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JPH10194722A - エラストマー補強用含水ケイ酸及びその製造方法 - Google Patents

エラストマー補強用含水ケイ酸及びその製造方法

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Publication number
JPH10194722A
JPH10194722A JP34917696A JP34917696A JPH10194722A JP H10194722 A JPH10194722 A JP H10194722A JP 34917696 A JP34917696 A JP 34917696A JP 34917696 A JP34917696 A JP 34917696A JP H10194722 A JPH10194722 A JP H10194722A
Authority
JP
Japan
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silicic acid
reaction solution
solution
surface area
reaction
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Application number
JP34917696A
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English (en)
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JP3818554B2 (ja
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Masahiro Harada
正博 原田
Toshitaka Kurasumi
敏隆 蔵澄
Norio Ishikawa
紀夫 石川
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Tosoh Silica Corp
Original Assignee
Nippon Silica Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Silica Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Silica Industrial Co Ltd
Priority to JP34917696A priority Critical patent/JP3818554B2/ja
Publication of JPH10194722A publication Critical patent/JPH10194722A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ゴム配合物の粘度を低くして加工性を向上、
引張強度等の破壊特性と耐摩耗性に優れた補強特性を有
するエラストマー補強用含水ケイ酸及びその製造方法の
提供。 【解決手段】 BET法比表面積(N2 −SA)が20
0〜300m2/gの範囲であり、Hg法比表面積(Hg
−SA)が150m2/g以下であり、ジ・ブチル・アミ
ン吸着量/BET法比表面積の比が1.4以下であり、
且つ、Hg−SA/N2 ─SAの比が0.6以下である
湿式法含水ケイ酸からなるエラストマー補強用含水ケイ
酸。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液を予め充填した反応容
器に、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸を並行して添
加してケイ酸を所定のシリカ濃度、pH条件、温度およ
び時間内に所定の手順で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な含水ケイ酸
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、加工性と破壊特性及び耐磨耗性とに優れた新規なエ
ラストマー補強用含水ケイ酸及びその製造方法に関す
る。本発明の含水ケイ酸は、工業用ゴム製品補強用充填
剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム組成物の補強剤として、無機
充填剤が多岐分野にわたり使用されている。中でも含水
ケイ酸は比較的高い補強性を有し、更には白色のため着
色が自由であり、かつ安価であることから、一般的な高
補強性充填剤として多用されてきた。これらの含水ケイ
酸はその特性に応じて、各種用途のゴムに使いわけられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】含水ケイ酸のゴム補強
メカニズムは複雑多岐で、ゴム配合物の特性は含水ケイ
酸の粉体物性に大きく左右される。特にBET法比表面
積(以下N2 −SA)はゴム配合物の粘度、並びに破壊
特性及び耐磨耗性等に大きな影響を及ぼすことは既によ
く知られている。中で、ゴム配合物の粘度は加工性を左
右する大きなファクターである。粘度が低いものほど加
工性は良好であることから、低粘度のものが求められて
いる。また、BET比表面積が高い含水ケイ酸は、補強
効果が大きいが、粘度も高くなる。逆にBET比表面積
が低いと粘度は下がり加工性は容易になるが、補強性が
劣る。加工性と補強性とは共に優れていることが望まれ
ているのであるが、このように相反する物性である。と
ころが、実用上は、ゴム製品の用途の多様化と高度化と
から、加工性と補強性の両者がより改善された含水ケイ
酸が望まれている。しかし、現在の技術で製造される含
水ケイ酸は、いずれも満足なゴム物性を提供するに至っ
ていない。
【0004】このように相反する加工性と補強性の両者
ともに優れた総合的バランスをもった高補強性充填剤と
しての含水ケイ酸が求められている。そこで本発明の目
的は、ゴム配合物の粘度を低くして加工性を向上させる
ことができ、かつ、引張強度等の破壊特性と耐摩耗性に
優れた補強特性を有するエラストマー補強用含水ケイ酸
及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、含水ケイ
酸をエラストマー用補強充填剤として使用するにあた
り、ゴム配合物の粘度を低くして加工性の向上を図り、
同時に補強性能、即ち引張強度、引張応力、反撥弾性及
び耐磨耗性等を向上させた含水ケイ酸について鋭意研究
を重ね、本発明に至った。即ち、本発明は、BET法比
表面積(N2 −SA)が200〜300m2/gの範囲で
あり、Hg法比表面積(Hg−SA)が150m2/g以
下であり、ジ・ブチル・アミン吸着量/BET法比表面
積の比が1.4以下であり、且つ、Hg−SA/N2
SAの比が0.6以下である湿式法含水ケイ酸からなる
ことを特徴とするエラストマー補強用含水ケイ酸に関す
る。
【0006】さらに本発明は、(1)シリカ濃度が5g
/l以下であるアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を予め充填
した反応容器に、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸を
並行して添加してケイ酸を生成させる工程であって、前
記アルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸との添加を40〜
100分間に渡って行い、その間の反応液のpHを7〜
10の範囲に維持し、かつ添加終了時の反応液中のシリ
カ濃度を40g/l以下とする工程、(2)前記反応液
に、前記反応で中和されたアルカリ金属ケイ酸塩と等量
以上のアルカリ金属ケイ酸塩を含む水溶液を60分以内
で添加する工程であって、添加終了時の反応液中のシリ
カ濃度を60〜80g/lとする工程、及び(3)前記
反応液に、鉱酸を添加して反応液のpHを5以下にする
工程であって、前記添加を30分以内に行う工程からな
り、かつ工程(1)〜(3)を60〜100℃の温度で
行うことを特徴とする請求項1の含水ケイ酸の製造方法
に関する。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明を更に詳細に説明する。充
填剤のゴム補強のメカニズムは、フィラー特有の反応性
及び構造性並びに分散機能によると、一般にいわれてい
る。より具体的には、ゴムの補強性能に関与する大きな
因子として、含水ケイ酸の一次粒子径及びアグリゲート
径、それに伴うゴム配合物中での分散が大きく関与する
ことが知れている。従って、これら含水ケイ酸の物性を
コントロールすることは、所望のゴムの補強性能を得る
上で重要である。含水ケイ酸の構造性については、粒子
径及び細孔容積等がその指標として用いられている。し
かし、分散機能に関しては、未だ確たる指標が見出され
ていないのが現状である。
【0008】本発明者らは、これら構造性のみならず、
分散機能にも着目して、含水ケイ酸によるゴム補強の研
究を重ねた。含水ケイ酸配合物の補強性能は、大きくは
含水ケイ酸のBET比表面積に比例し、BET比表面積
が高いほど補強性能は高い傾向にある。しかしながら、
高比表面積である含水ケイ酸ほどゴム配合物の粘度も高
くなる傾向がある。更に、比表面積が高すぎると分散不
良を招き、補強性能が逆に低下すると同時に加工性も阻
害する。これは、以下のような理由によると考えられ
る。含水ケイ酸の表面には多数のシラノール(Si−O
H)基が存在している。これらのシラノール基は官能基
として働き、補強効果をもたらす反面、粒子間の水素結
合による自己凝集力が強く働き過ぎるためかエラストマ
ー内部における分散が困難となる。そのため、高比表面
積ではあってもその一部分のみがエラストマーに接する
結果となり、補強効果を逆に低下させることになると解
される。
【0009】それ故、充填剤としての含水ケイ酸の比表
面積の増大(一次粒子の小径化)は、粒子表面のシラノ
ール基の増大につながる。その結果、エラストマー内部
での分散不良をもたらし、補強効果の低下を招くと推測
される。このような観点から、本発明者らは、従来の一
次粒子径の揃った含水ケイ酸に対して、一次粒子径が大
小異なったものが混在し、混在の程度を調整することで
含水ケイ酸の比表面積の調整すれば、高比表面積をもっ
た含水ケイ酸粒子であっても、エラストマー内における
良好なる分散が得られると同時に、低粘度化が図れ加工
性をも容易にすることができると考えた。本発明者らは
かかる観点から研究を重ね、前記の特定した範囲の含水
ケイ酸において優れた補強効果がもたらされることを見
出し本発明を完成するに至ったのである。
【0010】本発明の湿式法含水ケイ酸は、BET法比
表面積(N2 −SA)が200〜300m2/gの範囲で
ある。BET法比表面積が200m2 /g未満では補強
性が劣り、逆に300m2 /gを超えると自己凝集力が
あまりにも強すぎ分散不良の原因となり補強性の低下及
び粘度の上昇を招く。BET法比表面積の範囲は、好ま
しくは230〜280m2 /gの範囲である。本発明の
含水ケイ酸は、さらに、Hg法比表面積(Hg−SA)
が150m2/g以下である。Hg−SAは、含水ケイ酸
の凝集粒子及び凝集粒子同志で形成される細孔の大きさ
より計算される値である。算出法は、細孔を円筒形と仮
定してA=2V/rとして表される。但し、A=表面積
(m2 /g)、V=全細孔容積(cc/g)、r=平均
細孔半径(μm)とした場合である。従って、Hg−S
Aの値が小さい含水ケイ酸は、細孔容積が小さく、含水
ケイ酸の大小の一次粒子が混在していて密充填に近い状
態となっていること、あるいは含水ケイ酸のアグリゲー
ト(凝集粒子)が大小混在していて密充填に近い状態と
なっていると推測される。Hg−SAが150m2/gを
超えると高活性シリカのゴム挙動を示し、補強性は高い
が同時にゴム粘度も高くなり好ましくないことから、本
発明の含水ケイ酸ではHg−SAを150m2/g以下と
する。Hg−SAは、好ましくは、50〜150m2/g
の範囲、さらに好ましくは100〜150m2 /gの範
囲である。
【0011】さらに本発明の含水ケイ酸は、ジ・ブチル
・アミン吸着量/BET法比表面積の比が1.4以下で
ある。ジ・ブチル・アミン(以下、DBA)吸着量(m・
mol/kg-SiO2)(R.Meyer: Kautschuk und Gummi 7(8),180
-182WT(1954)) は、酸性点の量を示し、含水ケイ酸の外
部表面積に比例すると言われている。外部表面積があま
りに大きくなりすぎると、前述したように分散不良や加
工性低下等の問題を起こすことになる。一般にBET比
表面積が高いものはDBA吸着量も高い傾向にあり、し
ばしば高活性であるともいわれる。本発明はこのDBA
とN2 −SAとのバランス関係を調整してゴム補強性能
を改善している。即ち、本発明では、DBA/N2 −S
Aの比率を1.4以下とすることで、加工性の改善と補
強性の向上を両立させている。DBA吸着量/BET法
比表面積の比は、好ましくは0.8〜1.4の範囲であ
る。
【0012】さらに本発明の含水ケイ酸は、Hg−SA
/N2 ─SAの比が0.6以下である。Hg−SA/N
2 ─SAの比は、好ましくは0.2〜0.6の範囲、よ
り好ましくは0.3〜0.5の範囲である。Hg−SA
/N2 −SAの比は、含水ケイ酸の一次粒子の異なるも
のの混在状態の指標であり、0.6以下と小さくするこ
とで、ゴム配合物の粘度の上昇を抑制すると同時にゴム
加硫物性の改善が図れる。但し、Hg−SAを低くしす
ぎたり、Hg−SA/N2 −SAの比を小さくしすぎる
とゴム配合物の粘度が下がり加工性は良くなるが、補強
性が劣ることになるので注意を要する。
【0013】以下、本発明の湿式法含水ケイ酸の製造方
法について説明する。従来、湿式法含水ケイ酸は、一般
に、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸の反応により沈
殿物として得られることは知られており、基本的には、
本発明の製造方法もこれに基づいている。本発明の製造
方法において、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液は特に限定
しないが、例えば、ケイ酸ナトリウムを用いることがで
きる。また鉱酸も特に限定しないが、例えば、硫酸が好
適である。
【0014】本発明の製造方法は3つの工程からなる。
第1の工程は、シリカ濃度が5g/l以下であるアルカ
リ金属ケイ酸塩水溶液を予め充填した反応容器に、アル
カリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸を並行して添加してケイ
酸を生成させる工程であって、前記アルカリ金属ケイ酸
塩水溶液と鉱酸との添加を40〜100分間に渡って行
い、その間の反応液のpHを7〜10の範囲に維持し、
かつ添加終了時の反応液中のシリカ濃度を40g/l以
下とする工程である。第1の工程において、初期シリカ
濃度が5g/lを超えると、得られる含水ケイ酸のHg
−SAが150m2/gを超えるようになるので適当でな
い。また、第1の工程の終了時のシリカ濃度が40g/
lを超えると、同様にHg−SAが150m2/gを超え
るようになるので適当でない。アルカリ金属ケイ酸塩水
溶液と鉱酸との添加の時間(反応時間)が40分未満で
はN2 −SAが低くなる傾向があり、また100分を超
えると生産性が悪くなる。また、アルカリ金属ケイ酸塩
水溶液と鉱酸の添加の間の反応液のpHを7〜10の範
囲に維持するのは、pH7未満の酸性領域では含水ケイ
酸合成条件から外れ、ゲル状生成物が発生して反応のコ
ントロールが困難になるからであり、また、pHが10
を超えると微小な一次粒子の含有割合が多くなり、N2
−SAが高くなりすぎるためである。
【0015】第2の工程は、第1の工程で得られる反応
液に、前記反応で中和されたアルカリ金属ケイ酸塩と等
量以上のアルカリ金属ケイ酸塩を含む水溶液を60分以
内で添加する工程であって、添加終了時の反応液中のシ
リカ濃度を60〜80g/lとする工程である。第2の
工程では、第1の工程で中和されたアルカリ金属ケイ酸
塩と等量以上のアルカリ金属ケイ酸塩を含む水溶液を反
応液に添加する。この工程でのケイ酸ナトリウムの添加
量が多いほど大粒子(一次粒子)の比率は多くなる。こ
こで、添加終了時の反応液中のシリカ濃度を60〜80
g/lとすることで、N2 −SAの調整が容易になる。
即ち、本工程においてシリカ濃度が低すぎるとN2 −S
Aが高くなりすぎ、逆にシリカ濃度が高すぎるとN2
SAが低くなりすぎ、いずれの場合にも、本発明の目的
とする含水ケイ酸が得られにくくなる。また、アルカリ
金属ケイ酸塩を含む水溶液を60分以内で添加するの
は、添加時間が60分を超えるとN2 −SAが低くなり
すぎる傾向があるからである。
【0016】第3の工程は、第2の工程で得られる反応
液に、鉱酸を添加して反応液のpHを5以下にする工程
であって、前記添加を30分以内に行う工程である。鉱
酸を30分以内に添加して反応液のpHを5以下にする
のは、30分以内の短時間でpHを5以下に酸性化する
ことにより小粒子(一次粒子)のものが多く得られ、バ
ランスの良い大小不揃いの粒子が得られるからである。
ゆっくりと長時間で酸性化を行うと粒子成長が更に進み
大粒子が増し小粒子の割合が減少し、本発明の所望の含
水ケイ酸は得られない。酸性化の時間が短いほど小粒子
の含有率は多く、比表面積は高くなりゴム補強効果は高
まる傾向がある。前述したように小粒子の含有度合い
は、Hg−SA/N2 −SAの比で知ることができ、上
記条件とすることで、Hg−SA/N2 −SAが0.6
以下の含水ケイ酸が得られる。
【0017】上記第1〜第3の工程は、いずれも60〜
100℃の範囲の温度で行う。好ましくは70〜90℃
の範囲である。この範囲の温度で反応を行うことで、反
応を速やかに進行させることができる。得られる反応生
成物を、従来の湿式法含水ケイ酸と同様な方法で、濾
過、水洗、乾燥、必要ならば粉砕を行い、本発明の含水
ケイ酸を製造できる。本発明の製造方法により、従来困
難とされていた加工性に優れた高補強性含水ケイ酸を湿
式沈殿法により製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の含水ケイ酸及びその製造方法
について実施例によりさらに説明する。含水ケイ酸の物
性測定法及びゴム物性の試験法を以下に示す。 (1)ジ・ブチル・アミン(DBA)吸着量 石油ベンジン溶液中で含水ケイ酸に、一定量の過剰のn
−ジブチルアミンを添加吸着させ、残ったアミンを過塩
素酸の酢酸溶液で逆滴定して差し引き吸着したアミン量
でもってシラノール基量を定量する。単位:m・mol
/kg (2)BET法比表面積(N2 −SA) AMS−8000(大倉理研社製)で1点法により測
定。単位:m2 /g
【0019】(3)Hg法比表面積(Hg−SA) ポロシメーター2000型(伊国 Carlo Erba 社製) に
て測定。 算定法: A=2V/r (A=比表面積(m2 /g)、V=細孔容積(cc/
g)、r=平均半径(μm)) (4)ムーニー粘度(ML1+4) ムーニー粘度計(島津製作所 SMV−200型)を用
い、125℃、L型ローターにて測定。
【0020】(5)加硫物特性一般加硫物特性 JIS K6301の試験法に準じ測定。磨耗試験はアクロン型磨耗試験機で測定 傾角− 15°、 荷重− 6ポンド 試験回数−2000rpmでの磨耗減容を測定し、比較
例2を100として指数で表示。(数値の高い方が耐磨
耗性は良)
【0021】(6)配合及び混練法A配合 SBR1502(日本合成ゴム社製)100部を8イン
チロールに巻きつけ、ステアリン酸を1部、加硫助剤と
して酸化亜鉛を3部、加硫促進剤Dを1.2部、DMを
0.8部(大内新興社製)、加硫剤として硫黄を2部、
活性剤としてPEG#4000を2部、含水ケイ酸を5
0部を添加して、練り温度35±5℃にて混練してゴム
組成物を得た。これら試料の未加硫物及び加硫物(15
0℃で10分間加硫)の各種物性試験を行い、結果を表
1に示した。B配合 容量1.7リットルのバンバリーミキサーにてJSR1
712を96.3部とBR01を30部30秒間素練り
後、ステアリン酸を2部、含水ケイ酸を70部、パラフ
ィンワックスを1部、アロマ油を7部、シランSi69
を7部投入し、全練り時間5分後取り出す。取り出し時
のコンパウンド温度を140〜150℃にラム圧や回転
数で調整する。コンパウンドを室温にて冷却後、コンパ
ウンドに老防810NAを1部、亜鉛華を4部、加硫促
進剤CZを1.5部、加硫剤Sを2部添加し、約1分間
混練し(取り出し時の温度を110℃以下とする)後8
インチロールにてシーティングして未加硫物、加硫物特
性を測定した。結果を表2に示した。
【0022】実施例1 攪拌器を備えた200リットルジャケット付きステンレ
ス容器に、水91リットル及びケイ酸ナトリウム水溶液
〔SiO2 150g/l、SiO2 /Na2 O重量比
3.3〕0.7リットルを投入し、加熱して温度85℃
とした。この時のpHは9.4で、シリカ濃度は1.2
g/lであった。
【0023】上記水溶液に、同様のケイ酸ナトリウム水
溶液と硫酸(18. 4 mol/l)とをpHを9.5±
0.5に維持しながら同時に添加し、55分で停止し
た。この時のシリカ濃度は38g/lであった。続いて
この反応で消費されたケイ酸ナトリウムの155%の量
のケイ酸ナトリウムを含む上記と同様のケイ酸ナトリウ
ム水溶液を35分間で添加した。この時のシリカ濃度は
68g/lであった。引き続いて上記と同様の硫酸の添
加を20分間行い、pH3で酸性化を終了して沈殿物を
得た。全工程反応温度は85±1℃を保った。その後得
られた反応物をフィルタープレスで濾過、水洗し、得ら
れた湿潤ケーキを箱型乾燥器で乾燥して湿式沈殿法によ
る含水ケイ酸を得た。
【0024】実施例2 実施例1と同容器、同原料を用い、水86リットル及び
ケイ酸ナトリウム水溶液0.5リットルを投入し,加熱
して90℃とした。この時のpHは9.3で,シリカ濃
度は0.8g/lであった。以後実施例1と同様な方法
で同時添加を55分間行った。この時のシリカ濃度は4
0g/lであった。引き続き同時添加で消費されたケイ
酸ナトリウムの160%の量のケイ酸ナトリウムを含む
上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を45分間で添加
した。この時のシリカ濃度は71g/lであった。その
後硫酸で25分間酸添加を行ないpH3で終了して実施
例1と同様の方法で含水ケイ酸を得た。反応温度は全工
程90±1℃を保った。
【0025】実施例3 実施例1と同容器、同原料を用い、水102リットル及
びケイ酸ナトリウム水溶液0.6リットルを投入し、加
熱して80℃とした。この時のpHは9.2で、シリカ
濃度は0.9g/lであった。以後実施例1と同様な方
法で同時添加を95分間行った。この時のシリカ濃度は
34g/lであった。引き続き同時添加で消費されたケ
イ酸ナトリウムの140%の量のケイ酸ナトリウムを含
む上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を30分間で添
加した。この時のシリカ濃度は61g/lであった。そ
の後、硫酸で30分間酸添加を行ないpH3で終了して
実施例1と同様の方法で含水ケイ酸を得た。反応温度は
全工程80±1℃を保った。
【0026】実施例4 実施例1と同容器、同原料を用い、水87リットル及び
ケイ酸ナトリウム水溶液0.4リットルを投入し、加熱
して85℃とした。この時のpHは9.2で、シリカ濃
度は0.6g/lであった。以後実施例1と同様な方法
で同時添加を40分間行った。この時のシリカ濃度は3
5g/lであった。引き続き同時添加で消費されたケイ
酸ナトリウムの220%の量のケイ酸ナトリウムを含む
上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を60分間で添加
した。この時のシリカ濃度は72g/lであった。その
後、硫酸の添加を21分間行ないpH3で終了して実施
例1と同様の方法で含水ケイ酸を得た。反応温度は全工
程85±1℃を保った。
【0027】比較例1 実施例1と同容器、同原料を用い、水104リットル及
びケイ酸ナトリウム水溶液0.7リットルを投入し、加
熱して85℃とした。この時のpHは9.6で、シリカ
濃度は1.0g/lであった。以後実施例1と同様な方
法で同時添加を47分間行った。この時のシリカ濃度は
37g/lであった。引き続き同時添加で消費されたケ
イ酸ナトリウムの90%の量のケイ酸ナトリウムを含む
上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を30分間で添加
した。この時のシリカ濃度は55g/lであった。その
後、硫酸の添加を18分間行ないpH3で終了して実施
例1と同様の方法で含水ケイ酸を得た。反応温度は全工
程85±1℃を保った。
【0028】 比較例2:Nipsil ER−R(日本シリカ工業社
製) 比較例3:Nipsil NS−KR(日本シリカ工業
社製) 比較例4:Nipsil HD−R(日本シリカ工業社
製)
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表中、TBは引張強度、M300 は300 %引
張応力、Ebは伸び、Hsは硬度、TRは引裂強度、R
は反撥弾性、C.Sは圧縮永久歪をそれぞれ示す。尚、
本発明において、破壊特性とは、引張強度、引張応力、
伸び及び引裂強度の総称である。一般にゴム加硫配合物
は、DBA吸着量及びBET法比表面積(N2 −SA)
が高い含水ケイ酸ほど、高い補強性を示し、逆に加工
性、反撥弾性、セット性が低下する。表1及び2の結果
から、実施例1〜4のゴム配合物は、いずれも、低い粘
度を示すにも係わらず、破壊特性の指標である引張強
度、引張応力、伸び及び引裂強度が高く、加工性と補強
特性のバランスが取れたものであると言える。それに対
して、比較例1、3及び4のゴム配合物は、粘度が極端
に高く、加工性が悪い。また、比較例2のゴム配合物
は、粘度は低く加工性は良好であるが、破壊特性の指標
である引張強度、引張応力、伸び及び引裂強度が低く、
補強特性に劣るものである。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム配合物の粘度を低
くして加工性を向上させることができ、かつ、引張強度
等の破壊特性と耐摩耗性に優れた補強特性を有するエラ
ストマー補強用含水ケイ酸とその製造方法を提供するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BET法比表面積(N2 −SA)が20
    0〜300m2/gの範囲であり、Hg法比表面積(Hg
    −SA)が150m2/g以下であり、ジ・ブチル・アミ
    ン吸着量/BET法比表面積の比が1.4以下であり、
    且つ、Hg−SA/N2 ─SAの比が0.6以下である
    湿式法含水ケイ酸からなることを特徴とするエラストマ
    ー補強用含水ケイ酸。
  2. 【請求項2】 Hg法比表面積(Hg−SA)が50〜
    150m2/gの範囲であり、ジ・ブチル・アミン吸着量
    /BET法比表面積の比が0.8〜1.4の範囲であ
    り、且つ、Hg−SA/N2 ─SAの比が0.2〜0.
    6の範囲である請求項1に記載の含水ケイ酸。
  3. 【請求項3】 (1)シリカ濃度が5g/l以下である
    アルカリ金属ケイ酸塩水溶液を予め充填した反応容器
    に、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸を並行して添加
    してケイ酸を生成させる工程であって、前記アルカリ金
    属ケイ酸塩水溶液と鉱酸との添加を40〜100分間に
    渡って行い、その間の反応液のpHを7〜10の範囲に
    維持し、かつ添加終了時の反応液中のシリカ濃度を40
    g/l以下とする工程、(2)前記反応液に、前記反応
    で中和されたアルカリ金属ケイ酸塩と等量以上のアルカ
    リ金属ケイ酸塩を含む水溶液を60分以内で添加する工
    程であって、添加終了時の反応液中のシリカ濃度を60
    〜80g/lとする工程、及び(3)前記反応液に、鉱
    酸を添加して反応液のpHを5以下にする工程であっ
    て、前記添加を30分以内に行う工程からなり、かつ工
    程(1)〜(3)を60〜100℃の温度で行うことを
    特徴とする請求項1の含水ケイ酸の製造方法。
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