JPH10106564A - 非水系二次電池用正極活物質ニッケル酸リチウムの製造方法及び非水系二次電池 - Google Patents
非水系二次電池用正極活物質ニッケル酸リチウムの製造方法及び非水系二次電池Info
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Abstract
物が均一に混合した混合物を焼成するLiNiO2の製造
方法を提供し、また充放電サイクル特性の良好な非水系
二次電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のLiNiO2の製造方法は、水溶
性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を水に溶解さ
せて水溶液を作製する工程と、前記水溶液に有機酸を添
加する工程と、前記有機酸を添加後の前記水溶液から沈
澱物を濾別する工程と、前記濾別工程によって得られた
前記沈澱物を焼成する工程とから成る。
Description
法、及びそのLiNiO2を正極活物質として用いた非水
系二次電池に関するものである。
LiNiO2の製造方法の一例では、固体の水酸化リチウ
ムと固体の酸化ニッケルとを混合する。まず、その混合
物を600゜C、空気雰囲気で焼成する。そして、焼成
物を粉砕し、再び600゜C〜800゜Cで焼成する。
LiNiO2の製造方法の一例では、固体の硝酸リチウム
と、固体の水酸化ニッケルあるいはオキシ水酸化ニッケ
ルの少なくともいずれか1つとを混合し、500゜C〜
1000゜Cで焼成する。
れるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法の一例
では、ハロゲン化ニッケル、硫酸ニッケル、リン酸ニッ
ケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケルの中から選ばれる少
なくとも1種のニッケル塩による飽和水溶液に、このニ
ッケル塩と等モルの水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭
酸水素リチウムの中から選ばれる少なくとも1種のリチ
ウム塩による飽和水溶液を注加する。この混合物を空気
中又は減圧下において、撹拌混合しながら蒸発乾固さ
せ、得られたケーキ状固形物質を600゜C〜800゜C
で焼成する。
れるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法の一例
では、酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニ
ッケル、炭酸ニッケルの中から選ばれる少なくとも1種
の、水に難溶性又は不溶性のニッケル化合物粉末に、ハ
ロゲン化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、リン
酸リチウム、ホウ酸リチウム、酢酸リチウム、蓚酸リチ
ウムの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩によ
る飽和水溶液を注加して十分に撹拌練合する。この混合
物を空気中あるいは減圧下において、撹拌しながら蒸発
乾固させ、得られたケーキ状固形物質を600゜C〜8
00゜Cで焼成する。
れるLiNiO2の製造方法の一例では、リチウム源とニ
ッケル源において、リチウム源中のリチウムのモル量と
ニッケル源中のニッケルのモル量との比が1:1になる
ように混合する。このとき、分散媒として少量の水を加
える。この混合物を乾燥させ、650゜C〜800゜Cで
焼成する。
2−40861号公報及び特開平5−251079号公
報におけるLiNiO2の製造方法では、固体の状態でリ
チウム化合物とニッケル化合物を混合させるので、これ
らは均一に混ざり合っていない。
るリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法では、水
溶液の状態でリチウム化合物とニッケル化合物を混合さ
せるが、混合水溶液の乾燥固化の際、それぞれの溶質の
溶解度が異なるので溶質の析出が同時に起こらない。し
たがって、得られるケーキ状固形物質ではリチウム化合
物とニッケル化合物が均一に混ざり合っていない。
開平6−96769号公報におけるLiNiO2の製造方
法では、分散媒としてリチウム化合物水溶液や水を用い
て混合するが、混合物を乾燥させる際、分散媒に溶解し
ていた物質が均一に析出しない。したがって、得られた
物質はリチウム化合物とニッケル化合物が十分に混合さ
れたものではない。
iNiO2を正極活物質に用いた非水系二次電池は、充放
電サイクル数の増加に伴って放電容量は著しく低下し、
電極の劣化が早い。
合物が均一に混合した混合物を焼成するLiNiO2の製
造方法を提供し、また充放電サイクル特性の良好な非水
系二次電池を提供することを目的とする。
に、請求項1の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2
の製造方法は、まず水溶性リチウム化合物と水溶性ニッ
ケル化合物を水に溶解させて水溶液を作製する。次に、
この水溶液に有機酸を添加して、リチウム化合物とニッ
ケル化合物から成る沈澱物を生成させる。生成した沈澱
物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別する。得られた
沈澱物を乾燥させた後、焼成する。
ル化合物の水溶液に有機酸を添加することで、リチウム
化合物とニッケル化合物を共沈させる。共沈反応によっ
て、沈澱物中のリチウム化合物とニッケル化合物は均一
に混合された状態にある。
iNiO2の製造方法は、まず水溶性リチウム化合物と水
溶性ニッケル化合物を水に溶解させて水溶液を作製す
る。次に、この水溶液に有機酸を添加して、リチウム化
合物とニッケル化合物から成る沈澱物を生成させる。生
成した沈澱物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別す
る。得られた沈澱物を乾燥させた後、焼成する。
ル化合物の水溶液に有機酸を添加することで、リチウム
化合物とニッケル化合物を共沈させる。共沈反応によっ
て、沈澱物中のリチウム化合物とニッケル化合物は、均
一に混合された状態にある。
iNiO2の製造方法は、請求項1又は請求項2の非水系
二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、
水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を溶解し
た水溶液中の、ニッケルイオンのモル量に対するリチウ
ムイオンのモル量の比を1以上とする。これよって、共
沈する沈澱物中のリチウム化合物とニッケル化合物は均
一に混合された状態となる。
iNiO2の製造方法は、請求項1又は請求項2の非水系
二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、
有機酸として蓚酸を用いる。蓚酸は他の有機酸より水溶
液に溶解しやすく、またリチウム化合物とニッケル化合
物を共沈させやすい。
iNiO2の製造方法は、請求項1又は請求項2の非水系
二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、
焼成における温度を500゜C〜1000゜Cとする。ま
た、請求項6の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2
の製造方法は、請求項1又は請求項2の非水系二次電池
用正極活物質LiNiO2の製造方法において、酸素の体
積割合が20%以上の雰囲気で焼成を行う。これらの条
件で焼成することにより、LiNiO2の結晶は十分に成
長し、焼成後の不純物の残存量は少なくなる。
iNiO2の製造方法は、請求項2の非水系二次電池用正
極活物質LiNiO2の製造方法において、硝酸リチウ
ム、酢酸リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、
酸化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチウム、塩化リチ
ウム、臭化リチウム、過酸化リチウムのいずれか1つを
添加するリチウム化合物として用いる。これらのリチウ
ム化合物は、焼成後不純物として残存しにくい。
iNiO2の製造方法は、請求項2の非水系二次電池用正
極活物質LiNiO2の製造方法において、共沈した沈澱
物にリチウム化合物を添加し、その沈澱物中のニッケル
のモル量に対するリチウムのモル量の比を1〜1.3に
調整する。これによって、得られたLiNiO2を正極に
用いた電池は、充放電サイクル数が増加しても放電容量
の著しい減少は起こりにくい。
iNiO2の製造方法は、請求項1又は請求項2の非水系
二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、
水溶性のリチウム化合物として硫酸リチウム、硝酸リチ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、
酢酸リチウムのいずれか1つを用いることを特徴とす
る。これらのリチウム化合物は、経済的に好適である。
LiNiO2の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載
の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法に
おいて、水溶性のニッケル化合物として、硫酸ニッケ
ル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ
化ニッケル、酢酸ニッケルのいずれか1つを用いること
を特徴とする。これらのリチウム化合物は、経済的に好
適である。
非水系二次電池は、請求項1乃至請求項10のいずれか
1つのLiNiO2の製造方法により製造されたLiNiO2
を正極活物質として正極に用いる。
方法を詳細に説明する。図1は本発明に係るLiNiO2
の製造方法を示した図である。ステップ#5では、水溶
性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を水に溶解さ
せて、水溶液を作製する。リチウム化合物として、硝酸
リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸水素リチウム、水
酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、
酢酸リチウム、硫化リチウム、硫酸リチウム、窒化リチ
ウム、過酸化リチウム等がある。特に、水溶性のリチウ
ム化合物は、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウ
ム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸リチウムを用
いるのが経済的に好ましい。
ッケル化合物であればよいが、硫酸ニッケル、硝酸ニッ
ケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、
酢酸ニッケルを用いるのが経済的に好ましい。
ウム化合物を水で溶解、混合する。このときの原料のニ
ッケル及びリチウムの濃度は、溶解する化合物により異
なる。更に、リチウムとニッケルのモル比(リチウム/
ニッケル)は添加する有機酸により異なるが、1以上2
0以下が良い。リチウムとニッケルのモル比(リチウム
/ニッケル)が20を越えると経済的に問題があり、1
より低いとリチウムとニッケルが均一に共沈しない。経
済性、均一性、焼成後の結晶性を考えるとより好ましく
は1.5以上10以下、更に容量を考慮すると、好まし
くは2以上10以下である。
した水溶液に有機酸を添加することで、リチウム化合物
とニッケル化合物を共沈させる。共沈反応によって生成
した沈澱物中のリチウム化合物と、ニッケル化合物は均
一に混合された状態にある。また、有機酸として蓚酸、
マロン酸、マレイン酸、リンゴ酸、プロピオン酸、コハ
ク酸、クエン酸、シトマラル酸、酒石酸、乳酸、ピルビ
ン酸、フマル酸等がある。蓚酸は他の有機酸に比べて、
溶解度、共沈性の面で好ましい。
溶解した水溶液中に、上記に記載した有機酸を加えるこ
とにより共沈させることができる。有機酸を加えると
き、有機酸が水に溶解する場合は、リチウム化合物とニ
ッケル化合物を溶解した水溶液中に、水溶液の状態で加
えてもよい。或いは、有機酸が水に溶解する、しないに
拘らず、固体の状態又は液体の状態で加えてもよい。水
溶液或いは液体で加えることにより、均一な微粒子が形
成されるため好ましい。また、固体で加えることによ
り、共沈反応を制御しやすくなるためこの方法も好まし
い。
過、遠心分離等で濾別する。そして、ステップ#20で
は濾別により得られた沈澱物を乾燥させる。この乾燥し
た沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/
ニッケル)が1〜1.3であれば、ステップ#30にて
焼成を行う。
#25においてこの沈澱物にリチウム化合物を添加し、
リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を
1〜1.3に調整する。このモル比を1〜1.3に調整す
ることで、得られたLiNiO 2を正極に用いた電池は、
充放電サイクル数が増加しても放電容量の著しい減少は
起こりにくい。リチウムとニッケルのモル比(リチウム
/ニッケル)が1〜1.3になるように調整しないと、
焼成後結晶性が悪い、容量が少ない、或いは不純物が多
く混在している等の問題点が生じる。
化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチ
ウム、蓚酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、過
酸化リチウムのうち、少なくとも1つをステップ#25
で添加するリチウム化合物として用いる。これらのリチ
ウム化合物は、焼成後不純物として残存しにくく、また
安全性の面からも好ましい。
澱物、或いは沈澱物に更にリチウム化合物を混合調整し
たものを焼成する。焼成は500゜C〜1000゜Cの温
度で、且つ酸素が20%〜100%の雰囲気、1時間〜
1週間の時間範囲で焼成されることが好ましい。更に、
結晶成、経済性の観点から、600゜C〜900゜Cの温
度で、酸素が70〜100%の雰囲気、1時間〜3日の
時間範囲で焼成されることが好ましい。特に、電極特性
的に650゜C〜900゜Cの温度で、酸素が80%〜1
00%の雰囲気で焼成されることが好ましい。この範囲
外では結晶性が悪い、容量が少ない、或いは不純物が多
く混在している等の問題点がある。
によって得られたLiNiO2を正極活物質として正極に
用いた非水系二次電池について説明する。ただし、非水
系二次電池の作製方法はこれに限られるものではない。
合によっては、固体電解質等を混合した合材を用いて形
成される。導電材としては、カーボンブラック、アセチ
レンブラック、ケッチェンブラック等の炭素類、黒鉛粉
末(天然黒鉛、人造黒鉛)、金属粉末、金属繊維等を用
いることができるが、これに限定されるものではない。
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポ
リマー等のポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジ
エンゴム等を用いることができるが、これに限定される
ものではない。
て、導電材を1〜50重量部、結着材を1〜30重量部
とすることができる。導電材が1重量部より小さいと、
電極の抵抗或いは分極等が大きくなり、放電容量が小さ
くなるため、実用的な二次電池が作製できない。導電材
が50重量部より多い(混合する導電材の種類により重
量部は変わる)と、電極内に含まれる活物質量が減るた
め、正極としての放電容量が小さくなる。結着材は1重
量部より小さいと結着能力が無くなってしまい、30重
量部より大きいと、導電材の場合と同様に、電極内に含
まれる活物質量が減り、更に上記に記載の如く電極の抵
抗或いは分極等が大きくなり、放電容量が小さくなるた
め実用的ではない。
ト状にする方法、或いは混合物に適当な溶剤を添加した
ペーストを集電体上に塗布し、乾燥、圧延してシート状
にする方法があるが、これに限定されない。また、正極
には電子の授受を担う集電体が設けられる。この集電体
としては金属単体、合金、炭素等を用いる。例えば、チ
タン、アルミニウム、ステンレス鋼等がある。また、
銅、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、チ
タン、銀を処理させたもの、これらの材料の表面を酸化
したものも用いられる。特に、アルミニウム、ステンレ
ス鋼がコストの面で好ましい。その形状は箔の他、フィ
ルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多
孔質体、発泡体、繊維群の成形体等である。厚みは1μ
m〜1mmのものが用いられるが、特に限定はされない。
びリチウムを吸蔵・放出可能な物質を用いる。例えば、
リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム
/スズ合金、リチウム/鉛合金、ウッド合金等リチウム
合金類、更に電気化学的にリチウムイオンをドープ・脱
ドープできる物質、例えば導電性高分子(ポリアセチレ
ン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等)、熱分解
炭素、触媒の存在下で気相熱分解された熱分解炭素、ピ
ッチ、コークス、タール等から焼成した炭素、セルロー
ス、フェノール樹脂等の高分子より焼成した炭素等や、
リチウムイオンのインターカレーション/デインターカ
レーションの可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒
鉛等)、リチウムイオンをドープ・脱ドープできる無機
化合物(WO2、MoO2等)等の物質或いはこれらの複
合体を用いることができる。
触媒存在下で気相熱分解された熱分解炭素、ピッチ、コ
ークス、タール等から焼成した炭素、高分子より焼成し
た炭素等や、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等)
が電池特性、特に安全性の面で好ましい二次電池を作製
することができる。
無機化合物等を用いて負極とする場合、導電材と結着剤
が添加されてもよい。導電材にはカーボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素類、黒
鉛粉末(天然黒鉛、人造黒鉛)、金属粉末、金属繊維等
を用いることができるが、これに限定されるものではな
い。結着剤にはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリ
マー等のポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジエ
ンゴム等を用いることができるが、これに限定されるも
のではない。
体電解質(高分子固体電解質、無機固体電解質)、溶融
塩等を用いることができ、この中でも有機電解液を好適
に用いることができる。有機電解液は、有機溶媒と電解
質から構成される。有機溶媒として非プロトン性有機溶
媒であるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
メチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−
ブチロラクトン等のエステル類、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフ
ラン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエ
タン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等の
エーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチ
ルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチ
ル等が挙げられ、これらのうち1種あるいは2種以上を
混合して用いる。
ッ化リチウム、リンフッ化リチウム、6フッ化砒素リチ
ウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲ
ン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム等のリチウム塩
が挙げられ、これらのうち1種あるいは2種以上を混合
して用いる。上記で選ばれた溶媒に電解質を溶解するこ
とによって電解液を調製する。電解液を調製する際に使
用する溶媒、電解質は上記に掲げたものに限定されな
い。
ハロゲン化物、酸素酸塩等が知られている。例えば、L
i3N、LiI、Li3N−LiI−LiOH、LiSiO4、L
iSiO4−LiI−LiOH,Li3PO4−Li4SiO4、硫
化リン化合物、Li2SiS3等がある。
質の解離を行う高分子から構成された物質、高分子にイ
オン解離基を持たせた物質等がある。電解質の解離を行
う高分子として、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導
体或いは該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキ
サイド誘導体、該誘導体を含むポリマー、リン酸エステ
ルポリマー等がある。その他に、上記非プロトン性極性
溶媒を含有させた高分子マトリックス材料、イオン解離
基を含むポリマーと、上記非プロトン性電解液の混合
物、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もあ
る。また、無機固体電解質と有機固体電解質を併用する
方法も知られている。
電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等の
不織布、織布、或いはミクロポア構造材料、またアルミ
ナ粉末等の成形体等が挙げられる。中でも、合成樹脂の
ポリエチレン、ポリプロピレン等の不織布、ミクロポア
構造体が品質の安定性等から好ましい。
体では、電池が異常発熱した場合に、セパレータが熱に
より溶解して正極と負極の間を遮断する機能を付加した
ものもあり、安全性の観点からこれらも好適に使用する
ことができる。セパレータの厚みは特に限定はないが、
必要量の電解液を保持することが可能で、且つ正極と負
極との短絡を防ぐ厚さがあればよい。通常、0.01mm
〜1mm程度のものを用いることができ、好ましくは0.
02mm〜0.05mm程度である。
ト型、円筒形、角型等がある。コイン型電池やボタン型
電池のときには、電極はペレット状に形成する。円筒形
電池及び角型電池では主に電極をシート状とし、この電
極を電池缶に入れ、缶と電極を電気的に接続する。
ッキンを介して封口板で封じる。あるいは、ハーメチッ
クシールにより封口板と缶を絶縁して封じる。このと
き、安全素子を備え付けた安全弁を封口板として用いる
ことができる。例えば、安全素子には過電流防止素子と
して、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等がある。ま
た、安全弁の他に電池缶の内圧上昇の対策として、ガス
ケットに亀裂を入れる方法、封口板に亀裂を入れる方
法、電池缶に切り込みを入れる方法等を用いる。また、
過充電や過放電対策を組み込んだ外部回路を用いてもよ
い。
乾燥、脱水されていることが好ましい。乾燥、脱水方法
としては、一般的な方法を利用することができる。例え
ば、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風
等を単独或いは組み合わせて用いる方法がある。温度は
50゜C〜380゜Cの範囲が好ましい。
製造方法に沿ってLiNiO2を合成し、そのLiNiO2を
電極に用いた電池の充放電試験の結果を示す。それをも
って、本発明に係るLiNiO2の製造方法の明徴とす
る。
と硫酸ニッケルを水に溶解させる。硝酸リチウムの濃度
は1Mとする。ここでは、水溶液中のリチウムとニッケ
ルのモル比(リチウム/ニッケル)と、生成したLiNi
O2を電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるた
め、様々な硫酸ニッケル濃度の水溶液を作製する。
0.1M、0.2M、1M、2Mとする。このときの溶液
中でのリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケ
ル)はそれぞれ20、10、5、1、0.5である。こ
れらの水溶液に、それぞれ固体の蓚酸を添加する。蓚酸
の添加量は、水溶液中のニッケルイオンとリチウムイオ
ンのうち、量の少ないイオンのモル量に対して4倍とす
る。
過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。この
際、化学分析を行い、それぞれの沈澱物中のリチウムと
ニッケルの比(リチウム/ニッケル)を測定したとこ
ろ、硫酸ニッケルの濃度が0.05と0.1の場合しか1
以上になっていなかったので、他の沈澱物には水酸化リ
チウムを添加してこのモル比を1.1に調整する。これ
らの沈澱物を700゜C、酸素の体積割合99%の雰囲
気で2時間焼成し、得られた焼成物を粉砕する。このと
きのそれぞれを、実施例1〜4、比較例1とする。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。LiN
iO2、導電材となるアセチレンブラック、及び結着材と
なるポリテトラフルオロエチレンを100:10:10の
割合で乳鉢にて混合する。この混合物を加圧成形し、直
径15mm、厚さ0.75mm、重量0.17gのペレットに
する。
物質にはマダガスカル産の天然黒鉛(鱗片状、粒径:1
1μm、(002)面の平行する隣接面との面間隔(d0
02):0.337nm、(002)面方向にある結晶層の
厚さ(Lc):27nm、(002)面方向にある結晶層の
拡り(La):17nm、アルゴンレーザーラマン法による
散乱スペクトルの波数が1580cm-1付近のピークに対
する1360cm-1付近のピークの強度比(R値):0、比
表面積:8m2/g)を用いる。
ロエチレンを、10:1の割合で混合する。この混合物
に集電体としてニッケルメッシュを加え、加圧成形して
直径15mm、厚さ0.59mm、重量0.1gのペレットを
作製する。このペレットを水分除去のために200゜
C、減圧下で乾燥させる。
は次の通りである。図2は本発明に係るコイン型電池の
断面を示している。低い円筒形の正極缶1の内部に、側
壁に沿って絶縁パッキン8が載置されている。また、こ
の絶縁パッキン8より中心側に正極集電体2と一体とな
った正極3が圧着されている。
に接している。この正極3の上にポリプロピレン不織布
のセパレータ7と負極集電体5と一体となっている負極
6が、この順に下から上へ互いに密接して配置されてい
る。セパレータ7には、エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒に、リン
フッ化リチウムを1Mの割合で溶解させた電解液が含浸
している。
り、この負極缶4と正極缶1は絶縁パッキン8を介在さ
せて、かしめで密封されている。これによって、負極6
は負極缶4に圧着しており、特に負極集電体5は負極缶
4の内面に接している。
に行う。充放電電流は2mAとし、初めに充電上限電圧
4.2Vまで定電流充電を行い、続いて4.2Vで定電圧
充電を行う。定電流充電時間と定電圧充電時間の合計は
24時間とする。また、定電流放電は放電下限電圧2.
5Vまで行う。2回目以降も同じ電流、電圧の範囲で充
放電を行い、充放電3サイクル目の放電容量を測定す
る。
に対するリチウムイオンのモル量の比と、放電容量の関
係を示した図である。モル比が1以上の場合では、1以
下の場合に比べて高い値の放電容量が得られている。し
たがって、水溶液中のニッケルイオンのモル量に対する
リチウムイオンのモル量の比が1以上であることを特徴
とした、本発明に係るLiNiO2の製造方法を用いれ
ば、初期放電容量の高い電地を得ることが認められた。
チウムを1M、硝酸ニッケルを0.05Mの割合でそれ
ぞれ水に溶解させる。この水溶液に固体の蓚酸を0.3
Mの割合で添加する。これは、水溶液中に溶解している
リチウム(イオン)と、ニッケル(イオン)の小さい方
のモル量の6倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の
添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた
沈澱物を100゜Cで乾燥させる。ここでは、焼成温度
と生成したLiNiO2を電極に用いた電池の放電容量と
の関係を調べるため、様々な温度で焼成を行う。
C、650゜C、700゜C、800゜C、900゜C、1
000゜C、1100゜Cの各温度で沈澱物を焼成する。
焼成時間は450゜C〜900゜Cでは10時間、100
0゜C、1100゜Cでは2時間とする。また、焼成雰囲
気における酸素の体積割合は、いずれの場合も95%と
する。このときのそれぞれを、比較例2、実施例5〜1
1、比較例3とする。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。この
とき、LiNiO2、導電材になるアセチレンブラック、
及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを10
0:8:5の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレ
ットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極
の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電
池の負極の作製方法に準ずる。
は、電解液としてエチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、過塩
素酸リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他
は、上述したコイン型電池と同様である。また、このコ
イン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同
様に行う。
した図である。焼成温度が500゜C〜1000゜C、好
ましくは600゜C〜900゜C、特に650゜C〜90
0゜Cであれば高い値の放電容量が得られている。した
がって、焼成温度を500゜C〜1000゜Cとすること
を特徴とした、本発明に係るLiNiO2の製造方法を用
いれば、初期放電容量の高い電極を得ることが認められ
た。
M、硫酸ニッケルを0.1Mの割合でそれぞれ水に溶解
させる。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモ
ル比(リチウム/ニッケル)はそれぞれ10である。こ
の溶液中に蓚酸が0.3Mとなるように、水に溶解させ
た蓚酸を加えた。これは、水溶液中に溶解しているリチ
ウム(イオン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル
量の3倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加に
より沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物
を100゜Cで乾燥させる。
割合と、生成したLiNiO2を電極に用いた電池の放電
容量との関係を調べるため、様々な酸素濃度の雰囲気で
焼成を行う。即ち、酸素の体積割合が20%、30%、
50%、70%、75%、80%、90%、95%、9
9%、100%の各雰囲気で沈澱物を焼成する。ただ
し、いずれの場合も800゜Cで3時間焼成する。この
ときのそれぞれを、実施例12〜21とする。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。この
とき、LiNiO2、導電材になるアセチレンブラック、
及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを10
0:5:4の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレ
ットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極
の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電
池の負極の作製方法に準ずる。
は、電解液としてエチレンカーボネート、エチルメチル
カーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、
リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを用い
る他は、上述したコイン型電池と同様である。また、こ
のコイン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池
と同様に行う。
関係を示した図である。酸素濃度が20%以上、好まし
くは70%以上、特に80%以上であれば高い値の放電
容量が得られている。したがって、焼成雰囲気における
酸素の体積割合を20%以上とすることを特徴とした、
本発明に係るLiNiO2の製造方法を用いれば、初期放
電容量の高い電極を得ることが認められた。
リチウムを1M、硫酸ニッケルを1Mの割合でそれぞれ
水に溶解させる。このときの溶液中でのリチウムとニッ
ケルのモル比(リチウム/ニッケル)は、それぞれ1で
ある。この水溶液に固体の蓚酸を4Mの割合で添加す
る。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオ
ン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の4倍の
蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物
が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜
Cで乾燥させる。
ウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を測定
したところ、1より小さいことが判明したので、この乾
燥した沈澱物に酸化リチウムを添加して、沈澱物中のリ
チウムとニッケルのモルの比を1.3に調整する。ここ
では、焼成温度と生成したLiNiO2を電極に用いた電
池の放電容量との関係を調べるため、様々な温度で焼成
を行う。
C、650゜C、700゜C、800゜C、900゜C、1
000゜C、1100゜Cの各温度で沈澱物を焼成する。
焼成時間は450゜C〜900゜Cでは10時間、100
0゜C、1100゜Cでは2時間とする。また、焼成雰囲
気における酸素の体積割合は、いずれの場合も80%と
する。このときのそれぞれを、比較例4、実施例22〜
28、比較例5とする。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。この
とき、LiNiO2、導電材になるアセチレンブラック、
及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを10
0:15:10の割合で混合する他は、電極作製の手順や
ペレットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の
正極の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン
型電池の負極の作製方法に準ずる。
は、電解液としてエチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、リン
フッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他
は、上述したコイン型電池と同様である。また、このコ
イン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同
様に行う。
した図である。焼成温度が500゜C〜1000゜C、特
に650゜C〜900゜Cであれば高い値の放電容量が得
られている。したがって、焼成温度を500゜C〜10
00゜Cとすることを特徴とした、本発明に係るLiNi
O2の製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を
得ることが認められた。
M、塩化ニッケルを1Mの割合でそれぞれ水に溶解させ
る。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモル比
(リチウム/ニッケル)はそれぞれ1である。この溶液
中に蓚酸を4Mになるように、水に溶解させた蓚酸を加
えた。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオ
ン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の4倍の
蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物
が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜
Cで乾燥させる。この際、化学分析を行い、沈澱物中の
リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を
測定したところ、1より小さいことが判明したので、こ
の乾燥した沈澱物に水酸化リチウムを添加して、沈澱物
中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケ
ル)を1.1に調整する。
割合と、生成したLiNiO2を電極に用いた電池の放電
容量との関係を調べるため、様々な酸素濃度の雰囲気で
焼成を行う。即ち、酸素の体積割合が20%、30%、
50%、70%、75%、80%、90%、95%、9
9%、100%の各雰囲気で沈澱物を焼成する。ただ
し、いずれの場合も800゜Cで3時間焼成する。この
ときのそれぞれを、実施例29〜38とする。
たLiNiO2を活物質に用いて正極を作製する。このと
き、LiNiO2、導電材になるアセチレンブラック、及
び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:
5:5の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレッ
トの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の
作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電池
の負極の作製方法に準ずる。
は、電解液としてエチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネート、及びジメチルカーボネートを体積比4:1:
5の割合で混合した溶媒に、リンフッ化リチウムを1M
の割合で溶解したものを用いる他は、上述したコイン型
電池と同様である。このコイン型電池の充放電試験は、
上述したコイン型電池と同様に行う。
関係を示した図である。酸素濃度が20%以上では、約
24mAh以上の放電容量が得られている。好ましくは7
0%以上、特に酸素濃度が80%以上であれば、さらに
高い値となる。したがって、焼成雰囲気における酸素の
体積割合を20%以上とすることを特徴とした、本発明
に係るLiNiO2の製造方法を用いれば、初期放電容量
の高い電極を得ることが認められた。
リチウムを0.5M、硫酸ニッケルを1Mの割合でそれ
ぞれ水に溶解させる。このときの溶液中でのリチウムと
ニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)は、それぞれ
1である。この水溶液に固体の蓚酸を3Mの割合で添加
する。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオ
ン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の3倍の
蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物
が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜
Cで乾燥させる。
ウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を測定
したところ、1より小さいことが判明した。ここでは、
沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニ
ッケル)と、生成したLiNiO2を電極に用いた電池の
放電容量との関係を調べるため、様々なモル比の沈澱物
よりLiNiO2を合成する。即ち、乾燥した沈澱物に酸
化リチウムを添加して、リチウムとニッケルのモル比
(リチウム/ニッケル)を0.8、0.9、1、1.1、
1.2、1.3、1.4の各値に調整する。これらの沈澱
物を750゜C、酸素の体積割合99%の雰囲気で、5
時間焼成する。このときのそれぞれを、比較例6、7、
実施例39〜42、比較例8とする。
たLiNiO2を活物質に用いて正極を作製する。このと
き、LiNiO2、導電材になるアセチレンブラック、及
び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:
5:3の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレッ
トの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の
作製方法に準ずる。
の作製方法に準ずる。これらの電極を用いたコイン型電
池の構成は、電解液としてエチレンカーボネートとジエ
チルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒
に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを
用いる他は、上述したコイン型電池と同様である。
たコイン型電池と同様に行う。図8は、沈澱物中のリチ
ウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)と、放
電容量との関係を示した図である。このモル比が1〜
1.3であれば高い値の放電容量を得ることができる。
したがって、焼成前段階における沈澱物中のリチウムと
ニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が1〜1.3
とすることを特徴とした、本発明に係るLiNiO2の製
造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を得ること
が認められた。
製造方法に沿ってLiNiO2を合成し、そのLiNiO2を
電極に用いた電池の充放電試験の結果を示す。
るリチウム化合物とニッケル化合物を混合し、焼成を1
度のみとするLiNiO2の製造方法である。水酸化リチ
ウムとオキシ水酸化ニッケルは、水酸化リチウム中のリ
チウムとオキシ水酸化ニッケル中のニッケルのモル量の
比が1.1:1となるように秤量する。これらを乳鉢で混
合し、この混合物に100kg/cm2の圧力をかけてペレッ
トにする。このペレットを800゜C、酸素雰囲気で2
時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiO2を得る。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。LiN
iO2、導電材となるアセチレンブラック、及び結着材と
なるポリテトラフルオロエチレンを100:10:10の
割合で乳鉢にて混合する。この混合物を加圧成形し、直
径15mm、厚さ0.75mm、重量0.17gのペレットに
する。
物質にはマダガスカル産の天然黒鉛(鱗片状、粒径:1
1μm、(002)面の平行する隣接面との面間隔(d0
02):0.337nm、(002)面方向にある結晶層の
厚さ(Lc):27nm、(002)面方向にある結晶層の
拡り(La):17nm、アルゴンレーザーラマン法による
散乱スペクトルの波数が1580cm-1付近のピークに対
する1360cm-1付近のピークの強度比(R値):0、比
表面積:8m2/g)を用いる。
ロエチレンを、10:1の割合で混合する。この混合物
に集電体としてニッケルメッシュを加え、加圧成形して
直径15mm、厚さ0.59mm、重量0.1gのペレットを
作製する。このペレットを水分除去のために200゜
C、減圧下で乾燥させる。
するが、その構成は図2に示されたコイン型電池と同様
とする。また、このコイン型電池の充放電試験は次の通
りに行う。充放電電流は2mAとし、初めに充電上限電
圧4.2Vまで定電流充電を行い、続いて4.2Vで定電
圧充電を行う。定電流充電時間と定電圧充電時間の合計
は24時間とする。定電流放電は放電下限電圧2.5V
まで行う。2回目以降も同じ電流、電圧の範囲で充放電
を行い、充放電3サイクル目の放電容量を測定する。そ
の結果、放電容量は22.5mAhとなった。
あるリチウム化合物とニッケル化合物を混合し、2度焼
成するLiNiO2の製造方法である。水酸化リチウムと
酸化ニッケルは、水酸化リチウム中のリチウムと酸化ニ
ッケル中のニッケルのモル量の比が1.1:1となるよう
に秤量する。これらを乳鉢で混合し、この混合物に10
0kg/cm2の圧力をかけてペレットにする。このペレット
を600゜C、空気雰囲気で24時間焼成した後、80
0゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質で
あるLiNiO2を得る。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。正極
と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技
術によるLiNiO2を用いたコイン型電池に準ずる。ま
た、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量
は23.1mAhとなった。
物水溶液とニッケル化合物水溶液を混合するLiNiO2
の製造方法である。水酸化リチウムと塩化ニッケルは、
水酸化リチウム中のリチウムと塩化ニッケル中のニッケ
ルのモル比が1:1となるように秤量する。この水酸化
リチウムと塩化ニッケルを、それぞれ水に溶解させて水
溶液とする。
化リチウム水溶液を徐々に注加し、30゜Cにて5時間
撹拌する。これを90〜100゜Cにて乾燥させ、得ら
れた固形物を粉砕する。これに100kg/cm2の圧力をか
けてペレットを作製する。このペレットを800゜C、
酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質であるLi
NiO2を得る。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。正極
と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技
術によるLiNiO2を用いたコイン型電池に準ずる。ま
た、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量
は22.8mAhとなった。
あるリチウム化合物とニッケル化合物に分散媒として水
を加えるLiNiO2の製造方法である。水酸化リチウム
と水酸化ニッケルは、水酸化リチウム中のリチウムのモ
ル量と水酸化ニッケル中のニッケルのモル量の比が1:
1になるように秤量する。
量の水を加え、乳鉢にて混合する。これを90〜100
゜Cにて乾燥させ、得られた固形物を粉砕する。これ
に、100kg/cm2の圧力をかけてペレットとし、このペ
レットを800゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕
して活物質であるLiNiO2を得る。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。正極
と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技
術によるLiNiO2を用いたコイン型電池に準ずる。ま
た、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量
は23.7mAhとなった。
ル化合物にリチウム化合物水溶液を混合するLiNiO2
の製造方法である。塩化リチウムと酸化ニッケルは、塩
化リチウム中のリチウムと酸化ニッケル中のニッケルの
モル比が1:1になるように秤量する。塩化リチウムは
水に溶解させて水溶液とする。
ム水溶液を徐々に注加し、30゜Cにて5時間撹拌練合
する。これを90〜100゜Cにて乾燥させて得られた
固形物を粉砕し、100kg/cm2の圧力をかけてペレット
を作製する。このペレットを800゜C、酸素雰囲気で
2時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiO2を得
る。
たLiNiO2を活物質に用いて、正極を作製する。正極
と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技
術によるLiNiO2を用いたコイン型電池に準ずる。ま
た、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量
は23.8mAhとなった。
係るLiNiO2の製造方法によるLiNiO2を正極に用い
たコイン型電池の場合、放電容量は約24mAh以上であ
った。上記の従来技術によるLiNiO2を正極に用いた
コイン型電池も、これらと同じ充放電試験を行ったので
あるが、その結果と比較すると、本発明による方が高い
値を得ていることが認められる。したがって、本発明に
係るLiNiO2の製造方法によるLiNiO2を電極に用い
た電池は、従来技術によるLiNiO2を電極に用いた電
池よりも優れているということである。
る円筒形電池の充放電試験を行う。まず、シート状の正
極を作製する。塩化リチウムを1M、硫酸ニッケルを
0.1Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。この水溶液
に、水溶液の蓚酸を0.3Mの割合で添加する。蓚酸の
添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた
沈澱物を100゜Cで乾燥させる。この乾燥した沈澱物
を酸素雰囲気、800゜Cで3時間焼成し、得られた焼
成物を粉砕する。
製方法は次の通りである。LiNiO2、導電材となるア
セチレンブラック、及び結着剤となるポリフッ化ビニリ
デンを100:7:10の割合で混合する。ここに、分散
剤としてN−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混
合し、正極ペーストとする。
ウム箔(厚さ20μm)の両面に塗布し、乾燥させた
後、圧延して短冊状に切断する。この正極における単位
面積あたりの活物質の重量は40mg/cm2となった。ま
た、この正極の一端に正極リードとなるアルミニウムタ
ブを、スポット溶接にて取り付ける。
02)面の平行する隣接面との面間隔(d002):0.3
37nm、(002)面方向にある結晶層の厚さ(Lc):
25nm、(002)面方向にある結晶層の拡り(La):
13nm、アルゴンレーザーラマン法による散乱スペクト
ルの波数が1580cm-1付近のピークに対する1360
cm-1付近のピークの強度比(R値):0、比表面積:12m2
/g)を用いる。この人造黒鉛と結着剤となるポリフッ化
ビニリデンを、100:10の割合で混合する。
2−ピロリドンを加えてさらに混合し、負極ペーストと
する。負極ペーストを集電体となる銅箔(厚さ18μ
m)の両面に塗布し、乾燥させた後、圧延し、短冊状に
切断する。この負極における活物質の単位面積あたりの
重量は20mg/cm2となった。また、この負極の一端に負
極リードとなるニッケルタブを、スポット溶接にて取り
付ける。
次の通りである。図9は本発明に係る円筒形電池の断面
を示している。正極16、負極15各1枚ずつの間にポ
リエチレン製微多孔質のセパレータ14が挟まれてい
る。これらを一体として端からスパイラル状に巻回し、
円筒形の巻回要素を形成する。
ド、下面から負極リードがそれぞれ引き出された状態
で、円筒形の電池缶(直径17mm、高さ50mm、ステン
レス製)内に収納されている。そして、正極リードは安
全弁付き正極蓋に、負極リードは電池缶の底面にスポッ
ト溶接によってそれぞれ取り付けられている。また、巻
回要素の中心部には、巻き崩れ防止のためにセンターピ
ン17(直径3.4mm、長さ40mm、ステンレス製チュ
ーブ)が挿入されている。
エチルカーボネートを体積比1:1で混合した混合溶媒
に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解させた電解
液が、電池缶に注液されている。また、正極蓋11と電
池缶13は絶縁パッキン12を介在させて、かしめで密
封されている。
行う。25゜Cの恒温槽において、500mA、上限電圧
4.2Vの定電流定電圧充電を3時間行い、100mA、
下限電圧2.75Vの定電流放電を行った。2回目以降
も同様に行う。その結果、充放電1サイクル目の放電容
量は918mAh、50サイクル目の放電容量は830mAh
であった。したがって、本発明に係る非水系二次電池は
繰り返される充放電にも、放電容量が減少しない二次電
池であることが認められた。
NiO2の製造方法では、リチウム化合物とニッケル化合
物の混合物を共沈反応で得ることにより、その混合物は
リチウムとニッケルが十分均一に混合された状態とな
る。これに伴い、焼成が容易になり、より低温で焼成可
能になる。
を活物質として電極に用いた、本発明に係る非水系二次
電池では、高い値の初期放電容量を得ることができる。
さらに、二次電池は繰り返し行われる充放電に伴って放
電容量が著しく減少するが、本発明に係る二次電池では
あまり減少しないので、寿命の長い二次電池となる。
図である。
である。
おける、ニッケルイオンのモル量に対するリチウムイオ
ンのモル量の比と、LiNiO2を電極に用いた電池の放
電容量の関係を示した図である。
放電容量との関係を示した図である。
用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
放電容量との関係を示した図である。
用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
ケルのモル比と、LiNiO2を電極に用いた電池の放電
容量との関係を示した図である。
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル
化合物を水に溶解させて水溶液を作製する工程と、前記
水溶液に有機酸を添加する工程と、前記有機酸を添加後
の前記水溶液から沈澱物を濾別する工程と、前記濾別工
程によって得られた前記沈澱物を焼成する工程と、から
成ることを特徴とする非水系二次電池用正極活物質Li
NiO2の製造方法。 - 【請求項2】 水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル
化合物を水に溶解させて水溶液を作製する工程と、前記
水溶液に有機酸を添加する工程と、前記有機酸を添加後
の前記水溶液から沈澱物を濾別する工程と、前記濾別工
程によって得られた前記沈澱物にリチウム化合物を添加
する工程と、前記リチウム化合物を添加した前記沈澱物
を焼成する工程と、から成ることを特徴とする非水系二
次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項3】 前記水溶性リチウム化合物と前記水溶性
ニッケル化合物を溶解した前記水溶液において、ニッケ
ルイオンのモル量に対するリチウムイオンのモル量の比
が1以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2
に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造
方法。 - 【請求項4】 前記有機酸として蓚酸を用いることを特
徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水系二次電池
用正極活物質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項5】 前記焼成工程において、焼成温度を50
0゜C〜1000゜Cとすることを特徴とする請求項1又
は請求項2に記載のLiNiO2の製造方法。 - 【請求項6】 前記焼成工程において、酸素の体積割合
が20%以上の雰囲気で焼成を行うことを特徴とする請
求項1又は請求項2に記載の非水系二次電池用正極活物
質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項7】 前記沈澱物に前記リチウム化合物を添加
する工程において、硝酸リチウム、酢酸リチウム、ヨウ
化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチ
ウム、蓚酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、過
酸化リチウムのいずれか1つを前記リチウム化合物とし
て用いることを特徴とする請求項2に記載の非水系二次
電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項8】 前記沈澱物に前記リチウム化合物を添加
する工程において、前記沈澱物中のニッケルのモル量に
対するリチウムのモル量の比が1乃至1.3となるよう
に添加することを特徴とする請求項2に記載の非水系二
次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項9】 水溶性のリチウム化合物として硫酸リチ
ウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨ
ウ化リチウム、酢酸リチウムのいずれか1つを用いるこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水系二
次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項10】 水溶性のニッケル化合物として、硫酸
ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケ
ル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケルのいずれか1つを用
いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非
水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか1
つのLiNiO2の製造方法により製造されたLiNiO2を
正極活物質として正極に用いることを特徴とする非水系
二次電池。
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