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JPH101637A - 塑性加工コート剤組成物 - Google Patents

塑性加工コート剤組成物

Info

Publication number
JPH101637A
JPH101637A JP8177262A JP17726296A JPH101637A JP H101637 A JPH101637 A JP H101637A JP 8177262 A JP8177262 A JP 8177262A JP 17726296 A JP17726296 A JP 17726296A JP H101637 A JPH101637 A JP H101637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
acrylic resin
coating
parts
polyoxyethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8177262A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Terada
茂穂 寺田
Teruaki Onishi
輝明 大西
Yoshinobu Komiyama
慶信 込山
Kenichi Kameyama
賢一 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Oil Co Ltd
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Cosmo Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP8177262A priority Critical patent/JPH101637A/ja
Publication of JPH101637A publication Critical patent/JPH101637A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレス成形性などの塑性加工性を損ねることな
く、塗布時の乾燥性等の塗膜性、成膜性及び濡れ性、さ
らにはリン酸亜鉛皮膜処理性に優れる塑性加工コート剤
組成物を提供する。 【解決手段】(A)ステアリン酸金属塩を15〜35質
量部、(B)全酸価が10〜120mgKOH/gであ
るスチレンアクリル樹脂を20〜60質量部、(C)全
酸価が10〜300mgKOH/gであるアクリル樹脂
を10〜40質量部の割合で含有させ、かつ(B)成分
のスチレンアクリル樹脂と(C)成分のアクリル樹脂の
合計量を47〜84.9質量部にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形性など
の塑性加工性を損ねることなく、塗布時の乾燥性等の塗
膜性、成膜性及び濡れ性、さらにはリン酸亜鉛皮膜処理
性に優れる塑性加工コート剤組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車ボディパネルのプレス成形
工程では、成形を円滑化するために鋼板材料に潤滑油が
使用されており、通常、この潤滑油としては後工程にお
ける脱脂効率を考慮して防錆油と呼ばれる低粘度油が広
く用いられている。しかし、自動車ボディパネル用のア
ルミニウム合金板は、従来の冷延鋼板に比べて成形性が
非常に悪く、前記のような潤滑油を用いても製品形状に
よってはプレス割れを生じることがある。プレス割れを
防ぐには、プレス成形時に材料と金型の間の摩擦を低減
することが有効である。これらの対策としてプレス油と
呼ばれる高粘度油、コート剤及びポリ塩化ビニル(PV
C)のフィルムが用いられることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高粘度のプレ
ス油やコート剤の使用は、後工程である脱脂工程での脱
脂処理性を低下させる欠点がある。また、ポリ塩化ビニ
ル(PVC)のフィルムでは、前に述べた後工程の前に
剥離作業をする必要があるなど、いずれも量産化に対し
ては有効な手段ではない。また、コート剤を使用する場
合、コート剤のアルミニウム合金板への塗膜性も実用的
に考慮しなければならない性能の一つである。すなわ
ち、塗布時の濡れ性や乾燥性及び塗布後のチョーキング
性が量産化に必要な性能の一つである。そこで、本発明
者等は、塑性加工性を損ねることなく、塗布時の乾燥
性、塗布後のチョーキング性に優れる新規塑性加工コー
ト剤を提案した(特開平8−48937号)。また、大
量生産において、コイル状のアルミニウム合金板にコー
ト剤を使用する場合があり、この方法は、任意の寸法に
切断されたアルミ板へコート剤を塗布する場合と比較
し、コート剤がべたつき(成膜性が悪い)、アルミニウ
ム合金板を作業に供する際の作業性が低下することがあ
る。すなわち、コイル状のアルミニウム合金板へコート
剤を塗布する場合、通常塗装ラインで塗布されるため、
乾燥時間に制約があり、通常、数十秒間から数分間熱風
をかけ乾燥後すぐにコイル状に巻き直すため、短時間の
内に乾燥し、膜硬さが維持されていることが必要であ
る。このため、本発明は、自動車ボディパネルに用いる
アルミニウム合金板のプレス成形などのプレス成形向上
性能を始めとする塑性加工性を損ねることなく、塗布時
の濡れ性及び乾燥性に優れ、さらには塑性加工性及び脱
脂性を損ねることなく、塗布時の乾燥性、塗布後のチョ
ーキング性等の塗膜性及び成膜性に優れた塑性加工コー
ト剤組成物を提供することを目的とする。また、コート
剤を使用する場合、アルミニウム合金板へのリン酸亜鉛
皮膜処理性も実用的に考慮しなければならない性能の一
つである。このため、本発明は、自動車ボディパネルに
用いるアルミニウム合金板のプレス成形向上性能を始め
とする塑性加工性、塗布性及び成膜性を損ねることな
く、リン酸亜鉛皮膜処理性に優れた塑性加工コート剤組
成物を提供することも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、アルミニウム合金板などのプレス成
形においてプレス成形性を向上させるために最適なコー
ト剤について研究を重ねた結果、ステアリン酸金属塩と
2種類の特定のアクリル系樹脂を特定量配合したもの
が、塑性加工性、特にプレス成形性を損ねることなく、
塗布時の乾燥性、塑性加工性、脱脂性、塗膜性、成膜
性、リン酸亜鉛皮膜処理性及び濡れ性に優れていること
を見い出し、これらの知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)ステアリン酸
金属塩を15〜35質量部、(B)平均単位式が下記式
(1)で表され、全酸価が10〜120mgKOH/g
であるスチレンアクリル樹脂を20〜60質量部、
(C)平均単位式が下記式(2)で表され、全酸価が1
0〜300mgKOH/gであるアクリル樹脂を10〜
40質量部の割合で含有し、かつ(B)成分のスチレン
アクリル樹脂と(C)成分のアクリル樹脂の合計量が4
7〜84.9質量部の割合であることを特徴とする塑性
加工コート剤組成物を提供するものである。
【0006】
【化4】
【0007】 −CH2C(R1 )(COOR2)−CH(C65)−CH2− (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又
は炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有するアルキル基を
表す。)
【0008】
【化5】−CH2C(R3 )(COOR4)− (2)
【0009】(式中、R3 は水素原子又はメチル基、R4
は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有する
アルキル基を表す。)以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の態様】(A)成分のステアリン酸金属塩
としては、ステアリン酸の種々の金属塩が使用できる
が、ステアリン酸のカルシウム塩、アルミニウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩などが好
適に挙げられ、さらに好ましくはステアリン酸のカルシ
ウム塩である。ステアリン酸金属塩は、1種単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ス
テアリン酸金属塩の配合割合は、15〜35質量部であ
り、好ましくは17〜32質量部であり、特に好ましく
は15〜30質量部である。ステアリン酸金属塩の配合
割合が15質量部未満であると、成形性が劣り、35質
量部を超えるとチョーキング性が悪化する。
【0011】(B)成分のスチレンアクリル樹脂は、平
均単位式が下記式(1)で表され、全酸価が10〜12
0mgKOH/gである。
【0012】
【化6】 −CH2C(R1 )(COOR2)−CH(C65)−CH2− (1)
【0013】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2
は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有する
アルキル基を表す。) R2は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜9の直鎖又
は分岐を有するアルキル基であり、特に好ましくは水素
原子又は炭素数1〜8の直鎖又は分岐を有するアルキル
基である。この平均単位式からなるスチレンアクリル樹
脂は、平均単位式中のR1 及びR2がそれぞれ同一でもよ
いし、異なっていてもよい。なお、(B)成分のスチレ
ンアクリル樹脂は、上記式(1)の平均単位式で表され
るが、−CH2C(R1 )(COOR2)−と−CH(C6
5)−CH2−のランダム共重合体でもよい。(B)成
分のスチレンアクリル樹脂は、脱脂性の面から全酸価が
10〜120mgKOH/gであり、好ましくは10〜
80mgKOH/gであり、特に好ましくは10〜50
mgKOH/gである。スチレンアクリル樹脂の分子量
は、特に制限ないが、通常重量平均分子量が100,0
00〜1,000,000の範囲が好ましい。スチレン
アクリル樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。スチレンアクリル樹脂
は、スチレンとアクリル酸又はその誘導体を共重合する
ことにより得られる樹脂である。原料のスチレンとアク
リル酸又はその誘導体の割合は、スチレンが好ましくは
5〜35質量%、特に好ましくは10〜20質量%であ
る。共重合を行う重合方法は、懸濁重合、乳化重合、溶
液重合、塊状重合など種々の重合方法が挙げられる。
(C)成分のアクリル樹脂は、平均単位式が下記式
(2)で表され、全酸価が10〜300mgKOH/g
である。
【0014】
【化7】−CH2C(R3 )(COOR4)− (2)
【0015】(式中、R3 は水素原子又はメチル基、R4
は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有する
アルキル基を表す。) R4は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜9の直鎖又
は分岐を有するアルキル基であり、特に好ましくは水素
原子又は炭素数1〜8の直鎖又は分岐を有するアルキル
基である。この平均単位式からなるアクリル樹脂は、平
均単位式中のR3 及びR4がそれぞれ同一でもよいし、異
なっていてもよい。(C)成分のアクリル樹脂は、脱脂
性の面から全酸価が10〜300mgKOH/gであ
り、好ましくは30〜200mgKOH/gであり、特
に好ましくは50〜150mgKOH/gである。アク
リル樹脂の分子量は、特に制限ないが、通常重量平均分
子量が10,000〜200,000の範囲が好まし
い。(C)成分のアクリル樹脂は、1種単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アクリ
ル樹脂は、アクリル酸又はその誘導体を重合することに
より得られる樹脂である。重合を行う重合方法は、懸濁
重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合など種々の重合方
法が挙げられる。
【0016】(B)成分のスチレンアクリル樹脂の配合
割合は、乾燥性の面から20〜60質量部であり、好ま
しくは25〜57質量部であり、特に好ましくは30〜
55質量部である。(C)成分のアクリル樹脂の配合割
合は、脱脂性の面から10〜40質量部であり、好まし
くは15〜38質量部であり、特に好ましくは20〜3
5質量部である。また、(B)成分のスチレンアクリル
樹脂及び(C)成分のアクリル樹脂の合計量は、47〜
84.9質量部であり、好ましくは60〜80質量部で
あり、特に好ましくは63〜75質量部である。(B)
成分のスチレンアクリル樹脂及び(C)成分のアクリル
樹脂の合計量が、47質量部より少ないとチョーキング
性能が低下し、84.9質量部より多いと成形性が悪化
する。なお、(A)、(B)及び(C)の各成分の合計
量は86〜99.9質量部の割合であることが好まし
い。
【0017】本発明の塑性加工コート剤組成物において
は、(D)成分の式(3)で表されるポリオキシエチレ
ンエーテルを配合することが好ましい。
【0018】
【化8】 R−O−(CH2CH2O)n−H (3)
【0019】(式中、Rは、アルキル基、アルケニル
基、アルキルフェニル基又はラノリン残基を表し、nは
5以上の整数を表す。) 式(1)のRは、炭素数12以上のものが好ましく、特
に炭素数14〜18のものが好ましい。また、nは20
〜80の整数が好ましく、さらに好ましくは20〜70
の整数であり、特に40〜60の整数が好ましい。ま
た、これらのポリオキシエチレンエーテルは、HLB値
が8以上のものが好ましく、特に12以上のものが好ま
しい。なお、式(1)のRのラノリン残基は、ラノリン
アルコールから水酸基を除いたものをいう。
【0020】これらのポリオキシエチレンエーテルの具
体例としては、例えばポリオキシエチレンオクチルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシ
エチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンウンデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチ
レンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンペンタデ
シルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンヘプタデシルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノナデ
シルエーテル、ポリオキシエチレンオクテニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノネニルエーテル、ポリオキシ
エチレンデセニルエーテル、ポリオキシエチレンウンデ
セニルエーテル、ポリオキシエチレンドデセニルエーテ
ル、ポリオキシエチレントリデセニルエーテル、ポリオ
キシエチレンテトラデセニルエーテル、ポリオキシエチ
レンペンタデセニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキ
サデセニルエーテル、ポリオキシエチレンヘプタデセニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポ
リオキシエチレンノナデセニルエーテル、ポリオキシエ
チレンエイコセニルエーテル、ポリオキシエチレンペン
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンカプリルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ウンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
リルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリドデシ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンペンタデシルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール
などやこれらの構造異性体などが挙げられ、好ましくは
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールなどであ
る。なお、ポリオキシエチレンエーテルは、1種単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。(D)成分のポリオキシエチレンエーテルを配合す
る場合、(D)成分のポリオキシエチレンエーテルの配
合割合は、0.1〜14質量部であり、好ましくは0.
3〜10質量部であり、特に好ましくは0.5〜5質量
部である。ポリオキシエチレンエーテルの配合割合が
0.1質量部より少ないと、塗布時の濡れ性が低下し、
14質量部より多いと、塗布時の乾燥性が悪くなる。な
お、(D)成分のポリオキシエチレンエーテルを配合す
る場合、(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の
合計量は100質量部にする割合である。
【0021】本発明の塑性加工コート剤組成物において
は、コロイド微粒子を配合することが好ましい。コロイ
ド微粒子を配合すると、さらにリン酸亜鉛皮膜処理性を
向上させることができる。コロイド微粒子としては、種
々のコロイド微粒子が用いられるが、無機物のコロイド
微粒子が好ましく、特に窒化ホウ素微粒子、炭酸カルシ
ウム微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒
子等が好ましい。なお、コロイド微粒子は、1種単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。コロイド微粒子の平均直径は、0.001〜1μm
が好ましく、特に0.001〜0.5μmが好ましい。
コロイド微粒子の配合割合は、通常塑性加工コート剤組
成物の固形分全量に対して、コロイド微粒子(水を除く
固形分として)が0.01〜20質量%であり、好まし
くは0.1〜10質量%であり、特に好ましくは0.5
〜5質量%である。配合割合が0.01質量%未満であ
るとリン酸亜鉛処理性向上効果が劣り、20質量%を超
えると加工性が低下する傾向がある。
【0022】本発明の塑性加工コート剤組成物において
は、上記基材成分は、通常水と共に使用される。ステア
リン酸金属塩、スチレンアクリル樹脂及びアクリル樹
脂、又はこれらにポリオキシエチレンエーテルを加えた
ものの基材成分と水の配合割合は、通常基材成分が1〜
60質量%であり、水が40〜99質量%であり、好ま
しくは基材成分が5〜40質量%であり、水が60〜9
5質量%である。基材成分が、1質量%未満であると添
加効果が劣り、60質量%を超えると塗布操作性が低下
する。
【0023】本発明の塑性加工コート剤組成物には、前
記基材成分の他、必要に応じて他の成分、例えば、防錆
剤、消泡剤、極圧剤、酸化防止剤、酸化ワックスなどの
補助成分を適量配合することができる。防錆剤として
は、種々の防錆剤が使用でき、例えばホウ酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、モルホリンなどが挙
げられる。これらの防錆剤は、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に使
用する消泡剤としては、水系の消泡剤が使用でき、例え
ば変性シリコーンが挙げられる。これらの消泡剤は、1
種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0024】上記防錆剤及び消泡剤などの補助成分の添
加量は、適宜選定すれば良いが、防錆剤の添加量は、通
常塑性加工コート剤組成物全体量の1質量%以下であ
る。本発明に使用する酸化ワックスとしては、例えば酸
化ポリエチレンワックス、酸化パラフィンワックスが挙
げられる。これらの酸化ワックスは、1種単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】本発明の塑性加工コート剤組成物は、前記
各成分を所定量適宜配合して混合することにより製造す
ることができる。各種成分の混合方法及び添加方法は、
特に制限されるものではなく、種々の方法により行うこ
とができ、混合順序及び添加順序も種々の混合順序及び
添加順序で行うことができる。
【0026】本発明の塑性加工コート剤組成物は、プレ
ス成形、絞り成形、引抜き成形などの各種塑性加工に使
用することができるが、特に自動車ボディパネル用の鉄
鋼板、アルミニウム合金板などのプレス成形に有効であ
り、アルミニウム合金板に対しては極めて有効に機能す
る。本発明の塑性加工コート剤組成物は、特に塑性加工
材が塑性加工コート剤組成物を塗布したアルミニウム材
がプレス加工された後の工程であるリン酸亜鉛皮膜処理
のときに極めて有効である。本発明の塑性加工コート剤
組成物は、塑性加工する際に塑性加工材料に塗布するこ
とにより使用される。塗布量は、特に制限されないが、
通常乾燥重量で0.1〜10g/m2の範囲であり、好
ましくは0.5〜3g/m2の範囲である。塗布は、ハ
ケ塗布、ロール塗布、噴霧塗布、静電塗布、浸漬塗布な
ど種々の塗布方法により行うことができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。実施例及び比較例の
評価試験は、次の方法により行った。
【0028】(1)試験材及び塗布方法 自動車ボディパネル用アルミニウム合金板(5.0%M
g−Al焼鈍材、板厚1.0mm)を用い、前処理とし
て、HNO3水溶液(30%)に60℃×10秒浸漬
し、水洗、乾燥後、バーコーターNo.3により板両面
にコート剤を塗布した。塗布後、80℃×60秒の雰囲
気で乾燥し、乾燥後の塗布量、1g/m2を得た。
【0029】(2)エリクセン試験 コート剤を塗布した自動車ボディパネル用アルミニウム
合金板を90mm×90mmに切断し試験片として用
い、JIS Z 22447のB法の方法でエリクセン
値を求めた。また、本試験では、しわ押え力10kN、
ポンチ速度6mm/minの条件で行った。なお、エリ
クセン値は3回の測定の平均値とした。評価は、下記の
基準で行った。 ○:9.5mm以上 △:8.5mm以上9.0mm未満 ×:8.5mm未満
【0030】(3)深絞り試験 コート剤を塗布した自動車ボディパネル用アルミニウム
合金板を直径84mmの円板に切断し試験片として用
い、以下の成形条件により円筒深絞り成形を行い成形高
さを求め深絞り性を評価した。成形高さは、円筒深絞り
成形において試験片に破断が生じるまでのポンチの移動
距離で、3回の平均値とした。 試験条件: ダイス:φ42.5mm、肩R8mm ポンチ:φ40mm、肩R8mm 加工速度:60mm/min しわ押え力:2.6kN 評価は、下記の基準で行った。 ○:18.0mm以上 △:15.0mm以上18.0mm未満 ×:15.0mm未満
【0031】(4)脱脂性試験 コート剤を塗布した自動車ボディパネル用アルミニウム
合金板を1mm×75mm×150mmに切断し試験片
とし、43℃に加温したアルカリ脱脂液(日本パーカー
ライジング(株)製FC−L4428)により60秒間
のミスト洗浄を行い、水に浸漬後の試験片の表面を目視
で観察し、コート剤の残りと、水漏れ程度により下記の
3段階で判定した。 3:コート剤が除去され、水漏れが完全であり、脱脂が
良好である状態 2:コート剤は、除去されているが、水はじきがわずか
にある状態 1:コート剤の残りが認められ、水はじきが認められ、
脱脂が不良である状態
【0032】(5)リン酸亜鉛皮膜処理性試験 上記脱脂試験後の自動車ボディパネル用アルミニウム合
金板を試験片とし、43℃に加温したリン酸亜鉛処理液
(日本パーカー製PB−3020)に120秒浸漬し、
1分間水洗後、リン酸亜鉛皮膜処理した試験片の乾燥重
量を測定し、この試験片を5%無水クロム酸水溶液(7
5℃)に15分間浸漬し、アルミ表面のリン酸亜鉛皮膜
を除去し、1分間水洗し、乾燥後の試験片の重量より、
リン酸亜鉛皮膜の付着重量を測定した。リン酸亜鉛皮膜
剤アルミ材表面への付着量は下記の数1の式により算出
した。
【0033】
【数1】
【0034】評価は、コート剤を塗布しない試験片を脱
脂試験後リン酸亜鉛皮膜処理した付着量を標準とし、コ
ート剤を塗布した脱脂試験後の試験片のリン酸亜鉛皮膜
処理による付着量を標準の付着量で割った値の百分率を
付着率とし、下記の基準で行った。 ○:付着率80%以上 △:付着率60%以上80%未満 ×:付着率60%未満
【0035】(6)塗膜性試験(乾燥性) 前述の塗布方法により、コート剤を塗布、乾燥後のコー
ト剤の塗膜の乾燥の度合いを下記の3段階の基準で評価
し、乾燥性の判定値とした。 3:表面は乾燥し、べたつきが全くなく、乾燥性良好。 2:表面は乾燥しているが、一部にべたつきが見られ
る。 1:表面は未乾燥で、全体的にべたつきが見られ、乾燥
性不良。
【0036】(7)塗膜性試験(チョーキング性) 前述の塗布方法により、コート剤を塗布、乾燥後のコー
ト剤の塗膜のチョーキング性を評価した。チョーキング
性とは、乾燥後のコート剤が切断設備や、成形型などに
付着し汚すことがないか否かを評価するもので、コート
剤を塗布乾燥した試験片上で布を強くこすり、コート剤
の剥離又は布に付着した度合いで、下記の3段階の基準
により判定した。 3:布にコート剤の付着が全く認められない。 2:布にわずかにコート剤の移着が認められるが、大部
分は試験片表面に残っている。 1:布にコート剤が付着し、試験片表面上の残りが少な
い。
【0037】(8)塗膜性試験(乾燥スピード性) 自動車ボディパネル用アルミニウム合金板(5.0%M
g−Al焼鈍材、板厚1.0mm)を用い、前処理とし
て、苛性エッチング(45℃のNaOH5%水溶液に6
秒間浸漬)、水洗、中和処理(HNO3水溶液に5秒間
浸漬)、水洗、乾燥を行った後、バーコーターNo.3
により板両面にコート剤を塗布した。塗布後、100℃
×45秒の雰囲気で乾燥し、1g/m2の乾燥膜量を
得、膜乾燥直後(膜乾燥後10秒以内)の塗膜の乾燥の
度合いを下記の3段階で評価し、乾燥スピード性を判定
した。 5:表面は乾燥し、べたつきが全くなく、乾燥性が非常
に良好。 4:表面は乾燥し、べたつきがほとんどくなく、乾燥性
が良好。 3:表面は乾燥しているが、一部にべたつきが少し見ら
れる。 2:表面はほぼ乾燥しているが、一部べたついている。 1:表面は未乾燥で、全体的にべたつきが見られ、乾燥
性不良。
【0038】(9)濡れ性試験 自動車ボディパネル用アルミニウム合金板(5.0%M
g−Al焼鈍材、板厚1.0mm)を用い、前処理とし
て、苛性エッチング(45℃のNaOH5%水溶液に6
秒間浸漬)、水洗、中和処理(HNO3水溶液に5秒間
浸漬)、水洗、乾燥を行った後、バーコーターNo.3
により板両面にコート剤を塗布し、その時の塗布状況を
観察し、コート剤のアルミ板に対する濡れ性を下記の3
段階の基準で評価した。 3:コート剤が均一にアルミニウム合金板に塗られ濡れ
性の良好な状態。 2:コート剤がアルミニウム合金板上で一部はじき、濡
れ性のあまりよくない状態。 1:コート剤がアルミニウム合金板上ではじき、うまく
塗られていない濡れ性の悪い状態。 次に、実施例及び比較例で使用したアクリル系樹脂を示
す。 (B)成分のスチレンアクリル樹脂 下記式の平均単位式で表されるスチレンアクリル樹脂
(全酸価:30mgKOH/g)。
【0039】
【化9】−CH2C(R1 )(COOR2)−CH(C6
5)−CH2
【0040】ただし、このスチレンアクリル樹脂は、R
1 が水素原子又はメチル基、R2が水素原子、メチル基、
エチル基、ブチル基又はエチルへキシル基である複数種
の平均単位式を含むものである。なお、このスチレンア
クリル樹脂は、スチレンの含有割合が15質量%のラン
ダム共重合体である。 (C)成分のアクリル樹脂 下記式の平均単位式で表されるアクリル樹脂(全酸価:
100mgKOH/g)。
【0041】
【化10】 −CH2C(R3 )(COOR4)− (2)
【0042】ただし、このアクリル樹脂は、R3 が水素
原子又はメチル基、R4が水素原子、メチル基、エチル
基、ブチル基又はエチルへキシル基である複数種の平均
単位式を含むものである。 (D)成分のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル 下記式のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(HLB値:18.2、平均n=50)。
【0043】
【化11】 C919−Ph−O−(CH2CH2O)n−H (3)
【0044】実施例1 基材成分としてスチレンアクリル樹脂49質量%、アク
リル樹脂24.5質量%、ステアリン酸カルシウム2
4.5質量%及びポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル1.5質量%、補助成分として消泡剤の変性シリ
コーン1.5質量%を混合して得られた組成物20.4
質量%と水79.6質量%を混合して塑性加工コート剤
組成物を調製した。
【0045】実施例2〜6 各成分の配合割合を表1に記載した量にした以外は、実
施例1と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製し
た。
【0046】比較例1 アクリル樹脂を配合せず、各成分の配合割合を表2に記
載した量にした以外は、実施例1と同様にして塑性加工
コート剤組成物を調製した。
【0047】比較例2〜6 表2に示された成分及びその配合割合を使用して、実施
例1と同様にして塑性加工コート剤組成物を調製した。
上記実施例1〜5及び比較例1〜7の塑性加工コート剤
組成物をコート剤として用いて各試験を行った。その結
果を表1及び表2に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の塑性加工コート剤組成物は、塑
性成形性、特にプレス成形性向上に極めて有効であり、
塗布時の乾燥性及び塗膜のチョーキング性に優れ、さら
にリン酸亜鉛皮膜処理性に優れている。従って、本発明
の塑性加工コート剤組成物は、実用上極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 込山 慶信 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社技術開発センター内 (72)発明者 亀山 賢一 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社技術開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ステアリン酸金属塩を15〜35
    質量部、(B)平均単位式が下記式(1)で表され、全
    酸価が10〜120mgKOH/gであるスチレンアク
    リル樹脂を20〜60質量部、(C)平均単位式が下記
    式(2)で表され、全酸価が10〜300mgKOH/
    gであるアクリル樹脂を10〜40質量部の割合で含有
    し、かつ(B)成分のスチレンアクリル樹脂と(C)成
    分のアクリル樹脂の合計量が47〜84.9質量部の割
    合であることを特徴とする塑性加工コート剤組成物。 【化1】 −CH2C(R1 )(COOR2)−CH(C65)−CH2− (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又
    は炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有するアルキル基を
    表す。) 【化2】−CH2C(R3 )(COOR4)− (2) (式中、R3 は水素原子又はメチル基、R4は水素原子又
    は炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有するアルキル基を
    表す。)
  2. 【請求項2】 さらに、(D)下記式(3)のポリオキ
    シエチレンエーテルを0.1〜14質量部の割合で含有
    し、(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の合計
    量が100質量部の割合である請求項1記載の塑性加工
    コート剤組成物。 【化3】 R−O−(CH2CH2O)n−H (3) (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキルフ
    ェニル基又はラノリン残基を表し、nは5以上の整数を
    表す。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105505021A (zh) * 2015-12-30 2016-04-20 辛范范 一种外墙涂料及其制备方法

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