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JPH1017364A - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

Info

Publication number
JPH1017364A
JPH1017364A JP8169528A JP16952896A JPH1017364A JP H1017364 A JPH1017364 A JP H1017364A JP 8169528 A JP8169528 A JP 8169528A JP 16952896 A JP16952896 A JP 16952896A JP H1017364 A JPH1017364 A JP H1017364A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric ceramic
piezoelectric
present
electromechanical coupling
coupling coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8169528A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Setoguchi
剛 瀬戸口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP8169528A priority Critical patent/JPH1017364A/ja
Publication of JPH1017364A publication Critical patent/JPH1017364A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性が低く、機械的品質係数Qmが高く、ま
た、1300℃以上の焼成において鉛の蒸発が増加し、
電気機械結合係数のバラツキが大きくなる問題があっ
た。 【解決手段】金属元素のモル比による組成式を(Pb
1-x-y x y a [{(Nb1/2 Yb1/2 b (Nb
1/2 Cr1/2 c (Nb2/3 Co1/3 1-b-c 1- d
d e (Tif Zr1-f 1-e 3 と表わした時、
x,y,a,b,c,d,e,fの値が、0<x、0<
y、0<x+y≦0.12、0.97≦a≦1.03、
0.1≦b≦0.7、0.1≦c≦0.7、0≦d≦
0.17、0.03≦e≦0.2、0.48≦f≦0.
6を満足する主成分100重量部に対して、AlをAl
2 3 換算で0.01〜0.1重量部含有するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電磁器組成物に
係わり、例えばセラミックフィルタ,セラミックレゾネ
ータ,超音波応用振動子,圧電ブザー,圧電点火ユニッ
ト,超音波モータ,圧電ファン,圧電アクチュエータお
よび加速度センサ,ノッキングセンサ,AEセンサ等の
圧電センサ等に適する圧電磁器組成物に関するもので、
特にセルラー用のセラミックフィルタとして最適な圧電
磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、圧電磁器組成物を利用した製品
としては、例えばセラミックフィルタ,セラミックレゾ
ネータ,超音波応用振動子,圧電ブザー,圧電点火ユニ
ット,超音波モータ,圧電ファン,圧電センサ,圧電ア
クチュエータ等がある。
【0003】ここで、セラミックフィルタ,セラミック
レゾネータ等の素子としては、PbZrO3 −PbTi
3 を主成分とした磁器組成物が利用されており、これ
にNb2 5 やMnO2 等の金属酸化物、Pb( Nb
2/3 Mg1/3 )O3 やPb( Nb2/3 Mn1/3 )O3
の複合ペロブスカイト酸化物を添加したり置換すること
により圧電特性の向上が図られている。
【0004】このような圧電磁器組成物としては、電気
機械結合係数が大きく圧電性に優れた材料として、例え
ば、Pb( Nb2/3 Co1/3 )O3 −PbZrO3 −P
bTiO3 系の磁器組成物が開示されている。
【0005】一方、近年では、セラミックフィルタ,セ
ラミックレゾネータのような圧電部品においても基板等
の表面に実装可能なように種々の条件に対応できること
が要求されており、このような圧電部品においては、部
品を基板にリフロー半田付けする際、基板に実装された
部品が300℃程度の高温に曝されるために部品として
組み込まれる圧電素子にも耐熱性が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記したPb( Nb2/3 Co1/3 )O3 −PbZrO3
−PbTiO3 系の磁器組成物は、耐熱性が低くリフロ
ー半田付け前後の圧電特性や共振周波数の変化が大き
く、実用上の問題となっていた。
【0007】また、共振周波数の温度係数(T.C.f
r)も50ppm/℃以上と大きいため、環境変化の激
しい車両搭載用通信装置などのフィルター等に用いた場
合、素子の特性変化によって安定した送受信ができなく
なるという問題があった。
【0008】さらに、上記した組成物では機械的品質係
数Qmが300以上と高く、フラットな群遅延特性が要
求される例えばセルラー用フィルタの材料には適さない
という問題があった。
【0009】さらにまた、上記した組成物では1300
℃以上で焼成する必要があるため、組成物中の鉛の蒸発
が増加し、かつ、焼成位置による鉛蒸発量の不均質が生
じることにより、電気機械結合係数Kpのバラツキが大
きくなり、均質な特性を有する圧電磁器が得られにく
く、フィルターに組み込んだ場合には再調製等が必要と
なるという問題があった。
【0010】本発明の圧電磁器組成物は、耐熱性,共振
周波数の温度特性に優れ、かつ高い電気機械結合係数と
低い機械的品質係数を有する圧電磁器組成物を提供する
とともに、焼結後の圧電磁器組成物の電気機械結合係数
Kpのバラツキを小さくすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、Ca,S
r,Baのうちの少なくとも一種、Nd,Gd,La,
Pr,Smのうちの少なくとも一種、Pb、Zr、T
i、Nb、Yb、CrおよびCoを含む複合ペロブスカ
イト型化合物であって、一定の組成を有するものは、耐
熱性,共振周波数の温度特性に優れ、かつ高い電気機械
結合係数Kpを有するとともに、フラットな群遅延特性
が要求される、例えばセルラー用のセラミックフィルタ
として最適となる機械的品質係数Qmの低い圧電磁器組
成物が得られ、Al2 3 を添加することにより、圧電
磁器組成物の電気機械結合係数Kpのバラツキを小さく
できることを知見し、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の圧電磁器組成物は、金属元
素としてPb、Zr、Ti、Nb、Yb、CrおよびC
oを含む複合ペロブスカイト型化合物であって、これら
の金属元素のモル比による組成式を (Pb1-x-y x y a [{( Nb1/2 Yb1/2 b
(Nb1/2 Cr1/2 c(Nb2/3 Co1/3 1-b-c
1-d Nbd e (Tif Zr1-f 1-e 3 と表わした時、前記x,y,a,b,c,d,e,fの
値が、0<x、0<y、0<x+y≦0.12、0.9
7≦a≦1.03、0.10≦b≦0.70、0.10
≦c≦0.70、0≦d≦0.17、0.03≦e≦
0.20、0.48≦f≦0.60(A:Ca,Srお
よびBaのうちの少なくとも一種、B:Nd,Gd,L
a,PrおよびSmのうちの少なくとも一種)を満足す
る主成分100重量部に対して、AlをAl2 3 換算
で0.01〜0.10重量部添加含有するものである。
【0013】
【作用】本発明の圧電磁器組成物では、Pb−Zr−T
i(PZT)系のZrおよびTiの一部を、(Nb1/2
Yb1/2 )、(Nb1/2 Cr1/2 )、(Nb2/3 Co1/
3 )、Nbで置換することにより、耐熱性に優れ、高い
電気機械結合係数Kpを有し、かつ低い機械的品質係数
Qmを示す材料を得ることが可能となる。本発明では、
特にNb1/2 Cr1/2 、Nbで置換することにより、機
械的品質係数Qmを低くでき、フラットな群遅延特性を
達成でき、セルラー用のセラミックフィルターとして最
適とすることができる。
【0014】また、Pbの一部をCa, SrおよびBa
のうちの少なくとも一種と、Nd,Gd, La, Prお
よびSmのうちの少なくとも一種とで置換することによ
り、共振周波数の温度係数を小さくすることができると
ともに、機械的品質係数Qmを低減することが可能とな
る。
【0015】さらに、Alを含有することにより、焼成
時にAl2 3 とPbOの化合物の液相が形成され、こ
の液相による焼結で焼成温度が下がり、これにより、鉛
の蒸発量を低減するとともに均質とし、電気機械結合係
数のバラツキを小さくできる。よって、均質な特性を有
する素子を供給することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の圧電磁器組成物の主成分
は、モル比による組成式を(Pb1-x-y xy )a
[{( Nb1/2 Yb1/2 b (Nb1/2 Cr1/2
c (Nb2/3 Co1/ 3 1-b-c 1-d Nbd e (Ti
f Zr1-f 1-e 3 と表わした時、前記x,y,a,
b,c,d,e,fの値が、0<x、0<y、0<x+
y≦0.12、0.97≦a≦1.03、0.10≦b
≦0.70、0.10≦c≦0.70、0≦d≦0.1
7、0.03≦e≦0.20、0.48≦f≦0.60
を満足するものである。
【0017】ここで、x,y,a,b,c,d,e,f
の値を上記の範囲に設定した理由について説明する。P
bの一部をCa,SrおよびBaのうちの少なくとも一
種で置換したのは、共振周波数の温度係数を制御できる
からであり、これらのうちでもSrが最適である。また
Pbの一部をNd,Gd,La,PrおよびSmのうち
の少なくとも一種で置換したのは、共振周波数の温度特
性の制御と機械的品質係数Qmの低減を同時に行うこと
ができるからであり、これらのうちでもLaが最適であ
る。
【0018】そして、Pbの他元素による置換量の合計
をx+y≦0.12としたのは、x+yが0.12より
も大きい場合には耐熱性が低下し易いからである。本発
明においては、耐熱性という点からxは0.025〜
0.06、yは0.005〜0.02、x+yは0.0
3〜0.08が望ましい。
【0019】(Pb1-x-y x y )量のaを0.97
≦a≦1.03としたのは、aが0.97未満の場合や
1.03よりも大きい場合には電気機械結合係数Kpが
低下するからである。(Pb1-x-y x y )量は0.
98≦a≦1.01であることが特に望ましい。
【0020】また、( Nb1/2 Yb1/2 ) 量のbを0.
10≦b≦0.70としたのは、bが0.10未満の場
合や、bが0.70よりも大きい場合には耐熱性が低下
するからである。( Nb1/2 Yb1/2 ) 量は0.15≦
b≦0.30であることが特に望ましい。
【0021】また( Nb1/2 Cr1/2 ) 量のcを0.1
0≦c≦0.70としたのはcが0.10未満の場合は
耐熱性が低下し、0.70より大きい場合には機械的品
質係数Qmが大きくなるからである。( Nb1/2 Cr
1/2 ) 量は、機械的品質係数Qmの低減という点から
0.15≦c≦0.55であることが特に望ましい。
【0022】本願発明者等は、金属成分として少なくと
もPb,Zr ,Ti,Nb,Yb,Coを含む複合ペロ
ブスカイト型化合物で、これにCr2 3 粉末を添加し
た系について先に出願している(特願平5−32925
2号)が、この系ではCr23 粉末を添加することに
より、電気機械結合係数Kpを高めているのである。
【0023】一方、本願では、( Nb1/2 Cr1/2 ) と
いう形で置換されるように秤量しているため、先の出願
よりもさらに電気機械結合係数Kpが高くなり、高い選
択性が要求されるAMラジオ等のフィルターに最適なの
である。
【0024】さらに、Nb量のdを0≦d≦0.17と
したのは、Nb含有量を増加することにより機械的品質
係数Qmが小さくなるが、dが0.17より大きい場合
には、電気機械結合係数Kpが急激に低下するからであ
る。Nb量は0.05≦d≦0.15であることが特に
望ましい。
【0025】[{( Nb1/2 Yb1/2 b (Nb1/2
1/2 c (Nb2/3 Co1/3 1- b-c 1-d Nbd
の(Tif Zr1-f ) への置換量eを0.03≦e≦
0.2としたのは、eが0.03未満では耐熱性の向上
が見られず、0.2よりも大きいと電気機械結合係数K
pが急激に低下するからである。[{( Nb1/2 Yb1/
2 b (Nb1/2 Cr1/2 c (Nb2/3 Co1/3
1-b-c 1-d Nbd ]量は0.05≦e≦0.1である
ことが特に望ましい。
【0026】TiのZrへの置換量fを0.48≦f≦
0.6としたのは、fが0.48未満の場合には耐熱性
の向上が見られず、fが0.6よりも大きい場合には電
気機械結合係数Kpが低下するからである。TiのZr
への置換量は0.49≦f≦0.53であることが特に
望ましい。
【0027】本発明の圧電磁器組成物は、上記主成分1
00重量部に対して、AlをAl23 換算で0.01
〜0.1重量部添加含有するもので、このように、Al
をAl2 3 換算で0.01〜0.1重量部添加含有し
たのは、含有量が0.01重量部よりも少ない場合には
低温焼成化が困難であり、電気機械結合係数Kpのバラ
ツキの低減効果が見られず、0.1重量部よりも多い場
合には、共振周波数の温度係数が大きくなるためであ
る。Alは、低温焼成化および電気機械結合係数Kpの
バラツキの低減および高い電気機械結合係数Kpを得る
ためという観点から、Al2 3 換算で0.02〜0.
06重量部含有することが望ましい。
【0028】本発明の圧電磁器組成物は、金属元素のモ
ル比による組成式を(Pb1-x-y x y )a [{( N
1/2 Yb1/2 b (Nb1/2 Cr1/2 c (Nb2/3
Co1/3 1-b-c 1-d Nbd e (Tif Zr1-f
1-e 3 と表わした時、前記x,y,a,b,c,d,
e,fの値が、0.025≦x≦0.06、0.005
≦y≦0.02、0.03≦x+y≦0.08、0.9
8≦a≦1.01、0.15≦b≦0.30、0.15
≦c≦0.55、0.05≦d≦0.15、0.05≦
e≦0.1、0.49≦f≦0.53を満足する主成分
100重量部に対して、AlをAl2 3 換算で0.0
2〜0.06重量部含有することが望ましい。
【0029】そして、本発明の圧電磁器は、例えば、原
料としてPbO、ZrO2 ,TiO2 ,Nb2 5 、Y
2 3 、Cr2 3 、CoO、SrCO3 、La2
3 の各原料粉末を、Pb−Zr−Ti(PZT)系のZ
rおよびTiの一部を、Nb1/2 Yb1/2 、Nb1/2
1/2 、Nb2/3 Co1/3 、Nbで置換するように、ま
た、Pbの一部をSrとLaで置換するように、所定量
秤量し、ボールミル等で10〜24時間湿式混合し、次
いで、この混合物を脱水、乾燥した後、大気中500〜
1100℃で1〜3時間仮焼し、当該仮焼物にAl2
3 を添加したものを再びボールミル等で粉砕し、この粉
砕物に有機バインダーを混合し、造粒後、所定圧力で成
形して成形体を作製し、これらを大気中において120
0〜1280℃で0.5〜4.0時間焼成することによ
り得られる。
【0030】本発明においては、Pb,Zr,Ti,N
b,Cr,Yb,Coを含む各原料粉末、およびCa,
SrおよびBaのうちの少なくとも一種を含む各原料粉
末、並びにNd,Gd,La,PrおよびSmのうちの
少なくとも一種を含む各原料粉末は、それぞれの金属元
素を含有する酸化物,炭酸塩,酢酸塩等の無機化合物、
もしくは有機金属等の有機化合物のいずれであっても、
焼成により酸化物となるものであれば良い。
【0031】また、本発明の圧電磁器では、(Pb
1-x-y x y )a [{( Nb1/2 Yb1/2 b (Nb
1/2 Cr1/2 c (Nb2/3 Co1/3 1-b-c 1-d
d e(Tif Zr1-f 1-e 3 からなる正方晶の
ペロブスカイト型結晶相が析出しており、その他に菱面
体晶のペロブスカイト型結晶相が析出しても良い。
【0032】さらにまた、本発明の圧電磁器組成物で
は、平均結晶粒径が2〜5μmのペロブスカイト型結晶
粒子が存在する。さらに本発明の圧電磁器組成物では、
SiO2 が不可避不純物として0.2重量%以下存在す
ることもある。さらに、本発明の圧電磁器組成物では、
不可避不純物として、粉砕ボールからのZrや、その他
希土類元素酸化物原料中に存在するY,Dy,Ho,E
r,Tm,Luや、その他の元素中に存在するFe,N
a,K,Ca,Baがそれぞれ0.05重量%以下であ
れば存在しても良い。
【0033】そして、本発明の圧電磁器組成物は、例え
ば、図1に示すようなラダー型フィルターの圧電磁器と
して用いられる。図1において、符号1は入力、符号2
は出力、符号3,4は圧電磁器である。本発明の圧電磁
器組成物は、特に、符号3で示される第2共振子の圧電
磁器として用いることが最適である。
【0034】
【実施例】
実施例1 原料粉末としてPbO,ZrO2 ,TiO2 ,Nb2
5 ,Yb2 3 ,Cr2 3 ,CoO,CaCO3 ,S
rCO3 ,BaCO3 ,Nd2 3 ,Gd2 3 ,La
2 3 ,Pr2 3 ,Sm2 3 の各原料粉末を、表
1,2に示すようにPZT系のZrとTiの一部をNb
1/2 Yb1/2 、Nb1/2 Cr1/2 、Nb2/ 3 Co1/3
Nbで置換するように、またPbの一部をCa,Srお
よびBaのうちの少なくとも一種と、Nd,Gd,L
a,PrおよびSmのうちの少なくとも一種で置換する
ように所定量秤量し、ZrO2 ボールを用いたボールミ
ルで12時間湿式混合し、次いで、この混合物を脱水、
乾燥した後、大気中において1000℃で3時間仮焼し
この後、当該仮焼物にAl2 3 を添加したものを再び
ボールミルで粉砕した。
【0035】その後、この粉砕物に有機バインダー(P
VA)を混合し、造粒した。得られた粉末を1.5t/
cm2 の圧力で直径23mm、厚さ2mmの寸法からな
る円板にプレス成形した。更に、これらの成形体をMg
O等からなる容器内に密閉し、大気中で1260℃で2
時間の条件で焼成した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】得られた焼結体を研磨して、直径20mm
厚み0.5mmの円板を形成した。
【0039】この円板の両主面にAgペーストを焼付け
ることにより電極を形成し、80℃のシリコンオイル中
で3kV/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理
した後、電気機械結合係数Kp,耐熱性,および温度特
性を評価した。
【0040】電気機械結合係数Kpは、インピーダンス
メータ(測定周波数1kHz、信号電圧1Vrms)で
測定した共振周波数と反共振周波数の値から計算により
求めた。耐熱性は、250℃をピークとするリフロー炉
に3回連続して通過させる試験を行った際の、試験前の
共振周波数Fr0 と試験24Hr後の共振周波数Fr24
の値から、ΔFr=(Fr24−Fr0 )/Fr0 ×10
0の式を用いて算出した変化率ΔFrで評価した。ま
た、共振周波数の温度係数T.C.fr(ppm/℃)
は、−20℃から+80℃の範囲で測定した共振周波数
の値からT.C.fr=(Fr80−Fr-20 )/100
×106 /Fr20(ここで、Fr80,Fr-20 ,Fr20
それぞれ+80℃、−20℃、+20℃での共振周波数
を示す)の式を用いて算出した結果を表3,4に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】表3,4から、本発明の磁器組成物は電気
機械結合係数Kpが50%以上と大きく、機械的品質係
数Qmが150以下であり、また、耐熱試験による共振
周波数の変化が±0.10%以下と小さい。また、共振
周波数の温度係数(T.C.fr)もPbの一部をC
a, SrおよびBaのうちの少なくとも一種で置換する
ことにより、共振周波数の温度特性を50ppm/℃以
下に制御することができ、Pbの一部をNd, Gd, L
a, PrおよびSmのうちの少なくとも一種で置換する
ことにより、共振周波数の温度特性と機械的品質係数Q
mの低減を同時に制御できることが判る。
【0044】実施例2 上記実施例1における試料No.3,No.11,No.3
2,No.34の組成の成形体を、実施例1と同様にして
MgO等からなる容器内に密閉し、大気中で1260
℃,1280℃,1300℃で2時間焼成し、50個の
試料を作製した。これらを、実施例1と同様にして電気
機械結合係数Kpを測定し、この電気機械結合係数Kp
の平均値を求めるとともに、バラツキを求めた。電気機
械結合係数Kpのバラツキは、式〔(Σx2 −(Σx)
2 /n)/(n−1)〕1/2 により求めた。この結果を
表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】この結果より、Al2 3 を添加すること
により焼成温度を下げることができるとともに電気機械
結合係数Kpのバラツキが小さくなっていることが判
る。
【0047】尚、実施例1の試料No.11の組成でAl
2 3 添加量が0の場合において、焼成温度を上記のよ
うに変化させた場合の電気機械結合係数Kpの平均値お
よびバラツキを求め、その結果を比較例として記載し
た。この比較例ではAl2 30.03重量部添加品と
比較して電気機械結合係数Kpのバラツキが大きいこと
が判る。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、P
b−Zr−Ti(PZT)系のZrおよびTiの一部
を、(Nb1/2 Yb1/2 )、(Nb1/2 Cr1/2 )、
(Nb2/3Co1/3 )、Nbで置換し、また、Pbの一
部をCa, SrおよびBaのうちの少なくとも一種と、
Nd, Gd, La, PrおよびSmのうちの少なくとも
一種とで置換するとともに、AlをAl2 3 換算で所
定量添加含有することにより、耐熱性、共振周波数の温
度特性に優れ、且つ高い電気機械結合係数を有し、かつ
低い機械的品質係数Qmを示す材料を得ることができ、
さらに磁器間における電気機械結合係数のバラツキを小
さくすることができ、温度変化に対し安定な特性を示す
表面実装用圧電部品などの素子、例えば、フィルター,
レゾネータ等の素子として、特にはセルラー用のセラミ
ックフィルタとして最適な圧電磁器組成物を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電磁器組成物を用いたラダー型フィ
ルターを示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・入力 2・・・出力 3,4・・・圧電磁器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、
    Yb、CrおよびCoを含む複合ペロブスカイト型化合
    物であって、これらの金属元素のモル比による組成式を (Pb1-x-y x y a [{( Nb1/2 Yb1/2 b
    (Nb1/2 Cr1/2 c(Nb2/3 Co1/3 1-b-c
    1-d Nbd e (Tif Zr1-f 1-e 3 と表わした時、前記x,y,a,b,c,d,e,fの
    値が 0<x 0<y 0<x+y≦0.12 0.97≦a≦1.03 0.10≦b≦0.70 0.10≦c≦0.70 0 ≦d≦0.17 0.03≦e≦0.20 0.48≦f≦0.60 A:Ca,SrおよびBaのうちの少なくとも一種 B:Nd,Gd,La,PrおよびSmのうちの少なく
    とも一種 を満足する主成分100重量部に対して、AlをAl2
    3 換算で0.01〜0.10重量部添加含有すること
    を特徴とする圧電磁器組成物。
JP8169528A 1996-06-28 1996-06-28 圧電磁器組成物 Pending JPH1017364A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8169528A JPH1017364A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 圧電磁器組成物

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