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JPH10152561A - ポリボロシロキサンの製造方法、ポリボロシロキサン塗膜及び該塗膜を有する無機絶縁電線 - Google Patents

ポリボロシロキサンの製造方法、ポリボロシロキサン塗膜及び該塗膜を有する無機絶縁電線

Info

Publication number
JPH10152561A
JPH10152561A JP8314654A JP31465496A JPH10152561A JP H10152561 A JPH10152561 A JP H10152561A JP 8314654 A JP8314654 A JP 8314654A JP 31465496 A JP31465496 A JP 31465496A JP H10152561 A JPH10152561 A JP H10152561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
coating
boron compound
boron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8314654A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenzo Takeuchi
健三 武内
Junichi Nishioka
淳一 西岡
Hiroto Nozaki
裕人 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Electric Wire and Cable Co filed Critical Showa Electric Wire and Cable Co
Priority to JP8314654A priority Critical patent/JPH10152561A/ja
Publication of JPH10152561A publication Critical patent/JPH10152561A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い可撓性を有し、比較的低い温度での焼成
でもべたつきを示さず、加熱減量が少なく、高い耐熱性
と耐湿性を有する無機ポリマーを形成することができる
ポリボロシロキサンの製造方法を提供する。 【解決手段】 二官能性シラン化合物をホウ素化合物と
反応させ、得られた生成物をさらに三官能性シラン化合
物及びホウ素化合物と反応させることを含むポリボロシ
ロキサンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリボロシロキサンの
製造方法に関し、より詳細には、高い可撓性を有し、比
較的低い温度での焼成により、べたつきを示さず、加熱
減量が少なく、高い耐熱性を有する無機ポリマーを形成
することができるポリボロシロキサンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリボロシロキサンはホウ素を介してシ
ロキサン結合が連結された構造を有するポリマーであ
る。ポリボロシロキサンは、焼成することにより耐熱性
に優れた無機ポリマーを形成できることが知られてお
り、耐熱性を要する電線の絶縁被膜等に使用されてい
る。
【0003】ポリボロシロキサンにおいては、ホウ素が
三配位構造をとり、ある程度の三次元網目構造が形成さ
れるため、加熱時のシロキサンの環化脱落が防がれ、二
官能アルコキシシランから形成されたポリシロキサン等
よりも高い耐熱性が得られる。また、シロキサン化合物
を、それと縮合するホウ素化合物自体を触媒として縮合
させることにより製造できるので、後に触媒を除去する
必要がなく、この点でも別途触媒を添加して縮合される
ポリシロキサン等よりも優れている。
【0004】このようにポリボロシロキサンは種々の特
性において優れているので、特に高い耐熱性が要求され
る絶縁被膜として有用であることが期待されるが、さら
に取り扱いや製造上の利点を有していることが望まれ
る。例えば、形成される無機ポリマーの高い耐熱性に加
え、焼成前に十分な可撓性を有していれば被膜形成後取
り扱いやすく、また加工することも可能である。また、
形成される無機ポリマーの耐熱性等の観点から焼成時の
加熱減量が少ないことが好ましく、耐久性の観点から耐
湿性に優れていることが好ましい。さらには、低い温度
で焼成しても低分子量成分が残ることがなくべたつきの
ない無機絶縁被膜が得られれば、製造上有利である。
【0005】しかし、例えばポリジメチルボロシロキサ
ンは可撓性には優れるものの、200℃程度の低温での
焼成ではべたつきが残り、メチル基が300℃以下の温
度でも脱落するため、より高い耐熱性が要求される用途
には十分であるとはいえない。またホウ素の加水分解の
ため耐湿性にも劣る。さらにポリジフェニルボロシロキ
サンでは低温焼成におけるべたつき、耐熱性、耐湿性等
は改善されるが、可撓性が劣る。
【0006】また、ポリジフェニルボロシロキサンをシ
リコーンオイルを用いて縮合させることも知られている
が、このようにして得られる重合体では、耐熱性、耐湿
性、可撓性は改善されるが、低温での焼成ではシリコー
ンオイルが残存してべたつくので高温で焼成することが
必要である。
【0007】さらに、三官能のシロキサン等のケイ素成
分を用い、三次元網目構造を形成することも知られてい
るが、三官能のケイ素成分だけでは可撓性が得られず、
また二官能のケイ素成分を併用しても、単純に二官能と
三官能のケイ素成分をホウ素化合物と一括して反応させ
るだけでは三官能性のケイ素成分の反応性が高いために
構造が不均一で部分的に可撓性が劣る等、十分な性質の
ものが得られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、高い
可撓性を有し、比較的低い温度での焼成でもべたつきを
示さず、加熱減量が少なく、高い耐熱性と耐湿性を有す
る無機ポリマーを形成することができるポリボロシロキ
サンの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究の結
果、二官能と三官能のケイ素化合物とホウ素化合物とを
使用してポリボロシロキサンを製造する場合、先ず、二
官能のケイ素化合物をホウ素化合物と反応させ、そして
得られた化合物をさらに三官能のケイ素化合物及びホウ
素化合物と反応させることにより、上記のような所望の
特性を満足するポリボロシロキサンが得られることを見
出した。
【0010】従って本発明は、下記式(a)
【0011】
【化4】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール
基を表し、Xはアルコキシ基、ヒドロキシル基またはハ
ロゲン原子を表す)の化合物をホウ素化合物と反応さ
せ、得られた生成物をさらに、下記式(b)
【0012】
【化5】 (式中、R及びXは上記と同じ意味を表す)の化合物及
びホウ素化合物と反応させることを含む、ポリボロシロ
キサンの製造方法を提供するものである。
【0013】上記本発明の方法の好ましい態様において
は、式(a) の化合物とホウ素化合物とが、下記式(c)
【0014】
【化6】 (式中、Rは上記と同じ意味を表す)で表される単位が
平均で2〜10個含まれる縮合化合物に変換されるまで
式(a) の化合物とホウ素化合物との反応を行う。上記の
本発明の方法においては、液体状態の式(a) の化合物と
ホウ素化合物との反応物に液体状態の式(b) の化合物を
加えることが好ましい。
【0015】また本発明は、上記の方法により製造され
たポリボロシロキサンを含む塗料を塗布し焼成すること
により得られる塗膜、及びそのような塗膜を絶縁被覆と
して有する無機絶縁電線も提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳述する。
【0017】本発明のポリボロシロキサンの製造方法に
使用される式(a) の化合物は、従来からポリシロキサ
ン、ポリボロシロキサン等の製造に用いられていたもの
と同様の二官能ケイ素化合物である。
【0018】式(a) 中のRは、アルキル基、アルケニル
基またはアリール基であり、好ましくは炭素数1〜1
0、より好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素
数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数2〜10、よ
り好ましくは炭素数2〜5、特に好ましくは炭素数2〜
3のアルケニル基、または好ましくは炭素数6〜18、
より好ましくは炭素数6〜12のアリール基である。R
の好ましい例としては、限定するものではないが、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フ
ェニル基等が挙げられる。
【0019】式(a) 中のXは官能基であり、アルコキシ
基、ヒドロキシル基、またはハロゲン原子である。Xと
して使用されるアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜
10、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であ
り、後の反応時にアルコールとして除去できるメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好まし
い。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子から選択され、好ましくは塩素である。
【0020】式(a) 中のR及びXはそれぞれ独立して上
記の基等を表し、式(a) の化合物においてR及びXはそ
れぞれにおいて互いに異なってもよく同一であってもよ
いが、式(a) の化合物は好ましくはそれぞれ同一のR並
びにXを有する。
【0021】式(a) の化合物は、官能基のXを2個有す
る限り、数個、例えば2〜5個程度、ホウ素化合物と反
応させる前に縮合していても本発明の効果を得るのに差
し支えない。また式(a) の化合物は1種でまたは2種以
上組み合わせて使用することができる。
【0022】式(a) の化合物の好ましい例としては、例
えば、ジメチルジヒドロキシシラン、ジフェニルジヒド
ロキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジプロポキシシラン、及びこれらの脱水縮合
物等が挙げられる。
【0023】本発明のポリボロシロキサンの製造方法に
使用される式(b) の化合物は、公知の三官能ケイ素化合
物である。
【0024】式(b) 中のR及びXは式(a) におけるもの
と同じ意味を有し、Xはそれぞれ独立して上記の基等を
表し、式(b) の化合物においてXは互いに異なってもよ
く同一であってもよいが、式(b) の化合物は好ましくは
同一のXを有する。
【0025】また式(b) の化合物も、ホウ素化合物と反
応させる前に数個、例えば2〜5個程度縮合していても
よい。式(b) の化合物も1種でまたは2種以上組み合わ
せて使用することができる。
【0026】式(b) の化合物の好ましい例としては、例
えば、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキキシシラン等が挙げられる。
【0027】上記の式(a) の化合物及び式(b) の化合物
の基Rの種類により、得られるポリボロシロキサンの特
性が変化する。例えば、Rとしてアルキル基が含まれる
量が多い程、可撓性は高くなるが、耐熱性は低くなる。
一方、Rとしてフェニル基等のアリール基が含まれる量
が多い程、可撓性は低くなるが、耐熱性は高くなる。例
えば、同一の化合物中に異なるRを有する式(a) の化合
物または式(b) の化合物を使用するか、あるいは2種以
上のそれぞれの化合物を使用して、得られる重合体がR
としてアルキル基とアリール基を含むものとする場合、
アルキル基とアリール基の量はモル比で20:1〜1:
1の範囲にあることが好ましい。
【0028】本発明の方法に使用されるホウ素化合物
は、従来ポリボロシロキサンを製造するのに使用されて
いたものでよく、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、
無水ホウ酸のようなホウ酸、ホウ砂等のホウ酸金属塩、
ホウ酸メチルのようなホウ酸エステル、トリメトキシボ
ロンのようなホウ酸アルコキシド、塩化ホウ素のような
ハロゲン化ホウ素等を使用することができる。
【0029】本発明の方法においては、先ず上記式(a)
の化合物とホウ素化合物を反応させる。これらの化合物
を、例えば不活性ガス気流中、例えば50〜150 ℃の温度
範囲で還流させることにより縮重合反応を行うことがで
きる。
【0030】この場合、式(a) の化合物(またはそのオ
リゴマー)とホウ素化合物とは、ケイ素とホウ素の原子
比で5:1〜2:1の量で使用し、次の三官能ケイ素化
合物との反応に使用される程度のアルコキシ基等の官能
基が残るようにすることが好ましい。
【0031】この最初の二官能性ケイ素化合物とホウ素
化合物との反応の生成物の重合度によって最終的な生成
物の可撓性等の特性が左右されるが、この反応において
は反応時間を選択することにより得られる縮合体の重合
度を調節することができるので、最終的な生成物に所望
の特性を与えるように反応時間を選択すればよい。
【0032】前記のような所望の特性を有するポリボロ
シロキサンを得るためには、式(a)の化合物(またはそ
のオリゴマー)とホウ素化合物との反応において、両者
が、下記式(c)
【0033】
【化7】 (式中、Rは前記のものと同じ意味を有する)で表され
るボロシロキサン単位が平均で2〜10個、特に2〜5
個含まれる縮合化合物に変換されるまで行うことが好ま
しい。このような程度の重合度を得るためには、その他
の反応条件にもよるが、上記のような条件で反応を行っ
た場合、1〜8時間の反応時間を使用すればよい。
【0034】このような二官能ケイ素化合物とホウ素化
合物の縮合体の重合度はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)により測定することができ、特定
の化合物について特定の反応温度等の反応条件について
所望の重合度が得られる反応時間を測定しておき、その
後は重合度の測定から求められた反応時間を使用すれば
よい。
【0035】次いで上記で得られた二官能ケイ素化合物
とホウ素化合物の縮合体に、式(b)で表される三官能ケ
イ素化合物とホウ素化合物を反応させる。上記の二官能
ケイ素化合物とホウ素化合物の反応生成物に式(b) で表
される三官能ケイ素化合物とホウ素化合物を加え、上記
の二官能ケイ素化合物との反応と同様の条件で、好まし
くは1時間以上還流させることにより、存在する官能基
を実質的に全て反応させる。そして蒸留操作により副生
物のアルコール等を除去し、さらに好ましくは100〜
300℃以上に昇温して1時間以上熟成させ、未反応の
低分子量成分を反応させる。
【0036】使用する三官能ケイ素化合物の量は、最終
的に得られるポリボロシロキサンの可撓性を左右し、二
官能性ケイ素化合物の量が多い程柔軟なポリボロシロキ
サンが得られ、一方、三官能ケイ素化合物の量が多い程
強固なポリボロシロキサンが得られるが、通常は二官能
性ケイ素化合物と三官能ケイ素化合物の比がケイ素の原
子比で2:1〜5:1となるようにすることが好まし
い。
【0037】三官能ケイ素化合物とともに使用するホウ
素化合物の量は、存在する官能基が十分に反応し、かつ
ホウ素化合物がケイ素化合物の官能基を反応させるのに
必要な量よりも多くならないようにする。例えばホウ素
化合物としてホウ酸を使用した場合、ホウ酸のヒドロキ
シル基の量がケイ素化合物に残る官能基の量を越えない
ようにする。三官能ケイ素化合物とホウ素化合物の比
は、ケイ素とホウ素の原子比で1:0.1〜1:4であ
ることが好ましい。
【0038】また、上記の式(a) の化合物とホウ素化合
物との反応生成物及び式(b) の化合物でXとしてヒドロ
キシル基を有するものには、常温で固体であるものがあ
る。これらの化合物を加熱する前に固体のまま互いに混
合すると、昇温時に不均一に反応が進行し、結果として
得られる重合体の構造が不均一になる可能性がある。従
って、式(a) の化合物とホウ素化合物との反応生成物が
常温で固体となる場合は、式(a) の化合物とホウ素化合
物との反応後温度を低下させないようにして液体状態に
維持し、さらに式(b) の化合物が常温で固体である場合
はこれを予め加熱して溶融し、液体状態にしてから式
(a) の化合物とホウ素化合物との反応生成物に添加する
ことが好ましい。
【0039】上記のようにして得られたポリボロシロキ
サンは、エタノール等の溶媒に可溶であり、そのような
溶媒に溶解し、任意に酸化物、炭化物、窒化物等の充填
剤、その他のポリマー等を加えて絶縁被覆塗料とし、こ
れを被膜が所望される表面に塗布し、乾燥及び焼成して
無機絶縁被膜とすることができる。
【0040】上記のようにして得られた絶縁被覆塗料
を、導電体線材のような基体上に慣用の方法により塗布
し、200〜500℃程度の温度で2〜30分間程度焼
成することにより、耐熱温度400℃以上の耐熱性を有
する優れた絶縁被膜が得られる。特に本発明の方法によ
り製造されたポリボロシロキサンによれば、200℃程
度の低温で焼成してもべたつきのない被膜を形成するこ
とができる。
【0041】このようにして得られた無機絶縁電線も本
発明に包含されるものである。本発明の無機絶縁電線に
設けられる絶縁被覆の厚さは、電線の用途にもよるが、
一般的には数μm 〜数mm程度である。
【0042】本発明の方法により製造されたポリボロシ
ロキサンを使用して得られる絶縁被覆塗料は、電線の耐
熱性を有する絶縁被覆を形成するのに特に好適である
が、その他の用途における耐熱性絶縁被覆塗料としても
使用することができ、例えばプレコート(PC)加工板
等の絶縁被覆を形成した後に加工されるようなものにも
好ましく使用できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0044】実施例1 36.1 g (0.3 モル) のジメチルジメトキシシランと6.18
g (0.1 モル) のホウ酸をフラスコに入れ、窒素気流中
80℃で3時間還流させた。反応物をGPCにより分析し
たところ、ジメチルジメトキシシランが平均でボロシロ
キサン単位を約3個含む縮合体に変換されていた。次い
でこれに13.6 g (0.1 モル) のフェニルトリメトキシシ
ランと6.18 g (0.1 モル) のホウ酸を添加し、さらに3
時間還流させた。その後副生成物を蒸留操作により除去
した後、200℃で3時間加熱撹拌し、ポリボロシロキ
サンを得た。
【0045】実施例2 実施例1のジメチルジメトキシシランの代わりにその2
量体である1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジメトキシシラ
ンを同モル量使用して同様にポリボロシロキサンを得
た。
【0046】1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジメトキシシ
ランとホウ酸との反応後に反応物をGPCにより分析し
たところ、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジメトキシシラ
ンは平均でボロシロキサン単位を約3個含む縮合体に変
換されていた。
【0047】実施例3 実施例1の0.3 モルのジメチルジメトキシシランの代わ
りに、0.25モルのジメチルジメトキシシランと0.05モル
のジフェニルジメトキシシランを使用して同様にポリボ
ロシロキサンを得た。
【0048】ジメチルジメトキシシラン及びジフェニル
ジメトキシシランとホウ酸との反応後に反応物をGPC
により分析したところ、ジメチルジメトキシシラン及び
ジフェニルジメトキシシランは平均でボロシロキサン単
位を約3個含む縮合体に変換されていた。
【0049】実施例4 24.4 g (0.1 モル) のジフェニルジメトキシシラン、4
3.26 g (0.2モル) のジフェニルジヒドロキシシラン及
び6.18 g (0.1 モル) のホウ酸をフラスコに入れ、窒素
気流下に撹拌しながら110 ℃に加熱して溶融し、この温
度に3時間維持した。その後反応物をGPCにより分析
したところ、ジフェニルジメトキシシラン及びジフェニ
ルジヒドロキシシランが平均でボロシロキサン単位を約
3個含む縮合体に変換されていた。
【0050】次いで上記の反応物を溶融状態に保ったま
まフラスコに6.18 g (0.1 モル) のホウ酸を加え、さら
に24.0 g (0.1 モル) のフェニルトリエトキシシランを
チューブポンプを用いて1.2 g/分(0.005モル/分) の速
度で上記フラスコ内に滴下した。フェニルトリエトキシ
シランの全量を添加した後、反応物を300 ℃に1時間加
熱し、残ったモノマーを反応させ、ポリボロシロキサン
を得た。
【0051】比較例1 0.2 モル のジフェニルジメトキシシランと6.18 g (0.
1 モル) のホウ酸をフラスコに入れ、窒素気流中80℃で
3時間還流させた。その後副生成物を蒸留操作により除
去した後、200℃で3時間加熱撹拌し、ポリジフェニ
ルボロシロキサンを得た。
【0052】比較例2 0.2 モル のジフェニルジメトキシシランの代わりに0.
2 モルのジメチルジメトキシシランを使用した以外は比
較例1と同様にしてポリジメチルボロシロキサンを得
た。
【0053】比較例3 432 g (2モル) のジフェニルジヒドロキシシラン、83 g
(1.3 モル) のホウ酸、255 g の10センチストークスの
ジメチルポリシロキサンシリコーンオイルをフラスコに
入れ、窒素雰囲気中で撹拌しながら約6時間で室温から
400 ℃まで徐々に加熱し、さらに400 ℃で1時間加熱撹
拌して縮重合反応を行い、重合体を得た。
【0054】上記の実施例及び比較例で得られた重合体
のそれぞれの10 gを10 ml のエタノールに溶解し、ステ
ンレス基板(SUS430)に焼成後の厚さが10μmとなるよう
に塗布、乾燥し、200 ℃で10分間焼成して絶縁被膜を得
た。
【0055】得られた絶縁被膜について、以下のように
して可撓性、耐熱性、べたつき、耐湿性及び加熱減量を
評価した。
【0056】可撓性 上記で得られた被膜をJIS K5400 の耐屈曲試験で評価し
た。
【0057】耐熱性 上記で得られた被膜をさらに400 ℃で1時間焼成し、被
膜におけるクラックの発生を目視評価した。クラックが
発生しなかった場合を○、クラックが発生した場合を×
で示す。
【0058】べたつき上記で得られた被膜に触れること
によりべたつきがないかどうかを調べた。べたつきが感
じられなかった場合を○、べたつきが感じられた場合を
×で示す。
【0059】耐湿性 上記で得られた被膜を水中に10分間浸漬し、その後1日
放置した後に外観を目視観察し、失透していないかどう
かを評価した。失透が見られなかった場合を○、失透が
わずかに見られた場合を△、失透が明確に見られた場合
を×で示す。
【0060】加熱減量 10 mg のポリボロシロキサン試料を白金パンに取り、10
℃/分の速度で室温から400 ℃まで昇温し、減少した重
量を当初試料重量に対するパーセントとして表した(熱
重量法)。アルミナ粉末をリファレンスとした。
【0061】上記の評価の結果を、重合体の製造に使用
したケイ素化合物及びホウ酸のモル数(シリコーンオイ
ルについてはグラム数)とともに下記表1に示す。
【0062】
【表1】 表1に示した結果から明らかなように、本発明の方法に
より製造されたポリボロシロキサンは、可撓性、耐熱
性、耐湿性、低温での焼成後のべたつき、及び加熱減量
のいずれについても、比較例のものと比べて有意に優れ
ていることは明らかである。
【0063】
【発明の効果】本発明のポリボロシロキサンの製造方法
によれば、高い可撓性を有し、比較的低い温度での焼成
によりべたつきを示さず、加熱減量が少なく、高い耐熱
性と耐湿性を有する無機ポリマーを形成することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(a) 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール
    基を表し、Xはアルコキシ基、ヒドロキシル基またはハ
    ロゲン原子を表す)の化合物をホウ素化合物と反応さ
    せ、得られた生成物をさらに、下記式(b) 【化2】 (式中、R及びXは上記と同じ意味を表す)の化合物及
    びホウ素化合物と反応させることを含む、ポリボロシロ
    キサンの製造方法。
  2. 【請求項2】 式(a) の化合物とホウ素化合物が、下記
    式(c) 【化3】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール
    基を表す)で表される単位が平均で2〜10個含まれる
    縮合化合物に変換されるまで式(a) の化合物とホウ素化
    合物との反応を行う、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 液体状態の式(a) の化合物とホウ素化合
    物との反応物に液体状態の式(b) の化合物を加える、請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より製造されたポリボロシロキサンを含む塗料を塗布し
    焼成することにより得られる塗膜。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の塗膜を絶縁被覆として
    有する無機絶縁電線。
JP8314654A 1996-11-26 1996-11-26 ポリボロシロキサンの製造方法、ポリボロシロキサン塗膜及び該塗膜を有する無機絶縁電線 Pending JPH10152561A (ja)

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