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JPH10295798A - 医療用粘着剤及び当該医療用粘着剤を使用した医療用外用材 - Google Patents

医療用粘着剤及び当該医療用粘着剤を使用した医療用外用材

Info

Publication number
JPH10295798A
JPH10295798A JP9127924A JP12792497A JPH10295798A JP H10295798 A JPH10295798 A JP H10295798A JP 9127924 A JP9127924 A JP 9127924A JP 12792497 A JP12792497 A JP 12792497A JP H10295798 A JPH10295798 A JP H10295798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
medical
meth
acrylic polymer
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9127924A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Komori
研二 古森
Takamasa Kuroya
考正 黒屋
Hideo Sato
英生 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP9127924A priority Critical patent/JPH10295798A/ja
Publication of JPH10295798A publication Critical patent/JPH10295798A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系重合体を主成分とし、皮膚刺激が
ほとんどなく、角質損傷が極めて軽微で安全である上、
皮膚接着力も良好である医療用粘着剤を提供する。 【解決手段】 アクリル系重合体100重量部と、この
重合体と相溶する室温で液状ないしはペースト状の成分
が30〜100重量部からなる粘着剤組成物であって、
この液状ないしはペースト状の成分が、炭素数8〜20
の一塩基酸ないしは多塩基酸と炭素数が14〜20の分
岐アルコールのエステル及び/又は炭素数が14〜20
の不飽和脂肪酸ないしは分岐酸と4価以下のアルコール
のエステルから構成し、且つ上記アクリル系重合体の1
5〜39重量%を架橋により不溶化して本発明に係る医
療用粘着剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絆創膏・粘着包帯
・パップ剤等に好適に用いられる医療用粘着剤と、これ
を用いて形成された医療用外用材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の医療用粘着剤が医療用外用
材に用いられている。これまでの医療用粘着剤は、皮膚
に対する接着力が重視された結果、皮膚刺激面での対策
が不十分であった。
【0003】ところで、最近、アクリル系重合体に相溶
性の良い液状ないしペースト状の成分を配合し、且つポ
リマーを所定量架橋させることで、角質損傷の極めて軽
微であり、且つ無可塑塩化ビニルのように可塑剤の移行
しやすい素材が用いられた医療用具や医療機器に適用し
てもこれらを損うことのない医療用粘着剤が提言されて
いる。
【0004】しかしながら、この医療用粘着剤におい
て、架橋により不溶化されたアクリル系重合体の重量%
が多くなると、角質損傷は極めて軽微になるが、皮膚や
医療用具・医療機器に対する接着力が低くなるという問
題がある。
【0005】また、この医療用粘着剤を支持体に設けて
医療用外用材を形成した場合、皮膚や医療用具・医療機
器に対する接着力が不十分なため、貼付直後や貼付中に
剥離する可能性があり、使用目的によっては、致命的な
問題を生ずることが懸念される。
【0006】この医療用粘着剤において、架橋により不
溶化されたアクリル重合体の重量%が多いと粘着剤の凝
集力は高くなり、強いせん断力がかかる使用目的の場合
には効果的であるが、粘着力が低くなる。医療用途にお
いては、せん断力がそれほどかからない使用目的も多く
あり、そのような場合は、架橋により不溶化されたアク
リル系重合体の重量%が低い方が、粘着力も高くなり効
果的である。また、粘着剤厚が薄くても十分な接着力を
発揮することでコスト的に有利である。
【0007】本発明は、上記技術的課題を解決するため
に完成されたものであって、アクリル系重合体を主成分
とする特定の粘着剤であって、アクリル系重合体を低度
に架橋することにより、皮膚刺激がほとんどなく、角質
損傷が極めて軽微で安全である上、皮膚接着力も良好で
ある医療用粘着剤と、これを用いて形成された医療用外
用材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の医療用粘着剤
は、アクリル系重合体100重量部と、この重合体と相
溶する室温で液状ないしはペースト状の成分が30〜1
00重量部からなる粘着剤組成物であって、この液状な
いしはペースト状の成分が、炭素数8〜20の一塩基酸
ないしは多塩基酸と炭素数が14〜20の分岐アルコー
ルのエステル及び/又は炭素数が14〜20の不飽和脂
肪酸ないしは分岐酸と4価以下のアルコールのエステル
からなり、且つ上記アクリル系重合体の15〜39重量
%が架橋により不溶化されていることを特徴とするもの
である。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いられるアクリル系重合体としては、(メタ)
アクリル酸エステルを主成分として、必要に応じて共重
合可能なモノマーを共重合したものが挙げられる。
【0010】この(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アルキル基の炭素数が2以上、好ましくは15以下
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、具
体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)ア
クリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メ
タ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシ
ル、(メタ)アクリル酸トリデシルなどの直鎖アルキル
基や分岐アルキル基などを有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルが挙げられ、これらは1種若しくは2種
以上用いることができる。
【0011】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルと共重合可能な単量体としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸等のカルボキシル基含有単量体、スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホ
ン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などの
スルホキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピルエステルなどのヒドロキシル基含有単量体、(メ
タ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)
アクリルアミドなどのアミド基含有単量体、(メタ)ア
クリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジ
メチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸te
rt−ブチルアミノエチルエステルなどのアルキルアミ
ノアルキル基含有単量体、(メタ)アクリル酸メトキシ
エチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエ
ステルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコー
ルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリ
コールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレ
ングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポ
リエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メ
トキシポリプロピレングリコールエステルなどのアルコ
キシ基(または側鎖にエーテル結合)含有(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリド
ン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニル
ピペリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビ
ニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、
ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモ
ルホリンなどのビニル系単量体などが挙げられ、これら
は1種若しくは2種以上併用して共重合することができ
る。
【0012】これら共重合する単量体は、粘着剤層の凝
集力の調整や、液状ないしペースト状の成分との相溶性
改善のために用いることができ、共重合量は目的に応じ
て任意に設定することができる。
【0013】上記アクリル系重合体のうち、本発明にお
いて好ましく用いられる重合体としては、架橋点量の調
整や得られる粘着物性の調整の観点から、(メタ)アク
リル酸エステルと前記にて例示のカルボキシル基含有単
量体や、ヒドロキシル基含有単量体の少なくとも1種を
必須成分として、必要に応じて例示の他の単量体を共重
合することが好ましい。
【0014】本発明に用いる液状ないしペースト状の成
分は、アクリル系重合体に配合することにより、粘着剤
の低変形領域でのモジュラスを低下させ、皮膚に対する
良好な接着性を保ち、且つ剥離時に角質損傷が少なく、
痛みも小さくするという特性をもたらす。
【0015】したがって、本発明に用いられる液状ない
しペースト状の成分は、実使用温度において液状ないし
ペースト状であり、アクリル系共重合体と配合した時に
当該重合体と相溶性が良好で、医療用具や医療機器に移
行しにくいという特性を満足するものでなければならな
い。
【0016】このような液状ないしペースト状の成分と
しては、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソ
セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸
イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸
オクチルドデシル、アジピン酸ジイソステアリル、セバ
シン酸ジイソセチル、トリメリト酸トリオレイル、トリ
メリト酸トリイソセチル等の炭素数が8〜20の一塩基
酸ないしは多塩基酸と炭素数が14〜20の分岐アルコ
ールのエステル及び/又は炭素数が14〜20の不飽和
脂肪酸ないしは分岐酸と4価以下のアルコールのエステ
ルからなり、この炭素数が14〜20の不飽和脂肪酸な
いしは分岐酸としては、具体的には、例えばミリストレ
イン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソパ
ルミチン酸又はイソステアリン酸等が挙げられるのであ
り、又、4価以下のアルコールとしては、具体的には、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール又はソルビタン等が挙げられる。
【0017】本発明において、炭素数が8〜20の一塩
基酸ないしは多塩基酸の炭素数が14〜20の分岐アル
コールエステルを用いる理由は以下の通りである。即
ち、一塩基酸ないしは多塩基酸の炭素数が、8未満にな
ると、医療用具、医療機器への移行率が高くなるので好
ましくなく、一方、20を超えるとアクリルポリマーと
の相溶性が悪くなり、良好な粘着特性が得られないので
好ましくない。
【0018】また、炭素数が8〜20の一塩基酸ないし
は多塩基酸を用いた場合であって、分岐アルコールの炭
素数が14未満のもので実使用温度で液状のものは、無
可塑塩化ビニルのように可塑剤の移行しやすい素材に移
行し易いのであり、一方、分岐アルコール炭素数が20
を超えるとアクリル系共重合体との相溶性が悪く、いず
れも好ましくない。
【0019】また、本発明において、多価アルコールの
エステルの場合、不飽和脂肪酸ないしは分岐酸の炭素数
が14未満で実使用温度で液状のものは容易に移行し、
一方、20を超えるとアクリル共重合体との相溶性が悪
く、いずれも好ましくない。
【0020】これらの液状ないしはペースト状の成分の
1種以上をアクリル系重合体100重量部に30〜10
0重量部、好ましくは30〜80重量部を含有させる。
【0021】本発明においては、架橋未処理のアクリル
重合体を配合し、次いで、その15〜39重量部が不溶
となるように架橋処理を施す。このように、アクリル重
合体に架橋処理を施すことにより、粘着剤の凝集力と、
高い接着力が発現するのである。
【0022】この架橋処理としては、γ線照射・電子線
照射などの物理的処理によるものの他、有機過酸化物・
イソシアネート化合物・有機金属塩・金属アルコラート
・金属キレート化合物・エポキシ基含有化合物・一級ア
ミノ含有化合物などによる化学的架橋処理が挙げられる
のであり、粘着剤配合や架橋度調整の容易さから、イソ
シアネート化合物・金属アルコラート・金属キレート化
合物による化学的架橋処理が好適である。
【0023】この場合、架橋剤の配合量はアクリル系重
合体の15〜39重量%が不溶化されるように調整され
る。不溶化率が15%未満では粘着剤の凝集力が不足
し、皮膚に糊が残ったり、絆創膏側面の糊はみ出しが起
きる恐れがあり、不織布等の多孔質支持体の場合には、
粘着剤が支持体を裏抜けするという現象を生じるのであ
り、一方、不溶化率が40%を越えると、十分な皮膚接
着力が得られないのである。
【0024】また、本発明において、液状ないしペース
ト状の成分には不飽和二重結合を含むものもあり、その
ような液状成分を用いる場合には、その安定化のため
に、酸化防止剤を使用することが望ましい。
【0025】本発明の医療用外用材においては、上記目
的を達成するために、本発明の医療用粘着剤が支持体の
少なくとも片面に設けられている。
【0026】すなわち、本発明の医療用外用材において
は、支持体の片面ないし両面に、上述の医療用粘着剤を
直接塗布、乾燥するか、剥離紙上で塗布、乾燥したもの
を支持体に貼り合わせて作成される。
【0027】また、本発明においては、架橋未処理のア
クリル系重合体と、この重合体と相溶する実使用温度で
液状ないしはペースト状の成分を、上記配合割合で配合
し、これを支持体の片面ないしは両面に直接塗布する
か、剥離紙上で塗布、乾燥したものを支持体に貼り合わ
せた後、上述の方法で、未架橋のアクリル系重合体の1
5〜39重量部が不溶となるように架橋処理を施しても
よいのである。この架橋処理としては、上述の方法から
適宜、任意に選択して架橋できる。
【0028】本発明で用いられる支持体としては、上述
の医療用粘着剤の層を保持し得るものであれば特に限定
されるものではなく、具体的には、例えば絆創膏・粘着
包帯又はパップ剤等に用いられるフィルム状あるいはシ
ート状のものが挙げられるのであり、これらは多孔質で
あると無孔であるとを問わない。
【0029】このようにして得られた医療用粘着剤は、
アクリル系重合体と特定の液状ないしはペースト状のエ
ステルからなる粘着剤であって、アクリル系重合体を所
定の割合で架橋されている。このため、皮膚接着力が良
好で、しかも皮膚刺激がほとんどなく、角質損傷が極め
て軽微で安全である上、無可塑塩化ビニルのように可塑
剤の移行しやすい素材に適用しても、これらを損なうこ
とがない。
【0030】また、本発明の医療用外用材においては、
上記本発明の医療用粘着剤による作用だけでなく、取扱
いが至極良好である。
【0031】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づき詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下において「部」及び「%」は「重量部」
及び「重量%」を示す。
【0032】(実施例1)窒素雰囲気下で、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート10部、アクリル酸2−エチル
ヘキシルエステル90部を共重合させて得られたアクリ
ル系共重合体100部に、トリオレイン酸ソルビタン5
0部、架橋剤として三官能性イソシアネート(コロネー
トHL、日本ポリウレタン社製)0.08部を酢酸エチ
ル中で配合し、本発明に係る医療用粘着剤の溶液を調整
した。
【0033】かくして得られた医療用粘着剤の溶液を剥
離紙に塗布、乾燥した後、不織布に貼り合わせ、粘着剤
の厚みが40μmである実施例1の医療用外用材を得
た。
【0034】(実施例2)架橋剤の配合量を0.12部
にした他は実施例1と同様にして、実施例2の医療用外
用材を得た。
【0035】(比較例1)架橋剤の配合量を0.16部
にした他は実施例1と同様にして、比較例1の医療用外
用材を得た。
【0036】(比較例2)架橋剤の配合量を0.33部
にした他は実施例1と同様にして、比較例2の医療用外
用材を得た。
【0037】(比較例3)架橋剤の配合量を0.05部
にした他は実施例1と同様にして、比較例3の医療用外
用材を得た。
【0038】(比較例4)架橋剤の配合量を0.02部
にした他は実施例1と同様にして、比較例4の医療用外
用材を得た。
【0039】(実施例3)窒素雰囲気下で、アクリル酸
5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部を
共重合させて得られたアクリル系共重合体100部に、
ミリスチン酸オクチルドデシル50部、架橋剤として三
官能性イソシアネート(コロネートHL日本ポリウレタ
ン社製)0.05部を酢酸エチル中で配合し、本発明に
係る医療用粘着剤の溶液を調整した。
【0040】かくして得られた医療用粘着剤の溶液を剥
離紙に塗布、乾燥した後、不織布に貼り合わせ、粘着剤
の厚みが40μmである実施例3の医療用外用材を得
た。
【0041】(実施例4)架橋剤の配合量を0.03部
にした他は実施例3と同様にして、実施例4の医療用外
用材を得た。
【0042】(比較例5)架橋剤の配合量を0.2部に
した他は実施例3と同様にして、比較例5の医療用外用
材を得た。
【0043】(比較例6)架橋剤の配合量を0.02部
にした他は実施例3と同様にして、比較例6の医療用外
用材を得た。
【0044】(比較例7)架橋剤の配合量を0.015
部にした他は実施例3と同様にして、比較例7の医療用
外用材を得た。
【0045】上記の各実施例及び比較例の医療用外用材
にて得た各サンプルを、60℃で3日間保存したのち、
下記の試験を行った。その結果を表1に示す。
【0046】(アクリル系重合体の不溶化率)各サンプ
ルの粘着剤を約1g採取し、正確に重量(W1)を測定
した。次に、そのサンプルを酢酸エチル中に4日間浸漬
し、溶剤可溶分を析出した。その後、不溶分を取出し、
乾燥させた後の重量(W2)を測定し、次式により不溶
分の割合を求め、不溶化率を算出した。
【0047】不溶化率=(W2×100)/(W1×A
/B)
【0048】A:(アクリル系重合体+架橋剤)の重量 B:(アクリル系重合体+液状ないしペースト状成分+
架橋剤+酸化防止剤)の重量
【0049】(皮膚接着力)幅12mmに切断した各サ
ンプルを、健常ボランティアの前腕部に貼付し、8時間
経過後、角度90°、速度300mm/minにて引き
剥がし、その際の接着力を測定した。
【0050】(皮膚接着性)各サンプルを健常ボランテ
ィアの前腕部に貼付し、8時間経過後の接着状態を目視
によって判定した。判定は剥がれが全くない場合を○と
し、医療用外用材の周囲の一部でも剥がれていた場合を
×とした。
【0051】(皮膚刺激性)上記8時間前腕部に貼付し
た各サンプルを引き剥がす際の痛さにより判定した。剥
がす際に全く痛くないと感じるか、わずかに痛みを感じ
るか苦痛に感じない程度のものを○とし、痛さが苦痛に
感じるものを×とした。
【0052】(糊残り)上記8時間前腕部に貼付した各
サンプルを引き剥がした後、皮膚面に粘着剤の一部が凝
集破壊により残っているかどうかを目視にて判定した。
糊残りがなかった場合には○とし、糊残りがあった場合
には×とした。
【0053】(移行性)医療用具・医療機器への液状な
いしはペースト状の成分の移行性は、液状ないしはペー
スト状の成分をポリ塩化ビニルと接触させた状態で密封
し、室温で7日間放置後、ポリ塩化ビニルが液状ないし
はペースト状成分の移行により、明らかに膨潤している
と目視にて判定された場合を×とし、それ以外を○とし
た。
【0054】上記の結果から分かるように、上記割合に
不溶化した場合には、皮膚接着性、皮膚刺激性、糊のこ
りもなく、良好な医療用粘着剤及び医療用外用材を得る
ことができた。
【0055】
【発明の効果】本発明の医療用粘着剤は、上記構成を有
するので、皮膚接着性が良好で、しかも皮膚刺激がほと
んどなく、角質損傷が極めて軽微で安全である上、無可
塑塩化ビニルのように可塑剤の移行し易い素材が用いら
れた医療用具や医療機器に適用してもこれらを損なうこ
とがなく、更に支持体に液状ないしはペースト状の成分
が移行しないので、当該支持体の選択適用を拡大でき
る。
【0056】また、本発明の医療用外用材においては、
本発明の医療用粘着剤を用いているので、皮膚接着性が
良好で、しかも剥離時の皮膚刺激がほとんど無く、角質
損傷が極めて軽微で安全である上、無可塑塩化ビニルの
ように可塑剤の移行し易い素材が用いられた医療用具や
医療機器に適用してもこれらを損なうことがなく、繰り
返し接着性も良好であり、また各種医療用具への影響も
極めて小さい、医療の現場で安心して幅広く用いること
が可能であり、更に取扱いが至極良好であるなどの効果
を有する。
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系重合体100重量部と、この
    重合体と相溶する室温で液状ないしはペースト状の成分
    が30〜100重量部からなる粘着剤組成物であって、
    この液状ないしはペースト状の成分が、炭素数8〜20
    の一塩基酸ないしは多塩基酸と炭素数が14〜20の分
    岐アルコールのエステル及び/又は炭素数が14〜20
    の不飽和脂肪酸ないしは分岐酸と4価以下のアルコール
    のエステルからなり、且つ上記アクリル系重合体の15
    〜39重量%が架橋により不溶化されていることを特徴
    とする医療用粘着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の医療用粘着剤を支持体
    の少なくとも片面に設けてなる医療用外用材。
JP9127924A 1997-04-30 1997-04-30 医療用粘着剤及び当該医療用粘着剤を使用した医療用外用材 Pending JPH10295798A (ja)

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