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JPH10249605A - ピストンリング加工機の工具干渉防止装置及びその方法 - Google Patents

ピストンリング加工機の工具干渉防止装置及びその方法

Info

Publication number
JPH10249605A
JPH10249605A JP7921597A JP7921597A JPH10249605A JP H10249605 A JPH10249605 A JP H10249605A JP 7921597 A JP7921597 A JP 7921597A JP 7921597 A JP7921597 A JP 7921597A JP H10249605 A JPH10249605 A JP H10249605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
data
cartridge
work
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7921597A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Shoji
雅広 小路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOMATSU KOKI KK
Original Assignee
KOMATSU KOKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOMATSU KOKI KK filed Critical KOMATSU KOKI KK
Priority to JP7921597A priority Critical patent/JPH10249605A/ja
Publication of JPH10249605A publication Critical patent/JPH10249605A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ピストンリングの内面及び外面を同時加工す
る時の相互の工具干渉を防止するピストンリング加工機
の工具干渉防止装置及びその方法を提供する。 【解決手段】 移動可能範囲が制限されたU軸と、外面
加工用の工具5を回転軸心に直交する方向に移動させる
X軸とを回転に同期して制御するピストンリング加工機
の工具干渉防止方法において、U軸及びX軸を同時制御
して切削加工を開始する前に、加工対象のワーク1の加
工データを入力し、予め複数のバイトカートリッジ毎に
記憶した加工可能な最大内径データ及び最小内径データ
のバイトカートリッジデータの内から加工データの内径
長さに適合するデータを選択し、加工データ及び選択さ
れたバイトカートリッジデータに基づいて、適合するバ
イトカートリッジでのU軸及びX軸の各最大許容ストロ
ーク量を演算し、次にこの各最大許容ストローク量に基
づいて工具干渉の有無を移動開始前にチェックする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンリングの
内面及び外面を同時加工する加工機の内面加工用工具と
外面加工用工具との相互干渉を防止するピストンリング
加工機の工具干渉防止装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのピストンリングは外周が一部
切断されて隙間を有するリング形状をしており、このピ
ストンリングをピストンの上部溝に嵌める時には、前記
隙間部の開きを縮めてシリンダ内に挿入し、この後ピス
トンリングの弾性力によってシリンダ内壁に密着させて
いる。このように、ピストンリングはシリンダ内壁に密
着して密閉性を保持できることが要求されるので、その
内面及び外面の切削加工精度を高くする必要がある。こ
のために、ピストンリングの内面及び外面をNC制御に
よって高精度で切削加工することができる内外面加工機
が数多く提案されている。例えば、特開平8−2495
72号公報にはこのピストンリングような非円形ワーク
の内外面加工機が開示されており、以下、図8に基づい
て従来の内外面の加工方法について説明する。
【0003】図8は、ピストンリングの内面及び外面を
加工する前の被加工材と加工後のリング形状を表した図
である。同図において、被加工材1はほぼ円筒形状を成
した中空の素材であり、所望のピストンリング溝幅に対
応した所定高さL1 の複数のリング材2が積み重ねられ
ている。そして、この被加工材1の円筒軸心方向の両端
面(図示では、上下端面)側に支持装置(図示せず)を
設け、この支持装置によって両端面から被加工材1を所
定の大きさのクランプ力で支持している。さらに、被加
工材1の中空部には内面を切削する工具4とこの工具4
が取着されたボーリングバー93とが配設されており、
また被加工材1の外側には外面を切削する工具5が配設
されている。被加工材1を前記支持装置によって支持し
た状態で回転軸Oを中心に図示で例えば矢印13方向に
回転させると共に、この回転に同期させて前記工具4と
工具5を矢印11方向に往復駆動し、かつ、被加工材1
の円筒軸心方向(図示で、例えば矢印12方向)に駆動
することによって、複数個のリング3が製作される。そ
して、リング3は略ハート形の形状をしているが、その
外周の凹部に相当する部分Pが図示しない切断装置によ
って切断され、除去されてピストンリングが完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記のようにピ
ストンリングの内面を加工する制御軸においては、ボー
リングバー93が被加工材1の中空部に挿入された状態
で切削加工を行わなければならないので、ボーリングバ
ー93が被加工材1と干渉しないようにする必要があ
る。そして、被加工材1を高速回転させ、この回転角度
に完全に同期させて上記内面加工軸を制御しなければな
らないので、このボーリングバー93の剛性を高くする
必要があり、このためにボーリングバー93の外径寸法
は所定の剛性が得られるように必然的に大きくなってい
る。この結果、図9に示すように、ボーリングバー93
の外面と被加工材1の下方の前記支持装置(図示で、下
部ワーク支持手段33)との距離αに余裕が無く、内面
加工軸の移動可能範囲が非常に狭くなっている。
【0005】そして、被加工材1の内径及び外径が小さ
いものから大きいものまで様々であっても、外面を加工
する外面加工軸は移動可能範囲が広く、かつ、移動距離
を自由に設定できるので、工具5の交換無しで対応可能
である(通常、パーマネントツールと呼ばれる)。とこ
ろが、内面加工軸は、上述のように移動可能範囲が非常
に狭いので、1種類の工具4だけでは様々な内径の被加
工材1の切削に対応できない。このために、被加工材1
の内径の大きさに対応して工具4のカートリッジ(以
後、バイトカートリッジと呼ぶ)を交換できるようにな
っている。図10には、このバイトカートリッジの交換
時の作用を説明する図が示されている。図10(1) では
内径D1 の被加工材1に対応したバイトカートリッジ6
を装着した場合を示しており、図10(2) では内径D1
より大きな内径D2 の被加工材1に対応したバイトカー
トリッジ6を装着した場合を示している。このように、
バイトカートリッジ6をボーリングバー93の上端部に
取り付けたときのボーリングバー93の軸心からバイト
カートリッジ6の刃先までの距離が異なったものを被加
工材1の内径の長さに対応させて所定数の種類だけ準備
することによって、内面加工軸は対応している。そし
て、このバイトカートリッジ6の交換は、予め決められ
た内径の長さとバイトカートリッジ6の種別との対応表
等に従って、段取り替え時に作業者によって行われる。
また、この交換作業後には、作業者はボーリングバー9
3の軸心から交換したバイトカートリッジ6の刃先まで
の距離データを図示しない制御装置に所定の入力スイッ
チ等によって入力するようになっている。
【0006】しかしながら、作業者がバイトカートリッ
ジ6を交換したときに、上記の刃先までの距離データを
誤って入力ミスする場合があり、この場合には加工中に
工具4と工具5の干渉、あるいは、ボーリングバー93
の外面と前記下部ワーク支持手段33の干渉が発生する
可能性がある。これを防止するため、実際に加工開始す
る直前にこの干渉の有無を目視でチェックするために、
内面加工軸及び外面加工軸の送り速度を例えば速度オー
バーライド操作等によって実際の加工時よりも遅くして
チェックしている。ところが、工具4及び工具5の刃
先、あるいは、ボーリングバー93の外面と下部ワーク
支持手段33との接触部は本ピストンリング加工機の内
部の奥まった所にあり、さらに、工具4及び工具5の作
業者側前面部に保護用ドア等があるので、その接触が見
え難くなっている。したがって、作業者が非常に確認し
づらく、もし干渉の危険性があるときでも作業者の判断
が遅くなって干渉を防止できないという問題がある。
【0007】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、ピストンリングの内面及び外面を同時加
工する時の相互の工具干渉を防止するピストンリング加
工機の工具干渉防止装置及びその方法を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、中空円
筒形のワーク1を円筒軸心方向から支持してこの円筒軸
心の回りに回転させる回転軸と、複数の異なる種別の前
記ワーク1の内径長さに対応して選択され、かつ、ワー
ク1の内面を切削加工するバイトカートリッジ6と、前
記回転軸に同期して制御されて前記バイトカートリッジ
6を前記回転軸心に直交する方向に移動させ、かつ、移
動可能範囲が所定位置に制限されたU軸と、前記回転軸
に同期して制御され、かつ、ワーク1の外面を加工する
工具5を前記回転軸心に直交する方向に移動させるX軸
とを備え、前記ワーク1の内面及び外面を切削してピス
トンリングを加工するピストンリング加工機の工具干渉
防止装置において、複数の異なる前記バイトカートリッ
ジ6毎に対応させて、加工可能な最大内径データ及び最
小内径データのバイトカートリッジデータ、及びバイト
カートリッジ品番を記憶するバイトカートリッジデータ
記憶手段52と、切削開始前に、加工対象のワーク1の
内面及び外面の形状を表す加工データを入力する加工ワ
ークデータ入力手段53と、この加工ワークデータ入力
手段53によって入力された前記加工データに適合する
バイトカートリッジ6のバイトカートリッジデータ及び
バイトカートリッジ品番を前記バイトカートリッジデー
タ記憶手段52から選択するカートリッジ選択手段54
と、前記入力された加工データ及び選択されたバイトカ
ートリッジデータに基づいて、前記適合するバイトカー
トリッジ6を取り付けたときの前記U軸の機械原点から
のU軸最大許容ストローク量ST1 、及び前記X軸の機械
原点からのX軸最大許容ストローク量ST2 を演算する最
大ストローク量演算手段56と、この算出されたU軸最
大許容ストローク量ST1 及びX軸最大許容ストローク量
ST2 に基づいて、U軸及びX軸を同時制御して切削加工
を開始する前に前記バイトカートリッジ6と前記工具5
との干渉の有無をチェックするU軸/X軸干渉チェック
手段57とを備えた構成としている。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、中空円筒
形のワーク1を円筒軸心方向から支持してこの円筒軸心
の回りに回転させ、複数の異なる種別の前記ワーク1の
内径長さに対応して選択されたバイトカートリッジ6を
前記回転軸心に直交する方向に移動させてワーク1の内
面を切削加工し、かつ、移動可能範囲が所定位置に制限
されたU軸と、ワーク1の外面を加工する工具5を前記
回転軸心に直交する方向に移動させるX軸とを前記ワー
ク1の回転に同期して制御し、前記ワーク1の内面及び
外面を切削してピストンリングを加工するピストンリン
グ加工機の工具干渉防止方法において、U軸及びX軸を
同時制御して切削加工を開始する前に、加工対象のワー
ク1に対応する内面及び外面の形状を表す加工データを
入力し、予め複数の異なる前記バイトカートリッジ6毎
に対応させて記憶した加工可能な最大内径データ及び最
小内径データのバイトカートリッジデータ、及びバイト
カートリッジ品番の内から前記入力した加工データの内
径長さに適合するバイトカートリッジデータ及びバイト
カートリッジ品番を選択し、前記加工データ及び選択さ
れたバイトカートリッジデータに基づいて、前記適合す
るバイトカートリッジ6を取り付けたときの前記U軸の
機械原点からのU軸最大許容ストローク量ST1 、及び前
記X軸の機械原点からのX軸最大許容ストローク量ST2
を演算し、次にこの算出されたU軸最大許容ストローク
量ST1 及びX軸最大許容ストローク量ST2 に基づく起動
可能範囲内に各移動目標位置が入るか否かによって前記
バイトカートリッジ6と前記工具5との干渉の有無を移
動開始前にチェックする方法としている。
【0010】請求項1又は2に記載の発明によると、加
工対象ワークの加工すべき内面の内径データ及び外面の
外径データ等の加工データに適合するバイトカートリッ
ジを自動的に選択する。そして、この選択されたバイト
カートリッジに対応するバイトカートリッジデータと前
記加工データとに基づいて、加工対象ワークを切削する
ために必要で、かつ、干渉が無いような内面加工軸(U
軸)及び外面加工軸(X軸)の機械原点からの各最大許
容ストローク量を演算し、この最大許容ストローク量に
基づいてU軸又はX軸の移動開始前に相互の工具干渉が
無いか否かをチェックしている。したがって、移動する
前に干渉が防止されるので、安全性が向上する。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2記載の
ピストンリング加工機の工具干渉防止方法において、前
記選択されたバイトカートリッジ品番を表示器44に表
示する方法としている。
【0012】請求項3に記載の発明によると、前記自動
選択されたバイトカートリッジの品番を表示して作業者
に段取り替えを指示する。これによって、作業者の勘違
い等による選択ミスが無くなり、正しいバイトカートリ
ッジを取り付けることができる。この結果、バイトカー
トリッジと外面加工用工具との相互干渉を無くすことが
できる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
ピストンリング加工機の工具干渉防止方法において、前
記表示器44に表示されたバイトカートリッジ品番に基
づいて、作業者がバイトカートリッジ6を交換する方法
としている。
【0014】請求項4に記載の発明によると、表示され
たバイトカートリッジ品番に基づいて、段取り替え時に
作業者がバイトカートリッジを交換するので、誤って取
り付けることを防止できる。したがって、バイトカート
リッジと外面加工用工具との相互干渉を無くすことが可
能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるピストンリ
ング加工機の工具干渉防止装置及びその方法に関する実
施形態を図1〜図7を参照して説明する。
【0016】図1は本発明に係わるピストンリング加工
機の一例を表す正面図を示しており、同図に基づいて加
工機の概要構成を説明する。ベッド21の上部の略中央
後部にコラム22が設置されており、このコラム22の
前方にはコラム22の前面に布設された図示しないガイ
ドレール(例えばボール式リニアガイド等)によって被
加工材1(以後、ワーク1と言う)の円筒軸心方向(Z
軸方向)に移動自在に支承されたZ軸スライド25が配
設されている。また、コラム22の上部には例えばサー
ボモータ等からなるZ軸モータ24が配設されており、
このZ軸モータ24によってZ軸スライド25は上下駆
動されるようになっている。Z軸モータ24には、Z軸
スライド25のZ軸方向の位置を検出する、例えばエン
コーダ等からなるZ軸位置センサ26が設けられてい
る。
【0017】また、Z軸スライド25内にはワーク1を
クランプして支持する支持装置が配設されており、この
支持装置は、上下方向に離間し、かつ、互いに対向した
位置に配設された上部ワーク支持手段32と下部ワーク
支持手段33とから構成されている。この両支持手段は
図示しないギア列等の駆動伝達手段によって同方向へ同
期して回転可能に支承されており、コラム22の上部に
設置された例えばサーボモータ等からなるC軸モータ3
1によって上記駆動伝達手段を介して同期回転されるよ
うになっている。C軸モータ31には上部ワーク支持手
段32及び下部ワーク支持手段33のC軸方向の回転位
置を検出する、例えばエンコーダ等からなるC軸位置セ
ンサ34が設けられている。
【0018】また、上記上部ワーク支持手段32は上下
動可能に支承されると共に、Z軸スライド25の上部に
設けられた図示しない油圧シリンダによって上下移動さ
れるようになっている。この油圧シリンダの伸縮によっ
て、上部ワーク支持手段32の下部に設けられた上部ク
ランプヘッド32aと、下部ワーク支持手段33の上部
に設けられた下部クランプヘッド33aとの間にワーク
1がクランプされる。そして、このZ軸スライド25の
前面部には透明なガラス窓を略中央部に有する前面ドア
36が開閉自在に配設されており、この前面ドア36に
よって切削加工時の飛散物から作業者を防止している。
【0019】また、コラム22のほぼ中間部には、ワー
ク1の外面を加工する外面加工手段70が配設されてい
る。外面加工手段70は、先端部に取着された工具5を
支持する工具支持手段72と、コラム22に取着される
とともに、前記工具支持手段72を水平方向で、かつ、
ワーク1に対して接近する又は離れる方向(X方向)へ
移動可能に案内するXガイド手段73と、このXガイド
手段73にカバー74を介して取着された、例えばサー
ボモータ等からなるX軸モータ71と、X軸モータ71
の回転力を前記工具支持手段72の移動方向に伝達する
例えばボールスクリュー等からなる伝達手段75とを備
えている。また、X軸モータ71には、X軸方向の工具
5の位置を検出する例えばエンコーダ等からなるX軸位
置センサ76が取着されている。そして、このX軸モー
タ71の回転によって、前記工具支持手段72をX方向
に移動して工具5でワーク1の外面を切削加工できるよ
うになっている。
【0020】さらに、ベッド21の上部で、かつ、コラ
ム22の前方には、ワーク1の内面を加工する内面加工
手段90が配設されている。内面加工手段90は、ワー
ク1の中空部に配設され、かつ、上端部に取着された工
具4を支持するボーリングバー93と、このボーリング
バー93を支持するU軸スライド92と、このU軸スラ
イド92を水平方向で、かつ、ワーク1に対して接近す
る又は離れる方向(U軸方向)へ移動可能に支持するガ
イドレール94と、前記U軸スライド92をガイドレー
ル94上でU軸方向に駆動する、例えばリニアモータ等
からなるU軸モータ91とを備えている。また、ガイド
レール94の近傍にはU軸スライド92の位置を検出す
るU軸位置センサ95が設けられており、このU軸位置
センサ95は例えばリニアスケール等で構成されてい
る。また前記ボーリングバー93の上端部、すなわち、
工具4の位置がワーク1の中空部内に入るように設定さ
れており、U軸モータ91を駆動することによって、工
具4でワーク1の内面を切削加工できるようになってい
る。
【0021】図2は、本発明に係わるピストンリング加
工機の工具干渉防止装置のハード構成ブロック図を示し
ている。ワークデータ入力スイッチ41は、加工対象の
ワーク1の加工すべき内面及び外面の形状を表す加工デ
ータを入力し、設定するスイッチである。本実施形態に
おいては、この加工データとしては、図3に示すよう
に、外径基準径DL 、最大リフト量L、及び幅寸法Tが
設定される。ただし、外径基準径DL は外面の最小直径
を表し、最大リフト量Lは外面の最大直径と外径基準径
DL との差の半分を表し、また、幅寸法Tはリング3の
内面と外面との距離、つまり径方向の幅を表している。
このワークデータ入力スイッチ41は、例えば、上記加
工データの種別を指定するスイッチ、データの数値を入
力するテンキー、ワーク種別を入力するスイッチ、及び
入力されたデータを取り込む書込みスイッチ等から構成
されている。そして、各スイッチ信号は、制御装置50
に出力されている。
【0022】また、ワークデータ記憶手段51はワーク
データ入力スイッチ41により入力された前記各加工デ
ータを複数の異なるワーク種別毎に予め記憶しておくメ
モリである。ワークデータ記憶手段51は、例えば半導
体メモリ、フロッピーディスク、又はハードディスク等
から構成されており、ICメモリカード等のように読み
込み装置から抜き差し自在となっているものでもよい。
【0023】バイトカートリッジデータ記憶手段52は
複数の異なるバイトカートリッジ6毎の固有データ(以
後、バイトカートリッジデータと言う)を予め記憶して
おくメモリであり、各バイトカートリッジデータはそれ
ぞれのバイトカートリッジ6の品番(識別番号に相当す
る)毎に対応して記憶されている。このバイトカートリ
ッジデータとしては、少なくとも、当該品番のバイトカ
ートリッジ6によって切削可能な最大加工内径及び最小
加工内径が設定されている。バイトカートリッジデータ
記憶手段52は、前記ワークデータ記憶手段51と同様
に、例えば半導体メモリ、フロッピーディスク、ハード
ディスク、又はICメモリカード等から構成されてい
る。
【0024】加工ワーク選択スイッチ43は、加工対象
となるワークの種別を選択するスイッチであり、例え
ば、ワーク種別に対応するワーク番号を入力するスイッ
チで構成されている。そして、この選択されたワーク種
別に対応するワーク種別信号(例えば、ワーク番号等)
は制御装置50に出力される。
【0025】制御装置50は、本実施形態では加工プロ
グラム作成装置50aと加工機制御装置50bからなっ
ている。加工プログラム作成装置50aは、例えばマイ
クロコンピュータ等を主体としたコンピュータ装置から
構成されている。この加工プログラム作成装置50aは
前記ワークデータ入力スイッチ41から加工データを入
力したり、あるいは、前記加工ワーク選択スイッチ43
から入力したワーク種別信号に対応する加工データをワ
ークデータ記憶手段51内から読み出す。そして、この
入力、あるいは読み出した加工データに基づいて、加工
ワークを切削するための各NC制御軸(U軸、X軸、及
びZ軸)の基準軌跡データを自動的に作成する。なお、
この基準軌跡データは、各軸のサーボ制御を行うための
所定の周期処理時間毎の各軸の微小移動量データによっ
て表されており、各微小移動量データは所定値以上の大
きな加速度が発生しないように演算される。
【0026】また、加工プログラム作成装置50aは、
前記入力あるいは選択された加工データに基づいて加工
すべき内径の長さ範囲を算出し、この範囲に適合するバ
イトカートリッジデータ及びその品番をバイトカートリ
ッジデータ記憶手段52から読み出す。さらに、この読
み出したバイトカートリッジデータ及び前記加工データ
に基づいて、後述する算出方法により、内面切削用の工
具4と外面切削用の工具5とが互いに干渉しないよう
な、かつ、前記選択されたワークの切削に最小限必要な
U軸及びX軸のそれぞれの機械原点からの最大許容スト
ローク量を演算する。そして、前記基準軌跡データと、
U軸及びX軸の各最大許容ストローク量と、バイトカー
トリッジデータの品番とは、通信50cによって加工機
制御装置50bに送信される。なお、通信50cは例え
ばシリアル通信、パラレル通信、又はデータI/O通信
等によって構成することができる。
【0027】加工機制御装置50bは、前記加工プログ
ラム作成装置50aと同様に、例えばマイクロコンピュ
ータ等を主体としたコンピュータ装置から構成されてい
る。この加工機制御装置50bは、前記各周期処理毎の
微小移動量データの目標位置が前記入力したU軸及びX
軸の各最大許容ストローク量に基づく移動可能範囲内に
入っているか否かによって、U軸とX軸とが干渉する可
能性が無いかをチェックし、この結果を表示器44に表
示する。また、前記バイトカートリッジデータの品番を
表示器44に表示し、これによって作業者に品番を確認
させると共に、段取り替えの指示を出す。さらに、前記
基準軌跡データに基づいて、本ピストンリング加工機の
サーボ軸駆動手段60に制御指令を出力し、切削加工を
行う。
【0028】表示器44はU軸とX軸との干渉チェック
結果を表示したり、または、段取り替え時にバイトカー
トリッジデータの品番を表示することができる。この表
示器44は、例えばCRT表示器、液晶表示器、EL表
示器等のグラフィック表示器で構成されたり、あるい
は、LED表示素子等によるキャラクタ表示器及びラン
プ表示器等で構成されている。
【0029】サーボ軸駆動手段60は、加工機制御装置
50bからの前記制御指令に基づいて、前述の図1にお
けるU軸、X軸、Z軸及びC軸の各軸サーボモータを制
御している。なお、このサーボ軸駆動手段60は、例え
ば各軸毎のサーボアンプ等から構成されている。
【0030】図4は、本発明に係わるピストンリング加
工機の工具干渉防止装置を表す機能構成ブロック図を示
している。加工ワークデータ入力手段53は加工対象ワ
ークの加工データを入力するものであり、この加工デー
タをカートリッジ選択手段54及び最大ストローク量演
算手段56に出力する。ここで、この加工ワークデータ
入力手段53は、例えばワークデータ入力スイッチ41
であっても、あるいは、加工ワーク選択スイッチ43及
びワークデータ記憶手段51の構成によって選択したワ
ーク種別の加工データをワークデータ記憶手段51から
読み出す入力手段であってもよい。また、加工ワークデ
ータ入力手段53はこれに限定されず、例えば上位コン
ピュータからの通信によって加工データを入力するよう
にしてもよい。
【0031】また、バイトカートリッジデータ記憶手段
52は、前述のように各バイトカートリッジ品番毎に対
応させてバイトカートリッジ6のデータを記憶してい
る。そして、カートリッジ選択手段54は、前記入力さ
れた加工データに基づいて、その内面の切削加工に適合
するバイトカートリッジ6の品番及びそのバイトカート
リッジデータをバイトカートリッジデータ記憶手段52
から選択して読み出す。この選択されたバイトカートリ
ッジ6の品番は選択カートリッジ品番表示手段55に出
力され、また、バイトカートリッジデータは最大ストロ
ーク量演算手段56に出力される。
【0032】ここで、上記の適合するバイトカートリッ
ジ6の選択は、次のようにして可能となる。すなわち、
まず前記加工データ内の外径基準径DL 、最大リフト量
L、及び幅寸法Tの各データに基づいて、以下の数式1
及び数式2によって加工ワークの内面の最小内径DMIN
及び最大内径DMAX を求める。
【数1】DMIN =2(DL /2−T)
【数2】DMAX =2(DL /2−T+L) 次に、この求めた最小内径DMIN 及び最大内径DMAX の
データと加工開始時にワーク1にアプローチする際に必
要なストローク量及び加工終了時にワーク1からの逃げ
に必要なストローク量とを考慮して、加工時に必要なU
軸の移動最小内径及び移動最大内径を算出する。そし
て、この移動最小内径及び移動最大内径を満足するよう
な、すなわち、数式「最小加工内径データ≦移動最小内
径」及び数式「移動最大内径≦最大加工内径データ」を
満足するような前記カートリッジデータ内の切削可能な
最小加工内径データ及び最大加工内径データを有するバ
イトカートリッジ6が選択される。このとき、満足する
バイトカートリッジ6が2種類以上ある場合には、例え
ば品番の若いバイトカートリッジ6を選択するようにし
てもよい。
【0033】最大ストローク量演算手段56は、上記の
入力したバイトカートリッジデータ及び当該ワーク1の
前記加工データとに基づいて、選択された品番のバイト
カートリッジ6と工具5が干渉しないような、かつ、内
面及び外面を加工データ通りに加工するために許容され
るU軸及びX軸の最大許容移動範囲(最大許容ストロー
ク量)を演算し、このデータを出力する。ここで、図5
に基づいて、U軸及びX軸の最大許容ストローク量の算
出方法について説明する。いま、ボーリングバー93の
上端部に上記選択されたバイトカートリッジ6が取り付
けられているものとする。また、機械原点G1 、G2 は
各軸移動時に基準となる加工機本体の絶対的な基準位置
とし、例えば、各軸の位置センサがインクリメンタル式
エンコーダの場合には原点復帰完了位置をこの機械原点
として設定できる。このとき、上記のU軸最大許容スト
ローク量ST1 は、加工対象ワークの内面の最大内径d1
(前述のように加工データによって求められる)をカバ
ーするような、U軸の機械原点G1 からの最大移動距離
として算出することができる。また、上記のX軸最大許
容ストローク量ST2 も同様に、加工対象ワークの外面の
最小外径d2 をカバーするような、X軸の機械原点G2
からの最大移動距離として算出される。このとき、U軸
最大許容ストローク量ST1 とX軸最大許容ストローク量
ST2 は、U軸とX軸が互いに進入できないような領域A
がワーク1内に存在するように算出される。
【0034】また、U軸/X軸干渉チェック手段57
は、前記算出されたU軸最大許容ストローク量ST1 及び
X軸最大許容ストローク量ST2 を入力し、この両データ
を基にしてNC制御軸の移動の時に、U軸とX軸の干渉
が無いかをチェックする。すなわち、U軸及びX軸の各
移動目標位置がそれぞれU軸最大許容ストローク量ST1
及びX軸最大許容ストローク量ST2 によって制限される
範囲内に入っているか否かをチェックしている。そし
て、チェック結果でこの制限される範囲内に入って無い
場合は、エラーメッセージを表示器44に表示して、作
業者に処置を促すようにしている。さらに、選択カート
リッジ品番表示手段55は、前記選択されたバイトカー
トリッジ品番を表示器44に表示し、作業者に段取り替
えを指示する。
【0035】図6は、本発明に係わるピストンリング加
工機の工具干渉防止のチェック手順を説明するフローチ
ャート例を示している。同図において、各ステップ番号
はSを付して表している。まず、S1で(加工ワークデ
ータ入力手段53)、ワークデータ入力スイッチ41に
よって加工データが入力される。あるいは、加工ワーク
選択スイッチ43により入力された加工対象のワーク種
別に対応する加工データがワークデータ記憶手段51内
から選択される。次に、S2では(カートリッジ選択手
段54)この入力あるいは選択された加工データに基づ
いて加工ワークの内面の最小内径DMIN 及び最大内径D
MAX を演算し、この最小内径DMIN 及び最大内径DMAX
に適合するバイトカートリッジデータをバイトカートリ
ッジデータ記憶手段52から読み出す。そして、S3で
(カートリッジ選択手段54)、この読み出したバイト
カートリッジデータに対応するバイトカートリッジ品番
を読み出す。この後、S4で(最大ストローク量演算手
段56)、読み出したバイトカートリッジデータ及び選
択された加工データに基づいて、U軸最大許容ストロー
ク量ST1 を演算し、さらにS5で前記選択された加工デ
ータに基づいてX軸最大許容ストローク量ST2 を演算す
る。
【0036】次に、S6で(選択カートリッジ品番表示
手段55)、バイトカートリッジ品番を表示器44に表
示し、作業者に段取り替えの指示を行う。作業者は、こ
の指示に従ってバイトカートリッジ6を交換する。さら
に、S7で(U軸/X軸干渉チェック手段57)、前記
算出されたU軸最大許容ストローク量ST1 及びX軸最大
許容ストローク量ST2 と、U軸及びX軸の各機械原点G
1 、G2 の位置データとに基づいて、NCプログラム中
にU軸とX軸の干渉を起こすような移動命令があるか否
かをチェックし、干渉を起こす移動命令があるときは、
S8で表示器44にエラー表示して作業者に処置を促
す。また、S7で干渉を起こす移動命令が無いときは、
本チェックフローを終了する。
【0037】なお、上記フローチャートにおいて、S4
とS5、及びS6とS7の処理は逆であっても構わな
い。また、S1においては、加工ワーク選択スイッチ4
3により入力したワーク種別に対応して加工データが選
択されているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、加工対象のワーク1の加工データが入力されればよ
い。したがって、例えばワークデータ入力スイッチ41
により入力した加工データに基づいて、適合するバイト
カートリッジデータを直接バイトカートリッジデータ記
憶手段52内から選択するようにしてもよい。
【0038】ここで、上記S7における干渉チェック方
法について具体的な例を説明する。前記演算されたU軸
最大許容ストローク量ST1 及びX軸最大許容ストローク
量ST2 は、それぞれU軸及びX軸の機械原点G1 、G2
からの許容最大移動量を示しているから、実際のワーク
1を切削加工する際には、U軸及びX軸のNC制御時の
目標位置がこの許容範囲内で入っているか否かをチェッ
クする必要がある。そして、このチェックを行うタイミ
ングとしては、一つはU軸又はX軸が移動する毎に直前
に行う方法があり、他に加工開始前にNCプログラム中
の全移動命令に対して行う方法がある。ここで、加工開
始前にNCプログラム中の全移動命令に対して目標位置
が移動可能範囲(ソフトリミット)内に入っているか否
かのチェックを行う場合、通常のNC機能によるソフト
リミットチェック(例えば、移動前ストアードストロー
クチェック)を流用してもよい。
【0039】図7は、NCプログラムで移動可能範囲チ
ェックを行う例を示している。図中のシーケンス番号N
001ではソフトリミットチェックを行うためのパラメ
ータの入力宣言がされ、これに続いてシーケンス番号N
002及びN003では、それぞれX軸最大許容ストロ
ーク量ST2 及びU軸最大許容ストローク量ST1 がこのパ
ラメータとして設定されている。そして、シーケンス番
号N004で上記パラメータ入力終了を宣言し、シーケ
ンス番号N005でこのパラメータに基づくソフトリミ
ットチェック(移動前ストアードストロークチェック)
が行われている。すなわち、これ以降のシーケンス番号
のステップに記載された全移動命令に対して、その移動
目標位置が上記設定されたソフトリミット内に入ってい
るか否かをチェックしている。これによって、NCプロ
グラムを実行開始する前にソフトリミットがチェックさ
れ、このチェックの結果で移動目標位置がソフトリミッ
ト以外であればエラーメッセージを表示器44に出力す
る。このエラーメッセージによってU軸とX軸の干渉発
生の可能性が判り、したがって、実際にワークを加工す
る前に工具が干渉するのを防止できる。
【0040】以上説明したように、加工ワークの加工す
べき内面の内径データ及び外面の外径データに適合する
バイトカートリッジ6をバイトカートリッジデータ記憶
手段52内から自動的に選択し、この選択されたバイト
カートリッジ6の品番を表示して作業者に段取り替えを
指示する。これによって、作業者は正しいバイトカート
リッジ6を取り付けることができる。また、選択された
バイトカートリッジデータと前記加工ワークの内径デー
タ及び外径データとに基づいて、ワーク1を切削するた
めに必要で、かつ、干渉が無いような内面加工軸(U
軸)及び外面加工軸(X軸)の各最大許容ストローク量
を求め、この最大許容ストローク量によって、内面加工
軸又は外面加工軸の移動開始前に互いに工具4、5の干
渉が無いか否かをチェックしている。したがって、移動
する前に干渉が防止されるので、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるピストンリング加工機例の正面
図を示す。
【図2】本発明に係わる工具干渉防止装置のハード構成
ブロック図を示す。
【図3】本発明に係わる加工データの説明図である。
【図4】本発明に係わる工具干渉防止装置の機能構成ブ
ロック図を示す。
【図5】本発明に係わる工具干渉防止装置の最大許容ス
トローク量の算出方法の説明図である。
【図6】本発明に係わる工具干渉防止装置の干渉チェッ
クフローチャート例を示す。
【図7】本発明に係わる工具干渉防止装置のNCプログ
ラムで干渉チェックを行う例を示す。
【図8】本発明に係わるピストンリングの内外面加工の
説明図を示す。
【図9】従来技術に係わるピストンリング加工機のボー
リングバーとワーク支持手段との距離余裕の説明図であ
る。
【図10】従来技術に係わるピストンリング加工機の内
面加工軸のバイトカートリッジを交換した時の作用説明
図である。
【符号の説明】
1…被加工材(ワーク)、2…リング材、3…リング、
4、5…工具、6…バイトカートリッジ、11、12、
13…矢印、21…ベッド、22…コラム、24…Z軸
モータ、25…Z軸スライド、26…Z軸位置センサ、
31…C軸モータ、32…上部ワーク支持手段、32a
…上部クランプヘッド、33…下部ワーク支持手段、3
3a…下部クランプヘッド、34…C軸位置センサ、3
6…前面ドア、41…ワークデータ入力スイッチ、43
…加工ワーク選択スイッチ、44…表示器、50…制御
装置、50a…加工プログラム作成装置、50b…加工
機制御装置、50c…通信、51…ワークデータ記憶手
段、52…バイトカートリッジデータ記憶手段、53…
加工ワークデータ入力手段、54カートリッジ選択手
段、55…選択カートリッジ品番表示手段、56…最大
ストローク量演算手段、57…U軸/X軸干渉チェック
手段、60…サーボ軸駆動手段、70…外面加工手段、
71…X軸モータ、72…工具支持手段、73…Xガイ
ド手段、74…カバー、75…伝達手段、76…X軸位
置センサ、90…内面加工手段、91…U軸モータ、9
2…U軸スライド、93…ボーリングバー、94…ガイ
ドレール、95…U軸位置センサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空円筒形のワーク(1) を円筒軸心方向
    から支持してこの円筒軸心の回りに回転させる回転軸
    と、複数の異なる種別の前記ワーク(1) の内径長さに対
    応して選択され、かつ、ワーク(1) の内面を切削加工す
    るバイトカートリッジ(6) と、前記回転軸に同期して制
    御されて前記バイトカートリッジ(6) を前記回転軸心に
    直交する方向に移動させ、かつ、移動可能範囲が所定位
    置に制限されたU軸と、前記回転軸に同期して制御さ
    れ、かつ、ワーク(1) の外面を加工する工具(5) を前記
    回転軸心に直交する方向に移動させるX軸とを備え、前
    記ワーク(1) の内面及び外面を切削してピストンリング
    を加工するピストンリング加工機の工具干渉防止装置に
    おいて、 複数の異なる前記バイトカートリッジ(6) 毎に対応させ
    て、加工可能な最大内径データ及び最小内径データのバ
    イトカートリッジデータ、及びバイトカートリッジ品番
    を記憶するバイトカートリッジデータ記憶手段(52)と、 切削開始前に、加工対象のワーク(1) の内面及び外面の
    形状を表す加工データを入力する加工ワークデータ入力
    手段(53)と、 この加工ワークデータ入力手段(53)によって入力された
    前記加工データに適合するバイトカートリッジ(6) のバ
    イトカートリッジデータ及びバイトカートリッジ品番を
    前記バイトカートリッジデータ記憶手段(52)から選択す
    るカートリッジ選択手段(54)と、 前記入力された加工データ及び選択されたバイトカート
    リッジデータに基づいて、前記適合するバイトカートリ
    ッジ(6) を取り付けたときの前記U軸の機械原点からの
    U軸最大許容ストローク量(ST1) 、及び前記X軸の機械
    原点からのX軸最大許容ストローク量(ST2) を演算する
    最大ストローク量演算手段(56)と、 この算出されたU軸最大許容ストローク量(ST1) 及びX
    軸最大許容ストローク量(ST2) に基づいて、U軸及びX
    軸を同時制御して切削加工を開始する前に前記バイトカ
    ートリッジ(6) と前記工具(5) との干渉の有無をチェッ
    クするU軸/X軸干渉チェック手段(57)とを備えたこと
    を特徴とするピストンリング加工機の工具干渉防止装
    置。
  2. 【請求項2】 中空円筒形のワーク(1) を円筒軸心方向
    から支持してこの円筒軸心の回りに回転させ、複数の異
    なる種別の前記ワーク(1) の内径長さに対応して選択さ
    れたバイトカートリッジ(6) を前記回転軸心に直交する
    方向に移動させてワーク(1) の内面を切削加工し、か
    つ、移動可能範囲が所定位置に制限されたU軸と、ワー
    ク(1) の外面を加工する工具(5) を前記回転軸心に直交
    する方向に移動させるX軸とを前記ワーク(1) の回転に
    同期して制御し、前記ワーク(1)の内面及び外面を切削
    してピストンリングを加工するピストンリング加工機の
    工具干渉防止方法において、 U軸及びX軸を同時制御して切削加工を開始する前に、
    加工対象のワーク(1)に対応する内面及び外面の形状を
    表す加工データを入力し、予め複数の異なる前記バイト
    カートリッジ(6) 毎に対応させて記憶した加工可能な最
    大内径データ及び最小内径データのバイトカートリッジ
    データ、及びバイトカートリッジ品番の内から前記入力
    した加工データの内径長さに適合するバイトカートリッ
    ジデータ及びバイトカートリッジ品番を選択し、前記加
    工データ及び選択されたバイトカートリッジデータに基
    づいて、前記適合するバイトカートリッジ(6) を取り付
    けたときの前記U軸の機械原点からのU軸最大許容スト
    ローク量(ST1) 、及び前記X軸の機械原点からのX軸最
    大許容ストローク量(ST2) を演算し、次にこの算出され
    たU軸最大許容ストローク量(ST1) 及びX軸最大許容ス
    トローク量(ST2) に基づく起動可能範囲内に各移動目標
    位置が入るか否かによって前記バイトカートリッジ(6)
    と前記工具(5) との干渉の有無を移動開始前にチェック
    することを特徴とするピストンリング加工機の工具干渉
    防止方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のピストンリング加工機の
    工具干渉防止方法において、 前記選択されたバイトカートリッジ品番を表示器(44)に
    表示することを特徴とするピストンリング加工機の工具
    干渉防止方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のピストンリング加工機の
    工具干渉防止方法において、 前記表示器(44)に表示されたバイトカートリッジ品番に
    基づいて、作業者がバイトカートリッジ(6) を交換する
    ことを特徴とするピストンリング加工機の工具干渉防止
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006057772A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd 遊星減速機構の遊星回転部材のピン構造及びピンの製造方法
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CN107252900A (zh) * 2017-07-05 2017-10-17 南通德鑫数控机床有限公司 一种数控活塞环外圆倒角机床

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