JPH10202046A - 空気調和機用除塵脱臭フィルター及びその再生方法 - Google Patents
空気調和機用除塵脱臭フィルター及びその再生方法Info
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- JPH10202046A JPH10202046A JP9008371A JP837197A JPH10202046A JP H10202046 A JPH10202046 A JP H10202046A JP 9008371 A JP9008371 A JP 9008371A JP 837197 A JP837197 A JP 837197A JP H10202046 A JPH10202046 A JP H10202046A
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- filter
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- deodorizing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空気調和機から取り外して再生できるように
することで、脱臭フィルターの再生を容易にしてその寿
命を延ばし、吸着効率を維持し、限りある資源の有効活
用を図れる自動車用空気調和機の除塵脱臭フィルター及
び、その再生方法を提供すること。 【解決手段】 除塵フィルターと脱臭フィルターから構
成された空気調和機用の除塵脱臭フィルターにおいて、
脱臭用フィルターに多孔質の吸着材を含ませるととも
に、該脱臭用フィルターを空気調和機に着脱自在に装填
し、取外した脱臭用フィルターを加熱することにより付
着している臭気成分を分離除去し、この後に空気調和機
に再装填する。
することで、脱臭フィルターの再生を容易にしてその寿
命を延ばし、吸着効率を維持し、限りある資源の有効活
用を図れる自動車用空気調和機の除塵脱臭フィルター及
び、その再生方法を提供すること。 【解決手段】 除塵フィルターと脱臭フィルターから構
成された空気調和機用の除塵脱臭フィルターにおいて、
脱臭用フィルターに多孔質の吸着材を含ませるととも
に、該脱臭用フィルターを空気調和機に着脱自在に装填
し、取外した脱臭用フィルターを加熱することにより付
着している臭気成分を分離除去し、この後に空気調和機
に再装填する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機、特に
自動車の空気調和機に用いる除塵脱臭フィルターの構造
及び脱臭フィルターの再生システムに関するものであ
る。
自動車の空気調和機に用いる除塵脱臭フィルターの構造
及び脱臭フィルターの再生システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気調和機のフィルターは、客
室内に導入される空気質の改善を目的として取付けられ
る。このフィルターの寿命は、車の走行している地域の
環境に左右されるが、現状でおよそ半年から1年であ
る。使用を続けると徐々に吸着効率が低下する。客室内
の空気質を一定レベル以上に保つ期間を長く維持するた
めには、フィルターの大型化が要求される。しかし、こ
れはフィルターのコスト、通気抵抗、取付けの困難さの
増大を招くので望ましくない。従って、小型で吸着効率
の高いフィルターが求められる。
室内に導入される空気質の改善を目的として取付けられ
る。このフィルターの寿命は、車の走行している地域の
環境に左右されるが、現状でおよそ半年から1年であ
る。使用を続けると徐々に吸着効率が低下する。客室内
の空気質を一定レベル以上に保つ期間を長く維持するた
めには、フィルターの大型化が要求される。しかし、こ
れはフィルターのコスト、通気抵抗、取付けの困難さの
増大を招くので望ましくない。従って、小型で吸着効率
の高いフィルターが求められる。
【0003】フィルターは、除塵性能を持つフィルター
と、必要に応じて脱臭性能を持つフィルターにより構成
される。フィルターは一定期間毎に交換、廃棄を行なっ
ており、一般に再生操作は行なわれていない。
と、必要に応じて脱臭性能を持つフィルターにより構成
される。フィルターは一定期間毎に交換、廃棄を行なっ
ており、一般に再生操作は行なわれていない。
【0004】これに対し、脱臭フィルターを再生するア
イデアは、例えばSocietyof Automot
ive Engineers,Incの文献96094
3(題名:Low Back Pressure,Hi
gh EfficencyAutomotive Ca
bin Air Odor Filters)で開示さ
れている。これは自動車排気ガス浄化用触媒で一般的に
用いられているセラミック製のハニカム担体に活性炭を
付着させたものである。この活性炭塗布セラミックハニ
カムは、電気的に加熱して活性炭に吸着させた臭気成分
を除去するものである。加熱は、車にフィルターを取付
けた状態で行ない、その電源は車のバッテリー及び/又
は外部の電源の引込である。
イデアは、例えばSocietyof Automot
ive Engineers,Incの文献96094
3(題名:Low Back Pressure,Hi
gh EfficencyAutomotive Ca
bin Air Odor Filters)で開示さ
れている。これは自動車排気ガス浄化用触媒で一般的に
用いられているセラミック製のハニカム担体に活性炭を
付着させたものである。この活性炭塗布セラミックハニ
カムは、電気的に加熱して活性炭に吸着させた臭気成分
を除去するものである。加熱は、車にフィルターを取付
けた状態で行ない、その電源は車のバッテリー及び/又
は外部の電源の引込である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフィルターは次のような改良すべき問題点を
有している場合がある。
うな従来のフィルターは次のような改良すべき問題点を
有している場合がある。
【0006】 再生操作を行なわず、交換、廃棄を続
けることは、限りある資源の浪費に繋がる。
けることは、限りある資源の浪費に繋がる。
【0007】 再生できる脱臭フィルターのアイデア
では、脱臭フィルターの再生を車にフィルターを取付け
た状態で行なっている。加熱して脱離した臭気成分やゴ
ミ粒子をどこへ導くのかについて検討されていない。仮
に空気調和機の空気吹き出し口から出す場合には、これ
らが客室に広がってシートや天井やインパネに付着する
ことになる。望ましくない状態であることは論をまたな
い。特に、吸着した臭気成分の量は多いので、その付着
量はフィルターの使用中よりも多くなる恐れがある。客
室に脱離ガスが漂わないように、空気調和機の空気吹き
出し口に客室内から外にガスを導くダクトを取付けて処
理する場合でも、空気調和機内のエバポレーターやダク
トに有害ガスやゴミ粒子がへばりつき、その後の使用で
客室中に漂うおそれがある。
では、脱臭フィルターの再生を車にフィルターを取付け
た状態で行なっている。加熱して脱離した臭気成分やゴ
ミ粒子をどこへ導くのかについて検討されていない。仮
に空気調和機の空気吹き出し口から出す場合には、これ
らが客室に広がってシートや天井やインパネに付着する
ことになる。望ましくない状態であることは論をまたな
い。特に、吸着した臭気成分の量は多いので、その付着
量はフィルターの使用中よりも多くなる恐れがある。客
室に脱離ガスが漂わないように、空気調和機の空気吹き
出し口に客室内から外にガスを導くダクトを取付けて処
理する場合でも、空気調和機内のエバポレーターやダク
トに有害ガスやゴミ粒子がへばりつき、その後の使用で
客室中に漂うおそれがある。
【0008】 ガス等を取り出す専用の吹き出し口を
空気調和機内に設けることは、有害ガス成分等を車外の
大気に無秩序に放出することになり、環境保全の観点か
ら望ましくない場合がある。
空気調和機内に設けることは、有害ガス成分等を車外の
大気に無秩序に放出することになり、環境保全の観点か
ら望ましくない場合がある。
【0009】 また、セラミック担体に活性炭を塗布
した脱臭フィルターは、担体の構成材料の性質上脆く、
空気調和機の振動により破損のおそれがある。
した脱臭フィルターは、担体の構成材料の性質上脆く、
空気調和機の振動により破損のおそれがある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、空気調和機から取り外して再生で
きるようにすることで、脱臭フィルターの再生を容易に
してその寿命を延ばし、吸着効率を維持し、限りある資
源の有効活用を図れる自動車用空気調和機の除塵脱臭フ
ィルター及び、その再生方法を提供することを目的とす
る。
してなされたもので、空気調和機から取り外して再生で
きるようにすることで、脱臭フィルターの再生を容易に
してその寿命を延ばし、吸着効率を維持し、限りある資
源の有効活用を図れる自動車用空気調和機の除塵脱臭フ
ィルター及び、その再生方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気調和機に
組み込まれる除塵脱臭フィルターにおいて、前記除塵脱
臭フィルターが除塵フィルターと脱臭フィルターより構
成されており、前記脱臭用フィルターが、多孔質の吸着
材を含むとともに、空気調和機に脱着自在に取付けられ
ていることを特徴とする。
組み込まれる除塵脱臭フィルターにおいて、前記除塵脱
臭フィルターが除塵フィルターと脱臭フィルターより構
成されており、前記脱臭用フィルターが、多孔質の吸着
材を含むとともに、空気調和機に脱着自在に取付けられ
ていることを特徴とする。
【0012】また、本発明は、除塵脱臭フィルターが、
除塵フィルターと脱臭フィルターとに分解できる構造で
あることを特徴とする。
除塵フィルターと脱臭フィルターとに分解できる構造で
あることを特徴とする。
【0013】また、本発明は、脱臭用フィルターが、活
性炭を主成分とするハニカムであることを特徴とする。
性炭を主成分とするハニカムであることを特徴とする。
【0014】また、本発明は、脱臭用フィルターが、担
体とその表面に塗布された吸着材よりなる構造であるこ
とを特徴とする。
体とその表面に塗布された吸着材よりなる構造であるこ
とを特徴とする。
【0015】また、本発明は、脱臭用フィルターが、ガ
スを流通させる多数の通気孔を有する構造であることを
特徴とする。
スを流通させる多数の通気孔を有する構造であることを
特徴とする。
【0016】また、本発明は、脱臭用フィルターが、担
体に固形分の主成分が活性炭及び/又はゼオライトであ
るスラリーを塗布されて固着されたものであることを特
徴とする。
体に固形分の主成分が活性炭及び/又はゼオライトであ
るスラリーを塗布されて固着されたものであることを特
徴とする。
【0017】また、本発明は、脱臭用フィルターの吸着
材が、活性炭及び/又はゼオライトを主な成分とする吸
着層と、必要ならば吸着した臭気成分を分解する触媒成
分を有することを特徴とする。
材が、活性炭及び/又はゼオライトを主な成分とする吸
着層と、必要ならば吸着した臭気成分を分解する触媒成
分を有することを特徴とする。
【0018】また、本発明は、脱臭用フィルターの担体
が、金属箔又は無機酸化物の不織布又は無機酸化物繊維
を漉いた紙で構成されるハニカム構造体及び金属又は/
及び無機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワイ
ヤーフレーム及び発泡金属のいずれかで構成されている
ことを特徴とする。
が、金属箔又は無機酸化物の不織布又は無機酸化物繊維
を漉いた紙で構成されるハニカム構造体及び金属又は/
及び無機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワイ
ヤーフレーム及び発泡金属のいずれかで構成されている
ことを特徴とする。
【0019】また、本発明は、脱臭用フィルターのセル
の密度が、1平方インチ当たり100〜800個の範囲
であることを特徴とする。
の密度が、1平方インチ当たり100〜800個の範囲
であることを特徴とする。
【0020】また、本発明は、触媒成分が、Pt,P
d,Rh,Ru,Ir,Os,Auからなる群から少な
くとも1種類の元素と、必要ならばAl,Ce,La,
Pr,Zr,Ba,K,Cs,Fe,Ni,Mn,Z
n,Cuからなる群から少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする。
d,Rh,Ru,Ir,Os,Auからなる群から少な
くとも1種類の元素と、必要ならばAl,Ce,La,
Pr,Zr,Ba,K,Cs,Fe,Ni,Mn,Z
n,Cuからなる群から少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする。
【0021】また、本発明は、脱臭用フィルターの触媒
成分が、Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Auか
らなる群の元素の量が吸着材の重量ベースで0.1wt
%以上25wt%以下であることを特徴とする。
成分が、Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Auか
らなる群の元素の量が吸着材の重量ベースで0.1wt
%以上25wt%以下であることを特徴とする。
【0022】また、本発明は、脱臭用フィルターの触媒
成分が、Al,Ce,La,Pr,Zr,Ba,K,C
s,Fe,Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の元素の
量が吸着材の重量ベースで25wt%以下であることを
特徴とする。
成分が、Al,Ce,La,Pr,Zr,Ba,K,C
s,Fe,Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の元素の
量が吸着材の重量ベースで25wt%以下であることを
特徴とする。
【0023】また、本発明の除塵脱臭フィルターの再生
方法は、除塵フィルターと脱臭フィルターから構成され
た空気調和機用の除塵脱臭フィルターにおいて、脱臭用
フィルターに多孔質の吸着材を含ませるとともに、該脱
臭用フィルターを空気調和機に着脱自在に装填し、取外
した脱臭用フィルターを加熱することにより付着してい
る臭気成分を分離除去し、この後に空気調和機に再装填
することを特徴とする。
方法は、除塵フィルターと脱臭フィルターから構成され
た空気調和機用の除塵脱臭フィルターにおいて、脱臭用
フィルターに多孔質の吸着材を含ませるとともに、該脱
臭用フィルターを空気調和機に着脱自在に装填し、取外
した脱臭用フィルターを加熱することにより付着してい
る臭気成分を分離除去し、この後に空気調和機に再装填
することを特徴とする。
【0024】また、本発明の除塵脱臭フィルターの再生
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターを
加熱して臭気成分を脱離分解する工程の少なくとも一部
に、フィルターを空気又は酸素を含むガスを流しながら
行なう過程を有することを特徴とする空気調和機用除塵
脱臭フィルターの再生方法。
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターを
加熱して臭気成分を脱離分解する工程の少なくとも一部
に、フィルターを空気又は酸素を含むガスを流しながら
行なう過程を有することを特徴とする空気調和機用除塵
脱臭フィルターの再生方法。
【0025】また、本発明の除塵脱臭フィルターの再生
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターを
加熱して臭気成分を脱離分解する工程の少なくとも一部
に、減圧しながら加熱することを特徴とする。
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターを
加熱して臭気成分を脱離分解する工程の少なくとも一部
に、減圧しながら加熱することを特徴とする。
【0026】また、本発明の除塵脱臭フィルターの再生
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターか
ら臭気成分を脱離分解する方法に、脱離したガスを処理
する酸化触媒を再生処理する設備を設けて、それに脱離
したガスを接触させることを特徴とする。
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターか
ら臭気成分を脱離分解する方法に、脱離したガスを処理
する酸化触媒を再生処理する設備を設けて、それに脱離
したガスを接触させることを特徴とする。
【0027】また、本発明の除塵脱臭フィルターの再生
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターの
洗浄に用いる酸が、硝酸、塩酸、硫酸からなる群から少
なくとも1種類の酸であることを特徴とする。
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターの
洗浄に用いる酸が、硝酸、塩酸、硫酸からなる群から少
なくとも1種類の酸であることを特徴とする。
【0028】また、本発明の除塵脱臭フィルターの再生
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターの
洗浄において、フィルターを漬けている洗浄液を加熱す
ることを特徴とする。
方法は、空気調和機から取り外した脱臭用フィルターの
洗浄において、フィルターを漬けている洗浄液を加熱す
ることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。空気調和機に組み込まれる除塵脱臭フィル
ターは、除塵フィルターと脱臭フィルターより構成され
ており、かつ、前記脱臭用フィルターが、多孔質の吸着
材を含む。この除塵脱臭フィルターは、空気調和機に脱
着自在に取付けられる。
に説明する。空気調和機に組み込まれる除塵脱臭フィル
ターは、除塵フィルターと脱臭フィルターより構成され
ており、かつ、前記脱臭用フィルターが、多孔質の吸着
材を含む。この除塵脱臭フィルターは、空気調和機に脱
着自在に取付けられる。
【0030】本発明の除塵脱臭フィルターの再生方法と
しては、 (1)脱臭フィルターを、加熱処理による破損、変形、
変質のおそれの無い材料で構成する。 (2)脱臭フィルターを車の空気調和機に取付けた状態
ではなく、そこから取り外して再生処理を行なう。 (3)加熱による分解をより低温で促進させるために、
脱臭フィルターに触媒成分を付加する。 (4)再生処理の手段として、加熱による有害成分の分
解、脱離及び/又は溶液による洗浄を用いる。
しては、 (1)脱臭フィルターを、加熱処理による破損、変形、
変質のおそれの無い材料で構成する。 (2)脱臭フィルターを車の空気調和機に取付けた状態
ではなく、そこから取り外して再生処理を行なう。 (3)加熱による分解をより低温で促進させるために、
脱臭フィルターに触媒成分を付加する。 (4)再生処理の手段として、加熱による有害成分の分
解、脱離及び/又は溶液による洗浄を用いる。
【0031】まず、脱臭フィルターの構成について説明
する。脱臭フィルターは、臭気成分を吸着することで脱
臭を行なう。吸着するための成分、即ち吸着材は、吸着
層として活性炭及び/又はゼオライドを主成分として含
み、その他に活性炭素繊維、シリカゲル、水酸化アルミ
ニウム、セピオライトを含みうる。活性炭素繊維はチョ
ップドの形状で採用される。なお、図1は本発明による
脱臭フィルターの一例のセルの拡大図を示すもので、担
体に吸着材を付着させた状態を示す説明図である。
する。脱臭フィルターは、臭気成分を吸着することで脱
臭を行なう。吸着するための成分、即ち吸着材は、吸着
層として活性炭及び/又はゼオライドを主成分として含
み、その他に活性炭素繊維、シリカゲル、水酸化アルミ
ニウム、セピオライトを含みうる。活性炭素繊維はチョ
ップドの形状で採用される。なお、図1は本発明による
脱臭フィルターの一例のセルの拡大図を示すもので、担
体に吸着材を付着させた状態を示す説明図である。
【0032】吸着層の材料は、その比表面積が大きいほ
ど吸着性能が向上する。しかし、吸着層の材料の比表面
積が1800m2 /g以上になると、その細孔容積が大
きくなるので脱離臭が強くなると同時に、嵩密度が小さ
くなるので吸着材の目付量が低下するという問題が発生
することがある。そのため、比表面積は800〜180
0m2 /gであることが望ましい。
ど吸着性能が向上する。しかし、吸着層の材料の比表面
積が1800m2 /g以上になると、その細孔容積が大
きくなるので脱離臭が強くなると同時に、嵩密度が小さ
くなるので吸着材の目付量が低下するという問題が発生
することがある。そのため、比表面積は800〜180
0m2 /gであることが望ましい。
【0033】また、吸着層の他に臭気成分を分解する触
媒成分を有することが望ましい。触媒成分は、臭気成分
の脱離分解処理の加熱工程の際に、その処理が低温、迅
速に行なえるように添加するものである。吸着すること
で低濃度の空気中の臭気成分が濃縮され、触媒成分の近
傍に存在するので、触媒が活性化すればその分解の効率
が高い。空気中に漂う臭気成分の濃度は通常ppbレベ
ルと低い上に、触媒の温度が低く反応が実質的に起こり
えない。
媒成分を有することが望ましい。触媒成分は、臭気成分
の脱離分解処理の加熱工程の際に、その処理が低温、迅
速に行なえるように添加するものである。吸着すること
で低濃度の空気中の臭気成分が濃縮され、触媒成分の近
傍に存在するので、触媒が活性化すればその分解の効率
が高い。空気中に漂う臭気成分の濃度は通常ppbレベ
ルと低い上に、触媒の温度が低く反応が実質的に起こり
えない。
【0034】触媒成分としては、Pt,Pd,Rh,R
u,Ir,Os,Auからなる群から少なくとも1種類
の元素と、必要ならばAl,Ce,La,Pr,Zr,
Ba,K,Cs,Fe,Ni,Mn,Zn,Cuからな
る群から少なくとも1種類の元素を上げることができ
る。これらの元素は、吸着した有害ガス成分の分解、主
に酸化分解を促進するものである。
u,Ir,Os,Auからなる群から少なくとも1種類
の元素と、必要ならばAl,Ce,La,Pr,Zr,
Ba,K,Cs,Fe,Ni,Mn,Zn,Cuからな
る群から少なくとも1種類の元素を上げることができ
る。これらの元素は、吸着した有害ガス成分の分解、主
に酸化分解を促進するものである。
【0035】Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,A
uからなる群の元素は、その量が吸着材の重量ベースで
0.1wt%以上25wt%以下であることが望まし
い。0.1wt%未満では添加効果が望めず、25wt
%以上では吸着材の量が少なくなって吸着能力が下がる
上に、これ以上添加しても効果は望めないからである。
Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Auからなる群
の元素の添加方法としては、例えばその元素の塩の水溶
液による吸着材への含浸や、Al,Ce,La,Pr,
Zr,Ba,K,Cs,Fe,Ni,Mn,Zn,Cu
の酸化物に含浸法で担持した後に吸着層の材料と混練す
る等の公知の方法を採用しうる。
uからなる群の元素は、その量が吸着材の重量ベースで
0.1wt%以上25wt%以下であることが望まし
い。0.1wt%未満では添加効果が望めず、25wt
%以上では吸着材の量が少なくなって吸着能力が下がる
上に、これ以上添加しても効果は望めないからである。
Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Auからなる群
の元素の添加方法としては、例えばその元素の塩の水溶
液による吸着材への含浸や、Al,Ce,La,Pr,
Zr,Ba,K,Cs,Fe,Ni,Mn,Zn,Cu
の酸化物に含浸法で担持した後に吸着層の材料と混練す
る等の公知の方法を採用しうる。
【0036】Al,Ce,La,Pr,Zr,Ba,
K,Cs,Fe,Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の
元素は、必要に応じて吸着材に添加する。その量は吸着
材の重量ベースで25wt%以下であることが望まし
い。これらの元素は通常酸化物として添加される。A
l,Ce,La,Pr,Zr,Ba,K,Cs,Fe,
Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の元素の添加方法と
しては、例えばその元素の塩の水溶液による吸着材への
含浸や、酸化物や塩の混ぜ込み等の公知の方法を採用し
うる。
K,Cs,Fe,Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の
元素は、必要に応じて吸着材に添加する。その量は吸着
材の重量ベースで25wt%以下であることが望まし
い。これらの元素は通常酸化物として添加される。A
l,Ce,La,Pr,Zr,Ba,K,Cs,Fe,
Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の元素の添加方法と
しては、例えばその元素の塩の水溶液による吸着材への
含浸や、酸化物や塩の混ぜ込み等の公知の方法を採用し
うる。
【0037】その他に、吸着特性の改善、向上のために
加熱すると脱離分解してしまう化合物、例えばアミノ基
を含む添着剤を吸着層に加える場合は、加熱等の脱離分
解処理後にその化合物又は塩の溶液による含浸及び賦活
処理を施すことができる。
加熱すると脱離分解してしまう化合物、例えばアミノ基
を含む添着剤を吸着層に加える場合は、加熱等の脱離分
解処理後にその化合物又は塩の溶液による含浸及び賦活
処理を施すことができる。
【0038】脱臭フィルターは、吸着材をその表面に固
着させる担体と、その表面に塗布した吸着材よりなる構
成及び/又は吸着材を主成分とし、それの糊として作用
するバインダーを含んだものを押し出し成形されてでき
る一体型の構成をとりうる。また、吸着フィルターは、
その通気抵抗が低く、且つ、接触効率が高いことが要求
されるので、空気を通過させる多数の通気孔(これをセ
ルという)を持つことが望ましい。
着させる担体と、その表面に塗布した吸着材よりなる構
成及び/又は吸着材を主成分とし、それの糊として作用
するバインダーを含んだものを押し出し成形されてでき
る一体型の構成をとりうる。また、吸着フィルターは、
その通気抵抗が低く、且つ、接触効率が高いことが要求
されるので、空気を通過させる多数の通気孔(これをセ
ルという)を持つことが望ましい。
【0039】担体を用いる場合、その構造としては、金
属箔及び無機酸化物の不織布又は無機酸化物繊維を漉い
た紙で構成されるハニカム構造体及び金属又は/及び無
機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワイヤーフ
レーム及び発泡金属のいずれかが望ましい。ワイヤーフ
レームの場合は、吸着材はワイヤーフレームの隙間にも
入るが問題はない。図2は、本発明による脱臭フィルタ
ーの別の例のセルの拡大図を示すもので、活性炭を主成
分とするハニカム構造体である ハニカム体及びハニカム構造のワイヤーフレーム(以下
断り無いかぎり、ハニカム体等と略する)にすることで
通気抵抗を低くできる。素材はいずれの担体の場合も、
望ましくは300℃までの熱が加えられても変形、破損
しないことが要求される。
属箔及び無機酸化物の不織布又は無機酸化物繊維を漉い
た紙で構成されるハニカム構造体及び金属又は/及び無
機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワイヤーフ
レーム及び発泡金属のいずれかが望ましい。ワイヤーフ
レームの場合は、吸着材はワイヤーフレームの隙間にも
入るが問題はない。図2は、本発明による脱臭フィルタ
ーの別の例のセルの拡大図を示すもので、活性炭を主成
分とするハニカム構造体である ハニカム体及びハニカム構造のワイヤーフレーム(以下
断り無いかぎり、ハニカム体等と略する)にすることで
通気抵抗を低くできる。素材はいずれの担体の場合も、
望ましくは300℃までの熱が加えられても変形、破損
しないことが要求される。
【0040】担体を用いない場合は、吸着材として活性
炭で構成されるハニカム構造体が望ましい。触媒成分
は、混練の際に加えることも、ハニカム構造体とした後
で塩の水溶液による含浸で担持してもよい。製造方法と
しては、例えば特開平8−103632号公報で開示さ
れている方法を用いることができる。
炭で構成されるハニカム構造体が望ましい。触媒成分
は、混練の際に加えることも、ハニカム構造体とした後
で塩の水溶液による含浸で担持してもよい。製造方法と
しては、例えば特開平8−103632号公報で開示さ
れている方法を用いることができる。
【0041】ハニカム体の製造方法としては、金属箔、
不織布、紙の場合はその一部をコルゲート加工して波板
形状とし、未加工の平板形状のものと共に巻き上げる方
法や、波板形状のものと平板形状のものを交互に積み重
ねるいわゆる積層する方法等の公知の方法を採用でき
る。この加工により多数のセルが形成される。金属又は
/及び無機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワ
イヤーフレームの場合は、繊維で網を作りハニカム体と
同様に巻き上げ、積層等の方法を用いた後に繊維で結わ
える方法等の公知の方法を採用しうる。ハニカム体等の
形状を固定、保持する方法としては、金属箔の場合は溶
接、ロウ付け、止め具による固定等の方法が、無機酸化
物の不織布や紙の場合は無機接着剤による固定等の方法
を採用しうる。なお、図3は本発明による脱臭フィルタ
ーの別の例の担体のセルの拡大図を示す。波付け加工し
た箔と平らな箔とを交互に積層した構造である。また、
図4は図3の担体に吸着材を付着させてなる脱臭フィル
ターのセルの拡大図である。
不織布、紙の場合はその一部をコルゲート加工して波板
形状とし、未加工の平板形状のものと共に巻き上げる方
法や、波板形状のものと平板形状のものを交互に積み重
ねるいわゆる積層する方法等の公知の方法を採用でき
る。この加工により多数のセルが形成される。金属又は
/及び無機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワ
イヤーフレームの場合は、繊維で網を作りハニカム体と
同様に巻き上げ、積層等の方法を用いた後に繊維で結わ
える方法等の公知の方法を採用しうる。ハニカム体等の
形状を固定、保持する方法としては、金属箔の場合は溶
接、ロウ付け、止め具による固定等の方法が、無機酸化
物の不織布や紙の場合は無機接着剤による固定等の方法
を採用しうる。なお、図3は本発明による脱臭フィルタ
ーの別の例の担体のセルの拡大図を示す。波付け加工し
た箔と平らな箔とを交互に積層した構造である。また、
図4は図3の担体に吸着材を付着させてなる脱臭フィル
ターのセルの拡大図である。
【0042】ハニカムのセルの断面形状としては、四
角、三角、丸等の一般に整流効果のあるハニカム体のセ
ル断面形状を採用しうる。
角、三角、丸等の一般に整流効果のあるハニカム体のセ
ル断面形状を採用しうる。
【0043】ハニカム体等のセルの密度は、1平方イン
チ当たり100個〜800個の範囲であることが望まし
い。100個以下では、吸着材に接触せずに通り抜け
る、いわゆるパススルーが起こりうるので望ましくな
い。800個以上は製造が困難で、セル密度を高くする
ことによる接触頻度の向上が少ない上に、通気抵抗の著
しい増大が起きるからである。
チ当たり100個〜800個の範囲であることが望まし
い。100個以下では、吸着材に接触せずに通り抜け
る、いわゆるパススルーが起こりうるので望ましくな
い。800個以上は製造が困難で、セル密度を高くする
ことによる接触頻度の向上が少ない上に、通気抵抗の著
しい増大が起きるからである。
【0044】ハニカム体等のセルの壁の厚みは、低通気
抵抗とハニカム体の形状保持の両面から決まるが、でき
る限り薄いことが望ましい。通常、20μm〜300μ
mの範囲である。
抵抗とハニカム体の形状保持の両面から決まるが、でき
る限り薄いことが望ましい。通常、20μm〜300μ
mの範囲である。
【0045】ハニカム体等の断面形状は、採用する空気
調和機の内部寸法に依存して変化しうるが、その厚みは
2ミリ〜30ミリくらいで、通常5ミリ〜15ミリくら
いである。
調和機の内部寸法に依存して変化しうるが、その厚みは
2ミリ〜30ミリくらいで、通常5ミリ〜15ミリくら
いである。
【0046】ハニカム体等への吸着材の塗布の方法とし
ては、吸着材と、必要ならば触媒成分を溶媒に分散させ
たスラリーを塗布する方法を用いることができる。分散
媒としては、水が望ましい。吸着材等をハニカム体等に
固着させるために、バインダーを用いることができる。
バインダーとしては、耐熱性のアルミナゾル、シリカゾ
ル、シリカ−アルミナゾル、粘土鉱物及びアクリルポリ
マー又はスチレン/ブタジエンポリマーを用いることが
望ましい。塗布する方法としては、ハニカム体等をスラ
リーに漬けて、そのセルにスラリーを導入した後に引き
上げて、エアブローによりセルを塞いでいる余分なスラ
リーを除く方法や、ハニカム体等にスラリーを上からか
けて下から減圧吸引してセルを塞いでいる余分なスラリ
ーを除く方法や、スラリーの溜まりにハニカム体等の下
端面を漬けて上から減圧吸引してスラリーを吸い上げる
といった方法を採用しうる。ハニカム体等に付着させた
スラリーを乾燥して、更に加熱して固着させる。付着量
は、ハニカム体等の容積1cc当たり0.2g以上、望
ましくは0.6g以上あることが望ましい。0.2g以
下では吸着材の寿命が短く、再生←→利用のインターバ
ルが短くなり、車の維持者にとって不便であり、望まし
くない。
ては、吸着材と、必要ならば触媒成分を溶媒に分散させ
たスラリーを塗布する方法を用いることができる。分散
媒としては、水が望ましい。吸着材等をハニカム体等に
固着させるために、バインダーを用いることができる。
バインダーとしては、耐熱性のアルミナゾル、シリカゾ
ル、シリカ−アルミナゾル、粘土鉱物及びアクリルポリ
マー又はスチレン/ブタジエンポリマーを用いることが
望ましい。塗布する方法としては、ハニカム体等をスラ
リーに漬けて、そのセルにスラリーを導入した後に引き
上げて、エアブローによりセルを塞いでいる余分なスラ
リーを除く方法や、ハニカム体等にスラリーを上からか
けて下から減圧吸引してセルを塞いでいる余分なスラリ
ーを除く方法や、スラリーの溜まりにハニカム体等の下
端面を漬けて上から減圧吸引してスラリーを吸い上げる
といった方法を採用しうる。ハニカム体等に付着させた
スラリーを乾燥して、更に加熱して固着させる。付着量
は、ハニカム体等の容積1cc当たり0.2g以上、望
ましくは0.6g以上あることが望ましい。0.2g以
下では吸着材の寿命が短く、再生←→利用のインターバ
ルが短くなり、車の維持者にとって不便であり、望まし
くない。
【0047】次に、再生方法について説明する。再生す
る前に脱臭を車より取り出す。車の中で再生すること
は、前述したように望ましくない。再生する脱臭フィル
ターは通常一体となっている。除塵フィルターと分離で
きる構造となっていることが望ましい。再生方法は、脱
臭フィルターの加熱工程を含む。加熱することで、効率
的に吸着した有害ガス成分等を脱離、分解させることが
できる。加熱は、温度が低い方が安全、エネルギー消費
の点から望ましく、温度は最大で300℃、望ましくは
150℃以下、処理時間としては5分以上2時間以内が
望ましい。加熱工程は常圧で行なっても、脱離、分解の
促進のために酸素を含むガスを通しながら、即ち酸化反
応条件で行なってもよく、水蒸気存在下で行なってもよ
く、又、減圧条件下、即ち有害ガス成分等が脱離しやす
い条件下で行なってもよい。もちろん、複数の条件を適
宜用いてもよい。
る前に脱臭を車より取り出す。車の中で再生すること
は、前述したように望ましくない。再生する脱臭フィル
ターは通常一体となっている。除塵フィルターと分離で
きる構造となっていることが望ましい。再生方法は、脱
臭フィルターの加熱工程を含む。加熱することで、効率
的に吸着した有害ガス成分等を脱離、分解させることが
できる。加熱は、温度が低い方が安全、エネルギー消費
の点から望ましく、温度は最大で300℃、望ましくは
150℃以下、処理時間としては5分以上2時間以内が
望ましい。加熱工程は常圧で行なっても、脱離、分解の
促進のために酸素を含むガスを通しながら、即ち酸化反
応条件で行なってもよく、水蒸気存在下で行なってもよ
く、又、減圧条件下、即ち有害ガス成分等が脱離しやす
い条件下で行なってもよい。もちろん、複数の条件を適
宜用いてもよい。
【0048】加熱は、フィルターの電気抵抗を利用した
ジュール熱の発生による方法でも、マイクロ波による方
法でも、熱風を発生させてフィルターのセルを通過させ
る方法でも、電気やガスによる炉に入れて外部から暖め
る方法のいずれでもよい。望ましくは、フィルターが過
加熱されて燃えだしたりしないように、温度制御できる
装置で実施することが望ましい。
ジュール熱の発生による方法でも、マイクロ波による方
法でも、熱風を発生させてフィルターのセルを通過させ
る方法でも、電気やガスによる炉に入れて外部から暖め
る方法のいずれでもよい。望ましくは、フィルターが過
加熱されて燃えだしたりしないように、温度制御できる
装置で実施することが望ましい。
【0049】加熱処理で脱臭フィルターは暖められる。
吸着材の触媒成分が含まれている場合は、臭気成分が分
解される。一部の臭気成分は蒸発する可能性がある。蒸
発した臭気成分は高温になるので、再生処理設備に分解
浄化用触媒を取付ければ、その処理も行なうことが可能
となる。蒸気となった臭気成分の分解浄化反応は、例え
ば公知の酸化触媒を用いることができる。なお、空気調
和機内での脱臭フィルター使用条件(温度:−20℃〜
60℃の範囲、通過ガス流量:最大9m3 /分)では、
分解反応の起きる触媒はほとんど存在しない。
吸着材の触媒成分が含まれている場合は、臭気成分が分
解される。一部の臭気成分は蒸発する可能性がある。蒸
発した臭気成分は高温になるので、再生処理設備に分解
浄化用触媒を取付ければ、その処理も行なうことが可能
となる。蒸気となった臭気成分の分解浄化反応は、例え
ば公知の酸化触媒を用いることができる。なお、空気調
和機内での脱臭フィルター使用条件(温度:−20℃〜
60℃の範囲、通過ガス流量:最大9m3 /分)では、
分解反応の起きる触媒はほとんど存在しない。
【0050】再生方法においては、上記の加熱工程以外
に酸を用いる洗浄工程を用いてもよい。また、洗浄液は
硝酸、塩酸、硫酸の水溶液から選ぶことができる。酸洗
浄で吸着した有害ガス成分等が溶出、分解される。酸洗
浄の際においては、溶出、分解を促進するために洗浄液
を加熱することが望ましい。再生処理が終わった脱臭フ
ィルターは、車の空気調和機に取付けられて再度使用さ
れうる。
に酸を用いる洗浄工程を用いてもよい。また、洗浄液は
硝酸、塩酸、硫酸の水溶液から選ぶことができる。酸洗
浄で吸着した有害ガス成分等が溶出、分解される。酸洗
浄の際においては、溶出、分解を促進するために洗浄液
を加熱することが望ましい。再生処理が終わった脱臭フ
ィルターは、車の空気調和機に取付けられて再度使用さ
れうる。
【0051】以下、本発明の実施例を、比較例を参照し
て詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。
て詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。
【0052】脱臭フィルターの製造について説明する。 《実施例1》 (担体の製造)厚さ20μmのステンレスフォイル(s
us304)の一部に波付け加工し、この波板形状の箔
を加工していない平らな箔と交互に積層して、セル密度
が400セル/平方インチで、200×200(断面寸
法)で厚さ10ミリのハニカム体を形成する。このハニ
カム体の端面をレーザーで溶接して箔同志を結合させ
る。
us304)の一部に波付け加工し、この波板形状の箔
を加工していない平らな箔と交互に積層して、セル密度
が400セル/平方インチで、200×200(断面寸
法)で厚さ10ミリのハニカム体を形成する。このハニ
カム体の端面をレーザーで溶接して箔同志を結合させ
る。
【0053】(吸着層の担体への固着)武田薬品工業
(株)製活性炭(粒状白鷲Gx)50重量部、ベーマイ
トアルミナゾル(アルミナとしての重量比率10%)5
0重量部を、振動ミルで混合してスラリーとし、これに
担体を浸漬する。担体をスラリーから取り出して、圧縮
空気でハニカム体のセルに詰まった余分なスラリーを吹
き飛ばす。その後120℃で30分間乾燥した後に、3
00℃で30分間焼成して、吸着材を容積1cm3当た
り0.6g付着させた脱臭フィルター1を得た。
(株)製活性炭(粒状白鷲Gx)50重量部、ベーマイ
トアルミナゾル(アルミナとしての重量比率10%)5
0重量部を、振動ミルで混合してスラリーとし、これに
担体を浸漬する。担体をスラリーから取り出して、圧縮
空気でハニカム体のセルに詰まった余分なスラリーを吹
き飛ばす。その後120℃で30分間乾燥した後に、3
00℃で30分間焼成して、吸着材を容積1cm3当た
り0.6g付着させた脱臭フィルター1を得た。
【0054】《実施例2》実施例1において、活性炭付
着量を容積1cm3 当たり0.8g付着させる以外は同
様にして、脱臭フィルター2を得た。
着量を容積1cm3 当たり0.8g付着させる以外は同
様にして、脱臭フィルター2を得た。
【0055】《実施例3》実施例1において、スラリー
の組成を、白金を活性炭の重量に対して2重量部担持し
た活性炭50重量部、ベーマイトアルミナゾル(アルミ
ナとしての重量比率10%)50重量部とする以外は同
様にして、脱臭フィルター3を得た。
の組成を、白金を活性炭の重量に対して2重量部担持し
た活性炭50重量部、ベーマイトアルミナゾル(アルミ
ナとしての重量比率10%)50重量部とする以外は同
様にして、脱臭フィルター3を得た。
【0056】《実施例4》実施例3において、白金を活
性炭の重量に対して10重量部担持する以外は同様にし
て、脱臭フィルター4を得た。
性炭の重量に対して10重量部担持する以外は同様にし
て、脱臭フィルター4を得た。
【0057】《実施例5》実施例1において、スラリー
の組成を、銀を活性炭の重量に対して2重量部担持した
活性炭50重量部、ベーマイトアルミナゾル(アルミナ
としての重量比率10%)50重量部とする以外は同様
にして、脱臭フィルター5を得た。
の組成を、銀を活性炭の重量に対して2重量部担持した
活性炭50重量部、ベーマイトアルミナゾル(アルミナ
としての重量比率10%)50重量部とする以外は同様
にして、脱臭フィルター5を得た。
【0058】《実施例6》実施例1において、スラリー
の組成を、活性炭45重量部、白金を担持したアルミナ
5重量部(白金の量はアルミナの重量に対して10重量
部)、ベーマイトアルミナゾル(アルミナとしての重量
比率10%)50重量部とする以外は同様にして、脱臭
フィルター6を得た。白金を担持したアルミナは、塩化
白金酸水溶液にコンデア社製アルミナSBa200を含
浸した後に、120℃で2時間乾燥、400℃で1時間
焼成したものである。
の組成を、活性炭45重量部、白金を担持したアルミナ
5重量部(白金の量はアルミナの重量に対して10重量
部)、ベーマイトアルミナゾル(アルミナとしての重量
比率10%)50重量部とする以外は同様にして、脱臭
フィルター6を得た。白金を担持したアルミナは、塩化
白金酸水溶液にコンデア社製アルミナSBa200を含
浸した後に、120℃で2時間乾燥、400℃で1時間
焼成したものである。
【0059】《実施例7》実施例6において、アルミナ
に担持する金属をパラジウム(アルミナに対して20重
量部)とする以外は同様にして、脱臭フィルター7を得
た。
に担持する金属をパラジウム(アルミナに対して20重
量部)とする以外は同様にして、脱臭フィルター7を得
た。
【0060】《実施例8》実施例6において、白金を担
持する化合物をジルコニアとする以外は同様にして、脱
臭フィルター8を得た。
持する化合物をジルコニアとする以外は同様にして、脱
臭フィルター8を得た。
【0061】《実施例9》実施例1において、スラリー
の組成を、活性炭45重量部、酸化銅5重量部、ベーマ
イトアルミナゾル(アルミナとしての重量比率10%)
50重量部とする以外は同様にして、脱臭フィルター9
を得た。
の組成を、活性炭45重量部、酸化銅5重量部、ベーマ
イトアルミナゾル(アルミナとしての重量比率10%)
50重量部とする以外は同様にして、脱臭フィルター9
を得た。
【0062】《実施例10》実施例1において、スラリ
ーの組成を、活性炭45重量部、酸化銅3重量部、セリ
ア2重量部、ベーマイトアルミナゾル(アルミナとして
の重量比率10%)50重量部とする以外は同様にし
て、脱臭フィルター10を得た。
ーの組成を、活性炭45重量部、酸化銅3重量部、セリ
ア2重量部、ベーマイトアルミナゾル(アルミナとして
の重量比率10%)50重量部とする以外は同様にし
て、脱臭フィルター10を得た。
【0063】《実施例11》実施例1において、ハニカ
ム体の厚さを20ミリとする以外は同様にして、脱臭フ
ィルター11を得た。
ム体の厚さを20ミリとする以外は同様にして、脱臭フ
ィルター11を得た。
【0064】《実施例12》実施例1において、ハニカ
ム体の厚さを5ミリとする以外は同様にして、脱臭フィ
ルター12を得た。
ム体の厚さを5ミリとする以外は同様にして、脱臭フィ
ルター12を得た。
【0065】《実施例13》実施例1において、ハニカ
ム体のセル密度を600セル/平方インチとする以外は
同様にして、脱臭フィルター13を得た。
ム体のセル密度を600セル/平方インチとする以外は
同様にして、脱臭フィルター13を得た。
【0066】《実施例14》微粉末である、木炭、石
炭、コークス、椰子がら、おがくず等の原料にピッチ、
粘土鉱物等の結合剤、賦活剤を加えて、水を媒体として
混練し、ハニカム状に成型して、脱臭フィルター14を
得た。この脱臭フィルターの寸法は脱臭フィルター1と
同じで、セル密度は400セル/平方インチ、セル壁厚
さは100μmである。
炭、コークス、椰子がら、おがくず等の原料にピッチ、
粘土鉱物等の結合剤、賦活剤を加えて、水を媒体として
混練し、ハニカム状に成型して、脱臭フィルター14を
得た。この脱臭フィルターの寸法は脱臭フィルター1と
同じで、セル密度は400セル/平方インチ、セル壁厚
さは100μmである。
【0067】《比較例1》実施例1において、活性炭の
付着量を容積1cm3 当たり0.2gとする以外は同様
にして、脱臭フィルター20を得た。
付着量を容積1cm3 当たり0.2gとする以外は同様
にして、脱臭フィルター20を得た。
【0068】《比較例2》実施例1において、セル密度
を50セル/平方インチとする以外は同様にして、脱臭
フィルター21を得た。
を50セル/平方インチとする以外は同様にして、脱臭
フィルター21を得た。
【0069】次に、脱臭フィルターの初期脱臭性能評価
について説明する。脱臭フィルターの脱臭性能について
測定した。即ち、脱臭フィルター1〜14及び比較例と
なる脱臭フィルター20,21を自動車の空気調和機の
通路内に配置し、その上流側に除塵フィルターを配置し
た。この自動車の室内に4名のパネラーを乗せて一般車
道を走行した。走行中のディーゼル車追走時の脱臭性能
について、パネラー4名により臭気強度を評価した。無
臭の場合を0、やっと感知できる臭いの場合を1、何の
臭いか分かる場合を2、楽に感知できる臭いの場合を
3、強い臭いの場合を4、強烈な臭いの場合を5とし、
パネラーの評価値を平均し、評価結果Aを得た。比較例
の脱臭フィルター20,21は、実施例の脱臭フィルタ
ー1〜14に比べて性能が劣る。
について説明する。脱臭フィルターの脱臭性能について
測定した。即ち、脱臭フィルター1〜14及び比較例と
なる脱臭フィルター20,21を自動車の空気調和機の
通路内に配置し、その上流側に除塵フィルターを配置し
た。この自動車の室内に4名のパネラーを乗せて一般車
道を走行した。走行中のディーゼル車追走時の脱臭性能
について、パネラー4名により臭気強度を評価した。無
臭の場合を0、やっと感知できる臭いの場合を1、何の
臭いか分かる場合を2、楽に感知できる臭いの場合を
3、強い臭いの場合を4、強烈な臭いの場合を5とし、
パネラーの評価値を平均し、評価結果Aを得た。比較例
の脱臭フィルター20,21は、実施例の脱臭フィルタ
ー1〜14に比べて性能が劣る。
【0070】次に、脱臭フィルターの劣化促進について
説明する脱臭フィルター1〜14及び比較例となるフィ
ルター20,21を自動車の空気調和機の通路内に配置
し、その上流側に除塵フィルターを配置した。この除塵
フィルターは、粒子径0.3μm以下の微粒子を50%
以上吸着する性能を有している。このようにした車で一
般道路を約2万キロ走行した。
説明する脱臭フィルター1〜14及び比較例となるフィ
ルター20,21を自動車の空気調和機の通路内に配置
し、その上流側に除塵フィルターを配置した。この除塵
フィルターは、粒子径0.3μm以下の微粒子を50%
以上吸着する性能を有している。このようにした車で一
般道路を約2万キロ走行した。
【0071】次に、脱臭フィルターの使用後の脱臭性能
評価について説明する。初期脱臭性能評価法と同様な方
法で評価を行ない、評価結果Bを得た。比較例の脱臭フ
ィルター20,21は、実施例の脱臭フィルター1〜1
4に比べて性能が劣る。
評価について説明する。初期脱臭性能評価法と同様な方
法で評価を行ない、評価結果Bを得た。比較例の脱臭フ
ィルター20,21は、実施例の脱臭フィルター1〜1
4に比べて性能が劣る。
【0072】[再生処理1]次に、脱臭フィルターの再
生処理について説明する。劣化させた脱臭フィルターを
自動車から取り外し、電気炉で300℃、2時間加熱し
た。
生処理について説明する。劣化させた脱臭フィルターを
自動車から取り外し、電気炉で300℃、2時間加熱し
た。
【0073】[脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価
1]次に、脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価につ
いて説明する。初期脱臭性能評価法と同様な方法で評価
を行ない、評価結果Cを得た。評価結果A,B,Cを比
較すると、以下のように言える。 脱臭フィルター1〜14のAとCの値は同程度であ
り、再生の効果が得られたことを示す。
1]次に、脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価につ
いて説明する。初期脱臭性能評価法と同様な方法で評価
を行ない、評価結果Cを得た。評価結果A,B,Cを比
較すると、以下のように言える。 脱臭フィルター1〜14のAとCの値は同程度であ
り、再生の効果が得られたことを示す。
【0074】 比較例の脱臭フィルター20,21は
実施例の脱臭フィルター1〜14より脱臭性能が低く、
再生能力も小さいことを示す。
実施例の脱臭フィルター1〜14より脱臭性能が低く、
再生能力も小さいことを示す。
【0075】[再生処理2]劣化させた脱臭フィルター
の内、1、2、20、21を次の方法で再生した。・5
0℃、3規定の硝酸水溶液に30分浸漬した後に、水で
洗浄し、80℃に保った電気炉に10分入れて乾燥させ
た。
の内、1、2、20、21を次の方法で再生した。・5
0℃、3規定の硝酸水溶液に30分浸漬した後に、水で
洗浄し、80℃に保った電気炉に10分入れて乾燥させ
た。
【0076】・次に乾燥した脱臭フィルターを電気炉で
250℃、20分加熱した。 [脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価2]初期脱臭
性能評価法と同様な方法で評価を行ない、評価結果Dを
得た。 [評価結果] 脱臭フィルター A B D 1 1.50 3.75 1.50 2 1.25 3.50 1.50 比較例20 3.5 4.5 3.50 比較例21 3.75 4.75 3.50 [再生処理3]劣化させた脱臭フィルターの内、1、
2、20、21を次の方法で再生した。・50℃、6規
定の硝酸の混合水溶液に10分浸漬した後に、水で洗浄
し、80℃に保った電気炉に10分入れて乾燥させた。
250℃、20分加熱した。 [脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価2]初期脱臭
性能評価法と同様な方法で評価を行ない、評価結果Dを
得た。 [評価結果] 脱臭フィルター A B D 1 1.50 3.75 1.50 2 1.25 3.50 1.50 比較例20 3.5 4.5 3.50 比較例21 3.75 4.75 3.50 [再生処理3]劣化させた脱臭フィルターの内、1、
2、20、21を次の方法で再生した。・50℃、6規
定の硝酸の混合水溶液に10分浸漬した後に、水で洗浄
し、80℃に保った電気炉に10分入れて乾燥させた。
【0077】・次に乾燥した脱臭フィルターを電気炉で
300℃、30分加熱した。 [脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価3]初期脱臭
性能評価法と同様な方法で評価を行ない、評価結果Eを
得た。 [評価結果] 脱臭フィルター A B E 1 1.50 3.75 1.50 2 1.25 3.50 1.25 比較例20 3.5 4.5 3.50 比較例21 3.75 4.75 3.50
300℃、30分加熱した。 [脱臭フィルターの再生後の脱臭性能評価3]初期脱臭
性能評価法と同様な方法で評価を行ない、評価結果Eを
得た。 [評価結果] 脱臭フィルター A B E 1 1.50 3.75 1.50 2 1.25 3.50 1.25 比較例20 3.5 4.5 3.50 比較例21 3.75 4.75 3.50
【0078】
【表1】
【0079】本発明の除塵脱臭フィルターは、除塵フィ
ルターと脱臭フィルターより構成され、脱臭フィルター
は吸着材を含む。これにより、有害成分ガスやゴミ粒子
を車の客室に入り込みにくくして客室の空気質の向上を
図っている。
ルターと脱臭フィルターより構成され、脱臭フィルター
は吸着材を含む。これにより、有害成分ガスやゴミ粒子
を車の客室に入り込みにくくして客室の空気質の向上を
図っている。
【0080】脱臭フィルターは、加熱することで吸着し
た有害ガス成分の脱離分解を行なえるので、再度の使用
が可能となる。再生処理が可能なので、限りある資源の
有効利用が可能となる。
た有害ガス成分の脱離分解を行なえるので、再度の使用
が可能となる。再生処理が可能なので、限りある資源の
有効利用が可能となる。
【0081】吸着層に触媒成分を加えることで、加熱に
よる再生をより低温、短時間で行なえるようになる。脱
臭フィルターは、多数の空気を流通させるセルを有する
構成なので、通気抵抗も低くなる。加熱再生処理によ
り、脱臭フィルターに吸着していた有害ガス成分を分
解、脱離できるので、フィルターを小型化できる。以上
のごとく、本発明によれば、繰り返し使用が可能で結果
として長期間使用できる、性能の優れた脱臭フィルター
を提供できる。
よる再生をより低温、短時間で行なえるようになる。脱
臭フィルターは、多数の空気を流通させるセルを有する
構成なので、通気抵抗も低くなる。加熱再生処理によ
り、脱臭フィルターに吸着していた有害ガス成分を分
解、脱離できるので、フィルターを小型化できる。以上
のごとく、本発明によれば、繰り返し使用が可能で結果
として長期間使用できる、性能の優れた脱臭フィルター
を提供できる。
【0082】本発明の脱臭フィルターの再生方法は、車
から脱臭フィルターを取り外して処理を行なうので、車
の客室中に脱臭フィルターから脱離した有害ガス成分が
充満する不具合の発生を防ぐことができる。また、有害
ガス成分を車外に放出するためのデバイスを空気調和機
に改めて設ける必要がない。更に、有害ガス成分を車外
の大気に無秩序に放出することは、環境保全の観点から
望ましくない場合がある。
から脱臭フィルターを取り外して処理を行なうので、車
の客室中に脱臭フィルターから脱離した有害ガス成分が
充満する不具合の発生を防ぐことができる。また、有害
ガス成分を車外に放出するためのデバイスを空気調和機
に改めて設ける必要がない。更に、有害ガス成分を車外
の大気に無秩序に放出することは、環境保全の観点から
望ましくない場合がある。
【0083】本発明における脱臭フィルターの再生処理
は加熱工程を含むので、加熱された有害ガス成分を含む
ガスが発生する。このガスは温度が高いので、工場の空
気処理用に広く用いられている酸化触媒等公知の方法で
処理することが容易である。以上のごとく、本発明によ
れば、除塵脱臭フィルターの再生処理が容易に行なえ
る。
は加熱工程を含むので、加熱された有害ガス成分を含む
ガスが発生する。このガスは温度が高いので、工場の空
気処理用に広く用いられている酸化触媒等公知の方法で
処理することが容易である。以上のごとく、本発明によ
れば、除塵脱臭フィルターの再生処理が容易に行なえ
る。
【0084】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
除塵脱臭フィルターを用いれば、繰り返して再生できる
ので、限りある資源を有効に利用でき、フィルターの大
きさを小さくでき、再生処理を容易に実施できる。
除塵脱臭フィルターを用いれば、繰り返して再生できる
ので、限りある資源を有効に利用でき、フィルターの大
きさを小さくでき、再生処理を容易に実施できる。
【図1】本発明による脱臭フィルターの一例のセルの拡
大図を示す。担体に吸着材を付着させた状態である。
大図を示す。担体に吸着材を付着させた状態である。
【図2】本発明による脱臭フィルターの別の例のセルの
拡大図を示す。活性炭を主成分とするハニカム構造体で
ある。
拡大図を示す。活性炭を主成分とするハニカム構造体で
ある。
【図3】本発明による脱臭フィルターの別の例の担体の
セルの拡大図を示す。波付け加工した箔と平らな箔とを
交互に積層した構造である。
セルの拡大図を示す。波付け加工した箔と平らな箔とを
交互に積層した構造である。
【図4】図3の担体に吸着材を付着させてなる脱臭フィ
ルターのセルの拡大図である。
ルターのセルの拡大図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 空気調和機に組み込まれる除塵脱臭フィ
ルターにおいて、 前記除塵脱臭フィルターは除塵フィルターと脱臭フィル
ターより構成されており、 前記脱臭用フィルターが、多孔質の吸着材を含むととも
に、空気調和機に脱着自在に取付けられていることを特
徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項2】 請求項1に記載の除塵脱臭フィルター
が、 除塵フィルターと脱臭フィルターに分解可能な構造であ
ることを特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項3】 請求項1に記載の脱臭用フィルターが、 活性炭を主成分とするハニカムであることを特徴とする
空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項4】 請求項1に記載の脱臭用フィルターが、 担体とその表面に塗布された吸着材よりなる構造である
ことを特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項5】 請求項1に記載の脱臭用フィルターが、 ガスを流通させる多数の通気孔を有する構造であること
を特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項6】 請求項1に記載の脱臭用フィルターが、 担体に固形分の主成分が活性炭及び/又はゼオライトで
あるスラリーを塗布されて固着されたものであることを
特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項7】 請求項1に記載の脱臭用フィルターの吸
着材が、 活性炭及び/又はゼオライトを主な成分とする吸着層
と、必要ならば吸着した臭気成分を分解する触媒成分を
有することを特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルタ
ー。 - 【請求項8】 請求項4に記載の脱臭用フィルターの担
体が、 金属箔又は無機酸化物の不織布又は無機酸化物繊維を漉
いた紙で構成されるハニカム構造体及び金属又は/及び
無機酸化物の繊維で構成されるハニカム構造のワイヤー
フレーム及び発泡金属のいずれかで構成されていること
を特徴とする除塵脱臭フィルター。 - 【請求項9】 請求項5に記載の脱臭用フィルターのセ
ルの密度が、 1平方インチ当たり100〜800個の範囲であること
を特徴とする除塵脱臭フィルター。 - 【請求項10】 請求項7に記載の触媒成分が、 Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Auからなる群
から少なくとも1種類の元素と、必要ならばAl,C
e,La,Pr,Zr,Ba,K,Cs,Fe,Ni,
Mn,Zn,Cuからなる群から少なくとも1種類の元
素を含むことを特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィル
ター。 - 【請求項11】 請求項10に記載の脱臭用フィルター
の触媒成分が、 Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Auからなる群
の元素の量が吸着材の重量ベースで0.1wt%以上2
5wt%以下であることを特徴とする空気調和機用除塵
脱臭フィルター。 - 【請求項12】 請求項10に記載の脱臭用フィルター
の触媒成分が、 Al,Ce,La,Pr,Zr,Ba,K,Cs,F
e,Ni,Mn,Zn,Cuからなる群の元素の量が吸
着材の重量ベースで25wt%以下であることを特徴と
する空気調和機用除塵脱臭フィルター。 - 【請求項13】 除塵フィルターと脱臭フィルターから
構成された空気調和機用の除塵脱臭フィルターにおい
て、 脱臭用フィルターに多孔質の吸着材を含ませるととも
に、該脱臭用フィルターを空気調和機に着脱自在に装填
し、 取外した脱臭用フィルターを加熱することにより付着し
ている臭気成分を分離除去し、この後に空気調和機に再
装填することを特徴とする空気調和機用の除塵脱臭フィ
ルターの再生方法。 - 【請求項14】 請求項13の再生方法において、空気
調和機から取り外した脱臭用フィルターを加熱して臭気
成分を脱離分解する工程の少なくとも一部に、フィルタ
ーを空気又は酸素を含むガスを流しながら行なう過程を
有することを特徴とする空気調和機用除塵脱臭フィルタ
ーの再生方法。 - 【請求項15】 請求項13の再生方法において、空気
調和機から取り外した脱臭用フィルターを加熱して臭気
成分を脱離分解する工程の少なくとも一部に、減圧しな
がら加熱することを特徴とする除塵脱臭フィルターの再
生方法。 - 【請求項16】 請求項13又は14に記載の再生方法
において、 空気調和機から取り外した脱臭用フィルターから臭気成
分を脱離分解する方法に、脱離したガスを処理する酸化
触媒を再生処理する設備を設けて、それに脱離したガス
を接触させることを特徴とする除塵脱臭フィルターの再
生方法。 - 【請求項17】 請求項13に記載の再生方法におい
て、 空気調和機から取り外した脱臭用フィルターの洗浄に用
いる酸が、硝酸、塩酸、硫酸からなる群から少なくとも
1種類の酸であることを特徴とする除塵脱臭フィルター
の再生方法。 - 【請求項18】 請求項17に記載の再生方法におい
て、 空気調和機から取り外した脱臭用フィルターの洗浄にお
いて、フィルターを漬けている洗浄液を加熱することを
特徴とする脱臭用フィルターの再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9008371A JPH10202046A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 空気調和機用除塵脱臭フィルター及びその再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9008371A JPH10202046A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 空気調和機用除塵脱臭フィルター及びその再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10202046A true JPH10202046A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11691382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9008371A Pending JPH10202046A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 空気調和機用除塵脱臭フィルター及びその再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10202046A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009072786A (ja) * | 2008-12-19 | 2009-04-09 | Chikuno Life:Kk | 竹炭を用いた化学物質吸着材 |
WO2011055762A1 (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-12 | Nozaki Atsuo | 清浄フィルタ及びこれを用いた空気清浄装置並びに空気清浄維持システム |
KR101088068B1 (ko) | 2011-08-18 | 2011-11-30 | 김정호 | 폐수의 고형물 및 오일성분 처리용 고분자 필터 |
JPWO2020044490A1 (ja) * | 2018-08-30 | 2021-08-26 | 佐伯 午郎 | 吸気口用フィルタ |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP9008371A patent/JPH10202046A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009072786A (ja) * | 2008-12-19 | 2009-04-09 | Chikuno Life:Kk | 竹炭を用いた化学物質吸着材 |
WO2011055762A1 (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-12 | Nozaki Atsuo | 清浄フィルタ及びこれを用いた空気清浄装置並びに空気清浄維持システム |
CN102596265A (zh) * | 2009-11-04 | 2012-07-18 | 野崎淳夫 | 清洁过滤器以及使用了它的空气清洁装置和空气清洁维持系统 |
JP5793734B2 (ja) * | 2009-11-04 | 2015-10-14 | 野崎 淳夫 | 清浄フィルタ及びこれを用いた空気清浄装置並びに空気清浄維持システム |
US9463339B2 (en) | 2009-11-04 | 2016-10-11 | Atsuo Nozaki | Cleaning filter, air cleaning device using same, and air cleaning maintenance system |
KR101088068B1 (ko) | 2011-08-18 | 2011-11-30 | 김정호 | 폐수의 고형물 및 오일성분 처리용 고분자 필터 |
JPWO2020044490A1 (ja) * | 2018-08-30 | 2021-08-26 | 佐伯 午郎 | 吸気口用フィルタ |
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