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JPH10338886A - プラスチック原料の油化処理方法及び油化処理装置 - Google Patents

プラスチック原料の油化処理方法及び油化処理装置

Info

Publication number
JPH10338886A
JPH10338886A JP9148990A JP14899097A JPH10338886A JP H10338886 A JPH10338886 A JP H10338886A JP 9148990 A JP9148990 A JP 9148990A JP 14899097 A JP14899097 A JP 14899097A JP H10338886 A JPH10338886 A JP H10338886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
heating
heat
temperature
plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9148990A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruyoshi Fujii
照芳 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruman Co Ltd
Original Assignee
Maruman Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruman Co Ltd filed Critical Maruman Co Ltd
Priority to JP9148990A priority Critical patent/JPH10338886A/ja
Publication of JPH10338886A publication Critical patent/JPH10338886A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/141Feedstock
    • Y02P20/143Feedstock the feedstock being recycled material, e.g. plastics

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Coke Industry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のプラスチック原料油化処理装置は、バ
ッチ式に構成されていて、溶融槽内で一定量のプラスチ
ック原料を完全にゲル化させた後、そのゲル状原料を熱
分解槽に送ってそこでガス化させていたので、処理能力
が低かった。 【解決手段】 プラスチック原料を加熱して、該原料中
の油成分をガス化させた後、その気化ガスを冷却して液
化させるようにした油化処理において、原料は、熱誘導
管1内を連続して移送させるとともに、熱誘導管1内の
温度を、該熱誘導管1の入口側から出口側に向けて徐々
に昇温させて、固体原料がゲル化するまでは該固体原料
が炭化しない程度の温度勾配で昇温させた後、ゲル化し
たゲル状原料をさらに高温加熱して該ゲル状原料中の油
成分をガス化させるようにすることにより、待ち時間な
しに連続処理できるとともに、原料がゲル化する途中で
炭化しないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、プラスチック廃
棄物を減量化するとともに、プラスチック原料から油成
分を抽出し得るようにしたプラスチック原料の油化処理
方法及び油化処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック廃棄物の量は年々増
加しているが、プラスチック廃棄物は焼却処分ができず
(高カロリーであるために焼却炉が短期で損傷する)、
大部分が埋め立てゴミとして処理されている。ところ
で、近年では、廃棄物の埋め立て場所の確保が困難にな
り、大きな社会問題となっているのが現状である。
【0003】他方、プラスチックは石油製品であり、大
量のエネルギーを含んでいる。そして、近年では、プラ
スチック廃棄物を加熱して該プラスチック廃棄物から油
成分を抽出し、資源を再利用する試みがなされている。
【0004】即ち、近年、図5に示すようなプラスチッ
ク原料の油化処理装置が開発されている。この従来の油
化処理装置は、プラスチック原料P(主としてプラスチ
ック廃棄物の粉砕物)を供給装置101によって一定量
だけ溶融槽102内に貯留しておき、その溶融槽102
内のプラスチック原料を加熱装置(熱風発生炉)103
からの高温空気で加熱して、該プラスチック原料の全量
を溶融槽102内においてゲル化させる。次に、溶融槽
102内のゲル状原料をポンプ104で熱分解槽105
内に送り、該熱分解槽105内のゲル状原料を加熱装置
(熱風発生炉)106からの高温空気で加熱して、該ゲ
ル状原料中の油成分をガス化させる。そして、その熱分
解槽105内でガス化したガス状油成分は、中和装置
(スクラバーでアルカリ溶剤噴射)108に導いてPH
(ペーハー)を調整した後、冷却装置(冷却用コンデン
サ−)109で液化せしめ、その液体(油)を貯油タン
ク110に貯留する。他方、熱分解槽5内でガス化され
なかったスラッジは、スラッジボックス107内に貯留
される。
【0005】ところで、プラスチック原料がゲル化する
温度は、原料の種類によって多少差があるが、概ね24
0℃前後である。他方、プラスチック原料は、急激に高
温加熱する(温度上昇勾配が急である)と、溶融(ゲル
化)する前に炭化してしまい、一旦炭化した原料はさら
に高温加熱してもガス化しないという性質を有してい
る。特に塊状のプラスチック原料を急激高温加熱する
と、熱伝導率が悪いために中心部まで熱が伝わるのに時
間がかかり、ゲル化する前に炭化してしまうという問題
を有している。このように、炭化してしまった原料は、
油成分を多量に含有しているにも拘わらず、スラッジと
して廃棄処分される。尚、炭化が起こる温度は、プラス
チック原料の種類によって差があるが、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレンのような原料で
は、急加熱した場合に250℃前後で炭化が発生する。
【0006】このようなプラスチック原料の特性から、
図5に示す従来のプラスチック原料油化処理装置では、
溶融槽102内において、ゲル化可能な温度(例えば2
50℃前後)まで徐々に加温していき、プラスチック原
料を炭化させることなくゲル化させるようにしている。
そして、溶融槽102内のプラスチック原料の全量がゲ
ル化した後、そのゲル状原料をポンプ104で熱分解槽
105に送り、そこで高温加熱(例えば450℃前後)
するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図5に示す
従来のプラスチック原料油化処理装置では、いわゆるバ
ッチ方式、即ち溶融槽102内で一定量のプラスチック
原料をゲル化させた後、そのゲル状原料を熱分解槽10
5側に移送してガス化させるようにしているので、各装
置(溶融槽102、熱分解槽105)部分でそれぞれ待
ち時間が生じるようになり、従って処理能力が低いとい
う問題があった。
【0008】本願発明は、上記した従来のプラスチック
原料油化処理装置の問題点に鑑み、プラスチック原料
(主としてプラスチック廃棄物)からの油化処理能力を
向上せしめ得るとともに、プラスチック原料が油化処理
中に炭化するのを防止し得るようにした、プラスチック
原料の油化処理方法及び油化処理装置を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。
【0010】本願請求項1の発明 本願請求項1の発明は、プラスチック原料を加熱して、
該原料中の油成分をガス化させた後、そのガス状油成分
を冷却して液化させるようにしたプラスチック原料の油
化処理方法を対象にしている。尚、プラスチック原料と
しては、主としてプラスチック廃棄物が使用される。
又、該プラスチック原料は、予め小さく粉砕しておく
と、原料粒の中心まで熱が通るのが早くなる。
【0011】そして、この請求項1の油化処理方法で
は、プラスチック原料を、熱誘導管内に連続して移送さ
せるとともに、該熱誘導管内の温度を、該熱誘導管の入
口側から出口側に向けて徐々に昇温させて、固体原料が
ゲル化するまでは該固体原料が炭化しない程度の温度勾
配で昇温させた後、ゲル化したゲル状原料をさらに高温
加熱して該ゲル状原料中の油成分をガス化させるように
したことを特徴としている。
【0012】尚、熱誘導管内を加熱する温度勾配(時間
当たりの感度上昇割合)は、熱誘導管の各部所の加熱温
度や原料の移送スピードに関係するが、それらの要件
(各部所の加熱温度や移送スピード)は、該熱誘導管中
を移送される原料がゲル化するまでに炭化しないような
緩やかな温度勾配に設定される。
【0013】この請求項1の油化処理方法では、プラス
チック原料を、熱誘導管内を連続して移送させるように
しているので、固体原料をゲル化させる工程、及びゲル
状原料をガス化させる工程を一連の熱誘導管内において
行うことができ、しかもそれぞれの工程に待ち時間がな
くなる。又、熱誘導管内の温度を、該熱誘導管の入口側
から出口側に向けて徐々に昇温させるようにしているの
で、固体原料がゲル化するまでに該原料が炭化すること
がなく、原料の大部分を有効にガス化(最終的には油
化)させることができる。
【0014】本願請求項2の発明 本願請求項2の発明は、上記請求項1の油化処理方法を
行うための油化処理装置を対象としている。
【0015】そして、この請求項2の油化処理装置は、
プラスチック原料を案内する熱誘導管と、該熱誘導管内
の原料を連続して移送させる連続移送装置と、熱誘導管
内の原料を加熱して該原料中の油成分をガス化させる加
熱装置と、熱誘導管の出口から放出されるガス状油成分
を冷却して液化させる液化処理装置を備えている。
【0016】連続移送装置としては、スクリューフィー
ダが好適である。このように、連続移送装置としてスク
リューフィーダを使用すると、熱誘導管内の原料が撹拌
されながら移送される。尚、熱誘導管は、複数本を並列
配置して使用することができ、その場合は各熱誘導管に
それぞれ連続移送装置を設ける。
【0017】又、加熱装置は、温度差をもたせることが
できる複数の分割加熱装置で構成しており、該分割加熱
装置によって、熱誘導管の入口側から出口側に向けて徐
々に昇温させ得るようにしている。尚、この場合、加熱
装置は、例えば3分割以上に分割するのが好ましく、各
分割加熱装置で熱誘導管内を入口側から出口側に向けて
徐々に昇温させるように(原料が炭化しないように)す
るとよい。又、各分割加熱装置は、熱誘導管の対応部所
の温度をそれぞれ温度検出器で検出し、その各温度検出
器からの検出温度に基いてそれぞれ発熱量を制御すると
よい。
【0018】この請求項2の油化処理装置では、固体の
プラスチック原料を熱誘導管の入口側に連続して投入す
るだけで、順次固体原料をゲル化させた後、そのゲル状
原料中の油成分をガス化させることができる。又、熱誘
導管内を加熱する加熱装置は、複数の加熱装置に分割し
ているので、熱誘導管内をその入口側から出口側に向け
て徐々に昇温させるようにすることができ、固体原料が
ゲル化するまでに炭化しないような温度勾配で加熱する
ことができる。
【0019】本願請求項3の発明 本願請求項3の発明は、上記請求項2の油化処理装置に
おいて、加熱装置として、熱誘導管の長さ方向に複数に
区画した分割加熱室と、該各分割加熱室内の空気をそれ
ぞれ個別に加熱する各加熱手段とで構成するとともに、
熱誘導管は、各分割加熱室内をそれぞれ横切るようにし
て設置している。
【0020】各分割加熱室の空気を加熱するための加熱
手段としては、例えばバーナによって加熱される熱風発
生炉を使用し、該各熱風発生炉からの熱風をそれぞれ分
割加熱室に供給するようにすることができる。尚、加熱
手段として各バーナのみを使用し、該各バーナで直接各
分割加熱室内を加熱するようにしてもよい。
【0021】このように、加熱手段として、バーナを使
用したものでは、この油化処理装置で生成される油を燃
料として使用することができる。
【0022】本願請求項4の発明 本願請求項4の発明は、上記請求項2の油化処理装置に
おいて、加熱装置として、発熱温度の異なる複数の電気
加熱手段を使用するとともに、該各電気加熱手段を、そ
の発熱量の低いのもから順に熱誘導管の入口側から出口
側に向けて配置している。
【0023】電気加熱手段としては、電磁誘導加熱方式
あるいは電気抵抗加熱方式の何れでもよい。この各電気
加熱手段は、それぞれ熱誘導管の外周面に巻付けて設置
し、該熱誘導管の外面全周から加熱するようにするとよ
い。
【0024】このように、加熱装置として電気加熱手段
を使用すると、油化処理装置全体をコンパクトにでき、
しかも発熱部分の温度制御が比較的簡単に行える。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本願
の実施形態を説明すると、図1〜図3には本願第1実施
形態の油化処理装置が示され、図4には同第2実施形態
の油化処理装置が示されている。
【0026】図1〜図3に示す第1実施形態の油化処理
装置は、プラスチック粉砕物からなる原料Pを案内する
熱誘導管1と、該熱誘導管1の入口1aに原料Pを供給
する原料貯留室6と、熱誘導管1内の原料を入口1a側
から出口1b側に向けて連続移送させる連続移送装置2
と、熱誘導管1内の原料を加熱する加熱装置3と、熱誘
導管1の出口1bから放出されるガス状油成分Rを液化
させる液化処理装置8と、熱誘導管1の出口1bから放
出されるスラッジSを貯留するスラッジボックス17
と、加熱装置3の温度制御及び連続移送装置2の駆動ス
ピード等を制御するコントローラ7とを基本構造として
構成されている。
【0027】熱誘導管1及び連続移送装置2は、この第
1実施形態では、図2に示すように合計4セットづつ使
用されているが、この熱誘導管1と連続移送装置2のセ
ット本数は適宜に変更してもよい。
【0028】各熱誘導管1,1・・は、図1に示すよう
に、僅かに下り傾斜させた第1熱誘導管11と、該第1
熱誘導管11の出口に連続し、且つ角度30°程度だけ
上り傾斜させた第2熱誘導管12とで構成されている。
【0029】各連続移送装置2,2・・は、図1に示す
ように、第1熱誘導管11内に収容された第1スクリュ
ーフィーダ21と、第2熱誘導管12内に収容された第
2スクリューフィーダ22とで構成されている。各第1
スクリューフィーダ21は、それぞれモータ23で駆動
され、各第2スクリューフィーダ22は、それぞれモー
タ24で駆動される。これらのモータ23,24の駆動
スピードは、コントローラ7からの信号で制御される。
【0030】尚、他の実施形態では、熱誘導管1として
1本ものの管を使用し、連続移送装置2も1つのスクリ
ューフィーダで適用することができる。又、熱誘導管1
は、全体を水平状態で設置することもできる。
【0031】原料貯留室6は、各第1熱誘導管11の入
口1aの上方に設置されている。該原料貯留室6内に
は、ホッパー4内の原料Pが順次供給装置5によって投
入される。尚、使用される原料P中に塩化ビニールが混
入されている場合には、ホッパー4中に(あるいは原料
貯留室6中に直接)消石灰Qを所定量だけ混入させると
よい。尚、この消石灰Qの混入による作用は後述する。
【0032】この第1実施形態の加熱装置3は、合計3
つに区画された第1〜第3の分割加熱室31,32,3
3と、各分割加熱室31〜33を個別に加熱する各熱風
発生炉41,42,43とで構成している。即ち、第1
〜第3の分割加熱室31,32,33は、熱誘導管1の
入口1a側から出口1b側に向けて順次隣接状態で設置
しており、該各分割加熱室31〜33内をそれぞれ熱風
発生炉41〜43で発生させた熱風で加熱するようにし
ている。尚、各熱風発生炉41〜43は、それぞれバー
ナ44で個別に加熱し、さらに該各バーナ44,44,
44からの燃焼ガスGを、それぞれブロワ48,48,
48で各熱風発生炉41〜43、各分割加熱室31〜3
3、各接続管45〜47を通して循環させるようにして
いる。
【0033】各分割加熱室31〜33内の温度は、それ
ぞれ温度検出器61〜63で検出されるようになってい
る。そして、各温度検出器61〜63からの検出温度に
基いて、コントローラ7により、各熱風発生炉41〜4
3のバーナ44,44,44の燃焼制御(HI−LOW
制御、あるいはON−OFF制御)を行うようになって
いる。
【0034】各熱誘導管1,1・・は、各分割加熱室3
1〜33内を横切るようにして設置している。又、各熱
誘導管1,1・・の出口1bは、第3加熱室33内にお
いて1本の横向き集合管13に接続されている。この集
合管13には、上方に延びるガス通路14(1本)と、
下方に延びるスラッジ通路15(各熱誘導管の出口1b
に対応する位置に合計4本)とが接続されている。ガス
通路14は、第3熱風発生炉43内を挿通させた後、外
部に導出させている。各スラッジ通路15はスクリュー
フィーダ16部分で集合させた後、スラッジボックス1
7に連通させている。
【0035】液化処理装置8は、ガス通路14を通して
供給されるガス状油成分Rを中和するための中和装置8
1と、該ガス状油成分Rを冷却する冷却装置(冷却用コ
ンデンサ−)82と、気液分離装置83と、貯油タンク
84とを有している。尚、中和装置81は、ガス状油成
分Rに対してスクラバーでアルカリ溶剤を噴射すること
によりPH(ペーハー)を調整するものである。又、冷
却装置82は、ガス状油成分Rを冷却することによって
油成分を液化せしめるものである。さらに、気液分離装
置83は、冷却装置82で冷却させた気液混合物から、
液体と気体に分離するもので、その分離された液体
(油)は貯油タンク84に貯留され、気体(油成分を含
んでいる)は熱風発生炉に供給される。尚、この実施形
態の液化処理装置8は、公知のもので詳細な説明は省略
する。又、液化処理装置8の構成は、図示例のものに限
定されるものでなく、ガス状油成分を冷却して油成分を
液化させ得るものであればよい。
【0036】この第1実施形態の油化処理装置は、次の
ようにして使用される。まず、第1加熱室31内の温度
を固体のプラスチック原料が炭化しない200℃前後、
第2加熱室32内の温度をプラスチック原料のゲル化が
可能な240℃前後、第3加熱室33内の温度をゲル状
原料のガス化が可能な450℃前後、にそれぞれ維持さ
せるように、コントローラ7で各熱風発生炉41〜43
の各バーナ44,44,44での燃焼量を設定してお
く。尚、各分割加熱室31〜33内の温度は、それぞれ
温度検出器61〜63で常時検出しており、該各温度検
出器61〜63からの検出温度に基いて、コントローラ
7からの信号で各熱風発生炉41〜43のバーナ44,
44,44に対して燃焼量制御を自動で行わせる。又、
第1スクリューフィーダ21及び第2スクリューフィー
ダ22に対しても、その各駆動スピードをコントローラ
7で設定しておく。例えば、熱誘導管1内の原料が、第
1加熱室31を約30〜40分で通過し、第2加熱室3
2を約80〜90分で通過し、第3加熱室33を約50
〜60分で通過するように、それぞれ第1スクリューフ
ィーダ21及び第2スクリューフィーダ22の駆動スピ
ードを設定しておく。又、各スクリューフィーダ21,
22の駆動スピードは、各温度検出器61〜63からの
検出温度に基いて、該検出温度が低いときにはそれに比
例して低速駆動し、逆に該検出温度が高いときにはそれ
に比例して高速駆動させるようにしてもよい。
【0037】他方、プラスチック原料は、図3のフロー
チャートで示すように、熱伝導率を良くするために予め
粉砕しておき、そのプラスチック粉砕物(原料)Pを供
給装置5により原料貯留室6内に投入する。このとき、
原料P中に塩化ビニールが含まれている場合には、該原
料Pに消石灰Qを適量だけ混合させておく。この消石灰
Qは、熱誘導管1内で原料が加熱・溶融されたときに、
塩化ビニール中の塩素成分と化合して塩化カルシウムを
生成し、塩素ガスの発生を抑止する作用がある。
【0038】原料貯留室6内に固体原料Pが投入される
と、その底部から固体原料が各熱誘導管1(第1熱誘導
管11)の入口1a内に落ち込み、連続移送装置2によ
って該熱誘導管1内をゆっくりと移送される。このと
き、連続移送装置2として、スクリューフィーダを使用
しているので、熱誘導管1の原料が撹拌されながら移動
する。そして、該固体原料が熱誘導管1内の第1加熱室
31に対応する部分まで移送されたときに、該固体原料
が第1加熱室31内の熱(200℃前後)で徐々に加熱
される。尚、固体原料は、熱誘導管1の入口1aから第
1加熱室31に対応する位置まで移送されたときに、常
温付近の温度から200℃前後の比較的高温域まで一気
に加熱されるようになるが、この200℃前後の温度で
は、原料に炭化が発生することがない。そして、熱誘導
管1内の原料は、第1加熱室31部分を約30〜40分
で通過するが、その間に塊状原料であってもその中心部
まで均一に加熱され、該第1加熱室31部分を通過した
ときには原料が均一に軟化している。
【0039】第1加熱室31部分を通過した熱誘導管1
内の軟化原料は、第2加熱室32に対応する部分に移送
される。ところで、第2加熱室32の温度は、240℃
前後で、プラスチック原料の種類によっては炭化が発生
し得る温度であるが、該第2加熱室32に対応する部分
まで移送された原料は、既に200℃前後まで加熱され
て軟化している。このように、第1加熱室31部分から
第2加熱室32部分に移動したときの温度勾配は小さく
なっており(温度差が40℃程度)、該軟化原料が炭化
することなくスムーズにゲル化せしめられる。そして、
熱誘導管1中の原料は、第2加熱室32部分(240℃
前後)を約80〜90分をかけて通過するが、そのとき
第2加熱室32の出口付近側まで移送された原料は、全
量が完全にゲル化せしめられている。
【0040】次に、第2加熱室32部分を通過した熱誘
導管1内のゲル状原料は、第3加熱室33(450℃前
後)に対応する部分に移送される。このとき、ゲル状原
料(240℃前後まで加熱されている)は、第3加熱室
33に差しかかったときに急加熱(温度差210℃程
度)されるが、ゲル状原料の状態(240℃程度)まで
加熱されていると、その後、急加熱しても炭化が発生す
ることがない。そして、第3加熱室33部分に到達した
ゲル状原料は、熱誘導管1内において450℃前後の高
温で加熱され、該第3加熱室33部分を通過中にゲル状
原料がガス化温度(例えば420℃前後)に達すると、
該ゲル状原料中の油成分がガス化するようになる。
【0041】このように、第3加熱室33に対応する各
熱誘導管1,1・・内でガス化したガス状油成分Rは、
その各出口1bから集合管13内に放出され、さらにガ
ス通路14を通って液化処理装置8側に流れる。そし
て、該ガス状油成分Rは、中和装置81でPH(ペーハ
ー)を中和した後、冷却装置82に送られ、そこで冷却
されて液化され、続いて気液分離装置83で液体(油)
を分離して、その液体(油)を貯油タンク84に貯留す
る。
【0042】他方、熱誘導管1内において、ゲル状原料
からガス化されなかったスラッジは、連続移送装置2
(第2スクリューフィーダ22)によって各熱誘導管
1,1・・の出口1bから各スラッジ通路15中に放出
され、続いてスクリューフィーダ16でスラッジボック
ス17内に収容される。尚、原料P中に塩化ビニールを
含み、且つ原料中に消石灰Qを混入させた場合には、熱
誘導管1内において、その混合原料がゲル化する際に、
塩化ビニール中の塩素と消石灰中のカルシウムとが化合
して塩化カルシウムを生成し、その塩化カルシウムがス
ラッジS中に含有するようになる。そして、この塩化カ
ルシウム入りのスラッジは、後で精製することにより、
副産物として塩化カルシウムを得ることができる。
【0043】上記の各工程は、原料貯留室6内に原料P
がある間は連続して行われる。又、原料貯留室6内の原
料Pが少なくなると、ホッパー4内の原料Pを供給装置
5で原料貯留室6側に投入する。
【0044】このように、第1実施形態の油化処理装置
を使用すると、プラスチック粉砕物からなる原料Pを原
料貯留室6内に投入するだけで、連続してゲル化させた
後にガス化させることができる。又、原料Pをゲル化す
るまでは緩やかな温度勾配で加熱し、且つ撹拌しながら
移送するようにしているので、原料の全量を炭化させる
ことなく完全にゲル化させることができる。従って、プ
ラスチック原料から可及的多量の油を抽出することがで
き、しかもその分、スラッジとして廃棄処分すべき量を
少なくできる。因に、この実施形態の油化処理装置を使
用して、廃プラスチック原料1トン(塩化ビニール及び
消石灰を含まない)を処理した場合の物質収支は、生成
油が1000リットル得られ、スラッジが10Kgであっ
た。又、廃プラスチック原料1トンと塩化ビニール30
0Kgと消石灰90Kgを混入した場合の物質収支は、生成
油が800リツトル得られ、スラッジが200Kg(この
中には副産物となる塩化カルシウムが多量に含まれてい
る)であった。
【0045】尚、この第1実施形態の油化処理装置で生
成した油は、各熱風発生炉41,42,43の燃料とし
て使用することができる。
【0046】図4に示す第2実施形態の油化処理装置で
は、熱誘導管1として1本のものを水平方向に向けて設
置している。又、加熱装置3としては、電磁誘導加熱方
式あるいは電気抵抗加熱方式等の電気加熱手段を採用し
ている。尚、以下の説明では、この電気加熱手段を電気
ヒータと称する。
【0047】この第2実施形態では、加熱装置3とし
て、発熱温度の異なる3つ(第1〜第3)の電気ヒータ
51,52,53を使用している。因に、第1電気ヒー
タ51の発熱温度は200℃前後、第2電気ヒータ52
の発熱温度は240℃前後、第3電気ヒータ53の発熱
温度は450℃前後のものを使用している。尚、他の実
施形態では、第1〜第3の各電気ヒータ51,52,5
3として同じものを使用し、それぞれ温度制御器71,
72,73で所定の発熱温度に制御するようにしてもよ
い。
【0048】そして、これらの電気ヒータ51,52,
53は、その発熱量の低いものから順に熱誘導管1の入
口1a側から出口1b側に向けて配置している。尚、図
示例では、第1〜第3の各電気ヒータ51,52,53
は、熱誘導管1の外周面に対してそれぞれ同長さの範囲
に巻付けて、原料移送スピードに対して各電気ヒータで
加熱される時間の割合を相互に同じ(例えば1時間づ
つ)にしているが、各電気ヒータの長さを相対的に変化
させて、各電気ヒータによる加熱時間の割合を変化させ
るようにしてもよい。
【0049】尚、図4中、符号25は熱誘導管1内に挿
通されているスクリューフィーダ(連続移送装置2とな
る)、符号26はその駆動用のモータ、符号54は各電
気ヒータ51,52,53の外側を被覆する断熱材であ
り、その他の各符号は、第1実施形態に付した同符号の
ものと同じものである。
【0050】この第2実施形態の油化処理装置では、加
熱装置3として電気加熱手段を使用していることによ
り、油化処理装置全体をコンパクトに構成することがで
き、しかも温度制御が第1実施形態の熱風発生炉に比し
て簡単で且つ確実になる。尚、この第2実施形態の油化
処理装置ても、第1実施形態の油化処理装置と同様な作
用が得られる。
【0051】
【発明の効果】本願発明にかかるプラスチック原料の油
化処理方法及び油化処理装置によれば、次のような効果
がある。
【0052】即ち、プラスチック原料Pを、熱誘導管1
内に連続して移送させるようにしているので、固体原料
をゲル化させる工程、及びゲル状原料をガス化させる工
程を一連の熱誘導管1内において行うことができ、しか
もそれぞれの工程に待ち時間がなくなるので、図5に示
す従来例のものに比して処理能力が大幅に向上するとい
う効果がある。
【0053】又、熱誘導管1内の温度を、該熱誘導管1
の入口1a側から出口1b側に向けて徐々に昇温させる
ようにしているので、固体原料Pがゲル化するまでに該
原料が炭化することがなく、原料の大部分を有効にガス
化(最終的に油化)させることができるとともに、その
分、廃棄処分をすべきスラッジの量を少なくできるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1実施形態にかかる油化処理装置の概略
側面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1の油化処理装置を使用して行う油化処理方
法のフローチャートである。
【図4】本願第2実施形態にかかる油化処理装置の概略
側面図である。
【図5】従来の油化処理装置の概略図である。
【符号の説明】
1は熱誘導管、2は連続移送装置、3は加熱装置、7は
コントローラ、8は液化処理装置、14はガス通路、1
5はスラッジ通路、17はスラッジボックス、21,2
2,25はスクリューフィーダ、31〜33は分割加熱
室、41〜43は熱風発生炉、44はバーナ、51〜5
3は電気加熱手段、61〜63は温度検出器、Pはプラ
スチック原料である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック原料を加熱して、該原料中
    の油成分をガス化させた後、そのガス状油成分を冷却し
    て液化させるようにしたプラスチック原料の油化処理方
    法であって、 前記原料は、熱誘導管(1)内に連続して移送させると
    ともに、 前記熱誘導管(1)内の温度を該熱誘導管(1)の入口
    側から出口側に向けて徐々に昇温させて、固体原料がゲ
    ル化するまでは該固体原料が炭化しない程度の温度勾配
    で昇温させた後、ゲル化したゲル状原料をさらに高温加
    熱して該ゲル状原料中の油成分をガス化させるようにし
    た、 ことを特徴とするプラスチック原料の油化処理方法。
  2. 【請求項2】 プラスチック原料を案内する熱誘導管
    (1)と、該熱誘導管(1)内の原料を連続移送させる
    連続移送装置(2)と、熱誘導管(1)内の原料を加熱
    して該原料中の油成分をガス化させる加熱装置(3)
    と、熱誘導管(1)の出口から放出されるガス状油成分
    を冷却して液化させる液化処理装置(8)を備えるとと
    もに、 前記加熱装置(3)は、温度差をもたせることができる
    複数の分割加熱装置で構成して、前記熱誘導管(1)の
    入口側から出口側に向けて徐々に昇温させ得るようにし
    た、 ことを特徴とするプラスチック原料の油化処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、加熱装置(3)は、
    熱誘導管(1)の長さ方向に複数に区画した分割加熱室
    (31〜33)と、該各分割加熱室(31〜33)内の
    空気をそれぞれ個別に加熱する各加熱手段(41〜4
    3)とで構成するとともに、 前記熱誘導管(1)は、前記各分割加熱室(31〜3
    3)内をそれぞれ横切るようにして設置した、 ことを特徴とするプラスチック原料の油化処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、加熱装置(3)は、
    発熱温度の異なる複数の電気加熱手段(51〜53)を
    使用するとともに、 該各電気加熱手段(51〜53)を、その発熱量の低い
    のもから順に熱誘導管(1)の入口側から出口側に向け
    て配置した、 ことを特徴とするプラスチック原料の油化処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187694A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Nobuaki Debari 減圧連続熱分解処理装置及び減圧連続熱分解方法
US11999920B2 (en) 2020-09-14 2024-06-04 Ecolab Usa Inc. Cold flow additives for plastic-derived synthetic feedstock
US12031097B2 (en) 2021-10-14 2024-07-09 Ecolab Usa Inc. Antifouling agents for plastic-derived synthetic feedstocks

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