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JPH10111271A - 酸素濃度検出装置 - Google Patents

酸素濃度検出装置

Info

Publication number
JPH10111271A
JPH10111271A JP8267148A JP26714896A JPH10111271A JP H10111271 A JPH10111271 A JP H10111271A JP 8267148 A JP8267148 A JP 8267148A JP 26714896 A JP26714896 A JP 26714896A JP H10111271 A JPH10111271 A JP H10111271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
oxygen concentration
detection range
applied voltage
air
Prior art date
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Granted
Application number
JP8267148A
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English (en)
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JP3680445B2 (ja
Inventor
Masayuki Takami
雅之 高見
Asamichi Mizoguchi
朝道 溝口
Tetsushi Haseda
哲志 長谷田
Kazuhiro Okazaki
和弘 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP26714896A priority Critical patent/JP3680445B2/ja
Priority to GB9721084A priority patent/GB2318186B/en
Priority to US08/947,398 priority patent/US5935400A/en
Priority to DE19744439A priority patent/DE19744439B4/de
Publication of JPH10111271A publication Critical patent/JPH10111271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3680445B2 publication Critical patent/JP3680445B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/4067Means for heating or controlling the temperature of the solid electrolyte

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Electrochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素濃度検出範囲外においてセンサ電流を適正
に抑制し、正確な電流検出を実施する。 【解決手段】A/Fセンサ30は、マイコン20から指
令される電圧の印加に伴い、エンジン10より排出され
る排気ガス中の酸素濃度に比例したリニアなA/F検出
信号を出力する。マイコン20は、空燃比検出範囲外
(酸素濃度検出範囲外)の領域において、センサ電流を
所定値に制限するようA/Fセンサ30への印加電圧を
制御する。この場合、空燃比検出範囲内では、V−I座
標上で所定の正特性により印加電圧が制御され、空燃比
検出範囲外では、前記正特性とは異なる特性により印加
電圧が制御される。即ち、空燃比検出範囲外のリッチ側
では、A/Fセンサ30の起電力の最大値(0.9V)
に近づくよう印加電圧が制御され、空燃比検出範囲外の
リーン側では、同センサ30の起電力の最小値(0V)
に近づくよう印加電圧が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧印加時に被検
出ガス中の酸素濃度に対応した電流信号を出力する酸素
センサを用いた酸素濃度検出装置に係り、この酸素濃度
検出装置は、例えば車両用エンジンの空燃比フィードバ
ック制御を実施するために用いられる空燃比検出装置と
して適用される。
【0002】
【従来の技術】近年の車載用エンジンの空燃比制御にお
いては、例えば制御精度を高めるといった要望やリーン
バーン化への要望があり、これらの要望に対応すべく、
エンジンに吸入される混合気の空燃比(排気ガス中の酸
素濃度)を広域に且つリニアに検出するリニア式空燃比
センサ(酸素センサ)、及び同センサを用いた空燃比検
出装置(酸素濃度検出装置)が具体化されている。この
ような空燃比センサとして例えば限界電流式空燃比セン
サでは、周知のようにその限界電流の検出域が空燃比
(酸素濃度)に応じてシフトする。つまり、図21のV
−I特性図に示すように、限界電流検出域はV軸に平行
な直線部分からなり、その領域は空燃比がリーン側に移
行するほど正電圧側にシフトし、空燃比がリッチ側に移
行するほど負電圧側にシフトする。そのため、空燃比の
変化時に印加電圧が一定値に固定されていると、上記限
界電流検出域(V軸に平行な直線部分)を用いた正確な
空燃比検出を行うことができない。
【0003】そこで、従来一般の空燃比検出装置(酸素
濃度検出装置)では、その時々の空燃比、即ちセンサ電
流に応じてセンサの印加電圧を可変に制御するようにし
ていた(例えば、特開昭61−237047号公報、特
開昭61−280560号公報等)。かかる場合、図2
1中の特性線Lxに基づいて印加電圧を制御し、こうし
て印加電圧を制御することにより、常に所望のセンサ電
流(限界電流)が得られるものとしていた。因みに、上
記特性線Lxは、V−I座標上、正特性(右上がりの特
性)の一次直線として与えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、以下に示す問題を招く。つまり、通常の空燃比
検出装置では、空燃比検出範囲が予め所定域に設定され
ており(図21では、A/F=12〜18)、その検出
範囲内では、前記した特性線Lxを用いて印加電圧を設
定することにより空燃比を好適に検出することができ
る。しかし、前記空燃比検出範囲外では、正側若しくは
負側の大電圧が印加されることとなり、それに伴いセン
サ電流が過剰に流れるという問題が生じる。かかる場合
において、空燃比センサに電圧を印加するためのバイア
ス制御回路に大電流が流れ、当該回路が発熱する等の問
題をも招来する。
【0005】具体的には、例えばエンジン運転中に同エ
ンジンへの燃料供給が停止された場合(燃料カット
時)、空燃比はリーン側に大きく移行する。そのとき、
前記特性線Lxを用いて設定された電圧値をセンサに印
加すると、その電圧印加に伴うセンサ電流は過大なもの
となる。また、車両の急加速時等、燃料噴射量の高負荷
増量時にも空燃比がリッチ側に大きく移行することによ
り、同様にセンサ電流が過大なものとなるという不都合
を生じる。
【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、酸素濃度検出範
囲外においてセンサ電流を適正に抑制し、上記従来の諸
問題を解消することができる酸素濃度検出装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、予め設定された酸素濃
度検出範囲外の領域において、センサ電流を所定値に制
限するよう酸素センサへの印加電圧を制御する。ここ
で、酸素センサを空燃比センサ(限界電流式空燃比セン
サ)として用い、酸素濃度検出範囲を空燃比検出範囲と
して設定する場合には、例えば図7に示すように空燃比
(A/F)=12〜18が空燃比検出範囲(酸素濃度検
出範囲)に相当し、「A/F<12」若しくは「A/F
>18」の領域が空燃比検出範囲外の領域(酸素濃度検
出範囲外の領域)に相当する。
【0008】要するに、酸素濃度検出範囲外の領域にお
いて、酸素濃度に応じて単調に印加電圧を制御すると、
従来技術で既述したように酸素センサに大電流が流れる
等の問題を招く。これに対して本発明では、センサ電流
に制限を与えることにより、過大なセンサ電流が流れる
といった問題が回避できる。その結果、酸素濃度検出範
囲外においてセンサ電流を適正に抑制し、正確な電流検
出を行うことができる。併せて、酸素センサに電圧を印
加するためのバイアス制御回路の発熱量を大幅に低減す
ることができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明を説明すれ
ば、予め設定された酸素濃度検出範囲内では、電圧−電
流座標上で所定の正特性によりセンサ電流に応じて印加
電圧を制御し、酸素濃度検出範囲外では、前記正特性と
は異なる特性により印加電圧を制御する。つまり、本発
明の酸素センサ(例えば、限界電流式空燃比センサ)
は、その電圧−電流特性が酸素濃度検出範囲内で正特性
を有する。ここで、前記正特性とは、電圧及び電流のう
ち一方が増加すると他方も増加する特性を意味する。こ
の場合、酸素濃度検出範囲外で前記正特性とは異なる特
性にて印加電圧を制御することにより、酸素濃度検出範
囲外においてセンサ電流を適正に抑制し、正確な電流検
出を行うことが可能となる。
【0010】なお、酸素濃度検出範囲内の正特性と異な
る特性とは、 ・電圧及び電流のうち一方が増加すると他方が減少する
負特性、 ・センサ電流にかかわらず、印加電圧値を略固定値とす
る特性、 等を含むものである。
【0011】上記請求項2にかかる発明の具体的な手段
として、望ましくは次の請求項3〜請求項5の如く構成
するとよい。 ・請求項3に記載の発明では、センサ電流が酸素濃度検
出範囲外の上限値側にある場合には、前記酸素センサの
起電力の最小値に近づくよう印加電圧を徐々に変化さ
せ、センサ電流が酸素濃度検出範囲外の下限値側にある
場合には、前記酸素センサの起電力の最大値に近づくよ
う印加電圧を徐々に変化させる。 ・請求項4に記載の発明では、前記酸素濃度検出範囲を
所定幅だけ拡張したセンサ電流検出範囲を有し、酸素濃
度検出範囲外で且つセンサ電流検出範囲内の領域にセン
サ電流が制限されるように前記酸素センサの印加電圧特
性を設定している。なお、センサ電流検出範囲とは、回
路設計上の電流検出の余裕値として、酸素濃度検出範囲
の上限及び下限を約20%程度拡張して設けられている
(図7参照)。 ・請求項5に記載の発明では、センサ電流が酸素濃度検
出範囲外の上限値側にある場合には、当該酸素濃度検出
範囲内の印加電圧特性の上限値に相当する所定の印加電
圧値と、前記センサ電流検出範囲の上限値での前記酸素
センサの最小起電力点とを結ぶ印加電圧特性を用いて印
加電圧を制御し、センサ電流が酸素濃度検出範囲外の下
限値側にある場合には、当該酸素濃度検出範囲内の印加
電圧特性の下限値に相当する所定の印加電圧値と、前記
センサ電流検出範囲の下限値での前記酸素センサの最大
起電力点とを結ぶ印加電圧特性を用いて印加電圧を制御
する。
【0012】上記請求項3〜請求項5について、図7の
V−I特性図を用いて説明すれば、酸素濃度検出範囲外
の上限値側とは、図7の空燃比検出範囲よりもリーン側
に相当し、この領域では、酸素センサ(空燃比センサ)
の起電力の最小値(0ボルト)に近づくよう、センサ電
流に応じて印加電圧が制御される。このとき、印加電圧
は、特性線L3により設定されるようになっており、こ
の特性線L3は、空燃比検出範囲の上限値である点c
(酸素濃度検出範囲内の印加電圧特性の上限値に相当す
る所定の印加電圧値)と、センサ電流検出範囲の上限値
である点d(センサ電流検出範囲の上限値での酸素セン
サの最小起電力点)とを結ぶ直線により与えられてい
る。
【0013】また、酸素濃度検出範囲外の下限値側と
は、図7の空燃比検出範囲よりもリッチ側に相当し、こ
の領域では、酸素センサ(空燃比センサ)の起電力の最
大値(0.9ボルト)に近づくよう、センサ電流に応じ
て印加電圧が制御される。このとき、印加電圧は、特性
線L1により設定されるようになっており、この特性線
L1は、空燃比検出範囲の下限値である点a(酸素濃度
検出範囲内の印加電圧特性の下限値に相当する所定の印
加電圧値)と、センサ電流検出範囲の下限値である点b
(センサ電流検出範囲の下限値での酸素センサの最大起
電力点)とを結ぶ直線により与えられている。
【0014】以上の構成によれば、図7に示すように酸
素センサの素子抵抗がRiの時、センサ電流制限範囲は
点eと点fとで規定されることになり、このセンサ電流
制限範囲を超えるようなセンサ電流が流れることはな
い。
【0015】さらに、請求項6に記載の発明では、予め
設定された酸素濃度検出範囲外において、センサ電流が
所望の目標値になるよう印加電圧をフィードバック制御
する。かかる場合、センサ電流が目標値に制御されるこ
とにより、当該センサ電流が不用意に上昇したり下降し
たりすることはない。従って、酸素濃度検出範囲外にお
いて好適にセンサ電流を抑制し、正確な電流検出が実施
できることとなる。
【0016】上記請求項6にかかる発明の具体的な手段
として、請求項7に記載の発明では、前記酸素濃度検出
範囲を所定幅だけ拡張したセンサ電流検出範囲を有し、
前記センサ電流の目標値が酸素濃度検出範囲外で且つセ
ンサ電流検出範囲内の領域に設定されている。この場
合、センサ電流を確実にセンサ電流検出範囲内に制限す
ることができる。
【0017】また、請求項8に記載の発明において、セ
ンサ電流が酸素濃度検出範囲外の上限値側にある場合に
は、その時の印加電圧の最大値を制限し、センサ電流が
酸素濃度検出範囲外の下限値側にある場合には、その時
の印加電圧の最小値を制限する。ここで、酸素濃度検出
範囲外の上限値側又は下限値側でその印加電圧の最大値
又は最小値を制限するとは、例えば図14に示す「V
1」を印加電圧の最大値とし、「V2」を印加電圧の最
小値とすることを意味する。このV1,V2は、限界電
流式空燃比センサにおいて、空燃比検出範囲内で常にそ
の限界電流検出域(V軸に平行な直線部分)を用いるこ
とができる限界値である。
【0018】かかる場合、酸素濃度検出範囲(空燃比検
出範囲)の上限値又は下限値を跨ぐように酸素濃度(空
燃比)が変化する場合にも、酸素センサに過剰な電圧が
印加されることはなく、即ち前記図14において、リー
ン限界での限界電流検出域よりも大きな電圧、又はリッ
チ限界での限界電流検出域よりも小さな電圧が印加され
ることはなく、その時の電流検出精度を維持することが
できる。
【0019】併せて、請求項9に記載の発明において、
センサ電流が酸素濃度検出範囲外の上限値側にある場合
には、当該酸素濃度検出範囲内の印加電圧特性の上限値
に相当する所定の印加電圧値よりも小さい値に前記酸素
センサへの印加電圧を制御し、センサ電流が酸素濃度検
出範囲外の下限値側にある場合には、当該酸素濃度検出
範囲内の印加電圧特性の下限値に相当する所定の印加電
圧値よりも大きい値に前記酸素センサへの印加電圧を制
御するようにしている。
【0020】具体的には、図14中の「V3」が酸素濃
度検出範囲内の印加電圧特性の上限値に相当する印加電
圧値であり、「V4」が酸素濃度検出範囲内の印加電圧
特性の下限値に相当する印加電圧値である。この場合、
前記図14のリーン限界側では印加電圧が電圧V3によ
り制限され、リッチ限界側では印加電圧が電圧V4によ
り制限される。これにより、請求項8に記載した効果を
より確実に得ることができる。
【0021】請求項10に記載の発明では、センサ電流
が酸素濃度検出範囲外になった際、一時的に酸素濃度検
出を継続し、その後、センサ電流に制限を与えるよう印
加電圧を制御している。つまり、エンジンの燃料カット
時には、センサ電流より検知される空燃比がリーン側に
大きく移行することから、その時のセンサ電流値に基づ
いて酸素センサ(空燃比センサ)の故障診断が行われる
ことがある。そこで、請求項10の構成では、センサ電
流が酸素濃度検出範囲外となっても一時的に(例えば、
2〜5秒程度)酸素濃度検出を継続し、その時のセンサ
電流から故障診断の実施を可能にしている。かかる場
合、過剰なセンサ電流が一時的に流れることになるが、
直ぐに電流制限の処理が開始されるため、従来のような
諸問題を招くことはない。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明を空燃比検出装置
に具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明す
る。なお、本実施の形態における空燃比検出装置は、自
動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エンジンに適用
されるものであって、同エンジンの空燃比制御システム
においては空燃比検出装置による検出結果に基づいてエ
ンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制御する。以下
の記載では、酸素センサとしての限界電流式空燃比セン
サを用いた空燃比(A/F)の検出手順、並びに同セン
サの印加電圧制御手順を詳細に説明する。
【0023】図1は、本実施の形態における空燃比検出
装置の概要を示す構成図である。図1において、空燃比
検出装置は限界電流式空燃比センサ(以下、A/Fセン
サという)30を備え、このA/Fセンサ30は、エン
ジン10のエンジン本体11から延びる排気管12に取
り付けられている。A/Fセンサ30は、マイクロコン
ピュータ(以下、マイコンという)20から指令される
電圧の印加に伴い、排気ガス中の酸素濃度に比例したリ
ニアな空燃比検出信号(センサ電流信号)を出力する。
マイコン20は、各種演算処理を実行するための周知の
CPU,ROM,RAM等により構成され、所定の制御
プログラムに従い後述するバイアス制御回路40及びヒ
ータ制御回路25を制御する。
【0024】図2は、A/Fセンサ30の概略を示す断
面である。図2において、A/Fセンサ30は前記排気
管12の内部に向けて突設されており、同センサ30は
大別して、カバー31、センサ本体32及びヒータ33
から構成されている。カバー31は断面コ字状をなし、
その周壁にはカバー内外を連通する多数の小孔31aが
形成されている。センサ本体32は空燃比リーン領域に
おける酸素濃度、若しくは空燃比リッチ領域における未
燃ガス(CO,HC,H2 等)濃度に対応する限界電流
を発生する。
【0025】センサ本体32の構成について詳述する。
センサ本体32において、断面カップ状に形成された固
体電解質層34の外表面には、排気ガス側電極層36が
固着され、内表面には大気側電極層37が固着されてい
る。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ
溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体
電解質層34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi
2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を
安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体
からなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシャ、
ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質から
なる。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共
に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面に
は多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排気ガ
ス側電極層36の面積及び厚さは、10〜100mm^2
(平方ミリメートル)及び0.5〜2.0μm程度とな
っており、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、
10mm^2(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.
0μm程度となっている。
【0026】ヒータ33は大気側電極層37内に収容さ
れており、その発熱エネルギによりセンサ本体32(大
気側電極層37、固体電極質層34、排気ガス側電極層
36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ33は、
センサ本体32を活性化するに十分な発熱容量を有して
いる。
【0027】上記構成のA/Fセンサ30において、セ
ンサ本体32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃
度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度に
対応する限界電流は、排気ガス側電極層36の面積、拡
散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定さ
れる。また、センサ本体32は酸素濃度を直線的特性に
て検出し得るものであるが、このセンサ本体32を活性
化するのに約600℃以上の高温が必要とされると共
に、同センサ本体32の活性温度範囲が狭いため、エン
ジン10の排気ガスのみによる加熱では活性領域を制御
できない。そのため、本実施の形態では、ヒータ33の
加熱制御によりセンサ本体32を活性化温度域にまで加
熱する。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、
未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に
対してほぼリニアに変化し、センサ本体32はCO等の
濃度に応じた限界電流を発生する。
【0028】センサ本体32の電圧−電流特性(V−I
特性)について図3を用いて説明する。図3によれば、
A/Fセンサ30の検出A/Fに比例するセンサ本体3
2の固体電解質層34への流入電流と、同固体電解質層
34への印加電圧とがリニアな特性を有することが分か
る。かかる場合、電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本
体32の限界電流を特定する限界電流検出域であって、
この限界電流(センサ電流)の増減はA/Fの増減(即
ち、リーン・リッチ)に対応している。つまり、A/F
がリーン側になるほど限界電流は増大し、A/Fがリッ
チ側になるほど限界電流は減少する。
【0029】このV−I特性において電圧軸Vに平行な
直線部分(限界電流検出域)よりも小さい電圧域は抵抗
支配域となっており、その抵抗支配域における一次直線
部分の傾きは、センサ本体32における固体電解質層3
4の内部抵抗(これを素子抵抗Riという)により特定
される。この素子抵抗Riは温度変化に伴い変化するた
め、センサ本体32の温度が低下すると素子抵抗Riの
増大により上記傾きが小さくなる。
【0030】また、図3の特性では、「空燃比検出範
囲」が設定されており(本実施の形態では、A/F=1
2〜18)、この空燃比検出範囲内では精度の高い空燃
比検出が保証されている。ここで、空燃比検出範囲で規
定される下限がリッチ限界(A/F=12)となり、上
限がリーン限界(A/F=18)となっている。さら
に、空燃比検出範囲をリッチ側及びリーン側に拡張する
ことにより、所定の「センサ電流検出範囲」が設定され
ている。このセンサ電流検出範囲は、空燃比検出範囲に
対してリッチ側に20%、リーン側に20%程度拡張し
て設けるのが適当であり、図1のバイアス制御回路40
の設計思想に基づいて設定される。但し、センサ電流の
検出精度を向上させるには、上記センサ電流検出範囲を
できるだけ狭くすることが望ましい。
【0031】また他方で、上記A/Fセンサ30は、図
4に示すような起電力特性を有する。この起電力特性
は、例えばA/Fセンサ30に電圧が印加されないよう
な場合において、同センサ30の固体電解質層34の内
外両側の酸素分圧差に応じて起電力が急変するものであ
って、理論空燃比(λ=1)を境にリッチ側では約0.
9V、リーン側では約0Vの起電力が生じるようになっ
ている。
【0032】一方、図1において、A/Fセンサ30に
電圧を印加するためのバイアス指令信号(デジタル信
号)Vrはマイコン20からD/A変換器21に入力さ
れ、同D/A変換器21にてアナログ信号Vbに変換さ
れる。そしてその後、同アナログ信号Vbは、A/Fセ
ンサ30にA/F検出用の電圧を印加するためのバイア
ス制御回路40に入力される。
【0033】かかる場合、A/F検出用時には、その時
の空燃比(センサ電流)が空燃比検出範囲内であるか、
空燃比検出範囲よりもリッチ側であるか、若しくは空燃
比検出範囲よりもリーン側であるかに応じて異なる印加
電圧特性が用いられ、それにより、所望の印加電圧制御
が実施されるようになっている。なお、その詳細につい
ては後述する。
【0034】バイアス制御回路40は、A/Fセンサ3
0への電圧の印加に伴い流れる電流値を電流検出回路5
0にて検出し、当該電流検出回路50にて検出された電
流値のアナログ信号はA/D変換器23を介してマイコ
ン20に入力される。A/Fセンサ30に付設されたヒ
ータ33は、ヒータ制御回路25によりその作動が制御
される。つまり、ヒータ制御回路25は、A/Fセンサ
30の素子温やヒータ温度に応じてバッテリ電源(図示
しない)からヒータ33に供給される電力をデューティ
制御し、ヒータ33の加熱制御を行う。
【0035】次に、バイアス制御回路40の構成を図5
の電気回路図を用いて説明する。図5において、バイア
ス制御回路40は大別して、基準電圧回路44と、第1
の電圧供給回路45と、第2の電圧供給回路47と、電
流検出回路50とを有する。基準電圧回路44は、定電
圧Vccを分圧抵抗44a,44bにより分圧して一定
の基準電圧Vaを生成する。
【0036】第1の電圧供給回路45は電圧フォロア回
路にて構成され、基準電圧回路44の基準電圧Vaと同
じ電圧VaをA/Fセンサ30の一方の端子42に供給
する(この端子42は、前記図2の大気側電極層37に
接続される端子である)。より具体的には、第1の電圧
供給回路45は、正側入力端子が各分圧抵抗44a,4
4bの分圧点に接続されると共に負側入力端子がA/F
センサ30の一方の端子42に接続された演算増幅器4
5aと、演算増幅器45aの出力端子に一端が接続され
た抵抗45bと、この抵抗45bの他端にそれぞれベー
スが接続されたNPNトランジスタ45c及びPNPト
ランジスタ45dとにより構成されている。NPNトラ
ンジスタ45cのコレクタは定電圧Vccに接続され、
エミッタは電流検出回路50を構成する電流検出抵抗5
0aを介してA/Fセンサ30の一方の端子に接続され
ている。また、PNPトランジスタ45dのエミッタは
NPNトランジスタ45cのエミッタに接続され、コレ
クタはアースされている。
【0037】第2の電圧供給回路47も同様に電圧フォ
ロア回路にて構成され、前記D/A変換器21の電圧信
号Vbと同じ電圧VbをA/Fセンサ30の他方の端子
41に供給する(この端子41は、前記図2の排気ガス
側電極層36に接続される端子41である)。より具体
的には、第2の電圧供給回路47は、正側入力端子が前
記D/A変換器21の出力に接続されると共に負側入力
端子がA/Fセンサ30の他方の端子41に接続された
演算増幅器47aと、演算増幅器47aの出力端子に一
端が接続された抵抗47bと、この抵抗47bの他端に
それぞれベースが接続されたNPNトランジスタ47c
及びPNPトランジスタ47dとにより構成されてい
る。NPNトランジスタ47cのコレクタは定電圧Vc
cに接続され、エミッタは抵抗47eを介してA/Fセ
ンサ30の他方の端子に接続されている。また、PNP
トランジスタ47dのエミッタはNPNトランジスタ4
7cのエミッタに接続され、コレクタはアースされてい
る。
【0038】上記構成により、A/Fセンサ30の一方
の端子42には常時、基準電圧Vaが供給される。そし
て、D/A変換器21を経由してA/Fセンサ30の他
方の端子41に供給される電圧Vbが前記基準電圧Va
よりも低ければ(Vb<Va)、当該A/Fセンサ30
が正バイアスされる。また、同じくA/Fセンサ30の
他方の端子41に供給される電圧Vbが前記基準電圧V
aよりも高ければ(Vb>Va)、当該A/Fセンサ3
0が負バイアスされることになる。かかる場合、電圧の
印加に伴って流れるセンサ電流(限界電流)は、電流検
出抵抗50aの両端電位差として検出され、A/D変換
器23を介してマイコン20に入力される。
【0039】また、A/Fセンサ30の一方の端子42
と電流検出回路50との間には、出力バッファ51が接
続されており、この出力バッファ51によりA/Fセン
サ30により検出された空燃比が電圧信号として直接取
り出されるようになっている。
【0040】なお、図示及び詳細な説明は省略するが、
本空燃比検出装置が適用される車両の制御システムに
は、A/Fセンサ30の検出結果に基づいて空燃比をフ
ィードバック制御する周知のエンジン制御用マイクロコ
ンピュータが設けられ、同マイクロコンピュータの制御
によりインジェクタから各気筒に噴射供給される燃料量
が制御されるようになっている。
【0041】次に、本実施の形態特有の作用について説
明する。つまり、本実施の形態では、前記した空燃比検
出範囲外の範囲(図3参照)において、その際に流れる
センサ電流を所定域内に制限することを目的としてお
り、その概略を図7のV−I特性図を用いて説明する。
【0042】図7によれば、空燃比検出範囲内(A/F
=12〜18)では、従来通りの特性線L2が設定され
ており、この特性線L2を用いて印加電圧が制御される
ようになっている。この特性線L2は、A/Fセンサ3
0の素子抵抗Riにより決まるV−I特性線(実線で示
す特性線La)の傾きと略同じ傾きを有する一次直線と
して与えられている。即ち、特性線L2は、電圧及び電
流のうち、一方が増加すると他方も増加する、正特性を
有している。
【0043】また、空燃比検出範囲よりもリッチ側(A
/F<12)では、前記特性線L2とは正負逆の傾きを
有する特性線L1が設定されている。このとき、図中の
点aは、前記特性線L2が空燃比検出範囲のリッチ限界
となる点であり、点bは、センサ電流検出範囲のリッチ
側限界とA/Fセンサ30のリッチ側起電力(0.9
V)との交点である。そして、特性線L1は点a,bを
結ぶ一次直線部を有する。なお、同特性線L1のセンサ
電流検出範囲よりもさらにリッチ側は、I軸に平行な直
線部となっている(常時、0.9V)。
【0044】また加えて、空燃比検出範囲よりもリーン
側(A/F>18)では、前記特性線L2とは正負逆の
傾きを有する特性線L3が設定されている。このとき、
図中の点cは、前記特性線L2が空燃比検出範囲のリー
ン限界となる点であり、点dは、センサ電流検出範囲の
リーン側限界とA/Fセンサ30のリーン側起電力(0
V)との交点である。そして、特性線L3は点c,dを
結ぶ一次直線部を有する。なお、同特性線L3のセンサ
電流検出範囲よりもさらにリーン側は、I軸に平行な直
線部となっている(常時、0V)。
【0045】上記の如く特性線L1,L3を設定するこ
とにより、図7に示す状態下(即ち、素子抵抗が所定値
Riの状態下)において、空燃比検出範囲外となる領域
では、その時に流れるセンサ電流が自ずとセンサ電流検
出範囲内に制限されることとなる。
【0046】これを図8を用いて詳述する。図8(a)
に示すように、空燃比が空燃比検出範囲のリッチ限界
(A/F=12)に対して大きくリッチ側に変化した場
合、その時のV−I特性線Laと前記特性線L1とが点
eにて交わる。このとき、空燃比がリッチ限界(A/F
=12)よりもリッチ側に変化すれば、その際設定され
る印加電圧は特性線L1上の点aから点eに向けて徐々
に変化することになる。またかかる場合には、空燃比が
点eよりもリッチ側に変化しても、印加電圧が「Ve」
に固定されるため、センサ電流の下限値が点eに相当す
る電流値で制限されることとなる。
【0047】逆に、図8(b)に示すように、空燃比が
空燃比検出範囲のリーン限界(A/F=18)に対して
大きくリーン側に変化した場合、その時のV−I特性線
Laと前記特性線L3とが点fにて交わる。このとき、
空燃比がリーン限界(A/F=18)よりもリーン側に
変化すれば、その際設定される印加電圧は特性線L3上
の点cから点fに向けて徐々に変化することになる。ま
たかかる場合には、空燃比が点fよりもリーン側に変化
しても、印加電圧が「Vf」に固定されるため、センサ
電流の上限値が点fに相当する電流値で制限されること
となる。
【0048】こうして図7のV−I特性図では、空燃比
検出範囲を超え且つセンサ電流検出範囲内の領域に、
「センサ電流制限範囲」が設定できる。そしてかかる場
合には、このセンサ電流制限範囲(点e及び点fで規定
される電流域)を超えるような電流値がA/Fセンサ3
0に流れることはない。
【0049】因みに、前記図7中に示す素子抵抗Riの
値は、A/Fセンサ30の活性化状態に応じて変化し、
それに伴いV−I特性線Laの傾きも変化する。図9の
V−I特性図は、素子抵抗Riの変化に伴うセンサ電流
制限範囲の変化の様子を示している。なお、同図では、
素子抵抗Riが小さいほど、A/Fセンサ30の活性化
が促進されていることを表す。図9から分かるように、
A/Fセンサ30の活性化状態が変化すると、センサ電
流制限範囲が図中の「A」,「B」,「C」のように変
化する。しかし、いずれの場合においても、センサ電流
はその時々に設定されるセンサ電流制限範囲A,B,C
により制限され、センサ電流検出範囲を超えることはな
い。そのため、過剰なセンサ電流が流れるといった不都
合が解消されるようになっている。
【0050】以下に、センサ電流の検出、並びにA/F
センサ30の印加電圧制御を実施する手順について、図
6のフローチャートを用いて説明する。図6のフロー
は、電源の投入に伴いマイコン20により起動される。
【0051】さて、マイコン20は、先ずステップ10
0で前回のセンサ電流検出から所定時間T1が経過した
か否かを判別する。ここで、所定時間T1は、センサ電
流Ipの検出周期に相当する時間であって、例えばT1
=2〜4ms(ミリ秒)程度に設定されるのが適当であ
る。そして、前回のセンサ電流検出時から所定時間T1
が経過していれば、マイコン20はステップ100を肯
定判別してステップ110に進む。
【0052】マイコン20は、ステップ110で電流検
出回路50により検出されたセンサ電流(限界電流値)
Ipを読み込むと共に、予めマイコン20のROMに記
憶されている特性マップを用いてその時のセンサ電流I
pに対応するエンジンのA/Fを検出する。ここで、図
示するように、A/Fへの変換を行なわずに、センサ電
流値をそのまま検出値とする形態も実施可能である。
【0053】その後、マイコン20は、ステップ120
〜160でその時のセンサ電流値に基づいてA/Fセン
サ30に印加すべき電圧値を決定する。詳しくは、マイ
コン20は、ステップ120で前記センサ電流Ipが空
燃比検出範囲のリッチ限界以下であるか否か、即ちA/
F=12に相当する電流値以下であるか否かを判別す
る。センサ電流Ipが空燃比検出範囲のリッチ限界以下
であれば、マイコン20はステップ120を肯定判別し
てステップ140に進み、センサ電流Ipが空燃比検出
範囲のリッチ限界よりも大きければステップ130に進
む。
【0054】また、マイコン20は、ステップ130で
前記センサ電流Ipが空燃比検出範囲のリーン限界以下
であるか否か、即ちA/F=18に相当する電流値以下
であるか否かを判別する。センサ電流Ipが空燃比検出
範囲のリーン限界以下であれば、マイコン20はステッ
プ130を肯定判別してステップ150に進み、センサ
電流Ipが空燃比検出範囲のリーン限界よりも大きけれ
ばステップ160に進む。
【0055】ステップ140に進んだ場合(Ip≦リッ
チ限界の場合)、マイコン20は、予めROM内に記憶
されている前記図7の特性線L1を用いて、前記ステッ
プ110で検出したセンサ電流Ipに応じた印加電圧V
p(リッチ時電流制限用のセンサ印加電圧)を算出す
る。
【0056】また、ステップ150に進んだ場合(リッ
チ限界<Ip≦リーン限界の場合)、マイコン20は、
予めROM内に記憶されている前記図7の特性線L2を
用いて、前記ステップ110で検出したセンサ電流Ip
に応じた印加電圧Vp(通常時の印加電圧)を算出す
る。
【0057】さらに、ステップ160に進んだ場合(I
p>リーン限界の場合)、マイコン20は、予めROM
内に記憶されている前記図7の特性線L3を用いて、前
記ステップ110で検出したセンサ電流Ipに応じた印
加電圧Vp(リーン時電流制限用のセンサ印加電圧)を
算出する。
【0058】その後、ステップ170では、マイコン2
0は、前記ステップ140,150,160のいずれか
で算出した印加電圧Vpに基づいてバイアス指令信号V
rを求め、その指令信号VrをD/A変換器21に出力
する。これにより、A/Fセンサ30に所望の電圧Vp
が印加されることとなる。
【0059】ここで、図10は、本実施の形態の作用を
より具体的に示すタイムチャートである。同図では、そ
の背景として、理論空燃比(A/F=14.7)に対し
て空燃比フィードバック制御が実施されているものとす
るが、時間t1〜t6の期間では、一時的に空燃比がリ
ーン側に大きく移行し(一例として、燃料カットを実施
している)、時間t7〜t10の期間では、一時的に空
燃比がリッチ側に大きく移行している(一例として、燃
料噴射量の高負荷増量を実施している)。なお、図10
のセンサ電流及び印加電圧で、実線で示すものは本形態
の制御による推移を示し、二点鎖線で示すものは従来の
制御(図21の特性線Lxを用いた印加電圧制御)によ
る推移を示している。以下、図10のタイムチャートを
順を追って説明する。
【0060】先ず、時間t1以前では、理論空燃比(1
4.7)を目標空燃比としてフィードバック制御が実施
されており、空燃比は理論空燃比に略一致している。そ
して、時間t1で燃料カットが開始されると、空燃比が
リーン側に大きく変化すると共に、それにつれてセンサ
電流も正側に大きく変化する。
【0061】その後、時間t2でセンサ電流が空燃比検
出範囲のリーン限界(A/F=18)に相当する電流値
(前記図7の点c)に達すると、印加電圧がそれまでの
上昇傾向から下降傾向に転ずる。つまり、時間t2以前
は、図7の特性線L2を用いて印加電圧が制御されてい
たのに対し、時間t2からは図7の特性線L3を用いて
印加電圧が制御されることになる。時間t2〜t3の期
間では、特性線L3に沿って印加電圧が徐々に0ボルト
に近づくよう制御される。
【0062】そして、センサ電流がセンサ電流制限範囲
のリーン側の限界値に達する時間t3では、空燃比がそ
れ以上リーン側に変化しても、センサ電流及び印加電圧
がその時の値で保持される(図7の点fで固定され
る)。なお、前記図9に示したように、素子抵抗Riが
変化したとすれば、その時々の素子抵抗Riに応じてセ
ンサ電流及び印加電圧が僅かながら変化することとな
る。即ち、図7の点fが特性線L3に沿って左右いずれ
かに変化する。以後、空燃比は一旦、略大気状態にまで
達するが、所定時期でインジェクタによる燃料噴射が再
開されると空燃比が減少し始める。
【0063】時間t4になると、センサ電流がセンサ電
流制限範囲のリーン側の限界値よりも低下し、それによ
り印加電圧が図7の特性線L3に沿って上昇する(図7
の点fから点cへ徐々に変化する)。また、時間t5で
空燃比が空燃比検出範囲内に突入し、センサ電流がリー
ン限界値を下回ると、それ以後、再び図7の特性線L2
を用いて印加電圧が制御される。そして、時間t6で、
空燃比が理論空燃比に復帰する。
【0064】ここで、空燃比が空燃比検出範囲を超えて
リーン側に変化する期間(時間t2〜t5の期間)にお
いて、本実施の形態と従来例とを比較すれば、二点鎖線
で示す従来例では、空燃比の変化に追従して印加電圧が
上昇しているため、センサ電流がセンサ電流検出範囲か
ら大きく外れる。これに対して、実線で示す本形態の場
合には、空燃比変化時のセンサ電流値がセンサ電流検出
範囲内に制限されることが分かる。
【0065】次に、時間t7で燃料の高負荷増量が開始
される場合について説明する。但し、かかる場合には、
空燃比がリッチ側に変化することのみが相違するため、
その説明は要部を中心に行うものとする。
【0066】先ず高負荷増量が開始される時間t7以
後、空燃比がリッチ側に大きく変化すると共に、それに
つれてセンサ電流も負側に大きく変化する。その後、時
間t8でセンサ電流が空燃比検出範囲のリッチ限界(A
/F=12)に相当する電流値(前記図7の点a)に達
すると、印加電圧がそれまでの下降傾向から上昇傾向に
転ずる。つまり、時間t8以前は、図7の特性線L2を
用いて印加電圧が制御されていたのに対し、時間t8か
らは図7の特性線L1を用いて印加電圧が制御されるこ
とになる。このとき、特性線L1に沿って印加電圧が徐
々に0.9ボルトに近づくよう制御される。
【0067】そして、センサ電流がセンサ電流制限範囲
のリッチ側の限界値に達すると、空燃比がそれ以上リッ
チ側に変化しても、センサ電流及び印加電圧が所定値で
保持される(図7の点eで固定される)。以後、高負荷
増量が停止され、空燃比の上昇によりセンサ電流が上昇
し始めると、印加電圧が図7の特性線L1に沿って下降
する(図7の点eから点aへ徐々に変化する)。また、
時間t9で、空燃比が空燃比検出範囲内に突入すると、
それ以後、再び図7の特性線L2を用いて印加電圧が制
御される。そして、時間t10で、空燃比が理論空燃比
に復帰する。
【0068】ここでも前記燃料カット時と同様に、空燃
比が空燃比検出範囲を超えてリッチ側に変化する期間
(時間t8〜t9の期間)において、本実施の形態と従
来例とを比較すれば、二点鎖線で示す従来例では、空燃
比の変化に追従して印加電圧が下降しているため、セン
サ電流がセンサ電流検出範囲から大きく外れる。これに
対して、実線で示す本形態の場合には、空燃比変化時の
センサ電流値がセンサ電流検出範囲内に制限されること
が分かる。
【0069】次に、本実施の形態により得られる効果を
列記する。 (a)本実施の形態では、空燃比検出範囲外の領域(図
7のA/F<12,A/F>18の領域)において、セ
ンサ電流を所定値に制限するようA/Fセンサ30への
印加電圧を制御するようにした。要するに、空燃比検出
範囲外の領域においては空燃比に応じた単調な印加電圧
制御を実施すると、従来技術で既述したようにA/Fセ
ンサ30に大電流が流れる等の問題を招く。これに対し
て本実施の形態では、センサ電流に制限を与えることに
より、過大なセンサ電流が流れるといった問題が回避で
きる。その結果、空燃比検出範囲外においてセンサ電流
を適正に抑制し、正確な電流検出を実施することができ
る。併せて、A/Fセンサ30に電圧を印加するための
バイアス制御回路40の発熱量(詳細には、回路内のト
ランジスタの駆動による発熱量)を大幅に低減すること
ができる。
【0070】(b)より具体的に記載すれば、空燃比検
出範囲内では、V−I座標上で所定の正特性(図7の特
性線L2)により印加電圧を制御し、空燃比検出範囲外
では、前記正特性とは異なる特性(図7の特性線L1,
L3)により印加電圧を制御するようにした。この場
合、空燃比検出範囲外の領域で特性線L1,L3を用い
て印加電圧を制御することにより、当該領域において適
正な電流検出を行うことが可能となる。
【0071】(c)特に、図7の特性線L1は、センサ
電流が空燃比検出範囲よりもリッチ側にある場合に、A
/Fセンサ30の起電力の最大値(0.9ボルト)に近
づくよう印加電圧を徐々に制御するものとし、特性線L
3は、センサ電流が空燃比検出範囲よりもリーン側にあ
る場合に、A/Fセンサ30の最小値(0ボルト)に近
づくよう印加電圧を徐々に制御するものとした。また、
空燃比検出範囲外で且つセンサ電流検出範囲内の領域に
センサ電流が制限されるように、特性線L1,L3を設
定した。
【0072】以上の構成によれば、図7に示すように、
センサ電流制限範囲内(図7の点eと点fとの間)にて
センサ電流が制限され、このセンサ電流制限範囲を超え
るようなセンサ電流が流れることはない。また、図9に
示すように、A/Fセンサ30の素子抵抗Riが変化し
たとしても、センサ電流制限範囲をセンサ電流検出範囲
内に抑えることができる。
【0073】(d)また、本実施の形態によれば、空燃
比がリーン側或いはリッチ側に大きく変化する場合で
も、常にセンサ電流がセンサ電流検出範囲内にて検出で
きるため、A/Fセンサ30の素子抵抗Riをいつでも
検出することが可能となる。
【0074】(e)さらに、本実施の形態では、既述の
如くセンサ電流が制限でき、それによりバイアス制御回
路40内の発熱が抑制されるため、電流制限用抵抗を当
該バイアス制御回路40内に設ける(例えば、図5の定
電圧Vccとトランジスタ45c,47cとの間に設け
る)等の付加的構成を不要としつつ、センサ電流の検出
精度を確保することができる。
【0075】他方で、図5の定電圧Vcc(=5ボル
ト)に代えてバッテリ電圧+Bを用いる場合には、+B
の動作範囲が8〜16ボルトというように幅広いため、
その範囲の全域で空燃比の検出能力を確保し、且つ回路
に流れる電流による発熱を抑制するには、電流制限用抵
抗が不可欠となる。具体的には、図11の等価回路に示
すように、バッテリ電圧+BとNPNトランジスタ45
cのコレクタとの間には電流制限用抵抗55が接続さ
れ、バッテリ電圧+BとNPNトランジスタ47cのコ
レクタとの間には電流制限用抵抗56が接続される。か
かる場合、回路の小型化や低コスト化が従来からの懸案
事項となっていた。しかし、本実施の形態の構成によれ
ば、上記のような電流制限用抵抗55,56に頼ること
なく、センサ電流が制限でき、回路の発熱を抑制するこ
とが可能となる。
【0076】次に、本発明の第2,第3の実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。但し、以下の各実施の形
態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等で
あるものについてはその説明を簡略化する。そして、以
下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0077】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では、空燃比(センサ電流)が空燃比検出範囲外とな
った場合に、それがリッチ限界側か又はリーン限界側か
に応じて個々の特性線(前記図7のL1,L3)を用い
て印加電圧を制御し、それによりセンサ電流をセンサ電
流検出範囲内(センサ電流制限範囲内)に制限していた
が、本第2の実施の形態ではその特徴として、同じく空
燃比(センサ電流)が空燃比検出範囲外となった場合に
おいて、センサ電流をセンサ電流検出範囲内の所定の目
標値でフィードバック制御する。以下、本実施の形態の
要旨を図12〜図14を用いて説明する。
【0078】図12は、本実施の形態におけるマイコン
20の動作を表すフローチャートであり、同フローは、
前記第1の実施の形態における図6のフローの一部を変
更したものである。つまり、図12では、前記図6のス
テップ140,160をそれぞれステップ210,22
0に変更しており、ここではその相違箇所のみを説明す
る。
【0079】図12のフローにおいて、ステップ120
にてセンサ電流Ip≦リッチ限界である旨が判別された
場合、マイコン20は、ステップ210に進み、予めR
OM内に記憶されている制御定数を用いて、センサ電流
が所定の目標値になるようにステップ110で検出した
センサ電流Ipから印加電圧Vpを算出する。具体的に
は、例えば次の(1)式を用いて印加電圧Vpを算出す
る。
【0080】 Vp=Va−K・(Ip−目標Ip1) ・・・(1) ここで、Vaは、センサ電流をセンサ電流検出範囲に制
御するための固定値であり、Kは制御定数である。目標
Ip1は、空燃比検出範囲外で僅かにリッチ側の電流値
として予め設定されている。上記(1)式によれば、印
加電圧Vpはセンサ電流の実測値(Ip値)と目標値
(目標Ip1値)との偏差に応じて制御されるようにな
っており、仮にIp値が目標Ip1値よりも大きくなる
と、印加電圧Vpが減じられ、それによりIp値が目標
Ip1値に対して収束する。逆に、Ip値が目標Ip1
値よりも小さくなると、印加電圧Vpが増加させられ、
それによりIp値が目標Ip1値に対して収束する。
【0081】また、ステップ130にてセンサ電流Ip
>リーン限界である旨が判別された場合、マイコン20
は、ステップ220に進み、予めROM内に記憶されて
いる制御定数を用いて、センサ電流が所定の目標値にな
るようにステップ110で検出したセンサ電流Ipから
印加電圧Vpを算出する。具体的には、例えば次の
(2)式を用いて印加電圧Vpを算出する。
【0082】 Vp=Vb+K・(目標Ip2−Ip) ・・・(2) ここで、Vbは、前記(1)式中のVaと同様に、セン
サ電流をセンサ電流検出範囲に制御するための固定値で
ある。目標Ip2は、空燃比検出範囲外で僅かにリーン
側の電流値として予め設定されている。上記(2)式で
も、印加電圧VpはIp値と目標Ip2値との偏差に応
じて制御されるようになっており、仮にIp値が目標I
p2値よりも大きくなると、印加電圧Vpが減じられ、
それによりIp値が目標Ip2値に対して収束する。逆
に、Ip値が目標Ip2値よりも小さくなると、印加電
圧Vpが増加させられ、それによりIp値が目標Ip2
値に対して収束する。
【0083】なお、ステップ120が否定判別され、且
つステップ130が肯定判別された場合(リッチ限界<
Ip≦リーン限界の場合)には、マイコン20は、既述
した通り前記図7の特性線L2を用いて、センサ電流I
pに応じた印加電圧Vp(通常時の印加電圧)を算出す
る。印加電圧Vpの算出後、マイコン20は、当該Vp
値に基づいてバイアス指令信号Vrを求め、その指令信
号VrをD/A変換器21に出力する。これにより、A
/Fセンサ30に所望の電圧Vpが印加されることとな
る。
【0084】図13は、本実施の形態の特徴部分を示す
タイムチャートである。本図においても、前記第1の実
施の形態における図10と同様に、燃料カットによる空
燃比変化時と、高負荷増量による空燃比変化時とについ
て、印加電圧制御の概要を表している。なお図中、時間
t11〜t14の期間が燃料カットによる空燃比変化期
間を示し、時間t15〜t18の期間が高負荷増量によ
る空燃比変化期間を示している。また、図13のセンサ
電流及び印加電圧で、実線で示すものは本形態の制御に
よる推移を示し、二点鎖線で示すものは従来の制御(図
21の特性線Lxを用いた印加電圧制御)による推移を
示している。以下、図13のタイムチャートを順を追っ
て説明する。
【0085】さて、時間t11で燃料カットが開始され
ると、空燃比がリーン側に大きく変化すると共に、それ
につれてセンサ電流も正側に大きく変化する。その後、
時間t12でセンサ電流が空燃比検出範囲のリーン限界
(A/F=18)に相当する電流値に達すると、センサ
電流が目標Ip2値に対してフィードバック制御され、
それにより印加電圧が所定値に固定される。つまり、時
間t12以前は、図7の特性線L2を用いて印加電圧が
制御されていたのに対し、時間t12からは印加電圧が
固定値で制御されることになる。
【0086】そして、所定時期でインジェクタによる燃
料噴射が再開され、空燃比の減少に伴いセンサ電流がリ
ーン限界値を下回る時間t13になると、それ以後、再
び図7の特性線L2を用いて印加電圧が制御される。時
間t14では、空燃比が理論空燃比に復帰する。
【0087】ここで、空燃比が空燃比検出範囲を超えて
リーン側に変化する期間(時間t12〜t13の期間)
において、本実施の形態と従来例とを比較すれば、二点
鎖線で示す従来例では、空燃比の変化に追従して印加電
圧が上昇しているため、センサ電流がセンサ電流検出範
囲から大きく外れる。これに対して、実線で示す本形態
の場合には、空燃比変化時のセンサ電流値がセンサ電流
検出範囲内に制限されることが分かる。
【0088】一方、時間t15で、高負荷増量が開始さ
れると、空燃比がリッチ側に大きく変化すると共に、そ
れにつれてセンサ電流も負側に大きく変化する。その
後、時間t16でセンサ電流が空燃比検出範囲のリッチ
限界(A/F=12)に相当する電流値に達すると、セ
ンサ電流が目標Ip1値に対してフィードバック制御さ
れ、それにより印加電圧が所定値に固定される。つま
り、時間t16以前は、図7の特性線L2を用いて印加
電圧が制御されていたのに対し、時間t16からは印加
電圧が固定値で制御されることになる。
【0089】そして、高負荷増量が停止され、空燃比の
上昇に伴いセンサ電流がリッチ限界を上回る時間t17
になると、それ以後、再び図7の特性線L2を用いて印
加電圧が制御される。時間t18では、空燃比が理論空
燃比に復帰する。
【0090】ここでも前記燃料カット時と同様に、空燃
比が空燃比検出範囲を超えてリッチ側に変化する期間
(時間t16〜t17の期間)において、本実施の形態
と従来例とを比較すれば、二点鎖線で示す従来例では、
空燃比の変化に追従して印加電圧が下降しているため、
センサ電流がセンサ電流検出範囲から大きく外れる。こ
れに対して、実線で示す本形態の場合には、空燃比変化
時のセンサ電流値がセンサ電流検出範囲内に制限される
ことが分かる。
【0091】以上第2の実施の形態によれば、次の効果
が得られる。 (a)本実施の形態では、空燃比検出範囲外において、
センサ電流が所定の目標値になるよう印加電圧をフィー
ドバック制御するようにした。かかる場合、センサ電流
が目標値に制御されることにより、当該センサ電流が不
用意に上昇したり下降したりすることはない。従って、
上記第1の実施の形態と同様に、空燃比検出範囲外にお
いてセンサ電流を適正に検出することができる。また、
バイアス制御回路40の発熱量を大幅に抑制することが
できる。
【0092】(b)センサ電流の目標値を空燃比検出範
囲外で且つセンサ電流検出範囲内の領域に設定した。こ
の場合、センサ電流を確実にセンサ電流検出範囲内に制
限することができる。
【0093】なおここで、空燃比検出範囲外のリーン側
(上限値側)では、その時の印加電圧の最大値を図14
の「V1」にて制限し、空燃比検出範囲外のリッチ側
(下限値側)では、その時の印加電圧の最小値を図14
の「V2」制限するのが望ましい。このV1,V2は、
A/Fセンサ30において、空燃比検出範囲内で常にそ
の限界電流検出域(V軸に平行な直線部分)を用いるこ
とができる限界値である。
【0094】かかる場合、空燃比検出範囲の上限値又は
下限値を跨ぐように空燃比が変化する場合にも、A/F
センサ30に過剰な電圧が印加されることはなく、即ち
図14において、リーン限界での限界電流検出域よりも
大きな電圧、又はリッチ限界での限界電流検出域よりも
小さな電圧が印加されることはなく、その時のセンサ電
流の検出精度を維持することができる。
【0095】さらにその検出精度を高める手段として、
空燃比検出範囲外のリーン側では、当該検出範囲のリー
ン限界に相当する印加電圧値(図14のV3)よりも小
さい値に、空燃比検出範囲外のリッチ側では、当該検出
範囲のリッチ限界に相当する印加電圧値(図14のV
4)よりも大きい値に、A/Fセンサ30への印加電圧
を制御するとよい。
【0096】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態を説明する。上記第1及び第2の実施の形
態では、センサ電流が空燃比検出範囲外になると、直ち
にセンサ電流を制限するための印加電圧制御を開始して
いたが、本実施の形態では、センサ電流が空燃比検出範
囲外になってから所定時間経過後にセンサ電流を制限す
るための印加電圧制御を開始するようにしている。以
下、本実施の形態の要旨を図15〜図17を用いて説明
する。
【0097】図15は、本実施の形態におけるマイコン
20の動作を表すフローチャートであり、同フローは、
前記第1の実施の形態における図6のフローの一部を変
更したものである。つまり、図15のフローでは、図6
のフローに対して新たにステップ310,320の処理
を追加している。
【0098】図15のフローにおいて、ステップ120
にてセンサ電流Ip≦リッチ限界である旨が判別された
場合(ステップ120が肯定判別された場合)、マイコ
ン20は、ステップ310に進む。マイコン20は、ス
テップ310で前記ステップ120が肯定判別されてか
ら所定時間T2(本実施の形態では、T2=2秒とする
が、2〜5秒程度が適当である)が経過したか否かを判
別し、所定時間T2の経過前であればステップ150に
進み、所定時間T2の経過後であればステップ140に
進む。つまり、Ip≦リッチ限界であっても、所定時間
T2が経過するまでは通常の印加電圧制御が実施され、
所定時間T2が経過した後に、リッチ時電流制限用の印
加電圧制御が実施される。但し、かかる場合には、通常
の印加電圧制御(ステップ150)に用いられる特性線
L2が、図16に示すように、空燃比検出範囲外で直線
状に延びる部分を有している(この特性をL2’とす
る)。なお、特性線L1,L3は、前記図7と同様の特
性線である。
【0099】また、ステップ130にてセンサ電流Ip
>リーン限界である旨が判別された場合(ステップ13
0が否定判別された場合)、マイコン20は、ステップ
320に進む。マイコン20は、ステップ320で前記
ステップ130が否定判別されてから所定時間T2が経
過したか否かを判別し、所定時間T2の経過前であれば
ステップ150に進み、所定時間T2の経過後であれば
ステップ160に進む。つまり、Ip>リーン限界であ
っても、所定時間T2が経過するまでは通常の印加電圧
制御(図16のL2’による制御)が実施され、所定時
間T2が経過した後に、リーン時電流制限用の印加電圧
制御が実施される。
【0100】図17は、本実施の形態の特徴部分を示す
タイムチャートである。本図においても、前記第1の実
施の形態における図10と同様に、燃料カットによる空
燃比変化時と、高負荷増量による空燃比変化時とについ
て、印加電圧制御の概要を表している。なお図中、時間
t21〜t25の期間が燃料カットによる空燃比変化期
間を示し、時間t26〜t30の期間が高負荷増量によ
る空燃比変化期間を示している。また、図17のセンサ
電流及び印加電圧で、実線で示すものは本形態の制御に
よる推移を示し、二点鎖線で示すものは従来の制御(図
21の特性線Lxを用いた印加電圧制御)による推移を
示している。以下、図17のタイムチャートを順を追っ
て説明する。
【0101】さて、時間t21で燃料カットが開始され
ると、空燃比がリーン側に大きく変化すると共に、それ
につれてセンサ電流も正側に大きく変化する。その後、
時間t22でセンサ電流が空燃比検出範囲のリーン限界
(A/F=18)に相当する電流値に達するが、その時
間t22から所定時間T2が経過するまでは、空燃比の
上昇に伴い、センサ電流及び印加電圧が共に上昇する。
そして、時間t22から所定時間T2が経過した時間t
23になると、それまで図16の特性線L2’を用いて
印加電圧が制御されていたのに対し、図16の特性線L
3を用いて印加電圧が制御されることになる。
【0102】因みに、この時間t23では、その時のセ
ンサ電流値に応じてA/Fセンサ30が正常であるか否
かの故障診断(ダイアグノーシス)が実施されるように
なっている。
【0103】そして、所定時期でインジェクタによる燃
料噴射が再開され、空燃比の減少に伴いセンサ電流がリ
ーン限界値を下回る時間t24になると、それ以後、再
び図16の特性線L2’(L2’の空燃比検出範囲内の
部分)を用いて印加電圧が制御される。時間t25で
は、空燃比が理論空燃比に復帰する。
【0104】ここで、空燃比が空燃比検出範囲を超えて
リーン側に変化する期間(時間t22〜t24の期間)
において、そのうち時間t22〜t23の期間では、一
時的にセンサ電流がセンサ電流検出範囲外となり過剰電
流が流れることとなるが、その時間が所定時間T2で規
制されている。従って、本実施の形態では、二点鎖線で
示す従来例のように時間t24近くまで過剰なセンサ電
流が流れる場合とは異なり、センサの消費電力量を削減
できる。
【0105】一方、時間t26で、高負荷増量が開始さ
れると、空燃比がリッチ側に大きく変化すると共に、そ
れにつれてセンサ電流も負側に大きく変化する。その
後、時間t27でセンサ電流が空燃比検出範囲のリッチ
限界(A/F=12)に相当する電流値に達するが、そ
の時間t27から所定時間T2が経過するまでは、空燃
比の下降に伴い、センサ電流及び印加電圧が共に下降す
る。そして、時間t27から所定時間T2が経過した時
間t28になると、それまで図16の特性線L2’を用
いて印加電圧が制御されていたのに対し、図16の特性
線L1を用いて印加電圧が制御されることになる。
【0106】そして、高負荷増量が停止され、空燃比の
上昇に伴いセンサ電流がリッチ限界を上回る時間t29
になると、それ以後、再び図7の特性線L2’(L2’
の空燃比検出範囲内の部分)を用いて印加電圧が制御さ
れる。時間t30では、空燃比が理論空燃比に復帰す
る。
【0107】ここでも前記燃料カット時と同様に、空燃
比が空燃比検出範囲を超えてリッチ側に変化する期間
(時間t27〜t29の期間)において、そのうち時間
t27〜t28の期間では、一時的にセンサ電流がセン
サ電流検出範囲外となり負側の過剰電流が流れることと
なるが、その時間が所定時間T2で規制されている。従
って、本実施の形態では、二点鎖線で示す従来例のよう
に時間t29近くまで過剰なセンサ電流が流れる場合と
は異なり、センサの消費電力量を削減できる。
【0108】以上第3の実施の形態によれば、上記第
1,第2の実施の形態と同様に、空燃比検出範囲外にお
いてセンサ電流が適正に検出できると共に、バイアス制
御回路40の発熱が大幅に抑制できる等の効果が得られ
る。また、こうした効果に加えて、以下に示す効果が得
られる。
【0109】即ち、本実施の形態では、センサ電流が空
燃比検出範囲外になった際、一時的にその状態を保持
し、その後、センサ電流に制限を与えるようにした。そ
のため、燃料カット時や高負荷増量時における空燃比の
変化状態に基づいて、A/Fセンサ30の故障診断を実
施することができる。かかる場合、過剰なセンサ電流が
一時的に流れることになるが、直ぐに電流制限の処理が
開始されるため、従来のような諸問題を招くことはな
い。
【0110】なお、本発明は、上記各実施の形態の他に
次の形態にて実現できる。 (1)印加電圧の特性線を図18に示すように設定して
もよい。図18のV−I特性図では、印加電圧を設定す
るための特性線がL11,L12,L13からなる。こ
のうち、L12は、前記図7のL2と同じ特性線であ
り、空燃比検出範囲内に設定されている。また、特性線
L11,L13は、I軸に平行な直線であって、空燃比
検出範囲外に設定されている。この場合、空燃比が空燃
比検出範囲よりもリッチ側に外れたとすれば、その際に
流れるセンサ電流は、Ia〜Ibの範囲内に制限され
る。また、空燃比が空燃比検出範囲よりもリーン側に外
れたとすれば、その際に流れるセンサ電流は、Ic〜I
dの範囲内に制限される。そのため、空燃比がいかなる
状態に変化したとしても、センサ電流は下限値=Ia、
上限値=Idの範囲内に制限されることとなる。従っ
て、かかる構成においても本発明の目的が達せられる。
【0111】因みに、A/Fセンサ30の活性化状態に
応じて素子抵抗Riが変化することを考慮すると、図1
9に示すように、センサ電流制限範囲は例えば図示の
「A」,「B」,「C」のように変化する。
【0112】(2)前記図7において、空燃比検出範囲
外の特性線L1,L3の傾きを変更したり、この特性線
L1,L3を複数の傾きを有する多段の特性線に変更し
たりしてもよい。また、前記図7の特性線L1,L3及
び前記図18の特性線L11,L13を組み合わせるこ
とによって、新たな特性線を設定してもよい。要は、空
燃比検出範囲(酸素濃度検出範囲)内の正特性とは異な
る特性にて印加電圧を制御する構成であれば、任意に変
更して具体化できる。
【0113】(3)上記各実施の形態では、理論空燃比
を略中心にして空燃比検出範囲を設定していたが(A/
F=12〜18)、勿論この空燃比検出範囲を変更して
もよい。図20は、空燃比検出範囲をリーン領域に設け
た際のV−I特性図である。図20において、空燃比検
出範囲は、A/F=14.7〜25の範囲で設定され、
センサ電流検出範囲も空燃比検出範囲の変更に伴い変更
されている(空燃比検出範囲のリッチ側及びリーン側に
20%程度拡張して設定されている)。
【0114】この場合、空燃比検出範囲内では、特性線
L22(前記図7の特性線L2に同じ)を用いて印加電
圧が設定される。また、空燃比検出範囲外のリッチ側
(A/F<14.7)では、特性線L21を用いて印加
電圧が設定され、同じく空燃比検出範囲外のリーン側
(A/F>25)では、特性線L23を用いて印加電圧
が設定される。このとき、図中の点aは、前記特性線L
22が空燃比検出範囲のリッチ限界となる点であり、点
bは、センサ電流検出範囲のリッチ側限界とA/Fセン
サ30のリッチ側起電力(0.9V)との交点である。
そして、特性線L21は点a,bを結ぶ一次直線部を有
する。また、図中の点cは、前記特性線L22が空燃比
検出範囲のリーン限界となる点であり、点dは、センサ
電流検出範囲のリーン側限界とA/Fセンサ30のリー
ン側起電力(0V)との交点である。そして、特性線L
23は点c,dを結ぶ一次直線部を有する。
【0115】上記の如く特性線L21,L23を設定す
ることにより、図20に示す状態下(即ち、素子抵抗が
所定値Riの状態下)において、空燃比検出範囲外とな
る領域では、その時に流れるセンサ電流が自ずとセンサ
電流検出範囲内の所定値(図中の点e及び点fで規定さ
れる電流域)に制限されることとなる。
【0116】(4)上記第2の実施の形態では、空燃比
が空燃比検出範囲外となった場合において、前述したよ
うに、 Vp=V1−K・(Ip−目標Ip1) ・・・(1) Vp=V2+K・(目標Ip2−Ip) ・・・(2) といった数式を用い、センサ電流の実測値(Ip値)と
目標値(目標Ip1値,目標Ip2値)との偏差に応じ
た比例項を用いて印加電圧Vpを制御していたが、これ
を変更してもよい。例えばセンサ電流の目標値をエンジ
ン運転状態等に応じて可変に設定したり、積分項や微分
項を用いて印加電圧Vpを制御したりするようにしても
よい。
【0117】(5)上記第3の実施の形態では、第1の
実施の形態のフローチャート(図6)を用いそれに図1
5のステップ310,320の処理を追加したが、これ
らステップ310,320の処理を第2の実施の形態に
おけるフローチャート(図12)に追加するように変更
してもよい。
【0118】(6)上記第3の実施の形態では、センサ
電流が空燃比検出範囲を超えた場合において、前記図1
6に示す特性線L2’(L2’の空燃比検出範囲外の部
分)を用いて一時的にセンサ電流の制限を解除していた
が、この際、図16の特性線L2’に代えて前記図18
に示す特性線L11,L13を用いるようにしてもよ
い。
【0119】(7)上記第3の実施の形態のように、空
燃比(センサ電流)が空燃比検出範囲外となっても一時
的にその状態を放置するような印加電圧制御を実施する
場合において、その制御を所定間隔毎に実施するように
してもよい。例えば空燃比が空燃比検出範囲を超えた回
数をカウントし、その回数が所定回数(例えば、10回
や20回等)に達した時だけ、上記制御を実施するよう
にしてもよい。また、エンジン始動から初回時のみ実施
するようにしてもよい。
【0120】またさらに、リーン側への変化時にのみ
(又はリッチ側への変化時にのみ)、上記一時的な電圧
制御を実施するようにしてもよい。かかる場合には、前
記図15のステップ310,320のいずれかを削除す
ればよい。
【0121】(8)上記各実施の形態では、コップ型A
/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)を用いて本発明
を具体化していたが、積層型A/Fセンサにて本発明を
具体化してもよい。かかる場合、積層型A/Fセンサの
ポンピング電流の出力域が適正に制御されることとな
る。
【0122】(9)本発明の酸素センサをエンジンの空
燃比センサ以外の用途に採用してもよい。要は、酸素濃
度を検出する目的で使用されるものであれば、任意に適
用でき、その場合には既述した効果等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における空燃比検出装置の概
要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの詳細な構成を示す断面図。
【図3】A/Fセンサの出力特性を説明するためのV−
I特性図。
【図4】A/Fセンサの起電力特性を示す線図。
【図5】バイアス制御回路の構成を示す電気回路図。
【図6】第1の実施の形態において、センサ電流の検出
並びにA/Fセンサの印加電圧制御を実施する手順を示
すフローチャート。
【図7】A/Fセンサの印加電圧特性を説明するための
V−I特性図。
【図8】A/Fセンサの印加電圧特性を説明するための
V−I特性図。
【図9】A/Fセンサの印加電圧特性を説明するための
V−I特性図。
【図10】第1の実施の形態における作用を説明するた
めのタイムチャート。
【図11】実施の形態における効果の説明に用いる等価
回路図。
【図12】第2の実施の形態において、センサ電流の検
出並びにA/Fセンサの印加電圧制御を実施する手順を
示すフローチャート。
【図13】第2の実施の形態における作用を説明するた
めのタイムチャート。
【図14】第2の実施の形態におけるA/Fセンサの印
加電圧特性を説明するためのV−I特性図。
【図15】第3の実施の形態において、センサ電流の検
出並びにA/Fセンサの印加電圧制御を実施する手順を
示すフローチャート。
【図16】第3の実施の形態におけるA/Fセンサの印
加電圧特性を説明するためのV−I特性図。
【図17】第3の実施の形態における作用を説明するた
めのタイムチャート。
【図18】他の実施の形態におけるA/Fセンサの印加
電圧特性を説明するためのV−I特性図。
【図19】他の実施の形態におけるA/Fセンサの印加
電圧特性を説明するためのV−I特性図。
【図20】他の実施の形態におけるA/Fセンサの印加
電圧特性を説明するためのV−I特性図。
【図21】従来技術におけるA/Fセンサの印加電圧特
性を説明するためのV−I特性図。
【符号の説明】
10…エンジン、20…マイコン(マイクロコンピュー
タ)、30…A/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)
40…バイアス制御回路、50…電流検出回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 和弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧印加時に被検出ガス中の酸素濃度に対
    応した電流信号を出力する酸素センサを用いた酸素濃度
    検出装置であって、 予め設定された酸素濃度検出範囲外の領域において、セ
    ンサ電流を所定値に制限するよう前記酸素センサへの印
    加電圧を制御することを特徴とする酸素濃度検出装置。
  2. 【請求項2】電圧印加時に被検出ガス中の酸素濃度に対
    応した電流信号を出力する酸素センサを用いた酸素濃度
    検出装置であって、 予め設定された酸素濃度検出範囲内では、電圧−電流座
    標上で所定の正特性によりセンサ電流に応じて印加電圧
    を制御し、酸素濃度検出範囲外では、前記正特性とは異
    なる特性により印加電圧を制御することを特徴とする酸
    素濃度検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の酸素濃度検
    出装置において、 センサ電流が酸素濃度検出範囲外の上限値側にある場合
    には、前記酸素センサの起電力の最小値に近づくよう印
    加電圧を徐々に変化させ、センサ電流が酸素濃度検出範
    囲外の下限値側にある場合には、前記酸素センサの起電
    力の最大値に近づくよう印加電圧を徐々に変化させるこ
    とを特徴とする酸素濃度検出装置。
  4. 【請求項4】前記酸素濃度検出範囲を所定幅だけ拡張し
    たセンサ電流検出範囲を有する酸素濃度検出装置におい
    て、 酸素濃度検出範囲外で且つセンサ電流検出範囲内の領域
    にセンサ電流が制限されるように前記酸素センサの印加
    電圧特性を設定したことを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の酸素濃度検出装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の酸素濃度検出装置におい
    て、 センサ電流が酸素濃度検出範囲外の上限値側にある場合
    には、当該酸素濃度検出範囲内の印加電圧特性の上限値
    に相当する所定の印加電圧値と、前記センサ電流検出範
    囲の上限値での前記酸素センサの最小起電力点とを結ぶ
    印加電圧特性を用いて印加電圧を制御し、 センサ電流が酸素濃度検出範囲外の下限値側にある場合
    には、当該酸素濃度検出範囲内の印加電圧特性の下限値
    に相当する所定の印加電圧値と、前記センサ電流検出範
    囲の下限値での前記酸素センサの最大起電力点とを結ぶ
    印加電圧特性を用いて印加電圧を制御することを特徴と
    する酸素濃度検出装置。
  6. 【請求項6】電圧印加時に被検出ガス中の酸素濃度に対
    応した電流信号を出力する酸素センサを用いた酸素濃度
    検出装置であって、 予め設定された酸素濃度検出範囲外において、センサ電
    流が所望の目標値になるよう印加電圧をフィードバック
    制御することを特徴とする酸素濃度検出装置。
  7. 【請求項7】前記酸素濃度検出範囲を所定幅だけ拡張し
    たセンサ電流検出範囲を有する酸素濃度検出装置におい
    て、 前記センサ電流の目標値が、酸素濃度検出範囲外で且つ
    センサ電流検出範囲内の領域に設定されていることを特
    徴とする請求項6に記載の酸素濃度検出装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は請求項7に記載の酸素濃度検
    出装置において、 センサ電流が酸素濃度検出範囲外の上限値側にある場合
    には、その時の印加電圧の最大値を制限し、センサ電流
    が酸素濃度検出範囲外の下限値側にある場合には、その
    時の印加電圧の最小値を制限することを特徴とする酸素
    濃度検出装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の酸素濃度検出装置におい
    て、 センサ電流が酸素濃度検出範囲外の上限値側にある場合
    には、当該酸素濃度検出範囲内の印加電圧特性の上限値
    に相当する所定の印加電圧値よりも小さい値に前記酸素
    センサへの印加電圧を制御し、 センサ電流が酸素濃度検出範囲外の下限値側にある場合
    には、当該酸素濃度検出範囲内の印加電圧特性の下限値
    に相当する所定の印加電圧値よりも大きい値に前記酸素
    センサへの印加電圧を制御することを特徴とする酸素濃
    度検出装置。
  10. 【請求項10】センサ電流が酸素濃度検出範囲外になっ
    た際、一時的に酸素濃度検出を継続し、その後、センサ
    電流に制限を与えるよう印加電圧を制御することを特徴
    とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の酸素濃度
    検出装置。
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