JPH1046077A

JPH1046077A - インクジェット記録用インク組成物および記録方法

Info

Publication number: JPH1046077A
Application number: JP20401196A
Authority: JP
Inventors: Toshiyuki Miyabayashi; 利行宮林
Original assignee: Seiko Epson Corp
Current assignee: Seiko Epson Corp
Priority date: 1996-08-01
Filing date: 1996-08-01
Publication date: 1998-02-17

Abstract

(57)【要約】【課題】記録材への着色剤の十分な定着性が得られ、
指触性、耐擦性、耐水性、耐光性及び画像濃度の高い、
光沢のある良好な印字が得られるとともに、普通紙及び
再生紙に対応したにじみ、カラーブリードの生じないイ
ンクジェット記録方法を提供する。【解決手段】記録材上に、少なくとも多価金属塩を含
有する反応液と、少なくとも着色剤と、分散粒子が粒子
の芯であるコア部分と粒子の外殻であるシェル部分とさ
らにコア部分とシェル部分に挟まれた層の少なくとも３
層以上の層を積層してなるポリマー微粒子からなる水を
連続層とするコアシェル型樹脂エマルジョンと、水溶性
有機溶媒と、糖と、水とを含有するインクジェット記録
用インク組成物とを付着させて画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタの記録方法に関するものであり、普通紙及び再生
紙でも高品位印刷が可能なインクジェット記録方法に関
する。

【０００２】さらに詳しくは、多価金属塩を含んでなる
反応液を記録媒体に付着させ、その後この記録媒体にイ
ンク組成物を印字するインクジェット記録方法に関す
る。

【０００３】さらに、インク吸収層を有する記録媒体に
インク組成物を付着させて画像を形成するインクジェッ
ト記録方法に関する。

【０００４】さらに、多価金属塩を含有した水溶性樹脂
でコーティングされた紙またはインク吸収層を有する記
録媒体にインク組成物を付着させて画像を形成するイン
クジェット記録方法。

【０００５】並びに、上記インクジェット記録方法によ
って得られるインクジェット記録物および、該記録方法
を用いるインクジェット記録装置に関する。

【０００６】

【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクの小
滴を飛翔させ、紙等の記録材に付着させて印刷を行う印
刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像
度、高品位な画像を、高速で印刷可能という特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインクは、水
を主成分とし、これに着色成分、及び目詰まり防止等の
目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的で
ある。

【０００７】しかし、このようなインクを用いて普通紙
に印刷を行った場合、インクが記録紙の内部に浸透して
しまい十分な画像濃度が得られなかったり、あるいは不
均一な浸透から生じる「にじみ」、「印刷ムラ」といっ
た問題があった。また、カラー印刷を行った場合には、
前に付着したインクが定着する前に異なる色のインクが
次々と付着するため、色と色との境界部分で不均一に色
が混ざる現象（以下「カラーブリード」と称する）が起
こり、その画像は満足できるものではなかった。

【０００８】一方、インクジェット記録方法として、最
近新たに、多価金属塩溶液を記録材に適用した後、少な
くとも一つのカルボキシル基を有する染料材を含むイン
ク組成物を適用する方法が提案されている（例えば、特
開平５−２０２３２８号公報）。この方法においては、
多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成され、こ
の複合体の存在により、耐水性があり、かつカラーブリ
ードがない高品位の画像を得ることができるとされてい
る。

【０００９】また、少なくとも浸透性を付与する界面活
性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインク
と、この塩との作用により増粘または凝集するブラック
インクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高
くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得ら
れるという提案もなされている（特開平６−１０６７３
５号公報）。すなわち、塩を含んだ第一の液と、インク
組成物との二液を印字することで、良好な画像が得られ
るとするインクジェット記録方法が提案されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来技
術は以下の問題点がある。

【００１１】まず、インクの着色剤として顔料を用いた
場合に紙への定着性が十分でなく、印字体を指で擦ると
紙が汚れたり、また、マーカーペンで印字体をマーキン
グした場合に印字部分が汚れるなど、インクの着色剤
（顔料）が印字体の表面から離脱しやすいという印字体
の指触性、耐擦性に問題があった。さらに、近年、オフ
ィス等では上質紙のみでなく再生紙の利用が増す傾向に
あるが、再生紙は上質紙に比べてインクが浸透しやすい
ものが多く、上質紙で高品位の画像が得られる場合で
も、再生紙では画像のにじみやカラーブリードが発生し
てしまうという問題があった。

【００１２】また、着色剤として水溶性の染料を用いた
場合は、一般に耐水性に劣り、水滴で印字体がにじんで
判読できない場合もあった。

【００１３】さらに、紙上での着色成分の偏りからくる
印刷物の色濃度の乱れを印刷ムラと称するが、これは、
通常サイズの文字では大きな問題とはならないが、図形
やグラフ等を印刷しなければならない様な用途にあって
は、重要な問題となってくる。

【００１４】従って、本発明はこれらの課題を解決する
ものであり、本発明の目的は、上質紙のみならずあらゆ
る普通紙並びに再生紙の使用に際して、にじみ、カラー
ブリードが生じず、印刷ムラもなく、また、印字物の定
着性に優れ、また、耐水性、耐光性も優れ、さらにイン
クの保存安定性にも優れたインク組成物の提供とインク
ジェット記録方法の提供をその目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明のインク組成物
は、少なくとも着色剤と、分散粒子が粒子の芯であるコ
ア部分と粒子の外殻であるシェル部分とさらにコア部分
とシェル部分に挟まれた層の少なくとも３層以上の層を
積層してなるポリマー微粒子からなる水を連続層とする
コアシェル型樹脂エマルジョンと、水溶性有機溶媒と、
水とを含有するものであり、さらに、詳しくはコアシェ
ル型樹脂エマルジョンが、少なくともエポキシ基を有す
るコア部と、少なくともカルボキシル基を有するシェル
部を有する少なくとも３層以上の層を積層してなるポリ
マー微粒子からなる水を連続層とするものであることを
特徴とするものである。さらに、記録媒体に多価金属塩
を含んでなる反応液と上記記載のインク組成物とを付着
させて画像を形成することを特徴とするインクジェット
記録方法であることを特徴とする。

【００１６】本発明者は、上記の技術的課題を解決すべ
く鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を見出した。すな
わち、記録媒体に多価金属塩を含んでなる反応液と上記
記載のインク組成物とを付着させて画像を形成するイン
クジェット記録方法において、上記記載のコアシェル型
樹脂エマルジョンを用いることによって、上質紙のみな
らずあらゆる普通紙並びに再生紙等の記録媒体上で上記
記載のインク組成物は多価金属イオンとの相互作用によ
って凝集し、着色剤の浸透を抑制するため、にじみやカ
ラーブリードが生じず、印刷ムラもなくなること、ま
た、その際に、インク組成物中のコアシェル型樹脂エマ
ルジョンは合一しさらに融着し、その際に、コアシェル
型樹脂エマルジョンの分散粒子のコア部のエポキシ基と
シェル部のカルボキシル基やエポキシ基と反応する官能
基とが反応し架橋するため強靱な架橋性皮膜を形成する
こと、また、コアシェル型樹脂エマルジョンの分散粒子
のシェル部のカルボキシル基によって紙との密着性が増
すことによって、印字物は、定着性に優れ、指触性およ
び耐擦性にも優れ、また、耐水性、耐光性にも優れるこ
とを見いだした。さらに、本発明に用いるコアシェル型
樹脂エマルジョンは相互に反応する官能基を有する高分
子を同一粒子内に存在するにも関わらず、それぞれの反
応基がコア部とシェル部に分離して存在していることか
らインクの状態においては、安定であることも見いだし
た。

【００１７】本発明者は、上記の新たな事実を見いだし
たことによって、本発明を完成するに至ったものであ
る。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明において用いられるコアシ
ェル型樹脂エマルジョンとは、分散粒子が粒子の芯であ
るコア部分と粒子の外殻であるシェル部分とさらにコア
部分とシェル部分に挟まれた層の少なくとも３層以上の
層を積層してなるポリマー微粒子からなる水を連続層と
する樹脂エマルジョンである。さらに、詳しくは、分散
粒子が少なくとも３層以上からなり、互いに反応する官
能基を有するポリマーをそれぞれ別個に含有する層の間
に、これらの官能基のいずれにも不活性なポリマーを含
有する層を積層してなるポリマー微粒子からなる水を連
続層とする樹脂エマルジョンである。

【００１９】以下に、さらに詳しく本発明において用い
られるコアシェル型樹脂エマルジョンについて述べる。

【００２０】本発明において用いられるコアシェル型樹
脂エマルジョンの構造は、エポキシ基含有化合物からな
るコア部と、少なくともカルボキシル基を有する共重合
体からなるシェル部とを有するもので、コア部を形成す
るエポキシ基含有化合物はエポキシ基を有するエチレン
性不飽和化合物を必須構成成分とする共重合体であり、
シェル部はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化
合物を必須構成成分とする共重合体である。さらに詳し
くは、コア部を形成する共重合体の必須構成成分である
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物がグリシジ
ルメタクリレートまたは／及びグリシジルアクリレート
であり、シェル部を形成する共重合体の必須構成成分で
あるカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物が
メタクリル酸または／及びアクリル酸である。

【００２１】また、本発明において用いられるコアシェ
ル型樹脂エマルジョンの構造には、エポキシ基含有化合
物からなるコア部と、少なくともカルボキシル基とエポ
キシ基と反応する官能基とを有する共重合体からなるシ
ェル部とを有するものも含まれる。さらに詳しくは、コ
ア部を形成するエポキシ基を有する共重合体がグリシジ
ルメタクリレートまたは／及びグリシジルアクリレート
を必須構成成分とする共重合体であり、シェル部はメタ
クリル酸または／及びアクリル酸を必須構成成分とし、
さらにエポキシ基と反応する官能基を有する不飽和化合
物からなる共重合体である。

【００２２】本発明において好ましく用いられるコアシ
ェル型樹脂エマルジョンは、公開特許公報平−７６００
４に開示されているもので、連続相が水であり、分散粒
子が積層された三層からなり、少なくともをエポキシ基
を有する共重合体からなる粒子の芯の部分である第一の
層、エポキシ基およびエポキシ基と反応可能な官能基の
いずれにも不活性な共重合体からなる第二の層および、
エポキシ基と反応可能な官能基を有する共重合体からな
る粒子の外殻である第三の層を積層してなり、第二の層
が第一の層と第三の層の間に積層されてなるコアシェル
型の構造を有する樹脂エマルジョンである。上記分散粒
子において、さらに詳しくは、少なくともをエポキシ
基を有する共重合体を含有する第一の層は、グリシジル
メタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリ
シジルエーテル等のエポキシ誘導体を必須構成成分とす
る共重合体であり、エポキシ基と反応可能な官能基を有
する共重合体を含有する第三の層は、カルボキシル基を
含むアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはその
モノアルキルエステエル、イタコン酸またはそのモノア
ルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエス
テルなどのエチレン性不飽和カルボン酸、アミノ基を含
むＮ−メチルアミノエチルメタクリレート、Ｎ−メチル
アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジメチルエチルアクリレート、等のアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノエステル類、
ビニルピリジン等のモノビニルピリジン類、ジメチルア
ミノエチルビニルエーテルなどのアルキルアミノ基を有
するビニルエーテル類、Ｎ−（２−ジメチルアミノエチ
ル）アクリルアミド、Ｎ−（２−ジメチルアミノエチ
ル）メタクリルアミド等のアルキルアミノ基を有する不
飽和アミド類等を単独または２種以上を必須構成成分と
して用いた共重合体である。さらに、エポキシ基および
エポキシ基と反応可能な官能基のいずれにも不活性な共
重合体を含有する第二の層は、メチル−、エチル−、イ
ソプロピル−、ｎ−ブチル−、イソブチル−、ｎ−アミ
ル−、イソアミル−、ｎ−ヘキシル−、２−エチルヘキ
シル−、オクチル−、デシル−、ドデシル−、オクタデ
シル−、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−、
２−ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル−アクリレ
ートまたはメタクリレート等のアクリル酸エステルまた
はメタクリル酸エステルや酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、ス
チレン、２−メチルスチレン、ビニルトルエン、ｔ−ブ
チルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビ
ニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル
類、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸ア
ミド、Ｎ−メチロールアクリルアミド、Ｎ−メチロール
メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、等のア
ミド類、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、等のハロ
ゲン化ビニリデン類、エチレン、プロピレン、イソプロ
ピレンブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビ
ニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプ
レン、等を単独または２種以上を混合して使用した共重
合体である。またこれらの第二の層に使用されるモノマ
ーは、エポキシ基を有する共重合体を含有する第一の層
及びエポキシ基と反応可能な官能基を有する共重合体を
含有する第三の層を生成するのに共重合モノマーとして
も使用される。上記の樹脂エマルジョンの分散粒子は、
所望の共重合体を順次生成させるために必要なモノマー
を使用して、順次エマルジョン重合法により共重合させ
て生成する共重合体を積層して得られる。

【００２３】本発明において用いられるコアシェル型樹
脂エマルジョンは、上記の構造により、相互に反応する
官能基を有する高分子を同一粒子内に存在するにも関わ
らず通常の保存においては非常に安定である。

【００２４】本発明のインクジェット記録用インク組成
物は、室温で使用されることから、室温において印字体
の速乾性、指触性、耐擦性及び耐水性を得るためには、
本発明において用いられるコアシェル型樹脂エマルジョ
ンが室温において成膜する必要があり、したがって、分
散粒子（高分子微粒子）のガラス転移点は２０℃以下で
あることが好ましい。分散粒子のガラス転移点が２０℃
以下であれば、本発明において用いられるコアシェル型
樹脂エマルジョンは室温において皮膜を形成し、その際
に充分な架橋反応もおこる。

【００２５】また、該コアシェル型樹脂エマルジョンの
粒子径は、１５０ｎｍ程度以下が好ましい。

【００２６】また、このコアシェル型樹脂エマルジョン
としては市販のものを用いることも可能であり、その例
としてはＥＰＧ１００１（三井東圧化学株式会社製）等
が挙げられる。ＥＰＧ１００１は、その分散粒子の構造
が、グリシジルメタクリレートを必須構成成分とする共
重合体からなるコア部と最外殻がメタクリル酸を必須構
成成分とする共重合体とからなる三層構造のコアシェル
型樹脂エマルジョンである。

【００２７】本発明のインクジェット記録用インク組成
物におけるコアシェル型樹脂エマルジョンの含有量は、
固形分濃度（樹脂濃度）でインク組成物の１〜１０重量
％程度が好ましく、より好ましくは１〜５重量％の範囲
である。

【００２８】本発明に用いられるコアシェル型樹脂エマ
ルジョンは、多価金属イオンとの相互作用により、着色
剤の浸透を抑制し、さらに上質紙及び普通紙並びに再生
紙等の記録媒体への定着を促進する効果を有する。すな
わち、本発明において、上記記録媒体に多価金属塩を含
んでなる反応液と上記記載のコアシェル型樹脂エマルジ
ョンを用いた本発明のインク組成物とを付着させて画像
を形成するインクジェット記録方法において、上記記録
媒体上でまずインク組成物中の該樹脂エマルジョンと反
応液中の多価金属イオンとの相互作用によって該樹脂エ
マルジョンが凝集するために、着色剤の上記記録媒体内
部への浸透が抑制され、さらに、該樹脂エマルジョンの
シェル部の−ＣＯＯＨ基と紙繊維を構成するセルロース
のＯＨ基とが水素結合により強固に付着し、同時に該樹
脂エマルジョンの合一さらに融着がおこり皮膜を形成す
る。その際（融着時）に該樹脂エマルジョンのコア部の
エポキシ基とシェル部の−ＣＯＯＨまたは／およびエポ
キシ基と反応する官能基とが反応し架橋するため強靱な
架橋性皮膜を形成することができる。したがって、得ら
れた印字は良好な指触性、耐擦性、耐水性、耐光性、さ
らに、高いＯＤ値と良好な光沢性を有するものとなる。
ただし、この機構の説明は、上記樹脂エマルジョンを用
いた場合の効果を説明するために述べたものであって、
本発明を拘束するものではない。

【００２９】本発明のインク組成物の好ましい態様は、
少なくとも着色剤と、分散粒子が粒子の芯であるコア部
分と粒子の外殻であるシェル部分とさらにコア部分とシ
ェル部分に挟まれた層の少なくとも３層以上の層を積層
してなるガラス転移点が２０℃以下であるポリマー微粒
子からなる水を連続層とするコアシェル型樹脂エマルジ
ョンと、沸点が１８０℃以上の水溶性有機溶媒と、水
と、糖と、三級アミン及び水酸化アルカリを含有する。
沸点が１８０℃以上の水溶性有機溶媒の使用は、インク
組成物の保水と湿潤性をもたらし、糖及び三級アミンの
添加もまた湿潤性をもたらす。三級アミンと水酸化アル
カリの添加は、インク組成物中の着色剤ならびにコアシ
ェル型エマルジョンの分散の安定化をもたらす。したが
って、本発明のインク組成物は、ガラス転移点が２０℃
以下であるポリマー微粒子からなる水を連続層とするコ
アシェル型樹脂エマルジョンを使用しているにも関わら
ず、長期間保管しても着色剤の凝集や粘度の上昇がなく
保存安定性に優れており、また、開放状態（室温で空気
に触れている状態）で放置しても流動性と再分散性を長
時間維持しており、また、印字中もしくは印字中断後の
再起動時にノズルの目詰まりが生じることもなく吐出安
定性が高い。

【００３０】本発明において用いられる沸点が１８０℃
以上の水溶性有機溶媒は、この条件を有するものであれ
ば特に限定されるものではなく、単独で使用もしくは２
種以上を併用することができる。上記水溶性有機溶媒の
好ましい例としては、エチレングリコール（沸点：１９
７℃；以下括弧内は沸点を示す）、プロピレングリコー
ル（１８７℃）、ジエチレングリコール（２４５℃）、
ペンタメチレングリコール（２４２℃）、トリメチレン
グリコール（２１４℃）、２−ブテン−１，４−ジオー
ル（２３５℃）２−エチル−１、３−ヘキサンジオール
（２４３℃）、２−メチル−２，４ーペンタンジオール
（１９７℃）、Ｎ−メチル−２−ピロリドン（２０２
℃）、１，３−ジメチル−２−イミダゾリジノン（２５
７〜２６０℃）、２−ピロリドン（２４５℃）、グリセ
リン（２９０℃）、トリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル（２４３℃）、ジプロピレングリコールモノ
エチルグリコール（１９８℃）、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル（１９０℃）、ジプロピレングリ
コール（２３２℃）、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル（２４９℃）、テトラエチレングリコール
（３２７℃）、トリエチレングリコール（２８８℃）、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル（２３０
℃）、ジエチレングリコールモノエチルエーテル（２０
２℃）、ジエチレングリコールモノメチルエーテル（１
９４℃）等が挙げられる。より好ましくは、沸が２００
℃以上であるものが良い。

【００３１】これら水溶性有機溶媒の本発明のインク組
成物中の含有量は、総量でインク組成物の１０〜４０重
量％、より好ましくは１０〜３０重量％の範囲である。

【００３２】本発明において用いられる糖は、単糖類、
二糖類、オリゴ糖類（三糖類および四糖類を含む）及び
多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノー
ス、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノー
ス、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、（ソル
ビット）、マルトース、セロビオース、ラクトース、ス
クロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあ
げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アル
ギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然
界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。

【００３３】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖（例えば、糖アルコール（一般式Ｈ
ＯＣＨ₂（ＣＨＯＨ）_nＣＨ₂ＯＨ（ここで、ｎ＝２〜５
の整数を表す）で表される）、酸化糖（例えば、アルド
ン酸、ウロン酸など）、アミノ酸、チオ糖などがあげら
れる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマ
ルチトール、ソルビットなどがあげられる。

【００３４】これら糖類の含有量は、インクの０．１〜
４０重量％、より好ましくは１〜３０重量％の範囲であ
る。

【００３５】本発明において用いられる三級アミンは、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノール
アミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノー
ルアミン、トリイソプロペノールアミン、ブチルジエタ
ノールアミン等が挙げられる。これらは、単独で使用し
ても併用しても構わない。また、これらは皮膜形成時に
は架橋反応の触媒となる。

【００３６】これら三級アミンの本発明のインク組成物
への添加量は、０．１〜１０重量％、より好ましくは、
０．５〜５重量％である。

【００３７】本発明において用いられる水酸化アルカリ
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムであり、その本
発明のインク組成物への添加量は、０．０１〜５重量％
であり、好ましくは０．０５〜３重量％である。

【００３８】本発明のインク組成物に含まれる着色剤と
しては、染料、顔料のいずれであっても良いが、耐光
性、耐水性の面においては顔料であることが好ましい。

【００３９】染料としては、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェッ
ト記録に使用する各種染料を使用することができる。

【００４０】顔料においても、特別な制限なしに無機顔
料、有機顔料を使用することができる。無機顔料として
は、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、フ
ァーネスト法、サーマル法などの公知の方法によって製
造されたカーボンブラックを使用することができる。ま
た、有機顔料としては、アゾ染料（アゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含
む）、多環式顔料（例えば、フタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など）、染料キ
レート（例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キ
レートなど）、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブ
ラックなどを使用できる。

【００４１】本発明においては、顔料は分散剤で水性媒
体中に分散させた顔料分散液としてインクに添加するの
が好ましい。顔料分散液を調整するのに用いられる分散
剤としては、一般に顔料分散液を調製するのに用いられ
ている分散剤、例えば高分子分散剤、界面活性剤を使用
することができる。なお、この顔料分散液に含まれる界
面活性剤が後記するインク組成物の界面活性剤としても
機能するであろうことは当業者に明らかであろう。

【００４２】本発明のインク組成物における顔料の含有
量は、０．５〜２５重量％程度が好ましく、より好まし
くは２〜１５重量％程度である。

【００４３】本発明のインク組成物は、さらに界面活性
剤を含有することができる。界面活性剤の例としては、
アニオン性界面活性剤（例えばドデシルベンゼルスルホ
ン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩
など）、非イオン性界面活性剤（例えば、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン
アルキルアミドなど）及び、アセチレングリコール（オ
レフィンＹ、並びにサーフィノール８２、１０４、４４
０、４６５、及び４８５（いずれもAir Products and C
hemicalsInc.製）が挙げられる。これらは単独使用また
は二種以上を併用することができる。

【００４４】本発明のインク組成物には、前記のコアシ
ェル型樹脂エマルジョンに加えて、汎用の樹脂エマルジ
ョンを含むこともできる。該樹脂エマルジョンとして
は、連続相が水であり、分散粒子がアクリル系樹脂、酢
酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系
樹脂、スチレン系樹脂などあるものがあげられる。ま
た、これらの樹脂成分の粒子径は１５０ｎｍ程度以下が
好ましく、より好ましくは５〜１００ｎｍ程度である。
これらの樹脂エマルジョンは、モノマーを重合触媒（重
合開始剤とも言う）と乳化剤（一般には界面活性剤が用
いられる）の存在下で乳化重合することによって得るこ
とができる。また、市販の樹脂エマルジョンを使用する
ことも可能であり、例えばマイクロジェルＥ−１００
２、Ｅ−５００２（スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、日本ペイント株式会社製）、ボンコート４００１
（アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業
株式会社製）ボンコート５４５４（スチレン−アクリル
系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社
製）、ＳＡＥ−１０１４（スチレン−アクリル系樹脂エ
マルジョン、日本ゼオン株式会社製）、サイビノールＳ
Ｋ−２００（アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化
学株式会社製）、などがあげられる。

【００４５】さらに、インクの乾燥時間を短くする目的
で、上記の高沸点有機溶媒に加えて、低沸点有機溶剤を
さらに添加しても構わない。用いる低沸点有機溶剤の好
ましい例としては、メタノール、エタノール、ｎ−プロ
ピルアルコール、ｉｓｏ−プロピルアルコール、ｎ−ブ
タノール、ｓｅｃ−ブタノール、ｔｅｒｔ−ブタノー
ル、ｉｓｏ−ブタノール、ｎ−ペンタノールなどがあげ
られる。特に一価アルコールが好ましい。

【００４６】その他、保存安定性を向上させるために必
要に応じて、インク組成物にｐＨ調整剤、防腐剤、防か
び剤等を添加しても良い。

【００４７】＜反応液＞以下に、本発明において用いら
れる反応液について説明する。

【００４８】本発明において用いられる反応液は、基本
的に多価金属塩と、水とを含んでなるものである。本発
明において用いられる反応液に含まれる多価金属塩は、
２価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに
結合する陰イオンとから構成され、水に可溶であれば使
用することができる。多価金属イオンの具体例として
は、Ｃａ²⁺、Ｃｕ²⁺、Ｎｉ²⁺、Ｍｇ²⁺、Ｚｎ²⁺、Ｂａ²⁺
などの二価金属イオン、Ａｌ³⁺、Ｆｅ³⁺、Ｃｒ³⁺などの
三価金属イオンがあげらる。陰イオンの具体例として
は、Ｃｌ^-、ＮＯ₃ ^-、Ｉ^-、Ｂｒ^-、ＣｌＯ₃ ^-およびＣ
Ｈ₃ＣＯＯ^-などがあげられ、好ましくは、硝酸イオンま
たはカルボン酸イオンである。ここで、カルボン酸イオ
ンは、好ましくは炭素数１〜６の飽和脂肪族モノカルボ
ン酸及び炭素数７〜１１の炭素環式モノカルボン酸から
なる群から選択されるカルボン酸から誘導されるもので
ある。炭素数１〜６の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ま
しい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪
酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが
挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。このモノカル
ボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で
置換されていてもよく、そのようなカルボン酸の好まし
い例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙げられ、よ
り好ましくは安息香酸である。

【００４９】とりわけ、上記の陰イオンとＣａ²⁺または
Ｍｇ²⁺より構成される金属塩は、反応液のｐＨ，得られ
る印刷物の品質という２つの観点から、好適な結果を与
える。

【００５０】これら多価金属塩の反応液中における濃度
は、印字品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適
宜決定されてよいが、好ましくは０．１〜４０重量％程
度であり、より好ましくは５〜２５重量％程度である。

【００５１】本発明においては反応液には、高沸点水溶
性有機溶媒などの湿潤剤を含んでなることが好ましい。
高沸点水溶性有機溶媒の好ましい例としては、インク組
成物の項で記載したものが挙げられる。高沸点水溶性有
機溶媒は、反応液の乾燥を防ぐことによりヘッドの目詰
まりを防止する。

【００５２】高沸点水溶性有機溶媒の添加量は特に限定
されないが、好ましくは０．５〜４０重量％程度であ
り、より好ましくは２〜２０重量％程度である。

【００５３】本発明の好ましい態様によれば、高沸点水
溶性有機溶媒としてトリエチレングリコールモノブチル
エーテル、グリセリンを添加するのが好ましい。これら
を組み合わせて添加する場合、トリエチレングリコール
モノブチルエーテルおよびグリセリンの添加量はそれぞ
れ１０〜２０重量％程度および１〜１５重量％程度が好
ましい。また、この反応液は、前記の界面活性剤を添加
してもよい。その他、保存安定性を向上させるために必
要に応じて、反応液にｐＨ調整剤、防腐剤、防かび剤等
を添加しても良い。

【００５４】さらに、該反応液にエポキシ硬化剤を添加
しても良い。記録媒体に多価金属塩を含んでなる反応液
と前記記載のインク組成物とを付着させて画像を形成す
る本発明のインクジェット記録方法において、反応液へ
のエポキシ硬化剤の添加は、前記したインク組成物に含
まれるコアシェル型エマルジョンが合一さらに融着する
際にコア部のエポキシ基とエポキシ硬化剤とが反応し形
成される皮膜はさらに架橋が促進されるため、さらに良
好な指触性、耐擦性、耐水性、耐光性を有する印字を与
える。

【００５５】本発明において好ましく用いられるエポキ
シ硬化剤は典型的には水溶性である。さらに、好ましく
は常温で（架橋）反応を進行させるものである。このよ
うな硬化剤としては、アミン化合物、例えば、エチレン
ジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、Ｎ−アミノ
エチルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、脂肪族アミン変性物、水溶性ポリアミン、アミン以
外の水溶性常温硬化触媒、例えばＰ−フェノールスルホ
ン酸などの芳香族スルホン酸、エポキシエマルジョン用
硬化剤が挙げられる。硬化剤として市販のものを利用す
ることも可能であり、その例としては、アルマテックス
Ｈ７００（三井東圧化学株式会社製）、エポキーＨ
（三井東圧化学株式会社製）が挙げられる。

【００５６】このようなエポキシ硬化剤の反応液中にお
ける濃度は、好ましくは０．１〜４０重量％程度であ
り、より好ましくは１〜２０重量％程度である。

【００５７】＜インクジェット記録方法および記録装置
＞本発明によるインクジェット記録方法を実施するイン
クジェット記録装置について以下、図面を用いて説明す
る。

【００５８】図１のインクジェット記録装置は、インク
組成物および反応液をタンクに収納し、インク組成物お
よび反応液がインクチューブを介して記録ヘッドに供給
される態様である。すなわち、記録ヘッド１とインクタ
ンク２とがインクチューブ３で連通される。ここで、イ
ンクタンク２は内部が区切られており、インク組成物、
場合によって複数のカラーインク組成物の部屋と反応液
の部屋とが設けられてなる。

【００５９】記録ヘッド１は、キャリッジ４に沿って、
モーター５で駆動されるタイミングベルト６によって移
動する。一方、記録媒体である紙７はプラテン８および
ガイド９によって記録ヘッド１と対面する位置に置かれ
る。なお、この態様においては、キャップ１０が設けら
れてなる。キャップ１０には吸引ポンプ１１が連結さ
れ、いわゆるクリーニング操作を行なう。吸引されたイ
ンク組成物はチューブ１２を介して廃インクタンク１３
に溜め置かれる。

【００６０】記録ヘッド１のノズル面の拡大図を図２に
示す。１ｂで示される部分が反応液のノズル面であっ
て、反応液が吐出されるノズル２１が縦方向に設けられ
てなる。一方、１ｃで示される部分がインク組成物のノ
ズル面であって、ノズル２２、２３、２４、２５からは
それぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成
物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物
が吐出される。

【００６１】さらに、この図２に記載の記録ヘッドを用
いたインクジェット記録方法を図３を用いて説明する。
記録ヘッド１は矢印Ａ方向に移動する。その移動の間
に、ノズル面１ｂより反応液が吐出され、記録媒体７上
に帯状の反応液付着領域３１を形成する。次に、記録媒
体７が紙送り方向矢印Ｂに所定量移送される。その間記
録ヘッド１は図中で矢印Ａと逆方向に移動し、記録媒体
７の左端の位置に戻る。そして、既に反応液が付着して
いる反応液付着領域にインク組成物を印字し、印字領域
３２を形成する。

【００６２】また、図４に記載のように記録ヘッド１に
おいて、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可
能である。図中で、４１ａおよび４１ｂは反応液の吐出
ノズルであり、ノズル４２、４３、４４、４５からはそ
れぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、
シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐
出される。このような態様の記録ヘッドにおいては、記
録ヘッド１がキャリッジ上を往復する往路、復路いずれ
においても印字が可能である点で、図２に示される記録
ヘッドを用いた場合よりも速い速度での印字が期待でき
る。

【００６３】さらに、インクジェット記録装置には、イ
ンク組成物の補充がインクタンクであるカートリッジを
取り替えることで行なわれるものがある。また、このイ
ンクタンクは記録ヘッドと一体化されたものであっても
よい。

【００６４】このようなインクタンクを利用したインク
ジェット記録装置の好ましい例を図５に示す。図中で図
１の装置と同一の部材については同一の参照番号を付し
た。図５の態様において、記録ヘッド１ａおよび１ｂ
は、インクタンク２ａおよび２ｂと一体化されてなる。
記録ヘッド１ａまたは１ｂをそれぞれインク組成物およ
び反応液を吐出するものとする。印字方法には基本的に
図１の装置と同様であってよい。そして、この態様にお
いて、記録ヘッド１ａとインクタンク２ａおよび記録ヘ
ッド１ａおよびインクタンク２ｂは、キャリッジ４上を
ともに移動する。反応液の記録媒体への付着に関して
は、インク組成物を付着させる場所のみ選択的に反応液
を付着させる方法と、紙全体に反応液を付着させる方法
のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消費量
を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、反応
液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度の精
度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液およ
びインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和される
が、紙全体に大量の反応液を付着させることとなり、乾
燥の際、紙がカールしやすい。従って、いずれの方法を
採用するかは、インク組成物と反応液との組み合わせを
考慮して決定されてよい。

【００６５】また、インク吸収層を有するインクジェッ
ト専用記録媒体に印字する際には、反応液とインク組成
物とを用いる印刷方法と、反応液を使用せずにインク組
成物のみを専用記録媒体に印刷する方法があり、これら
は印刷品質を考慮して、適時に選択されるものであって
よい。

【００６６】上記のインク吸収層を有するインクジェッ
ト専用記録媒体はインク吸収層が、水溶性樹脂および／
またはアルミナゾルおよび／またはシリカゾルで構成さ
れるものであり、本発明のインク組成物との密着性に優
れる。

【００６７】また、多価金属原子を含有した水溶性樹脂
でコーティングされた紙またはインク吸収層を有する記
録媒体に請求項１乃至２記載のインク組成物を付着させ
て画像を形成する方法は、前もって紙またはインク吸収
層を有する記録媒体に多価金属塩を含有した水溶性樹脂
をコーティングすることによって、印刷時に反応液を塗
布することなく、にじみやカラーブリードの無い、指触
性、耐擦性に優れた画像を得ることができる。

【００６８】

【実施例】以下、本発明を以下の実施例によって詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。

【００６９】実施例中の樹脂エマルジョンの添加量は固
形分の濃度（樹脂濃度）である。

【００７０】（ブラックインク１）本発明におけるコア
シェル型エマルジョンとして、前記の特開平４−７６０
０４号公報に開示されている三井東圧化学製のアルマテ
ックスＥＰＧ１００１を用いた。

【００７１】カーボンブラックＭＡ７５重量％（三菱化成株式会社製）スチレン -アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％アルマテックスＥＰＧ１００１３重量％（コアシェル型アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分50％、三井東圧化
学株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１５重量％２−ピロリドン２重量％トリエタノールアミン１．０重量％ＮａＯＨ０．１重量％純水残量（ブラックインク２）カーボンブラックＲａｖｅｎ１０８０５重量％（コロンビヤ・カーボン株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％アルマテックスＥＰＧ１００１３重量％（コアシェル型アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分50％、三井東圧化
学株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％トリエチレングリコール１５重量％２−ピロリドン２重量％トリエタノールアミン１．０重量％ＫＯＨ０．１重量％純水残量（ブラックインク３）カーボンブラックＭＡ７５重量％（三菱化成株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％アルマテックスＥＰＧ１００１３重量％（コアシェル型アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分50％、三井東圧化
学株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％トリエチレンク゛リコールモノメチルエーテル５重量％２−ピロリドン２重量％トリエタノールアミン１．０重量％ＮａＯＨ０．１重量％純水残量（ブラックインク４）分散粒子（ポリマー粒子）のコア
部がグリシジルメタクリレートとスチレン及び２−エチ
ルヘキシルアクリレートからなる共重合体、シェル部が
メタクリル酸、スチレン、２−エチルヘキシルアクリレ
ート、Ｎ−メチルアミノメタクリレートからなる共重合
体、さらにコア部とシェル部の中間層がスチレンと２−
エチルヘキシルアクリレートからなる共重合体であるコ
アシェル型樹脂エマルジョンを特開平４−７６００４号
公報に従って製造し、使用した。

【００７２】カーボンブラックＭＡ７５重量％（三菱化成株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％上記のコアシェル型樹脂エマルジョン３重量％スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％トリエチレンク゛リコールモノメチルエーテル５重量％２−ピロリドン２重量％トリエタノールアミン１．０重量％ＮａＯＨ０．１重量％純水残量（ブラックインク５；比較例）カーボンブラックＲａｖｅｎ１０８０５重量％（コロンビヤ・カーボン株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量（ブラックインク６；比較例）カーボンブラックＭＡ７５重量％（三菱化成株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％マイクロジェルＥ−５００２３重量％（スチレン-アクリル系樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分29.2％、ＭＦＴ約
80℃、日本ヘ゜イント株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン５重量％２−ピロリドン２重量％トリエタノールアミン１．０重量％ＫＯＨ０．１重量％純水残量上記の各インクの調製は以下の如く行った。

【００７３】まず、カーボンブラックと分散剤と水を混
合し、サンドミル（安川製作所製）中で、ガラスビーズ
（直径１．７ｍｍ、混合物の１．５倍量（重量））とと
もに２時間分散させた後ガラスビーズを取り除きカーボ
ンブラック分散液を調製した。次いで、水に樹脂エマ
ルジョン、スクロース、マルチトール、グリセリン、２
−ピロリドン、トリエタノールアミン、水酸化アルカリ
を加え常温で２０分間攪拌した後に該インク溶媒を攪拌
した状態で上記のカーボンブラック分散剤を徐々に滴下
し、さらに２０分間攪拌した。これを、５μｍのメンブ
ランフィルターでろ過し、インクジェット記録用インク
を得た。

【００７４】次に、本発明のカラーインクの実施例につ
いて示す。

【００７５】（カラーインク１）＜シアンインク＞顔料ＫＥＴＢＬＵＥＥＸ−１２重量％（大日本インキ化学工業株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％アルマテックスＥＰＧ１００１３重量％（コアシェル型アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分50％、三井東圧化
学株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量＜マゼンタインク＞顔料ＫＥＴＲＥＤ３０９２重量％（大日本インキ化学工業株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％アルマテックスＥＰＧ１００１３重量％（コアシェル型アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分50％、三井東圧化
学株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量＜イエローインク＞顔料ＫＥＴＹＥＬＬＯＷ４０３２重量％（大日本インキ化学工業株式会社製）アルマテックスＥＰＧ１００１３重量％（コアシェル型アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成分50％、三井東圧化
学株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量（カラーインク２；比較例）＜シアンインク＞顔料ＫＥＴＢＬＵＥＥＸ−１２重量％（大日本インキ化学工業株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量＜マゼンタインク＞顔料ＫＥＴＲＥＤ３０９２重量％（大日本インキ化学工業株式会社製）スチレン−アクリル酸共重合体（分散剤）１重量％スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量＜イエローインク＞顔料ＫＥＴＹＥＬＬＯＷ４０３２重量％（大日本インキ化学工業株式会社製）スクロース０．７重量％マルチトール６．３重量％グリセリン１０重量％２−ピロリドン２重量％エタノール４重量％純水残量上記のインクの調製は以下の如く行った。

【００７６】まず、顔料と分散剤と水を混合し、サンド
ミル（安川製作所製）中で、ガラスビーズ（直径１．７
ｍｍ、混合物の１．５倍量（重量））とともに２時間分
散させた後ガラスビーズを取り除き顔料分散液を調製し
た。次いで、水に樹脂エマルジョン、スクロース、マル
チトール、グリセリン、２−ピロリドン、トリエタノー
ルアミン、水酸化アルカリを加え常温で２０分間攪拌し
た後に該インク溶媒を攪拌した状態で上記のカーボンブ
ラック分散剤を徐々に滴下し、さらに２０分間攪拌し
た。これを、５μｍのメンブランフィルターでろ過し、
インクジェット記録用インクを得た。

【００７７】以下に本発明における反応液の調製例を示
す。

【００７８】（反応液１）硝酸マグネシウム・六水和物２５重量％トリエチレンク゛リコール・モノ・フ゛チルエーテル１０重量％グリセリン２０重量％純水残量（反応液２）硝酸マグネシウム・六水和物２５重量％水溶性ポリアミン；アルマテックスH700 ３重量％（三井東圧化学株式会社製）トリエチレンク゛リコール・モノ・フ゛チルエーテル１０重量％グリセリン２０重量％純水残量上記各インクについて、下記の印字評価試験を行った。
印字評価試験について以下に示す。

【００７９】インクジェットプリンタＭＪ−７００Ｖ２
Ｃ（セイコーエプソン株式会社製）で、以下の各紙に印
刷を行った。印刷は、まず反応液を１００％ｄｕｔｙで
印刷した後、ブラックインクで文字を印刷した。反応
液、インクともに吐出量は０．０７μｇ／ｄｏｔ、密度
は３６０ｄｐｉとした。用いた印刷試験用紙を以下に示
す。

【００８０】ＸｅｒｏｘＰ紙（ゼロックス株式会社
製）Ｒｉｃｏｐｙ６２００紙（リコー株式会社製）Ｘｅｒｏｘ４０２４紙（ゼロックス株式会社製）ＮｅｅｎａｈＢｏｎｄ紙（キンバリークラーク社
製）ＸｅｒｏｘＲ紙（ゼロックス株式会社製・再生紙）やまゆり紙（本州製紙株式会社製・再生紙）＜評価１：耐擦性試験（耐ラインマーカー性）＞上記の
方法で印字した印刷物を２４時間自然乾燥させた後、ゼ
ブラ社製イエロー水性蛍光ペンＺＥＢＲＡＰＥＮ２
（商標）を用いて、印刷文字を筆圧４．９×１０⁵ Ｎ
／ｍ²で擦り、イエロー部の汚れの有無を目視で観察
し、次のように評価した。

【００８１】 ◎：印刷直後から２回擦っても全く汚れが生じない ○：１日経過すると２回擦っても全く汚れが生じない △：１日経過後１回の擦りまで汚れが生じないが、２回
以上で汚れが発生する用紙がある ×：１日経過しても汚れの生じる用紙があるその結果を表１、表２に示す。

【００８２】＜評価２：印字品質（にじみ）＞上記の方
法で印字した印刷物を、乾燥後に文字におけるにじみの
発生の有無を調べ、次のように評価した。

【００８３】 ◎：全紙にじみの発生なく鮮明な印刷である ○：一部の用紙（再生紙）にひげ状のにじみの発生があ
る △：全紙にひげ状のにじみの発生がある ×：文字の輪郭がはっきりしないほどにじみが発生して
いるその結果を表１、表２に示す。

【００８４】＜評価３：ＯＤ値＞上記の方法で印字した
印刷物の反射ＯＤ値をＭａｃｂｅｔｈＰＣＭII（マク
ベス社製）で測定した。その結果を表１に示す。

【００８５】＜評価４：カラーブリード＞インクジェッ
トプリンタＭＪ−７００Ｖ２Ｃで、以下の各紙に１００
％ｄｕｔｙで反応液を各紙に付着させた後、１００％ｄ
ｕｔｙでカラーインク（シアン、マゼンタ、イエロー）
とブラックインク（文字）とを同時に印刷し、文字の境
界部分での不均一な色の混じりを目視で次のように評価
した。

【００８６】 ○：色の混じりがなく境界が鮮明な場合 △：ひげ状に色の混じりが発生した場合 ×：文字の輪郭がはっきりしないほど色が混じった場合評価に使用した記録紙を以下に示す。

【００８７】ＸｅｒｏｘＰ紙（ゼロックス株式会社
製）Ｒｉｃｏｐｙ６２００紙（リコー株式会社製）Ｘｅｒｏｘ４０２４紙（ゼロックス株式会社製）ＮｅｅｎａｈＢｏｎｄ紙（キンバリークラーク社
製）ＸｅｒｏｘＲ紙（ゼロックス株式会社製・再生紙）やまゆり紙（本州製紙株式会社製・再生紙）その結果は表３に示す。

【００８８】上記の印字評価の結果を以下に示す。

【００８９】

【表１】

【００９０】

【表２】

【００９１】

【表３】

【００９２】インク吸収層が、水溶性樹脂および／また
はアルミナゾルおよび／またはシリカゾルで構成されて
いるインクジェットプリンタＭＪ−７００Ｖ２Ｃ用専用
光沢フィルム（セイコーエプソン株式会社製）および、
多価金属塩を含有した水溶性樹脂でコーティングした紙
にインクジェットプリンタＭＪ−７００Ｖ２Ｃ（セイコ
ーエプソン株式会社製）で上記インクを印字し、その定
着性を調べた。

【００９３】なお、多価金属塩を含有した水溶性樹脂で
コーティングされた紙は以下のようにして作製した。

【００９４】硝酸マグネシウム・六水和物２５重量
％、トリエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル
５重量％、エタノール２０重量％、重合度約１５００
のポリビニルアルコール１０重量％、純水４０重量％
を室温で良く混合して、コーティング液を調製した。こ
れを、簡易ロッドコーターでＸｅｒｏｘ４０２４紙
（ゼロックス株式会社製）に均一に塗布し、２４時間自
然乾燥した。

【００９５】インクの定着性は、以下のように行った。
印刷物は２４時間自然乾燥させたものを試験した。

【００９６】（１）該印刷物を評価１と同様の方法で調
べた（ラインマーカー試験）。 ○：１回の擦りでは汚れが全く生じない △：１回の擦りで汚れが若干生じる ×：１回の擦りで汚れが発生する（２）該印刷物を粘着テープ（セロハンテープ：セキス
イテープ（積水化学製）））を該印刷物の印字部分に貼
り、指で２ないし３回擦った後に粘着テープを引き剥
し、印字部の状態を目視で観察し、評価した（粘着テー
プ試験）。 ○：インク（着色剤）の専用光沢紙面からの剥離が全く
ない △：インク（着色剤）が専用光沢紙面と粘着テープの粘
着剤面の両方にある ×：インク（着色剤）が専用光沢紙面から完全に剥離し
ているその結果を表４に示す。

【００９７】

【表４】

【００９８】

【発明の効果】以上述べた様に本発明によれば、記録材
上に少なくとも多価金属塩を含む反応液と、少なくとも
着色剤と、分散粒子が粒子の芯であるコア部分と粒子の
外殻であるシェル部分とさらにコア部分とシェル部分に
挟まれた層の少なくとも３層以上の層を積層してなるポ
リマー微粒子からなる水を連続層とするコアシェル型樹
脂エマルジョンと、水溶性有機溶媒と、糖と、水とを含
有することを特徴とするインクジェット記録用インク組
成物とを付着させて画像を形成することにより、記録媒
体への着色剤の十分な定着性が得られるため、指触性、
耐擦性、耐水性、耐光性に優れた印字体を得ることがで
きるとともに、上質紙のみならずあらゆる普通紙並びに
再生紙の使用に際して、画像濃度が高く、かつ、にじ
み、カラーブリード、印刷ムラの生じない、普通紙及び
再生紙対応のインクジェット記録方法を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による方法を実施するインクジェット記
録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッ
ドとインクタンクがそれぞれ独立してなり、インク組成
物及び反応液はインクチューブによって記録ヘッドに供
給される。

【図２】記録ヘッドのノズル面の拡大図であって、１ｂ
が反応液のノズル面であり、１ｃがインク組成物のノズ
ル面である。

【図３】図２の記録ヘッドを用いたインクジェット記録
を説明する図である。図中で、３１は反応液付着領域で
あり、３２は反応液が付着された上にインク組成物が印
字されたものである。

【図４】記録ヘッドの別の態様を示す図であって、吐出
ノズルがすべて横方向に並べて構成されたものである。

【図５】本発明による方法を実施するインクジェット記
録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッ
ドとインクタンクが一体化されてなる。

【符号の説明】

１記録ヘッド２インクタンク３インクチューブ２１反応液吐出ノズル２２、２３、２４、２５インク組成物吐出ノズル３１反応液付着領域３２印字領域

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所 // Ｃ０８Ｆ 265/06 ＭＱＭＣ０８Ｆ 265/06 ＭＱＭ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも着色剤と、分散粒子が粒子の
芯であるコア部分と粒子の外殻であるシェル部分と、さ
らにコア部分とシェル部分に挟まれた層の少なくとも３
層以上の層を積層してなるポリマー微粒子からなる水を
連続層とするコアシェル型樹脂エマルジョンと、水溶性
有機溶媒と、糖と、水とを含有することを特徴とするイ
ンクジェット記録用インク組成物。
【請求項２】少なくとも着色剤と、分散粒子が粒子の
芯であるコア部分と粒子の外殻であるシェル部分と、さ
らにコア部分とシェル部分に挟まれた層の少なくとも３
層以上の層を積層してなるガラス転移点が２０℃以下で
あるポリマー微粒子からなる水を連続層とするコアシェ
ル型樹脂エマルジョンと、沸点が１８０℃以上の水溶性
有機溶媒と、水と、糖と、三級アミン及び水酸化アルカ
リを含有することを特徴とするインクジェット記録用イ
ンク組成物。
【請求項３】コアシェル型樹脂エマルジョンが、エポ
キシ基含有化合物からなるコア部と、少なくともカルボ
キシル基を有する共重合体からなるシェル部とからなる
ことを特徴とする請求項１乃至請求項２記載のインクジ
ェット記録用インク組成物。
【請求項４】請求項３記載のコアシェル型樹脂エマル
ジョンにおいて、コア部のエポキシ基含有化合物がエポ
キシ基を有するエチレン性不飽和化合物を必須構成成分
とする共重合体であり、シェル部がカルボキシル基を有
するエチレン性不飽和化合物を必須構成成分とする共重
合体であることを特徴とする請求項１乃至請求項２記載
のインクジェット記録用インク組成物。
【請求項５】請求項４記載のコアシェル型樹脂エマル
ジョンにおいて、コア部を形成するエポキシ基を有する
共重合体がグリシジル（メタ）アクリレートを必須構成
成分とする共重合体であり、シェル部が（メタ）アクリ
ル酸を必須構成成分とする共重合体であることを特徴と
する請求項１乃至請求項２記載のインクジェット記録用
インク組成物。
【請求項６】コアシェル型樹脂エマルジョンが、エポ
キシ基含有化合物からなるコア部と、少なくともカルボ
キシル基およびエポキシ基と反応する官能基とを有する
共重合体からなるシェル部とからなるコアシェル型樹脂
エマルジョンであることを特徴とする請求項１乃至請求
項２記載のインクジェット記録用インク組成物。
【請求項７】請求項６記載のコアシェル型樹脂エマル
ジョンにおいて、コア部を形成するエポキシ基を有する
共重合体がグリシジル（メタ）アクリレートを必須構成
成分とする共重合体であり、シェル部が（メタ）アクリ
ル酸を必須構成成分とし、さらにエポキシ基と反応する
官能基を有するエチレン性不飽和化合物からなる共重合
体であることを特徴とする請求項１乃至請求項２記載の
インクジェット記録用インク組成物。
【請求項８】少なくともをエポキシ基を有する共重合
体からなる第一の層、エポキシ基およびエポキシ基と反
応可能な官能基のいずれにも不活性な共重合体からなる
第二の層および、エポキシ基と反応可能な官能基を有す
る共重合体からなる第三の層を積層してなり、第二の層
が第一の層と第三の層の間に積層されてなるコアシェル
型樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項１乃
至請求項２記載のインクジェット記録用インク組成物。
【請求項９】インク組成物に含まれる着色剤が顔料で
あることを特徴とする請求項１乃至請求項２記載のイン
クジェット記録用インク組成物。
【請求項１０】記録媒体に多価金属塩を含んでなる反
応液と請求項１乃至請求項２記載のインク組成物とを付
着させて画像を形成することを特徴とするインクジェッ
ト記録方法。
【請求項１１】反応液が更にエポキシ硬化剤を含んで
なることを特徴とする請求項１０記載のインクジェット
記録方法。
【請求項１２】エポキシ硬化剤が水溶性ポリアミンで
あることを特徴とする請求項１１記載のインクジェット
記録方法。
【請求項１３】インク吸収層を有する記録媒体に請求
項１乃至請求項２記載のインク組成物を付着させて画像
を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項１４】インク吸収層が、水溶性樹脂および／
またはアルミナゾルおよび／またはシリカゾルで構成さ
れていることを特徴とする請求項１３記載のインクジェ
ット記録方法。
【請求項１５】多価金属塩を含有した水溶性樹脂でコ
ーティングされた紙またはインク吸収層を有する記録媒
体に請求項１乃至請求項２記載のインク組成物を付着さ
せて画像を形成することを特徴とするインクジェット記
録方法。
【請求項１６】請求項１〜９のいずれか一項に記載の
インクジェット記録用インク組成物と請求項１０〜１５
のいずれか一項に記載の記録方法を用いて記録されたイ
ンクジェット記録物。
【請求項１７】請求項１０〜１５記載の記録方法を用
いるインクジェット記録装置。