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JPH10182759A - 熱安定性の良好なグラフト共重合体組成物 - Google Patents

熱安定性の良好なグラフト共重合体組成物

Info

Publication number
JPH10182759A
JPH10182759A JP35459796A JP35459796A JPH10182759A JP H10182759 A JPH10182759 A JP H10182759A JP 35459796 A JP35459796 A JP 35459796A JP 35459796 A JP35459796 A JP 35459796A JP H10182759 A JPH10182759 A JP H10182759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graft copolymer
weight
monomer
copolymer composition
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP35459796A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Washimi
浩一 鷲見
Masanori Suzuki
昌則 鈴木
Masaaki Motai
政明 馬渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Techno Polymer Co Ltd filed Critical Techno Polymer Co Ltd
Priority to JP35459796A priority Critical patent/JPH10182759A/ja
Publication of JPH10182759A publication Critical patent/JPH10182759A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量が大きく、かつ他の重合体の改質剤と
して好適な、熱安定性の良好なグラフト共重合体組成物
を得ること。 【解決手段】 ゴム状重合体(A)0.01〜10重量
部の存在下に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
量体およびアルキル(メタ)アクリレートの群から選ば
れた少なくとも1種の単量体成分(B)99.99〜9
0重量部〔ただし、(A)+(B)=100重量部〕を
グラフト重合して得られるグラフト共重合体を含有し、
アセトン可溶分の極限粘度が2dl/g以上である熱安
定性の良好なグラフト共重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子量が大きく、
かつ他の重合体の改質剤として好適な、熱安定性の良好
なグラフト共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を、ブロー成形用途などに
使用すると、溶融時の粘度の低下が著しく、ブロー成形
時のドローダウン性の悪化、発泡押し出し成形時の発泡
ガスの保持率の低下などの問題点を生じている。このた
め、溶融時の粘度の低下の少ない樹脂改質剤として、極
性の強い成分を多量に共重合して、粘度の低下を抑制し
た場合には、これら極性の強い成分の架橋などにより、
熱安定性が低下するなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、分子量が大きく、か
つ他の重合体の改質剤として好適な、熱安定性の良好な
グラフト共重合体組成物を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム状重合体
(A)0.01〜10重量部の存在下に、芳香族ビニル
単量体、シアン化ビニル単量体およびアルキル(メタ)
アクリレートの群から選ばれた少なくとも1種の単量体
成分(B)99.99〜90重量部〔ただし、(A)+
(B)=100重量部〕をグラフト重合して得られるグ
ラフト共重合体を含有し、アセトン可溶分の極限粘度が
2dl/g以上である熱安定性の良好なグラフト共重合
体組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるゴム状重合体
(A)としては、例えばポリブタジエン、ブチルゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜60
重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポ
リエン共重合体、シリコーンゴム、アクリルゴム、ブタ
ジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ス
チレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重
合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。ま
た、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体には、AB型、ABA
型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有す
るものなどが含まれる。さらに、水素化ブタジエン系重
合体は、上記ブロック共重合体の水素化物のほかに、ス
チレンブロックとスチレン−ブタジエンランダム共重合
体のブロック体の水素化物、ポリブタジエン中の1,2
−ビニル結合含量が20重量%以下のブロックと1,2
−ビニル結合含量が20重量%を超えるポリブタジエン
ブロックからなる重合体の水素化物などが含まれる。こ
れらのうち、好ましいゴム状重合体は、ジエン系ゴム状
重合体である。
【0006】ゴム状重合体(A)は、通常、ラテックス
状態で使用され、このときのゴムの粒径は、好ましくは
70〜600nmである。ゴム粒径が70nm未満で
は、グラフト起点としての効果が小さく、一方600n
mを超えると、ラテックスの安定性が悪化し、重合系が
不安定となるため好ましくない。
【0007】ゴム状重合体(A)のうち、ジエン系ゴム
状重合体としては、ゲル含有率が好ましくは20〜90
重量%、さらに好ましくは30〜80重量%のものであ
る。ゲル含有率が20重量%未満では、得られるグラフ
ト共重合体組成物を他の重合体(熱可塑性樹脂)に配合
し、押し出し、射出成形を行ったときに、艶むらなどを
生じ好ましくない。一方、ゲル含有率が90重量%を超
えると、単量体成分(B)がグラフト共重合できず好ま
しくない。ここで、ゲル含有率は、トルエン浸漬後の質
量変化により測定することができる。
【0008】上記ジエン系ゴム状重合体としては、好ま
しくは共役ジエンの含量が50重量%以上、さらに好ま
しくは70重量%以上含む1種以上の単量体を重合して
得られる。この共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどを使用することがで
き、特に1,3−ブタジエンが好ましい。また、上記共
役ジエンと共重合できる単量体としては、芳香族ビニル
単量体、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニ
ル単量体、多官能性単量体などが挙げられる。
【0009】ゴム状重合体(A)の重合に際しては、一
般に使用されている乳化剤、電解質、重合度調節剤、重
合開始剤などを用いることができる。このうち、乳化剤
としては、ロジン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカ
リ金属塩、脂肪族アルコール硫酸エステルのアルカリ金
属塩、アルキルアリルスルホン酸のアルカリ金属塩、ジ
アルキルスルホコハク酸エステルアルカリ金属塩、ポリ
オキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルの硫酸エ
ステルアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキル
(エーテル)のリン酸エステルアルカリ金属塩などが挙
げられ、電解質としては、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸な
どの各アルカリ金属塩などが挙げられ、これらは、1種
単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用
いることもできる。重合度調節剤としては、メルカプタ
ン類、テルペン類、ハロゲン化物などが必要に応じて使
用でき、重合開始剤としては、過硫酸塩、有機ハイドロ
パーオキサイド類、あるいは有機ハイドロパーオキサイ
ド類と還元剤との組み合わせによるレドックス触媒など
が好適に使用できる。
【0010】ゴム状重合体(A)の重合方法としては、
単量体の一括添加重合、連続的添加重合、多段階重合、
例えば特定組成、特定量の単量体を連続的添加重合する
特定単量体の連続的添加重合、各段の組成を変えた多段
階重合などの一般に広く知られている乳化重合法を適用
することができる。
【0011】次に、本発明に使用される単量体成分
(B)のうち、芳香族ビニル単量体としては、例えばス
チレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェ
ニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルス
チレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレ
ン、ビニルピリジン、ビニルキシレン、モノクロルスチ
レン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、フルオ
ロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどが
挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好まし
い。これらの芳香族ビニル単量体は、1種単独であるい
は2種以上混合して用いられる。また、単量体成分
(B)のうち、シアン化ビニル単量体としては、例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられ、こ
れらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上
を混合して用いることもできる。
【0012】さらに、単量体成分(B)のうち、アルキ
ル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシ
ルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェニル
アクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸
エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オク
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリ
レート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタク
リレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸
エステルが挙げられ、好ましくはメチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレートである。
【0013】なお、単量体成分(B)には、上記単量体
と共重合可能な他のビニル系単量体を30重量%以下併
用することができる。上記他のビニル系単量体として
は、マレイミド系単量体、不飽和酸、酸無水物基含有不
飽和単量体、エポキシ基含有不飽和単量体、ヒドロキシ
ル基含有不飽和単量体、アミド基含有不飽和単量体、ア
ミノ基含有不飽和単量体、オキサゾリン基含有不飽和単
量体などが挙げられる。
【0014】マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げら
れ、好ましくはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミドである。不飽和酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸などが挙げられる。酸無水物基含有不
飽和単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などが挙げられ、好ましくは無水
マレイン酸である。エポキシ基含有不飽和単量体として
は、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどが挙げられ、好ましくはグリシジルメタクリレ
ートである。
【0015】ヒドロキシル基含有不飽和単量体として
は、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−
1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トラ
ンス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−
2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが
挙げられ、好ましくは2−ヒドロキシルエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレートである。ア
ミド基含有不飽和単量体としては、アクリルアミド、メ
タクリルアミドなどが挙げられ、好ましくはアクリルア
ミドである。アミノ基含有不飽和単量体としては、ジメ
チルアミノメタクリレート、ジエチルアミノメタクリレ
ート、ジメチルアミノアクリレートなどが挙げられる。
オキサゾリン基含有不飽和単量体としては、ビニルオキ
サゾリンなどが挙げられる。以上の他のビニル系単量体
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0016】単量体成分(B)は、上記で挙げられた単
量体を1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて
使用してもよい。単量体成分(B)の組み合わせとして
は、下記のものが挙げられる。 芳香族ビニル単量体+シアン化ビニル単量体 芳香族ビニル単量体+アルキル(メタ)アクリレート 芳香族ビニル単量体+シアン化ビニル単量体+アルキ
ル(メタ)アクリレート
【0017】本発明におけるゴム状重合体(A)の使用
割合は、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5
重量部、さらに好ましくは0.3〜4重量部、特に好ま
しくは0.5〜3重量部である。ゴム状重合体(A)の
使用割合が、0.01重量部未満では、意図するグラフ
ト共重合体が僅かしか得られず好ましくなく、一方10
重量部を超えると、使用する単量体成分(B)の実質的
な濃度が低下するため、分子量が低下したり、グラフト
しないフリーのゴムが増加し、成形外観が悪化するため
好ましくない。また、単量体成分(B)の使用割合は、
99.99重量部〜90重量部、好ましくは99.9〜
95重量部、さらに好ましくは99.7〜96重量部、
特に好ましくは99.5〜97重量部である。単量体成
分(B)のが、90重量部未満では、モノマー濃度が低
下するため、分子量が低下しやすく好ましくない。
【0018】本発明のグラフト共重合体の製造には、通
常、懸濁重合、乳化重合が挙げられ、好ましくは乳化重
合により製造される。これらの乳化重合に使用される乳
化剤としては、上記ゴム状重合体(A)の製造に使用さ
れると同様の乳化剤が用いられるが、好ましくは脂肪酸
のアルカリ金属塩である。また、重合開始剤としては、
過硫酸塩、有機ハイドロパーオキサイド類、あるいは有
機パーオキサイド類と還元剤の組み合わせによるレドッ
クス触媒などが使用できる。好ましくは、過硫酸塩、ジ
−t−ブチルパーオキサイドと硫酸鉄の組み合わせなど
であり、特に好ましくは過硫酸カリウムと亜硫酸水素ナ
トリウムの組み合わせによるものである。クメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなど
と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒は、分解反
応が早すぎるため、分子量を大きくできず、好ましくな
い。
【0019】重合温度は、高くすると、モノマーへの連
鎖移動定数が大きくなり、分子量が大きくできず好まし
くない。好ましい重合温度は、50〜95℃の範囲で、
内温を一定にすることが特に好ましい。また、重合時間
は、3時間以上とすることが好ましい。3時間未満の重
合時間では、重合熱による発熱が大きいため、重合温度
の制御が困難となり、結果的に共重合体の分子量の低下
を招くから好ましくない。上記グラフト共重合体製造時
の単量体の添加方法は、一括添加、連続的添加、各段の
組成を変えた多段階添加などの一般に広く知られている
方法を採用することができる。これらのうち、一括添
加、多段階添加などの方法が好ましい。
【0020】上記グラフト共重合体を重合する際には、
ラテックス中の溶存酸素の影響で、重合活性が低下する
ことがあるので、チッ素置換を充分にすることが必要で
ある。重合前の酸素濃度は、3,000ppm以下、好
ましくは1,000ppm以下である。さらに好ましく
は、ハイドロサルファイトなどの酸素除去剤により、溶
存酸素を除去することである。
【0021】本発明のグラフト共重合体組成物は、凝
固、洗浄などの回収工程を経て、乾燥後、粉体とする。
凝固工程で使用される凝固剤としては、硫酸、硫酸マグ
ネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムなどが水
溶液にして用いられる。
【0022】本発明のグラフト共重合体組成物は、上記
グラフト共重合体を0.5〜50重量%、好ましくは
0.8〜40重量%、さらに好ましくは1〜35重量%
含有する組成物であり、該共重合体以外の成分として
は、ゴム状重合体(A)にグラフトしていない単量体成
分(B)の(共)重合体である。なお、本発明のグラフ
ト共重合体組成物中のグラフト共重合体の含有量は、重
合開始剤の使用量、重合温度などにより調整することが
できる。
【0023】本発明のグラフト共重合体組成物の極限粘
度は、2dl/g以上、好ましくは3dl/g以上、さ
らに好ましくは3.5dl/g以上、特に好ましくは4
dl/g以上である。この極限粘度が2dl/g未満で
は、本発明のグラフト共重合体組成物としての改質効果
が無くなるため好ましくない。ここで、極限粘度〔η〕
は、以下の方法で測定した値である。グラフト共重合体
組成物を、アセトン溶解後、遠心分離により、ゾル/ゲ
ル分離を行い、ゾル分を乾燥し、その0.1gをジメチ
ルホルムアミド100mlに溶解し、30℃の温度条件
下で、ウベローデ型粘度計で測定する。なお、グラフト
共重合体組成物の極限粘度の調整は、重合開始剤の使
用、重合温度、連鎖移動剤の使用などにより調整するこ
とができるが、好ましくは重合温度の調整による方法で
ある。
【0024】なお、本発明のグラフト共重合体組成物の
グラフト率は、好ましくは50重量%以上、さらに好ま
しくは100重量%以上である。グラフト率が50重量
%未満であると、重合系の安定性が低下するため好まし
くない。ここで、グラフト率とは、グラフト共重合体組
成物中のゴム量に対し、ゴム状重合体に直接グラフト結
合している(共)重合体成分の割合をいう。このグラフ
ト率は、重合開始剤量、重合温度などによって制御する
ことができる。このグラフト率の具体的な求め方は、ま
ず本発明の組成物1gを室温のアセトンに投入し、充分
撹拌し、不溶解分(w)を求める。一方、不溶解分
(w)中のゴム状重合体量は、重合処方をもとに算出す
ることができる。この算出されたゴム状重合体総量をR
とし、次式よりグラフト率を求める。 グラフト率(重量%)=〔(w−R)/R〕×100
【0025】本発明のグラフト共重合体組成物は、他の
公知の重合体に配合し、改質剤として配合することがで
きる。この他の重合体としては、例えばエチレン−プロ
ピレン共重合体、EPDM、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンラジア
ルテレブロック共重合体およびこれらの水素添加物、ポ
リプロピレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
セタール、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、エポ
キシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリイソプレン、天然ゴ
ム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、PPE樹
脂、PPS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、通常のABS樹脂、AS
樹脂などが挙げられる。この場合、本発明のグラフト共
重合体組成物の配合量は、上記他の重合体100重量部
に対し、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは
0.05〜15重量部である。
【0026】本発明のグラフト共重合体組成物、あるい
はこれを他の重合体に配合した組成物には、必要に応じ
て次のような添加剤も配合することができる。酸化防止
剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4、6−ジ
メチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ
ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジ
ラウリンチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニルフ
ェニル)ホスファイト、
【0027】紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェ
ニルサクシレート、2,2′−ジヒドロキシ4−メトキ
シベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n
−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、滑剤、例
えばワックス、パラフィンワックス、ステアリン酸、硬
化油、ステアリルアミド、メチレンビスステアリルアミ
ド、エチレンビスステアリルアミド、n−ブチルステア
レート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリ
ルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリ
ド、
【0028】難燃剤、例えば三酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム、ホウ酸亜鉛、トリクレジルホスフェー
ト、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、塩素化
パラフィン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブ
ロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、
帯電防止剤、例えばステアリルアミドプロピルジメチル
−β−ヒドロキシエチルアンモニウムナイトレート、着
色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラック、充填剤、
例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、
ガラス球、カーボン繊維、さらには、顔料などを必要に
応じて添加することができる。
【0029】本発明のグラフト共重合体組成物やこれを
他の重合体に配合した組成物は、各種押し出し機、バン
バリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分
を混練りすることによって得られる。好ましい製造方法
は、二軸押し出し機を用いる方法である。また、各成分
を混練りするに際しては、各成分を一括して混練りして
もよく、多段添加方法で混練りしてもよい。このように
して得られる組成物は、射出成形、シート成形、真空成
形、異形成形、発泡成形、ブロー成形などによって各種
成形品に成形することができる。上記成形法によって得
られる各種成形品は、その優れた性質を利用して、家電
製品、自動車部品などの各パーツなどに使用することが
できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断わ
らない限り重量基準である。また、実施例中の各物性
は、下記のようにして測定した。
【0031】グラフト共重合体含有量 本発明のグラフト共重合体組成物1gを、20mlのア
セトンに分散し、1時間振とうし、15,000rpm
で30分間、遠心分離を行い、ここで得られたゲル分の
重量を求め、初めに使用したグラフト共重合体組成物の
重量で除することにより含有量(%)を求めた。熱安定性 グラフト共重合体組成物の粉末をプレス成形にて2.4
mm厚の試験片を作製し、これを、180℃、ギアオー
ブン中で、3時間加熱し、加熱前後の試験片の色調の差
ΔEを、須賀試験機(株)製の色差計を用いて測定し
た。
【0032】耐ドローダウン性の評価 下記の配合処方で混合し、これを二軸押し出し機によ
り、220℃で混練りして、ペレット化した。このペレ
ットを用いて、下記に示す方法によりドローダウン性を
評価した。すなわち、得られたペレット2gを計りと
り、高架式フローテスターのシリンダーに詰め、250
℃で10分間加熱したのち、荷重を50kgかけ、0.
5cc押し出し、荷重を取り去り、スタート時刻とし
た。フローテスターの下部から押し出される樹脂棒の直
径を計測しながら、温度を一定に保ち、スタート時刻の
樹脂棒の直径の80%になるまでの時間を測定した。 ABS樹脂(ゴム量=40%、アセトン可溶分の〔η〕(メチルエチルケトン 、30℃)=0.6dl/g〕 45部 AS樹脂〔AN含有量=28%、〔η〕(メチルエチルケトン、30℃)=0 .7dl/g〕 55部 グラフト共重合体組成物 3部
【0033】成形外観の評価 上記の配合で得たペレットを用い、射出成形機〔新潟鉄
工(株)製、NN30B型成形機〕にて、230℃で射
出成形し、射出成形品を得、成形品の外観を3段階評価
した。 ○;光沢あり、フローマークなし △;光沢あり、フローマークあり ×;光沢なし、フローマクあり
【0034】実施例1 ポリブタジエンラテックス(固形分換算)3部 スチレン 73部 アクリロニトリル 24部 オレイン酸カリウム 2.5部 脱イオン水 250部 ハイドロサルファイト 0.1部 以上の成分をフラスコに仕込み、チッ素気流下で攪拌し
ながら昇温し、内温が50℃に達したときに、開始剤と
して、過硫酸カリウム0.1部を1%水溶液として添加
し、重合を開始した。内温55℃に保ったまま、上記の
単量体混合物を4時間反応させた。得られたラテックス
の最終重合転化率は、95%であった。このラテックス
を硫酸で凝固させ、次いで、水洗、乾燥して粉末のグラ
フト共重合体組成物を得た。結果を表1に示す。
【0035】実施例2〜4 原料仕込み組成を、表1のとおりに変更のうえ、実施例
1と同様の方法により、グラフト共重合体組成物を得
た。結果を表1に示す。
【0036】比較例1〜3 原料仕込み組成を、表1のとおり変更したうえ、実施例
1と同様の方法により、グラフト共重合体組成物を得
た。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、本発明のグラフ
ト共重合体組成物(実施例1〜4)は、いずれも 熱安
定性、耐ドローダウン性、成形外観に優れていることが
分かる。これに対し、比較例1〜2は、極限粘度が低下
しているため、ドローダウン性の改良効果がなく、また
比較例3は、ゴム量が本発明の範囲を外れているため、
フリーゴムが増加し、熱安定性、成形外観が悪化してお
り、またドローダウン性の改良効果がないことが分か
る。
【0039】
【発明の効果】本発明のグラフト共重合体組成物は、分
子量が大きく、かつ熱安定性が良好で、他の重合体の改
質剤として好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体(A)0.01〜10重量
    部の存在下に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
    量体およびアルキル(メタ)アクリレートの群から選ば
    れた少なくとも1種の単量体成分(B)99.99〜9
    0重量部〔ただし、(A)+(B)=100重量部〕を
    グラフト重合して得られるグラフト共重合体を含有し、
    アセトン可溶分の極限粘度が2dl/g以上である熱安
    定性の良好なグラフト共重合体組成物。
JP35459796A 1996-12-20 1996-12-20 熱安定性の良好なグラフト共重合体組成物 Withdrawn JPH10182759A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129769A1 (ja) * 2005-06-03 2006-12-07 Techno Polymer Co., Ltd. 熱可塑性樹脂及びその製造方法並びに成形品
JP2006335960A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Techno Polymer Co Ltd カレンダー成形用熱可塑性樹脂
JP2007277381A (ja) * 2006-04-05 2007-10-25 Techno Polymer Co Ltd インフレーション成形用アクリル系ゴム強化樹脂組成物及び薄肉体

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