JPH10273456A - 光学活性アルコール類の製造方法 - Google Patents
光学活性アルコール類の製造方法Info
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- JPH10273456A JPH10273456A JP9079539A JP7953997A JPH10273456A JP H10273456 A JPH10273456 A JP H10273456A JP 9079539 A JP9079539 A JP 9079539A JP 7953997 A JP7953997 A JP 7953997A JP H10273456 A JPH10273456 A JP H10273456A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高純度、高収率で光学活性アルコール類を製
造する実用性に優れた方法を提供する。 【解決手段】 一般式(a) 【化1】 (R1 およびR2 は、各々別異に、置換基を有していて
もよい芳香族単環または芳香族多環式基を示す。さらに
R1 とR2 が結合して非対称な環を形成してもよい。)
で表されるカルボニル化合物を遷移金属の不斉水素化触
媒と塩基と光学活性含窒素化合物の存在下に水素と反応
させて不斉水素化し、一般式(b) 【化2】 (R1 およびR2 は上記と同じ有機基を示す。)で表さ
れる光学活性アルコール類を製造する。
造する実用性に優れた方法を提供する。 【解決手段】 一般式(a) 【化1】 (R1 およびR2 は、各々別異に、置換基を有していて
もよい芳香族単環または芳香族多環式基を示す。さらに
R1 とR2 が結合して非対称な環を形成してもよい。)
で表されるカルボニル化合物を遷移金属の不斉水素化触
媒と塩基と光学活性含窒素化合物の存在下に水素と反応
させて不斉水素化し、一般式(b) 【化2】 (R1 およびR2 は上記と同じ有機基を示す。)で表さ
れる光学活性アルコール類を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、光学活性
アルコール類の製造方法に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、医薬品の合成中間体や、液
晶材料などの各種用途において有用な、光学活性アルコ
ール類の実用性に優れた新しい製造法に関するものであ
る。
アルコール類の製造方法に関するものである。さらに詳
しくは、この出願の発明は、医薬品の合成中間体や、液
晶材料などの各種用途において有用な、光学活性アルコ
ール類の実用性に優れた新しい製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、光学活性アルコー
ル類を不斉合成する方法としては、1)パン酵母などの
酵素を用いる方法や、2)金属錯体触媒を用いてカルボ
ニル化合物を不斉水素化する方法などが知られている。
とくに後者の方法においては、これまでにも多くの不斉
触媒反応の例が報告されている。例えば、(1)Asymme
tric Catalysis In Organic Synthesis, 56-82頁(1994)
Ed.R.Noyoriに詳細に記載されている光学活性ルテニウ
ム触媒による官能基を有するカルボニル化合物の不斉水
素化方法や、(2)Chem. Rev., Vol.92, 1051-1069頁
(1992)に記載されているルテニウム、ロジウム、イリジ
ウムの不斉錯体触媒による水素移動型還元反応による方
法、(3)油化学 822-831頁(1980)およびAdvances in
Catalysis, Vol.32, 215頁(1983)Ed.Y.Izumiに記載され
ている酒石酸を修飾したニッケル触媒を用いて不斉水素
化する方法、(4)Asymmetric Synthesis. Vol.5, Cha
p.4(1985) Ed.J.D.MorrisonおよびJ.Organomet. Chem.
Vol.346, 413-424頁(1988)に記載されている不斉ヒド
ロシリル化による方法、(5)J.Chem.Soc.,Perkin Tra
ns.1, 2039-2044頁(1985)およびJ.Am.Chem.Soc.,Vol.1
09,5551-5553頁(1987)に記載される不斉配位子の存在下
にボラン還元する方法などが知られている。
ル類を不斉合成する方法としては、1)パン酵母などの
酵素を用いる方法や、2)金属錯体触媒を用いてカルボ
ニル化合物を不斉水素化する方法などが知られている。
とくに後者の方法においては、これまでにも多くの不斉
触媒反応の例が報告されている。例えば、(1)Asymme
tric Catalysis In Organic Synthesis, 56-82頁(1994)
Ed.R.Noyoriに詳細に記載されている光学活性ルテニウ
ム触媒による官能基を有するカルボニル化合物の不斉水
素化方法や、(2)Chem. Rev., Vol.92, 1051-1069頁
(1992)に記載されているルテニウム、ロジウム、イリジ
ウムの不斉錯体触媒による水素移動型還元反応による方
法、(3)油化学 822-831頁(1980)およびAdvances in
Catalysis, Vol.32, 215頁(1983)Ed.Y.Izumiに記載され
ている酒石酸を修飾したニッケル触媒を用いて不斉水素
化する方法、(4)Asymmetric Synthesis. Vol.5, Cha
p.4(1985) Ed.J.D.MorrisonおよびJ.Organomet. Chem.
Vol.346, 413-424頁(1988)に記載されている不斉ヒド
ロシリル化による方法、(5)J.Chem.Soc.,Perkin Tra
ns.1, 2039-2044頁(1985)およびJ.Am.Chem.Soc.,Vol.1
09,5551-5553頁(1987)に記載される不斉配位子の存在下
にボラン還元する方法などが知られている。
【0003】しかしながら、酵素を用いる方法は比較的
高い光学純度のアルコール類を得ることができるものの
反応基質の種類に制約があり、しかも得られるアルコー
ル類の絶対配置も特定のものに限られるという欠点が
る。また、遷移金属の不斉水素化触媒による方法の場合
には、分子内に官能基を含む、例えばケト酸のような基
質に対しては高い選択性で光学活性アルコール類は製造
できるものの、反応速度の点で難点があり、しかも、官
能基を分子内にもたない比較的単純なカルボニル化合物
に対しては有効でないという欠点がある。
高い光学純度のアルコール類を得ることができるものの
反応基質の種類に制約があり、しかも得られるアルコー
ル類の絶対配置も特定のものに限られるという欠点が
る。また、遷移金属の不斉水素化触媒による方法の場合
には、分子内に官能基を含む、例えばケト酸のような基
質に対しては高い選択性で光学活性アルコール類は製造
できるものの、反応速度の点で難点があり、しかも、官
能基を分子内にもたない比較的単純なカルボニル化合物
に対しては有効でないという欠点がある。
【0004】このため、従来より、光学活性アルコール
を製造するための一般性の高い、しかも高活性な触媒を
用いての新しい合成方法の実現が望まれていた。
を製造するための一般性の高い、しかも高活性な触媒を
用いての新しい合成方法の実現が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するも
のとして、この出願の発明は、一般式(a)
のとして、この出願の発明は、一般式(a)
【0006】
【化3】
【0007】(R1 およびR2 は、各々別異に、無置換
もしくは、置換基を有していてもよい芳香族単環または
芳香族多環式基を示す。さらにR1 とR2 が結合して非
対称な環を形成してもよい。)で表されるカルボニル化
合物を不斉水素化する際に、遷移金属の不斉水素化触媒
と塩基と光学活性含窒素化合物の存在下に水素と反応さ
ることを特徴とする、一般式(b)
もしくは、置換基を有していてもよい芳香族単環または
芳香族多環式基を示す。さらにR1 とR2 が結合して非
対称な環を形成してもよい。)で表されるカルボニル化
合物を不斉水素化する際に、遷移金属の不斉水素化触媒
と塩基と光学活性含窒素化合物の存在下に水素と反応さ
ることを特徴とする、一般式(b)
【0008】
【化4】
【0009】(R1 およびR2 は、上記と同じ有機基を
示す。)で表される光学活性アルコール類の製造方法を
提供する。また、この出願の発明は、上記の不斉水素化
触媒が、第VIII族の錯体、たとえば光学活性配位子をも
つ金属錯体であることや、塩基がアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物あるいはその塩もしくは4級
アンモニウム塩であること、含窒素不斉化合物としての
光学活性化合物が光学活性アミン化合物であること等を
その態様の一つともしている。
示す。)で表される光学活性アルコール類の製造方法を
提供する。また、この出願の発明は、上記の不斉水素化
触媒が、第VIII族の錯体、たとえば光学活性配位子をも
つ金属錯体であることや、塩基がアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物あるいはその塩もしくは4級
アンモニウム塩であること、含窒素不斉化合物としての
光学活性化合物が光学活性アミン化合物であること等を
その態様の一つともしている。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明は、上記のとおりの3成
分触媒系を用いて光学活性アルコール類を製造すること
を特徴としているが、触媒系を構成する遷移金属の不斉
水素化触媒については、たとえば一般式(c)
分触媒系を用いて光学活性アルコール類を製造すること
を特徴としているが、触媒系を構成する遷移金属の不斉
水素化触媒については、たとえば一般式(c)
【0011】
【化5】
【0012】(M1 はルテニウム、ロジウム、イリジウ
ム、パラジウム、白金等の第VIII族遷移金属であり、X
は水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基等を、Lは光学活性ホスフィン配
位子や、光学活性有機砒素化合物配位子等を示す。m、
nは整数を示す)で表わされるものを例示することがで
き、また塩基としては、たとえば、一般式(d)
ム、パラジウム、白金等の第VIII族遷移金属であり、X
は水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基等を、Lは光学活性ホスフィン配
位子や、光学活性有機砒素化合物配位子等を示す。m、
nは整数を示す)で表わされるものを例示することがで
き、また塩基としては、たとえば、一般式(d)
【0013】
【化6】
【0014】(M2 はアルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属を示し、Yはヒドロキシ基、アルコキシ基、メル
カプト基、またはナフチル基を示す。)で表される金属
塩あるいは4級アンモニウム塩を例示することができ
る。原料化合物としてのカルボニル化合物は、前記のと
おりの一般式(a)で表わされるものであるが、具体的
にはR1 とR2 は異なっているものであり、R1 とR2
が結合して環を形成している場合には非対称なカルボニ
ル化合物を構成するものでなければならないが、そのよ
うな条件を満足する置換あるいは無置換の芳香族単環ま
たは芳香族多環式基としては、フェニル、2−メチルフ
ェニル、2−エチルフェニル、2−イソプロピルフェニ
ル、2−tert−ブチルフェニル、2−メトキシフェ
ニル、2−クロロフェニル、2−ビニルフェニル、3−
メチルフェニル、3−エチルフェニル、3−イソプロピ
ルフェニル、3−メトキシフェニル、3−クロロフェニ
ル、3−ビニルフェニル、4−メチルフェニル、4−エ
チルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ter
t−ブチルフェニル、4−ビニルフェニル、クメニル、
メシチル、キシリル、1−ナフチル、2−ナフチル、ア
ントリル、フェナントリル、インデニル基等の芳香族単
環、多環式基などが例示される。R1 とR2 が結合して
環を形成している場合のカルボニル化合物として、たと
えば、非対称に置換基を有するフルオレノン、アントロ
ン、ジベンゾスベロンなどが例示される。
類金属を示し、Yはヒドロキシ基、アルコキシ基、メル
カプト基、またはナフチル基を示す。)で表される金属
塩あるいは4級アンモニウム塩を例示することができ
る。原料化合物としてのカルボニル化合物は、前記のと
おりの一般式(a)で表わされるものであるが、具体的
にはR1 とR2 は異なっているものであり、R1 とR2
が結合して環を形成している場合には非対称なカルボニ
ル化合物を構成するものでなければならないが、そのよ
うな条件を満足する置換あるいは無置換の芳香族単環ま
たは芳香族多環式基としては、フェニル、2−メチルフ
ェニル、2−エチルフェニル、2−イソプロピルフェニ
ル、2−tert−ブチルフェニル、2−メトキシフェ
ニル、2−クロロフェニル、2−ビニルフェニル、3−
メチルフェニル、3−エチルフェニル、3−イソプロピ
ルフェニル、3−メトキシフェニル、3−クロロフェニ
ル、3−ビニルフェニル、4−メチルフェニル、4−エ
チルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ter
t−ブチルフェニル、4−ビニルフェニル、クメニル、
メシチル、キシリル、1−ナフチル、2−ナフチル、ア
ントリル、フェナントリル、インデニル基等の芳香族単
環、多環式基などが例示される。R1 とR2 が結合して
環を形成している場合のカルボニル化合物として、たと
えば、非対称に置換基を有するフルオレノン、アントロ
ン、ジベンゾスベロンなどが例示される。
【0015】また、この発明における前記一般式(c)
で例示される遷移金属錯体における金属M1 はルテニウ
ム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金などの第
VIII族の遷移金属であるが、なかでもルテニウムが特に
望ましい。式中のXは水素原子、ハロゲン原子、カルボ
キシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等を示す。ま
た、Lは光学活性ホスフィン配位子等の光学活性配位子
であり、たとえばBINAP:2,2′−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、およびB
INAPのナフチル環にアルキル基やアリール基置換基
をもつBINAP誘導体、たとえばH8 BINAPや、
BINAPのリン原子状のベンゼン環にアルキル基置換
基を1〜5個もつBINAP誘導体、たとえば、Tol
−BINAP:2,2′−ビス−(ジ−p−トリルホス
フィノ)−1,1′−ビナフチル、さらにフッ素置換基
をもつBINAP誘導体をはじめ、BICHEP:2,
2′−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−6,
6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル、BPPFA:
1−〔1′,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェ
ロセニル〕エチルジアミン、CHIRAPHOS:2,
3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、CYCP
HOS:1−シクロヘキシル−1,2−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)エタン、DEGPHOS:1−置換−
3,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、
DIOP:2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジ
ヒドロキシ−1,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
ブタン、DIPAMP:1,2−ビス〔(O−メトキシ
フェニル)フェニルホスフィノ〕エタン、DuPHO
S:(置換−1,2−ビス(ホスホラノ)ベンゼン)、
NORPHOS:5,6−ビス−(ジフェニルホスフィ
ノ)−2−ノルボルネン、PNNP:N,N′−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−N,N′−ビス〔1−フェ
ニルエチル〕エチレンジアミン、PROPHOS:1,
2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン、SKE
WPHOS:2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
ペンタンなどが挙げられる。さらに単座の一般式PR3
R4 R5 で示される光学活性ホスフィン配位子(R3 R
4 R5 が三種とも異なる置換基からなる光学活性ホスフ
ィン配位子、もしくは少なくとも一つの基が光学活性基
である光学活性ホスフィン配位子)を用いてもよい。二
座ホスフィン配位子の場合nは1〜2であり、単座ホス
フィン配位子の場合は3〜4である。もちろんこの発明
に用いることのできる光学活性ホスフィン等の配位子は
これらに何ら限定されるものではなく、金属もルテニウ
ムに何ら限定されるものではない。
で例示される遷移金属錯体における金属M1 はルテニウ
ム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金などの第
VIII族の遷移金属であるが、なかでもルテニウムが特に
望ましい。式中のXは水素原子、ハロゲン原子、カルボ
キシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等を示す。ま
た、Lは光学活性ホスフィン配位子等の光学活性配位子
であり、たとえばBINAP:2,2′−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、およびB
INAPのナフチル環にアルキル基やアリール基置換基
をもつBINAP誘導体、たとえばH8 BINAPや、
BINAPのリン原子状のベンゼン環にアルキル基置換
基を1〜5個もつBINAP誘導体、たとえば、Tol
−BINAP:2,2′−ビス−(ジ−p−トリルホス
フィノ)−1,1′−ビナフチル、さらにフッ素置換基
をもつBINAP誘導体をはじめ、BICHEP:2,
2′−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−6,
6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル、BPPFA:
1−〔1′,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェ
ロセニル〕エチルジアミン、CHIRAPHOS:2,
3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、CYCP
HOS:1−シクロヘキシル−1,2−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)エタン、DEGPHOS:1−置換−
3,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、
DIOP:2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジ
ヒドロキシ−1,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
ブタン、DIPAMP:1,2−ビス〔(O−メトキシ
フェニル)フェニルホスフィノ〕エタン、DuPHO
S:(置換−1,2−ビス(ホスホラノ)ベンゼン)、
NORPHOS:5,6−ビス−(ジフェニルホスフィ
ノ)−2−ノルボルネン、PNNP:N,N′−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−N,N′−ビス〔1−フェ
ニルエチル〕エチレンジアミン、PROPHOS:1,
2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン、SKE
WPHOS:2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
ペンタンなどが挙げられる。さらに単座の一般式PR3
R4 R5 で示される光学活性ホスフィン配位子(R3 R
4 R5 が三種とも異なる置換基からなる光学活性ホスフ
ィン配位子、もしくは少なくとも一つの基が光学活性基
である光学活性ホスフィン配位子)を用いてもよい。二
座ホスフィン配位子の場合nは1〜2であり、単座ホス
フィン配位子の場合は3〜4である。もちろんこの発明
に用いることのできる光学活性ホスフィン等の配位子は
これらに何ら限定されるものではなく、金属もルテニウ
ムに何ら限定されるものではない。
【0016】この発明における上記第VIII族の遷移金属
錯体の使用量は反応容器や反応の形式あるいは経済性に
よっても異なるが反応基質であるカルボニル化合物に対
してモル比で1/100〜1/100,000用いるこ
とができ、好ましくは1/200〜1/10,000の
範囲とする。また、この発明に用いられる一般式M2 Y
で示される塩基については、M2 はアルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属であり、Yはヒドロキシル基、アル
コキシ基、メルカプト基、またはナフチル基であってよ
く、具体的にはKOH、KOCH3 、KOCH(C
H3 )2 、KC10H8 、LiOH、LiOCH3 、Li
OCH(CH3 )2 、等が例示される。さらに4級アン
モニウム塩も利用できる。
錯体の使用量は反応容器や反応の形式あるいは経済性に
よっても異なるが反応基質であるカルボニル化合物に対
してモル比で1/100〜1/100,000用いるこ
とができ、好ましくは1/200〜1/10,000の
範囲とする。また、この発明に用いられる一般式M2 Y
で示される塩基については、M2 はアルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属であり、Yはヒドロキシル基、アル
コキシ基、メルカプト基、またはナフチル基であってよ
く、具体的にはKOH、KOCH3 、KOCH(C
H3 )2 、KC10H8 、LiOH、LiOCH3 、Li
OCH(CH3 )2 、等が例示される。さらに4級アン
モニウム塩も利用できる。
【0017】上記の塩基の使用量は第VIII族遷移金属錯
体に対して0.5〜100当量であり好ましくは2〜4
0当量である。そして、この発明では、光学活性アミン
化合物等の光学活性含窒素化合物を用いるが、このもの
は、たとえば、一般式NR6 R7 R8 で示されるアミン
化合物で、置換基のうち少なくとも一つが光学活性基で
あり残りが水素あるいは飽和あるいは不飽和炭化水素
基、アリール基である光学活性モノアミンであるか、あ
るいは一般式(e)
体に対して0.5〜100当量であり好ましくは2〜4
0当量である。そして、この発明では、光学活性アミン
化合物等の光学活性含窒素化合物を用いるが、このもの
は、たとえば、一般式NR6 R7 R8 で示されるアミン
化合物で、置換基のうち少なくとも一つが光学活性基で
あり残りが水素あるいは飽和あるいは不飽和炭化水素
基、アリール基である光学活性モノアミンであるか、あ
るいは一般式(e)
【0018】
【化7】
【0019】(R9 、R10、R15、R16は、各々、水素
原子、飽和あるいは不飽和炭化水素基、アリール基、ウ
レタン基、スルフォニル基等であり、R11、R12、
R13、R14はこれら置換基が結合している炭素が不斉中
心となるように、同じかもしくは異なる基であり、水素
原子、アルキル基、芳香族単環および多環式基、飽和あ
るいは不飽和炭化水素基、または環式炭化水素基等を示
す。)で表される光学活性ジアミン化合物であるとする
ことができる。
原子、飽和あるいは不飽和炭化水素基、アリール基、ウ
レタン基、スルフォニル基等であり、R11、R12、
R13、R14はこれら置換基が結合している炭素が不斉中
心となるように、同じかもしくは異なる基であり、水素
原子、アルキル基、芳香族単環および多環式基、飽和あ
るいは不飽和炭化水素基、または環式炭化水素基等を示
す。)で表される光学活性ジアミン化合物であるとする
ことができる。
【0020】光学活性ジアミン化合物としては、1,2
−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサ
ンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3
−ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ
フェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2
−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−
ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イ
ソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレ
ンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メト
キシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,
2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1
−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−
イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1
−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミ
ン、などの光学活性ジアミン化合物およびR9 ないしR
15の置換基のうち1つないし2つともスルフォニル基あ
るいはウレタン基である光学活性ジアミン化合物を例示
することができる。さらに用いることのできる光学活性
ジアミンは例示した光学活性エチレンジアミン誘導体に
限るものでなく光学活性なプロパンジアミン、ブタンジ
アミン、フェニレンジアミン誘導体を用いることができ
る。これら光学活性アミン化合物の使用量は遷移金属錯
体に対し、モノアミン化合物の場合は1〜4当量の範囲
であり、好ましくは2〜4当量がのぞましく、ジアミン
化合物の場合は0.5〜2.5当量で好ましくは1〜2
当量の範囲である。
−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサ
ンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3
−ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ
フェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2
−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−
ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イ
ソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレ
ンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メト
キシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,
2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1
−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−
イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1
−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミ
ン、などの光学活性ジアミン化合物およびR9 ないしR
15の置換基のうち1つないし2つともスルフォニル基あ
るいはウレタン基である光学活性ジアミン化合物を例示
することができる。さらに用いることのできる光学活性
ジアミンは例示した光学活性エチレンジアミン誘導体に
限るものでなく光学活性なプロパンジアミン、ブタンジ
アミン、フェニレンジアミン誘導体を用いることができ
る。これら光学活性アミン化合物の使用量は遷移金属錯
体に対し、モノアミン化合物の場合は1〜4当量の範囲
であり、好ましくは2〜4当量がのぞましく、ジアミン
化合物の場合は0.5〜2.5当量で好ましくは1〜2
当量の範囲である。
【0021】この発明においては、触媒成分としての不
斉水素化触媒における光学活性配位子の絶対構造と光学
活性含窒素化合物の絶対配置の組み合わせが高い不斉収
率を得るためには重要であり、たとえば、S−ホスフィ
ン配位子とS,S−ジアミンの組み合わせが好ましいも
のの一つの態様である。以上の通りのこの発明において
は、触媒として使用する光学活性な遷移金属錯体と塩基
と光学活性含窒素化合物の3成分は不斉水素反応が円滑
に進行し、高い不斉収率を達成するためには必要不可欠
の成分であり、1成分たりとも不足すると充分な反応活
性で高い光学純度のアルコールは得られない。
斉水素化触媒における光学活性配位子の絶対構造と光学
活性含窒素化合物の絶対配置の組み合わせが高い不斉収
率を得るためには重要であり、たとえば、S−ホスフィ
ン配位子とS,S−ジアミンの組み合わせが好ましいも
のの一つの態様である。以上の通りのこの発明において
は、触媒として使用する光学活性な遷移金属錯体と塩基
と光学活性含窒素化合物の3成分は不斉水素反応が円滑
に進行し、高い不斉収率を達成するためには必要不可欠
の成分であり、1成分たりとも不足すると充分な反応活
性で高い光学純度のアルコールは得られない。
【0022】なお、この発明では、液体溶媒として、反
応原料、触媒系を可溶化する物であれば適宜なものを用
いることができる。例としてはトルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪
族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化
水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコー系
溶媒、アセトニトリル、DMF、DMSOなどヘテロ原
子を含む有機溶媒を用いることができる。生成物がアル
コールであることからアルコール系溶媒が好適である。
さらにより好ましくは2−プロパノールである。反応基
質が溶媒に可溶化しにくい場合は上記溶媒から選択して
混合溶媒として用いることができる。
応原料、触媒系を可溶化する物であれば適宜なものを用
いることができる。例としてはトルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪
族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化
水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコー系
溶媒、アセトニトリル、DMF、DMSOなどヘテロ原
子を含む有機溶媒を用いることができる。生成物がアル
コールであることからアルコール系溶媒が好適である。
さらにより好ましくは2−プロパノールである。反応基
質が溶媒に可溶化しにくい場合は上記溶媒から選択して
混合溶媒として用いることができる。
【0023】溶媒の量は反応基質の溶解度および経済性
により判断される。2−プロパノールの場合基質濃度
は、基質によっては1%以下の低濃度から無溶媒に近い
状態で反応を行うことができるが、好ましくは20〜5
0重量%で用いることが望ましい。そして、この発明に
おける水素の圧力は、本触媒系が極めて高活性であるこ
とから1気圧で十分であるが、経済性を考慮すると1〜
100気圧の範囲で、好ましくは3〜50気圧の範囲が
望ましい。プロセス全体の経済性を考慮して10気圧以
下とする場合でも高い活性を維持することが可能であ
る。
により判断される。2−プロパノールの場合基質濃度
は、基質によっては1%以下の低濃度から無溶媒に近い
状態で反応を行うことができるが、好ましくは20〜5
0重量%で用いることが望ましい。そして、この発明に
おける水素の圧力は、本触媒系が極めて高活性であるこ
とから1気圧で十分であるが、経済性を考慮すると1〜
100気圧の範囲で、好ましくは3〜50気圧の範囲が
望ましい。プロセス全体の経済性を考慮して10気圧以
下とする場合でも高い活性を維持することが可能であ
る。
【0024】反応温度は経済性を考慮して15〜100
℃程度とするのが好ましいが、25〜40℃の室温付近
で反応を実施することができる。しかしながらこの発明
においては−30〜0℃の低温でも反応が進行すること
を特徴としている。反応時間は反応基質濃度、温度、圧
力等の反応条件によって異なるが数分から10時間で反
応は完結する。実施例で具体的に例示する。
℃程度とするのが好ましいが、25〜40℃の室温付近
で反応を実施することができる。しかしながらこの発明
においては−30〜0℃の低温でも反応が進行すること
を特徴としている。反応時間は反応基質濃度、温度、圧
力等の反応条件によって異なるが数分から10時間で反
応は完結する。実施例で具体的に例示する。
【0025】この発明における反応は反応形式がバッチ
式においても連続式においても実施することができる。
式においても連続式においても実施することができる。
【0026】
【実施例】以下実施例を示し、さらに詳しくこの発明方
法について説明する。実施例1 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と4−フェ
ニルベンゾフェノン(517mg,2.0mmol)お
よび15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装
入し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらに
RuCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.
6mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製す
る。この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完
全に溶解させた後、100mlのガラス製オートクレー
ブに移し、水素を4気圧まで圧入することにより反応を
開始させた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもど
し反応化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−N
MR分析により生成物の同定と反応収率(91%)を求
めた。さらに得られた(+)−4−フェニルベンズヒド
ロールの光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロ
マトグラフィーにより決定し、13%eeの結果を得
た。実施例2 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と2,4′
−ジクロルベンゾフェノン(502mg,2.0mmo
l)および15mlの2−プロパノールをアルゴン気流
下で装入し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液に
さらにRuCl2 ((S)−binap)(dmf)n
(9.6mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調
製する。この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行
い、完全に溶解させた後、100mlのガラス製オート
クレーブに移し水素を4気圧まで圧入することにより反
応を開始させた。28℃で12時間攪拌した後、常温に
もどし反応化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H
−NMR分析により生成物の同定と反応収率(97%)
を求めた。さらに得られた(+)−2,4′−ジクロル
ベンズヒドロールの光学純度は光学活性カラムを用い高
速液体クロマトグラフィーにより決定し、78%eeの
結果を得た。実施例3 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と2−クロ
ルベンゾフェノン(650mg,3.0mmol)およ
び15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装入
し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらにR
uCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.6
mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製する。
この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完全に
溶解させた後、100mlのガラス製オートクレーブに
移し水素を4気圧まで圧入することにより反応を開始さ
せた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもどし反応
化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−NMR分
析により生成物の同定と反応収率(99%)を求めた。
さらに得られた(+)−2−クロルベンズヒドロールの
光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロマトグラ
フィーにより決定し、58%eeの結果を得た。実施例4 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と3−クロ
ルベンゾフェノン(650mg,3.0mmol)およ
び15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装入
し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらにR
uCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.6
mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製する。
この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完全に
溶解させた後、100mlのガラス製オートクレーブに
移し水素を4気圧まで圧入することにより反応を開始さ
せた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもどし反応
化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−NMR分
析により生成物の同定と反応収率(93%)を求めた。
さらに得られた(+)−3−クロルベンズヒドロールの
光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロマトグラ
フィーにより決定し、35%eeの結果を得た。実施例5 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と4−クロ
ルベンゾフェノン(650mg,3.0mmol)およ
び15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装入
し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらにR
uCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.6
mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製する。
この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完全に
溶解させた後、100mlのガラス製オートクレーブに
移し水素を4気圧まで圧入することにより反応を開始さ
せた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもどし反応
化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−NMR分
析により生成物の同定と反応収率(98%)を求めた。
さらに得られた(+)−4−クロルベンズヒドロールの
光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロマトグラ
フィーにより決定し、53%eeの結果を得た。
法について説明する。実施例1 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と4−フェ
ニルベンゾフェノン(517mg,2.0mmol)お
よび15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装
入し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらに
RuCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.
6mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製す
る。この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完
全に溶解させた後、100mlのガラス製オートクレー
ブに移し、水素を4気圧まで圧入することにより反応を
開始させた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもど
し反応化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−N
MR分析により生成物の同定と反応収率(91%)を求
めた。さらに得られた(+)−4−フェニルベンズヒド
ロールの光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロ
マトグラフィーにより決定し、13%eeの結果を得
た。実施例2 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と2,4′
−ジクロルベンゾフェノン(502mg,2.0mmo
l)および15mlの2−プロパノールをアルゴン気流
下で装入し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液に
さらにRuCl2 ((S)−binap)(dmf)n
(9.6mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調
製する。この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行
い、完全に溶解させた後、100mlのガラス製オート
クレーブに移し水素を4気圧まで圧入することにより反
応を開始させた。28℃で12時間攪拌した後、常温に
もどし反応化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H
−NMR分析により生成物の同定と反応収率(97%)
を求めた。さらに得られた(+)−2,4′−ジクロル
ベンズヒドロールの光学純度は光学活性カラムを用い高
速液体クロマトグラフィーにより決定し、78%eeの
結果を得た。実施例3 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と2−クロ
ルベンゾフェノン(650mg,3.0mmol)およ
び15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装入
し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらにR
uCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.6
mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製する。
この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完全に
溶解させた後、100mlのガラス製オートクレーブに
移し水素を4気圧まで圧入することにより反応を開始さ
せた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもどし反応
化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−NMR分
析により生成物の同定と反応収率(99%)を求めた。
さらに得られた(+)−2−クロルベンズヒドロールの
光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロマトグラ
フィーにより決定し、58%eeの結果を得た。実施例4 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と3−クロ
ルベンゾフェノン(650mg,3.0mmol)およ
び15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装入
し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらにR
uCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.6
mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製する。
この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完全に
溶解させた後、100mlのガラス製オートクレーブに
移し水素を4気圧まで圧入することにより反応を開始さ
せた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもどし反応
化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−NMR分
析により生成物の同定と反応収率(93%)を求めた。
さらに得られた(+)−3−クロルベンズヒドロールの
光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロマトグラ
フィーにより決定し、35%eeの結果を得た。実施例5 シュレンク反応管にKOHの0.5M 2−プロパノー
ル溶液(40μL)と(S,S)−ジフェニルエチレン
ジアミン(2.1mg,0.01mmol)と4−クロ
ルベンゾフェノン(650mg,3.0mmol)およ
び15mlの2−プロパノールをアルゴン気流下で装入
し、脱気−アルゴン置換を行った後この溶液にさらにR
uCl2 ((S)−binap)(dmf)n (9.6
mg,0.01mmol)加えて反応溶液を調製する。
この溶液を脱気−アルゴン置換を繰り返し行い、完全に
溶解させた後、100mlのガラス製オートクレーブに
移し水素を4気圧まで圧入することにより反応を開始さ
せた。28℃で12時間攪拌した後、常温にもどし反応
化合物を高速液体クロマトグラフィーと1H−NMR分
析により生成物の同定と反応収率(98%)を求めた。
さらに得られた(+)−4−クロルベンズヒドロールの
光学純度は光学活性カラムを用い高速液体クロマトグラ
フィーにより決定し、53%eeの結果を得た。
【0027】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り、より高純度で高収率の各種光学活性アルコール類の
取得が可能となる。
り、より高純度で高収率の各種光学活性アルコール類の
取得が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 碇屋 隆雄 愛知県名古屋市千種区汁谷町8−1 茶屋 ヶ坂コータース907 (72)発明者 大熊 毅 愛知県愛知郡長久手町戸田谷1505 ハビテ ーション3−B (72)発明者 野依 良治 愛知県日進市梅森町新田135−417
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(a) 【化1】 (R1 およびR2 は、各々別異に、無置換もしくは、置
換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式
基を示す。さらにR1 とR2 が結合して非対称な環を形
成してもよい。)で表されるカルボニル化合物を遷移金
属の不斉水素化触媒と塩基と光学活性含窒素化合物の存
在下に水素と反応させて不斉水素化し、一般式(b) 【化2】 (R1 およびR2 は上記と同じ有機基を示す。)で表さ
れる光学活性アルコール類を製造することを特徴とする
光学活性アルコール類の製造方法。 - 【請求項2】 不斉水素化触媒が第VIII族金属の錯体で
ある請求項1の方法。 - 【請求項3】 不斉水素化触媒が光学活性配位子をもつ
請求項1または2の方法。 - 【請求項4】 光学活性配位子がホスフィン配位子であ
る請求項3の方法。 - 【請求項5】 塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の水酸化物あるいはその塩、もしくは4級アンモニ
ウム塩である請求項1の方法。 - 【請求項6】 光学活性含窒素化合物が光学活性アミン
化合物である請求項1の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9079539A JPH10273456A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 光学活性アルコール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9079539A JPH10273456A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 光学活性アルコール類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10273456A true JPH10273456A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=13692812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9079539A Pending JPH10273456A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 光学活性アルコール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10273456A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001106664A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-04-17 | Nippon Soda Co Ltd | 光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法 |
JP2004509087A (ja) * | 2000-09-13 | 2004-03-25 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニム | 接触水素化法 |
JP4746749B2 (ja) * | 1999-01-18 | 2011-08-10 | 日本曹達株式会社 | 光学活性アミノアルコール類の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9079539A patent/JPH10273456A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4746749B2 (ja) * | 1999-01-18 | 2011-08-10 | 日本曹達株式会社 | 光学活性アミノアルコール類の製造方法 |
JP2001106664A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-04-17 | Nippon Soda Co Ltd | 光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法 |
JP4618607B2 (ja) * | 1999-07-30 | 2011-01-26 | 日本曹達株式会社 | 光学活性イミノアルコール類及びアミノアルコール類の製造法 |
JP2004509087A (ja) * | 2000-09-13 | 2004-03-25 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニム | 接触水素化法 |
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