JPH1060113A - ポリアリーレンスルフィドの精製方法 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィドの精製方法Info
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- JPH1060113A JPH1060113A JP8217210A JP21721096A JPH1060113A JP H1060113 A JPH1060113 A JP H1060113A JP 8217210 A JP8217210 A JP 8217210A JP 21721096 A JP21721096 A JP 21721096A JP H1060113 A JPH1060113 A JP H1060113A
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Abstract
が少ない等の物性に優れるPASを製造するための精製
方法を提供する。 【解決手段】 有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物
とスルフィド化剤とを反応させて得られた反応終了後の
有機極性溶媒とポリアリーレンスルフィド等を含むスラ
リーに無機酸及び/または有機酸を加え、攪拌洗浄した
後、濾過、水洗、乾燥等の処理を行ってポリアリーレン
スルフィドポリマーを精製する方法において、スラリー
のpHが7未満になるように無機酸及び/または有機酸
の量をコントロールし、かつ水洗を少なくとも1回は1
00℃以上で行うことを特徴とするポリアリーレンスル
フィドポリマーの精製方法。
Description
ルフィド(以下PPSと略称する)に代表されるポリア
リーレンスルフィド(以下PASと略称する)の精製方
法に関するものである。
のスラリーに無機酸及び/または有機酸を加えることに
よりスラリーのpHを特定範囲にコントロールし、かつ
水洗を少なくとも1回は特定温度以上で行うことによ
り、金属イオン含有量が大幅に低減でき、溶融時の熱劣
化が少ない等の物性に優れるPASを製造するための精
製方法を提供するものである。
形加工性等に優れる性質の活用でその成形物は、近年、
電機電子部品、自動車部品等に幅広く利用されている。
しかしながら電気電子部品等を中心にその高純度化が更
に求められ、特に、Naイオンを主とする金属イオンの
含有量の低減化が望まれている。
いない方法としては例えば、(1)特開昭60−210
631号公報、特開昭62−185718号公報、特開
昭59−217728号公報、特開昭59−21933
1号公報等に開示されているが、しかしながらこれらの
方法は煩雑であり、充分満足すべき結果を得ることは少
なかった。
として酸を用いる方法が従来より知られており、例え
ば、(2)特開昭62−223232号公報には、反応
終了後の極性溶媒を含んだPPSのスラリーに無機酸ま
たは有機酸を加え、pH6以下で攪拌洗浄し、濾過、水
洗、乾燥することを特徴とするPPSの精製方法が開示
されている。
を加えない場合に比べて、アルカリ金属イオンを低減化
できるが、得られたポリマーを溶融した際にガスが発生
する、着色が激しい等の問題があった。
て、金属イオン含有量が大幅に少なく、溶融時の熱劣化
が少ない等の物性に優れるPASを製造するための精製
方法を提供することを目的とする。
達成すべく鋭意検討した結果、金属イオン含有量が大幅
に少なく、溶融時の熱劣化が少ない等の物性にも優れる
PASを製造するためには、反応後のスラリーを特定範
囲のpHにコントロールし、かつ水洗を少なくとも1回
は100℃以上で行うことが重要であり、有機極性溶媒
中で、ジハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応さ
せて得られた反応終了後の有機極性溶媒とポリアリーレ
ンスルフィド等を含むスラリーに無機酸及び/または有
機酸を加え、pHが7以下になるようにコントロール
し、かつ水洗を少なくとも1回は100℃以上で行って
精製することにより、金属イオン含有量が大幅少なく、
溶融時のカラー等の物性にも優れるPASが製造できる
ことを見い出し、本発明を完成するにいたった。
芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させて得られ
た、反応終了後の有機極性溶媒とポリアリーレンスルフ
ィドを含むスラリーに無機酸及び/または有機酸を加
え、攪拌洗浄した後、濾過、水洗、乾燥等の処理を行っ
てポリアリーレンスルフィドポリマーを精製する方法に
おいて、スラリーのpHが7以下になるように無機酸及
び/または有機酸の量をコントロールし、かつ水洗を少
なくとも1回は100℃以上で行うことを特徴とするポ
リアリーレンスルフィドポリマーの精製方法を提供す
る。
る単純な方法の場合には、溶融した際に熱劣化が起こ
り、溶融粘度が低下する、着色が激しいというようなポ
リマーの物性面で問題がある。
わせることにより金属イオン含有量が大幅に少なく、か
つ溶融時の安定性にも優れたポリマーを得ることが可能
である。即ち、本発明は従来の方法とは全く異なった方
法である。
剤」、「ジハロ芳香族化合物」、及び「溶媒」という用
語は、言及されている各化合物ないし物質がそれぞれ定
義された範囲内で混合物である場合を包含する。例え
ば、「ジハロ芳香族化合物」が複数種の化合物からなっ
ていて生成PASが共重合体である場合を本発明は1つ
の具体例として包含するものである。
製造方法は、スルフィド化剤によるジハロ芳香族化合物
の脱ハロゲン化/硫化反応に基くものであり、各種の公
知の方法を用いることが可能である。
れるスルフィド化剤としては、例えばアルカリ金属硫化
物、アルカリ金属水硫化物、あるいはこれらの混合物等
が挙げられる。
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム等が挙げられるが、これら
はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。また、上記硫化アルカリ金属は無水物、
水和物、水溶液のいずれを用いてもよい。
ウムと硫化カリウムが好ましく、特に硫化ナトリウムが
好ましい。
アルカリ金属とアルカリ金属塩基、硫化水素とアルカリ
金属塩基とを反応させることによっても得られるが、反
応系外で調製されたものを用いてもかまわない。
硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水
硫化ルビジウム、水硫化セシウム等が挙げられるが、こ
れらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合
して用いてもよい。また、上記水硫化アルカリ金属は、
無水物、水和物、水溶液のいずれを用いてもよい。
トリウムと水硫化カリウムが好ましく、特に水硫化ナト
リウムが好ましい。
アルカリ金属塩基とを反応させることによっても得られ
るが、反応系外で調製された物を用いてもかまわない。
アルカリ金属があげられる。水酸化アルカリ金属として
は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げ
られるが、これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2
種以上を混合して用いてもよい。
酸化リチウムと水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム
が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
リ金属、水硫化アルカリ金属中に微量存在する不純物を
除去するために、アルカリ金属塩基を少量過剰に加えて
もさしつかえない。
いが、入手の容易性と反応の制御性から等から含水物が
好ましく、無水物を使用する場合には、水を加えて用い
る。
重合体の骨格を形成すべき単量体に相当するジハロ芳香
族化合物は、芳香族核と該核上の2ケのハロ置換基とを
有するものである限り、そしてアルカリ金属硫化物等の
スルフィド化剤による脱ハロゲン化/硫化反応を介して
重合体化しうるものである限り、任意のものが使用でき
る。従って、芳香族核は芳香族炭化水素のみからなる場
合の外に、この脱ハロゲン化/硫化反応を阻害しない各
種の置換基を有するものであってもよい。
ハロ芳香族化合物の例には下式(A)〜(D)で示され
る化合物が包含される。
り成る群から選ばれた少なくとも1種のハロゲン。
Na、−CN及び−NO2(Rは、H、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より成る
群から選ばれたもの)より成る群から選ばれたもの。こ
こで、アルキル基又はアルキル基部分は炭素数1〜18
程度、アリール基またはアリール基部分は炭素数6〜1
8程度のものがふつうである。
ロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より成る群
から選ばれたもの)より成る群から選ばれたもの。ここ
でアルキル基またはアルキル基部分及びアリール基また
はアリール基部分は上記と同様に定義される。
2、0≦n≦4の整数。式(B)中でa及びbは、それ
ぞれa=2、0≦b≦6の整数。式(C)中でc、d、
e及びfは、それぞれ0≦c≦2、0≦d≦2、c+d
=2、0≦e、f≦2の整数。
れ0≦g≦2、0≦h≦2、g+h=2、0≦i、j≦
2の整数。
物の例として、次のようなものがある。
ン、o−ジハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、
1,4−ジハロナフタリン、1−メトキシ−2,5−ジ
ハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−
ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジ
ハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、
2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,
4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルス
ルフィド等であり、なかでも、p−ジハロベンゼン、m
−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロベンゾフェノンお
よび4,4’−ジハロジフェニルスルホンが好ましく、
その中でもp−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼ
ン、4,4’−ジクロルベンゾフェノンおよび4,4’
−ジクロルジフェニルスルホンは特に好適に使用され
る。
よって2種以上の異なる反応単位を含む共重合体を得る
ことができることは前記した通りである。p−ジクロル
ベンゼンと4,4’−ジクロルベンゾフェノンもしくは
4,4’−ジクロルフェニルスルホンとを組み合わせて
使用すれば、
る。
p−ジハロベンゼンをジハロ芳香族化合物中70モル%
以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95
モル%以上用いて重合すると種々の物性に優れたPPS
が得られるので好ましい。
用量は、使用するスルフィド化剤中の硫黄源1モル当た
り0.8〜1.3モルの範囲が望ましく、特に0.9〜
1.10モルの範囲が物性の優れたポリマーを得るのに
好ましい。
芳香族化合物の重合体であるが、生成重合体の末端を形
成させるため、あるいは重合反応ないし分子量を調節す
るためにモノハロ化合物(必ずしも芳香族化合物でなく
ともよい)を併用することも、分岐または架橋重合体を
形成させるためにトリハロ以上のポリハロ化合物(必ず
しも芳香族化合物でなくともよい)を併用することも可
能である。
芳香族化合物である場合の具体例は、上記具体例のモノ
ハロまたはポリハロ誘導体として当業者にとって自明で
あろう。具体的には、例えばジハロベンゼンに若干量の
トリクロルベンゼンを組み合わせて使用すれば、分岐を
持ったフェニレンスルフィド重合体を得ることができ
る。
用量は、目的あるいは反応条件によっても異なるので一
概に規定できないが、ジハロ芳香族化合物1モルに対し
て好ましくは0.1モル以下、更に好ましくは0.05
モル以下である。
る有機極性溶媒は、公知慣用のものが使用できるが、活
性水素を有しない有機極性溶媒、すなわちアプロチック
タイプの有機極性溶媒が好ましい。
当に阻害するものであってはならない。また、この溶媒
は、少なくとも原料であるジハロ芳香族化合物及びS2-
を与えるスルフィド化剤を反応に必要な濃度に溶解する
ことができる程度の溶解能を持つものであるべきであ
る。
および/または硫黄原子を有する極性溶媒であることが
普通である。更に、この溶媒は原料ジハロ芳香族化合物
と同様な脱ハロゲン化/硫化反応に関与しうるものでな
いことが望ましい。従って例えばハロ芳香族炭化水素で
はないことが望ましい。また、本発明の製造方法では、
使用する溶媒の沸点は水の沸点より高いものが最適であ
る。
(1)アミド、たとえば、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド(HMPA)、N−メチル−2−ピロリドンの様なN
−メチルピロリドン(NMP)、N−シクロヘキシルピ
ロリドン(NCP)、N−メチルカプロラクタム、テト
ラメチル尿素(TMU)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMA)、その他、
(2)エーテル化ポリエチレングリコールたとえばポリ
エチレングリコールジアルキルエーテル(重合度は20
00程度まで、アルキル基はC1〜C20程度)など、
(3)スルホキシド、たとえばテトラメチレンスルホキ
シド、ジメチルスルホキシド(DMSO)その他、があ
る。前記各種の溶媒の中でも、N−メチルカプロラクタ
ムおよびNMPは、化学的安定性が高いので、特に好ま
しい。
っても異なるが均一な重合反応が可能な反応系の粘度を
保持すること、また、ある程度の生産性を維持するため
には、重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄源1モル当
り1.0〜6モルの範囲が好ましい。また、生産性を更
に考慮すると、重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄源
1モル当り1.2〜5.0モルの範囲が好ましく、ま
た、更に好ましい使用溶媒量は重合に用いるスルフィド
化剤中の硫黄源1モル当り1.5〜4モルである。
剤の含水量を調整するための水は、反応を阻害するもの
が含まれていなければ良く、そのため蒸留水、イオン交
換水等、反応を阻害するアニオンやカチオン等を除いた
水が好ましい。また、水洗工程において用いる水も金属
イオン含有量が5ppm以下の水が好ましく、そのた
め、例えば蒸留水、イオン交換水等を用いるのが好まし
い。
べき水分は、加水分解反応などの併発を回避させるため
に、なるべく少ない方がよい。しかしながら、使用する
スルフィド化剤が水和物等である場合には、スルフィド
化剤を有機極性溶媒中で加熱脱水してもスルフィド化剤
1モルに対して1モル以上は系内に残存してしまい、系
内の水分を減らすことは困難であり、系内の水分量はス
ルフィド化剤1モル当たり1〜2モル、好ましくは1〜
1.5モルである。
て脱水操作を行った後、あるいは脱水操作行いながら2
00〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に
加熱して0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時
間、更に好ましくは1〜10時間加熱して行うことが好
ましい。この範囲内であると反応の進行がスムーズであ
る。
は反応速度が遅く、また反応が不均一になる可能性があ
り、一方、300℃を超えると生成ポリマーあるいは溶
媒の分解等の副反応が起こりやすい。
量、あるいは反応温度に依存するので一概に規定できな
いが、0.1時間未満では未反応成分の量が増大したり
生成するポリマーが低分子量になる可能性が高く、また
40時間以上では生産性が悪く好ましくない。
タンあるいはクロムあるいはジルコニウム等でできた重
合缶を用い、通常、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活
性ガス雰囲気下で行なうことが好ましく、特に、経済性
及び取扱いの容易さの面から窒素が好ましい。
使用した原料及び溶媒の種類や量、あるいは反応温度等
に依存するので、適宜条件を選択して採用する様にす
る。
応は一定温度で行なう1段反応でもよいし、段階的に温
度を上げていく多段階反応でもよいし、あるいは連続的
に温度を変化させていく形式の反応でもかまはない。
る。例えば、上記の様にして得られた有機極性溶媒とポ
リアリーレンスルフィドを含む反応終了後のスラリー
が、精製に供せられる。このスラリーは、通常、有機極
性溶媒、ポリアリーレンスルフィドだけでなく、それ以
外の化学成分が含まれたものである。原料にジハロ芳香
族化合物とアルカリ金属硫化物を用いた場合における、
スラリー中の前記それ以外の化学成分としては、金属イ
オンに解離しうる反応副生物が代表的である。
Sを含むスラリーをそのまま、あるいは反応溶媒(もし
くはそれと同等の低分子重合体の溶解度を有する溶媒)
を加えて攪拌した後、そのままの温度あるいは冷却しそ
のまま、あるいは反応溶媒(もしくはそれと同等の低分
子重合体の溶解度を有する溶媒)を加えて攪拌した後、
スラリーのpHが7未満になるように、好ましくはpH
が4以下になるように、更に好ましくはpHが2以下に
なるように無機酸及び/または有機酸を加え、均一化す
る。
接測定し、本発明では50℃で測定した値を用いるもの
とする。スラリーのpHは、既知の各種方法、pHメー
ターを用いる方法、pH試験紙を用いる方法、指示薬を
用いる方法等で測定すれば良い。その中でも特に、pH
メーターを用いる方法が操作性等から最も好ましい。
が、水中25℃でのpKaが5以下である酸が好まし
く、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、亜硫酸、燐
酸、硝酸、亜硝酸等が挙げられ、その中でも塩酸、硫
酸、燐酸が好ましい。また、有機酸としては、例えば蟻
酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、
クロトン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の
芳香族脂肪酸、蓚酸、マレイン酸、アジピン酸等のジカ
ルボン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸等が
挙げられる。その中でも蟻酸、酢酸、蓚酸が好ましい。
を加え、pHを7未満にする事が必須であり、7未満に
することによって金属イオン含有量低減効果が発揮で
き、後で述べる高温水洗と組み合わせた相乗効果により
著しく金属イオン含有量が低減化できる。無機酸及び/
または有機酸を加えても、pHが7以上では酸を加えな
い場合と比較すると金属イオン含有量は低減できるが、
その効果は十分とは言えない。
リーを濾過する。濾過する温度は特に制限はないが、好
ましくは50℃以上で反応に使用した溶媒の常圧での沸
点以下、更に好ましくは100℃以上190℃以下の温
度である。
離機等を用いて固液分離する操作が挙げられ、この濾過
後、得られた固形分をそのまま後述の方法で水洗処理し
てももちろん良いが、該スラリーを濾過した後、固形分
に付着した母液を、加温された溶媒にて更に洗浄して、
母液の付着分を除去した方がより好ましい。
前に付着していた母液に対して50%以上、好ましくは
70%以上、更に好ましくは90%以上である。この除
去量が多いほど、溶融時の安定性等の物性に優れる。
ちろん良いが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄した
後水洗しても良い。溶媒洗浄したあるいはしていない固
形分は1回または2回以上水で洗浄する。
温で水洗する。この高温で水洗する温度は100℃以
上、好ましくは160℃以上、更に好ましくは190℃
以上である。このように高温で水洗を行うことによっ
て、本発明の目的の1つである金属イオン含有量低減化
が効果的に行える。
る。乾燥は、単離したPASを実質的に水等の溶媒が蒸
発する温度に加熱して行う。乾燥は真空下で行なっても
良いし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気
下で行なってもよい。
等に利用できるが、空気あるいは酸素富化空気中あるい
は減圧化で熱処理することにより増粘することが可能で
あり、必要に応じてこのような増粘操作を行なった後、
各種成形材料等に利用してもよい。
るし処理する雰囲気によっても異なるので一概に規定で
きないが、通常は180℃以上で行うことが好ましい。
熱処理温度が180℃未満では増粘速度が非常に遅く生
産性が悪く好ましくない。熱処理を押出機等を用いて重
合体の融点以上で溶融状態で行っても良い。但し、重合
体の劣化の可能性あるいは作業性等から、融点プラス1
00℃以下で行うことが好ましい。
AS同様そのまま射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロ
ー成形のごとき各種溶融加工法により、耐熱性、成形加
工性、寸法安定性等に優れた成形物にすることができ
る。しかしながら強度、耐熱性、寸法安定性等の性能を
さらに改善するために、本発明の目的を損なわない範囲
で各種充填材と組み合わせて使用することも可能であ
る。
材等が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、ア
ラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、
硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラスト
ナイト等の天然繊維等が使用できる。また無機充填材と
しては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、バイ
ロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、マイカ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェ
ライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ガラスビーズ等が使用できる。
の目的を逸脱しない範囲で少量の、離型剤、着色剤、耐
熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑
剤、カップリング剤を含有せしめることができる。
ラストマーを混合して使用できる。これら合成樹脂とし
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエー
テル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリア
リーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化
エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等が挙げられ、エラス
トマーとしては、ポリオレフィン系ゴム、弗素ゴム、シ
リコーンゴム、等が挙げられる。
方法で得られるPAS同様耐熱性、寸法安定性等が優れ
るので、例えば、コネクタ・プリント基板・封止成形品
などの電気・電子部品、ランプリフレクター・各種電装
品部品などの自動車部品、各種建築物や航空機・自動車
などの内装用材料、あるいはOA機器部品・カメラ部品
・時計部品などの精密部品等の射出成形・圧縮成形、あ
るいはコンポジット・シート・パイプなどの押出成形・
引抜成形などの各種成形加工分野において耐熱性や成形
加工性、寸法安定性等の優れた成形材料あるいは繊維、
フィルムとして用いられる。
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
め説明する。
物) 結晶硫化ナトリウム(5水塩)(以下、Na2S・5H2
Oと略称する)は、三協化成(株)製品を使用。
三菱化学(株)製品を使用。
は、住友化学(株)製品を使用。
オン含有量5ppm以下)を使用。
粘度(η)は、高化式フローテスターを用いて測定した
(316℃、剪断速度100/秒、ノズル孔径0.5m
m、長さ1.0mm)。得られた重合体のナトリウムイ
オン含有量はポリマーを焼成した残存物を水溶液とし、
原子吸光高度計にて測定した。pHは横川電機(株)製
pHメーターModel PH82とKCl補給型複合
電極を用いて測定した。溶融安定性はポリマーを330
℃で5分間溶融混練した後の溶融粘度に対する30分間
溶融混練した後の溶融粘度の比をとることにより評価し
た(溶融安定性(%)=30分溶融混練した後の粘度/
5分溶融混練した後の粘度*100)。
ポンプ、留出物受け槽を連結した攪拌翼付ステンレス製
(チタンライニング)10リットルオートクレーブにN
a2S・5H2O 2185.6g(13.0モル)、N
MP 4461g(45.0モル)を仕込み、窒素雰囲
気下、200℃まで昇温することにより水−NMP混合
物を留去した。留出液中の組成はNMP 258g、水
903g、イオン性硫黄85mmolであった。
温しp−DCB 1911.0g(13.0モル)をN
MP1300gに溶かした溶液を2時間かけて一定速度
で滴下した。滴下終了後、220℃で3時間保持した。
この後、250℃まで1時間かけて昇温し、その温度で
1時間保持して反応を終了した。反応終了後、室温まで
冷却した。
水に注いで50℃で1時間攪拌した後、濾過した。この
ケーキを再び5リットルの50℃の水で1時間攪拌、洗
浄した後、濾過した。この操作を4回繰り返し、濾過
後、熱風乾燥器で一晩(120℃)乾燥して白色の粉末
状のポリマーを78g得た。得られたポリマーの溶融粘
度は460ポイズであり、ナトリウムイオン含有量は8
30ppmであった。溶融安定性は104%であった。
リー250gに硫酸2.5gを加えスラリーのpHを
1.8に調整した。なお、硫酸添加前のスラリーのpH
は12.3であった。このpH調整には、撹拌翼付ステ
ンレス製(チタンライニング)オートクレーブを使用し
た。pHを調整したスラリーを窒素雰囲気下、攪拌しな
がら150℃まで加温し、10分間その温度で保持した
後、その温度で特製の保温可能な吸引濾過装置で濾過を
行った。濾材には孔径3μmのPTFE製のメンブラン
フィルター(直径125mm)を使用した。
00gで2回洗浄した。更にこのケーキを2000gの
水に加え50℃で1時間攪拌洗浄した後、濾過した。こ
の操作を4回繰り返した。但し、4回行う水洗の内3回
目の水洗を120℃で行った。
℃)乾燥して白色の粉末状のポリマーを36g得た。得
られたポリマーの溶融粘度は500ポイズであり、ナト
リウムイオン含有量は90ppmであった。溶融安定性
は92%であった。
洗を170℃で行うようにする以外は、実施例1と同様
に行った。得られたポリマーの溶融粘度は490ポイズ
であり、ナトリウムイオン含有量は70ppmであっ
た。溶融安定性は94%であった。
洗を200℃で行うようにする以外は、実施例1と同様
に行った。得られたポリマーの溶融粘度は480ポイズ
であり、ナトリウムイオン含有量は40ppmであっ
た。溶融安定性は97%であった。
を用いる様にする以外は、実施例3と同様に行った。得
られたポリマーの溶融粘度は490ポイズであり、ナト
リウムイオン含有量は50ppmであった。溶融安定性
は96%であった。
代える以外は、実施例3と同様に行った。硫酸を加えた
後のスラリーのpHは3.4であった。得られたポリマ
ーの溶融粘度は490ポイズであり、ナトリウムイオン
含有量は60ppmであった。溶融安定性は97%であ
った。
0℃にして実施例3と同様に行った。得られたポリマー
の溶融粘度は500ポイズであり、ナトリウムイオン含
有量は60ppmであった。溶融安定性は98%であっ
た。
施例1と同様に行った。得られたポリマーの溶融粘度は
590ポイズであり、ナトリウムイオン含有量は400
ppmであった。溶融安定性は98%であった。実施例
に比べてナトリウムイオン含有量の多いポリマーであっ
た。
代える以外は、実施例1と同様に行った。硫酸を加えた
後のスラリーのpHは9.5であった。得られたポリマ
ーの溶融粘度は560ポイズであり、ナトリウムイオン
含有量は170ppmであった。溶融安定性は94%で
あった。実施例に比べてナトリウムイオン含有量低減効
果は十分とはいえなかった。
行うようにする以外は、実施例1と同様に行った。得ら
れたポリマーの溶融粘度は520ポイズであり、ナトリ
ウムイオン含有量は150ppmであった。溶融安定性
は75%であった。溶融時に熱劣化しやすいポリマーで
あった。
リーに無機酸及び/または有機酸を加えスラリーのpH
を特定範囲にコントロールして濾過し、特定温度以上で
高温水洗するので、従来の様に水洗をより低温で行った
場合に比べて、金属イオン含有量が大幅に低減でき、溶
融時の熱劣化の少ない等の物性に優れるPASを得るこ
とができるという格別顕著な効果を奏する。
Claims (7)
- 【請求項1】 有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物
とスルフィド化剤とを反応させて得られた、反応終了後
の有機極性溶媒とポリアリーレンスルフィドを含むスラ
リーに、無機酸及び/または有機酸を加え、攪拌洗浄し
た後、濾過、水洗、乾燥等の処理を行ってポリアリーレ
ンスルフィドポリマーを精製する方法において、スラリ
ーのpHが7未満になるように無機酸及び/または有機
酸の量をコントロールし、かつ水洗を少なくとも1回は
100℃以上で行う事を特徴とするポリアリーレンスル
フィドポリマーの精製方法。 - 【請求項2】 無機酸及び/または有機酸を加えてコン
トロールするスラリーをpH4以下とする請求項1記載
の精製方法。 - 【請求項3】 水洗を少なくとも1回は160℃以上で
行う請求項1あるいは2記載の精製方法。 - 【請求項4】 水洗を少なくとも1回は190℃以上で
行う請求項1あるいは2記載の精製方法。 - 【請求項5】 水洗に用いる水が、金属イオン含有量5
ppm以下の水である請求項1〜4のいずれか記載の精
製方法。 - 【請求項6】 該ポリアリーレンスルフィドがポリフェ
ニレンスルフィドであることを特徴とする請求項1〜5
のいずれか記載の精製方法。 - 【請求項7】 該有機極性溶媒がN−メチル−2−ピロ
リドンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
記載の精製方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP8217210A JPH1060113A (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | ポリアリーレンスルフィドの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8217210A JPH1060113A (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | ポリアリーレンスルフィドの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1060113A true JPH1060113A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16700599
Family Applications (1)
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JP8217210A Pending JPH1060113A (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | ポリアリーレンスルフィドの精製方法 |
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JP (1) | JPH1060113A (ja) |
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1996
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