JPH10507061A - アデノウイルス中にパッケージされたプラスミドdnaを用いる遺伝子送達ベクターおよびパッケージング細胞株 - Google Patents
アデノウイルス中にパッケージされたプラスミドdnaを用いる遺伝子送達ベクターおよびパッケージング細胞株Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、宿主細胞中で外来の核酸分子を挿入および発現するために有用な新規な発現ベクターを提供する。本発明の発現ベクターは、アデノウイルスに由来し、そしてその構成成分として、アデノウイルス逆方向末端反復、アデノウイルスパッケージング配列、および挿入されるべきDNA配列を有する。本発明はまた、アデノウイルスキャプシドタンパク質内に挿入される外来または異種DNA分子を有するプソイドアデノウイルス発現ベクターを提供する。これらのベクターは遺伝子治療に有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
アデノウイルス中にパッケージされたプラスミドDNAを用いる
遺伝子送達ベクターおよびパッケージング細胞株
本発明は、米国国立衛生研究所により与えられた認可番号U01 AI 33355の下で
政府の援助により行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
発明の背景
種々の異なる遺伝子導入アプローチが、細胞および組織中に組換え遺伝子を送
達するために利用可能である。これらの中には、DNA/リポソーム複合体、DNA、
および標的化ウイルスタンパク質DNA複合体を含むいくつかの非ウイルスベクタ
ーがある。アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、および他を
含むいくつかのウイルスベクターは、これまでに十分記載されている。ほとんど
のウイルスベクターは、野生型ベクターとの可能性のある組換えからの可能なバ
イオハザード、低いウイルス力価、および低い発現レベルを含む、いくつかの制
限を有する。対照的に、アデノウイルスベクターは、インビトロおよびインビボ
の両方でのその高レベルの発現および細胞の有効な形質転換のため、インビボで
組織中に遺伝子を導入するための有効な手段である。Davidsonら、Nature Genet ics
、3:219-223(1993)、Quantinら、P.N.A.S.、89:2581-2584 (1992)、およびMa
strangeliら、J .Clin.Invest.91(1):225-34(1993)を参照のこと。しかし、こ
れらのウイルスベクターは、2つの理由のため臨床使用には不利である。内因性
のウイルスと組み換える能力のため、アデノウイルスベクターは、制御されない
様式での集団への組換え遺伝子の普及の可能性を有する。さらに、現在のベクタ
ーは、細胞変性および/または免疫原性であり得る複数のウイルス遺伝子を発現
するが、ベクターを必ずしも必要としない。このように、臨床使用のために安全
かつ有効であるベクターまたは遺伝子送達システムの必要がある。本発明は、こ
の要求を満たし、そしてさらに関連する利点を提供する。
発明の要旨
本発明は、宿主細胞中で外来の核酸分子を挿入および発現するために有用な新
規の発現ベクターを提供する。本発明の発現ベクターは、アデノウイルスベクタ
ーに由来し、そしてその構成成分として、アデノウイルス逆方向末端反復、アデ
ノウイルスパッケージング配列、および挿入されるべきDNA分子を有する。本発
明はまた、アデノウイルスキャプシドタンパク質内に挿入される外来または異種
DNA分子を有するアデノウイルス発現ベクターを提供する。これらのベクターは
遺伝子治療に有用である。
図面の簡単な説明
図1は、アデノウイルス粒子中にプラスミドDNAを導入するためのストラテジ
ーを図示する。ウイルスの逆方向末端反復(ITR)パッケージング配列は、プラ
スミドが線状にされて変異全長ウイルスとともに同時トランスフェクトされ得る
ような様式で、プラスミド中に導入される。ウイルスタンパク質の産生が生じ、
そしてプラスミドDNAを粒子中にパッケージさせる。
図2は、パッケージング細胞株中に同時トランスフェクトする前に、コスミド
ベクター中にサブクローン化されて線状にされたアデノウイルスDNAのセグメン
トを示す。
図3は、パッケージング部位が欠失されているがITR配列が維持されるウイル
スゲノムDNAを有するパッケージングプラスミドの使用を示す。
図4は、アデノウイルス5型、野生型、およびsub 360ゲノムDNAの精製および
クローニングの概略図を示す。
図5は、プラスミドψRSVβ-galの制限酵素地図である。
図6は、RSVβ-galの制限酵素地図である。
図7は、プラスミドψRSVβ-gal-2の制限酵素地図である。
図8は、AatIIでの部分消化後、クレノウフラグメントで処理して唯一のXba I
部位を生成したプラスミドψRSVβ-galの制限酵素地図である。
図9は、コスミドベクターCosψRSVβ-galの制限酵素地図である。
図10は、パッケージングプラスミドψRSVβ-gal LSの制限酵素地図である。
図11A〜11Cは、コスミドベクターの制限酵素地図である。図IIAは、コスミド
ψRSVβ-gal A2である。図11Bは、コスミドψRSVβ-gal S2であり、そして図11C
は、コスミドψRSVβ-gal AS2である。
図12A-12Cは、本発明のアデノウイルス発現ベクターの地図である。図12Aは、
ψRSVβ-gal LSA2の地図である。図12Bは、ψRSVβ-gal LSS2の制限酵素地図で
あり、そして図12Cは、ψRSVβ-gal LSAS2の制限酵素地図である。
発明の詳細な説明
本発明の目的は、高力価に増殖されかつ効果的に細胞を感染し得るアデノウイ
ルスベクターを提供することである。野生型ウイルスとの組換えの確率が非常に
低く、そしてアデノウイルス遺伝子産物を発現しないので、これらのベクターは
また、遺伝子治療に有用である。このように、本発明の他の目的は、疾病を処置
する目的で細胞中に組換え遺伝子を導入するための代替方法を提供することであ
る。これは、アデノウイルスDNAよりもプラスミドDNAを含む独特のアデノウイル
スベクターの開発によって完成される。本発明は、高力価のストックに増殖され
得、効果的に細胞を感染させ得、そして集団内でほとんど組み換えられないので
、レトロウイルスベクターおよび従来の先行技術のアデノウイルスベクターにま
さる利点を提供する。
本発明は、5'末端から3'末端まで、第1のアデノウイルス逆方向末端反復に対
応するDNA分子、アデノウイルスパッケージング配列をコードするDNA分子、異種
DNA、および第2のアデノウイルス逆方向末端反復に対応するDNA分子を含む、プ
ソイドアデノウイルスベクターを提供する。本明細書中で用いられる用語「プソ
イドアデノウイルスベクター」は、アデノウイルスキャプシドにおいて宿主細胞
中に導入されて組換え遺伝子を発現し得るDNA分子を包含することを意図する。
本明細書中で用いられる用語「発現ベクター」は、その中に挿入された遺伝子の
発現を促進するベヒクルを意味することを意図し;代表的には、RNAポリアデニ
ル化およびプロセッシングを提供する特定の遺伝子および配列に対する調節配列
を有する制限フラグメントである。
用語「異種DNA」は、DNAポリマーを包含することを意図する。例えば、異種DN
Aは、プラスミドベクターDNAまたはコスミドベクターDNAを包含する。プソイド
アデノウイルスベクターへの挿入の前に、異種DNAは、別のフラグメントの形態
で、またはより大きなDNA構築物の成分として存在し、これは、実質的に純粋な
形態で、すなわち、外来物質の混入がなく、かつ、標準的生化学的方法により(
例えば、クローニングベクターを用いて)セグメントおよびその成分のヌクレオ
チド配列の同定、操作、および回収が可能な量または濃度で、少なくとも一旦単
離されたDNAに由来する。本明細書中で用いられる「組換え体」は、特定のDNA配
列が、天然系で見られる同種配列と区別し得る配列を有する構築物を生じる、ク
ローニング工程、制限工程、および連結工程の種々の組み合わせの産物であるこ
とを意味することを意図する。組換え配列は、クローン化したフラグメントおよ
び短いオリゴヌクレオチドリンカーから、または一連のオリゴヌクレオチドから
組み立てられ得る。
本発明の1つの局面では、プソイドアデノウイルス発現ベクターおよびアデノ
ウイルスキャプシドは、アデノウイルス5型ウイルスに由来する。他の適切なア
デノウイルスサブタイプは、ヒト1-41型またはマウス株である。
本発明のさらに他の局面では、ベクターは、遺伝物質をアデノウイルス粒子中
に組み立てかつパッケージさせるアデノウイルスパッケージング配列を含むDNA
分子をさらに含む。この配列は、配列3'から左側のITRまでに由来する複数の(
6〜20)オリゴヌクレオチド反復を含む(Grableら(1990)下述)。
異種DNAもまた、開始領域の下流のDNA分子が目的の配列(通常はmRNA)に転写
され得るように転写開始領域を含むさらなるDNA分子を含み得る。その転写、適
切には翻訳は、ポリペプチド、タンパク質、リボザイムの発現、および/または
他の遺伝子(例えば、アンチセンス)の調節、転写因子の発現などを生じる。
アデノウイルスDNAをアデノウイルス複合体に導入するにおいて技術的考慮が
ある。パッケージングに必要とされるシス作用(cis-acting)DNA配列の中に、
逆方向末端反復(ITR)があり、これは、アデノウイルス遺伝子産物を含む細胞
におけるDNAの複製に必要とされる。第2に、パッケージング配列の存在が必要
である。これらの配列は、パッケージングに必要な最小領域の欠失分析により、
一部定義されており、そして既に記載されている(Grableら、J .Viro1. 64:204
7-2056(1990)、本明細書中に参考として援用されている)。第3に、アデノウイ
ルス配列内にパッケージしようとするDNAの長さは、考慮する必要がある。本発
明において、アデノウイルス粒子中に組換えDNAを導入するいくつかの手段が記
載されている。
従来、アデノウイルスパッケージングは、アデノウイルスゲノムの左端を含む
プラスミドを用いて達成され、これは、複製欠陥であり、そしてその複製を妨げ
るように不活性化された野生型アデノウイルスDNAとともに同時トランスフェク
トされる。本出願において、プラスミドDNAをアデノウイルス粒子に導入するた
めに用いられる3つのストラテジーがある。第1の場合(図1)において、ウイ
ルスのITRパッケージング配列は、プラスミドが線状化されてウイルスDNAととも
に同時トランスフェクトされ得るような様式で、プラスミド中に導入される。こ
のように、ウイルスタンパク質の産生が起こり、そしてプラスミドDNAが粒子中
にパッケージされることを可能にする。このアプローチの変形(図2)において
、アデノウイルスDNAのセグメントは、コスミドベクター中にサブクローン化さ
れ、そしてパッケージング細胞株への同時トランスフェクションの前に線状化さ
れ、このようにまた、トランスフェクトされた細胞株における組換えDNAのパッ
ケージングを可能にする。このアプローチの利点は、人工的形態の短縮型ウイル
スが用いられることであり、このように、切断されていないウイルスDNAが細胞
培養物中に存在し、そして野生型アデノウイルスの複製を可能にする可能性を最
小にする。最後に、好ましい実施態様(図3)において、パッケージングプラス
ミドは、パッケージング部位が欠失されているがITR配列が維持されているアデ
ノウイルスとともに用いられ、このように、プラスミドDNAが細胞内で複製され
ると同時に欠陥ウイルスおよびウイルスタンパク質の複製を可能にし、より高力
価のウイルスを可能にする。この技術のさらなる開発は、ウイルスパッケージン
グタンパク質をトランスで提供する永久パッケージング細胞株であり、そしてこ
のようにパッケージング配列を中に有するプラスミドDNAのトランスフェクショ
ンのみ必要である。本研究は、抗ウイルス粒子へのDNAの組み込みを可能にする
ためにパッケージング配列およびITR抗プラスミドを用いることの可能性を証明
する。有効性をさらに改良するための非ウイルスDNA配列の付加は、本発明の範
囲内で
ある。他の局面は、パッケージングに必要とされる他のシス作用調節エレメント
をさらに定義するためにアデノウイルス配列を導入すること、および最終的には
、プラスミドベクターのパッケージングの有効性をさらに改良するために、無関
係のDNA(ファージDNA)のバックグラウンドに他のコンセンサスパッケージング
配列を導入することを包含する。
材料および方法細胞培養
形質転換されたヒト胎児腎臓細胞株、293、(ATCC)を、10%ウシ胎児血清(FBS
、Gibco)、50 U/mlペニシリン、50 μg/mlステレプトマイシンおよび2mM L-グ
ルタミンを補充した、改変ダルベッコイーグル培地(D-MEM、Gibco)に保存した。DNA およびプラスミド
Ad5およびsub360ゲノムDNAの精製(図4)
アデノウイルス5型野生型およびその誘導体の調製のため、sub360ゲノムDNA
、293細胞を、各ウイルスリゼイトで感染した(10プラーク形成単位/細胞)。ア
デノウイルス粒子をCsCl密度遠心分離で精製し(Grahamら、Virology 52:456-467
(1973)、これは参考として本明細書に援用されている)、続いて、50 mM Tris HC
l pH 7.4、1mM EDTAおよび0.5%SDS溶液中の2 mg/mlの自己消化プロナーゼE(Sig
ma)で37℃で45分間処理し、フェノール-クロロホルムで2回、そしてクロロホル
ムで1回抽出した。ゲノムDNAをエタノール沈澱により回収した。
pWEsub360(図4)
sub360DNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼおよびクレノウフラグメントで処理
して、ゲノムDNAの末端を修復した。各末端へのXbaIリンカー(Promega)の連結
反応に続き、ゲノムDNAをXba Iで消化した。sub360の右側のフラグメントを、コ
スミドベクターpWE15(Strategene)(業者の指示に従って新しいXbaI部位をBamHI
部位に作ることにより改変した)のXba I部位にクローン化した。
ΨRSV βGal(図5、6)
Ad5末端配列およびパッケージングシグナル配列(Grableら、(1990)上記)の
クローニングのため、pAd-Bgl IIプラスミド(Davidsonら、Nature Genetics 3:2
19-223(1993)、これは、参考として本明細書に援用されている)を、Eco RIで消
化し、そしてE.coli DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントにより修復した
。平滑にされたEco RI部位へのBamHI リンカー(Boehringer)の連結反応の後、プ
ラスミドをBamHIおよびBgl IIで消化した。末端配列およびパッケージングシグ
ナル配列を含有するDNAフラグメント(370bp)を、RSV βGalのBamHI部位に導入し
た(Stewartら、Human Gene Therapy 3;267-275(1992)、これは参考として本明細
書に援用されている)。このクローンを、Pack+RSV βGalとして試験的にコード
した。他の末端配列を、pAd-Bgl IIをDNA鋳型として用いるポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)により作成した。この反応では、プライマーを以下のように設計した:E
co RI部位を含有するセンスプライマー(pAd Bgl IIのヌクレオチド数1〜29)、
5'-ACAGAATTCGCTAGCATCATCAATAATATACC-3'、(配列番号1)およびBamHI部位を
含むアンチセンスプライマー(200〜173)、5'-ACAGGATCCGGCGCACACCAAAAACGTCACT
TTTGCC-3'(配列番号2)。PCR条件は、始めの5サイクルにつき、94℃で30秒間;
65℃で30秒間;および72℃で30秒間;続いて、30サイクルにつき、94℃で30秒間
;および72℃で30秒間であった。増幅された末端配列(212bp)をEco RIおよびBam
HIで消化し、そしてpBluescript(Strategene)にサブクローン化した。BamHIリン
カーをこのプラスミドのXho I部位に導入した後、末端配列フラグメントをBamHI
消化により精製し、そしてPack+RSV βGalプラスミドのBamHI部位に導入して、
逆方向末端反復(ITR)を作成した。このΨRSV βGalプラスミドを、E.coli、SUR
E細胞(Strategene)において増殖した。
pAdΔΨ
Ad5左側DNA配列をコードし、パッケージングシグナル配列を欠失したpAdΔΨ
プラスミドを構築するため、上記pBluescriptプラスミド中の末端配列をNhe Iお
よびBamHIで消化することにより精製し、そしてpAd Bgl IIの Nhe IおよびBgl
II部位にクローン化した。トランスフェクション
同時トランスフェクションを、直径100mmのペトリ皿においてリン酸カルシウ
ム法(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (1989)、Cold Spr
ing Harbor Laboratory,N.Y.、これは参考として本明細書に援用されている)に
より行い、293細胞を、10μgのEco RI消化pAdΔΨ、10μg Nhe I消化ΨRSV βGa
l、およびXba IおよびCla I消化sub360ゲノム、またはXba Iおよびクレノウフラ
グメント処理のpWEsub360の種々の量でトランスフェクトした。コントロール実
験では、ΨRSV βGalの代わりに、10μgのBamHI消化RSV βGalを使用した。トラ
ンスフェクション8日後、細胞を採集し、1.5mlの培地に懸濁させ、そしてドラ
イアイス-エタノールで凍結−融解を3回繰り返した。上清を、次の実験でウイ
ルスリゼイトとして使用した。ウイルスの力価測定(titration)
直径60mmのディッシュの集密的な(confluent)293細胞を、0.5mlのウイルスリ
ゼイトで1時間感染した。感染後、4.5mlの培地を重層し、そして細胞を37℃で2
4時間培養した。感染細胞を採取し、PBSで2回洗浄し、そして1.25%のグルタル
アルデヒド-PBS溶液で室温で5分間固定した。固定した細胞をPBSで2回洗浄し
、そして6ウェル培養プレートで溶液X[50mM Tris HCl、pH7.5、2.5mMフェリフ
ェロシアニド、15 mM NaCl、lmM MgCl2および0.5mg/ml X-gal]で一晩染色した
。各ウェル中のブルー染色した細胞および全細胞の数を計数した(表1)。
Xba IおよびCla Iで消化したsub360およびpAdΔΨと同時トランスフェクトさ
れたRSV βGalまたはΨRSV βGalのβ-ガラクトシダーゼ活性(実験1);pWEsub
360およびpAdΔΨと同時トランスフェクトされたRSV βGalまたはΨRSV βGalの
β-ガラクトシダーゼ活性(実験2)。プラスミド
Ψ RSVβgalプラスミド(図7)を親プラスミドとして使用して、大きいサイズ
のプラスミドを構築した。Ψ RSVβgalプラスミドを、AatIIで部分的に消化し、
そしてクレノウフラグメントで処理し、続いて、XbaIリンカー(Progega)を導入
した(ヌクレオチド位置、5,775)。このプラスミドを試験的にΨRSVβgal XbaIと
名付けた(図8)。
別に、コスミドベクターであるSuperCosl(Stratagene)をXbaIおよびNheIで消
化し、そして平滑末端をクレノウフラグメントインキュベーションにより作った
。続いて、NotIリンカー(Promega)をこの位置に導入した。このcosフラグメント
を、HinfIおよびEcoRIで消化することにより、およびクレノウフラグメントて処
理することにより、調製した。このフラグメント(2,371bp)を、上記のΨ RSV β
galXbaIの平滑末端SalI部位に挿入した。このコスミドベクターをCos Ψ RSV β
gal
としてコードした(図9)。酵母またはファージλゲノムDNAとの連結反応のため
、Cos Ψ Rsv βgalプラスミドをNotIで消化し、仔ウシ腸アルカリ性ホスファタ
ーゼで処理し、続いて、さらにXbaIで消化した。酵母ゲノムDNAをNheIで完全に
消化し、そしてアルカリ性ホスファターゼで処理した。このDNAフラグメントを
、0.5%低融解アガロースゲル上で分離し、20〜30kbの範囲のフラグメントを精
製した。これらのフラグメントを、上記のNotI、XbaI消化のCos Ψ RSV βgalプ
ラスミドに連結させ、続いて、Gigpack IIパッケージングキット(Stratagene)を
用いてλファージにパッケージした。全サイズが20〜40kbの間のクローンを選択
し、そしてパッケージングプラスミドΨ RSV βgalLSと名付けた(図10)。
これらのプラスミドのアデノウイルスパッケージング効率を高めるために、他
のΨ RSV βgal LSプラスミドもまた構築され、これは、さらなるパッケージン
グシグナルを有する。パッケージングシグナル要素AVおよびAVIをコードするオ
リゴヌクレオチド(GrableおよびHearing,J .Virol. 66:723-731(1992)、これは
参考として本明細書に援用されている)は、以下のように設計した:
3'末端にApaI制限部位を有するセンスプライマー;5'-GCGTAATATTTGTCTAGGGCC
GCGGGGACTTTGGGGCC-3’、(配列番号3)。
5'末端にApaI部位を有するアンチセンスプライマー;5'-CCAAAGTCCCCGCGGCCCT
AGACAAATATTACGCGGCC-3'(配列番号4)。
5'末端にSapI部位を有するセンスプライマー;5'-GCTCGTAATATTTGTCTAGGGCCGC
GGGGACTTTGG-3'、(配列番号5)。
3'末端にSapI部位を有するアンチセンスプライマー;5'-AGCCCAAAGTCCCCGCGGC
CCTAGACAAATATTACG-3'(配列番号6)。
センスおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドの全ての5'末端を、T4ポリヌク
レオチドキナーゼによりリン酸化し、そしてアニーリングした。ApaI部位または
SapI部位のいずれかを有するオリゴヌクレオチドを、cos Ψ RSVβgalのApaI部
位またはSapI部位に導入して、2つ(2)のタンデムコピーを作り、そしてまたこ
れは、Cos Ψ RSVβgalにおける野生型パッケージングシグナルの方向と同じ方
向を示した(図11)。ApaI部位にオリゴヌクレオチドを含有するプラスミドをCos
Ψ RSVβgalA2と呼び、そしてそのSapI部位をCos Ψ RSVβgalS2と命名した。Ap
aIおよびSapI部位の両方にオリゴヌクレオチドを含有するプラスミドを構築した
際、末端にSapI配列を有するオリゴヌクレオチドを、Cos Ψ RSVβgalA2のSapI
部位に挿入した。このプラスミドをCos Ψ RSVβgalAS2と名付けた(図11C)。Cos
Ψ RSVβgalA2、S2、およびAS2の全長を増やすために、NheI消化の酵母ゲノムD
NAを各プラスミドのXbaI部位に連結させ、先に記載のように、λファージにパッ
ケージした。20〜40kbの間のサイズを示すプラスミドを選択した。Cos Ψ RSVβ
galA2から生成したプラスミドをΨ RSVβgal LSA2としてコードし、同様に、Cos
Ψ RSVβgalS2から生成したプラスミドをΨ RSVβgal LSS2としてコードし、そ
してCos Ψ RSVβgalAS2から生成したプラスミドをΨ RSVβgalLSAS2としてコー
ドした(図12)。
本発明の発現ベクターは、宿主細胞(例えば、哺乳動物細胞、特に霊長類、さ
らに詳細にはヒト)に挿入され得るが、目的のいずれの動物、特にウマ、ウシ、
マウス、ヒツジ、イヌ、ネコなどのような飼いなされた動物と関連され得る。こ
れらの種のうち、種々タイプの細胞、例えば、造血細胞、神経細胞、間葉細胞、
皮膚細胞、粘膜細胞、間質細胞、筋細胞、膵臓細胞、網状内皮細胞、上皮細胞、
内皮細胞、肝臓細胞、腎臓細胞、胃腸細胞、肺細胞などが含まれ得る。それらの
うち、特に重要なのは、造血細胞であり、これは、リンパ球または骨髄単核細胞
系が含まれ得る任意の有核細胞を包含し得る。また、特に重要なのは、T細胞系
およびB細胞系、マクロファージおよび単核細胞のメンバーである。さらに重要
なのは、幹細胞および始原細胞、例えば、造血細胞、神経細胞、間質細胞、筋細
胞、肝細胞、肺細胞、胃腸細胞などである。
異種DNAもまた、レセプターをコードし得、これらのレセプターには、リガン
ドIL-2、IL-3、IL-4、IL-7(p59fynと相互作用する);エリトロポイエチン(EPOR)
、G-CSF、白血病阻害因子(LIF)、繊毛性好中球性因子(ciliary neutryphic fact
or)(CNTR)、成長ホルモン(GH)、ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ,組織適合
性遺伝子、およびプロラクチン(PRL)に対するレセプターが挙げられる。
異種DNAはまた、必要な転写終止を提供し、そして適切な翻訳終止としてのDNA
配列を含有し得る。
異種DNAは、広範な遺伝子を含有し得、ここで、この遺伝子は、目的のタンパ
ク質または目的のアンチセンス配列をコードする。この遺伝子は、所望の表現型
を提供する目的のいずれの配列であり得る。遺伝子は、表面膜タンパク質、分泌
タンパク質、細胞質タンパク質を発現し得るか、または異なるタイプの産物を発
現し得る複数の遺伝子が存在し得る。この遺伝子はまた、アンチセンス配列をコ
ードし得、このアンチセンス配列は、転写調節タンパク質を阻害することにより
特定の経路を調節し得るか、またはこの経路のインヒビターを阻害することによ
り、特定の経路を作動し得る。発現されたタンパク質は、単独または組み合わせ
で、ホーミング(homing)、細胞傷害性、増殖、免疫反応、炎症反応、血餅形成ま
たは血餅の溶解、ホルモン調節などに関与され得る。発現されたタンパク質は、
天然に存在するタンパク質、天然に存在するタンパク質の変異体、特有な配列、
またはそれらの組み合わせであり得る。
この遺伝子はまた、細胞により分泌される産物をコードし得、それにより、コ
ードされた産物は、宿主の要望または必要に応じて、いつでも自由に使えるよう
に作成され得る。種々の分泌産物は、ホルモン(例えば、インスリン、ヒト成長
ホルモン、グルカゴン、下垂体放出因子、ACTH、メラノトロフィン、リラキシン
など);成長因子(例えば、EGF、IGF-1,TGF-α、TGF-β、PDGF、G-CSF、M-CSF、
GM-CSF、FGF、エリトロポイエチン、巨核球細胞刺激因子および巨核球成長因子
など);インターロイキン(例えば、IL-1〜IL-11;TNF-αおよびTNF-βなど);な
らびに酵素(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、補体カスケードの
メンバー、パーフォラン(perforan)、スーパーオキシドジムスターゼ、凝血因子
、アンチトロビン-III、第VIIIc因子、第VIIIvW因子、α-アンチトリプシン、タ
ンパク質C,タンパク質Sなど)を含む。
この遺伝子はまた、表面膜タンパク質をコードし得る。このようなタンパク質
は、ホーミング受容体(例えば、L-セレクチン(Mel-14))、血液関連タンパク質(
特にクリングル構造を有するもの、例えば、第VIIIc因子、第VIIIvW因子)、造血
細胞マーカー(例えば、CD3、CD4、CD8、B細胞レセプター、TCRサブユニットα
、β、γ、δ、CD10、CD19、CD28、CD33、CD38、CD41など)、レセプター(例え
ば、インターロイキンレセプターIL-2R、IL-4Rなど)、イオン(例えば、H+、Ca+2
、K+、Na+、Cl-など)の流入または流出のためのチャンネルタンパク質など;C
FTR、チロシン活性化モチーフ、ζ活性化タンパク質などを含み得る。
また、細胞内タンパク質は、重要であり得る。これらのタンパク質には、代謝
経路中のタンパク質、調節タンパク質、ステロイドレセプター、転写因子などの
特に宿主細胞の性質に依存するものがある。上で指示されたタンパク質のいくつ
かもまた、細胞内タンパク質として役目を果たし得る。
以下は、異なる遺伝子の若干の例示である。T細胞では、T細胞レセプターの
一本または二本鎖をコードする遺伝子を導入することが所望され得る。B細胞の
場合は、分泌免疫グロブリンに対して重鎖および軽鎖を提供し得る。皮膚細胞(
例えば、角化細胞)の場合は、α、βまたはγインターフェロン、抗走化性因子
、微生物細胞壁タンパク質に対する特異的プロテアーゼなどを分泌することによ
り、感染保護を提供し得る。
治療価値を有し得る遺伝子の発現を提供することに加え、細胞を特定の部位に
向けさせることを所望し得る、多くの位置が存在する。部位は、解剖学的部位(
例えば、リンパ節、粘膜組織、皮膚、滑膜、肺、または他の体内器官)、あるい
は機能性部位(例えば、血餅、損傷部位、外科手術、炎症、感染などの部位)を含
み得る。宿主細胞の標的部位において天然に存在するエピトープへの結合を提供
することによって宿主細胞を特定の部位に向けさせる表面膜タンパク質の発現を
提供することにより、分泌産物の局在濃度が達成され得る。目的のタンパク質は
、ホーミング受容体(例えば、L-セレクチン、GMP140、LCAM-1など)、またはアド
レシン(addressin)(例えば、ELAM-1、PNAd、LANdなど)、血餅結合タンパク質、
または走化性因子の局在グラジエントに応答する細胞表面タンパク質を含む。細
胞を特定の部位に向けさせる多くの位置が存在し、ここで治療産物の放出は大き
い値になり得る。これらの位置には、細胞死を引き起こすかまたは腫瘍の免疫認
識を誘導する目的のための、組換え遺伝子の悪性腫瘍細胞への送達がある。
別の例は自己免疫疾患である。延長された寿命の細胞、例えば、内皮細胞を使
用し得る。異種DNAを、自己免疫損傷の部位へのホーミング(homing)のためおよ
びこの損傷を引き起こす細胞上の細胞障害性攻撃のためのホーミング受容体に対
して準備し得る。次いで治療が、損傷を引き起こす細胞に対して向けられ得る。
あるいは、可溶性受容体またはその他のペプチドまたはタンパク質の分泌に対し
て備え得、そこでは、分泌産物は、損傷を引き起こす細胞の活性化を阻害し得ま
たはアネルギーを誘導し得る。他の代替法は、変性効果を小さくするために供し
得る抗炎症産物を分泌することであり得る。
遺伝子を、1つまたはそれ以上のDNA分子または発現ベクターに導入し得、そ
こでは少なくとも1つのマーカーが存在し、そして2つまたはそれ以上のマーカ
ーであり得、この遺伝子(単数または複数)を含む宿主細胞の分泌を可能にし得る
。異種DNA、遺伝子および発現ベクターは、従来法で調製し得、そこでは、遺伝
子および調節領域が適切に単離され、連結され、適切なクローニング宿主にクロ
ーン化され、制限または配列決定、あるいはその他の便利な手段により分析され
る。より詳細には、PCRを用いて、機能的ユニットのすべてまたは一部を含む個
々のDNAフラグメントが単離され得、そこでは、1つまたはそれ以上の変異が、
「プライマー修復」、連結などを適切に用いて導入され得る。本明細書に参考と
して援用される、Sambrookら、Molecular Cloning : A Laboratrory Manual(1
989)Cold Spring Harbor Press、N.Y.を参照のこと。宿主細胞は、ベクター(単
数または複数)の導入前に培養中で成長および増殖され得、次いでベクター類の
導入およびベクター(単数または複数)の組み込みのための適切な処置が行われ得
る。次いで細胞を増殖させそしてベクター中に存在するマーカーによりスクリー
ニングされる。首尾良く使用され得る種々のマーカーには、hprt、ネオマシン耐
性、チミジンキナーゼ、ヒグロマイシン耐性などが含まれる。
発現ベクターは、それぞれが同一または異なるマーカーを有して同時にまたは
連続的に導入され得る。
細胞の性質に依存して、細胞は広範な種類の方法で投与され得る。造血細胞は
、血管系中への注射により投与され得、そこでは通常少なくとも約104細胞存在
し、そして一般に約1010以下であり、より通常には約108細胞以下である。使用
される細胞の数は、多くの状況、導入の目的、細胞の寿命、用いられるプロトコ
ール、例えば、投与の回数、細胞の繁殖能力、治療剤の安定性、治療剤の生理学
的必要性などに依存する。あるいは、移植片として用いられ得る皮膚細胞では、
細胞の数は、やけどまたはその他の病巣に付与されるべき層のサイズに依存し得
る。一般に、筋原細胞または繊維芽細胞には、細胞の数は、少なくとも約104で
あり、
そして約108以下であり、そして懸濁液として適用され得、一般に、目的部位で
または近くに注入される。細胞は、通常、生理学的に受容可能な媒体中にある。
本発明のベクターは、広範な種類の病態および適応症の処置に用いられ得る。
例えば、B-およびT-細胞、抗原提示細胞または悪性細胞自身を、癌、感染性疾患
、代謝欠乏、心臓血管疾患、遺伝性凝固欠乏、自己免疫疾患、関節変性疾患(joi
ntdegenerative disease)、例えば、関節炎、肺の疾患、腎臓疾患、ネドクライ
ン(nedocrine)異常などを含む。繊維芽細胞および筋原細胞のような構造と関連
する種々の細胞を、結合組織欠乏、関節炎、肝臓疾患などのような遺伝子欠損の
処置に使用し得る。肝細胞は、欠陥を相補し、あるいは肝臓または門脈循環に治
療産物を送達するために大量のタンパク質が作成されなければならない場合に用
いられ得る。
本発明はまた、トランスジェニックな非ヒト動物を提供し、その生殖細胞およ
び体細胞は、この動物、またはこの動物の先祖に、胎児段階で導入された異種DN
A分子を含む。異種DNA分子が動物において病原状態を生成する産物をコードする
DNA分子であるとき、これらの動物は、病因状態を治療すると考えられる物質を
試験するために有用である。あるいは、異種DNAを用いて、治療用または予防的
組成物をコードし得る。これらの動物は、特定の治療を試験するために有用であ
る。本発明のベクターおよび当該技術分野で周知の方法(例えば、本明細書に参
考として援用される、1988年4月12日に発行されたLederら、米国特許第4,736,8
66号)を用いて、トランスジェニック動物を生成し得る。
本発明を、上記の実施態様を参照して記載したが、本発明の精神を逸脱するこ
となく種々の改変がなされ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は
以下の請求項のみにより限定される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 オオノ, タケシ
アメリカ合衆国 ミシガン 48105, ア
ン アーバー,ニールソン コート ナン
バー2 1116
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.41までの型のアデノウイルス配列および異種DNAを含むプソイドアデノウイ ルス発現ベクターであって、該アデノウイルス配列がアデノウイルス逆方向末端 反復(ITR)に対応する第1のDNA分子、アデノウイルスITRに対応する第2のDNA 分子、および第1のアデノウイルスパッケージング配列をコードするDNA分子か らなり、そしてここで該アデノウイルス配列および異種DNAが5'から3'の方向に 以下のように位置する:アデノウイルス逆方向末端反復(ITR)に対応する第1 のDNA分子、アデノウイルスパッケージング配列をコードするDNA分子、異種DNA 、およびアデノウイルスITRに対応する第2のDNA分子。 2.前記アデノウイルスパッケージング配列がアデノウイルス5型ウイルスに由 来する、請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクター。 3.アデノウイルスパッケージング配列をコードする第2のDNA分子をさらに含 む、請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクター。 4.前記異種DNAがプラスミドベクターDNAまたはコスミドベクターDNAを含む、 請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクター。 5.前記異種DNAが転写のためのプロモーターをさらに含む、請求項1に記載の プソイドアデノウイルス発現ベクター。 6.前記異種DNAが、リボザイム、タンパク質、ポリペプチド、またはアンチセ ンスRNA分子をコードする、請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベク ター。 7.請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクターおよびパッケージン グ欠陥アデノウイルスヘルパーウイルスを含む、遺伝子発現系。 8.前記欠陥アデノウイルスがアデノウイルス5型ウイルスに由来する、請求項 7に記載の遺伝子発現系。 9.前記アデノウイルス発現ベクターが、アデノウイルスパッケージング配列を コードする第2のDNA分子をさらに含む、請求項7に記載の遺伝子発現系。 10.前記異種DNAがプラスミドベクターDNAまたはコスミドベクターDNAを含む 、請求項7に記載の遺伝子発現系。 11.前記異種DNAが転写のためのプロモーターをさらに含む、請求項7に記載 の遺伝子発現系。 12.前記異種DNAが、リボザイム、タンパク質、ポリペプチド、またはアンチ センスRNA分子をコードする、請求項7に記載の遺伝子発現系。 13.異種DNA分子、第1および第2のアデノウイルス逆方向末端反復配列、な らびにアデノウイルスキャプシドタンパク質を含むプソイドアデノウイルス発現 ベクターであって、該DNA分子が該キャプシドタンパク質内に包膜される、プソ イドアデノウイルス発現ベクター。 14.前記アデノウイルスキャプシドがアデノウイルス5型ウイルスに由来する 、請求項13に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクター。 15.前記異種DNAがプラスミドベクターDNAまたはコスミドベクターDNAを含む 、請求項13に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクター。 16.前記異種DNAが転写のためのプロモーターをさらに含む、請求項13に記 載のプソイドアデノウイルス発現ベクター。 17.前記異種DNAが、リボザイム、タンパク質、ポリペプチド、またはアンチ センスRNA分子をコードする、請求項13に記載のプソイドアデノウイルス発現 ベクター。 18.請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクターを含む、哺乳動物 宿主細胞。 19.請求項13に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクターを含む、哺乳動 物宿主細胞。 20.前記プソイドアデノウイルスがアデノウイルス5型ウイルスに由来する、 請求項18または19に記載の宿主細胞。 21.前記異種DNAがプラスミドベクターDNAまたはコスミドベクターDNAを含む 、請求項18または19に記載の宿主細胞。 22.前記異種DNAが転写のためのプロモーターをさらに含む、請求項18また は19に記載の宿主細胞。 23.前記異種DNAが、リボザイム、タンパク質、ポリペプチド、またはアンチ センスRNA分子をコードする、請求項18または19に記載の宿主細胞。 24.請求項13に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクターを含む、非ヒト トランスジェニック動物。 25.前記プソイドアデノウイルスがアデノウイルス5型ウイルスに由来する、 請求項24に記載の非ヒトトランスジェニック動物。 26.前記異種DNAがプラスミドベクターDNAまたはコスミドベクターDNAを含む 、 請求項24に記載の非ヒトトランスジェニック動物。 27.前記異種DNAが転写のためのプロモーターをさらに含む、請求項24に記 載の非ヒトトランスジェニック動物。 28.前記異種DNAが、リボザイム、タンパク質、ポリペプチド、またはアンチ センスRNA分子をコードする、請求項24に記載の非ヒトトランスジェニック動 物。 29.請求項1に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクターを細胞中に挿入す る工程を包含する、異種DNA分子を細胞中に導入する方法。 30.細胞を請求項13に記載のプソイドアデノウイルス発現ベクターと接触さ せる工程を包含する、異種DNA分子を細胞中に導入する方法。
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