JP4491686B2 - 工作機械におけるワークの加工制御方法 - Google Patents
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Description
すなわち、請求項1に係る工作機械におけるワークの加工制御方法は、架台上にB軸回りに旋回割出し可能に設けた回転テーブルと、支持部材に支持した主軸ヘッドとを備え、NC装置によって制御軸駆動手段を作動させて、前記回転テーブルをB軸回りに回転させると共に、前記回転テーブルと主軸ヘッドとをX、Y、Z軸方向に相対移動させ、前記回転テーブル上に固定されたワークを前記主軸ヘッドの主軸に装着した工具により加工する工作機械におけるワークの加工制御方法において、
前記ワークが上面が閉鎖され側面の一部に開口部が設けられ内部に円弧状加工部を有する箱形状ワークであって、該箱形状ワークに対して、前記開口部を通して工具の先端を前記円弧状加工部の加工開始点に位置させた後、前記回転テーブルをB軸回りに回転させながら、回転テーブルに対して主軸ヘッドをX、Z軸方向に相対移動させて、前記工具の先端を、前記加工開始点から加工終了点まで前記円弧状加工部に沿って回転させながら移動させて前記ワークを加工する方法であり、
前記円弧状加工部の円弧の半径と、B軸を原点とする回転テーブル上の直角座標における前記円弧の中心の座標値と、前記円弧状加工部に沿って移動させる工具の先端の前記円弧の中心回りにおける移動角度と、工具の半径と、工具の均等動作係数とを設定値として、該設定値にもとづいて、前記回転テーブルのB軸回りの回転角に対する、前記加工開始点から加工終了点に至るまで前記円弧状加工部に沿って工具が回転しながら移動する機械系の直角座標におけるX−Z座標値の関係を求め、この関係にもとづいて求めた前記回転角とX,Z座標値に従って前記NC装置が前記制御軸駆動手段を作動させることを特徴としている。
図1は本発明の一実施の形態に係る工作機械におけるワークの加工制御装置1を示す。 この工作機械におけるワーク加工制御装置1は、横型マシニングセンタ等の工作機械2を制御するNC装置の機能の一部として構成されている。
前記工作機械2は、ベッド3上に支持されてZ軸サーボモータ4によってZ軸方向(図1で左右方向)に移動されるサドル5と、該サドル5上に支持されてX軸サーボモータ6によってZ軸に直角なX軸方向(図1で紙面に垂直な方向)に移動されるテーブルベース(架台)7と、該テーブルベース7上に支持されて、B軸サーボモータ8によってテーブルベース7の上面に垂直なB軸回りに旋回、割出可能な回転テーブル9と、前記ベッド3上に固定されたコラム(支持部材)10と、該コラム10に支持されY軸サーボモータ11によってX、Z軸に直角なY軸方向(図1で上下方向)に移動される主軸ヘッド12と、該主軸ヘッド12に軸回りに回転自在に支持され、主軸サーボモータ(図示せず)によって先端に装着された工具Tを回転させる主軸13とを備えている。前記回転テーブル9上にはワークMが直接または治具等を介して取り付けられるようになっている。
前記各軸サーボモータ6,11,4,8と前記X軸,Y軸,Z軸,B軸位置制御回路22,23,24,25とによって、前記テーブルベース7(回転テーブル9)と主軸ヘッド12とを相対的にX,Y,Z軸方向x,y,zに移動させ、前記回転テーブル9をB軸回りに回転させる制御軸駆動手段26を構成している。
なお、前記上部27bが閉鎖されているとは、完全に閉鎖されている場合のほか、工具Tを移動させて加工を行う余地の無い程度に小さな開口部を有する場合も含むものであり、また、前記側壁部においても開口部27d以外の部分が同様に閉鎖されている。
前記ワークMの内部には、前記開口部27dに近接して、開口部27dの内角部27fに中心Cを有する平面視で半円弧状とされ、底部27aに対して垂直に形成された円弧壁27gが設けられ、該円弧壁27gに前記中心Cに軸心を有する略1/4の円弧面である第1加工部(円弧状加工部)28が設けられると共に、前記底部27aに外周輪郭部が前記中心Cに中心を有する円弧とされた半円形平面である第2加工部(円弧状加工部)29が設けられている。
前記ワークMは、図2(a)に示すように、前記開口部27dを工作機械2の主軸13側に向けた状態において、主軸13と回転テーブル9とをX,Z軸方向x,zに相対的に移動させて、主軸13に装着したエンドミル等の回転工具である工具Tによって前記円弧状の第1,第2加工部28,29を加工しようとすると、工具ホルダTaが前記開口部27dの主軸13側の外縁部に干渉してしまい、前記第1,第2加工部28,29の全面を加工することができない。そこで、主軸13と回転テーブル9とのX,Z軸方向x,zにおける相対的移動(以下、単に「工具TのX,Z軸移動」と称する)で工具ホルダTaがワークMに干渉する手前までを加工した後に、一旦工具Tを逃がして、図2(b)に示すように、回転テーブル9をB軸回りに所定角度だけ回転させ、再び、工具TのX,Z軸移動で加工をすることもできるが、この場合には、最初の加工と後の加工との接続部に段差が生じて加工面の精度が悪くなるおそれがある。
すなわち、図4に示すように、前記第1,第2加工部28,29の円弧の中心CのW軸,U軸座標値をそれぞれCw,Cu、第1,第2加工部28,29の円弧の半径をRw、工具Tにおける底刃の円弧の中心パスの半径(ボールエンドミルの場合)をRt(=Rw−Rn)、前記第1,第2加工部28,29円弧に沿って移動させる工具Tの先端の前記円弧の中心C回りにおける移動角度(W軸のプラス端を原点位置とし、αs(=270°)が加工開始位置(スタート位置)、αeが加工終了位置(エンド位置))をα、Z−X軸座標に対するW−U座標の回転角(機械のB軸と符号が逆、βsがスタート位置、βeがエンド位置)をβ、工具Tにおける底刃の円弧の中心のW軸,U軸座標値をそれぞれPw,Pu、工具Tの均等動作係数(工具Tに対し第1,第2加工部28,29の円弧に沿って均等な切削送りを与えるための係数)をK(K=βe−βs)/(αe−αs))と設定すると、
β=(α−αs)×K+βs ・・・(1)
Pw=Rt×cosα+Cw ・・・(2)
Pu=Rt×sinα+Cu ・・・(3)
Pz=Pw×cosβ−Pu×sinβ ・・・(4)
Px=Pw×sinβ+Pu×cosβ ・・・(5)
となる。
また、工具Tの加工戻りZ座標値Pzrと設定すると、
Pzr=−Pw×tanβ+(Cw+Ew)/cosβ ・・・(6)
となる。
工作機械2が作動を開始されると、NC装置によって加工プログラムが実行されて、予め入力装置19を介して前記不揮発メモリ18に記憶されていた工具TおよびワークMの第1、第2加工部28,29に係る前記データEw,Rw,Cu,Cw,αs,αe,βs,βe,Rn,BL(微小ブロック長)を前記マイクロプロセッサ14が読み込む(ステップS1)と共に、加工プログラムで指令されている工具Tの送り速度Fを読み込み(ステップS2)、マイクロプロセッサ14が処理に必要な各種変数の初期化を行い、かつワークMの加工開始に際して必要な初期設定値の計算を行う(ステップS3)。そして、計算された初期設定値に不都合なものが無いか否かをデータチェックを行い(ステップS4)、異常があれば表示装置20にアラーム表示をさせて(ステップS5)、工作機械2の動作を終了させる。前記ステップS4でデータチェックの結果が正常であれば、第1、第2加工部28,29の微小ブロック加工に対応するB軸の回転角β、XZ長さ、加工開始から加工終了までの加工回数の総数を計算する(ステップS6)。
前記ワークが上面27bが閉鎖され側面の一部に開口部27dが設けられ内部に第1,第2加工部(円弧状加工部)28,29を有する箱形状ワークMであって、該箱形状ワークMに対して、前記開口部27dを通して工具Tの先端を前記第1,第2加工部28,29の加工開始点E1に位置させた後、前記回転テーブル9をB軸回りに回転させながら、回転テーブル9に対して主軸ヘッド12をX、Z軸方向x,zに相対移動させて、前記工具Tの先端を、前記加工開始点E1から加工終了点E2まで前記第1,第2加工部28,29に沿って移動させて前記ワークを加工する構成されている。
2 工作機械
4,6,8,11 Z,X,B,Y軸サーボモータ
5 サドル
7 テーブルベース(架台)
10 コラム(支持部材)
12 主軸ヘッド
13 主軸
14 マイクロプロセッサ
16 ROM
17 RAM
18 不揮発メモリ
19 入力装置
20 表示装置
26 制御軸駆動手段
27d 開口部
28,29 第1、第2加工部(円弧状加工部)
C 第1、第2加工部の円弧の中心
E1 加工開始点
E2 加工終了点
L 工具の移動曲線
T 工具
Ta 工具ホルダ
M ワーク
Claims (1)
- 架台上にB軸回りに旋回割出し可能に設けた回転テーブルと、支持部材に支持した主軸ヘッドとを備え、NC装置によって制御軸駆動手段を作動させて、前記回転テーブルをB軸回りに回転させると共に、前記回転テーブルと主軸ヘッドとをX、Y、Z軸方向に相対移動させ、前記回転テーブル上に固定されたワークを前記主軸ヘッドの主軸に装着した工具により加工する工作機械におけるワークの加工制御方法において、
前記ワークが上面が閉鎖され側面の一部に開口部が設けられ内部に円弧状加工部を有する箱形状ワークであって、該箱形状ワークに対して、前記開口部を通して工具の先端を前記円弧状加工部の加工開始点に位置させた後、前記回転テーブルをB軸回りに回転させながら、回転テーブルに対して主軸ヘッドをX、Z軸方向に相対移動させて、前記工具の先端を、前記加工開始点から加工終了点まで前記円弧状加工部に沿って回転させながら移動させて前記ワークを加工する方法であり、
前記円弧状加工部の円弧の半径と、B軸を原点とする回転テーブル上の直角座標における前記円弧の中心の座標値と、前記円弧状加工部に沿って移動させる工具の先端の前記円弧の中心回りにおける移動角度と、工具の半径と、工具の均等動作係数とを設定値として、該設定値にもとづいて、前記回転テーブルのB軸回りの回転角に対する、前記加工開始点から加工終了点に至るまで前記円弧状加工部に沿って工具が回転しながら移動する機械系の直角座標におけるX−Z座標値の関係を求め、この関係にもとづいて求めた前記回転角とX,Z座標値に従って前記NC装置が前記制御軸駆動手段を作動させることを特徴とする工作機械におけるワークの加工制御方法。
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JP2005121002A JP4491686B2 (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 工作機械におけるワークの加工制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005121002A JP4491686B2 (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 工作機械におけるワークの加工制御方法 |
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JP2006301843A JP2006301843A (ja) | 2006-11-02 |
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Family Applications (1)
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JP2005121002A Active JP4491686B2 (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 工作機械におけるワークの加工制御方法 |
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2005
- 2005-04-19 JP JP2005121002A patent/JP4491686B2/ja active Active
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