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JPH10271850A - 媒体搬送装置 - Google Patents

媒体搬送装置

Info

Publication number
JPH10271850A
JPH10271850A JP7374897A JP7374897A JPH10271850A JP H10271850 A JPH10271850 A JP H10271850A JP 7374897 A JP7374897 A JP 7374897A JP 7374897 A JP7374897 A JP 7374897A JP H10271850 A JPH10271850 A JP H10271850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
medium
insulating layer
base material
strip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7374897A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Hayakawa
慎司 早川
Masayasu Sato
正康 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP7374897A priority Critical patent/JPH10271850A/ja
Publication of JPH10271850A publication Critical patent/JPH10271850A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気力を利用した媒体搬送装置において、
常に高い搬送安定性を得えられるようにする。 【解決手段】 固定子1を構成する基材11と、この基
材11の帯状電極12形成面を覆う絶縁層13をフッ素
樹脂系材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ、現金自動入出金装置等に組み込ま
れ、用紙や紙幣等の紙葉類や、キャッシュカードやプリ
ペイドカード等のカード類といった媒体を搬送する媒体
搬送装置に関するもので、特に、静電気力を利用した媒
体搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ、現金自動入出金装置等では、特開平5−27068
1号公報に開示されるように、回転型電磁モータ駆動の
ゴムローラを紙葉類等の媒体に圧接する搬送装置が使用
されていた。しかし、このような搬送装置では、モータ
自体の発熱や大消費電力が問題となり、電磁モータとゴ
ムローラを使用する構成上、小型化にも限界がある。ま
た、媒体の搬送に用いる力としてゴムローラと搬送媒体
間の摩擦力を利用しているため、ゴムの磨耗、紙粉の付
着等により、安定した搬送力を得るためにはゴムローラ
自体やゴムローラと媒体の圧接力を定期的に検査および
補修する必要があった。
【0003】これら問題を解決するため、特開平5−3
19602号公報や特開平6−56290号公報に開示
される静電気力を利用する搬送装置がある。このような
搬送装置は、帯状電極を有する固定子と、抵抗層を有す
る移動子から構成される。特開平5−319602号公
報では、移動子として搬送する紙を直接使用し、特開平
6−56290号公報では、高い抵抗値を有する移動子
の上に紙等の搬送物を載せる装置である。両者とも、固
定子の電極は3系統(3相)に分割されており、それが
等間隔で順に並んでいる。動作原理の概要は、特開平2
−285978号公報や、上述した特開平5−3196
02号公報および特開平6−56290号公報に開示さ
れているように、搬送直前に固定子電極の各相に特殊な
電圧の組み合わせを印加することにより、移動子の抵抗
層内に存在する正負の電荷を静電分極させる。以降、こ
の動作を初期分極行程と呼ぶ。移動子内で静電分極が十
分進んだところで、搬送用の電圧パターンの組み合わせ
を切り換えながら固定子電極の各相に印加すると、電荷
の反発と吸引によって移動子は搬送される。
【0004】しかしながら、上述したような静電気力を
利用した搬送装置は、高湿度環境下では移動子の搬送が
不安定になる問題が生じた。これは、高湿度環境下で
は、移動子と固定子が吸着しやすい状態となるためと考
えられる。このため、安定化対策として、特開平5−1
91984号公報では、移動子と固定子の吸着除去を目
的に、固定子に穴を開け、その穴から移動子に向かって
空気を吹き出して移動子と固定子の密着を防ぐ技術が開
示されている。
【0005】また、特開平5−22959号公報では、
同様な目的で、移動子や固定子表面に凹凸を設けて、移
動子と固定子が接触する面を粗面化したり、移動子に穴
を開ける技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固定子
に穴を開けて空気を噴出する方法は、搬送路の延長に比
例して送風用の配管数も増え、送風装置や空気圧縮用外
部動力の設置も含めてコストが大幅に上昇し、同時に搬
送装置が大型になるため、従来の電磁モータを利用した
搬送路との差別化が困難となる。さらに、移動子と固定
子との間隔が離れ過ぎると、搬送安定性が減少するた
め、移動子と固定子との距離を常に一定に保つ必要があ
る。このためには、送風用空気の流量,圧力等を制御し
なければならず、制御用の回路や流量センサ、距離セン
サ等を付加するのでコストが上昇し、製品としては実用
的ではない。
【0007】また、移動子や固定子表面に凹凸を設ける
方法も、接着剤にガラスビーズ等のスペーサ用材料を混
入して移動子や固定子に塗布するため、スペーサ用材料
の混入比率や、接着剤中での分散度合いが重要な要因と
なり、凹凸の均一性が大きく変化する。その結果、搬送
安定性を固定子上の全面で得るためには、上述したスペ
ーサ用材料の混入比率や分散度合いを均一に制御する必
要があるため、混入、分散、塗布の工程には非常に高い
精度が要求され、コストの大幅な増加を伴う。また、こ
の様なスペーサ用材料と接着剤を移動子に塗布すると、
移動子の重量が著しく増加するため、搬送できる媒体の
最大重量が減少する。なお、特開平5−22959号公
報に開示される技術を用いても、高湿度環境下では安定
動作が得られず、搬送特性も著しい経時変化を伴い悪化
するものであった。
【0008】
【課題を解決するために手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、絶縁体の基材に複数の帯状電極を平行
に並べて配列し、この帯状電極を覆う絶縁層を設けた固
定子に移動子を乗せ、前記帯状電極への印加電圧極性を
決められたパターンで切り換えることにより、前記固定
子と移動子との間に発生する静電気力を利用して、該移
動子を搬送する媒体搬送装置において、前記基材をフッ
素系樹脂材料で構成するとともに、絶縁層をフッ素系樹
脂材料で構成し、前記絶縁層は、前記帯状電極が露出し
ないよう少なくとも基材の帯状電極形成面を覆うことと
したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の媒体搬送装置の実
施の形態の一例を示す構成図で、図1(a)は全体斜視
図、図1(b)は固定子の側面図と駆動機構のブロック
図を組み合わせたものである。この本実施の形態の媒体
搬送装置は、板状の固定子1と移動子2からなり、固定
子1の上に移動子2を載せ、この移動子2の上に媒体3
を乗せて、固定子1から移動子2に作用する搬送力によ
って、移動子2と媒体3とを一緒に搬送する。
【0010】固定子1は、基材11上に複数の帯状電極
12を所定の間隔で平行に配置し、その上に絶縁層13
を設けたものである。以後、移動子2側と固定子1側が
接触する面をしゅう動面と呼ぶ。基材11はフッ素樹脂
を用いた絶縁体である。フッ素樹脂の1例として、PT
FE,FEP,ETFE,PFA,PCTFE等があ
る。本実施の形態では、高抵抗、低吸湿、低誘電率を併
せ持つPTFEを用いた。
【0011】ここで、基材11を構成するフッ素樹脂材
料中に、ガラス繊維を混入させることとしてもよい。ガ
ラス繊維を混入することで、基材11のたわみを防止す
ることが可能となる。基材11の形状や厚さ等は自由に
設計できるが、基材11としてPTFEを用いた場合、
PTFEは非接着性が強いため、そのままでは、帯状電
極12やその上の絶縁層13の形成をできないことがあ
る。この様な場合は、金属Naの液体アンモニア溶液に
よる化学処理や、NH3 中での放電処理等、公知の表面
改質技術によって、接着性を向上させることができる。
【0012】帯状電極12は、金や銅等の導電性材料な
らばいずれも使用でき、基材11上に印刷やエッチング
等の公知の技術によって形成することができる。帯状電
極12は3相に分割接続されており、それぞれA相、B
相、C相と呼び、A相に接続される帯状電極は12A、
B相に接続される帯状電極は12B、C相に接続される
帯状電極は12Cとして表示する。帯状電極12の幅や
電極ピッチは自由に設定できる。例えば、電極ピッチは
0.2mm,0.4mm,1.0mm等に設定でき、電
極幅も、0.1mm,0.2mm,0.3mm等に設定
できる。本実施の形態では、電極ピッチを0.4mm、
電極幅を0.1mmに設定した固定子を例にとる。
【0013】前記絶縁層13は、帯状電極12の各層間
絶縁、防湿、消費電流低減を主目的に、フッ素系塗料や
シリコン系塗料を用いて、帯状電極12が露出しないよ
うに基材11の帯状電極12形成面をコーティングす
る。絶縁層13の厚さは任意だが、過度に厚くすると搬
送力が弱まり、逆に薄すぎると気中放電が発生する。本
実施の形態では、約80μmの厚さでコーティングし
た。
【0014】なお、図1では絶縁層13を基材1の帯状
電極12形成面にのみ設けているが、基材11全面を覆
うように絶縁層13を設けてもよい。移動子2の基材
は、例えば、PET,ポリイミド(PI)、ポリカーボ
ネイト、ポリアミド、ガラス繊維等があげられる。本実
施の形態では、厚さ25μmのPETで、媒体3を載せ
る面の表面抵抗を1011〜1015〔Ω/□〕に調整した
ものを用いた。表面抵抗の調整方法は、帯電防止効果の
弱い帯電防止剤を塗布する方法等が利用できる。この他
にも、固定子と同様に、内部に電極を有するフレキシブ
ルプリント基板を移動子2として用いることもできる。
【0015】電源5は、帯状電極12に印加する電圧の
電圧源であり、正電圧と負電圧を駆動回路6に供給す
る。駆動回路6は、帯状電極12のA相、B相、C相の
各相に、それぞれ正電圧、負電圧、0〔V〕(接地電
位)を自由に切り換えて印加できるようになっており、
制御回路7からの制御信号によって、各相に印加する電
圧極性を変化させる。また、駆動回路6は、制御回路7
からの信号によって、印加する電圧値を変更することも
できる。
【0016】以降、本実施の形態では、各相に印加する
電圧極性を、〔A相極性,B相極性,C相極性〕として
表すことにする。また、正極性はP,負極性はN,接地
電位はGと表す。例えば、A相に正極性、B相に負極
性、C相に負極性の電圧を印加する場合は、〔P,N,
N〕という表示になる。以下に、動作を説明する。
【0017】静電気力を利用した媒体搬送装置は、移動
子2内の電荷をあらかじめ決まったパターンに分極さ
せ、その分極電荷の極性と、帯状電極12に印加する電
圧の極性との反発、吸引作用を利用する。ここでは、搬
送する移動子2内の電荷をあらかじめ分極させる初期分
極工程が必要である。初期分極工程時に帯状電極12に
印加する電圧のパターンを初期分極パターンと呼び、搬
送時に帯状電極12に印加する電圧パターンを搬送パタ
ーンと呼ぶ。
【0018】図2は本実施の形態における移動子の移動
原理を示す説明図である。媒体3の乗った移動子2が搬
送開始位置に到達すると、制御回路7の制御により、駆
動回路6から初期分極パターンとして、例えば〔N,
P,P〕が帯状電極12の各相に印加される。帯状電極
12の各相に〔N,P,P〕を印加すると、電極内に充
電された電荷の影響によって、図2(1)に示すよう
に、電極と相対する移動子部分に電極極性と逆極性の電
荷が蓄積する。移動子2に初期分極パターンで十分な電
荷が蓄積したところで、図2(2)に示すように、帯状
電極12に印加する電圧を搬送パターンの第1段階パタ
ーンである〔P,N,G〕に切り換えると、各相の帯状
電極12に印加された電圧の極性と、移動子2内で分極
した電荷の極性との間で、同極性同志は反発し、逆極性
同志は吸引する。この固定子1側の帯状電極12の電荷
と移動子2内の電荷との反発,吸引作用によって、矢印
で示す方向に移動子2とその上に乗せた媒体3が移動を
始める。
【0019】そして、移動子2が帯状電極12の1ピッ
チ分移動すると、搬送方向の力が弱まって下方向への吸
引力が大きくなり、同時に移動子2と固定子1との摩擦
力が著しく上昇するため、移動子2は停止する。次に、
図2(3)に示すように、帯状電極12に印加する電圧
を搬送パターンの第2段階パターンである〔G,P,
N〕に切り換えると、上記と同様な作用により、移動子
2は矢印方向に電極1ピッチ分移動して停止する。更
に、図示しないが帯状電極12に印加する電圧を搬送パ
ターンの第3段階パターンである〔N,G,P〕に切り
換えると、上記と同様な作用により、移動子2は矢印方
向に電極1ピッチ分移動して停止する。この後も搬送パ
ターンの第1段階から第3段階パターンを順次繰り返し
て印加することにより、移動子2は帯状電極12の1ピ
ッチずつ、図2の矢印で示す方向に移動する。この3段
階ある搬送パターンの切り換え周波数を駆動周波数と呼
ぶことにすると、この駆動周波数を変化させることによ
って、移動子2の移動速度を制御することができ、駆動
周波数を上げると移動子2の移動速度が向上する。
【0020】上述したように、基材11をフッ素系樹脂
材料で構成し、絶縁層13をフッ素系樹脂材料もしくは
シリコン系樹脂材料で構成した本実施の形態の固定子1
と、従来のように一般的なガラスエポキシ基材にレジス
トコーティングを行った固定子とを、通常雰囲気中での
搬送特性に関する経時変化を計測した。ここで、電極ピ
ッチ等の変数は同一とした。
【0021】特性評価の指標は到達率とする。到達率と
は、実際の移動距離を、本来移動すべき距離で除して割
合表示したものである。指令通りの距離を移動子が移動
した場合は、到達率100%となる。逆に、移動子が全
く動作しなかった場合は到達率0%となる。上述した両
固定子を40℃90%の高湿度環境下に2日間放置した
後の到達率を計測すると、従来の固定子では全く動作し
なくなったのに対し、本実施の形態の固定子1では、9
9〜100%の到達率が得られ、搬送特性の経時変化が
著しく改善された。
【0022】次に、高湿度環境下における搬送特性を評
価した。その結果、従来の固定子では絶対水分量が0.
015〜0.020(25℃の相対湿度で75〜98%
に相当)に達した時点で、到達率が0〜20%となった
のに対し、本実施の形態の固定子1では、絶対水分量が
0.053(約45℃80%に相当)の条件下でも、到
達率は98〜100%が得られた。
【0023】静電気力を利用した媒体搬送装置では、水
分の影響を受けやすいが、本実施の形態のように、吸湿
性が低く、撥水性の高い樹脂材料で固定子1を構成する
ことにより、搬送特性の経時変化が非常に少なく、環境
湿度の影響を受けにくい媒体搬送装置が得られる。ま
た、固定子1上の帯状電極12は、隣合う電極間でコン
デンサを形成しているため、印加電圧パターンを切り換
える度に、瞬間的な大電流が流れる。ただし、この大電
流が流れる時間は非常に短く、定常的には電極間の抵抗
値が極めて高いため、ほとんど電流を消費しない。よっ
て、静電気力を利用した媒体搬送装置は、印加電圧パタ
ーンが変化した場合に限って電流を消費すると言えるた
め、印加電圧パターンの切り換えが頻繁に行われる程、
消費電力が大きくなる。印加電圧パターンの切り換え速
度は駆動周波数ω[Hz]として表せる。また、消費電
流は固定子1のインピーダンスZによって左右される。
インピーダンスZは周波数ωの関数であり、「電気抵
抗」と類似した使い方をされる。オームの法則I=V/
Z(ω)により、印加電圧Vが一定の場合、消費電流I
はインピーダンスZ(ω)に逆比例する。この電流は固
定子1上で電位差があって隣合う帯状電極12間に流れ
る。図3は隣合う帯状電極12Aと12Bを例に取った
コンデンサモデルを示す説明図で、電極間の抵抗値Rが
著しく大きい場合、隣合う帯状電極12Aと12Bを例
に取って電気回路モデル近似すると図3に示すようにな
る。
【0024】コンデンサ容量Cは、電極面積S、電極間
距離d、固定子比誘電率ε、真空の誘電率ε0 を用いて
以下の(1)式で表される。
【0025】
【数1】C=ε0 εS/d・・・(1) また、インピーダンスZ(ω)は以下の(2)式で表さ
れる。
【0026】
【数2】Z(ω)=1/Cω・・・(2) 駆動周波数ωが大きくなるにしたがい、インピーダンス
Z(ω)は低下するため、高周波駆動時には、より多く
の電流を消費する。しかし、コンデンサ容量Cが小さい
程、インピーダンスZは増加するため、上述したオーム
の法則より、消費電流Iが減少する。コンデンサ容量C
は固定子の比誘電率に比例するので、誘電率の小さい材
料を用いて固定子を構成した方が消費電流が低下する。
従来の固定子では、基材に用いたガラスエポキシも絶縁
層に用いたソルダーレジスタも、誘電率は4〜7程度の
範囲が一般的である。これに対して、本実施の形態によ
る固定子1の場合、基材に用いたフッ素樹脂も絶縁層に
用いたフッ素樹脂やシリコン樹脂も、誘電率は2〜4程
度の範囲である。これにより、本実施の形態の固定子1
は、従来の固定子に比べて消費電流も低減することがで
きる。
【0027】以上説明した実施の形態の媒体搬送装置に
よれば、固定子1の基材11にフッ素樹脂材料を用い、
その表面をフッ素樹脂またはシリコン樹脂でコーティン
グすることによって、搬送特性の経時変化が極めて小さ
く、かつ、高湿度環境下においても搬送安定性が著しく
向上する。そして、本実施の形態の固定子1は、公知の
電子回路基板作成技術を用いて容易に作成でき、特殊な
装置や特殊な技術は必要ないため、技術開発によるコス
ト上昇は全くない。
【0028】このため、従来のように、特殊なスペーサ
を、高度に制御された重量比率で、高い精度で樹脂内に
分散させ、それを高い均一性を持って固定子にコーティ
ングする必要がなく、また、送風空気圧制御や送風流量
制御といった、複雑な制御ユニットも必要なく、さら
に、位置検出センサや流量センサ等の多数の検出装置も
必要ない。よって、本実施の形態の媒体搬送装置は、搬
送路の長短によらず、コストの上昇は極めて小さく、商
品競争力に影響することは全くない。
【0029】加えて、フッ素樹脂やシリコン樹脂は吸湿
量が極めて低く、防湿特性に優れているため、固定子1
の吸湿による搬送特性への影響を大幅に遅延することが
できる。更に、フッ素樹脂やシリコン樹脂のように誘電
率の低い材料を用いて固定子1を構成することにより、
高周波駆動時における必要電流が減少するため、駆動時
の消費電力が低下する。消費電力の低下によって、使用
する高圧電源の容量を低下させることができ、装置の小
型化が可能となるばかりか、装置コストも低下する。ま
た、同一の消費電力にした場合は、本実施の形態の固定
子1を用いた方が、より高い周波数での駆動が可能とな
る。駆動周波数は搬送速度に比例するので、最高駆動周
波数の上昇によって、最高搬送速度の向上が図れる。
【0030】なお、本実施の形態では、基板状の直線搬
送装置を例に取って説明したが、フッ素樹脂やシリコン
樹脂は柔軟性が高いため、固定子1をフレキシブル基板
で製作することも可能なので、湾曲部を有する曲線搬送
路を構成することもできる。また、本実施の形態では所
定の抵抗値を持つ移動子2を用いることとしたが、搬送
される媒体3の抵抗値が十分高いものであれば、移動子
を用いず、固定子1上に直接媒体3を乗せて搬送するこ
とも可能である。
【0031】さらに、移動子2として、固定子1と同様
に内部に電極を有し、この電圧に電圧を印加することに
よって、初期分極状態を作りだす構造であってもよい。
また、絶縁層13は基材11の帯状電極12形成面側だ
けでなく、基材11の全面を覆うように設けてもよく、
この場合、より高い防湿効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、静電気
力を利用した媒体搬送装置において、固定子の基材にフ
ッ素樹脂材料を用い、この基材の少なくとも帯状電極形
成面にフッ素樹脂またはシリコン樹脂でコーティングし
た絶縁層を設けることによって、搬送特性の経時変化が
極めて小さく、かつ、高湿度環境下においても高い搬送
安定性をえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の媒体搬送装置の実施の形態の一例を示
す構成図
【図2】移動子の移動原理を示す説明図
【図3】コンデンサモデルを示す説明図
【符号の説明】
1 固定子 2 移動子 12 帯状電極 13 絶縁層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の基材に複数の帯状電極を平行に
    並べて配列し、この帯状電極を覆う絶縁層を設けた固定
    子に移動子を乗せ、前記帯状電極への印加電圧極性を決
    められたパターンで切り換えることにより、前記固定子
    と移動子との間に発生する静電気力を利用して、該移動
    子を搬送する媒体搬送装置において、 前記基材をフッ素系樹脂材料で構成するとともに、絶縁
    層をフッ素系樹脂材料で構成し、前記絶縁層は、前記帯
    状電極が露出しないよう少なくとも基材の帯状電極形成
    面を覆うことを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の媒体搬送装置において、 前記絶縁層を、シリコン系樹脂材料で構成したことを特
    徴とする媒体搬送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の媒体搬送装置において、 前記基材および絶縁層を構成するフッ素系樹脂材料は、
    比誘電率4以下の材料であることを特徴とする媒体搬送
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の媒体搬送装置において、 前記基材を構成するフッ素系樹脂材料および絶縁層を構
    成するシリコン系樹脂材料は、比誘電率4以下の材料で
    あることを特徴とする媒体搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の媒体搬送装置に
    おいて、 基材を構成するフッ素系樹脂材料中にガラス繊維を混入
    させることを特徴とする媒体搬送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の媒体搬送装置に
    おいて、 前記移動子として、搬送対象の媒体を使うこととし、固
    定子と媒体との間に発生する静電気力を利用して、媒体
    を直接搬送することを特徴とする媒体搬送装置。
JP7374897A 1997-03-26 1997-03-26 媒体搬送装置 Pending JPH10271850A (ja)

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JP7374897A JPH10271850A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 媒体搬送装置

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JP7374897A JPH10271850A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 媒体搬送装置

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ID=13527192

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JP7374897A Pending JPH10271850A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 媒体搬送装置

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011177008A (ja) * 2010-01-28 2011-09-08 Murata Mfg Co Ltd 気体搬送装置
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