JP3845998B2 - ガス成分濃度測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス成分濃度測定装置に係り、例えばエンジンから排出される排ガスなど、被測定ガス中の酸素濃度を検出するためのガス成分濃度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車用エンジンにおいては、一般に酸素濃度センサによる酸素濃度(空燃比)の検出結果に基づき空燃比制御が実施される。かかる酸素濃度センサはジルコニア製の固体電解質を有し、この固体電解質により酸素濃度(空燃比)を精度良く検出するにはセンサ素子(固体電解質)の温度を所定の活性温度に維持する必要がある。通常は同センサにヒータを付設しヒータの通電量を制御している。こうしたヒータ制御の手法として、例えばヒータへの供給電力を制御したり、センサ素子の温度を所定の活性温度にフィードバック制御したりするものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来既存の技術では、例えばエンジンの低温始動時においてセンサ素子(固体電解質)を冷間状態から昇温させる際において、いち早く昇温させることが望まれるものの、その反面、センサ素子を急速に昇温させると、素子割れ、ヒータ割れ、素子とヒータとの接合面の剥離などの不具合を生じるおそれがあった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、センサの昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れなどの不具合を抑制することができるガス成分濃度測定装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、固体電解質を用いたセンサ素子を有し、被測定ガスの特定成分濃度を測定するセンサと、電源電圧の通電により発熱し、前記センサ素子を所定の活性温度に加熱するためのヒータと、前記センサ素子の昇温率に応じて前記ヒータへの通電量を制御するヒータ制御手段とを備える。
【0006】
上記構成によれば、センサ素子の昇温率を監視しつつヒータ通電量を制御することにより、センサ素子の過剰な昇温動作が抑制できる。また、昇温率を監視することでセンサの迅速なる活性化が実現できる。その結果、センサの昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れなどの不具合を抑制することができる。
【0007】
特に本発明は、固体電解質を有するセンサ素子にヒータを積層して配置し、固体電解質とヒータとを一体化してなる積層型センサ(請求項12)において、顕著な効果を奏する。つまり、こうした積層型のセンサでは、固体電解質とヒータとが近接して設けられるため、素子割れやヒータ割れなどの問題が生じやすいが、上記構成によれば当該問題が確実に抑制できる。
【0008】
ここで、「センサ素子の昇温率」とは、固体電解質やヒータの温度上昇の速度を意味する。センサ素子の昇温率を制御するための具体的な方法としては、
・請求項2に記載したように、素子温又は素子抵抗の変化速度に応じてヒータ通電量を制御する。
・請求項3に記載したように、素子温とヒータ温との差が目標温度差となるようにヒータ通電量をフィードバック制御する。
・請求項5に記載したように、ヒータ温又はヒータ抵抗の変化速度に応じてヒータ通電量を制御する。
といった構成を採用する。
【0009】
なお、素子温と素子抵抗とは例えば図17に示すように互いに対応関係にある。従って、これら何れをパラメータとしてセンサ素子の昇温率を制御したとしても略同様の作用効果が得られる。また、ヒータ温とヒータ抵抗とは例えば図28に示すように互いに対応関係にある。従って、これら何れをパラメータとしてセンサ素子の昇温率を制御したとしても略同様の作用効果が得られる。
【0010】
また、前記センサ素子が冷間状態から昇温される際には、その当初において素子抵抗が大きくその値が検出できない。そこで、上記請求項2,3の発明では、請求項4に記載したように、素子抵抗が検出可能になるまでの期間において、素子温又は素子抵抗の変化速度をオープン制御する。かかる構成によれば、センサ活性化までの期間で確実に素子割れなどの不具合が抑制できる。
【0011】
請求項6に記載の発明では、前記センサの昇温時であるか又は昇温後の定常時であるかを判別し、昇温後の定常時であれば、素子温を目標温度に一致させるようフィードバック制御を実施する。つまり、センサが一旦活性化されると、それ以降は昇温時のような急激な温度変化を生ずる可能性は少ないと考えられる。そのため、センサの活性化以降については、昇温率に応じたヒータ制御に代えて、既存の素子温フィードバック制御を実施する。かかる場合、昇温時は勿論のこと、昇温時以外においても適切なヒータ制御が実施できる。
【0012】
請求項7に記載の発明では、前記センサ素子の昇温率が所定の許容レベルを超えると、ヒータ通電量を制限する。この場合、過剰な素子の加熱がより一層確実に防止できる。
【0013】
一方、例えばセンサが劣化すると、劣化前と劣化後とでは、同一のヒータ通電量であっても素子温(固体電解質の温度)が変動する。そこで、上記ヒータ制御においては、以下の請求項8〜請求項10の補正を実施する。それにより、センサの個体差や経時変化を反映したヒータの通電制御が可能となる。
【0014】
請求項8に記載の発明では、前記センサの冷間状態から活性化までの所要時間に応じて前記ヒータの通電量を補正する。つまり、例えばセンサが劣化した場合、劣化前と比較して活性化までの所要時間が増大すると考えられる。よって、適正で且つ迅速なる活性化を図るには、通電量を適宜補正するとよい。かかる場合、センサ活性化までの所要時間に応じてヒータ通電量を補正することで、センサ劣化等の経時変化や個体差によるヒータ制御への影響が排除できる。
【0015】
請求項9に記載の発明では、エンジンへの燃料カット時において、前記固体電解質への印加電圧の変化に対して同固体電解質への流入電流が変化しない電圧域を含んだ電圧−電流特性を有する前記センサの抵抗支配領域に電圧を印加してその時のセンサ電流値から内部抵抗を検出し、該検出した内部抵抗に基づき前記ヒータの通電量を補正する。より具体的には、燃料カット時に検出したセンサ内部抵抗と、センサ活性後に検出した素子抵抗とを比較し、それらの値のズレ量に応じてヒータ通電量を補正する。本構成においても、センサ個体差や経時変化によるヒータ制御への影響が排除できる。
【0016】
請求項10に記載の発明では、エンジンの定常運転時におけるヒータ通電量と、予め設定されているヒータ通電量の標準値との差に応じて前記ヒータの通電量を補正する。本構成においても、センサ個体差や経時変化によるヒータ制御による影響が排除できる。
【0017】
請求項11に記載の発明では、前記補正に関する値を学習値としてバックアップメモリに随時記憶し、前記ヒータ制御手段はバックアップメモリに記憶された学習値を読み出してヒータ制御に使用する。要するに、上記請求項8〜10で求められる補正情報は、例えばエンジン運転条件に関係なくヒータ制御時に常に必要な要素となりうる。従って、学習値をバックアップメモリに随時記憶すると共に、その値を必要に応じて更新することで、学習値の演算が必要時だけで済み、効率的で且つ適切なヒータ制御が実施できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態における空燃比検出装置は、自動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エンジンに適用されるものであって、同エンジンの空燃比制御システムにおいては空燃比検出装置による検出結果を基にエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制御する。以下の記載では、空燃比センサを用いた空燃比(A/F)の検出手順、並びに同センサに付設されたヒータの通電制御手順を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態における空燃比制御システムの概要を示す構成図である。図1において、空燃比検出装置15は、その内部演算の中枢をなすマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)20を備え、マイコン20は燃料噴射制御や点火制御等を実現するためのエンジン制御ECU16に対して相互に通信可能に接続されている。限界電流式空燃比センサ(以下、A/Fセンサという)30は、エンジン10のエンジン本体11から延びる排気管12に取り付けられており、マイコン20から指令される電圧の印加に伴い、排ガス中の酸素濃度に比例したリニアな空燃比検出信号(センサ電流信号)を出力する。
【0020】
マイコン20は、各種演算処理を実行するための周知のCPU,ROM,RAM等により構成され、所定の制御プログラムに従い後述するバイアス制御回路40やヒータ制御回路25を制御する。マイコン20は、バッテリ電源+Bの給電を受けて起動するものであるが、その内部には電源の遮断時(IG=OFF時)にも記憶内容を保持するバックアップメモリ20aが設けられている。
【0021】
A/Fセンサ30は、積層型のセンサ素子部(セル)60を有するものであって、その構成を図2〜図4を用いて説明する。ここで、図2は、A/Fセンサ30の全体構成を示す断面図、図3は、A/Fセンサ30を構成するセンサ素子部60の断面図、図4は、センサ素子部60の詳細な構成を示す分解斜視図である。
【0022】
図2に示すように、A/Fセンサ30は、排気管壁に螺着される筒状の金属製ハウジング31を有し、そのハウジング31の下側開口部には素子カバー32が取り付けられている。素子カバー32内には、長板状のセンサ素子部60の先端(下端)が配設されている。素子カバー32は有底二重構造をなし、排ガスをカバー内部に取り込むための複数の排気口32aを有する。
【0023】
センサ素子部60は、ハウジング31内に配設された絶縁部材33を貫通するように図の上方に延び、その上端部には一対のリード線34が接続されている。
ハウジング31の上端には本体カバー35がカシメ着されている。また、本体カバー35の上方にはダストカバー36が取り付けられ、これら本体カバー35及びダストカバー36の二重構造によりセンサ上部が保護されている。各カバー35,36には、カバー内部に大気を取り込むための複数の大気口35a,36aが設けられている。
【0024】
次に、センサ素子部60の構成を図3及び図4を用いて説明する。センサ素子部60は大別して、固体電解質61、ガス拡散抵抗層62、大気導入ダクト63及びヒータ64からなり、これら各部材を積層して構成されている。また、各部材の周囲には保護層65が設けられている。
【0025】
長方形板状の固体電解質61は部分安定化ジルコニア製のシートであり、その上面(ガス拡散抵抗層62側)には白金等からなる多孔質の計測電極66がスクリーン印刷法等により形成されると共に、下面(大気導入ダクト63側)には同じく白金等からなる多孔質の大気側電極67がスクリーン印刷法等により形成されている。計測電極66及び大気側電極67には、リード線66a,67aが接続されている。
【0026】
ガス拡散抵抗層62は、計測電極66へ排ガスを導入するための多孔質シートからなるガス透過層62aと、排ガスの透過を抑制するための緻密層からなるガス遮蔽層62bとを有する。ガス透過層62a及びガス遮蔽層62bは何れも、アルミナ、スピネル、ジルコニア等のセラミックスをシート成形法等により成形したものであるが、ポロシティの平均孔径及び気孔率の違いによりガス透過率が相違するものとなっている。
【0027】
大気導入ダクト63はアルミナ等の高熱伝導性セラミックスからなり、同ダクト63により大気室68が形成されている。この大気導入ダクト63は大気室68内の大気側電極67に大気を導入する役割をなす。因みに、大気室68は、前記図2に示すカバー35,36の大気口35a,36aに連通している。
【0028】
大気導入ダクト63の下面にはヒータ64が取り付けられている。ヒータ64は、バッテリ電源+Bからの通電により発熱する発熱体64aと、それを覆う絶縁シート64bとからなり、発熱体64aの両端にはリード線64cが接続されている。但し、図3の構成以外に、発熱体64aを固体電解質61に埋設したり、発熱体64aをガス拡散抵抗層62に埋設したりする構成も可能である。
【0029】
なお上記センサ素子部60において、計測電極66に達する排ガスは、ガス透過層62aの鉛直方向(図の上下方向)からは侵入せず、ガス透過層62aの側方から侵入する。すなわち、ガス透過層62aの表面はガス遮蔽層62bに被われているため、排ガスは鉛直方向からは侵入できず、その方向と直交する側面方向から該透過層62aの内部に侵入する。かかる場合、ガス透過層62aのガス拡散量は、同透過層62aの左右方向の寸法(実際には、ガス透過層62aの側面と計測電極66との距離)に依存するが、この寸法が容易に且つ自在に設定できることから、ガス透過層62aの孔径がばらついても均一で安定したセンサ出力が得られるようになる。
【0030】
上記構成のA/Fセンサ30において、センサ素子部60は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、センサ素子部60(固体電解質61)は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、センサ素子部60を活性化するには約600℃以上の高温が必要とされ、且つ同センサ素子部60の活性温度範囲が狭いため、エンジン10の排ガスのみによる加熱では活性状態を維持できない。そのため、本実施の形態では、ヒータ64(発熱体64a)の加熱制御によりセンサ素子部60を活性温度域で保持する。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ素子部60はCO等の濃度に応じた限界電流を発生する。
【0031】
A/Fセンサ30の電圧−電流特性について図5を用いて説明する。図5によれば、センサ素子部60の固体電解質61への流入電流と、同固体電解質61への印加電圧とがリニアな特性を有することが分かる。かかる場合、電圧軸(横軸)に平行な直線部分がセンサ素子部60の限界電流を特定するものであって、この限界電流(センサ電流)の増減はA/Fの増減(すなわち、リーン・リッチの程度)に対応している。つまり、A/Fがリーン側になるほど限界電流は増大し、A/Fがリッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0032】
この電圧−電流特性において電圧軸に平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配領域となっており、その抵抗支配領域における一次直線部分の傾きは、センサ素子部60における固体電解質61の内部抵抗(これを素子抵抗という)により特定される。この素子抵抗は温度変化に伴い変化し、例えばセンサ素子部60の温度が低下すると素子抵抗の増大により上記傾きが小さくなる。
【0033】
図6は、限界電流値を横軸に、その限界電流値に対応するA/Fを縦軸にして、両者の関係を示すグラフである。
また一例として、A/Fセンサ30の耐熱特性の具体的数値を示せば、
・素子耐熱温度=900〜950℃、
・ヒータ耐熱温度=1000〜1100℃、
・素子温変化速度の最大値=150〜200℃/s、
・ヒータ温変化速度の最大値=200℃/s、
・素子−ヒータの温度差の最大値=200℃、
となっている。
【0034】
一方、前記図1において、A/Fセンサ30(センサ素子部60)に電圧を印加するためのバイアス指令信号(デジタル信号)Vrはマイコン20からD/A変換器21に入力され、同D/A変換器21にてアナログ信号Vbに変換された後、LPF(ローパスフィルタ)22に入力される。そして、LPF22にてアナログ信号Vbの高周波成分が除去された出力電圧Vcは、A/F検出用又は素子抵抗検出用の電圧をA/Fセンサ30に印加するためのバイアス制御回路40に入力される。A/F検出時には、前記図5の特性線L1を用いてその時のA/Fに対応した印加電圧Vpが設定されるのに対し、素子抵抗検出時には、所定周波数信号よりなる単発的で且つ所定の時定数を持った電圧が印加される。
【0035】
バイアス制御回路40内の電流検出回路50は、A/Fセンサ30への電圧の印加に伴い流れる電流値を検出する。当該電流検出回路50にて検出された電流値のアナログ信号は、A/D変換器23を介してマイコン20に入力される。A/Fセンサ30に付設されたヒータ64(発熱体64a)は、ヒータ制御回路25によりその動作が制御される。つまり、ヒータ制御回路25は、A/Fセンサ30の素子温やヒータ温に応じてヒータ64への通電量をデューティ制御し、ヒータ64の加熱制御を行う。
【0036】
また、エンジン排気管12には、排ガス温度を検出するための排気温センサ13が取り付けられており、同センサ13の出力がA/D変換器24を介してマイコン20に入力される。
【0037】
次に、バイアス制御回路40の構成を図7の電気回路図を用いて説明する。図7において、バイアス制御回路40は大別して、基準電圧回路44と、第1の電圧供給回路45と、第2の電圧供給回路47と、電流検出回路50とを有する。基準電圧回路44は、定電圧Vccを分圧抵抗44a,44bにより分圧して一定の基準電圧Vaを生成する。
【0038】
第1の電圧供給回路45は電圧フォロア回路にて構成され、基準電圧回路44の基準電圧Vaと同じ電圧Vaをセンサ素子部60の一方の端子42(前記図3の大気側電極67に接続される端子)に供給する。より具体的には、第1の電圧供給回路45は、正側入力端子が各分圧抵抗44a,44bの分圧点に接続されると共に負側入力端子がセンサ素子部60の一方の端子42に接続された演算増幅器45aと、演算増幅器45aの出力端子に一端が接続された抵抗45bと、この抵抗45bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ45c及びPNPトランジスタ45dとを有する。NPNトランジスタ45cのコレクタは定電圧Vccに接続され、エミッタは電流検出回路50を構成する電流検出抵抗50aを介してセンサ素子部60の一方の端子42に接続されている。また、PNPトランジスタ45dのエミッタはNPNトランジスタ45cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0039】
第2の電圧供給回路47も同様に電圧フォロア回路にて構成され、前記LPF22の出力電圧Vcと同じ電圧Vcをセンサ素子部60の他方の端子41(前記図3の計測電極66に接続される端子)に供給する。より具体的には、第2の電圧供給回路47は、正側入力端子が前記LPF22の出力に接続されると共に負側入力端子がセンサ素子部60の他方の端子41に接続された演算増幅器47aと、演算増幅器47aの出力端子に一端が接続された抵抗47bと、この抵抗47bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ47c及びPNPトランジスタ47dとを有する。NPNトランジスタ47cのコレクタは定電圧Vccに接続され、エミッタは抵抗47eを介してセンサ素子部60の他方の端子41に接続されている。また、PNPトランジスタ47dのエミッタはNPNトランジスタ47cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0040】
上記構成により、センサ素子部60の一方の端子42には常時一定電圧Vaが供給される。そして、LPF22を経由してセンサ素子部60の他方の端子41に一定電圧Vaよりも低い電圧Vcが供給されると、当該センサ素子部60が正バイアスされる。また、LPF22を経由してセンサ素子部60の他方の端子41に一定電圧Vaよりも高い電圧Vcが供給されると、当該センサ素子部60が負バイアスされる。
【0041】
図8は、ヒータ制御回路25の構成を示す回路図である。
図8において、ヒータ64(発熱体64a)の一端はバッテリ電源+Bに接続され、他端はスイッチング素子を構成するトランジスタ25aのコレクタに接続されている。同トランジスタ25aのエミッタはヒータ電流検出用抵抗25bを介して接地されている。ヒータ電圧Vhはヒータ64の両端電位差により検出され、その検出結果はオペアンプ25c並びにA/D変換器26を介してマイコン20に入力される。また、ヒータ電流Ihはヒータ電流検出用抵抗25bの両端電位差により検出され、その検出結果はオペアンプ25d並びにA/D変換器27を介してマイコン20に入力される。
【0042】
次に、上記の如く構成される空燃比検出装置15の作用を説明する。
先ずは図9のタイムチャートを用いて本装置の動作の概要を説明する。図9では、エンジン10の低温始動時において、A/Fセンサ30が冷間状態から昇温される過程を表している。なお、ヒータ通電の開始初期(エンジン始動当初)の素子抵抗ZACは非常に高い値にあり、その値を検出することはできない。
【0043】
時刻t11でイグニッションキー(IGキー)がONされると、素子温変化速度ΔTsのオープン制御が開始される。素子温変化速度ΔTsは、単位時間毎(本実施の形態では、128ms毎)の温度変化量として与えられる。このとき、予め設定されているマップを用い、素子温変化速度ΔTsが略一定になるように通電デューティが決定される。つまり、ヒータ64の通電デューティが時間の経過に伴い少しずつ上昇し、これに伴い素子温Ts(固体電解質の温度)が次第に上昇する。
【0044】
素子抵抗ZACが昇温途中の所定値(本実施の形態では、3kΩ)を下回る時刻t12では、ヒータ制御がそれまでの素子温変化速度ΔTsのオープン制御から素子温変化速度ΔTsのフィードバック制御に切り換えられる。すなわち、時刻t12〜t13では、素子温変化速度ΔTsを目標値にフィードバック制御することによりヒータ通電量(通電デューティ)が決定される。
【0045】
その後、素子抵抗ZACが活性完了の判定値(本実施の形態では、120Ω)にまで低下する時刻t13では、素子温変化速度ΔTsの一連の制御が終了され、これに代えて、素子温一定のフィードバック制御が開始される。すなわち、時刻t13以降においては、素子温Tsを所定の目標温度(700℃)にフィードバック制御することによりヒータ通電量(通電デューティ)が決定される。但し、「素子温一定」のフィードバック制御と「素子抵抗一定」のフィードバック制御とは実質上、略同意であることから、本実施の形態では、素子抵抗一定のフィードバック制御を実施することとしている(素子抵抗ZACを目標値にフィードバックさせる)。
【0046】
図10は、マイコン20によるメインルーチンの概要を示すフローチャートであり、同ルーチンはマイコン20への電源投入に伴い起動される。
図10において、マイコン20は、先ずステップ100で前回のA/F検出時から所定時間Taが経過したか否かを判別する。所定時間Taは、A/Fの検出周期に相当する時間であって、例えばTa=4ms程度に設定される。前回のA/F検出時から所定時間Taが経過していれば(ステップ100がYES)、マイコン20はステップ110に進み、後述する図11に従い、A/F(空燃比)の検出処理を実施する。ステップ100がNOであれば、マイコン20はそのまま本ルーチンを一旦終了する。
【0047】
ここで、図11のA/F検出ルーチンを説明すれば、マイコン20は、先ずステップ111でA/Fセンサ30のセンサ素子部60に電圧Vpを印加する。印加電圧Vpは、その時々の空燃比(限界電流値Ip)に応じて例えば図5の特性線L1上の値として設定される。
【0048】
その後、マイコン20は、ステップ112で電圧Vpの印加時にセンサ素子部60に流れる電流値、すなわち電流検出回路50により検出された限界電流値(センサ電流)Ipを読み込む。さらに、マイコン20は、ステップ113で図6に示す限界電流値−A/Fマップを用いてその時々の限界電流値IpをA/Fに変換する。また、マイコン20は、続くステップ114で上記の如く得られたA/Fをエンジン制御ECU16に出力した後、元の図10のルーチンに戻る。
【0049】
A/Fの検出後、マイコン20は、図10のステップ120で前回の素子抵抗検出時から所定時間Tbが経過したか否かを判別する。所定時間Tbは、素子抵抗ZACの検出周期に相当する時間であって、例えばエンジン運転状態に応じて選択的に設定される。本実施の形態では、A/Fの変化が比較的小さい通常時(エンジン10の定常運転時)にはTb=2s(秒)に、A/Fの急変時(エンジン10の始動時や過渡運転時)にはTb=128ms(ミリ秒)に、というように所定時間Tbが可変に設定されるようになっている。
【0050】
ステップ120がYESであれば、マイコン20は、ステップ130で素子抵抗ZACを検出すると共に、続くステップ140でヒータ64の通電制御を実施する。上記ステップ130,140の処理はそれぞれ、後述する図12,図13に従い実施される。上記ステップ120がNOであれば、マイコン20はそのまま本ルーチンを一旦終了する。
【0051】
次に、前記図10のステップ130における素子抵抗ZACの検出手順を図12を用いて説明する。なお本実施の形態では、素子抵抗の検出に際し、掃引法を用いて「交流素子抵抗」を求めることとしている。
【0052】
図12において、マイコン20は、先ずステップ131でバイアス指令信号Vrを操作し、それまでの印加電圧Vp(A/F検出用電圧)に対して電圧を正側に単発的に変化させる。素子抵抗検出用の電圧印加時間は数10〜100μs程度とする。その後、マイコン20は、ステップ132でその時の電圧変化量ΔVと電流検出回路50により検出されたセンサ電流の変化量ΔIとを読み取る。また、マイコン20は、続くステップ133で前記ΔV,ΔIから素子抵抗ZACを算出し(ZAC=ΔV/ΔI)、その後元の図10のルーチンに戻る。
【0053】
上記の処理によれば、前記図1のLPF22並びにバイアス制御回路40を介し、所定の時定数を持たせた電圧が単発的にA/Fセンサ30に印加される。その結果、図16に示すように、当該電圧の印加からt時間経過後にピーク電流ΔI(電流変化量)が検出され、その時の電圧変化量ΔVとピーク電流ΔIとから素子抵抗ZACが検出される(ZAC=ΔV/ΔI)。かかる場合、LPF22を介して単発的な電圧をA/Fセンサ30に印加することにより、過度なピーク電流の発生が抑制され、素子抵抗ZACの検出精度が向上する。
【0054】
上記の如く求められる素子抵抗ZACは、素子温Tsに対して図17に示す関係を有する。すなわち、素子温Tsが低いほど、素子抵抗ZACは飛躍的に大きくなる。因みにA/Fセンサ30の活性温度(約700℃)は、素子抵抗ZAC≒90Ωに相応する。
【0055】
次に、前記図10のステップ140におけるヒータ通電の制御手順を図13を用いて説明する。
マイコン20は、先ずステップ141で今現在、センサ素子部60が昇温途中であるか否かを判別する。例えばエンジン10の低温始動時など、センサ素子部60の昇温時であれば(ステップ141がYES)、マイコン20は、ステップ142で前記検出した素子抵抗ZACが昇温途中の所定値(本実施の形態では、3kΩ)に達したか否かを判別する。エンジン10の低温始動当初においては、素子抵抗ZACがかなり大きな値となっており、マイコン20は、ZAC>3kΩである旨を判別してステップ143に進む。
【0056】
ステップ143では、マイコン20は、素子温変化速度ΔTsをオープン制御する。具体的には、マイコン20内の不揮発性メモリに予め設定されているマップを用い、エンジン始動時からの経過時間に応じて素子温Tsが所定のプロフィールで変化するよう、ヒータ通電のためのデューティ比DUTYを決定する。例えば前記図9の時刻t11〜t12では、ステップ143による素子温変化速度ΔTsのオープン制御が実施される。
【0057】
また、ZAC≦3kΩであれば、マイコン20はステップ150に進み、後述する図14の手順に従い、素子温変化速度ΔTsを所定値にフィードバック制御する。すなわち、その時々の素子温変化速度ΔTsと同速度の目標値ΔTsrefとが一致するようPID制御手法などを用いてヒータ通電のためのデューティ比DUTYを決定する。例えば前記図9の時刻t12〜t13では、ステップ150による素子温変化速度ΔTsのフィードバック制御が実施される。
【0058】
前記ステップ143又は150でのDUTY決定の後、マイコン20はステップ144に進み、前記決定したデューティ比DUTYを補正して最終デューティ比Dfnを算出する。具体的には、バッテリ電源+Bの電圧や排気温等に応じた補正値FKと、センサ個体差や経時変化に応じた学習値FLRNとを用い、
Dfn=DUTY+FK+FLRN
として最終デューティ比Dfnを算出する。また、マイコン20は、続くステップ145で素子温Ts又はその変化速度ΔTsを最大許容値でガードする。そしてその後、ヒータ通電のためのデューティ比信号を前記図1のヒータ制御回路25に出力する。
【0059】
なお、上記ステップ145では、前記算出した最終デューティ比Dfnにてヒータ通電を行った場合に、素子温Tsが最大許容値の「900℃」、又は素子温変化速度ΔTsの最大許容値の「150℃/s」を越えるかどうかを判断する。そして、これら最大許容値を越えると想定される場合には、通電デューティを「0」若しくは素子温が確実に下がる値(約0.1〜1%程度)で規制する。但し、このデューティ比はA/D変換器の変換速度に応じて設定されるとよい。
【0060】
ここで、補正値FKについて説明すれば、同補正値FKは、例えば図18(a)〜(d)の関係に基づく各種補正値FK1〜FK4を加算して求められる。
FK=FK1+FK2+FK3+FK4
図18(a)によれば、バッテリ電源+Bの電圧値に応じた補正値FK1が求められる。バッテリ電圧≦A(例えば定格電圧12ボルト)の場合には正の補正値FK1がセットされ、バッテリ電圧>Aの場合には負の補正値FK1がセットされる。
【0061】
図18(b)によれば、排気温センサ13により検出される排気温に応じた補正値FK2が求められる。排気温≦Bの場合には正の補正値FK2がセットされ、排気温>Bの場合には負の補正値FK2がセットされる。
【0062】
図18(c)によれば、エンジン始動時の初期ヒータ抵抗に応じた補正値FK3が求められる。初期ヒータ抵抗≦Cの場合には正の補正値FK3がセットされ、初期ヒータ抵抗>Cの場合には負の補正値FK3がセットされる。この場合、初期ヒータ抵抗はエンジン始動時におけるA/Fセンサ30の冷間状態を反映するものであって、補正値FK3は昇温期間にのみ適用されるとよい。
【0063】
図18(d)によれば、バッテリ電源+B〜ヒータ64〜GND間(前記図8参照)のハーネス抵抗に応じた補正値FK4が求められる。ハーネス抵抗≦Dの場合には負の補正値FK4がセットされ、ハーネス抵抗>Dの場合には正の補正値FK4がセットされる。
【0064】
但し、上記図18(a)〜(d)において、各々のしきい値A〜D近傍には補正値を「0」とする領域(不感帯)を設けてもよい。なお本実施の形態では、FK1〜FK4の総和として補正値FKを設定するが、FK1〜FK4のうち少なくとも1つを含む値として補正値FKを設定してもよい。
【0065】
また、学習値FLRNは、ヒータONからセンサ活性までの所要時間に基づく第1学習値FLRN1と、燃料カット時に検出される素子抵抗ズレに基づく第2学習値FLRN2と、定常運転時におけるDUTYズレ量に基づく第3学習値FLRN3とを加算して求められる。
【0066】
FLRN=FLRN1+FLRN2+FLRN3
上記の学習値FLRN1〜FLRN3は、マイコン20内のバックアップメモリ20aに格納され逐次更新されるデータであり、その算出手順については後述する。
【0067】
一方、図13のステップ141がNOであれば(センサ素子部60の昇温中でない場合)、マイコン20はステップ160に進み、後述する図15の手順に従い、素子抵抗ZACを所定値に保持するようフィードバック制御を実施する。すなわち、その時々の素子抵抗ZACとその目標値ZACrefとが一致するようPID制御手法などを用いてヒータ通電のためのデューティ比DUTYを決定する。例えば前記図9の時刻t13以降では、ステップ160による素子抵抗一定(素子温一定)のフィードバック制御が実施される。
【0068】
その後、マイコン20はステップ146に進み、前記決定したデューティ比DUTYに、補正値FKと学習値FLRNとを加算して最終デューティ比Dfnを算出する(Dfn=DUTY+FK+FLRN)。また、マイコン20は、ステップ145で素子温Ts又はその変化速度ΔTsを最大許容値でガードする。そしてその後、デューティ比信号を前記図1のヒータ制御回路25に出力する。
【0069】
次に、図14のルーチン(前記図13のステップ150の処理)を説明すれば、マイコン20は、ステップ151で前回処理時の素子温Tsを前回値「Ts0」、同じく前回処理時の素子温変化速度ΔTsを前回値「ΔTs0」とする。また、マイコン20は、続くステップ152で前記検出した素子抵抗ZAC(図12による検出値)を読み出すと共に、例えば図17の関係に従い、素子抵抗ZACから素子温Tsの今回値を求める。さらに、マイコン20は、ステップ153で素子温の今回値Tsから前回値Ts0を減算して素子温変化速度の今回値ΔTsを算出する(ΔTs=Ts−Ts0)。
【0070】
その後、マイコン20は、ステップ154で下記の数式により比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを算出する。
Gp=Kp・(ΔTsref−ΔTs)
Gi=Gi+Ki・(ΔTsref−ΔTs)
Gd=Kd・(ΔTs0−ΔTs)
但し、上記各式において、「Kp」は比例定数、「Ki」は積分定数、「Kd」は微分定数を表す。
【0071】
そして、マイコン20は、ステップ155で上記比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを加算してデューティ比DUTYを算出し(DUTY=Gp+Gi+Gd)、その後元の図13のルーチンに戻る。
【0072】
また、図15のルーチン(前記図13のステップ160の処理)を説明すれば、マイコン20は、ステップ161で前回処理時の素子抵抗ZACを前回値「ZAC0」とし、続くステップ162で前記検出した素子抵抗ZAC(図12による検出値)を読み出す。またマイコン20は、ステップ163で下記の数式により比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを算出する。
【0073】
Gp=Kp・(ZAC−ZACref)
Gi=Gi+Ki・(ZAC−ZACref)
Gd=Kd・(ZAC−ZAC0)
そして、マイコン20は、ステップ164で上記比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを加算してデューティ比DUTYを算出し(DUTY=Gp+Gi+Gd)、その後元の図13のルーチンに戻る。
【0074】
次に、第1〜第3学習値FLRN1〜FLRN3の算出手順を図19〜図21のフローチャートを用いて説明する。ここで、図19は、第1学習値FLRN1を算出するための第1の学習ルーチンを、図20は、第2学習値FLRN2を算出するための第2の学習ルーチンを、図21は、第3学習値FLRN3を算出するための第3の学習ルーチンをそれぞれ示し、これら各ルーチンはマイコン20により例えば128ms周期で実行される。但し、図19〜図21による学習値の更新は、例えばIGオン後に1回のみ実施されればよい。従って、学習が完了すると、その旨を表すフラグがセットされ、それ以降は同じ処理が実施されないようになっている。
【0075】
最初に図19を説明すると、マイコン20は、先ずステップ201でエンジン10の再始動判定を行う。この再始動判定では、
・エンジン水温が所定温度(例えば35℃)以下であること、
・吸気温が所定温度(例えば20℃)以下であること、
・素子抵抗が所定値(例えば3kΩ)以上であること、
・ヒータ抵抗が所定値(例えば3Ω)以下であること、
といった各種条件を判定する。そして、上記の各種条件が全て成立すれば、エンジン再始動時でないと判断し、上記いずれかの条件が一つでも不成立であれば、エンジン再始動時であると判断する。
【0076】
エンジン再始動時でないことを条件に(ステップ202がYES)、マイコン20はステップ203に進み、A/Fセンサ30の活性化までの所要時間を計測する。この所要時間の計測に際しては、IG=ONに伴いカウントアップされるカウンタを用い、例えば図23に示すように、
・センサ電流の変化量が所定の判定値以上となった時、
・センサ電流の積算値が所定の判定値以上となった時、
・素子抵抗が所定の判定値(例えば1kΩ)以下となった時、
・ヒータ抵抗が所定の判定値(例えば4Ω)以上となった時、
・素子温が所定の判定値(例えば600℃)以上となった時、
・ヒータ温が所定の判定値(例えば650℃)以上となった時、
といった何れかの場合に、センサ活性の旨を判定する。そして、活性化までの所要時間をカウンタ値から検知する。ここで言う活性判定とは、前記図13のヒータ制御での活性判定(図9の時刻t13)とは必ずしも同意ではなく、活性判定の目安となるものであればよい。
【0077】
その後、マイコン20は、ステップ204で例えば図22(a)の関係に従い、活性化までの所要時間に応じて第1学習値FLRN1を設定した後、本ルーチンを終了する。前記設定したFLRN1値はマイコン20内のバックアップメモリ20aに随時記憶される。図22(a)によれば、活性化までの所要時間が所定値A1以上になると、正の学習値FLRN1が設定される。例えばA/Fセンサ30が劣化したりすると活性時間が増大し、上記学習値FLRN1に「0」以上の値がセットされる。
【0078】
次に、図20を説明すると、マイコン20は、先ずステップ301でA/Fセンサ30の活性が完了しているか否かを判別する。また、マイコン20は、ステップ302で今現在、燃料カット(F/C)中であるか否かを判別する。そして、ステップ301,302が共にYESであることを条件に、マイコン20はステップ303に進み、F/C時におけるセンサ内部抵抗Riを検出する。
【0079】
つまり、F/C時であればA/Fが極リーンの状態下にあり、例えば図24に示す特性線L1’を用いて抵抗支配領域の電圧Vfを印加してその時のセンサ電流Ifを検出する。そして、
Ri=Vf/If
としてセンサ内部抵抗Riを検出する。
【0080】
その後、ステップ304では、マイコン20は、前記掃引法にて検出した素子抵抗ZAC(前記図12による検出値)とF/C時に検出したセンサ内部抵抗Riとの差(ZAC−Ri)を算出する。
【0081】
また、マイコン20は、続くステップ305で例えば図22(b)の関係に従い、(ZAC−Ri)に応じて第2学習値FLRN2を設定した後、本ルーチンを終了する。前記設定したFLRN2値はマイコン20内のバックアップメモリ20aに随時記憶される。図22(b)によれば、(ZAC−Ri)の値が「0」付近の「B1〜B2」にある場合、FLRN2=0が設定される。また、(ZAC−Ri)<B1の場合、正の学習値FLRN2が設定され、(ZAC−Ri)>B2の場合、負の学習値FLRN2が設定される。
【0082】
次に、図21を説明すると、マイコン20は、先ずステップ401で今現在、素子温一定(素子抵抗一定)のフィードバック制御が実施されているか否かを判別する。前記図9の時刻t13以降においては、同ステップ401が肯定判別される。また、マイコン20は、ステップ402で今現在、エンジン10が定常運転されているか否かを判別する。さらに、マイコン20は、前記ステップ401,402が共にYESとなる状態が所定時間(例えば5秒間)継続したか否かを判別する(ステップ403)。
【0083】
ステップ403がYESになると、マイコン20はステップ404に進み、所定時間内(5秒間)のヒータ64への通電DUTYから平均DUTYを算出する。さらに、マイコン20は、ステップ405で前記算出した平均DUTYから予め設定されている基準DUTYを減算してDUTYズレ量を算出する(DUTYズレ量=平均DUTY−基準DUTY)。なおここで、基準DUTYとは、素子温一定制御での定常運転時において、素子温Tsを所定温度に保持するために必要な標準的な通電量に相当する。
【0084】
また、マイコン20は、続くステップ406で例えば図22(c)の関係に従い、DUTYズレ量に応じて第3学習値FLRN3を設定した後、本ルーチンを終了する。前記設定したFLRN3値はマイコン20内のバックアップメモリ20aに随時記憶される。図22(c)によれば、DUTYズレ量が「0」付近の「C1〜C2」にある場合、FLRN3=0が設定される。また、DUTYズレ量<C1の場合、負の学習値FLRN3が設定され、DUTYズレ量>C2の場合、正の学習値FLRN3が設定される。
【0085】
上記の如く算出された学習値FLRN1〜FLRN3は、既述の図13のステップ144,146において、最終デューティ比Dfnの算出(DUTY補正)に適宜採用される。
【0086】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)本実施の形態では、素子温変化速度ΔTs(センサ素子部60の昇温率)に応じてヒータ通電量をデューティ制御するようにした。上記構成によれば、例えばA/Fセンサ30の冷間状態からの昇温時において、過剰なるセンサ素子部60の昇温が抑制できると共に、センサ素子部60の迅速なる活性化が実現できる。その結果、A/Fセンサ30の昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れ、ヒータ割れ、ヒータ接合面の剥離などの不具合が抑制できる。
【0087】
特に固体電解質61にヒータ64を積層して一体化した、いわゆる積層型センサの場合、固体電解質61とヒータ64とが近接して設けられるため、素子割れやヒータ割れなどの問題が生じやすいが、上記構成によれば当該問題が確実に抑制できる。
【0088】
(b)センサ冷間状態からの昇温時には、その当初において素子温変化速度ΔTsをオープン制御することとした。これにより、素子抵抗ZACが検出可能になるまでの始動直後の期間においても、素子温変化速度ΔTsが適切に制御できる。
【0089】
(c)A/Fセンサ30の昇温時であるか又は昇温後の定常時であるかを判別し、昇温後の定常時であれば、素子温一定のフィードバック制御を実施するようにした。つまり、A/Fセンサ30が一旦活性化されると、それ以降は昇温時のような急激な温度変化がないものとして、素子温変化速度ΔTsに応じたヒータ制御に代えて、既存の素子温フィードバック制御を実施する。これにより、昇温時は勿論のこと、昇温時以外においても適切なヒータ制御が実施できる。
【0090】
(d)素子温Ts又はその変化速度ΔTsを所定の最大許容値でガードすることとした。これにより、センサ素子部60の過剰な加熱がより一層確実に防止できる。
【0091】
(e)一方、第1〜第3学習値FLRN1〜FLRN3を求め、当該学習値によりヒータ通電量を補正することとした。すなわち、
・A/Fセンサ30の冷間状態から活性化までの所要時間に応じた第1学習値FLRN1と、
・燃料カット時に検出したセンサ内部抵抗Riと、掃引法により検出した素子抵抗ZACとを比較し、それらの値のズレ量(ZAC−Ri)に応じた第2学習値FLRN2と、
・エンジンの定常運転時における通電DUTYと、予め設定されている通電DUTYの標準値との差に応じた第3学習値FLRN3と、
によりヒータ通電量を補正するようにした。従って、例えばA/Fセンサ30が劣化しても、素子温Tsが不用意に変動するなどの不具合が抑制できる。つまり、センサ個体差や経時変化によるヒータ制御への影響が排除できる。
【0092】
(f)上記学習値FLRN1〜FLRN3をバックアップメモリ20aに随時記憶すると共に、その値を必要に応じて更新するようにした。これにより、学習値FLRN1〜FLRN3の演算が必要時だけで済み、効率的で且つ適切なヒータ制御が実施できる。
【0093】
(g)また、補正値FK1〜FK4を求め、当該補正値によりヒータ通電量を補正することとした。すなわち、
・バッテリ電源+Bの電圧値に応じた補正値FK1と、
・排気温に応じた補正値FK2と、
・エンジン始動時の初期ヒータ抵抗に応じた補正値FK3と、
・+B〜ヒータ64〜GND間のハーネス抵抗に応じた補正値FK4と、
によりヒータ通電量を補正するようにした。これにより、エンジン10の運転条件が逐次変化する場合にも、そのエンジン運転条件に応じた適切なヒータ制御が継続できる。結果として、ヒータ通電の制御精度がより一層向上する。
【0094】
上記実施の形態では、ヒータ通電の制御時において(前記図13のルーチン)、素子抵抗ZACを素子温Tsに変換し、この素子温Tsを用いて「素子温変化速度ΔTs」を制御したが、素子抵抗ZACを素子温Tsに変換せずに「素子抵抗変化速度」を制御する構成としてもよい。
【0095】
次に、本発明における第2,第3の実施の形態を説明する。但し、以下の実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0096】
(第2の実施の形態)
図25〜図28を用いて第2の実施の形態における空燃比検出装置を説明する。本実施の形態の装置では、A/Fセンサ30の昇温時において、素子温Tsとヒータ温Thとの差(温度差ΔThs)に応じてヒータ64の通電制御を実施することを特徴としている。
【0097】
先ずは図25のタイムチャートを用いて動作の概要を説明する。図25では、エンジン10の低温始動時において、A/Fセンサ30が冷間状態から昇温される過程を表している。
【0098】
時刻t21でイグニッションキー(IGキー)がONされると、マップを用いた素子温変化速度ΔTsのオープン制御が開始される。つまり、ヒータ64の通電デューティが時間の経過に伴い少しずつ上昇し、これに伴い素子温Ts(固体電解質の温度)とヒータ温Thが次第に上昇する。
【0099】
素子抵抗ZACが昇温途中の所定値(本実施の形態では、3kΩ)を下回る時刻t22では、ヒータ制御がそれまでの素子温変化速度ΔTsのオープン制御から、素子温Tsとヒータ温Thとの差(温度差ΔThs)のフィードバック制御に切り換えられる。すなわち、時刻t22〜t23では、素子温Tsとヒータ温Thとの差(温度差ΔThs)を目標値にフィードバック制御させつつ通電デューティが決定される。
【0100】
その後、素子抵抗ZACが活性完了の判定値(本実施の形態では、120Ω)にまで低下する時刻t23では、それまでの温度差ΔThsのフィードバック制御が終了され、これに代えて、素子温一定(素子抵抗一定)のフィードバック制御が開始される。すなわち、時刻t23以降においては、素子温Tsを所定の目標温度(700℃)にフィードバック制御することにより通電デューティが決定される。
【0101】
図26は、本実施の形態におけるヒータ通電制御ルーチンであり、同ルーチンは前記図13に代えてマイコン20により実施される。図13と図26との相違点として、図26では、図13のステップ150に代えてステップ500の処理を実施する。
【0102】
つまり、センサ昇温中であって且つ、ZAC≦3kΩの場合(ステップ141,142が共にYESの場合)、マイコン20はステップ500に進み、後述する図27の手順に従い、素子温Tsとヒータ温Thとの差(温度差ΔThs)を所定値にフィードバック制御する。すなわち、その時々の温度差ΔThsと所定の目標値ΔThsrefとが一致するようPID制御手法などを用いてヒータ通電のためのデューティ比DUTYを決定する。例えば前記図25の時刻t22〜t23では、ステップ500による温度差ΔThsのフィードバック制御が実施される。
【0103】
なおこの場合には、素子温Tsとヒータ温Thとの温度差ΔThsを、同温度差ΔThsの最大許容値(200℃程度)でガードし、この最大許容値を越える場合には通電DUTYを「0」若しくは素子温が確実に下がる値(約0.1〜1%程度)で規制するとよい。
【0104】
図27のルーチンを説明すれば、マイコン20は、先ずステップ501で前回処理時の温度差ΔThs(ヒータ温Thと素子温Tsとの差)を前回値「ΔThs0」とし、続くステップ502でヒータ抵抗Rhを検出する。このとき、ヒータ64の両端電圧Vhとヒータ電流Ihとをヒータ制御回路25から取り込み、この取り込んだVh,Ihからヒータ抵抗Rhを検出する(Rh=Vh/Ih)。
【0105】
その後、マイコン20は、ステップ503で図28の関係に従い、ヒータ抵抗Rhをヒータ温Thに換算する。また、マイコン20は、ステップ504で前記図17の関係に従い、素子抵抗ZACを素子温Tsに換算する。
【0106】
さらに、マイコン20は、ステップ505で素子(固体電解質)とヒータとの温度差ΔThsを求め(ΔThs=Th−Ts)、続くステップ506で下記の数式により比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを算出する。
【0107】
Gp=Kp・(ΔThsref−ΔThs)
Gi=Gi+Ki・(ΔThsref−ΔThs)
Gd=Kd・(ΔThs0−ΔThs)
そして、マイコン20は、ステップ507で上記比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを加算してデューティ比DUTYを算出し(DUTY=Gp+Gi+Gd)、その後元の図26のルーチンに戻る。
【0108】
以上第2の実施の形態では、素子温Tsとヒータ温Thとの差(温度差ΔThs)に応じてヒータ通電量を制御することとした。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、A/Fセンサ30の昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れなどの不具合が抑制できる。すなわち、素子温Tsに対してヒータ温Thが過大になると、固体電解質61の急激な温度上昇を引き起こすおそれがあるが、上記構成によればこうした不具合が解消される。
【0109】
(第3の実施の形態)
次いで、図29〜図31を用いて第3の実施の形態における空燃比検出装置を説明する。本実施の形態の装置では、A/Fセンサ30の昇温時において、ヒータ抵抗Rh(ヒータ温Thでも可)の変化速度に応じてヒータ64の通電制御を実施することを特徴としている。
【0110】
先ずは図29のタイムチャートを用いて動作の概要を説明する。図29では、エンジン10の低温始動時において、A/Fセンサ30が冷間状態から昇温される過程を表している。
【0111】
時刻t31でイグニッションキー(IGキー)がONされると、その当初からヒータ抵抗Rh(或いは、ヒータ温Th)が検出される。そして、ヒータ抵抗の変化速度ΔRh(或いは、ヒータ温の変化速度ΔTh)が所定の目標値になるようフィードバック制御が実施され、それにより通電デューティが決定される。このヒータ抵抗変化速度ΔRhのフィードバック制御は、活性完了とみなされるまで、すなわちヒータ抵抗Rh=4Ωとなるまで継続される。
【0112】
Rh=4Ωとなる時刻t32では、ヒータ抵抗変化速度ΔRhのフィードバック制御が終了され、これに代えて、ヒータ温一定(ヒータ抵抗一定)のフィードバック制御が開始される。すなわち、時刻t32以降においては、ヒータ温Thを所定の目標温度(700℃)にフィードバック制御することにより通電デューティが決定される。但し、「ヒータ温一定」のフィードバック制御と「ヒータ抵抗一定」のフィードバック制御とは実質上、略同意であることから、本実施の形態では、ヒータ抵抗一定のフィードバック制御を実施することとしている(ヒータ抵抗Rhを目標値にフィードバックさせる)。
【0113】
図30は、本実施の形態におけるヒータ通電制御ルーチンであり、同ルーチンは前記図13に代えてマイコン20により実施される。図13と図30との相違点として、図30では、図13のステップ142,143,150に代えてステップ600の処理を実施すると共に、図13のステップ160に代えてステップ700の処理を実施する。
【0114】
つまり、センサ昇温中の場合(ステップ141がYESの場合)、マイコン20はステップ600に進み、後述する図31の手順に従い、ヒータ抵抗変化速度ΔRhを所定値にフィードバック制御する。すなわち、その時々のヒータ抵抗変化速度ΔRhと所定の目標値ΔRhrefとが一致するようPID制御手法などを用いてヒータ通電のためのデューティ比DUTYを決定する。例えば前記図29の時刻t31〜t32では、ステップ600によるΔRhのフィードバック制御が実施される。
【0115】
また、センサ昇温中でない場合(ステップ141がNOの場合)、マイコン20はステップ700に進み、後述する図32の手順に従い、ヒータ抵抗Rhを所定値にフィードバック制御する。すなわち、その時々のヒータ抵抗Rhと所定の目標値Rhrefとが一致するようPID制御手法などを用いてヒータ通電のためのデューティ比DUTYを決定する。例えば前記図29の時刻t32以降では、ステップ700によるヒータ抵抗一定(ヒータ温一定)のフィードバック制御が実施される。
【0116】
なお図30の処理では、ヒータ抵抗変化速度ΔRhをその最大許容値(200℃/s程度)でガードすると共に、ヒータ温Thをその最大許容値(1000〜1100℃程度)でガードし、この最大許容値を越える場合には通電DUTYを「0」若しくはヒータ温が確実に下がる値(約0.1〜1%程度)で規制するとよい。
【0117】
図31のルーチンを説明すれば、マイコン20は、先ずステップ601で前回処理時のヒータ抵抗Rhを前回値「Rh0」、同じく前回処理時のヒータ抵抗変化速度ΔRhを前回値「ΔRh0」とし、続くステップ602でヒータ抵抗Rhの今回値を検出する(Rh=Vh/Ih)。
【0118】
その後、マイコン20は、ステップ603でヒータ抵抗変化速度ΔRhを求め(ΔRh=Rh−Rh0)、続くステップ604で下記の数式により比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを算出する。
【0119】
Gp=Kp・(ΔRhref−ΔRh)
Gi=Gi+Ki・(ΔRhref−ΔRh)
Gd=Kd・(ΔRh0−ΔRh)
そして、マイコン20は、ステップ605で上記比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを加算してデューティ比DUTYを算出し(DUTY=Gp+Gi+Gd)、その後元の図30のルーチンに戻る。
【0120】
また図32の処理を説明すれば、マイコン20は、先ずステップ701で前回処理時のヒータ抵抗Rhを前回値「Rh0」とし、続くステップ702でヒータ抵抗Rhの今回値を検出する(Rh=Vh/Ih)。その後、マイコン20は、ステップ703で下記の数式により比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを算出する。
【0121】
Gp=Kp・(Rhref−Rh)
Gi=Gi+Ki・(Rhref−Rh)
Gd=Kd・(Rh0−Rh)
そして、マイコン20は、ステップ704で上記比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを加算してデューティ比DUTYを算出し(DUTY=Gp+Gi+Gd)、その後元の図30のルーチンに戻る。
【0122】
以上第3の実施の形態では、ヒータ抵抗変化速度ΔRhに応じてヒータ通電量を制御することとした。これにより、上記第1,第2の実施の形態と同様に、A/Fセンサ30の昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れなどの不具合が抑制できる。
【0123】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて実現できる。
(別の形態1)
上記第1の実施の形態における図14(ΔTsのフィードバック制御ルーチン)において、素子温変化速度ΔTsの目標値ΔTsrefを可変に設定する。例えば図33(a),(b)に示すように、素子温Tsに応じてΔTsref値を設定する。この場合、比較的大きな温度上昇率が許容される素子温Tsの高温域では、ΔTsref値が大きくなり、比較的大きな通電DUTYが設定される。その結果、A/Fセンサ30の早期活性が実現できる。またIGオンからの時間の経過に応じて目標値を徐々に大きくしていく構成としてもよい。
【0124】
第2,第3の実施の形態においても同様に、フィードバック制御時の目標値(図27のΔThsref,図31のΔRhref)を例えば素子温Tsや経過時間に応じて可変に設定するようにしてもよい。
【0125】
(別の形態2)
上記第1の実施の形態では、エンジン10の低温始動に伴うセンサ昇温時において、素子温変化速度ΔTsのオープン制御、並びにフィードバック制御を実施したが(前記図9のt11〜t12,t12〜t13、図13参照)、これを以下のように変更する。
【0126】
前記図9のt11〜t12の期間において、予め設定されているマップを用いて素子抵抗ZAC(又は素子温Ts)をオープン制御する。また、同図のt12〜t13の期間において、素子抵抗ZAC(又は素子温Ts)を目標値ZACrefにフィードバック制御する。素子抵抗ZACのフィードバック手順は前記図15の処理に準ずる。このとき、素子抵抗ZAC変化速度(センサ素子部60の昇温率に相当)が所定の最大値を越えないようにガードしておくとよい。かかる構成においても、センサの昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れなどの不具合が抑制できるようになる。
【0127】
(別の形態3)
上記第3の実施の形態では、エンジン10の低温始動に伴うセンサ昇温時において、ヒータ抵抗変化速度ΔTsのフィードバック制御を実施したが(前記図29のt31〜t32、図30参照)、これを以下のように変更する。
【0128】
前記図29のt31〜t32の期間において、ヒータ抵抗Rh(又はヒータ温Th)を目標値Rhrefにフィードバック制御する。ヒータ抵抗Rhのフィードバック手順は前記図32の処理に準ずる。このとき、ヒータ抵抗Rhの変化速度(センサ素子部60の昇温率に相当)が所定の最大値を越えないようにガードしておくとよい。
【0129】
或いは、同じく前記図29のt31〜t32の期間において、ヒータ電力Whを目標値Whrefにフィードバック制御する。ヒータ電力Whのフィードバック手順を図34を用いて簡単に説明すれば、
・先ず、ヒータ電力Whを前回値「Wh0」とし(ステップ801)、
・ヒータ電力Whの今回値を検出し(ステップ802)、
・比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを、
Gp=Kp・(Whref−Wh)
Gi=Gi+Ki・(Whref−Wh)
Gd=Kd・(Wh0−Wh)
として求め(ステップ803)、
・比例項Gp,積分項Gi,微分項Gdを加算してデューティ比DUTYを算出する(ステップ804)。このとき、ヒータ電力Whの変化速度(センサ素子部60の昇温率に相当)が所定の最大値を越えないようにガードしておくとよい。
【0130】
但しこの場合、ヒータ電力Whはヒータ電圧Vhとヒータ電流Ihとの積で求められる。ヒータ電力Whに代えて、IGオン時からのヒータ電力積算値を用いることも可能である。上記構成においても、センサの昇温特性を良好に維持し、且つ素子割れなどの不具合が抑制できるようになる。
【0131】
(別の形態4)
上記第1〜第3の実施の形態では、センサ活性後においてそれまでのセンサ素子の昇温率(昇温速度)に応じたヒータ制御に代えて素子温一定(素子抵抗一定)のフィードバック制御を実施していたが、これを変更する。例えばセンサ活性後においても、センサ素子の昇温率に応じたヒータ制御を継続して実施するようにしてもよい。
【0132】
(別の形態5)
A/Fセンサ30の素子抵抗検出に際し、上記各実施の形態では「交流素子抵抗ZAC」を検出したが、これを変更し、「直流素子抵抗Ri」を検出する。具体的には、前記図12(図10のステップ130)に代えて、図35のRi検出ルーチンを実行する。すなわち図35において、マイコン20は、先ずステップ901でセンサ素子部60に負の電圧Vnを印加する。この電圧Vnの値は限界電流発生域にかからない抵抗支配域の電圧であり、具体的にはVn=−0.3〜−1〔ボルト〕程度とする。また、マイコン20は、電圧切り換え直後のピーク電流が完全に収束する時間t1(数10ms〜数100ms)だけ待った後(ステップ902)、ステップ903で電流値Inを検出する。
【0133】
その後、マイコン20は、ステップ904で印加電圧を負の電圧Vnから元の正の電圧Vpに戻す。また、マイコン20は、電圧切り換え直後のピーク電流が完全に収束する時間t2(数10ms〜数100ms)だけ待った後(ステップ905)、ステップ906で前記負の電圧Vnと前記電流値In(負の電流値)とからその時の直流素子抵抗Riを算出する(Ri=Vn/In)。
【0134】
上記の如く直流素子抵抗を検出する場合、所定の周波数域の単発的な交流電圧をセンサ素子部60に印加するための構成が不要となり、前記図1のLPF22が省略できる。
【0135】
(別の形態6)
A/Fセンサの構成を変更する。上記実施の形態では、図3に説明したように、ガス拡散抵抗層62をガス透過層62aとガス遮蔽層62bとの二層で構成したが、このうちガス遮蔽層62bを省略した構成としてもよい。また、上記実施の形態では、積層型A/Fセンサに具体化したが、コップ型A/Fセンサに具体化してもよい。
【0136】
(別の形態7)
上記実施の形態では、酸素濃度(空燃比)に応じたリニアな限界電流値を出力するA/Fセンサに本発明を具体化したが、これを変更する。例えば空燃比がリッチかリーンかに応じて異なる電圧信号を出力するO2 センサに具体化してもよい。また、排ガス中のNOx 濃度を検出するNOx センサや、NOx ,HC,O2 などの各種成分を検出する、いわゆる複合型センサに具体化してもよい。またさらに、排ガス以外のガス成分濃度を測定する装置にも適用できる。
【0137】
(別の形態8)
上記各実施の形態では、デューティ比DUTYに補正値FKや学習値FLRNで補正する構成としたが(前記図13のステップ144,146)、この補正の処理を省略して具体化してもよい。
【0138】
(別の形態9)
上記各実施の形態では、各種のフィードバック制御の実施に際し、PID制御を実施したが、PI制御やP制御など他の制御に変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における空燃比制御システムの概要を示す全体構成図。
【図2】A/Fセンサの全体構成を示す断面図。
【図3】センサ素子部の断面図。
【図4】センサ素子部を構成する各部材の分解斜視図。
【図5】A/Fセンサの電圧−電流特性図。
【図6】A/Fセンサの限界電流値と空燃比との関係を示すグラフ。
【図7】バイアス制御回路の詳細な構成を示す電気回路図。
【図8】ヒータ制御回路の詳細な構成を示す電気回路図。
【図9】空燃比検出装置の動作説明のためのタイムチャート。
【図10】空燃比検出装置内のマイコンによるメインルーチンを示すフローチャート。
【図11】A/Fの検出手順を示すフローチャート。
【図12】素子抵抗ZACの検出手順を示すフローチャート。
【図13】ヒータ通電の制御手順を示すフローチャート。
【図14】素子温変化速度ΔTsのフィードバック制御手順を示すフローチャート。
【図15】素子抵抗ZACのフィードバック制御手順を示すフローチャート。
【図16】素子抵抗ZACの検出時におけるセンサ電圧とセンサ電流とを示す波形図。
【図17】素子抵抗と素子温との関係を示すグラフ。
【図18】補正値FK1〜FK4を求めるための図。
【図19】第1の学習ルーチンを示すフローチャート。
【図20】第2の学習ルーチンを示すフローチャート。
【図21】第3の学習ルーチンを示すフローチャート。
【図22】学習値FLRN1〜FLRN3を求めるための図。
【図23】活性判定の様子を示すタイムチャート。
【図24】F/C時の印加電圧Vfとセンサ電流Ifとを示す図。
【図25】第2の実施の形態において、動作説明のためのタイムチャート。
【図26】第2の実施の形態において、ヒータ通電の制御手順を示すフローチャート。
【図27】第2の実施の形態において、温度差ΔThsのフィードバック制御手順を示すフローチャート。
【図28】ヒータ抵抗とヒータ温との関係を示すグラフ。
【図29】第3の実施の形態において、動作説明のためのタイムチャート。
【図30】第3の実施の形態において、ヒータ通電の制御手順を示すフローチャート。
【図31】第3の実施の形態において、ヒータ抵抗変化速度ΔRhのフィードバック制御手順を示すフローチャート。
【図32】第3の実施の形態において、ヒータ抵抗Rhのフィードバック制御手順を示すフローチャート。
【図33】素子温Tsに応じて素子温変化速度の目標値ΔTsrefを設定するための図。
【図34】ヒータ電力Whのフィードバック制御手順を示すフローチャート。
【図35】素子抵抗Riの検出手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、15…空燃比検出装置、20…マイコン(マイクロコンピュータ)、20a…バックアップメモリ、25…ヒータ制御回路、30…A/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)、40…バイアス制御回路、50…電流検出回路、60…センサ素子部、61…固体電解質、64…ヒータ、64a…発熱体、+B…バッテリ電源。
Claims (12)
- 固体電解質を用いたセンサ素子を有し、被測定ガスの特定成分濃度を測定するセンサと、
電源電圧の通電により発熱し、前記センサ素子を所定の活性温度に加熱するためのヒータと、
前記センサ素子の昇温率に応じて前記ヒータへの通電量を制御するヒータ制御手段と
を備えることを特徴とするガス成分濃度測定装置。 - 前記センサ素子の素子温又は素子抵抗を検出すると共に、その変化速度を算出する手段を備え、
前記ヒータ制御手段は、前記算出した素子温又は素子抵抗の変化速度に応じてヒータ通電量を制御する請求項1に記載のガス成分濃度測定装置。 - 前記センサ素子の温度と前記ヒータの温度とを検出すると共に、これら素子温とヒータ温との差を算出する手段を備え、
前記ヒータ制御手段は、前記算出した素子温とヒータ温との差が目標温度差となるようにヒータ通電量をフィードバック制御する請求項1に記載のガス成分濃度測定装置。 - 前記センサ素子が冷間状態から昇温される際に素子抵抗が検出可能になるまでの期間において、前記ヒータ制御手段は、素子温又は素子抵抗の変化速度をオープン制御する請求項2又は請求項3に記載のガス成分濃度測定装置。
- 前記ヒータの温度又はヒータ抵抗を検出すると共に、そのヒータ温又はヒータ抵抗の変化速度を算出する手段を備え、
前記ヒータ制御手段は、前記算出したヒータ温又はヒータ抵抗の変化速度に応じてヒータ通電量を制御する請求項1に記載のガス成分濃度測定装置。 - 前記センサの昇温時であるか又は昇温後の定常時であるかを判別し、昇温後の定常時であれば、素子温を目標温度に一致させるようフィードバック制御を実施する請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置。
- 前記センサ素子の昇温率が所定の許容レベルを超えると、ヒータ通電量を制限する請求項1〜請求項6のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置。
- 前記センサの冷間状態から活性化までの所要時間に応じて前記ヒータの通電量を補正する請求項1〜請求項7のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置。
- エンジンの空燃比制御装置に適用されるものであって、
前記エンジンへの燃料カット時において、前記固体電解質への印加電圧の変化に対して同固体電解質への流入電流が変化しない電圧域を含んだ電圧−電流特性を有する前記センサの抵抗支配領域に電圧を印加してその時のセンサ電流値から内部抵抗を検出し、該検出した内部抵抗に基づき前記ヒータの通電量を補正する請求項1〜請求項8のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置。 - エンジンの空燃比制御装置に適用されるものであって、
前記エンジンの定常運転時におけるヒータ通電量と、予め設定されているヒータ通電量の標準値との差に応じて前記ヒータの通電量を補正する請求項1〜請求項9のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置。 - 請求項8〜請求項10のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置において、
前記補正に関する値を学習値としてバックアップメモリに随時記憶し、前記ヒータ制御手段はバックアップメモリに記憶された学習値を読み出してヒータ制御に使用するガス成分濃度測定装置。 - 前記センサは、固体電解質を有するセンサ素子にヒータを積層して配置し、固体電解質とヒータとを一体化してなる請求項1〜請求項11のいずれかに記載のガス成分濃度測定装置。
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