JPH10193508A - プレコート鋼板とその製造方法 - Google Patents
プレコート鋼板とその製造方法Info
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- JPH10193508A JPH10193508A JP9003225A JP322597A JPH10193508A JP H10193508 A JPH10193508 A JP H10193508A JP 9003225 A JP9003225 A JP 9003225A JP 322597 A JP322597 A JP 322597A JP H10193508 A JPH10193508 A JP H10193508A
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Abstract
ッシャーマークが発生しにくく、高度の加工性を有する
プレコート鋼板を製造する。 【解決手段】 プレコート鋼板の最上層の樹脂皮膜を、
ガラス転移点が40℃未満の共重合ポリエステル樹脂10
0 重量部、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂10〜45重量部、酸触媒1〜3重量部、および
ビッカース硬度が6以上で、粒径が該最上層樹脂皮膜の
膜厚の1〜2倍の有機樹脂ビーズ1〜5重量部、を必須
成分として含む塗料組成物を塗布した後、板面での風速
が 0.5〜3.0 m/sec になるように制御した熱風オーブン
で塗膜を焼付けることにより形成する。
Description
ーク性と加工性に優れたプレコート鋼板とその製造方法
に関する。本発明のプレコート鋼板は、家庭用電気機
器、屋内外器物等に使用するのに適している。
たは焼付けることにより樹脂被覆を施したプレコート鋼
板は、作業および環境面で問題の多い塗布作業を行わず
にユーザーが直ちに成形加工でき、かつ表面が美麗な光
沢を持つことから、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ等の屋
内で使用される家電製品や、エアコン室外機、自動販売
機等の屋外で使用される電気製品等に多く用いられてい
る。このような用途に使用されるプレコート鋼板は、外
面に向けられる表側には、比較的厚膜の表面が平滑で美
麗な光沢を持つ塗膜が形成され、裏面には耐食性付与の
ための比較的薄膜の塗装 (従って、塗膜の表面平滑性は
劣る) が施されることが多い。
または切板で出荷されるが、製造から使用されるまでの
間に数日ないしは数カ月保管されるのが一般的である。
例えばコイルの場合、約1〜5トンのコイル重量で切断
し、保管することが多いが、使用時に巻戻してみると、
保管中のコイル下側の自重のかかった部分の表側塗膜に
は、プレッシャーマーク (裏面塗膜の凹凸が表面に転写
された転写模様) が発生する。切板の場合には1ロット
につき2トン前後を積み重ねることが多いが、この場合
も、ロットの下側に積まれていた切板の表側塗膜には、
同様なプレッシャーマークが発生することがある。以
下、プレッシャーマークが問題となる塗膜(通常は表側
塗膜) を単に塗膜という。
ート鋼板は、性能上は特に問題がないが、商品価値が著
しく低下する。なぜなら、プレッシャーマークによりプ
レコート鋼板が本来有している塗膜の美麗な光沢が失わ
れ、プレッシャーマークが肉眼でも健全部とは明確に区
別されるため、上述した用途のように厳しい外観品質が
要求される用途には使用できなくなるからである。
レコート鋼板の塗膜表面に厚さ60μm程度の保護フィル
ムを施す方法があるが、コスト高になるうえ、ユーザー
における成形加工の後に保護フィルムを除去し、廃棄す
るという手間のかかる工程が加わるという難点がある。
ではないが、プレッシャーマークの発生後に、加温によ
り元の光沢を復元させる方法がある。しかし、この方法
においても、加温工程の追加によりコスト高を招くとい
う問題点があり、また光沢の復元も完全ではない。
を根本的に防止することができるが、この手段は、プレ
コート鋼板に求められる別の重要な性能である加工性の
低下が避けられないため、到底採用することができな
い。
点40〜65℃、数平均分子量15,000〜30,000のポリエステ
ル樹脂と、メラミン樹脂またはイソシアネート樹脂から
なる架橋剤と、平均粒子径2〜50μmの有機樹脂粉末
と、滑剤とからなる、耐プレッシャーマーク性が良好な
プレコート鋼板用の塗料組成物が開示されている。この
塗料組成物から形成したプレコート鋼板は、低温加工性
が十分ではないうえ、耐プレッシャーマーク性を確実に
改善することができない。
耐プレッシャーマーク性とを両立させることは困難であ
り、満足できるプレッシャーマーク発生の防止対策は未
だ確立していないのが実状である。
ク対策が持つ上記のような問題点を解消し、コスト高お
よび手間の増大を招くことなく、プレッシャーマークが
発生しにくく、しかも高度の加工性を有するプレコート
鋼板とその製造方法を提供することである。
シャーマークによる塗膜の光沢低下は、裏面塗膜の凹凸
の転写に由来する表面粗さの増大である。これを防止す
るには、先に述べたように、バルク (塗膜全体) の押し
込み硬度を高めることが有効であるが、この手段では加
工性の低下が避けられない。
工性を高度にバランスさせる手段について検討し、共重
合ポリエステル樹脂をアルキルエーテル化アミノホルム
アルデヒド樹脂を架橋剤として硬化させた塗膜におい
て、架橋剤を表面濃化させることにより耐プレッシャー
マーク性に優れたプレコート鋼板が得られることを、先
に提案した (特願平7−312678号) 。しかし、この手段
でも、加工性の若干の低下があり、耐プレッシャーマー
ク性の改善も完全に満足できる程度ではない。
移点が低い共重合ポリエステル樹脂をベース樹脂として
使用し、これに前記架橋剤に加えて、酸触媒と硬質の有
機樹脂ビーズとを配合することにより、加工性と耐プレ
ッシャーマーク性をさらに改善することができ、上記目
的を達成することができることを見出した。
の樹脂皮膜が、ガラス転移点が40℃未満の共重合ポリ
エステル樹脂100 重量部、アルキルエーテル化アミノ
ホルムアルデヒド樹脂10〜45重量部、酸触媒1〜3重
量部、およびビッカース硬度が6以上で、粒径が該最
上層樹脂皮膜の膜厚の1〜2倍の有機樹脂ビーズ1〜5
重量部、を必須成分として含む塗料組成物から形成され
た焼付け皮膜であることを特徴とする、耐プレッシャー
マーク性と加工性に優れたプレコート鋼板である。本明
細書において、樹脂の量はいずれも固形分基準の重量で
ある。
のビッカース硬度は4以下程度と低い。このような塗膜
に、ビッカース硬度が6以上という硬質の有機樹脂ビー
ズを含有させることは、いわば堅固な柱を増設すること
に相当し、塗膜全体の強度を上げることができる。従っ
て、この硬質の樹脂ビーズの配合は、塗膜の押し込み硬
度の補強につながり、そのため耐プレッシャーマーク性
が向上する。
満と低く、極めて加工性に優れたポリエステル樹脂をベ
ース樹脂として使用することで、改善が図られる。本発
明で用いる架橋剤は、焼付け中に塗膜の外面側に移行し
易く、塗膜の内面側に比べて外面側の架橋密度が増大す
る。その結果、内面側は架橋密度があまり上がらず、ポ
リエステル樹脂本来の良好な加工性が保持される。同時
に、架橋密度が高くなる外面側は押し込み硬度が高くな
るので、良好な加工性を堅持しつつ、有機樹脂ビーズ添
加によるプレッシャーマーク性改善をより万全なものに
することができる。この架橋剤の表面濃化は、焼付けに
用いる熱風オーブンの風量により、適度の範囲に制御す
ることができる。
の塗料組成物を塗布した後、板面での風速が 0.5〜3.0
m/sec になるように制御された熱風オーブンにより塗膜
を焼付けて最上層の樹脂皮膜を形成することを特徴とす
る、耐プレッシャーマーク性と加工性に優れたプレコー
ト鋼板の製造方法である。
る。 (1) 母材鋼板 本発明のプレコート鋼板の母材として使用される鋼板の
種類は特に限定されない。冷延鋼板、亜鉛系めっき鋼板
やアルミニウム系めっき鋼板等の表面処理鋼板などが好
適に使用される。ステンレス鋼板等も使用できる。
を目的とする下地処理を行うことが好ましい。下地処理
は、プレコート鋼板に従来より使用されているものと同
様でよいが、通常は塗布型クロメート処理、電解クロメ
ート処理、反応型クロメート処理から選ばれたクロメー
ト処理、および/またはリン酸塩処理が実施される。ク
ロメート処理では金属Cr換算付着量で片面15〜100 mg/m
2 が好ましく、リン酸塩 (リン酸亜鉛) 処理では片面の
付着量で 0.2〜1.5 g/m2であるのが好ましい。
や隠蔽性向上、または耐食性保護のために設けておくの
が好ましい。乾燥膜厚で1〜10μm程度が好ましい。
限定されないが、加工性と密着性とのバランスから、ポ
リエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂
系、またはこれらの樹脂の併用系が好ましい。
成することができる。1層の場合にはその層を、2層以
上の場合には最上層を、本発明で規定する共重合ポリ
エステル樹脂、アルキルエーテル化アミノホルムアル
デヒド樹脂、酸触媒、および有機樹脂ビーズを含む
塗料組成物から形成する。通常は、上塗り樹脂皮膜は1
層だけ (即ち、本発明で規定する塗料組成物から形成し
た焼付け皮膜だけ) でよい。こうして、最上層の樹脂皮
膜を本発明で規定する塗料組成物から形成することによ
り、加工性と耐プレッシャーマーク性とが両立したプレ
コート鋼板が得られる。
点が40℃未満の共重合ポリエステル樹脂を使用する。共
重合ポリエステル樹脂とは、多塩基酸と多価アルコール
とから合成されたポリエステル樹脂のことであり、多様
な種類の共重合ポリエステル樹脂が製造され、市販され
ている。
ル樹脂のガラス転移点が40℃未満では、加工性が良好で
あるものの、耐プレッシャーマーク性が劣ると説明され
ている。本発明においては、架橋剤に酸触媒を併用する
ことで、架橋反応を促進させ、かつ後述する傾斜機能に
より塗膜外面側の架橋密度を高くすることにより、ガラ
ス転移点が40℃未満のポリエステル樹脂を使用して、良
好な耐プレッシャーマーク性を確保することができる。
40℃以上と高くなると、加工性、特に、冬場の加工など
に求められる低温加工性が不足する。逆にガラス転移点
が極端に低いと、ブロッキング (塗装面同士がくっつく
現象) を起こす恐れがあるため、共重合ポリエステル樹
脂のガラス転移点は好ましくは0℃以上である。
ついては特に限定しないが、好ましい数平均分子範囲は
9,000〜25,000である。9,000 未満では加工性が不足す
ることがあり、25,000を越えると塗料の粘度が上昇し、
塗装性が低下する。加工性と塗装性の観点からより好ま
しくは 9,000〜15,000である。
ヒド樹脂 (架橋剤) 焼付け工程において共重合ポリエステル樹脂と反応する
架橋剤として、自己縮合性があり、表面濃化を起こし易
いアルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂を使
用する。これ以外の架橋剤、例えばイソシアネート化合
物は、自己縮合性を持たず、表面濃化による傾斜機能を
発現しにくく、本発明の目的には不適当である。
ド樹脂としては、アルキルエーテル化メチロールメラミ
ン樹脂、例えば、メトキシ化メチロールメラミン、メト
キシ化ブトキシ化混合型メチロールメラミン、さらにア
ルキルエーテル化量の比較的少ないメトキシ化メラミン
あるいはイミノ基型メラミン等が用いられ、これらを単
独で使用しても、または2種以上を併用してもよい。
デヒド樹脂を共重合ポリエステルに配合した塗料の塗膜
を焼付け硬化させると、両者の表面自由エネルギー差と
相溶性によって、表面自由エネルギーが相対的に小さい
アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂が、焼
付け中により高温になる塗膜の表面 (外面側) の方向に
移行し、表面に濃化する傾向がある。
ミノホルムアルデヒド樹脂は自己縮合性を有する (完全
メトキシ化メチロールメラミンはそれ自身は自己縮合性
が小さいが、酸触媒を併用することにより、自己縮合反
応が促進される)ので、表面に濃化したアルキルエーテ
ル化アミノホルムアルデヒド樹脂は、周囲に共重合ポリ
エステル樹脂が少なくなってこれと縮合反応できなくて
も、架橋剤どうしで縮合して架橋することができ、表面
近傍での架橋密度が高くなる。こうして、樹脂組成 (ポ
リエステル樹脂と架橋剤との存在比率) や架橋密度が塗
膜の厚み方向に変化する傾斜機能が塗膜に付与される。
前述したように、架橋剤に自己縮合性がないと、この傾
斜機能はあまり付与されない。
プレッシャーマークのような光沢変化が抑制できる。一
方、塗膜の内側では、架橋剤の濃度が低くなるので、共
重合ポリエステル樹脂の架橋があまり起こらず、共重合
ポリエステル樹脂の持つ良好な加工性が保持される。
アルデヒド樹脂は、共重合ポリエステル樹脂100 重量部
に対して、10〜45重量部、好ましくは15〜40重量部、さ
らに好ましくは20〜30重量部の割合で使用する。この量
が10重量部未満では、架橋不足のために二次密着性や耐
食性の低下をきたし、45重量部を超えると加工性が低下
する。
ムアルデヒド樹脂の自己縮合を促進させ、前述した傾斜
機能をより高度に発揮させるために添加する。それによ
り、完全メトキシ化メチロールメラミンのように自己縮
合性が小さいアルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂を使用する場合でも、その自己縮合による傾斜機
能、即ち、架橋剤の表面濃化と自己縮合により、内部の
架橋密度を低く抑えたまま、表面近傍の架橋密度を増大
させ、プレッシャーマークによる光沢変化を抑制する作
用を確実に発揮させることができる。
エンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのス
ルホン酸類が好ましい。酸触媒の添加量は、共重合ポリ
エステル樹脂100 重量部に対して、1〜3重量部、好ま
しくは 1.5〜2.5 重量部の範囲内とする。この量が1重
量部未満では、アルキルエーテル化アミノホルムアルデ
ヒド樹脂の自己縮合が起こりにくく、その表面濃化量が
不足して耐プレッシャーマーク性が低下することがあ
り、3重量部を超えると、架橋が進みすぎて加工性の低
下が起こる。
るため、ビッカース硬度6以上という硬質の有機樹脂ビ
ーズを塗膜中に含有させる。ここで、ビッカース硬度
は、正四角錘 (対面角136 度) のダイヤモンド圧子を試
料に押し込んだとき、荷重とくぼみの表面積から定義さ
れる硬さのことであり、本発明においては、荷重10gに
て測定される値を採用している。
用しても、十分なプレッシャーマーク性の向上効果が得
られない。樹脂ビーズのビッカース硬度は好ましくは6.
5 以上である。
足していれば特に限定されないが、アクリル系、ポリウ
レタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエチレ
ン系、ポリプロピレン系、シリコーン系、ポリフッ化ビ
ニリデン系、ポリフッ化テトラフロオロエチレン系等の
樹脂が例示できる。
が、球形もしくはそれに近い形態が好ましい。ビーズの
粒径に関しては、これを含有させる最上層皮膜の膜厚と
同程度か、やや大きい程度が望ましい。最上層皮膜の膜
厚より小さいと、前記の補強効果が不足し、極端に大き
くなると、密着性が不足して脱落し易くなる。従って、
ビーズの粒径としては、最上層皮膜の膜厚の1〜2倍、
特に1〜1.5 倍が望ましい。
脂100 重量部に対して1〜5重量部、好ましくは2〜4
重量部とする。この量が5重量部未満では、耐プレッシ
ャーマーク性が不足し、5重量部を上回ると加工性の劣
化を免れない。
前述した〜の必須成分以外に、塗料に慣用される他
の成分を含有しうる。かかる他の成分としては、溶媒、
顔料、他の樹脂、消泡剤、表面硬化調整剤、艶消し剤、
ワックス成分等が挙げられる。通常は溶媒と顔料は必ず
使用する。
ソホロン、N−メチル−2−ピロリドンなどのケトン系
溶媒、ソルベッソなどであり、共重合ポリエステル樹脂
とアルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂の両
者を溶解できるが、使用する有機樹脂ビーズを実質的に
溶解しないものを選択する。
は、プレコート鋼板の製造に使用可能な任意の方法でよ
い。例えば、ロールコート法、カーテンフローコート
法、スプレー法等が使用できる。最上層皮膜の膜厚は、
乾燥膜厚で5〜30μm、特に7〜25μmの範囲内が好ま
しい。塗装は通常は片面だけに行い、裏面側には別の簡
易な塗装 (サービスコート、例えば前述したプライマー
だけ) を施すことが多いが、両面に上記塗料組成物を塗
装しても構わない。
熱風加熱) により行い、その際の熱風の風速によって、
最上層皮膜の表面に濃化するアルキルエーテル化アミノ
ホルムアルデヒド樹脂の量を制御することができる。具
体的には、板面で測定した熱風風速が 0.5〜3.0 m/sec
となる条件の熱風オーブンで焼付けを行うことが好まし
い。
ーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂の表面濃化量が少
なく、耐プレッシャーマーク性が不足する場合がある。
一方、この風速が3m/sec を超えると、アルキルエーテ
ル化アミノホルムアルデヒド樹脂の表面濃化量が過剰に
なり、表面の架橋が進行しすぎて脆くなり、加工性が低
下することがある。
である熱線式流速計、或いはサーミスター流速計等の慣
用の測定機を用いて行うことができる。焼付け温度は通
常のプレコート鋼板の焼付け温度と同様でよく、特に限
定されないが、PMT (最高到達板温度) 200〜250 ℃
程度で行われることが多い。
着量:片面60 g/m2)を母材鋼板とし、その表面を常法に
より清浄化した後、下地処理として燐酸亜鉛溶液の浸漬
により燐酸亜鉛化成皮膜 (燐酸亜鉛付着量0.8 g/m2) を
形成した。次いで、下塗り用の塗料として、大日本イン
キ化学製のプライマー塗料PB10P を使用し、乾燥膜厚が
7μmになるようロールコーターで鋼板の片面に塗布し
た後、最高到達鋼板温度 (PMT) が210 ℃になるよう
50秒で焼付け硬化させた。この下塗り樹脂皮膜の上に、
次に述べるようにして上塗り樹脂皮膜を形成して、プレ
コート鋼板を作製した。
は、表1に示す共重合ポリエステル樹脂100 重量部に対
し、表2の架橋剤、表3の酸触媒、そして表4の樹脂ビ
ーズを適宜組合わせて、表5または表6に示す量 (重量
部) で添加することにより調製した。表1、表2および
表4において、* を付したものは、本発明の範囲外の比
較用の材料である。この塗料組成物は、溶媒としてシク
ロヘキサノンを、顔料として酸化チタンを含有してい
た。
るようにロールコーターで塗布した後、オーブン風速
(板面) を 0.3〜6 m/sに制御した熱風オーブンに入
れ、焼付け時間50秒でPMTが230 ℃になるように焼付
硬化を行い、プレコート鋼板を得た。
て、下記要領でその性能評価を実施した。その試験結果
も表5および表6に一緒に示す。
の塗膜面を、プレコート鋼板の裏面側を想定して作製し
た別のプレコート鋼板 (Bとする) の試験片の塗膜と加
圧下に面接触させて、耐プレッシャーマーク性を評価し
た。プレコート鋼板Bは、同じ母材鋼板に上記と同様に
下地処理板 (リン酸亜鉛処理板) した後、プレコート鋼
板の裏面塗装 (サービスコート) に用いられるエポキシ
系塗料を用いて、乾燥膜厚6μmで塗装と焼付けを行っ
て作製した。
塗膜面同士が面接触するように重ねて、40℃にて100 kg
/cm2×24時間の熱プレスを施し、熱プレス後のプレコー
ト鋼板Aの試験片の塗膜表面を目視で観察し、プレッシ
ャーマークの発生状況を下記基準により評価した。
挟み枚数を変えながら180°折曲げ加工を施した後、折
曲げ部を10倍ルーペで観察して塗膜の亀裂の有無を判定
した。折曲げ加工性は、亀裂が認められない最小の板挟
み枚数で表示した。
は板挟み枚数が1枚、即ち、 180°曲げ時の板間隔が、
同じ厚みの板1枚分となるまで、亀裂を生じることなく
折曲げが可能であることを示す。従って、表示した数値
が大きいほど加工性が低い。この折曲げ加工性は温度に
依存し、一般に低温では低下する傾向がある。ここでは
0℃ (氷温) で折曲げ試験を実施した。
ート鋼板は、プレッシャーマークが全く発生しないか、
発生してもごく軽微で、耐プレッシャーマーク性に優れ
ており、同時に折曲げ加工性も3T以内、多くは1Tか
2Tと良好であった。
と、酸触媒を添加しないか(No.35) 、架橋剤であるアル
キルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂または樹脂
ビーズの配合量が少なすぎるか(No.39, 41) 、樹脂ビー
ズのビッカース硬度が小さすぎると(No.44) 、耐プレッ
シャーマーク性が低下した。一方、酸触媒、架橋剤、ま
たは樹脂ビーズの配合量が多すぎるか(No.36, 40, 42)
、共重合ポリエステル樹脂のガラス転移点が40℃より
高いと(No.43) 、加工性が低下した。また、別の架橋剤
を使用すると、耐プレッシャーマーク性の向上が得られ
なかった。
ぎたため、ビーズの脱落が認められたので、膜特性は評
価しなかった。樹脂ビーズの粒径が小さすぎても(No.4
6) 、耐プレッシャーマーク性は低下した。塗布後の焼
付け時のオーブン風速が低すぎると(No.37) 、架橋剤の
表面濃化が十分に起こらず、耐プレッシャーマーク性が
低下する傾向があり、この風速が高すぎると(No.38) 、
架橋剤の表面濃化が起こりすぎて、加工性がやや不足し
た。
いガラス転移点の低い共重合ポリエステル樹脂に、表面
濃化可能な自己縮合性の架橋剤と酸触媒を、硬質の有機
樹脂ビーズと一緒に配合した塗料組成物から最上層の皮
膜を形成することにより、加工性を低下させずに、この
種のプレコート鋼板の欠点であったプレッシャーマーク
発生をほぼ完全に防止することができる。従って、本発
明のプレコート鋼板は、美麗な光沢を持つ外観が求めら
れ、光沢が低下すると商品価値が大きく損なわれる、家
庭用電気機器や屋内外器物等の用途に最適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼板上に設けた最上層の樹脂皮膜が、
ガラス転移点が40℃未満の共重合ポリエステル樹脂100
重量部、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド
樹脂10〜45重量部、酸触媒1〜3重量部、およびビ
ッカース硬度が6以上で、粒径が該最上層樹脂皮膜の膜
厚の1〜2倍の有機樹脂ビーズ1〜5重量部、を必須成
分として含む塗料組成物から形成された焼付け皮膜であ
ることを特徴とする、耐プレッシャーマーク性と加工性
に優れたプレコート鋼板。 - 【請求項2】 請求項1に記載の塗料組成物を塗布した
後、板面での風速が0.5〜3.0 m/sec になるように制御
された熱風オーブンにより塗膜を焼付けて最上層の樹脂
皮膜を形成することを特徴とする、耐プレッシャーマー
ク性と加工性に優れたプレコート鋼板の製造方法。
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