JPH10110174A - 高分子廃棄物熱分解油の安定化方法 - Google Patents
高分子廃棄物熱分解油の安定化方法Info
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- JPH10110174A JPH10110174A JP28470196A JP28470196A JPH10110174A JP H10110174 A JPH10110174 A JP H10110174A JP 28470196 A JP28470196 A JP 28470196A JP 28470196 A JP28470196 A JP 28470196A JP H10110174 A JPH10110174 A JP H10110174A
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- Japan
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- pyrolysis oil
- pyrolysis
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高分子廃棄物の熱分解により得られた熱分解
油を安定化し、高品質の油に変換する方法を提供する。 【解決手段】 高分子廃棄物熱分解油を酸化処理するこ
とを特徴とする高分子廃棄物熱分解油の安定化方法。
油を安定化し、高品質の油に変換する方法を提供する。 【解決手段】 高分子廃棄物熱分解油を酸化処理するこ
とを特徴とする高分子廃棄物熱分解油の安定化方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子廃棄物熱分
解油の安定化方法に関するものである。
解油の安定化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロ
ピレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビ
ニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)及びA
BS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共
重合体)は汎用プラスチックとして広く用いられてい
る。従って、高分子廃棄物の大部分はこれらのプラスチ
ックからなる。現在のところ、高分子廃棄物の大部分
は、再利用されることなく、焼却処理や埋立て処理され
ているが、このような処理は、省資源の点から望ましい
ものではない。これまでにも、高分子廃棄物を再利用す
るために各種の方法が提案されており、その代表的方法
の1つとして、熱分解して油化する方法(熱分解油化
法)が知られている。この方法は、高分子廃棄物を触媒
の存在下又は非存在下で高温に加熱することにより、分
解油を生成させる方法である。このような熱分解油化法
としては、例えば、特公昭60−14067号公報、特
公昭60−14068号公報、特公昭60−15674
号公報、特公昭63−13804号公報、特開昭63−
178195号公報、特開平2−29492号公報、特
開平3−86791号公報、特開平4−180995号
公報、特開平3−86790号公報、特開平5−222
377号公報、特開平6−128568号公報等に記載
されている。ところで、熱分解油化法により得られた熱
分解油は、その高分子廃棄物を熱分解する際の高温の熱
履歴を受けていることから、安定性の非常に悪いもので
あり、長時間の貯留後には、不溶物(スラッジ)が生成
し、また色相も悪化し、品質の悪い油となってしまうと
いう問題が生じた。
ピレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビ
ニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)及びA
BS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共
重合体)は汎用プラスチックとして広く用いられてい
る。従って、高分子廃棄物の大部分はこれらのプラスチ
ックからなる。現在のところ、高分子廃棄物の大部分
は、再利用されることなく、焼却処理や埋立て処理され
ているが、このような処理は、省資源の点から望ましい
ものではない。これまでにも、高分子廃棄物を再利用す
るために各種の方法が提案されており、その代表的方法
の1つとして、熱分解して油化する方法(熱分解油化
法)が知られている。この方法は、高分子廃棄物を触媒
の存在下又は非存在下で高温に加熱することにより、分
解油を生成させる方法である。このような熱分解油化法
としては、例えば、特公昭60−14067号公報、特
公昭60−14068号公報、特公昭60−15674
号公報、特公昭63−13804号公報、特開昭63−
178195号公報、特開平2−29492号公報、特
開平3−86791号公報、特開平4−180995号
公報、特開平3−86790号公報、特開平5−222
377号公報、特開平6−128568号公報等に記載
されている。ところで、熱分解油化法により得られた熱
分解油は、その高分子廃棄物を熱分解する際の高温の熱
履歴を受けていることから、安定性の非常に悪いもので
あり、長時間の貯留後には、不溶物(スラッジ)が生成
し、また色相も悪化し、品質の悪い油となってしまうと
いう問題が生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子廃棄
物の熱分解により得られた熱分解油を安定化し、高品質
の油に変換する方法を提供することをその課題とする。
物の熱分解により得られた熱分解油を安定化し、高品質
の油に変換する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、意外にも、前記熱
分解油を酸化処理することによってその課題を解決し得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明によれば、高分子廃棄物熱分解油を酸化処理するこ
とを特徴とする高分子廃棄物熱分解油の安定化方法が提
供される。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、意外にも、前記熱
分解油を酸化処理することによってその課題を解決し得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明によれば、高分子廃棄物熱分解油を酸化処理するこ
とを特徴とする高分子廃棄物熱分解油の安定化方法が提
供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる被処理原料油は、
高分子廃棄物を、触媒の存在下又は非存在下で、高温で
熱分解することによって得られた熱分解油である。この
場合の高分子廃棄物には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン系プラスチック、ポリスチレン等
のポリスチレン系プラスチック、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等の含ハロゲンプラスチック、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル系プラスチック、
ナイロン等のポリアミド系プラスチック、ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル系プラスチック、ABS樹
脂、AS樹脂、AES樹脂等のアクリロニトリル系プラ
スチック等の各種のプラスチックからなる廃棄物及びS
BR、BR、IR、NBR、アクリルゴム等の各種のゴ
ムからなる廃棄物、特に廃タイヤ等が包含される。本発
明においては、熱分解により油性液体を与える高分子廃
棄物であれば、任意のものが使用可能である。
高分子廃棄物を、触媒の存在下又は非存在下で、高温で
熱分解することによって得られた熱分解油である。この
場合の高分子廃棄物には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン系プラスチック、ポリスチレン等
のポリスチレン系プラスチック、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等の含ハロゲンプラスチック、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル系プラスチック、
ナイロン等のポリアミド系プラスチック、ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル系プラスチック、ABS樹
脂、AS樹脂、AES樹脂等のアクリロニトリル系プラ
スチック等の各種のプラスチックからなる廃棄物及びS
BR、BR、IR、NBR、アクリルゴム等の各種のゴ
ムからなる廃棄物、特に廃タイヤ等が包含される。本発
明においては、熱分解により油性液体を与える高分子廃
棄物であれば、任意のものが使用可能である。
【0006】高分子廃棄物の熱分解処理するための方法
としては、従来公知の各種の方法を採用することがで
き、特に制約されない。この場合の熱分解温度は、その
高分子廃棄物の種類にもよるが、通常、300℃以上、
好ましくは350〜500℃、より好ましくは380〜
450℃である。この熱分解は、触媒の存在下で行うこ
とができ、その触媒としては、アルミナ/酸化鉄、珪酸
/酸化鉄、ゼオライト/酸化鉄、ゼオライト等が挙げら
れる。
としては、従来公知の各種の方法を採用することがで
き、特に制約されない。この場合の熱分解温度は、その
高分子廃棄物の種類にもよるが、通常、300℃以上、
好ましくは350〜500℃、より好ましくは380〜
450℃である。この熱分解は、触媒の存在下で行うこ
とができ、その触媒としては、アルミナ/酸化鉄、珪酸
/酸化鉄、ゼオライト/酸化鉄、ゼオライト等が挙げら
れる。
【0007】高分子廃棄物の熱分解により生成した熱分
解油は、通常、蒸留処理に付され、軽質油や、粗燃料
油、重質油等の沸点の異った留分に分別される。本明細
書における熱分解油とは、熱分解により直接得られた熱
分解油の他、その熱分解油を蒸留して得られる分別留分
を包含するものである。このような熱分解油は、高分子
廃棄物の熱分解処理に際しての高温の熱覆歴を受けてい
ることから、非常に安定性の悪いものであり、長時間貯
留していると、その色相は悪くなり、また、微細な不溶
物(スラッジ)が析出してくる。
解油は、通常、蒸留処理に付され、軽質油や、粗燃料
油、重質油等の沸点の異った留分に分別される。本明細
書における熱分解油とは、熱分解により直接得られた熱
分解油の他、その熱分解油を蒸留して得られる分別留分
を包含するものである。このような熱分解油は、高分子
廃棄物の熱分解処理に際しての高温の熱覆歴を受けてい
ることから、非常に安定性の悪いものであり、長時間貯
留していると、その色相は悪くなり、また、微細な不溶
物(スラッジ)が析出してくる。
【0008】本発明においては、その熱分解油の安定性
を向上させ、高品質の油に変換させるために、熱分解油
を酸化処理する。この酸化処理は、酸化剤と熱分解油を
接触させることによって実施される。酸化剤と接触させ
る熱分解油は液体であってもよいし気体であってもよ
い。酸化剤としては、酸素、オゾン、過酸化水素及びそ
れら酸化剤の少なくとも1種を含むガス等が用いられ
る。熱分解油と酸化剤との接触方法としては、各種の方
法があり、例えば、熱分解油中に酸化剤をガス状で吹込
む方法、固体粒子からなる充填層に酸化剤と熱分解油を
導入し、両者を向流的又は並流的に接触させる方法、固
体粒子を分散させた熱分解油中に酸化剤を吹込む方法、
ガス状熱分解油とガス状酸化剤とを固体粒子を含む固定
床や流動床において接触させる方法、熱分解油を筒体の
内壁面に沿って液膜状で流下させるとともに、この筒体
内に酸化剤を導入して、その流下液膜と向流的又は並流
的に接触させる方法等が挙げられる。前記熱分解油と酸
化剤との接触を促進させる固体粒子としては、シリカ、
アルミナ、シリカーアルミナ、ジルコニア、チタニア、
ゼオライト等の各種の無機粒子が挙げられるが、これら
の粒子は酸化触媒用金属成分、例えば、NiやCo、F
e、Cu等の遷移金属を含有することができる。
を向上させ、高品質の油に変換させるために、熱分解油
を酸化処理する。この酸化処理は、酸化剤と熱分解油を
接触させることによって実施される。酸化剤と接触させ
る熱分解油は液体であってもよいし気体であってもよ
い。酸化剤としては、酸素、オゾン、過酸化水素及びそ
れら酸化剤の少なくとも1種を含むガス等が用いられ
る。熱分解油と酸化剤との接触方法としては、各種の方
法があり、例えば、熱分解油中に酸化剤をガス状で吹込
む方法、固体粒子からなる充填層に酸化剤と熱分解油を
導入し、両者を向流的又は並流的に接触させる方法、固
体粒子を分散させた熱分解油中に酸化剤を吹込む方法、
ガス状熱分解油とガス状酸化剤とを固体粒子を含む固定
床や流動床において接触させる方法、熱分解油を筒体の
内壁面に沿って液膜状で流下させるとともに、この筒体
内に酸化剤を導入して、その流下液膜と向流的又は並流
的に接触させる方法等が挙げられる。前記熱分解油と酸
化剤との接触を促進させる固体粒子としては、シリカ、
アルミナ、シリカーアルミナ、ジルコニア、チタニア、
ゼオライト等の各種の無機粒子が挙げられるが、これら
の粒子は酸化触媒用金属成分、例えば、NiやCo、F
e、Cu等の遷移金属を含有することができる。
【0009】熱分解油の酸化処理温度及び圧力は特に制
約されず、酸化処理の方式及びその処理条件に応じて適
宜選定すればよい。一般的には、酸化処理温度及び圧力
は、熱分解油が液相ないし気相を示す温度及び圧力条件
であればよい。熱分解油を液相条件で酸化剤と接触させ
る場合、その反応温度は常温〜300℃、好ましくは5
0〜200℃であり、その処理圧は常圧、加圧又は液圧
である。熱分解油を気相条件で酸化剤と接触させる場
合、その反応温度は、熱分解油が気相を示す温度であ
り、通常、300℃以上、好ましくは380〜500℃
程度であり、その処理圧は常圧、加圧又は減圧である。
熱分解油の処理(反応)時間は、酸化処理の方式、その
処理条件及び目的とする処理程度で異なるが、通常、1
分以上、好ましくは5分以上である。熱分解油の一部又
は全部が気相を示す温度及び圧力条件下では、熱分解油
と酸化剤との接触が非常に良くなるため、反応時間は短
くてよく、0.5秒以上、好ましくは1秒以上でよい。
約されず、酸化処理の方式及びその処理条件に応じて適
宜選定すればよい。一般的には、酸化処理温度及び圧力
は、熱分解油が液相ないし気相を示す温度及び圧力条件
であればよい。熱分解油を液相条件で酸化剤と接触させ
る場合、その反応温度は常温〜300℃、好ましくは5
0〜200℃であり、その処理圧は常圧、加圧又は液圧
である。熱分解油を気相条件で酸化剤と接触させる場
合、その反応温度は、熱分解油が気相を示す温度であ
り、通常、300℃以上、好ましくは380〜500℃
程度であり、その処理圧は常圧、加圧又は減圧である。
熱分解油の処理(反応)時間は、酸化処理の方式、その
処理条件及び目的とする処理程度で異なるが、通常、1
分以上、好ましくは5分以上である。熱分解油の一部又
は全部が気相を示す温度及び圧力条件下では、熱分解油
と酸化剤との接触が非常に良くなるため、反応時間は短
くてよく、0.5秒以上、好ましくは1秒以上でよい。
【0010】熱分解油中に酸化剤を吹込む方法において
は、ガス状酸化剤を、ガス噴出孔を介して熱分解油中に
吹込めばよい。ガス噴出孔は、ノズルにおけるガス噴出
孔や、パイプの管壁に形成した多数の透孔等であること
ができる。熱分解油中にガス噴出孔を介して酸化剤を噴
出させると、その噴出ガスは、熱分解油中に気泡として
分散され、この分散された気泡は熱分解油との接触下で
上昇して、熱分解油の表面から外部へ放散される。この
場合、熱分解油は、そのガスの噴出力により撹拌される
ので、特に撹拌機による撹拌は必要とされないが、熱分
解油と気泡との接触効率を高めるために、撹拌機による
撹拌を併用するのが好ましい。
は、ガス状酸化剤を、ガス噴出孔を介して熱分解油中に
吹込めばよい。ガス噴出孔は、ノズルにおけるガス噴出
孔や、パイプの管壁に形成した多数の透孔等であること
ができる。熱分解油中にガス噴出孔を介して酸化剤を噴
出させると、その噴出ガスは、熱分解油中に気泡として
分散され、この分散された気泡は熱分解油との接触下で
上昇して、熱分解油の表面から外部へ放散される。この
場合、熱分解油は、そのガスの噴出力により撹拌される
ので、特に撹拌機による撹拌は必要とされないが、熱分
解油と気泡との接触効率を高めるために、撹拌機による
撹拌を併用するのが好ましい。
【0011】熱分解油中に酸素ガス又は酸素含有ガスを
吹込む場合、その吹込み量は、1時間当り及び分解油1
リットル当り、酸素重量で2g以上,好ましくは4〜2
0gである。酸素ガス又は酸素含有ガスの吹込み時間
は、処理温度によって異なるが、通常、1分以上、好ま
しくは5分以上である。
吹込む場合、その吹込み量は、1時間当り及び分解油1
リットル当り、酸素重量で2g以上,好ましくは4〜2
0gである。酸素ガス又は酸素含有ガスの吹込み時間
は、処理温度によって異なるが、通常、1分以上、好ま
しくは5分以上である。
【0012】本発明により酸化処理した熱分解油は、安
定性の向上したものであり、長時間貯留しても、その色
相が悪化したり、スラッジが析出するようなことはな
い。また、熱分解油中にスラッジが含まれる場合、酸化
処理により、そのスラッジは可溶化され、消失ないし減
少する。酸化処理により熱分解油の安定性が高められる
メカニズムは、未だ明確には解明されていないが、熱分
解油中に含まれる不安定物質が酸素と結合して安定物質
に変換されるものと考えられる。このような現象は、本
発明者らが初めて見出した予想外のものである。
定性の向上したものであり、長時間貯留しても、その色
相が悪化したり、スラッジが析出するようなことはな
い。また、熱分解油中にスラッジが含まれる場合、酸化
処理により、そのスラッジは可溶化され、消失ないし減
少する。酸化処理により熱分解油の安定性が高められる
メカニズムは、未だ明確には解明されていないが、熱分
解油中に含まれる不安定物質が酸素と結合して安定物質
に変換されるものと考えられる。このような現象は、本
発明者らが初めて見出した予想外のものである。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 高分子廃棄物として、PE(ポリエチレン):42wt
%、ポリプロピレン(PP):21wt%、ポリスチレ
ン(PS):20wt%。ポリ塩化ビニル(PVC):
7wt%、ポリ塩化ビニリデン(PVDC):2wt
%、ポリエチレンテレフタレート(PET):4wt%
及びABS樹脂:4wt%からなる混合物を用いた。こ
の高分子廃棄物を400℃及び常圧の条件で6時間加熱
して熱分解油を得た。このようにして得た熱分解油の性
状を表1に示す。この熱分解油は安定性の悪いもので、
ガラスビンに入れて室外に放置すると、すぐにスラッジ
が析出しはじめ、2カ月後にはそのスラッジ量は52w
tppmとなり、またその色相も悪化し、そのASTM
カラー値は8以上となった。
明する。 実施例1 高分子廃棄物として、PE(ポリエチレン):42wt
%、ポリプロピレン(PP):21wt%、ポリスチレ
ン(PS):20wt%。ポリ塩化ビニル(PVC):
7wt%、ポリ塩化ビニリデン(PVDC):2wt
%、ポリエチレンテレフタレート(PET):4wt%
及びABS樹脂:4wt%からなる混合物を用いた。こ
の高分子廃棄物を400℃及び常圧の条件で6時間加熱
して熱分解油を得た。このようにして得た熱分解油の性
状を表1に示す。この熱分解油は安定性の悪いもので、
ガラスビンに入れて室外に放置すると、すぐにスラッジ
が析出しはじめ、2カ月後にはそのスラッジ量は52w
tppmとなり、またその色相も悪化し、そのASTM
カラー値は8以上となった。
【0014】
【表1】
【0015】次に、前記熱分解油350mlをガラス管
容器(内径5cm、長さ:20cm)に入れ、次いで、
内径5mmのガラス細管をその先端が、その熱分解油を
入れたガラス管容器の底部付近に位置するように挿入し
た。この熱分解油の入ったガラス管容器を湯浴中に入れ
て加熱するとともに、、そのガラス細管を介して、酸素
又は空気を3リットル/hの流速で8時間又は16時間
吹込んだ。得られた処理油の性状を表2に示す。なお、
処理油Aは、空気を95℃で8時間吹込んで得られた処
理油、処理油Bは、酸素を95℃で8時間吹込んで得ら
れた処理油、処理油Cは酸素を95℃で16時間吹込ん
で得られた処理油を示す。
容器(内径5cm、長さ:20cm)に入れ、次いで、
内径5mmのガラス細管をその先端が、その熱分解油を
入れたガラス管容器の底部付近に位置するように挿入し
た。この熱分解油の入ったガラス管容器を湯浴中に入れ
て加熱するとともに、、そのガラス細管を介して、酸素
又は空気を3リットル/hの流速で8時間又は16時間
吹込んだ。得られた処理油の性状を表2に示す。なお、
処理油Aは、空気を95℃で8時間吹込んで得られた処
理油、処理油Bは、酸素を95℃で8時間吹込んで得ら
れた処理油、処理油Cは酸素を95℃で16時間吹込ん
で得られた処理油を示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2に示す結果からわかるように、本発明
による酸素ガス又は酸素含有ガスの吹き込む酸化処理に
より、熱分解油中のスラッジを溶化減少させることがで
き、かつその色相を改善することができる。また、本発
明による前記酸化処理を施した熱分解油は、前記のよう
に、そのスラッジ量が減少し、かつ色相が改善されると
ともに、その安定性が大幅に改善されたもので、ガラス
ビンに貯留し、2か月間室外に放置しても、そのスラッ
ジ量及び色相は実質上変化しないことが確認された。即
ち、本発明による酸化処理を受けた熱分解油は、安定性
の向上した高品質油である。
による酸素ガス又は酸素含有ガスの吹き込む酸化処理に
より、熱分解油中のスラッジを溶化減少させることがで
き、かつその色相を改善することができる。また、本発
明による前記酸化処理を施した熱分解油は、前記のよう
に、そのスラッジ量が減少し、かつ色相が改善されると
ともに、その安定性が大幅に改善されたもので、ガラス
ビンに貯留し、2か月間室外に放置しても、そのスラッ
ジ量及び色相は実質上変化しないことが確認された。即
ち、本発明による酸化処理を受けた熱分解油は、安定性
の向上した高品質油である。
【0018】実施例2 高分子廃棄物として、PE:41wt%、PP:23w
t及びPS:36wt%からなる混合物を用いた。この
高分子廃棄物を410℃で4時間熱分解処理して熱分解
油を得た。この熱分解油中に含まれるスラッジ量は5w
tppmであり、そのASTMカラー値は3であった。
この熱分解油をガラスビンに入れて室外に放置すると、
スラッジが析出し、2カ月後にはそのスラッジ量は10
wtppmとなり、また、その色相も悪化し、そのAS
TMカラー値は3.5となった。この熱分解油を実施例
1と同様にして、酸化処理を施した。その結果を表3に
示す。なお、表3に示した処理油Dは、空気を95℃で
8時間吹き込んで得られた処理油、処理油Eは、酸素を
95℃で8時間吹き込んで得られた処理油を示す。
t及びPS:36wt%からなる混合物を用いた。この
高分子廃棄物を410℃で4時間熱分解処理して熱分解
油を得た。この熱分解油中に含まれるスラッジ量は5w
tppmであり、そのASTMカラー値は3であった。
この熱分解油をガラスビンに入れて室外に放置すると、
スラッジが析出し、2カ月後にはそのスラッジ量は10
wtppmとなり、また、その色相も悪化し、そのAS
TMカラー値は3.5となった。この熱分解油を実施例
1と同様にして、酸化処理を施した。その結果を表3に
示す。なお、表3に示した処理油Dは、空気を95℃で
8時間吹き込んで得られた処理油、処理油Eは、酸素を
95℃で8時間吹き込んで得られた処理油を示す。
【0019】
【表3】
【0020】本発明による酸化処理を施した熱分解油
は、表3に示すように、そのスラッジ量が減少し、かつ
色相が改善されるとともに、その安定性が大幅に改善さ
れたもので、ガラスビンに貯留し、2か月間室内に放置
しても、そのスラッジ量及び色相は実質上変化しないこ
とが確認された。即ち、本発明による酸素ガス又は酸化
処理を受けた熱分解油は、熱安定性の向上した高品質油
である。
は、表3に示すように、そのスラッジ量が減少し、かつ
色相が改善されるとともに、その安定性が大幅に改善さ
れたもので、ガラスビンに貯留し、2か月間室内に放置
しても、そのスラッジ量及び色相は実質上変化しないこ
とが確認された。即ち、本発明による酸素ガス又は酸化
処理を受けた熱分解油は、熱安定性の向上した高品質油
である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、高分子廃棄物熱分解油
に酸化処理を施すことにより、その熱分解油の安定性を
大幅に向上させ、高品質の油に変換させることができ
る。
に酸化処理を施すことにより、その熱分解油の安定性を
大幅に向上させ、高品質の油に変換させることができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 高分子廃棄物熱分解油を酸化処理するこ
とを特徴とする高分子廃棄物熱分解油の安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28470196A JPH10110174A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 高分子廃棄物熱分解油の安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28470196A JPH10110174A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 高分子廃棄物熱分解油の安定化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10110174A true JPH10110174A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17681864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28470196A Pending JPH10110174A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 高分子廃棄物熱分解油の安定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10110174A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11999920B2 (en) | 2020-09-14 | 2024-06-04 | Ecolab Usa Inc. | Cold flow additives for plastic-derived synthetic feedstock |
US12031097B2 (en) | 2021-10-14 | 2024-07-09 | Ecolab Usa Inc. | Antifouling agents for plastic-derived synthetic feedstocks |
-
1996
- 1996-10-07 JP JP28470196A patent/JPH10110174A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11999920B2 (en) | 2020-09-14 | 2024-06-04 | Ecolab Usa Inc. | Cold flow additives for plastic-derived synthetic feedstock |
US12031097B2 (en) | 2021-10-14 | 2024-07-09 | Ecolab Usa Inc. | Antifouling agents for plastic-derived synthetic feedstocks |
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