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JPH10332615A - 炭酸ガスセンサ検知回路および炭酸ガス濃度検知装置 - Google Patents

炭酸ガスセンサ検知回路および炭酸ガス濃度検知装置

Info

Publication number
JPH10332615A
JPH10332615A JP9141925A JP14192597A JPH10332615A JP H10332615 A JPH10332615 A JP H10332615A JP 9141925 A JP9141925 A JP 9141925A JP 14192597 A JP14192597 A JP 14192597A JP H10332615 A JPH10332615 A JP H10332615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon dioxide
sensor
impedance
concentration
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9141925A
Other languages
English (en)
Inventor
Shogo Matsubara
正吾 松原
Shinichiro Kaneko
信一郎 金子
Shoichi Shimizu
章一 志水
Shinji Morimoto
信司 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9141925A priority Critical patent/JPH10332615A/ja
Publication of JPH10332615A publication Critical patent/JPH10332615A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定雰囲気と無関係に炭酸ガス濃度の基準値
を自動的に校正する。 【解決手段】 炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガスセンサ
302と、この炭酸ガスセンサ302を動作温度に加熱
する加熱手段301と、炭酸ガスセンサ302の校正の
タイミングを判定する校正タイミング判定手段303
と、炭酸ガスセンサ302のインピーダンスを計測用周
波数で測定するインピーダンス測定手段304と、イン
ピーダンス測定手段304からの出力値を記憶するセン
サ出力値記憶手段305と、炭酸ガスセンサ302のイ
ンピーダンスを校正用周波数で測定するインピーダンス
測定手段306と、インピーダンス測定手段306から
の出力値を受けて基準値を算出、記憶する基準値記憶手
段307と、センサ出力値と基準値とから炭酸ガス濃度
を演算する濃度演算手段308と、炭酸ガス濃度を出力
する濃度出力手段309とで炭酸ガス濃度測定装置を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内空調用、環境
衛生用、生鮮品保存用、植物栽培用、防災用、工業用な
どとして炭酸ガス濃度を計測し制御する場合に使用する
炭酸ガスセンサを用いた炭酸ガス濃度検知技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガスセンサのひとつとして、セラミ
ック素子に電極を形成したコンデンサ構造を有するイン
ピーダンス変化型炭酸ガスセンサがある。この炭酸ガス
センサは、たとえば特開平9−15179号公報に開示
されているように、焼成ディスクと、前記焼成ディスク
の表面もしくは内部に設けられた一対以上の電極と、前
記電極に信号の出し入れをするリード線とを有するもの
であって、焼成ディスクがアルカリ土類金属、遷移金
属、ランタノイド元素から選ばれる1種以上の酸化物、
アルカリ土類金属の炭酸塩1種以上からなる組成物の構
成を有する。
【0003】この炭酸ガスセンサはインピーダンスある
いは静電容量の変化量で炭酸ガス濃度の変化量を検知す
るものであり、炭酸ガス濃度の絶対値を測定するために
は基準となる炭酸ガス濃度でのインピーダンス値が既知
でなければならい。そこで、一般的には既知の炭酸ガス
濃度中に炭酸ガスセンサを曝して初期のインピーダンス
値を校正する手法が取られる。
【0004】しかしながら、このような炭酸ガスセンサ
にあっては、より正確な炭酸ガス濃度を測定する場合や
炭酸ガスセンサの容量値が経時変化する場合には上記し
た校正作業を頻繁に行わなければならず、その為のコス
トと作業時間がかかるという問題があった。
【0005】そこで、校正の問題を解決する手段とし
て、清浄な大気中の炭酸ガス濃度が一定(約350pp
m)であることを利用して経時変化の補正を行う技術が
特開平5−249073号公報に開示されている。この
技術では、固体電解質型炭酸ガスセンサの起電力が経時
変化によって常に減少することを利用し、一定時間内で
の炭酸ガスセンサの最大値を順次記憶し、この記憶した
値を炭酸ガス濃度が350ppmにおける基準値とする
ことによって、検出中の炭酸ガス濃度における炭酸ガス
センサの信号と前記基準値との差を求めることで、炭酸
ガス濃度を算出するものである。
【0006】図10に従来の炭酸ガス濃度検知装置の構
造を示すブロック図を示す。図10において、従来の炭
酸ガス濃度検知装置では、炭酸ガスセンサ1001の信
号の所定時間aにおける最大値が最大出力値記憶手段a
1002に記憶され、その最大値が所定時間bだけ最大
出力値記憶手段b1003に記憶される。そして、最大
出力記憶手段b1003に記憶された最大値群のそれぞ
れに対しその分散による重み付け、基準値との差による
重み付けが付与され、基準値算出手段1004で精度を
向上した基準値が算出されて基準値記憶手段1005に
記憶される。そして、炭酸ガスセンサ1001の出力値
とこの記憶された基準値により濃度演算手段1006で
炭酸ガス濃度が算出され、濃度出力手段1007によっ
て外部へ出力される。
【0007】なお、上記発明は起電力で検知する固体電
解質型炭酸ガスセンサを用いたものであるが、経時変化
により出力が低濃度側へシフトする傾向を有するインピ
ーダンス変化型炭酸ガスセンサに対しても適用すること
が原理的に可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
炭酸ガス濃度検知装置では、炭酸ガス濃度の変化に対す
る炭酸ガスセンサのインピーダンス変化が微少なセンサ
出力でしか得られないために、正確な炭酸ガス濃度の測
定が困難となることがあった。
【0009】また、従来の炭酸ガス濃度検知装置では、
清浄な大気を利用してセンサ出力を補正しているため
に、基準となる清浄な大気が得られる場所でしか使用す
ることができないという問題があった。すなわち、気密
性の高いビルや住宅など自然換気によって清浄な大気を
得ることが難しい環境下ではセンサ出力を適正値に補正
することができないので、該炭酸ガス濃度検知装置を使
用することができなかった。
【0010】さらに、従来の炭酸ガス濃度検知装置で
は、清浄な大気中の炭酸ガス濃度を基準としてそれ以上
の炭酸ガス濃度を検出するようにしているので、350
ppm以下の炭酸ガス濃度を検知する必要のある用途に
は適用できないという問題があった。
【0011】そこで、本発明は、炭酸ガスセンサのイン
ピーダンス変化を増幅して高いSN比で検出することの
できる炭酸ガス濃度測定技術を提供することを目的とす
る。
【0012】また、本発明は、清浄な大気など測定雰囲
気に依存することなく炭酸ガス濃度の基準値を校正する
ことのできる炭酸ガス濃度測定技術を提供することを目
的とする。
【0013】そして、本発明は、炭酸ガス濃度を広範囲
にわたって検出することのできる炭酸ガス濃度測定技術
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の炭酸ガスセンサ検知回路は、第1のインバ
ータと、この第1のインバータの出力部から第1のイン
バータの入力部へ順次電気的に直列接続された、抵抗成
分を有するコンデンサからなる炭酸ガスセンサおよび抵
抗と、炭酸ガスセンサと抵抗との間から第1のインバー
タの入力部に対して配置され、出力部が第1のインバー
タの入力部と電気的に接続された第2のインバータと、
第1のインバータの出力部と電気的に接続され、第1の
インバータから出力される発振周波数を計測する周波数
計数手段とを有し、炭酸ガス濃度に依存する炭酸ガスセ
ンサのインピーダンスを周波数計数手段に計測された発
振周波数から測定するように構成したものであり、これ
により、炭酸ガスセンサのインピーダンス変化を増幅し
て高いSN比で検知することができる。
【0015】この炭酸ガスセンサ検知回路において、第
1のインバータの出力部と炭酸ガスセンサとの間に補償
用コンデンサを接続することにより、安定して炭酸ガス
センサの容量値を検知することができる。また、抵抗を
固定抵抗と可変抵抗とで構成し、可変抵抗の抵抗値を変
化させて第1のインバータから出力される発振周波数が
調整することにより、炭酸ガスセンサのインピーダンス
特性のバラツキを補正することができる。
【0016】本発明の炭酸ガス濃度検知装置は、炭酸ガ
ス濃度を検知する炭酸ガスセンサと、この炭酸ガスセン
サを動作温度に加熱する加熱手段と、炭酸ガスセンサの
校正のタイミングを判定する校正タイミング判定手段
と、校正タイミング判定手段が校正しないと判定した場
合に、炭酸ガスセンサのインピーダンスを計測用周波数
で測定する第1のインピーダンス測定手段と、第1のイ
ンピーダンス測定手段からの出力値を記憶するセンサ出
力値記憶手段と、校正タイミング判定手段が校正すると
判定した場合に、炭酸ガスセンサのインピーダンスを校
正用周波数で測定する第2のインピーダンス測定手段
と、第2のインピーダンス測定手段からの出力値を受け
て基準値を算出、記憶する基準値記憶手段と、センサ出
力値記憶手段に記憶されたセンサ出力値と基準値記憶手
段に記憶された基準値とから炭酸ガス濃度を演算する濃
度演算手段と、濃度演算手段により得られた炭酸ガス濃
度を出力する濃度出力手段とで構成されたものであり、
清浄な大気など測定雰囲気に依存することなく炭酸ガス
濃度の基準値を自動的に校正することができ、また、測
定雰囲気に関係なく炭酸ガス濃度を広範囲にわたって検
出することができる。
【0017】この炭酸ガス濃度検知装置において、第1
および第2のインピーダンス測定手段を、1個の炭酸ガ
スセンサが回路切り換え手段により切り換えられて相互
に共有化されたそれぞれ前述の炭酸ガスセンサ検知回路
で構成することにより、炭酸ガスセンサのインピーダン
ス変化を増幅して高いSN比で検出することが可能にな
る。また、第1および第2のインピーダンス測定手段
を、抵抗が少なくとも2個以上設けられるとともにこれ
らの抵抗のいずれか1個が抵抗切り換え手段によって選
択的に電気的に接続されるように一体化された前述の炭
酸ガスセンサ回路で構成することにより、装置の小型化
および低コスト化を実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、第1のインバータと、この第1のインバータの出力
部から第1のインバータの入力部へ順次電気的に直列接
続された、抵抗成分を有するコンデンサからなる炭酸ガ
スセンサおよび抵抗と、炭酸ガスセンサと抵抗との間か
ら第1のインバータの入力部に対して配置され、出力部
が第1のインバータの入力部と電気的に接続された第2
のインバータと、第1のインバータの出力部と電気的に
接続され、第1のインバータから出力される発振周波数
を計測する周波数計数手段とを有し、炭酸ガス濃度に依
存する炭酸ガスセンサのインピーダンスを周波数計数手
段に計測された発振周波数から測定する炭酸ガスセンサ
検知回路であり、炭酸ガスセンサのインピーダンス変化
を増幅して高いSN比で検知できるという作用を有す
る。
【0019】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、第1のインバータの出力部と
炭酸ガスセンサとの間に補償用コンデンサが接続されて
いる炭酸ガスセンサ検知回路であり、炭酸ガスセンサの
抵抗成分と抵抗との抵抗値の大小に関係なく回路が発振
するので、安定して炭酸ガスセンサの容量値を検知する
ことができるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の発明において、抵抗を固定抵抗と可
変抵抗とで構成し、可変抵抗の抵抗値を変化させて第1
のインバータから出力される発振周波数が調整し得るよ
うにした炭酸ガスセンサ検知回路であり、可変抵抗によ
って発振周波数を調整することができるので、炭酸ガス
センサのインピーダンス特性のバラツキを補正できると
いう作用を有する。
【0021】本発明の請求項4に記載の発明は、炭酸ガ
ス濃度を検知する炭酸ガスセンサと、この炭酸ガスセン
サを動作温度に加熱する加熱手段と、炭酸ガスセンサの
校正のタイミングを判定する校正タイミング判定手段
と、校正タイミング判定手段が校正しないと判定した場
合に、炭酸ガスセンサのインピーダンスを計測用周波数
で測定する第1のインピーダンス測定手段と、第1のイ
ンピーダンス測定手段からの出力値を記憶するセンサ出
力値記憶手段と、校正タイミング判定手段が校正すると
判定した場合に、炭酸ガスセンサのインピーダンスを校
正用周波数で測定する第2のインピーダンス測定手段
と、第2のインピーダンス測定手段からの出力値を受け
て基準値を算出、記憶する基準値記憶手段と、センサ出
力値記憶手段に記憶されたセンサ出力値と基準値記憶手
段に記憶された基準値とから炭酸ガス濃度を演算する濃
度演算手段と、濃度演算手段により得られた炭酸ガス濃
度を出力する濃度出力手段とを有する炭酸ガス濃度検知
装置であり、清浄な大気など測定雰囲気に依存すること
なく炭酸ガス濃度の基準値を自動的に校正することがで
き、また、測定雰囲気に関係なく炭酸ガス濃度を広範囲
にわたって検出することができるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
4に記載の発明において、第1および第2のインピーダ
ンス測定手段を、1個の炭酸ガスセンサが回路切り換え
手段により切り換えられて相互に共有化されたそれぞれ
請求項1、2または3記載の炭酸ガスセンサ検知回路で
構成した炭酸ガス濃度検知装置であり、抵抗成分を有す
るコンデンサを炭酸ガスセンサとして用いているので、
炭酸ガスセンサのインピーダンス変化を増幅して高いS
N比で検出することが可能になるという作用を有する。
【0023】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
4に記載の発明において、第1および第2のインピーダ
ンス測定手段を、抵抗が少なくとも2個以上設けられる
とともにこれらの抵抗のいずれか1個が抵抗切り換え手
段によって選択的に電気的に接続されるように一体化さ
れた請求項1、2または3記載の炭酸ガスセンサ回路で
構成した炭酸ガス濃度検知装置であり、単一の回路で校
正されたインピーダンスと校正されないインピーダンス
とが測定できるので、装置の小型化および低コスト化を
実現することができるという作用を有する。
【0024】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図9を用いて説明する。なお、これらの図面におい
て同一の機能を有する部材には同一の符号を付してお
り、重複した説明は省略されている。
【0025】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1における炭酸ガスセンサ検知回路を示すブロック図
である。
【0026】図1に示すように、本実施の形態における
炭酸ガスセンサ検知回路は、非安定マルチバイブレータ
回路102とこの非安定マルチバイブレータ回路102
からの発振周波数を計測する周波数計数手段109とか
ら構成されている。
【0027】非安定マルチバイブレータ回路102は、
インバータ(第1のインバータ)106と、このインバ
ータ106の出力部P4から入力部P3へ順次電気的に
直列接続された炭酸ガスセンサ101および抵抗104
を有している。また、炭酸ガスセンサ101と抵抗10
4との間からインバータの入力部P3へは、抵抗103
と、入力部P1がこの抵抗103に接続されたインバー
タ(第2のインバータ)105が順次電気的に直列接続
されている。さらに、入力部がインバータ106の出力
部P4と電気的に接続されてインバータ107が設けら
れており、このインバータ107の出力部が周波数計数
手段109と電気的に接続されている。したがって、イ
ンバータ106の出力部はインバータ107を介して周
波数計数手段109と電気的に接続されている。なお、
インバータ107の出力部と周波数計数手段109との
間には、一方がグランドに接続されたコンデンサ108
が接続されている。
【0028】ここで、抵抗103はインバータ105を
電気的に保護する機能を、また、コンデンサ108は発
生したノイズを除去する機能をそれぞれ有している。な
お、炭酸ガスセンサ101は抵抗成分を有するコンデン
サからなる。
【0029】このような構造を有する炭酸ガスセンサ検
知回路において、炭酸ガスセンサ101のインピーダン
ス変化は次のようにして検出される。
【0030】図1において電源を投入すると、炭酸ガス
センサ101には電荷が蓄積されていないのでインバー
タ106の出力部P4はHIGH電位(以下、単に
「H」という。)となる。すると炭酸ガスセンサ101
から抵抗104を通して充電電流が流れる。なお、イン
バータ106の出力部P4がHであることから、インバ
ータ105の入力部P1は、このときにはまだHとなっ
ている。
【0031】電流が炭酸ガスセンサ101と抵抗104
との時定数CRで流れると、炭酸ガスセンサ101は充
電されて入力部P1の電圧は低下し始める。そして、入
力部P1の電位が1/2VDD(VDDは電源電圧)以下に
なると、入力部P1はHからLOW電位(以下、単に
「L」という。)に反転する。インバータ105の入力
部P1がLになるとその出力部P2つまりインバータ1
06の入力部はHとなり、出力部P4はLに反転する。
【0032】これにより、今度は逆に反転した電流が流
れ出して炭酸ガスセンサ101は逆方向に充電される。
そして、所定時間が経過すると、今度は入力部P1の電
位が1/2VDD以上となってこの入力部P1がHに反転
し、これにより出力部P2および入力部P3がL、出力
部P4がHに反転する。そして、このような動作を交互
に繰り返すことにより、非安定マルチバイブレータ回路
102が発振する。
【0033】この発振周波数は、インバータ107をバ
ッファにして周波数計数手段109で測定される。ここ
で、発振周波数は、炭酸ガスセンサ101の容量値Cと
抵抗104の抵抗値Rの積に比例し、おおよそ(数1)
の関係を満たす。
【0034】
【数1】
【0035】ここでkは比例定数である。(数1)から
わかるように、比例定数kと抵抗値Rが一定であるの
で、発振周波数は炭酸ガスセンサの容量値Cに依存する
ことになる。したがって、周波数計数手段109で非安
定マルチバイブレータ回路102の発信周波数を測定す
ることにより、炭酸ガスセンサ101の容量値Cを検知
することができる。
【0036】なお、抵抗104は固定抵抗と可変抵抗の
組み合わせで構成してもよい。その場合には、可変抵抗
によって非安定マルチバイブレータ回路の発振周波数を
調整することができる(数1参照)。これにより、たと
えば、量産時に炭酸ガスセンサ101のインピーダンス
特性にバラツキがあってもその影響を低減することがで
きる。
【0037】このようにコンデンサからなる炭酸ガスセ
ンサ101を上述のようにして非安定マルチバイブレー
タ回路102に配置し、自励式発振回路である該非安定
マルチバイブレータ回路102の発信周波数を測定する
ことにより、炭酸ガス濃度により変化する炭酸ガスセン
サ101の容量値Cを検知することができる。
【0038】ここで、炭酸ガスセンサ101のインピー
ダンス変化を増幅して検知できる理由について説明す
る。
【0039】前述のようなインピーダンス変化型炭酸ガ
スセンサは容量成分Cと抵抗成分Rとが並列あるいは直
列に接続された等価回路を有する。HP4194Aイン
ピーダンスアナライザで回路解析をすると、インピーダ
ンス変化型炭酸ガスセンサ101は容量Cpと抵抗(抵
抗成分)Rpが並列に接続された等価回路に単純化でき
る。したがって、インピーダンス変化型の炭酸ガスセン
サは理想的なコンデンサではないので、図1の炭酸ガス
センサ検知回路は実際には複雑な動作を行う。
【0040】すなわち、図1において炭酸ガスセンサ1
01が充電される場合、炭酸ガスセンサ101の内部の
抵抗Rpを通して電流が流れるため、理想的なコンデン
サの場合と比べて炭酸ガスセンサ101の電圧が1/2
VDDに達するまでの時間は長くなり発振周波数は低くな
る。つまり、炭酸ガスセンサ101が炭酸ガスを検知し
て抵抗Rpが増減すると、これに伴うリーク電流の増減
で発振周波数が変化する。さらに容量Cpの変化による
式1に従った発振周波数の変化が加わるので、非安定マ
ルチバイブレータ回路102の発振周波数の変化率はイ
ンピーダンスアナライザで測定した炭酸ガスセンサ10
1のインピーダンス変化率よりも大きくなる。
【0041】同一の炭酸ガスセンサを用いた炭酸ガス濃
度に対するセンサ出力の変化率の測定結果を、本発明の
炭酸ガスセンサ検知回路における場合とインピーダンス
アナライザで測定した場合とに分けて(表1)に示す。
なお、(表1)においては、350ppmにおける出力
を基準とした変化率でまとめられている。
【0042】
【表1】
【0043】(表1)に示すように、本発明の炭酸ガス
センサ検知回路によれば、通常のインピーダンス測定し
た場合の2倍以上の出力が得られる。つまり、炭酸ガス
センサ101のインピーダンス変化が2倍に増幅されて
いる。たとえば、炭酸ガス濃度が350ppmから30
00ppmになるとき、本発明のセンサ出力は97%変
化するのに対し、インピーダンス測定した従来のセンサ
出力は47%の変化に留まっている。
【0044】このように、本実施の形態の炭酸ガスセン
サ検知回路によれば、抵抗成分を有するコンデンサから
なる炭酸ガスセンサ101を非安定マルチバイブレータ
回路102に配置しているので、炭酸ガスセンサ101
のインピーダンス変化を増幅して高いSN比で検出する
ことが可能になる。
【0045】なお、抵抗Rpが抵抗104の抵抗値より
も小さくなると炭酸ガスセンサ101は1/2VDD以上
には充電されないため、図1の回路は発振しない。した
がって、炭酸ガスセンサ101の内部抵抗Rpは抵抗1
04の抵抗値よりも大きくなくてはならない。
【0046】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2における炭酸ガスセンサ検知回路を示すブロック図
である。
【0047】本実施の形態による炭酸ガスセンサ検知回
路は、補償用コンデンサ201がインバータ106の出
力と炭酸ガスセンサ101との間に直列に接続されてい
る点で、実施の形態1に示す炭酸ガス検知回路と異なっ
ている。その他の点では実施の形態1に示すものと同一
であり、したがって、基本的には実施の形態1の回路と
略同一の動作を行う。
【0048】しかしながら、本実施の形態においては、
補償用コンデンサ201が前述のように配置されている
ので、安定した発振動作することが可能となっている。
すなわち、実施の形態1に示す回路と異なり、炭酸ガス
センサ101の内部の抵抗Rpが抵抗104の抵抗値よ
り小さくなった場合には補償用コンデンサ201が電流
を遮断するので、非安定マルチバイブレータ回路102
が発振を停止することはない。
【0049】したがって、本実施の形態の炭酸ガスセン
サ検知回路によれば、炭酸ガスセンサ101の内部抵抗
Rpと抵抗104の抵抗値との大小に関係なく非安定マ
ルチバイブレータ回路102が発振するので、安定して
炭酸ガスセンサ101の容量値Cを検知することができ
る。
【0050】なお、本実施の形態においても、抵抗10
4は固定抵抗と可変抵抗の組み合わせでもよい。その場
合には可変抵抗によって非安定マルチバイブレータ回路
102の発振周波数を調整することができるので、たと
えば、量産時に炭酸ガスセンサ101のインピーダンス
特性にバラツキがあってもその影響を低減することがで
きる。
【0051】(実施の形態3)図3は本発明の実施の形
態3における炭酸ガス濃度検知装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0052】図示するように、本実施の形態の炭酸ガス
濃度検知装置では、炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガスセ
ンサ302を動作温度にまで昇温させるための加熱手段
301、炭酸ガスセンサ302の校正のタイミングを判
定する校正タイミング判定手段303、炭酸ガスセンサ
302のインピーダンスを計測用周波数で測定するイン
ピーダンス測定手段(第1のインピーダンス測定手段)
304およびその測定値を記憶するセンサ出力値記憶手
段305、炭酸ガスセンサ302のインピーダンスを校
正用周波数で測定するインピーダンス測定手段(第2の
インピーダンス測定手段)306およびその測定値を記
憶する基準値記憶手段307を有している。さらに、セ
ンサ出力値記憶手段305および基準値記憶手段307
に記憶された基準値から炭酸ガスの濃度を演算する濃度
演算手段308、ならびに得られた炭酸ガス濃度を出力
する濃度出力手段309を有している。
【0053】このように、本実施の形態における炭酸ガ
ス濃度検知装置では、炭酸ガスセンサ302のインピー
ダンスを、インピーダンス測定手段304により計測用
周波数で測定し、また、インピーダンス測定手段306
により校正用周波数で測定するようになっている。
【0054】このような本実施の形態による炭酸ガス濃
度検知装置の動作原理について、以下において詳細に説
明する。
【0055】インピーダンス変化型炭酸ガスセンサのイ
ンピーダンス変化率は、(数2)で表される。
【0056】
【数2】
【0057】で表される。ここで、Sxはインピーダン
ス変化率、Zxは任意の炭酸ガス濃度におけるインピー
ダンス値、Z0は基準濃度におけるインピーダンス値で
ある。
【0058】したがって、炭酸ガス濃度とインピーダン
ス変化率との関係が予めわかっていれば、Zxを測定す
ることにより既知のZ0を用いて炭酸ガス濃度を一義的
に求めることができる。しかしながら、一般の炭酸ガス
センサに共通する問題として、Z0が経時的に変化して
しまうということがある。そこで、本実施の形態では、
炭酸ガスセンサのインピーダンスおよびインピーダンス
変化率の周波数依存性を利用してZ0を適時校正するも
のである。
【0059】その測定原理を図4に示す。図4は図3の
炭酸ガス濃度検知装置に用いられた炭酸ガスセンサにお
ける炭酸ガス濃度検知の周波数依存性を表すグラフであ
る。図示する場合においては、350ppmを基準とし
て1000ppmにおける炭酸ガスセンサのインピーダ
ンス変化率をYHP社製HP4194Aインピーダンス
アナライザを用いて測定し、インピーダンス変化率と測
定周波数の関係を表したものである。
【0060】図4に示すように、インピーダンス変化率
は測定周波数が100kHz以上になると次第に小さく
なり、たとえば1MHzではインピーダンス変化率はほ
ぼ1となる。このことは1MHz以上の周波数では炭酸
ガスセンサのインピーダンスはもはや炭酸ガス濃度に感
応しないことを意味する。したがって、たとえば100
kHzにおけるインピーダンス値をZxとして測定する
場合、1MHzにおけるインピーダンス値を測定して既
知のインピーダンスの周波数依存性から100kHzに
おける基準値Z0を演算することにより周囲の炭酸ガス
濃度に依存せずに基準値Z0が得られる。
【0061】炭酸ガスセンサの濃度350ppmにおけ
るインピーダンスの周波数特性の経時変化を図5に表
す。図5は図3の炭酸ガス濃度検知装置に用いられた炭
酸ガスセンサにおける経時変化前後のインピーダンスの
周波数特性を表すグラフである。
【0062】図示するように、インピーダンスが経時変
化した場合でも、それは同一周波数に対して全体が上下
にシフトするだけで、インピーダンスの周波数依存性は
変化しない。したがって、炭酸ガスセンサが経時変化し
ても、経時変化前の初期の周波数依存性を用いて上記の
1MHzのインピーダンス値から100kHzにおける
基準値Z0を演算することができる。あるいは、基準値
Z0を演算することなく、炭酸ガスセンサの100kH
zにおけるインピーダンスをZa、1MHzにおけるイ
ンピーダンスをZbとし、両者の比であるZa/Zbを
用いて炭酸ガス濃度を算出することができる。
【0063】ここで、炭酸ガス濃度を変化させた場合の
Za/Zbの変化を図6に示す。図6は図3の炭酸ガス
濃度検知装置に用いられた本発明における炭酸ガスセン
サの出力と炭酸ガス濃度との関係を表すグラフである。
図示するように、炭酸ガス濃度に対してZa/Zbの値
は連続的に変化しているので、この値は炭酸ガス濃度の
計測値の基準となり得ることがわかる。
【0064】次に、本実施の形態による炭酸ガス濃度検
知装置における炭酸ガス濃度の検出動作を図7を用いて
説明する。
【0065】炭酸ガス検知装置の電源を入れ、加熱手段
301で炭酸ガスセンサ302を所定の温度にまで加熱
して暖機運転をする。そして、通常の計測雰囲気内にこ
の炭酸ガス検知装置を設置する。すると、以下の動作が
電源が断たれるまで繰り返される。
【0066】先ず、校正タイミング判定手段303にお
いて所定時間(たとえば30分間程度)が経過したかど
うかを判定する(401)。そして、所定時間経過して
いれば、インピーダンス測定手段306により1MHz
での炭酸ガスセンサ302のインピーダンス値が測定さ
れる(402)。次に、基準値記憶手段307におい
て、ステップ402で測定されたインピーダンス値から
100kHzにおける基準値が算出され、記憶される
(403)。
【0067】そして、インピーダンス測定手段304に
より100kHzでの炭酸ガスセンサ302のセンサ出
力値が測定され、その値がセンサ出力値記憶手段305
に記憶される(404)。
【0068】次に、基準値記憶手段307に記憶された
基準値とセンサ出力値記憶手段305に記憶されたセン
サ出力値とから濃度演算手段308によって計測雰囲気
の炭酸ガス濃度が算出され(405)、濃度出力手段3
09によって炭酸ガス濃度が外部へ出力される(40
6)。
【0069】その後、校正タイミング手段303で所定
時間(たとえば24時間程度)が経過しているかどうか
が判定され(407)、経過していればステップ402
に戻って校正して基準値の更新を行った後、403以下
の動作が実行される。また、所定時間経過していなけれ
ば404に戻り、校正をすることなくインピーダンスが
計測され、その後、405以下の動作が実行される。
【0070】このように、本実施の形態の炭酸ガス濃度
検知装置によれば、通常の測定時にはインピーダンス測
定手段304で、校正時にはインピーダンス測定手段3
04よりも測定周波数が高いインピーダンス測定手段3
06で、炭酸ガスセンサ302のインピーダンスを測定
して基準値を算出しているので、清浄な大気など測定雰
囲気の炭酸ガス濃度によらず基準値の校正を行うことが
できる。
【0071】また、測定雰囲気の炭酸ガス濃度に関係な
く測定が可能になるので、炭酸ガス濃度を広範囲にわた
って検出することができる。
【0072】なお、本実施の形態ではインピーダンス測
定手段304の計測用周波数を100kHz、インピー
ダンス測定手段306の校正用周波数を1MHzとした
場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、任意の周波数を設定することができ
る。
【0073】(実施の形態4)図8は本発明の実施の形
態4における炭酸ガス濃度検知装置を示すブロック図で
ある。
【0074】図8において、本実施の形態の炭酸ガス濃
度検知装置は、前述した実施の形態2に示すものと略同
一のインピーダンス測定手段(第1のインピーダンス測
定手段)304およびインピーダンス測定手段(第2の
インピーダンス測定手段)306が設けられている。但
し、インピーダンス測定手段304およびインピーダン
ス測定手段306においては、回路切り換え手段505
を介して炭酸ガスセンサ302が共有されている。そし
て、炭酸ガスセンサ302のインピーダンスは、インピ
ーダンス測定手段304では計測用周波数で測定され、
インピーダンス測定手段306では校正用周波数で測定
されるようになっている。なお、インピーダンス測定手
段304およびインピーダンス測定手段306は実施の
形態1に示す構成のものを用いることができ、抵抗50
2および抵抗504は、固定抵抗と可変抵抗とで構成す
ることができる。
【0075】また、本炭酸ガス濃度検知装置では、炭酸
ガスセンサ302のインピーダンス値の校正の要否を判
断する校正タイミング判定手段303が設けられてお
り、炭酸ガスセンサ302はこの校正タイミング判定手
段303の判定に従って回路切り換え手段505により
いずれかのインピーダンス測定手段304,306に接
続される。なお、炭酸ガス濃度をインピーダンス値の変
化で検出する炭酸ガスセンサ302を所定温度まで加熱
するため、加熱手段301が配置されている。
【0076】インピーダンス測定手段304にはこのイ
ンピーダンス測定手段304の測定値を記憶するセンサ
出力値記憶手段305が、インピーダンス測定手段30
6にはインピーダンス測定手段306の測定値を記憶す
る基準値記憶手段307がそれぞれ電気的に接続されて
いる。そして、センサ出力値記憶手段305と基準値記
憶手段307とは、これらの基準値から炭酸ガス濃度を
算出する濃度演算手段308に接続されいる。さらに、
濃度演算手段308には濃度出力手段309が接続され
ており、得られた炭酸ガス濃度はこの濃度出力手段30
9で外部に出力される。
【0077】このように、本実施の形態の炭酸ガス濃度
検知装置では、インピーダンス測定手段304を構成す
る非安定マルチバイブレータ回路(第1の非安定マルチ
バイブレータ回路)501とインピーダンス測定手段3
06を構成する非安定マルチバイブレータ回路(第2の
非安定マルチバイブレータ回路)503とが設けられ、
回路切り換え手段505で切り換えていずれかを炭酸ガ
スセンサ302と電気的に接続することにより、炭酸ガ
スセンサ302のインピーダンスが2つの非安定マルチ
バイブレータ回路501,503で測定されるようにな
っている。
【0078】なお、たとえば清浄空気の350ppm炭
酸ガス濃度において、非安定マルチバイブレータ回路5
01の抵抗502は発振周波数が100kHzになるよ
うに設定され、非安定マルチバイブレータ回路503の
抵抗504は1MHzになるように設定される。そし
て、実施の形態3で説明したように、インピーダンス測
定手段306で測定する場合には、炭酸ガス濃度に対す
る発振周波数変化が小さいために校正用の測定手段とし
て用いることができる。
【0079】次に本実施の形態による炭酸ガス濃度検知
装置の動作について説明する。この装置は、実施の形態
3において示す図7のフローチャートと同じ動作を行っ
てステップ401〜407が繰り返される。
【0080】つまり、図8において、校正タイミング判
定手段303により校正が必要と判断されると、回路切
り替え手段505により炭酸ガスセンサ302の出力端
子はインピーダンス測定手段306に接続される。これ
により炭酸ガスセンサ302のインピーダンスはインピ
ーダンス測定手段306によって測定され、測定値は基
準値記憶手段307へ送られる。また、校正タイミング
判定手段303により校正が必要ないと判断されると、
回路切り替え手段505により炭酸ガスセンサ302の
出力端子はインピーダンス測定手段304に接続され
る。これにより炭酸ガスセンサ302のインピーダンス
はインピーダンス測定手段304によって測定され、測
定値はセンサ出力値記憶手段307へ送られる。
【0081】次に、センサ出力値記憶手段305と基準
値記憶手段307とに記憶された測定値は濃度演算手段
308に送られて計測雰囲気の炭酸ガス濃度が算出さ
れ、濃度出力手段309によって外部へ出力される。
【0082】その後、所定時間経過していれば、基準値
の更新を行った後、以降の動作が実行される。また、経
過していなければ、校正をすることなくインピーダンス
が計測され、以降の動作が実行される。
【0083】ここで、インピーダンス測定手段304と
インピーダンス測定手段306の発振周波数の調整は、
図8に示すように、補償用コンデンサ201を配置する
ことのほかに、抵抗502および抵抗504の抵抗値を
所定レベルに設定したり、調整用のコンデンサを炭酸ガ
スセンサ302に並列に接続したりすることによって行
うことができる。但し、補償用コンデンサ201を用い
たり調整用コンデンサを接続した場合には、設定可能な
発振周波数範囲が狭く炭酸ガスセンサの検知感度も低下
するので、抵抗502および抵抗504の抵抗値の調整
により行うことが望ましい。なお、これらのことは、次
の実施の形態5においても同様である。
【0084】このように、本実施の形態の炭酸ガス濃度
検知装置によれば、計測用のインピーダンス測定手段3
04と校正用のインピーダンス測定手段306とを設け
て、炭酸ガスセンサ302のインピーダンス値を切り換
えて測定し、これを適宜校正するようにしているので、
清浄な大気など測定雰囲気に依存することなく炭酸ガス
濃度の基準値を校正することができる。
【0085】また、測定雰囲気の炭酸ガス濃度に関係な
く測定が可能になるので、炭酸ガス濃度を広範囲にわた
って検出することができる。
【0086】さらに、抵抗成分を有するコンデンサを炭
酸ガスセンサ302として用いているので、炭酸ガスセ
ンサ302のインピーダンス変化を増幅して高いSN比
で検出することが可能になる。
【0087】(実施の形態5)図9は本発明の実施の形
態5における炭酸ガス濃度検知装置を示すブロック図で
ある。
【0088】本実施の形態に示す炭酸ガス濃度検知装置
は、炭酸ガスセンサ302とインバータ106の出力部
との間に設けられた抵抗502と抵抗504とを抵抗切
り替え手段601で切り替えることによって、校正され
た場合とされない場合とのインピーダンスが測定される
ようになっている。したがって、本炭酸ガス濃度検知装
置は、実施の形態4における第1および第2の非安定マ
ルチバイブレータ回路501,503が一体化されて1
つの非安定マルチバイブレータ回路603に構成された
もの、換言すれば、実施の形態4における第1および第
2のインピーダンス測定手段304,306が一体化さ
れて1つのインピーダンス測定手段に構成されたもので
ある。なお、抵抗は3個以上設けられていてもよい。
【0089】また、このように単一の非安定マルチバイ
ブレータ回路603で2種類のインピーダンスを測定す
るようにしていることから、測定されたインピーダンス
に対応した計数値をセンサ出力値記憶手段305または
基準値記憶手段307のいずれかに送るため、校正タイ
ミング判定手段303によって出力先が切り換えられる
出力切り換え手段602が周波数計数手段109からセ
ンサ出力値記憶手段305および基準値記憶手段307
に至るデータ経路上に設けられている。
【0090】その他の点においては、前記した実施の形
態4に示す炭酸ガス濃度検知装置と略同一の構成を有し
ている。
【0091】次に本実施の形態における炭酸ガス濃度検
知装置の動作について説明する。この装置も、実施の形
態3において示す図7のフローチャートと同じ動作を行
ってステップ401〜407が繰り返される。
【0092】つまり、図9において、校正タイミング判
定手段303により校正を必要と判断されると、抵抗切
り替え手段601により抵抗502が非安定マルチバイ
ブレータ回路603に接続され、この非安定マルチバイ
ブレータ回路603は校正されたインピーダンスを測定
するように動作する。また、校正タイミング判定手段3
03の出力を受けて、出力切り替え手段602は周波数
計数手段109の出力を基準値記憶手段307へ接続す
る。これらにより、炭酸ガスセンサ302の校正された
インピーダンスによる測定値は基準値記憶手段307へ
送られる。
【0093】一方、校正タイミング判定手段303によ
り校正が必要ないと判断されると、抵抗切り替え手段6
01は抵抗504を非安定マルチバイブレータ回路60
3に接続し、この非安定マルチバイブレータ回路603
は校正されないインピーダンスを測定するように動作す
る。また、校正タイミング判定手段303の出力を受け
て、出力切り替え手段602は周波数計数手段109の
出力をセンサ出力値記憶手段305へ接続する。これら
により、炭酸ガスセンサ302の校正されないインピー
ダンスによる測定値はセンサ出力値記憶手段305へ送
られる。
【0094】次に、センサ出力値記憶手段305と基準
値記憶手段307とに記憶された測定値は濃度演算手段
308に送られて計測雰囲気の炭酸ガス濃度が算出さ
れ、濃度出力手段309によって外部へ出力される。そ
して、所定時間経過していれば基準値の更新を行った
後、経過していなければ校正をすることなく、以降の動
作が実行される。
【0095】このように、本実施の形態の炭酸ガス濃度
検知装置によれば、抵抗502と抵抗504とを抵抗切
り替え手段601で切り替えることによって炭酸ガスセ
ンサ302のインピーダンス値を切り換えて測定するよ
うにしているので、清浄な大気など測定雰囲気に依存す
ることなく炭酸ガス濃度の基準値を校正することができ
る。
【0096】また、測定雰囲気の炭酸ガス濃度に関係な
く測定が可能になるので、炭酸ガス濃度を広範囲にわた
って検出することができる。
【0097】さらに、抵抗成分を有するコンデンサを炭
酸ガスセンサ302として用いているので、炭酸ガスセ
ンサ302のインピーダンス変化を増幅して高いSN比
で検出することが可能になる。
【0098】そして、1つの非安定マルチバイブレータ
回路603で校正されたインピーダンスと校正されない
インピーダンスとが測定できるので、装置の小型化およ
び低コスト化を実現することができる。
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明の炭酸ガスセンサ
検知回路によれば、抵抗成分を有するコンデンサからな
る炭酸ガスセンサを配置しているので、炭酸ガスセンサ
のインピーダンス変化を増幅して高いSN比で検出する
ことができるという有効な効果が得られる。
【0100】また、本発明の炭酸ガスセンサ検知回路に
よれば、第1のインバータの出力部と炭酸ガスセンサと
の間に補償用コンデンサを接続することにより、炭酸ガ
スセンサの抵抗成分と抵抗との抵抗値の大小に関係なく
回路が発振するので、安定して炭酸ガスセンサの容量値
を検知することができるという有効な効果が得られる。
【0101】本発明の炭酸ガスセンサ検知回路によれ
ば、抵抗を固定抵抗と可変抵抗とで構成することによ
り、この可変抵抗によって発振周波数を調整することが
できるので、炭酸ガスセンサのインピーダンス特性のバ
ラツキを補正できるという有効な効果が得られる。
【0102】本発明の炭酸ガス濃度検知装置によれば、
通常の測定時には第1のインピーダンス測定手段で、校
正時には第2のインピーダンス測定手段で、炭酸ガスセ
ンサのインピーダンスを測定して基準値を算出している
ので、清浄な大気など測定雰囲気の炭酸ガス濃度によら
ず基準値の校正を行うことができるという有効な効果が
得られる。また、校正は自動的に且つ短時間で容易に実
行されるため、この校正作業を必要に応じて随時行うこ
とができるという有効な効果が得られる。さらに、測定
値が急激に変化した場合でも、濃度変化によるものか故
障によるものかを判定することができるという有効な効
果が得られる。そして、測定雰囲気の炭酸ガス濃度に関
係なく測定が可能になるので、炭酸ガス濃度を広範囲に
わたって検出することができるという有効な効果が得ら
れる。
【0103】本発明の炭酸ガス濃度検知装置によれば、
第1および第2のインピーダンス測定手段を、1個の炭
酸ガスセンサが回路切り換え手段により切り換えられて
相互に共有化された前述の炭酸ガスセンサ検知回路で構
成して抵抗成分を有するコンデンサを炭酸ガスセンサと
して用いることにより、炭酸ガスセンサのインピーダン
ス変化を増幅して高いSN比で検出することが可能にな
るという有効な効果が得られる。
【0104】本発明の炭酸ガス濃度検知装置によれば、
第1および第2のインピーダンス測定手段を、抵抗が少
なくとも2個以上設けられるとともにこれらの抵抗のい
ずれか1個が抵抗切り換え手段によって選択的に電気的
に接続されるように一体化された前述の炭酸ガスセンサ
回路で構成することにより、単一の回路で校正されたイ
ンピーダンスと校正されないインピーダンスとが測定で
きるので、装置の小型化および低コスト化を実現するこ
とができるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における炭酸ガスセンサ
検知回路を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における炭酸ガスセンサ
検知回路を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3における炭酸ガス濃度検
知装置の構成を示すブロック図
【図4】図3の炭酸ガス濃度検知装置に用いられた炭酸
ガスセンサにおける炭酸ガス濃度検知の周波数依存性を
表すグラフ
【図5】図3の炭酸ガス濃度検知装置に用いられた炭酸
ガスセンサにおける経時変化前後のインピーダンスの周
波数特性を表すグラフ
【図6】図3の炭酸ガス濃度検知装置に用いられた炭酸
ガスセンサの出力と炭酸ガス濃度との関係を表すグラフ
【図7】図3の炭酸ガス濃度検知装置における炭酸ガス
濃度の検出動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態4における炭酸ガス濃度検
知装置を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態5における炭酸ガス濃度検
知装置を示すブロック図
【図10】従来の炭酸ガス濃度検知装置の構造を示すブ
ロック図
【符号の説明】
101 炭酸ガスセンサ 104 抵抗 105 インバータ(第2のインバータ) 106 インバータ(第1のインバータ) 109 周波数計数手段 201 補償用コンデンサ 301 加熱手段 302 炭酸ガスセンサ 303 校正タイミング判定手段 304 インピーダンス測定手段(第1のインピーダン
ス測定手段) 305 センサ出力値記憶手段 306 インピーダンス測定手段(第2のインピーダン
ス測定手段) 307 基準値記憶手段 308 濃度演算手段 309 濃度出力手段 505 回路切り換え手段 601 抵抗切り換え手段
フロントページの続き (72)発明者 森本 信司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のインバータと、 前記第1のインバータの出力部からこの第1のインバー
    タの入力部へ順次電気的に直列接続された、抵抗成分を
    有するコンデンサからなる炭酸ガスセンサおよび抵抗
    と、 前記炭酸ガスセンサと前記抵抗との間から第1のインバ
    ータの入力部に対して配置され、出力部が前記第1のイ
    ンバータの入力部と電気的に接続された第2のインバー
    タと、 前記第1のインバータの出力部と電気的に接続され、前
    記第1のインバータから出力される発振周波数を計測す
    る周波数計数手段とを有し、 炭酸ガス濃度に依存する前記炭酸ガスセンサのインピー
    ダンスを前記周波数計数手段に計測された発振周波数か
    ら測定することを特徴とする炭酸ガスセンサ検知回路。
  2. 【請求項2】前記第1のインバータの出力部と前記炭酸
    ガスセンサとの間には、補償用コンデンサが接続されて
    いることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガスセンサ検
    知回路。
  3. 【請求項3】前記抵抗は固定抵抗と可変抵抗とから構成
    され、前記可変抵抗の抵抗値を変化させて前記第1のイ
    ンバータから出力される発振周波数が調整し得るように
    なっていることを特徴とする請求項1または2記載の炭
    酸ガスセンサ検知回路。
  4. 【請求項4】炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガスセンサ
    と、 前記炭酸ガスセンサを動作温度に加熱する加熱手段と、 前記炭酸ガスセンサの校正のタイミングを判定する校正
    タイミング判定手段と、 前記校正タイミング判定手段が校正しないと判定した場
    合に、前記炭酸ガスセンサのインピーダンスを計測用周
    波数で測定する第1のインピーダンス測定手段と、 前記第1のインピーダンス測定手段からの出力値を記憶
    するセンサ出力値記憶手段と、 前記校正タイミング判定手段が校正すると判定した場合
    に、前記炭酸ガスセンサのインピーダンスを校正用周波
    数で測定する第2のインピーダンス測定手段と、 前記第2のインピーダンス測定手段からの出力値を受け
    て基準値を算出、記憶する基準値記憶手段と、 前記センサ出力値記憶手段に記憶されたセンサ出力値と
    前記基準値記憶手段に記憶された基準値とから炭酸ガス
    濃度を演算する濃度演算手段と、 前記濃度演算手段により得られた炭酸ガス濃度を出力す
    る濃度出力手段とを有することを特徴とする炭酸ガス濃
    度検知装置。
  5. 【請求項5】前記第1および第2のインピーダンス測定
    手段は、1個の前記炭酸ガスセンサが回路切り換え手段
    により切り換えられて相互に共有化されたそれぞれ請求
    項1、2または3記載の炭酸ガスセンサ検知回路である
    ことを特徴とする請求項4記載の炭酸ガス濃度検知装
    置。
  6. 【請求項6】前記第1および第2のインピーダンス測定
    手段は、前記抵抗が少なくとも2個以上設けられるとと
    もにこれらの抵抗のいずれか1個が抵抗切り換え手段に
    よって選択的に電気的に接続されるように一体化された
    請求項1、2または3記載の炭酸ガスセンサ回路である
    ことを特徴とする請求項4記載の炭酸ガス濃度検知装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1114583A (ja) * 1997-06-18 1999-01-22 Yamatake Honeywell Co Ltd 基準値変更時のスムージング装置
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