う。例えば、記録マークが非晶質状
態となるように記録する場合には、相変化記録層を溶融
する程度の光量の光ビームを照射して非晶質状態のマー
クを形成し、記録マーク以外の期間は溶融しない程度の
光量の光ビームを照射して結晶化する。したがって、記
録マーク以外の期間は、照射前の状態が非晶質であろう
と結晶質であろうと結晶状態となるので、情報が既に記
録されている場所であってもオーバーライト(重ね書
き)されたことになる。また、この光学的情報記録媒体
に記録されている情報を再生するには、非晶質状態と結
晶状態で反射率及び位相差が異なることを利用して行
う。例えば、弱い強度一定の光ビームを照射し、光学的
情報記録媒体からの反射光を光検出器で受光して、反射
光量の変化で情報の再生を行う。
【0013】このように、この実施形態の光学的情報記
録媒体では、高所情報トラック13と低所情報トラック
14の高さの差が、波長λの1/2に設定されているた
め、高所情報トラック13と低所情報トラック14の両
方に高密度に記録してもそれぞれの情報に損傷を与えな
いことは殆どない。その理由は、両情報トラックの高さ
の差を大きくしたことにより、隣の情報トラックへの記
録中の熱拡散が小さくなったためと思われる。また、再
生時においては、高所情報トラック13からの反射光の
位相と低所情報トラック14からの反射光の位相は同じ
となる。このため、相変化記録層22が結晶状態の場合
の反射光の位相と相変化記録層22が非晶質状態の場合
の反射光の位相の差を零に設定しなくとも、高所情報ト
ラック13からの再生信号と低所情報トラック14から
の再生信号とにさほどの違いが生じることがなく、各反
射光信号が干渉することによる再生信号の不安定化が生
じることがない。
録媒体では、高所情報トラック13と低所情報トラック
14の高さの差が、波長λの1/2に設定されているた
め、高所情報トラック13と低所情報トラック14の両
方に高密度に記録してもそれぞれの情報に損傷を与えな
いことは殆どない。その理由は、両情報トラックの高さ
の差を大きくしたことにより、隣の情報トラックへの記
録中の熱拡散が小さくなったためと思われる。また、再
生時においては、高所情報トラック13からの反射光の
位相と低所情報トラック14からの反射光の位相は同じ
となる。このため、相変化記録層22が結晶状態の場合
の反射光の位相と相変化記録層22が非晶質状態の場合
の反射光の位相の差を零に設定しなくとも、高所情報ト
ラック13からの再生信号と低所情報トラック14から
の再生信号とにさほどの違いが生じることがなく、各反
射光信号が干渉することによる再生信号の不安定化が生
じることがない。
【0014】ここで、空気中波長640nmの半導体レ
ーザを用いた開口数0.6の光ヘッドを用い、上述の光
学的情報記録媒体に線速度6.6m/secで9.7M
Hzの信号の記録再生を行った。高所情報トラックに情
報を記録した後に、すぐ隣の低所情報トラックに情報を
記録し、その後、最初の高所情報トラックの情報を再生
したところ、情報の損傷はなかった。同様の実験とし
て、低所情報トラックに情報を記録した後に、すぐ隣の
高所情報トラックに情報を記録し、その後、最初の低所
情報トラックの情報を再生しても情報の損傷はなかっ
た。
ーザを用いた開口数0.6の光ヘッドを用い、上述の光
学的情報記録媒体に線速度6.6m/secで9.7M
Hzの信号の記録再生を行った。高所情報トラックに情
報を記録した後に、すぐ隣の低所情報トラックに情報を
記録し、その後、最初の高所情報トラックの情報を再生
したところ、情報の損傷はなかった。同様の実験とし
て、低所情報トラックに情報を記録した後に、すぐ隣の
高所情報トラックに情報を記録し、その後、最初の低所
情報トラックの情報を再生しても情報の損傷はなかっ
た。
【0015】比較例として、高所情報トラックと低所情
報トラックとの高さの差がλ/8(高さの差が50n
m)の光学的情報記録媒体を作製し、前記実施形態と同
様の記録・再生を行ってその評価を行ったところ、先に
情報を記録した隣接する情報トラックの非晶質状態の一
部が結晶状態に変化するという損傷を受けていることが
確認された。また、他の比較例として、高さの差がない
光学的情報記録媒体を作製して同様の評価をしたとこ
ろ、隣接トラックの損傷はさらに大きいことが確認され
た。すなわち、これらの比較例の光学的情報記録媒体で
は、高所情報トラックと低所情報トラックとの高さの差
が小さいため、隣接する情報トラックに熱の影響がおよ
んで、結晶状態に損傷が生じることとなる。また、高所
情報トラックからの反射光の位相と低所情報トラックか
らの反射光の位相とは90度異なり、その上で、相変化
記録層が結晶状態の場合の反射光の位相と、相変化記録
層が非晶質状態の場合の反射光の位相も積層膜構成の僅
かな違いで異なるため、これらの相乗作用によって再生
信号は複雑な振る舞いをし、安定した再生信号を得るこ
とが難しいものとなる。
報トラックとの高さの差がλ/8(高さの差が50n
m)の光学的情報記録媒体を作製し、前記実施形態と同
様の記録・再生を行ってその評価を行ったところ、先に
情報を記録した隣接する情報トラックの非晶質状態の一
部が結晶状態に変化するという損傷を受けていることが
確認された。また、他の比較例として、高さの差がない
光学的情報記録媒体を作製して同様の評価をしたとこ
ろ、隣接トラックの損傷はさらに大きいことが確認され
た。すなわち、これらの比較例の光学的情報記録媒体で
は、高所情報トラックと低所情報トラックとの高さの差
が小さいため、隣接する情報トラックに熱の影響がおよ
んで、結晶状態に損傷が生じることとなる。また、高所
情報トラックからの反射光の位相と低所情報トラックか
らの反射光の位相とは90度異なり、その上で、相変化
記録層が結晶状態の場合の反射光の位相と、相変化記録
層が非晶質状態の場合の反射光の位相も積層膜構成の僅
かな違いで異なるため、これらの相乗作用によって再生
信号は複雑な振る舞いをし、安定した再生信号を得るこ
とが難しいものとなる。
【0016】このように前記実施形態の光学的情報記録
媒体では、隣接する情報トラックへの影響を防止し、か
つ安定した再生信号を得ることができるという利点はあ
るが、従来のトラック制御方法であるプッシュプル法は
使うことができない。そこで、トラック制御のためのプ
リピットを設ける。図3はその実施形態における望まし
いトラック制御用プリピットの配置を説明するための概
略平面図である。113は高所情報トラック、114は
低所情報トラックを示しており、図中の実線は各トラッ
クの境界線、また破線は各トラックの中心を表してい
る。それぞれの情報トラックは、サーボ領域101、ア
ドレス領域102、情報記録領域103に分かれてい
る。サーボ領域101は情報トラックのサーボをかける
領域であり、アドレス領域102は情報トラクのアドレ
ス情報を与える領域であり、情報記録領域103はユー
ザ情報を実際に記録する領域である。サーボ領域101
やアドレス領域102には、基板に予め設けられている
凹部であるプリピット104が形成されている。アドレ
ス領域102はない場合もある。すなわち、102と1
03とが組となって繰り返される場合がある。また、そ
の繰り返しの中で、たまに101と102と103の組
が設けられる場合がある。この101と102と103
の組は、円盤状媒体の場合には一周に1組あるいは等配
で2組設けると、動画像情報等には好適である。
媒体では、隣接する情報トラックへの影響を防止し、か
つ安定した再生信号を得ることができるという利点はあ
るが、従来のトラック制御方法であるプッシュプル法は
使うことができない。そこで、トラック制御のためのプ
リピットを設ける。図3はその実施形態における望まし
いトラック制御用プリピットの配置を説明するための概
略平面図である。113は高所情報トラック、114は
低所情報トラックを示しており、図中の実線は各トラッ
クの境界線、また破線は各トラックの中心を表してい
る。それぞれの情報トラックは、サーボ領域101、ア
ドレス領域102、情報記録領域103に分かれてい
る。サーボ領域101は情報トラックのサーボをかける
領域であり、アドレス領域102は情報トラクのアドレ
ス情報を与える領域であり、情報記録領域103はユー
ザ情報を実際に記録する領域である。サーボ領域101
やアドレス領域102には、基板に予め設けられている
凹部であるプリピット104が形成されている。アドレ
ス領域102はない場合もある。すなわち、102と1
03とが組となって繰り返される場合がある。また、そ
の繰り返しの中で、たまに101と102と103の組
が設けられる場合がある。この101と102と103
の組は、円盤状媒体の場合には一周に1組あるいは等配
で2組設けると、動画像情報等には好適である。
【0017】サーボ領域101のプリピット104は、
図3に示すように、情報トラック113あるいは114
の中心を対称軸としてその両側に千鳥状に配置すること
により、良好なトラック制御を行うことができる。な
お、トラック制御は千鳥状のプリピットを設ける方法の
みではなく、他の方法を用いてもよい。例えば、図4の
ように、案内溝の境界部分に高さλ/8程度の段部10
5を設けてもよい。
図3に示すように、情報トラック113あるいは114
の中心を対称軸としてその両側に千鳥状に配置すること
により、良好なトラック制御を行うことができる。な
お、トラック制御は千鳥状のプリピットを設ける方法の
みではなく、他の方法を用いてもよい。例えば、図4の
ように、案内溝の境界部分に高さλ/8程度の段部10
5を設けてもよい。
【0018】また、プリピット104の深さとしては、
λ/4の場合に信号が最も大きくなるので望ましい。こ
のような基板の作製方法としては、スタンパー作製のた
めのレーザビーム露光用のフォトレジストとしてλ/4
の膜厚ずつの2層フォトレジスト法を用いることができ
る。あるいは、簡易に作製する方法としては、λ/2の
膜厚の単層のフォトレジストを塗布し、低所情報トラッ
クの部分へのレーザビーム露光量として完全に現像でき
る(露光されたフォトレジストを現像液で底まで溶解で
きる)露光量とし、プリピットの部分への露光量は中間
現像となるように少ない露光量に設定する方法がある。
λ/4の場合に信号が最も大きくなるので望ましい。こ
のような基板の作製方法としては、スタンパー作製のた
めのレーザビーム露光用のフォトレジストとしてλ/4
の膜厚ずつの2層フォトレジスト法を用いることができ
る。あるいは、簡易に作製する方法としては、λ/2の
膜厚の単層のフォトレジストを塗布し、低所情報トラッ
クの部分へのレーザビーム露光量として完全に現像でき
る(露光されたフォトレジストを現像液で底まで溶解で
きる)露光量とし、プリピットの部分への露光量は中間
現像となるように少ない露光量に設定する方法がある。
【0019】なお、前記各実施形態では、本発明を相変
化型光記録媒体に適用した例を示しているが、光磁気記
録媒体に適用した場合にも、隣接する高所情報トラック
と低所情報トラックとの間における相互影響を防止し
て、それぞれの記録情報に損傷を与えることがなく、し
かも再生信号の安定化を図った光学的情報記録媒体を得
ることができる。
化型光記録媒体に適用した例を示しているが、光磁気記
録媒体に適用した場合にも、隣接する高所情報トラック
と低所情報トラックとの間における相互影響を防止し
て、それぞれの記録情報に損傷を与えることがなく、し
かも再生信号の安定化を図った光学的情報記録媒体を得
ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学的情
報記録媒体は、高所情報トラックと低所情報トラックの
高さの差を、透明基板中における光の波長λのλ/2と
してしているので、によれば、高所情報トラックと低所
情報トラックの両方に高密度に記録してもそれぞれの情
報に損傷が発生しない光学的情報記録媒体が得られる。
また、トラック制御のためにプリピットを設けること
で、従来から用いられているプッシュプル法によるトラ
ック制御が可能な光学的情報記録媒体を得ることができ
る。
報記録媒体は、高所情報トラックと低所情報トラックの
高さの差を、透明基板中における光の波長λのλ/2と
してしているので、によれば、高所情報トラックと低所
情報トラックの両方に高密度に記録してもそれぞれの情
報に損傷が発生しない光学的情報記録媒体が得られる。
また、トラック制御のためにプリピットを設けること
で、従来から用いられているプッシュプル法によるトラ
ック制御が可能な光学的情報記録媒体を得ることができ
る。
【図1】本発明の実施形態の透明基板の一部の斜視図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施形態の光記録媒体の断面図であ
る。
る。
【図3】情報トラックの一部の平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の透明基板の一部の断面
図である。
図である。
11 透明基板 12 案内溝 13 高所情報トラック 14 低所情報トラック 21 干渉層 22 相変化記録層 23 干渉層 24 反射層 25,26 保護層 27 UV硬化樹脂 101 サーボ領域 102 アドレス領域 103 情報記録領域 104 プリピット 113 高所情報トラック 114 低所情報トラック
Claims (7)
- 【請求項1】 透明基板に設けた凹溝の底面(低所)
と、この凹溝間の透明基板表面(高所)のそれぞれに記
録層を形成し、かつこれらの記録層を低所情報トラック
と高所情報トラックとして構成し、各情報トラックに前
記透明基板を通して光ビームを照射することにより情報
を記録あるいは再生する光学的情報記録媒体において、
前記高所と前記低所との高さの差はλ/2あるいはその
近傍の値(ここで、λは前記透明基板中の前記光ビーム
の波長)であることを特徴とする光学的情報記録媒体。 - 【請求項2】 記録層は相変化材料からなる相変化記録
層、あるいは光磁気材料からなる光磁気記録層である請
求項1の光学的情報記録媒体。 - 【請求項3】 透明基板の表面に低所と高所が交互に配
列形成され、その表面に干渉層、記録層、干渉層、反射
層、保護層を順次積層形成してなる請求項2の光学的情
報記録媒体。 - 【請求項4】 2枚の光学的情報記録媒体が、保護層側
を背中合わせにして一体化されてなる請求項3の光学的
情報記録媒体。 - 【請求項5】 光ビームで記録された情報のトラックを
制御するためのプリピットを設けたことを特徴とする請
求項1ないし4のいずれかに記載の光学的情報記録媒
体。 - 【請求項6】 トラック制御用プリピットはチドリ状に
配置されたものであることを特徴とする請求項5に記載
の光学的情報記録媒体。 - 【請求項7】 プリピットの深さは略λ/4の値である
ことを特徴とする請求項2あるいは請求項6に記載の光
学的情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8249524A JPH1097735A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 光学的情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8249524A JPH1097735A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 光学的情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1097735A true JPH1097735A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=17194269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8249524A Pending JPH1097735A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 光学的情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1097735A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG92675A1 (en) * | 1999-02-12 | 2002-11-19 | Sony Corp | Multi-layered optical disc |
KR100611863B1 (ko) * | 1998-07-23 | 2006-08-11 | 다이요 유덴 가부시키가이샤 | 광 정보 매체 |
-
1996
- 1996-09-20 JP JP8249524A patent/JPH1097735A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100611863B1 (ko) * | 1998-07-23 | 2006-08-11 | 다이요 유덴 가부시키가이샤 | 광 정보 매체 |
SG92675A1 (en) * | 1999-02-12 | 2002-11-19 | Sony Corp | Multi-layered optical disc |
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