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JPH10200693A - デジタルプリント方法 - Google Patents

デジタルプリント方法

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Publication number
JPH10200693A
JPH10200693A JP9003843A JP384397A JPH10200693A JP H10200693 A JPH10200693 A JP H10200693A JP 9003843 A JP9003843 A JP 9003843A JP 384397 A JP384397 A JP 384397A JP H10200693 A JPH10200693 A JP H10200693A
Authority
JP
Japan
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image
magnification
print
area
size
Prior art date
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Pending
Application number
JP9003843A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunobu Sakaguchi
口 恭 伸 阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9003843A priority Critical patent/JPH10200693A/ja
Priority to US09/006,399 priority patent/US5995201A/en
Publication of JPH10200693A publication Critical patent/JPH10200693A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のフィルムサイズのフィルム原稿に対して
も任意の複数のプリントサイズのプリントを得ることが
でき、同一フィルムサイズのフィルム原稿に対しては撮
影画像サイズが異なっていても高い生産性で高画質プリ
ントを得ることができ、トリミングを行なう場合でも画
質劣化のないもしくは少ない高画質画像を容易に得るこ
とのできるデジタルプリント方法を提供する。 【解決手段】非トリミング時には、フィルム原稿のフィ
ルムサイズに応じて光学倍率を固定してプリントサイズ
毎に電子倍率を切り換え、トリミング時には、光学倍率
の変更を優先する場合と電子倍率を変更する場合とを切
り換えて用い、好ましくは光学変倍が可能である限りは
光学倍率を切り換え、光学変倍ができない範囲では電子
倍率を変更することにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多様のフィルム原
稿の多様のサイズの画像を光電的に読み取り、デジタル
信号処理し、必要に応じてトリミング処理し、レーザな
どの光源を用いて感光材料を露光し、トリミングの有無
にかかわらず、所望のサイズのプリントを得るためのデ
ジタルプリント方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ネガフィルム、リバーサルフィル
ム等の写真フィルム原稿(以下、フィルム原稿または単
にフィルムという)に撮影された画像の印画紙等の感光
材料への焼き付けは、フィルム原稿の画像を感光材料に
投影して感光材料を面露光する、いわゆる直接露光によ
って行われている。
【0003】これに対し、近年では、デジタル露光を利
用する焼付システム、すなわち、フィルムに記録された
画像情報を光電的に読み取って、読み取った画像をデジ
タル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画
像情報とし、この画像情報に応じて変調した記録光によ
って感光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、現
像してプリントとするデジタルプリントシステムが提案
され、このシステムを具体的に実施するデジタルフォト
プリンタの開発が進んでいる。
【0004】デジタルプリンタシステムでは、複数画像
の合成や画像の分割等の編集や文字と画像との編集等の
プリント画像の編集レイアウトや、色/濃度調整、変倍
率、輪郭強調等の各種の画像処理も自由に行うことがで
き、用途に応じて自由に編集および画像処理した仕上り
プリントを出力することができる。また、従来の直接露
光によるプリントシステムでは、濃度分解能、空間分解
能、色/濃度再現性等の点で、フィルム等に記録されて
いる画像濃度情報をすべて再生することはできないが、
デジタルフォトプリンタによればフィルムに記録されて
いる画像濃度情報をほぼ100%再生したプリントが出
力可能である。さらに、デジタルプリンタシステムによ
れば、各フィルムに記録された画像の画像情報やそれに
対する画像処理条件を、装置が有するメモリやフロッピ
ーディスク等の外部メモリに記憶(保存)しておくこと
が可能であるので、焼き増し等を行う際に、原画となる
フィルムが不要であり、また、再度処理条件を設定する
必要がないので、迅速かつ効率良く焼き増し等の作業を
行うことができる。
【0005】このようなデジタルフォトプリントシステ
ムやデジタルフォトプリンタは、基本的に、フィルム等
の原稿に記録された画像をイメージセンサ等によって光
電的に読み取る画像入力装置、読み取った画像を表示す
る表示装置、読み取った画像を画像処理して画像記録の
露光条件を決定する画像処理装置、および決定された露
光条件に従って感光材料を走査露光して現像処理を施す
プリントを得る画像記録装置より構成される。そして、
本出願人は、このようなデジタルプリントシステムを実
現するための装置や方法を特開平6−217091号、
同6−233052号、同6−245062号の各公報
に提案し、また、同公報においてデジタルフォトプリン
タの装置の概要を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した、
あるいは今まで提案されたデジタルプリントシステムや
デジタルフォトプリンタにおいては、イメージセンサで
読み取った原稿画像をモニタなどの表示手段に表示して
いる。しかし、フィルム原稿の担持画像がイメージセン
サで読み取られて、最終的に露光現像してプリントにな
るまでには、様々なプロセスがあるため、モニタ画面に
表示された画像領域とプリントの再生画像領域とが必ず
しも一致するわけではない。また、このような不一致
は、トリミングを行う場合にも同様に発生する。さら
に、従来のデジタルプリントシステムには、例え、プリ
ント仕上り領域をモニタに表示することができるもので
あっても、様々なプロセスで発生する画像の欠損、いわ
ゆる「けられ」が十分に勘案されておらず、モニタに表
示された仕上り領域とプリントの画像領域とが完全に一
致するとはいえないという問題があった。
【0007】また、このような不一致の問題ばかりでな
く、フィルム原稿には多様な種類とサイズ、例えばネガ
フィルムやリバーサルフィルムなどや、135サイズや
240サイズなどがあるし、同一のフィルムサイズであ
っても、多様な撮影画像サイズ、例えばフルサイズ
(F)やハイビジョンサイズ(H)やパノラマサイズ
(P)などがあるため、イメージセンサへのフィルム原
稿の投影の方法によっては、例えば投影像の大きさを決
める光学倍率の設定の仕方によっては、フィルム原稿の
担持画像の周辺部分がイメージセンサの有効画素領域か
らはみ出して、必要な周辺部分が欠けたプリントになっ
たり、逆に投影画像がイメージセンサの有効画素領域に
比べて小さく、十分な入力画素数の画像信号が得られ
ず、画像処理によって大きく拡大して出力画素数を増加
するため、プリントに再生された画像がボケた感じにな
りやすく、プリントの画質の精細度が劣化してしまうと
いう問題もあった。また、フィルム原稿の担持画像に対
してトリミングを行う場合、光学倍率が固定されている
と、画像処理によって大きく拡大することになり、プリ
ント再生画像のボケや画質の劣化がさらに顕著になると
いう問題があった。また、対象とするフィルム原稿の種
類やサイズに加え、同一のフィルム原稿に撮影された画
像サイズが複数である場合や、仕上りプリントサイズが
複数で、フィルム原稿の種類やサイズや撮影画像サイズ
に依存せず任意に設定可能なデジタルプリントシステム
においては、上述した種々の問題が、さらに生じ易く、
調整が難しいという問題もあった。さらに、このような
デジタルプリントシステムにおいて、フィルム原稿の担
持画像を適切に最大限読み取るために、読み取るべき画
像のサイズに応じて光学倍率を変えると、同一フィルム
サイズにおいても、異なる撮影画像サイズの画像がある
ことから、同一フィルムにおいてもその都度、光学倍率
調整や焦点調整が必要となり、生産性が上がらないとい
う問題があった。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、異なる複数のフィルムサイズのフィルム原稿の
異なるサイズの複数の担持画像に対しても複数のサイズ
のプリントが可能であり、いずれのフィルムサイズのフ
ィルム原稿のいずれのサイズの担持画像であっても、ま
たトリミングを行う場合であっても、その担持画像また
はそのトリミング領域の画像を最大限度にイメージセン
サで読み取ることができ、任意のプリントサイズに対し
ても画質の劣化を招かない、または最も小さい電子倍率
で画像処理して高精細な画質を確保することができ、フ
ィルム原稿のプリントへの再現精度の高い、しかも、生
産性の高いデジタルプリント方法を提供するにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、上記目的に加
え、トリミングに際しても、イメージセンサによる読取
画像とともに、プリントサイズに従って、画像処理によ
る画素欠損を加味した仕上り領域を示す基準線をモニタ
に表示することにより、従って、読取画像および表示線
の少なくとも一方を変倍することにより、トリミング画
像を基準線内の領域に一致させることが容易であり、そ
の確認も容易であり、トリミング作業を容易かつ正確に
行うことのできるデジタルプリント方法を提供するにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の複数のフィルムサイズのフィルム原稿の複
数の画像サイズの担持画像をズームレンズで投影して、
イメージセンサで光電的に読み取り、デジタル画像処理
を行い、得られたデジタル画像信号に基づいて感光材料
を露光し、現像処理して、複数のプリントサイズの再生
画像を持つプリントを得ることのできるデジタルプリン
ト方法において、前記フィルム原稿の担持画像の中の所
望サイズの読み取るべき画像を前記イメージセンサの有
効画素領域内に投影する光学倍率および前記再生画像を
プリントすべき所望のプリントサイズから決定される出
力画素領域と前記イメージセンサの有効画素領域から決
定される入力画素領域とからデジタル画像処理による画
素欠損を考慮して決定される電子倍率の少なくとも一方
を切り換えて、前記フィルム原稿の前記所望サイズの読
み取るべき画像を前記所望プリントサイズの再生画像を
持つプリントとして出力するためのプリント倍率を切り
換えるに際し、前記イメージセンサの有効画素領域に読
み取られた前記フィルム原稿の担持画像とともに、前記
出力画素領域および前記電子倍率に基づいて前記画素欠
損を考慮して前記有効画素領域から切り出す切り出し画
素領域を前記プリントサイズに対応した前記プリントの
仕上り領域として示す基準線をモニタに表示するととも
に、トリミングをしない場合には、前記光学倍率を前記
フィルム原稿のフィルムサイズに応じて予め設定された
値に固定し、前記電子倍率を前記フィルム原稿の担持画
像の画像サイズに応じて切り換えて前記プリント倍率を
所望の値に設定し、トリミングをする場合には、前記モ
ニタに表示された画像と前記仕上り領域を表わす前記基
準線によって示されるトリミング領域を目視しながら、
前記電子倍率を切り換えて前記基準線内の領域を変倍す
るよりも、前記ズームレンズ操作による前記光学倍率の
切り換えを優先して行って、前記モニタに表示される画
像を変倍して前記基準線内のトリミング領域に前記所望
サイズの読み取るべき画像を一致させる場合と、前記光
学倍率を切り換えて前記モニタに表示される画像を変倍
するよりも、前記電子倍率を切り換えて、前記モニタに
表示される前記基準線内の領域を変倍し前記トリミング
領域を前記所望サイズの読み取るべき画像に一致させる
場合とを切り換えて前記プリント倍率を所望の値に設定
することを特徴とするデジタルプリント方法を提供する
ものである。
【0011】前記プリントの再生画像の面積または長さ
もしくは前記トリミング時に設定される前記電子倍率に
応じて、前記イメージセンサによる前記フィルム原稿の
担持画像の読取画素密度を切り換えて前記プリント倍率
を切り換えるのが好ましい。
【0012】また、前記トリミング時、前記ズームレン
ズ操作による前記光学倍率の切り換えが可能な低プリン
ト倍率においては、前記光学倍率を優先した前記プリン
ト倍率の切り換えが行われ、前記ズームレンズ操作によ
る前記光学倍率の切り換えができない範囲内において
は、前記光学倍率を固定し、前記電子倍率の切り換えに
よる前記プリント倍率の切り換えが行われるのが好まし
い。
【0013】または、前記トリミング時、設定された前
記電子倍率に応じて、前記光学倍率による前記プリント
倍率の切り換えと前記電子倍率による前記プリント倍率
の切り換えとを使い分けるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るデジタルプリント方
法を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細
に説明する。
【0015】図1は、本発明のデジタルプリント方法を
実施するデジタルプリント装置の一実施例をブロック図
で示す概略図である。図1に示すデジタルプリント装置
10は、異なるフィルムサイズのフィルム原稿の異なる
画像サイズの担持画像を光電的に読み取る画像入力装置
12と、画像入力装置12での読み取り条件の設定やこ
れに基づく画像入力装置12の制御、特に本発明での光
学倍率や電子倍率や読取画素密度の切り換えによるイメ
ージセンサ変換倍率の設定、変更および調整、ならびに
読み取り画素領域や切り出し画素領域の決定、読み取ら
れた画像信号の画像処理、および画像処理条件の自動設
定(オートセットアップ)などを行う制御装置14と、
制御装置14で処理された画像信号に基づいて感光材料
に画像露光し、現像処理して再生画像を担持するプリン
トを出力する画像出力機16と、画像入力装置12で読
み取られた原稿画像を表示し、画像出力機16で出力さ
れるプリントサイズに応じて、再生される画像の領域
や、トリミング領域を表示する画像表示装置(モニタ)
18と、画像入力装置12で読み取られた原稿画像の画
像信号、または制御装置14によって処理された、ある
いは画像出力機16で用いられる画像信号、さらには画
像処理条件や露光条件や感光材料の処理条件などを記憶
するサーバーやHDなどや、もしくはMO(光磁気記録
媒体)あるいは磁気テープやFDなどの磁気記録媒体と
そのドライバから構成される外部記憶装置20と、光学
倍率やプリント倍率やイメージセンサ変換倍率などを始
めとする様々な条件の設定や処理の選択や、補正などの
情報を入力するためのキーボード22aやマウス22b
などのデータ入力装置22とを有する。
【0016】図2に示す画像入力装置(以下、入力装置
とする)12は、長尺なネガフィルムもしくはリバーサ
ルフィルムであり多数の画像が撮影されているストリッ
プスや、通常は1枚のリバーサルフィルムを枠体(マウ
ント)に固定してなるスライドなどの種類やサイズの異
なるフィルムををフィルム原稿として、これらのフィル
ム原稿に撮影された画像を光電的に読み取る装置であっ
て、基本的に、光学フレーム13、光源部24、キャリ
アベース26、ズームレンズが組み込まれた結像部2
8、エリアセンサであるイメージセンサ30およびキャ
リアベース26に互いに交換自在に装着されるフィルム
キャリア32、スライドキャリア34(図3参照)およ
びトリミングキャリア160(図4〜6参照)などのキ
ャリアを有する。この入力装置12においては、キャリ
アベース26に装着されたフィルムキャリア32または
スライドキャリア34によって、図中矢印x方向にスト
リップスAまたはスライドBを搬送して読取位置Zで停
止し、光源部24からの光をフィルム原稿画像に照射し
て、フィルム原稿に撮影された画像を担持する投影光を
得、結像部28において投影光をイメージセンサ30に
結像し、イメージセンサ30において光電変換して画像
信号を得ることにより、フィルム原稿に撮影された画像
を画像信号として二次元的に読み取る。なお、このよう
な入力装置12の制御は、後述する制御装置14の入力
制御部70(図4および図5参照)によって行われる。
【0017】光源部24は、イメージセンサ30でフィ
ルム原稿画像をR,G,Bの3原色に分解して高精度に
読み取ることができるようにフィルム原稿(ストリップ
スAまたはスライドB)を照射するための均一拡散した
十分な光量を持つ各色光を作り出すものであって、図示
例の入力装置12において、ストリップスAを下方から
照射して投影光を得ており、光学フレーム13のキャリ
アベース26の下に位置し、光源35、リフレクタ35
a、絞り36、色フィルタ38、および拡散ボックス4
0を有する。また、光源部24には、これ以外にも光源
35等の各種の部材を冷却する冷却ファン等が配置され
ており、さらに、必要に応じて、光源35から射出する
光を遮蔽するためのシャッタを設けてもよい。光源35
としては、イメージセンサ30による画像読取に十分な
光量の読取光を射出できる各種の公知の光源が利用可能
であり、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水
銀灯などが例示される。
【0018】絞り36は、光源35からの光量を調節す
るものであり、図示例においては、遮光部分で対数曲線
が描かれた、光軸Lに直交する方向で通過光量の異なる
2枚のNDフィルタを用い、光軸Lに直交する方向に互
いに接離することにより、光源35からフィルムに至る
光量を調節する。色フィルタ38は、円盤状の部材にR
(赤)フィルタ、G(緑)フィルタおよびB(青)フィ
ルタの3枚の色フィルタを有し、画像読取時には、その
中心軸を図示しない回転手段によって回転させることに
よって光軸Lに作用するフィルタの色を切り換え、Rフ
ィルタ、GフィルタおよびBフィルタを順次光路Lに挿
入して、フィルム原稿に撮影された画像をR、Gおよび
Bの3原色に分解して読み取る。拡散ボックス40は、
光源35から射出され、絞り36によって光量を調整さ
れて、色フィルタを通過した読取光を拡散して、フィル
ムに入射する読取光の光量等を光軸Lと直交する面でム
ラなく均一にするためのもので、図示例においては、内
面が鏡面である四角柱の上下面に拡散板を配置した構成
を有するものであるが、これ以外にも公知の光拡散手段
が各種利用可能である。
【0019】光源部24の上方には、キャリアベース2
6が配置される。キャリアベース26は、その上面にフ
ィルムキャリア32または後述するスライドキャリア3
4またはトリミングキャリア160などを載置して、所
定の位置に保持する部位であり、光学フレーム13に対
して垂直に固定されている。キャリアベース26には、
光軸Lに対応する部分に、光源部24からの光を通過さ
せるための開口(図示せず)が形成されている。なお、
この開口は、入力装置12において光源部24からの光
がイメージセンサ30で読み取り可能なフィルム原稿の
最大画像面寸法(サイズ)の全面に十分に照射されるよ
うに、最大画面サイズに応じて設定される。
【0020】キャリアベース26の上面には、図中手前
側から光学フレーム12に向かう方向、すなわち前記搬
送方向となる矢印x方向と直交する矢印y方向に、案内
レール42,42が形成され、一方、フィルムキャリア
32、スライドキャリア34およびトリミングキャリア
160の底面には、案内レール42,42と嵌合する溝
44、44が形成されている。フィルムキャリア32、
スライドキャリア34およびトリミングキャリア160
は、いずれも、それらの溝44、44をキャリアベース
26の案内レール42、42に嵌合させて、矢印y方向
に図中奥側の端面が光学フレーム13に当接するまで押
し込んで固定することにより、矢印xおよび矢印y方向
の位置が規定され、キャリアベース26上の所定位置に
位置決めされて図示しないロック機構により固定され
る。またこれらのキャリア32、34は、図中手前の方
向に引き、その溝44、44を案内レール42、42か
ら抜くことにより、キャリアベース26から取り外し、
互いに極めて容易に交換することができる。なお、キャ
リアベース26上の所定位置にフィルムキャリア32や
スライドキャリア34やトリミングキャリア160等を
装着する手段は、特に限定されない。
【0021】フィルムキャリア32は、多数の画像が撮
影された長尺のネガフィルムもしくはリバーサルフィル
ム、いわゆるストリップス(スリーブ)Aをその長手方
向に搬送して、ストリップスAに撮影された各画像を光
軸L上の所定位置、すなわち図示しないキャリアベース
26の開口に対応する読取位置Zに順次搬送して、読み
取りに供するものである。フィルムキャリア32の上面
には、矢印xで示される搬送方向でかつ光軸Lと交わる
位置に端部から端部まで延在して案内溝46が形成され
ている。案内溝46は、ストリップスAとほぼ同じ幅を
有する溝であって、ストリップスAは、案内溝46に挿
入された状態で、長手方向をx方向と一致して搬送さ
れ、各画像が順次、光軸L上の読取位置Zに搬送され
る。従って、この案内溝46の深さは、ストリップスA
の画像面(すなわち乳剤面)が光軸L方向(焦点深度方
向)の所定位置になるようにされる。
【0022】さらに、フィルムキャリア32の読取位置
Zには、光源部24からの光が通過するための開口(図
示せず)が形成されている。この開口は、入力装置12
においてイメージセンサ30で読み取るフィルム原稿の
画像のサイズを決めるマスクとして機能するもので、こ
の開口の形状および大きさ(サイズ)、すなわちマスク
の開口領域のサイズは、このフィルムキャリア32に設
置されるフィルム原稿、例えば135サイズのストリッ
プスAの画面寸法(サイズ)に応じて、画像のけられが
最も小さくなるように、画面サイズにぎりぎり内接する
ように設定される。なお、フィルムキャリア32の読取
位置Zの開口は、上述したキャリアベース26の開口と
は同一の光軸L上の異なる所定位置を占めており、光源
部24から射出され、キャリアベース26の開口を通過
した光は、いかなる画面サイズのフィルム原稿を設置す
るフィルムキャリア32が設置されても、その開口全面
を十分に照射できるのは当然のことである。従って、光
源部24から射出され、マスクによって規定された光
は、入力装置12で読み取り可能な原稿画像の画面サイ
ズの全面を十分に照射できる。なお、フィルムキャリア
32に形成する開口をキャリアベース26の開口に対応
するサイズとして、各種サイズのフィルムに対応するマ
スクを交換してフィルムキャリア32に装着可能な構成
としてもよい。
【0023】案内溝46には、x方向の上流から下流に
向かって、ストリップスAの搬送手段48、フィルム圧
着ユニット50および画面検出センサ52が配置され
る。搬送手段48は、モータ48aと搬送ローラ48b
とから構成され、ストリップスAを矢印x方向に断続搬
送するもので、撮影されている画像やDXコードを検出
するための画面検出センサ52によってストリップスA
の画像が読取位置Zに来たことを検知したら停止し、制
御装置14から読み取り終了の信号を受けたら再度スト
リップスAの搬送を開始し、次の画像を読取位置Zに搬
送する。フィルム圧着ユニット50は、回動軸50aを
中心にストリップスAの投影光が通過するための開口が
形成された圧着部材50bを矢印bと逆方向に回動し
て、画像読取時に読取位置Zに配置されたストリップス
Aを案内溝46に圧着することにより、ストリップスA
のカール等を矯正して画像全面を光軸L方向の所定位
置、すなわち原稿設置位置に保持するものである。な
お、フィルムキャリア32におけるストリップスAの搬
送およびフィルム圧着ユニット50の作動は、上述の例
のように画面検出センサ52等を用いて自動で制御する
ものに限定はされず、半自動的あるいはオペレータが手
動で圧着部材50bの回動および/または搬送手段48
の停止・駆動を行ってもよい。
【0024】図3に示すスライドキャリア34は、図2
に示すフィルムキャリア32と交換でキャリアベース2
6に装着して、画像が撮影されたフィルムを枠体で保持
してなる、いわゆるスライドBを矢印x方向に搬送して
撮影位置Zに停止して画像読取に供し、かつ読み取りを
終了したスライドBを収集するものである。スライドキ
ャリア34の上面には、矢印xで示されるスライドBの
搬送方向でかつ光軸Lと交わる位置に端部から端部まで
延在して、スライドBを案内する案内溝54が形成され
る。この案内溝54の深さは、スライドBの画像面が、
ほぼ光軸L方向(焦点深度方向)の所定位置になるよう
に設定される。さらに、スライドキャリア34には、フ
ィルムキャリア22と同様に、光源部24からの光が通
過するためのマスクとして機能する開口が読取位置Zに
形成されている。なお、フィルムキャリア22と同様、
マスクを別体として、スライドBのサイズに応じて交換
可能に構成してもよい。
【0025】スライドキャリア34の上面の読取位置Z
の近傍にはカバー56が配置されている。カバー56
は、上面にスライドBの投影光が通過する通過孔56a
が形成され、通常の読取時には読取位置Zにあるスライ
ドBを覆うが、図中矢印c方向に回動でき、必要に応じ
て、読取位置Zを開放できる。カバー56の下方には図
示されていないが、若干幅広になった案内溝54の部分
を有し、その入り口や読取位置Zの近傍にはオペレータ
によって送入されたスライドBや搬送手段によって自動
的に搬送されたスライドBの先端を検出するセンサが配
置され、さらに、案内溝54幅広部の両側には、スライ
ドBを搬送するためのローラが、それぞれ複数個、例え
ば6個ずつ配置され、上側のローラは、図示しない駆動
源によって所定速度で回転するスライドBの搬送ローラ
で、下側のローラは、ばねなどの付勢手段によってスラ
イドBを上方に付勢可能な従動ローラで構成される。な
お、読取位置Zには、必要に応じて、読取時に、その先
端部でスライドBを案内溝54に押圧し、スライドB
(その枠体)の歪や浮き上がり等を矯正するスライド押
さえが配置されていても良い。
【0026】カバー56の搬送(矢印x方向)下流側に
は、読み取りの終了したスライドBを回収するためのス
ライド回収箱58が配置される。図示例のスライド回収
箱58は、既に回収されたスライドBの下に潜り込ませ
て、スライドBを収納するように構成されており、読み
取りの終了したスライドBは、順次下方から積層されて
回収される。なお、スライド回収箱58は、これ以外に
も、後から搬送されるスライドBの押動により落下した
スライドBを収容する箱等であってもよい。
【0027】一方、図4〜6に示すトリミングキャリア
160は、図2に示すフィルムキャリア32または図3
に示すスライドキャリア34と変換してキャリアベース
26に装着して用いられるもので、ストリップスAまた
はスライドBを任意の位置に保持して、ストリップスA
またはスライドBの画像の任意の位置を切り出して拡大
する、トリミングを行うためのキャリアである。トリミ
ングキャリア160は、キャリア本体162(図4参
照)と、ベース164と、スライド保持板166(図5
参照)と、スライド保持板166と交換使用されるスト
リップス保持板168(図6参照)とを有する。図4に
示すように、キャリア本体162は、前記フィルムキャ
リア32のキャリア本体と同様の外観形状を有する矩形
体で、その底面には案内レール42,42に対応して溝
44,44が形成されている。また、キャリア本体16
2には、これを貫通して、光源部24からの読取光が通
過するための貫通孔170が形成される。さらに、キャ
リア本体162の上面には、貫通孔170をほぼ中心に
して一段低く、ベース164が遊嵌され、装着される凹
部172が形成される。
【0028】図5に示すように、ベース164は、キャ
リア本体162の凹部172に挿入・遊嵌されてキャリ
ア本体162に装着される板状部材で、着脱を容易にす
るために、キャリア本体162(凹部172)に装着さ
れた際に、凹部172から外部に突出する把手部164
aが形成される。また、ベース164のほぼ中心部に
は、入力装置12の光源部24からの読取光が通過する
開口174が形成される。このベース164は皿状の構
成を有しており、周辺部164bを残して一段低く載置
部164cが形成され、ここに、スライド保持板166
が移動自在に載置される。
【0029】スライド保持板166は、スライドB(図
5では二点鎖線で示す)の画像面に対応するマスク開口
176が形成された板状部材で、スライドBを保持し
て、前述のように、ベース164の載置部164cに移
動自在に載置される。従って、スライド保持板166の
上面は、標準的なスライドBを載置して載置部164c
上に載置された際に、そのフィルム面が光軸L方向の所
定位置になる高さに形成される。保持板166の上面に
は、規制部材178,178および当接部180,18
0が固定され、さらに各規制部材178には、押圧部材
182が装着される。なお、載置部164c上における
スライド保持板166の移動を円滑にするために、保持
板166の裏面、あるいは載置部164cの上面、もし
くはその両面に、テフロンシート等の潤滑材を配した
り、各種の潤滑処理等を施してもよい。
【0030】規制部材178,178は、開口176を
短手側辺で挟んで、この短手辺と同方向に延在する略四
角柱状のガイド部材であり、スライドBの対向する端面
の位置を規定する。従って、規制部材178の間隔は、
装着が予想される最大サイズのスライドBに応じて設定
される。一方、当接部180,180は、スライド保持
板166の上面の奥手側端面近傍に配置される突起で、
規制部材178が規制する端面と直交する端面を規制す
る。すなわち、スライドBは、規制部材178,178
の間に挿入されて、当接部180,180に当接するま
で矢印y方向に挿入され、その画像面全面が開口176
上になるように位置を規定される。押圧部材182は、
上下方向(図5紙面に垂直方向)に回動自在に規制部材
180の内側面に軸支され、かつ当接部180側の端部
がスライド保持板166の上面に当接してこれを押圧す
るように下方に付勢されている。従って、規制部材17
8間に挿入されたスライドBは、この押圧部材182に
よってスライド保持板166に押圧・保持される。
【0031】図示例においては、スライドBは、画像面
を開口176に一致させた向きで、スライド保持板16
6に載置されるようにして、当接部180,180と逆
側から、当接部180,180に当接するするまで規制
部材178,178間に挿入され、かつ、押圧部材18
2によって保持板166に押圧され、固定される。スラ
イド保持板166はベース164の載置部164aに移
動自在に載置されているので、図5の矢印に示されるよ
うに、保持板166を四方に移動することにより、スラ
イドBの画像の任意の部分を光軸Lに位置させることが
できる。ここで、後に詳述するが、入力装置10の結像
部28はズーム機能を備えているので、光軸Lを中心に
イメージセンサ30に結像するスライドBの投影像を拡
大することができ、スライドBの画像の所望の部分を光
軸Lに位置させて倍率を調整することにより、画像の任
意の部分をトリミングすることができる。
【0032】図4および図5に示されるトリミングキャ
リア160は、スライドBを保持するスライド保持板1
66を用いたトリミング(スライド)キャリアであった
が、スライド保持板166の代わりに、図6に示される
ような、ストリップスAの画像部分に対応する開口18
4が形成された、ヒンジ等で互いに回動自在に接合され
る2枚の板材186,186からなる、ストリップスA
を挟持するストリップス保持板168を用い、これをベ
ース164の載置部164aに載置することにより、ス
トリップスAに撮影された画像の任意の部分をトリミン
グするためのトリミング(ストリップ)キャリアとする
ことができる。
【0033】なお、本発明においては、フィルム原稿を
読取位置に設置するためのキャリアとしては、フィルム
原稿の種類およびサイズが異なる毎に一対一に対応する
交換可能なキャリアであるのが好ましく、ストリップス
AやスライドBを読取位置Zに自動もしくは半自動搬送
する上述したフィルムキャリア32やスライドキャリア
34やトリミングを行うためのトリミングキャリア16
0の他、読取位置Zに光源部24からの光が通過するた
めの開口が形成され、かつ案内レール42,42に嵌合
する溝が形成されたキャリアであれば、どの様なもので
もよい。オペレータがフィルムを所定の位置に固定する
フィルム用マニュアルキャリアや、オペレータによって
供給されたスライドBを1枚づつ矢印x方向に搬送して
読取位置Zに停止して画像読取に供し、かつ読み取りを
終了したスライドBを収集するスライド用マニュアルキ
ャリア等を有するものであってもよい。これらのキャリ
アは、各々キャリアIDコードが付され、各キャリアが
光学フレーム13のキャリアベース26に装着され、か
つ電気的接続がなされた時、該当するキャリアIDコー
ドが制御装置14に送信されるように構成される。
【0034】光学フレーム13の上部には、ストリップ
スAおよびスライドBの投影光をイメージセンサ30に
結像させる結像部28が配置される。結像部28は、光
学フレーム13に固定される定盤60に垂設されるズー
ムレンズユニット62、倍率調整用モータ63および焦
点調整モータ64を有するものである。レンズユニット
62は、ストリップスAやスライドBのサイズやトリミ
ングサイズに応じて光学倍率を変更して、投影光のサイ
ズをイメージセンサ30で受光可能な最大サイズ(すな
わち、必要な画像領域がイメージセンサ30の受光面に
内接または内接に近くなるサイズ)に調整してイメージ
センサ30に結像するための、公知のズームレンズが組
み込まれたズームレンズ群66と、その上方(光軸L方
向下流側)に位置する、投影光の焦点をイメージセンサ
30の受光面上に調整する公知の焦点調整レンズが組み
込まれたフォーカスレンズ群68とを有する。
【0035】ここで、ズームレンズ群66は、その調整
ギヤ66aがズーム用モータである倍率調整モータ63
によって回転されるギヤ63aに噛合しており、このモ
ータ63によって固有の標準光学倍率または本発明法に
よって設定された設定光学倍率に応じた大きさの投影像
がイメージセンサ30上に結像するように光軸L方向に
移動調整される。倍率調整モータ63の駆動量は、メモ
リ78に格納された倍率−パルステーブルによって決定
される。また、フォーカスレンズ群68は、その調整ギ
ヤ68aが焦点調整モータ64によって回転されるギヤ
64aに噛合しており、この焦点調整モータ64によっ
て焦点を調整され、すなわち合焦位置に移動調整され
る。焦点調整モータ64の駆動は、制御装置14の自動
焦点調整手段80によって制御されており、図示例の入
力装置12は、TTL(Through The Lens)方式によ
り、イメージセンサ30によって読み取られた画像およ
びそのコントラストを用いて自動焦点調整(オートフォ
ーカス:AF)を行う。なお、結像部28には、レンズ
温度の変動によるレンズユニット62の焦点位置の変動
を補正するために、例えばサーミスタなどの温度センサ
を取り付けてもよい。
【0036】ストリップスAおよびスライドBの投影光
は、レンズユニット62によってイメージセンサ30に
結像され、光電的に読み取られる。なお、レンズユニッ
ト62とイメージセンサ30との間には、暗電流補正等
に用いられる公知のシャッタが配置されていてもよい。
2次元的な画像読取を行う入力装置12において、イメ
ージセンサ30はエリアセンサであって、例えば、13
80×920画素のCCDセンサである。また、図示例
の装置では、イメージセンサ30は半画素に対応する量
だけx方向およびy方向に移動可能に構成されており、
これにより、読取画素数(読取画素密度)を見掛け上で
4倍まで増やすことができる。画像入力装置12は、基
本的に以上のように構成される。
【0037】イメージセンサ30からの信号は、制御装
置14に出力される。制御装置14は、図1に示すよう
に、画像入力装置12の各部および全体ならびに本発明
のデジタルプリント装置10の制御を行う制御部70
と、入力装置12のイメージセンサ30からの出力信号
を受け、所定の信号処理を施して入力画像信号とする信
号処理装置72と、得られた画像信号に所要、もしくは
所望の画像処理を施して画像出力装置16に出力画像信
号として出力する画像処理装置74とを有する。制御部
70は、信号処理装置72の信号処理演算の制御のみな
らず、入力装置12の各部および全体の制御を行い、か
つ本発明法におけるズームレンズによる光学倍率および
画像処理による電子倍率の設定と調整、ならびに必要に
応じて読取画素密度の切り換えによるイメージセンサ変
換倍率の切り換えを実施するCPU76と、読取光学倍
率情報、ズームレンズ移動量情報、イメージセンサ情
報、キャリア情報、出力画素密度、プリントサイズ、マ
ガジン情報、出力けられ余裕量、入出力画素欠損などを
記憶するメモリ78と、イメージセンサ30によって読
み取られた得られた画像を用いて自動焦点調整を行う自
動焦点調整手段80、画像回転手段82、ネガ/ポジ変
換手段84などとを有する。また、制御部70には、入
力装置12の操作や読取光学倍率やプリント倍率やイメ
ージセンサ変換倍率(画素ずらしの有無)などの読取条
件の設定、プリントサイズ(出力画像のサイズ)や主被
写体の設定、色/濃度補正等の操作指示、入力を行うキ
ーボード22aおよびマウス22b、イメージセンサ3
0で読み取った画像およびプリントの仕上り領域を示す
基準線を表示するモニタ20等が接続される。
【0038】図7に、制御部70および信号処理装置7
2の一実施例の詳細なブロック図を示す。制御部70に
おいて、CCD30は読取画素数(密度)を見掛け上増
加させる画素ずらしを行うためのx−y方向の移動制御
回路30aを介してCPUバスに接続される。CCD3
0で読み取られた画像情報は、信号処理装置72に入力
される。信号処理装置72において、CCD30で読み
取られたアナログ画像データは、A/D変換器86でデ
ィジタル画像データに変換され、オフセット補正回路8
7でDCオフセットが補正され、次いで暗時補正回路8
8で暗時補正がかけられる。この後、LOG変換回路8
9でLOG変換され、シェーディング補正回路90でシ
ェーディング補正されて、入力画像信号とされた後、フ
レームメモリ91に記憶され、画像処理装置74に出力
されるものである。
【0039】暗時補正回路88で暗時補正された画像デ
ータは、自動焦点調整手段80に入力される。自動焦点
調整手段80は、まず焦点調整モータ64を制御して、
レンズユニット62を所定サーチエリア内の所定間隔の
各点に移動し、各点での暗時補正された画像データを得
て、画像コントラスト積算値を求めるとを繰り返して、
これが最大となる位置を合焦位置(ピント位置)と決定
し、この合焦位置にCPUバスを介して焦点調整モータ
64を制御し、レンズユニット62を設定する。一方、
キャリアID判別手段31からはストリップスA用のフ
ィルムキャリア32かスライドB用のスライドキャリア
34かトリミングキャリア160かのいずれかの装填さ
れているキャリアのIDコードが、キーボード22aや
マウス22bからは、入力、選択、追加または修正され
た登録プリントサイズ、読取光学倍率およびその調整値
などの読取条件、色および/または濃度の補正、覆い焼
き補正、階調補正などの記録条件などの情報がCPUバ
スを介してCPU76、メモリ78、自動焦点調整手段
80に入力される。なお、光源部44の光源35、絞り
(アイリス絞り)36、色フィルタ38は、それぞれC
PU76とCPUバスを介して接続される光源制御回路
35b、絞り制御回路36a、色フィルタ制御回路38
aによって、光強度、開度、色フィルタの種類が制御さ
れる。
【0040】CPU76は、本発明法において、基本的
にまずキャリアID判別手段31から入力されたキャリ
アIDコードに応じてメモリ78に記憶されている標準
光学倍率を選択して読み出し、このキャリアIDコード
(フィルム原稿種別、サイズ、マスクサイズ)とプリン
トサイズの組み合わせに対して、データ入力装置22に
よって入力されたズームレンズユニット62の設定光学
倍率の調整値に従って選択された標準光学倍率から調整
光学倍率を演算し、メモリ78に記憶されている光学倍
率とズームレンズユニット62のズームレンズ群66の
移動量、すなわち倍率調整モータ63に与えるパルス数
との関係から、例えばこれらの関係を表すテーブル(L
UT)から演算された調整光学倍率に相当する移動量
(パルス数)算出する。また、CPU76は、メモリ7
8に記憶されているプリントサイズ、出力けられ余裕
量、出力画素密度などから出力サイズ、出力画素領域
(画素数)を決定するとともに、メモリ78に記憶され
ているイメージセンサ30の有効画素領域(画素数)、
マスクの開口領域などから入力画素領域(画素数)を決
定し、これらの入出力画素領域およびメモリ78に記憶
されている入出力画素欠損(画素数)などから電子倍率
を演算し、これを用いてイメージセンサ30の有効画素
領域からの切り出し画素領域(画素数)を決定した後、
この切り出し画素領域によって出力画素領域を再補正す
る。
【0041】また、CPU76は、本発明において、プ
リント倍率を切り換える場合に基本的に光学変倍と電子
変倍とを併用するように機能するが、トリミング作業を
行なわない通常のデジタルプリントの場合には、生産性
が重要視されることから、同一のフィルムサイズにおい
て撮影された画像サイズが異なっていたとしても、例え
ば135フィルムにおいて、撮影画像サイズとしてフル
サイズ(F)、ハイビジョンサイズ(H)およびパノラ
マサイズ(P)などが混在していたとしても、同一種の
同一フィルムサイズのフィルム、すなわち同一のキャリ
アが使用されるフィルムに対しては、同一の光学倍率に
固定し、プリントサイズ毎に電子倍率を変更するように
機能する。一方、CPU76は、トリミング作業を行な
う場合には、生産性よりも、トリミング精度や画質の点
から、電子変倍(拡縮)よりも光学変倍を優先して画質
劣化の少ないプリントを実現するが、トリミング作業に
おいても、トリミングによるプリント倍率の変化が小さ
く、生産性が重視される場合や、光学変倍ができない場
合などには、光学変倍よりも電子変倍を優先するように
機能する。また、PCU76は、画質の良いプリントを
出力するための読取画素密度すなわち、イメージセンサ
30の画素密度(ピッチ)の切り換えを行なう画素ずら
しを行なうか否かの判断をプリントの再生画像の面積ま
たはプリント長もしくは、特にトリミングにおいては電
子倍率により行なう。なお、プリント倍率は、光学倍率
と電子倍率とイメージセンサ変換倍率の積として与えら
れる。ここで、プリント倍率は、フィルム原稿の画像サ
イズに対する出力プリントの再生画像のプリントサイズ
の倍率を表わす。光学倍率は、ズームレンズユニット6
2によるフィルム原稿の画像サイズに対するイメージセ
ンサ30への投影像のサイズの倍率を表わす。電子倍率
は、画像処理によるけられを考慮しているが、入力画素
数(領域)に対する出力画素数(領域)の倍率を表わ
す。イメージセンサ変換倍率は、イメージセンサ30の
画素密度に対するプリントの出力画素密度の倍率を表わ
す。
【0042】メモリ78には、キャリアベース26に装
着されるキャリアのIDコードとこのキャリアのマスク
サイズ(主副走査方向の寸法情報)とこのキャリアにセ
ットされるフィルムの種類とサイズなどのキャリア情
報、キャリアIDコードとこれに対応する標準光学倍率
や設定光学倍率に応じたズームレンズ62のズームレン
ズ群66の位置(ホームポジションHPからの移動量、
すなわち倍率調整モータ63に付与するパルス数)を示
す倍率−パルステーブルなどの読取光学倍率情報、イメ
ージセンサ30のサイズ(主副走査方向の寸法情報)と
画素密度と有効画素領域(数)などのイメージセンサ情
報、画像出力機16の出力画素密度、登録されているプ
リントサイズ(長短辺(縦横)の寸法情報)、画像出力
機16に装填されるマガジンのIDコードとこのマガジ
ン内に収納される感光材料のサイズ(幅情報)と種類な
どのマガジン情報、画像出力機16の搬送装置における
感光材料の蛇行や光ビーム走査装置による主走査長誤差
などの考慮した出力けられ余裕量、画像処理装置74に
おけるLPF(ローパスフィルター)や電子変倍などの
画像処理による入力画素欠損(画素数)とUSM(アン
シャープネスマスク)などの画像処理による出力画素欠
損(画素数)、画像ずらしによる読取画素密度の切り換
えを行うためのプリント画像の面積やプリント長や電子
倍率の値などの情報を含め、本発明のデジタルプリント
装置10の動作制御に必要な情報などの様々な情報が記
憶されている。
【0043】また、制御部70に設けられる画像回転制
御手段82は、画像出力機16から装填されている感光
材料の情報、特に幅情報が伝送されているので、この幅
情報およびオペレータから入力装置22によって入力さ
れたプリントサイズの情報から、出力する画像の記録方
向、すなわち主走査方向が、読み取った画像の縦横のい
ずれになるかを判別し、読取画像の縦横を変換する、す
なわち、90°回転させる必要性を判別し、回転が必要
な時には画像の回転を行うものである。ところで、画像
出力機16では、ロール状に巻回された長尺な感光材料
を用いて、副走査方向に搬送される感光材料を副走査搬
送方向に略直交する一次元方向、すなわち主走査方向に
偏向される光ビームによって走査露光(焼付)すること
により、感光材料を2次元的に露光するものである。こ
のため、感光材料の幅に応じて露光の主走査方向が設定
されたプリントサイズの長手方向になるか、短手方向に
なるかが一義的に決められてしまう。
【0044】一方、入力装置12においてはフィルムキ
ャリア32にセットされるストリップスAやスライドキ
ャリア34にセットされるスライドBの方向は定まって
おり、イメージセンサ30によって読み取られる原稿画
像領域をできる限り大きくしようとすれば、フィルム原
稿の方向、すなわち、原稿画像の形状、従って、キャリ
アマスクの形状(例えば、特にアスペクト比)は、一義
的に決められてしまう。このため、入力装置12によっ
て読み取られる原稿画像の1ラインが、画像出力機16
の主走査方向の1ラインと一致しない場合が生じる。そ
の結果、画像回転制御手段82によって、フレームメモ
リ91に格納されている画像信号を少なくとも画像出力
機16で露光に供する前に、画像信号を処理して画像
(画像領域)を90°回転し、すなわち画素の並び変え
や、フレームメモリアドレスのアクセス順序を変換式に
基づいて変更する等により、出力画像のライン方向を露
光のライン方向を一致させる必要があるのである。
【0045】さらに、制御部70には、信号処理装置7
2によって所定の信号処理が施された画像データにポジ
・ネガ反転を行うポジ/ネガ変換回路84が設けられて
いるが、このポジ/ネガ変換回路84は、ストリップス
AやスライドBがリバーサルフィルムであった場合に所
定の画像処理が施された画像情報を画像出力機16に出
力する前に変換してネガ画像(あるいはその逆)として
出力するものである。ポジ→ネガ変換あるいはネガ→ポ
ジ変換の方法には特に限定はなく、公知の変換方法(画
像処理方法)によればよい。なお、本発明においては、
ストリップスAやスライドBがネガフィルムであるかリ
バーサルフィルムであるかは、キャリアを装填したとき
にキャリアID判別手段31から伝送されるキャリアI
Dコードによって、メモリ78に格納された情報から判
別されるものであるが、これに限定されず、オペレータ
が入力するものであってもよい。
【0046】ところで、周知のように、従来の種々のプ
リンタにおいては、通常、画像出力のための精密な読み
取り(メイン(本)スキャン)に先立ち、画像処理条件
の設定等のために原稿画像を粗く読み取るプレスキャン
が行われている。このため、図7に示す信号処理装置7
2のフレームメモリ91は、図8に示されるように、プ
レスキャン用のフレームメモリ91aと、トグルメモリ
として構成される本スキャン用のフレームメモリ91b
とからなる。そして、本発明に用いられる画像処理装置
74は、このようなフレームメモリ91a,91bに格
納されたフィルム原稿の画像信号、例えば、1枚の画像
のR,G,Bの3原色の画像信号に所要の画像処理を施
すものである。
【0047】画像処理装置74は、図8に示されるよう
に、モニタ18に表示するためにプレスキャン用フレー
ムメモリ91aに格納されたプレスキャン画像信号、例
えば、G色の画像信号を画像処理する表示用画像処理回
路92と、画像出力機16に出力するために本スキャン
用フレームメモリ91bに格納された本スキャン画像信
号から本発明法によって決定された切り出し画素領域
(画素数)の画素の画像信号を切り出し、適切なプリン
トのための画像処理を施し、覆い焼き処理のためのLP
F(ローパスフィルタ)処理し、また、本発明法によっ
て決定された電子倍率に従って、切り出し画像領域(画
素数)を拡大縮小(拡縮)処理し、さらに、画像の鮮鋭
化するためのUSM(アンシャープネスマスク)処理を
行って、出力画像信号とする記録用画像処理回路94
と、プレスキャン画像信号や必要に応じて設定される主
被写体やオペレータによって入力される所望の処理条件
から、記録用画像処理回路94における本スキャン画像
信号の画像処理条件を設定する画像処理条件設定手段9
6などを構成するCPU98とを有する。
【0048】なお、図示例においては、入力装置12で
画像を読み取ってこれを制御装置14で処理している
が、本発明はこれ以外にも、記憶装置20であるサー
バ、HD、MO、FDなどの記憶媒体に記憶された画像
信号を制御装置14のフレームメモリ91に読み込み、
上述した同様の処理を行ってもよいし、逆に、フレーム
メモリ91に格納されている画像信号を記憶装置20に
記憶させて、後の使用に供してもよい。本発明の制御装
置14は基本的に以上のように構成される。
【0049】次に、画像出力機16は、制御装置14か
らの画像信号を受け、光ビーム走査装置、例えばレーザ
スキャナにおいて画像信号によって変調された、赤
(R)露光、緑(G)露光および青(B)露光用光ビー
ムを主走査方向に偏向するとともに、搬送装置によって
マガジンからロール状に巻回された長尺感光材料を引き
出して主走査方向と直交する副走査方向に搬送すること
により、二次元的に走査露光し、露光済の感光材料Pを
現像装置において発色現像、漂白定着、水洗処理し、乾
燥装置で乾燥し、排出装置でコマ毎にカットをおこなっ
て、プリントとして出力するものである。
【0050】ところで、図1に示すデジタルプリント装
置10は、被写体(処理対象)となるフィルム原稿のサ
イズと出力するプリントサイズとを複数設定でき、すな
わち、図7に示す制御装置14のメモリ78にCPU7
6を介して複数設定することができ、かつ任意に組み合
わせることができる。例えば、135フィルムに対して
も、フルサイズ(F)、ハイビジョンサイズ(H)およ
びパノラマサイズ(P)などの撮影画像サイズに対応し
て、標準的なプリントサイズだけでもそれぞれLサイズ
(89×127mm)、Hサイズ(89×158mm)およ
びパノラマ(P)サイズ(89×250mm)の3種存在
する。また、240フィルムに対しても、標準的なプリ
ントサイズだけで、同様に撮影画像サイズの違いによ
り、C(クラシック)サイズ、H(ハイビジョン)サイ
ズおよびP(パノラマ)サイズなどがある。もちろん、
この他、多くのサイズがあるが、本発明法を実施する図
示例のデジタルプリント装置10は、これらの多くのプ
リントサイズに対応可能であることはいうまでもない。
【0051】通常のデジタルプリントにおいては、フィ
ルム原稿は、各サイズおよび種別毎に専用のキャリア
(図2のフィルムキャリア32および図3のスライドキ
ャリア34参照)を有し、図2に示す画像入力装置12
のキャリアベース26に着脱可能な構成になっている。
そして、キャリア、例えば、図2に示すように、フィル
ムキャリア32がキャリアベース26に装着されると、
そのフィルムキャリア32のキャリアIDコードがCP
U76に送信され、認識される。同時に、画像出力機1
6からはその搬送装置に装填されたマガジンのマガジン
IDコードがCPU76に送信され、認識される。な
お、制御装置14のメモリ78には、フィルム原稿のマ
スク寸法情報や感光材料の幅情報などが記憶されている
が、これらの情報はユーザが書き換えることはできな
い。
【0052】一方、出力するプリントサイズは、工場出
荷時にメモリ78に複数設定されているが、これらのメ
モリ78に登録されたプリントサイズは、CPU76を
介してモニタ18の画面上にプリントサイズ一覧として
表示され、ユーザはキーボード22aやマウス22bな
どのデータ入力装置を用いてモニタ18の画面上で表示
された所望のプリントサイズを選択する。所望のプリン
トサイズが登録されていない場合は、ユーザはキーボー
ド22aなどを用いてプリントサイズの新規登録や修正
を行うことができ、メモリ78の内容を書き換えること
ができる。また、図示例のデジタルプリント装置10に
おいて、ズームレンズ光学倍率については、工場出荷時
に、キャリアIDコードのみによって一義的に決められ
る標準光学倍率がメモリ78に記憶されている。
【0053】ここで、デジタルプリント装置10におい
て、キャリアIDコードやマガジンIDコードが取得さ
れ、出力プリントサイズが選択されると、CPU76に
よって自動的に倍率計算が行われ、ズームレンズの光学
倍率および電子倍率が設定される。すなわち、まず、メ
モリ78からキャリアIDコードに固有の標準光学倍率
がズームレンズの光学倍率として自動的に設定される。
そして、本発明においては、トリミングをしない場合に
は、特にフィルム原稿を自動または半自動モードで読み
取る場合には、この光学倍率を標準光学倍率もしくは微
調整後の設定光学倍率に固定しておくことができる。光
学倍率および電子倍率の算出方法については後述する。
なお、図示例のデジタルプリント装置10においては、
プレスキャン時、フィルム原稿の担持画像が投影された
イメージセンサ30の有効画素領域(例えば、1380
画素×920画素)の全画素から取り込まれた画像信号
が制御装置14の信号処理装置72のフレームメモリ9
1(プレスキャン用フレームメモリ91a)に取り込ま
れ、間引かれてモニタ18に表示(例えば、345画素
×230画素)される。
【0054】一方、本(ファイン)スキャンの場合に
も、同様に、イメージセンサ30の有効画素領域の全画
素の画像信号が読み込まれる。しかし、フィルム原稿の
サイズは複数であり、従ってマスクサイズも複数あり、
種々異なっていることから、全てのフィルム原稿のマス
ク画像(マスクの開口領域内の原稿画像)の投影像がイ
メージセンサ30の全有効画素領域に投影されるわけで
はなく、一般にその内側に投影される。このため、読み
込まれた有効画素領域の全画素の画像信号から、プリン
トに再現するのに使用する入力画素領域の画素の画像信
号としてマスク画像領域内のみの画素の画像信号を取り
出す必要がある。従って、本発明では、光軸のずれや倍
率誤差やフィルム原稿の停止位置誤差などを考慮して
も、フィルム原稿の縁やマスクの縁の画素の画像信号を
確実に除くことができ、マスクの開口領域内のできるだ
け多くの画素の画像信号を確実に取り出すことができ、
入力画素領域の画素の画像信号としてフレームメモリ9
1(91b)に取り込むことができるように、イメージ
センサ30の有効画素領域のサイズ(画素数)に対して
入力画素領域のサイズ(画素数)を設定している。な
お、本スキャン用フレームメモリ91bには、イメージ
センサ30の有効画素領域の全画素の画像信号を取り込
み、入力画素領域の画素の画像信号のみを読み出すよう
にしてもよい。
【0055】一方、入力装置12の光学系においても、
標準光学倍率が、以上の関係が十分に満たされるよう
に、フィルム原稿のマスク画像の投影像が確実に余裕を
持ってイメージセンサ30の有効画素領域の内側に入る
ように設定されている。従って、標準光学倍率は、フィ
ルム原稿のマスク画像が確実にイメージセンサ30の有
効画素領域に投影され、所望のプリントサイズのプリン
トとして出力された時、フィルム原稿の縁が出たり、マ
スクの縁などが写し出されたりすることが絶対にないよ
うにかつイメージセンサ30の有効画素領域の利用度が
高く高精細な画質が確保できる光学倍率である。ところ
で、ズームレンズユニット62が実際にこの標準光学倍
率に設定される場合には、CPU76によって、メモリ
78に記憶された倍率−パルステーブルから、設定され
た光学倍率となる位置にズームレンズユニット62のズ
ームレンズ群66を移動させるのに必要なホームポジシ
ョン(原点)からの移動量を得るために倍率調整モータ
63に付与する原点からのパルス数が読み出され、その
パルス数だけ倍率調整モータ63が駆動されてズームレ
ンズ群66が移動され、標準光学倍率となる位置に停止
される。
【0056】次いで、CPU76では、予め、工場出荷
時に設定された様々な設定値を用いて、例えば、出力プ
リントサイズに応じて、画像出力機16の感光材料の蛇
行や記録長誤差などの出力画像けられ余裕量や画像処理
装置74における画素欠損(けられ)を考慮して、入力
画素領域(例えば、1340画素×920画素)の画素
の画像信号から、所定の出力画素密度(例えば、300
dpi)で所望のプリントサイズ(例えば、127mm
×89mm)のプリントを出力するのに必要な出力画素
領域(例えば、1531画素×1082画素)の画素の
画像信号を作りだすための電子拡縮倍率(例えば、12
0%)の演算が行われ、けられを考慮して、画素の画像
信号が信号処理装置72に読み込まれ、フレームメモリ
91(91a、必要に応じて91b)に取り込まれるイ
メージセンサ30の有効画素領域から切り出す画素領域
(例えば、1292画素×918画素)が決定され、モ
ニタ(例えば、345画素×230画素)18に仕上り
プリント領域(例えば、323画素×229画素)を基
準線として表示する。図示例のデジタルプリント装置1
0では、こうしてモニタ18に表示された基準線内の仕
上りプリント領域の画像が、そのまま画像出力機16か
ら出力される。
【0057】しかしながら、プリント上への原稿画像の
再現領域を変更したい場合、すなわち、原稿画像の一部
をプリント上へ再現したい場合、またはプリントの再現
画像における原稿画像のけられの量を調整したい場合に
は、トリミング作業を行うことができる。本発明におい
ては、トリミング作業は、種々の方法に従って行なうこ
とができ、トリミング方法としては、例えばフィルム原
稿の位置決めの点から、フィルムキャリア32やスライ
ドキャリア34を用いる方法とトリミングキャリア16
0を用いる方法とに分けることができ、プリント倍率の
点からズームレンズユニット62のズーム操作による光
学変倍を優先する方法と画像処理による電子変倍を優先
する方法と両者を併用する方法などがある。ここで、原
稿画像のけられの量を調整したい場合には、ユーザは、
フィルムキャリア32やスライドキャリア34を用い
て、モニタ18に表示された原稿画像を見ながら、標準
または設定光学倍率からズーム操作による光学倍率の調
整を行なうのがよいが、トリミングキャリア160を用
いることもできる。
【0058】また、原稿画像の一部のみをトリミングす
る場合には、フィルムキャリア32やスライドキャリア
34を用いて、標準または設定光学倍率のまま、もしく
はトリミング領域となるプリントすべき画像領域がイメ
ージセンサ30の有効画素領域内にある間、好ましくは
これに内接もしくは内接に近くなるまでズーム操作によ
る光学倍率の調整を行なった後、モニタ18上で仕上り
プリント領域を示す基準線(カーソル)をキーボード2
2aやマウス22bを用いて移動し、電子倍率を変更し
て拡縮し、トリミング領域に一致させるようにすること
もできる。一方、トリミングキャリア160を用いる場
合にも、電子変倍または光学変倍と電子変倍との両者を
併用して行なうことができるが、この場合には、フィル
ム原稿の位置調整が自由にできるので、フィルム原稿画
像のトリミング領域の中心をイメージセンサ30の有効
画素領域の中心に合わせることができることから、原稿
画像のトリミング領域をイメージセンサ30の有効画素
領域内で内接するまで可能な限り大きくするように光学
倍率を変更して、モニタ18上に表示された画像におい
てトリミング領域を基準線と一致させるのが好ましい。
【0059】ここで、本発明では、トリミング時には基
本的に、光学変倍を優先する場合と、電子変倍を行なう
場合とを切り換えて使うものであるが、光学変倍が可能
である範囲内では、可能な限り光学変倍を優先させ、光
学変倍が限界に近い時となった後に電子変倍の切り換え
を行なうのが、ボケた感じがなく、画質の劣化の少ない
プリントを得る上で好ましい。特に、低プリント倍率で
は、光学変倍が可能であれば、電子変倍を固定もしくは
可能な限り小さくして、光学倍率の変更のみでトリミン
グを行なうのが好ましく、光学変倍ができない範囲で
は、その限界で光学倍率を固定し、前記電子倍率の切り
換えで所望のプリント倍率を達成するのが好ましい。な
お、このようにしても、高プリント倍率では、電子倍率
が大きくなり、画質の劣化が生じる。このため、トリミ
ング時には、電子倍率に応じて画素ズラシによる読取画
素密度を切り換えて画質の劣化を防止もしくは低減する
のが好ましい。
【0060】ところで、光学変倍によるトリミング作業
は、ユーザが直接光学倍率を指定するか、またはユーザ
がプリント倍率を指定し、CPU76で光学倍率を算出
して設定するか、あるいは倍率調整モータ63によるズ
ームの開始と停止を指定して行えばよいが、この場合に
はモニタ18に実際に設定された倍率が表示されるのが
よい。そして、指定後、ユーザはプリント画面における
モニタ18上に表示されたイメージセンサ30の画像と
仕上りプリント領域、すなわちトリミング領域を示す基
準線とによって所定のトリミング領域の画像を確認す
る。所望のトリミング画像が得られていない場合には、
ユーザは、所望のトリミング画像が得られるまで、この
ような光学倍率の調整によるトリミング作業を繰り返す
ことができる。もちろん、倍率調整モニタ63によるズ
ームレンズユニット62のズーミングを連続させつつモ
ニタ18に表示された原稿画像の拡大・縮小を見なが
ら、所望のトリミング画像領域と基準線内領域とが一致
したところで、倍率調整モータ63の停止を指示するよ
うにしてもよい。本発明においては、モニタ18に表示
される基準線は、イメージセンサ30に読み取られた原
稿画像がプリント上に再現されるまでに生じる画像処理
における画像のけられ(画素)を十分に考慮したもので
あるため、実際にプリントされた再現画像とのずれはほ
とんどないので、モニタ18上でのトリミング画像の確
認で十分であるが、実際にプリントを出力しながらトリ
ミング作業を行っても良いことは勿論である。
【0061】ところで、以上のようにして所望のトリミ
ング画像が得られて、それがプリント上に再現され、ト
リミング作業が終了すると、プリント上の原稿画像再現
領域を調整するために設定された所定の調整後の光学倍
率は、予めデジタルプリント装置に固有に設定された標
準光学倍率に戻ってしまう。このため、フィルム原稿の
種別、例えば、リバーサルフィルムの1本分の全ての原
稿画像についてプリント上の原稿画像再現領域を調整し
たい場合に、トリミング作業で1つ1つ行うことはでき
るが、従来のアナログプリンタと同様に、全てを行うの
は極めて面倒である。このため、図示例のデジタルプリ
ント装置においては、ユーザの好みに合わせ、恒常的に
プリント上の原稿画像再現領域を所定領域に設定するこ
とができる。これを、本発明においては、予め設定され
た標準光学倍率に対し、標準光学倍率の調整量、即ち倍
率微調値を設定することにより実現している。すなわ
ち、この倍率微調値を標準光学倍率に対して、画像入力
装置12に固有の最大値と最小値との間で可変として、
その間の所要の値に設定することにより、光学倍率を所
定設定光学倍率に固定することができる。なお、光学倍
率を標準光学倍率に設定する場合には倍率微調値を10
0%に設定し、光学倍率を標準光学倍率で固定したい場
合には倍率微調値を100%に固定しておけばよい。
【0062】本発明に用いられるデジタルプリント装置
は、基本的に以上のように構成されるが、以下に、図
9、10および図11に基づいて、本発明のデジタルプ
リント方法を詳細に説明する。ここで、図9は、本発明
のデジタルプリント方法を実施する基本プロセスの一例
を示すブロック図であり、図10は、本発明法における
光学倍率設定方法の一実施例を示すフローチャートであ
り、図11は、本発明法における電子倍率の算出および
切り出し画素領域の切り出し方法の一実施例を示すフロ
ーチャートである。まず、図1に示すデジタルプリント
装置10において、図7に示す制御装置14のCPU7
6は、図2に示す画像入力装置12からそのキャリアベ
ース26に装着されたキャリアのキャリアIDコード
と、図1に示す画像出力機16からその搬送装置に装填
されたマガジンのマガジンIDコードとを取得し、制御
装置14のメモリ78から、フィルム原稿のマスク寸法
情報や感光材料の幅情報などを読み出し、モニタ18に
表示する。ここで、オペレータは、キーボード22aや
マウス22bを用いてメモリ78に所望の登録されたプ
リントサイズをモニタ18の画面上で選択し、所望のプ
リントサイズが登録されていない場合は、その追加や修
正を行うと共に、その他の条件設定などの必要な操作を
行う。こうして図10および11に示すようなCPU7
6による初期設定が終了する。
【0063】まず、図9および10を参照して、光学倍
率の設定方法について説明する。ここで図10に示すよ
うに、画像入力装置12には、プリント上の原稿画像再
現領域を所定領域に設定したいフィルム原稿を保持する
ためのキャリアが装填されており、CPU76は、その
読取手段としてキャリアIDコードを読み取り、かつ認
識し、このキャリアIDコードに対応する標準光学倍率
を読取光学倍率T1としてメモリ78から読み出し、そ
の選択手段として機能しているものとする。ここで、ユ
ーザが、メニューにより倍率調整モードを選択すると、
モニタ18にキャリアとプリントサイズの一覧が表示さ
れる。ここで、ユーザは、データ入力装置22により目
的とするキャリア(そのキャリアIDコードが認識され
ている)とプリントサイズとの組み合わせを選択し、そ
の組み合わせに対して、調整量、即ち倍率微調値T2を
数値入力する。この倍率微調値T2は、工場出荷時にデ
フォルトとして100%が設定(記憶)されているが、
ユーザは、50%〜150%までの範囲の数値を入力す
ることができる。ユーザによって倍率微調値T2の数値
が入力されると、キャリアとプリントサイズとのIDコ
ードの組み合わせに対応する倍率微調値T2のメモリ7
8内の記憶値が更新される。次に、CPU76は、ズー
ムレンズユニット62の光学倍率を調整するための調整
光学倍率の演算手段として読取光学倍率T1と倍率微調
値T2から、実際に設定される実光学倍率T3を下記式
に従って演算する。 T3=T1×T2/100
【0064】次いで、CPU76は、ズームレンズ群6
6の移動量の演算手段として、メモリ78内の倍率−パ
ルステーブルを参照して、上記式で演算された実光学倍
率T3からズームレンズ群66を原点(ホームポジショ
ン)から移動させるための倍率調整モータ63に付与す
るパルス数で表されるスキャナ制御値P1に変換する。
この倍率−パルステーブルは、設計値として設定されて
いるため、いずれの装置も同一であるが、装置には必ず
部品誤差、組立誤差、調整誤差などに起因する機差が存
在し、これらの機差を実際に実光学倍率T3に合わせ込
むための装置に固有の倍率キャリブレーション補正パル
スP2をメモリ78から読み出し、実際に倍率調整モー
タ63に付与するパルス数で表される実スキャナ制御値
P3を下記式から求める。なお、倍率キャリブレーショ
ン補正パルスP2は、工場出荷時の機差合わせ込みのた
めの調整パラメータである。 P3=P1+P2
【0065】このようにして得られた実スキャナ制御値
P3だけ倍率調整モータ63を駆動し、ズームレンズ群
66を移動して、ズームレンズユニット62の光学倍率
を実光学倍率T3に設定する。一方、その後、モニタ1
8の表示画面はプリント画面に戻り、画像入力装置12
においてフィルム原稿画像がイメージセンサ30によっ
て読み取られ、プレスキャン画像がモニタ18上に表示
される。ここで、トリミング作業をしない場合には、光
学倍率、従って倍率微調値が100%もしくは所定値に
固定されているので、光学倍率の設定は終了する。しか
しながら、トリミング作業を行なう場合には、ユーザ
は、こうしてモニタ18上に表示された原稿画像表示領
域と仕上りプリント領域を示す基準線とを比較し、もし
くは読み取られた本スキャン画像を実際に画像出力機1
6からプリントとして出力して、プリント上の原稿画像
再現領域の調整の状態を目視で確認して、必要であれ
ば、図9および図10に示すように、所望するプリント
上に所望の原稿画像再現領域が得られるまでトリミング
作業を繰り返す。
【0066】ここで、本発明においては、モニタ18に
表示される基準線は、イメージセンサ30に読み取られ
た原稿画像がプリント上に再現されるまでに生じる画像
のけられを十分に考慮したものであるため、基準線で示
される仕上りプリント領域内の画像と実際にプリントさ
れた再現画像との範囲のずれはないので、モニタ18上
での調整状態の確認でも、実際にプリントを出力しての
調整状態の確認でも良いことは勿論である。なお、フィ
ルム原稿として目盛りなどの計測可能な原稿を用い、こ
の目盛りなどの原稿をモニタ18に表示し、あるいは実
際にプリントを出力し、表示されたあるいは出力された
目盛りを測定することにより、倍率微調値T2を計算で
求めることもできる。
【0067】こうして、キャリア種別(フィルム原稿サ
イズ)およびプリントサイズとの組み合わせに対応し
て、トリミングをする場合もしない場合にも、プリント
上にユーザ所望の原稿画像再現領域を得るための固有の
標準光学倍率T1 の倍率微調値T2をデジタルプリント
装置10のデフォルトとして設定できる。従って、同一
の組み合わせが選択された時、メモリ78に記憶された
特定の倍率微調値T2が読み出されるので、ユーザ所望
の同一のプリント上の原稿画像再現領域を得ることがで
きる。ところで、工場出荷時の状態に戻したい場合に
は、倍率微調値T2を100%に設定し直すことによ
り、メモリ78の記憶値を容易に元に戻すことができ
る。本発明法における設定光学倍率調整方法は、基本的
に以上のように構成される。
【0068】次に、本発明法による電子倍率の算出方法
および切り出し画素領域の切り出し方法について説明す
る。図11に示されるように、このようにプリントサイ
ズが設定されると、感光材料の幅情報から、CPU76
によって、画像回転制御手段82による画像の90°の
回転が必要かどうかの判断がなされ、プリントの縦横が
決定される。例えば、感光材料の幅が127mmである
時、プリントサイズがLサイズ長辺(H)127×短辺
(V)89mmであれば、画像出力の際には、長辺が主
走査方向、短辺が副走査方向となって画像回転の必要が
ないが、プリントサイズが2LサイズH178×短辺V
127mmであれば、画像出力の際には、短辺が主走査
方向、長辺が副走査方向となるため画像回転の必要があ
る。以下、プリントサイズがLサイズである場合を代表
例として説明する。 すなわち、プリントサイズ長辺;HO0=127mm 短辺;VO0=89mmである。
【0069】次に、本発明の切り出し画素の決定では、
出力画素領域の算出に際し、画像出力機16の固有の設
計パラメータとして予め設定され、画像出力機16から
直接、あるいはメモリ78を介してCPU76によって
読み出された出力けられ余裕量Ox,Oy、例えば、い
ずれも2.5mmをプリントサイズに加算して出力サイ
ズHO1,VO1を決定する。この出力画像のけられ余
裕量は、図7に示すように画像出力機16における感光
材料の蛇行や主走査長誤差などによって加味される量で
ある。 出力サイズ長辺;HO1=HO0+OxまたはOy=129.5mm 短辺;VO0=VO0+OyまたはOx=91.5mm ついで、同様に画像出力機16から直接あるいはメモリ
78を介して間接的に読み出された出力画素密度R0、
例えば300dpi(=0.08467mm)で、出力
サイズを割り算して、出力画素領域(画素数)を決定す
る(この例では小数点以下を切り上げて整数化する)。 出力画素領域長辺;HO2=HO1÷R0=1530画素 短辺;VO2=VO1÷R0=1081画素
【0070】また、入力画素領域の決定においては、予
め設定されているイメージセンサ30(以下CCDと略
称する)の有効画素領域(例えば、1380画素(主)
×920画素(副)、画素ずらし機構による4倍化の場
合には2760画素(主)×1840画素(副))に、
予め設定されているマスクサイズから求められるマスク
の開口領域が内接または内接に近くなるように演算し、
信号処理装置72の本スキャン用のフレームメモリ91
bに取り込まれる入力画素領域(画素数)を決定する。
CCD有効画素領域のアスペクト比(主副比)がマスク
開口領域のアスペクト比(主副比)より大きい場合、 入力画素領域長辺;HI0=CCD有効画素領域(主)×マスク開口領域の アスペクト比=1340画素 短辺;VI0=CCD有効画素領域(副)=920画素 CCD有効画素領域のアスペクト比(主副比)がマスク
開口領域のアスペクト比(主副比)より小さい場合、 入力画素領域長辺;HI0=CCD有効画素領域(主) 短辺;VI0=CCD有効画素領域(副)÷マスク開口領域の アスペクト比
【0071】次に、切り出し画素領域の決定において
は、こうして求められた入力画素領域から画像処理装置
74の記録用画像処理回路93による入力画像信号のロ
ーパスフィルタ(LPF)処理や拡縮処理などの画像処
理によってけられる入力画素欠損Ek0(例えば、合計
5画素)を減算し、入力画素領域を補正する。 補正入力画素領域長辺;HI1=HI0−Ek0=1335画素 短辺;VI1=VI0−Ek0=915画素 一方、先に求めた出力画素領域から画像信号のアンシャ
ープネスマスク(USM)処理などの画像処理によって
けられる(削られる)出力画素欠損Ek1(例えば、1
4画素)を加算し、出力画素領域を補正する。 補正出力画素領域長辺;HI2=HO2+Ek1=1544画素 短辺;VI2=VO2+Ek1=1095画素
【0072】こうして求められた補正出力画素領域をそ
れぞれ長短辺毎に補正入力画素領域で割り算して、電子
倍率を求める。この例では、調整の精度を考慮して、百
分率で量子化して、すなわち小数点以下3桁目を切り上
げ、両者の大きい方を電子倍率として設定する。 電子倍率 Me=MeV=1.20(=120%) 長辺;MeH=HI2÷HI1=1.16(=116%) 短辺;MeV=VI2+VI1=1.20(=120%) この電子倍率Meを用いて、補正出力画素領域となるよ
うに、フレームメモリ91bに格納された入力画素領域
から切り出す画素領域(画素数)を計算する(ここで
も、切り上げ整数化する)。 切り出し画素領域長辺;HFB=HI2÷Me+Ek0=1292画素 短辺;VFB=VI2÷Me+Ek0=918画素 ついで、出力画素領域の再補正では、こうして得られた
切り出し画素領域を用いて、画像出力機16に送られる
出力画素領域を決定する(ここでも、切り上げ整数化す
る)。 出力画素領域長辺;HO3=(HFB−Ek0)×Me−Ek1 =1531画素 短辺;VO3=(VFB−Ek0)×Me−Ek1 =1082画素
【0073】以上のようにして、イメージセンサ30に
よって読み出されたフィルム原稿の担持画像を画像信号
として格納するフレームメモリ91bから切り出される
入力画素領域(画素数)および画像出力機16に送る出
力画素領域(画素数)が決定される。一方、モニタ18
には、図9に示すように、プレスキャンでイメージセン
サ30で読み込まれたフィルム原稿画像がそのまますぐ
に表示される。但し、モニタ18に表示可能な画素数
(画素密度)には、制限があり、イメージセンサ30の
読取画素数より少なく、読取画素密度より低い。この例
では、イメージセンサ30の読取画素数が1380画素
×920画素であるのに対し、モニタ18の表示画素数
は、例えば345画素×230画素であり、4分の1と
なっている。このため、フィルム原稿の停止位置の確
認、すなわち、フィルム原稿がキャリアの読取位置Zに
正しく停止しているかどうかの確認がリアルタイムでで
きる。また、画素密度は低いが、モニタ18には、図9
に示すように、上述した切り出し画素領域が、仕上りプ
リント領域を示す基準線として表示される。このため、
仕上りプリントの画像確認できるし、たとえ、後述する
トリミングを行う場合であっても、トリミング状態を簡
単かつ正確に確認することができる。
【0074】このようにして得られた出力画素領域の画
素の画像信号を用いて再生されたプリントの担持画像に
おいては、図9の基本プロセスにおいて示されるよう
に、フィルム原稿の画像面からプリントの画像面に再生
されるまでに削られるフィルム原稿の担持画像のけられ
量は、予め考慮される不可避的なけられ量を除いて最小
化されている。すなわち、画像出力機16における出力
けられ余裕量、画像処理装置74における画素欠損など
のような画像のけられは予め考慮されているし、ズーム
レンズ62の光軸のズレや光学倍率誤差などのイメージ
センサ(CCD)30への投影画像のけられ余裕量は、
最小化され、かつ予め考慮されている。例えば、フィル
ム原稿の画像面に内接または内接に近い条件となる開口
領域を持つマスクを用いているし、投影像はCCDの有
効画素領域に内接または内接に近い条件となるように、
ズームレンズ62の読取光学倍率を調整し、設定してい
る。このため、モニタ18に表示された仕上りプリント
画像領域と画像出力機16から出力されるプリントの画
像領域との間に誤差がないし、プリントの担持画像は、
フィルム原稿の担持画像が最大限再生されたものであ
る。
【0075】次に、フィルム原稿の担持画像をトリミン
グする際に、ズームレンズユニット62を用いた光学ズ
ームによるトリミングでは、前述したようにトリミング
された原稿画像の投影像をイメージセンサ30の有効画
素領域に内接または内接に近い条件となる大きさに設定
することができるので、上述した方法と全く同様にして
行うことができる。このため、トリミング範囲と本(フ
ァイン)スキャン画像との関係も、ズーム画像が345
画素×230画素のプレスキャン画像としてモニタ18
に表示されるので、上述の関係と全く同様である。ま
た、モニタ18に表示されたフィルム原稿画像から、オ
ペレータが基準線でトリミング範囲を指定する電子ズー
ムによるトリミングの場合には、していされたトリミン
グ範囲内の画素領域(画素数)長辺HD、短辺VDを求
め、フレームメモリ91b上の画素数を計算して、入力
画素領域(画素数)とする。 ここで、MXは、読取(CCD)画素密度と表示画素密
度との比であり、Ha、Vaは、長短辺それぞれのけら
れに対する余裕量の微調値であり、画像処理装置74お
よび画像出力機16によるけられを考慮して設定され
る。この後の計算方法は、トリミングをしない方法と全
く同一である。
【0076】従って、モニタ18に表示される基準線
は、トリミング領域を正確に仕上りプリント画像領域と
して表示する。もちろん、トリミング領域を表示する基
準線も、以降の処理の画素欠損を盛り込んだ形で表示す
るため、考えられる誤差要因としては、画像出力機16
の光ビーム走査装置102の設計値からのずれ量しかな
く、そのずれ量は基準走査長を合わせ込むため、画像出
力機16から出力されるプリントの画像領域とのずれが
無いことはいうまでもない。従って、本発明法において
は、極めて高精度のトリミング作業を簡単に行える。
【0077】なお、CPU76は、先に得られたキャリ
アIDを用いてメモリ78に記憶されたキャリアIDに
対応した標準光学倍率を読み取ることにより、読み取ら
れるフィルム原稿のサイズおよびマスクサイズを自動的
に設定している。ここでは、読み取り原稿サイズが、同
一であれば、設定されたプリントサイズにかかわらず、
入力装置12の標準光学倍率は同一に設定されているの
が好ましいが、これに限定されるわけではない。このよ
うに読取光学倍率が読みだされると、CPU76は、ズ
ームレンズユニット62を調整してこの読取光学倍率に
設定する。この時、フィルム原稿のイメージセンサ30
への投影像の大きさは、フィルム原稿の画像面サイズま
たはマスクサイズがイメージセンサ30の有効画素領域
に内接、または内接に近い条件となるように設定してい
る。そして、また、この条件を満たすようにイメージセ
ンサ30の切り出し画素領域を選び、かつ、この切り出
し画素領域の画像が保証できるように、投影像の大きさ
を選ぶように設定している。ここで、イメージセンサ3
0の有効画素領域のサイズのアスペクト比が、フィルム
原稿の画像面サイズまたはマスクサイズのアスペクト比
に同一または近いイメージセンサ30を用いるのが好ま
しい。さらに、上述したように、感光材料へのレーザー
を用いたデジタル露光に対しては、プリントサイズのア
スペクト比を考慮し、イメージセンサ切り出し画素領域
に対し、内接、または内接に近い条件となるようにイメ
ージセンサ切り出し条件を選ぶことにより、フィルム原
稿の撮影画像領域をできるだけ大きく確保し、かつイメ
ージセンサ30の有効画素を最大限に使うことにより、
高精細な画質を確保することができる。
【0078】以上、本発明のデジタルプリント方法およ
び装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例
に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろん
である。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
トリミングを行なわない場合に、同一フィルムサイズの
フィルム原稿では、撮影画像サイズが異なっていても、
光学倍率を固定して、プリントサイズ毎に電子倍率を切
り換えているので、また、固定される光学倍率もフィル
ム原稿の原稿画像をイメージセンサの有効画像領域に最
大限に内接もしくは内接に近い状態で投影できる標準も
しくは設定光学倍率であるので、手間のかかるズームレ
ンズ操作による光学変倍を行なう必要がなく、高い生産
性で、画質の劣化のない高画質再生画像を持つプリント
を得ることができる。
【0080】また、本発明によれば、トリミング時に
は、光学変倍が可能な限り、電子変倍よりも光学変倍を
優先して行い、光学変倍ができなくなって、電子変倍を
行なうことができるので、フィルム原稿の撮影画像の一
部のみを大きく拡大しても、画質の劣化を防止、もしく
は最小限に留めることができるし、トリミング領域をモ
ニタで確認しながら調整できるのでトリミング作業を容
易に行なうことができ、かつトリミング精度を高くでき
るし、また、フィルム原稿の全撮影画像のけられを最小
限にするためにトリミングする場合であっても、同様に
モニタによる確認によって高精度で高画質のトリミング
画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルプリント方法を実施する
本発明のデジタルプリント装置の一実施例のブロック図
である。
【図2】図1に示すデジタルプリント装置の画像入力装
置の一実施例の概略斜視図である。
【図3】図2に示す画像入力装置に用いられるスライド
キャリアの一実施例の概略斜視図である。
【図4】図2に示す画像入力装置に用いられるトリミン
グキャリアのキャリア本体の概略平面図である。
【図5】図2に示す画像入力装置に用いられるトリミン
グキャリアの概略平面図である。
【図6】図6に示すトリミングキャリアに用いられるス
トリップス保持板の概略平面図である。
【図7】図1に示すデジタルプリント装置の制御装置の
一実施例のブロック図である。
【図8】図4に示す制御装置の画像処理装置の一実施例
のブロック図である。
【図9】本発明に係るデジタルプリント方法の基本プロ
セスの一例を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るデジタルプリント方法における
電子倍率および切り出し画素領域の決定方法の一実施例
を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るデジタルプリント方法における
光学倍率設定方法の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 デジタルプリント装置 12 画像入力装置 14 制御装置 16 画像出力機 18 表示装置(モニタ) 20 記憶装置 22 データ入力装置 24 光源部 26 キャリベース 28 結像部 30 イメージセンサ(CCD) 32 フィルムキャリア 34 スライドキャリア 62 ズームレンズユニット 70 制御部 72 信号処理装置 74 画像処理装置 76 CPU 78 メモリ 91,91a,91b フレームメモリ 92 表示用画像処理装置 94 記録用画像処理装置 160 トリミングキャリア

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のフィルムサイズのフィルム原稿の複
    数の画像サイズの担持画像をズームレンズで投影して、
    イメージセンサで光電的に読み取り、デジタル画像処理
    を行い、得られたデジタル画像信号に基づいて感光材料
    を露光し、現像処理して、複数のプリントサイズの再生
    画像を持つプリントを得ることのできるデジタルプリン
    ト方法において、 前記フィルム原稿の担持画像の中の所望サイズの読み取
    るべき画像を前記イメージセンサの有効画素領域内に投
    影する光学倍率および前記再生画像をプリントすべき所
    望のプリントサイズから決定される出力画素領域と前記
    イメージセンサの有効画素領域から決定される入力画素
    領域とからデジタル画像処理による画素欠損を考慮して
    決定される電子倍率の少なくとも一方を切り換えて、 前記フィルム原稿の前記所望サイズの読み取るべき画像
    を前記所望プリントサイズの再生画像を持つプリントと
    して出力するためのプリント倍率を切り換えるに際し、 前記イメージセンサの有効画素領域に読み取られた前記
    フィルム原稿の担持画像とともに、前記出力画素領域お
    よび前記電子倍率に基づいて前記画素欠損を考慮して前
    記有効画素領域から切り出す切り出し画素領域を前記プ
    リントサイズに対応した前記プリントの仕上り領域とし
    て示す基準線をモニタに表示するとともに、 トリミングをしない場合には、前記光学倍率を前記フィ
    ルム原稿のフィルムサイズに応じて予め設定された値に
    固定し、前記電子倍率を前記フィルム原稿の担持画像の
    画像サイズに応じて切り換えて前記プリント倍率を所望
    の値に設定し、 トリミングをする場合には、前記モニタに表示された画
    像と前記仕上り領域を表わす前記基準線によって示され
    るトリミング領域を目視しながら、前記電子倍率を切り
    換えて前記基準線内の領域を変倍するよりも、前記ズー
    ムレンズ操作による前記光学倍率の切り換えを優先して
    行って、前記モニタに表示される画像を変倍して前記基
    準線内のトリミング領域に前記所望サイズの読み取るべ
    き画像を一致させる場合と、前記光学倍率を切り換えて
    前記モニタに表示される画像を変倍するよりも、前記電
    子倍率を切り換えて、前記モニタに表示される前記基準
    線内の領域を変倍し前記トリミング領域を前記所望サイ
    ズの読み取るべき画像に一致させる場合とを切り換えて
    前記プリント倍率を所望の値に設定することを特徴とす
    るデジタルプリント方法。
  2. 【請求項2】前記プリントの再生画像の面積または長さ
    もしくは前記トリミング時に設定される前記電子倍率に
    応じて、前記イメージセンサによる前記フィルム原稿の
    担持画像の読取画素密度を切り換えて前記プリント倍率
    を切り換えることを特徴とする請求項1に記載のデジタ
    ルプリント方法。
  3. 【請求項3】前記トリミング時、前記ズームレンズ操作
    による前記光学倍率の切り換えが可能な低プリント倍率
    においては、前記光学倍率を優先した前記プリント倍率
    の切り換えが行われ、前記ズームレンズ操作による前記
    光学倍率の切り換えができない範囲内においては、前記
    光学倍率を固定し、前記電子倍率の切り換えによる前記
    プリント倍率の切り換えが行われることを特徴とする請
    求項1または2に記載のデジタルプリント方法。
  4. 【請求項4】前記トリミング時、設定された前記電子倍
    率に応じて、前記光学倍率による前記プリント倍率の切
    り換えと前記電子倍率による前記プリント倍率の切り換
    えとを使い分けることを特徴とする請求項1または2に
    記載のデジタルプリント方法。
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