JPH0379321B2

JPH0379321B2 -

Info

Publication number: JPH0379321B2
Application number: JP58046677A
Authority: JP
Inventors: Masuo Matsumoto
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1983-03-19
Filing date: 1983-03-19
Publication date: 1991-12-18
Also published as: JPS59172404A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はジユータンやカーペツト等の敷物にお
ける新規な害虫防除剤に関する。最近の住宅にはジユータンやカーペツト類が広
く使用されているにもかかわらず、それらに関す
る衛生管理はほとんど行なわれていないのが実状
である。そのため家屋内には通称チリダニをはじ
めノミなどが増え衛生上の問題が生じてきてい
る。このチリダニ類にはコナヒヨウヒダニやヤケチ
リダニなどがあり、主にジユータン，カーペツト
およびぬいぐるみ等をそし生息場所としている。
これらは畳に発生するコナダニ類とは異なり餌と
しては動物性タンパク質を好み、特に家庭内にお
いては人間のフケや動物性食品屑等によつて繁殖
する。その繁殖場所として最適なのがジユータンやカ
ーペツトであり次いでぬいぐるみや寝具類となつ
ている。このチリダニ類は人間にとつて気管支喘
息のアレルゲンとなつたり、人体内ダニ症、皮フ
炎等の原因ともなつている。この外、ジユータン等には羊毛を好んで害する
ヒメカツオブシムシ，ヒメマルカツオブシムシ，
イガおよびコイガ等の羊毛害虫が生息しており、
これらの被害も相当発生している。また、最近の家屋内環境悪化はノミやシラミの
繁殖も促しており、特にノミの生息場所としてカ
ーペツトやジユータンは絶好である。これら敷物に生息する害虫駆除を手軽に行なえ
る薬剤は未だかつて存在しなかつた。本発明は上記のような敷物中に生息している有
害な害虫類を家庭内で手軽に駆除する方法をその
目的として鋭意研究の結果完成したものである。すなわち、本発明は従来敷物用殺虫剤が全く存
在せず、これら新しい家屋内環境問題が発生して
いる今日、新規の駆除方法と薬剤の提供を行うも
のである。本発明は室内の敷物に安全性の高いピレスロイ
ド系殺虫剤を施して害虫の殺減を計るものである
が、使用場所が室内であることから、引火性や爆
発性のある溶剤や噴射剤を大量に使用することは
できない。また散布後の臭気や溶剤蒸気の影響な
どの外、ジユータンやカーペツトの表面が長時間
薬剤等で濡れていることは好ましくないので溶剤
の選択もまた重要である。一方、敷物を対象としたエアゾール殺虫剤であ
ることから、薬剤散布の方法についても手軽でな
ければ広い場所を効果的に処理することは困難で
ある。このような諸問題の総てを考慮して本発明は完
成されたもので、ピレスロイド系殺虫剤を有効成
分とすることを必須とし、それらの成分を不燃性
の噴射剤に直接溶解させてなるか、もしくは有効
成分を沸点100℃未満の不燃性溶剤類に溶かした
溶液30容量％以下と不燃性の噴射剤とからなり、
倒立使用専用で、かつ傾倒式バルブを使用するこ
とを特徴とする敷物用エアゾール殺虫剤に係る。本発明において用いられるピレスロイド系殺虫
剤としてはピレトリン，ｄ−T80−フラメトリ
ン，レスメトリン，ｄ−T80−レスメトリン，ペ
ルメトリン，フエノトリン，アレスリン，ｄ，ｄ
−Ｔ−アレスリン，dl，ｄ−T80アレスリン，フ
タルスリン，エムペンスリンなどがあげられる。また、本発明においては上記殺虫剤の効力増強
剤であるピペロニールブトキサイド，オクタクロ
ロジプロピルエーテル，チオシアノ酢酸イソボル
ニル，Ｎ−（２−エチルヘキシル）−ビシクロ
〔２，２，１〕−ヘプタ−５−エン−２，３−ジカ
ルボキシイミド，Ｎ−（２−エチルヘキシル）−１
−イソプロピル−４−メチルビシクロ〔２，２，
２〕オクト−５−エン−２，３−ジカルボキシイ
ミドおよびβ−ブトキシ−β′−チオシアノジエチ
ルエーテルや害虫忌避剤であるデイート，Ｒ−
11，Ｒ−326，ジブチルサクシネート，ジブチル
フタレート，ジメチルフタレートなども混用する
ことができる。上記の外、安定剤や殺菌消毒剤お
よび香料などの混用もできる。本発明においては、ピレスロイド系殺虫剤等を
直接不燃性の噴射剤であるフロン等に溶解してエ
アゾール剤を製する場合と殺虫剤等を沸点100℃
未満の不燃性溶剤に溶解した溶液を原液として容
量で30％以下に限定し、これと不燃性の噴射剤と
を配合して製する場合とがある。上記の不燃性の噴射剤としては各種フロン系噴
射剤の外、窒素ガス，二酸化炭素，亜酸化窒素等
の圧縮ガスとフロン等の液化ガスとの混用もでき
る。また、フロンと液化石油ガスやジメチルエー
テルとの混合品であっても、そのものが不燃性ガ
スの範中にあるものであれば使用できる。また、上述の100℃未満の不燃性溶剤としては
フロン−11，フロン−112，フロン−113，メチレ
ンクロライド，クロロホルム，メチルクロロホル
ム，テトラクロロエタン，トリクロルエタン，ト
リクロルエチレンなどの外、これらと可燃性の溶
剤、例えばエタノール，プロパノール，ノルマル
ペンタン，ヘキサン，ヘプタン，イソオクタンな
どと前述の不燃性溶剤と混合したものであって
も、その混合物が不燃性であれば本発明に使用で
きる。しかし、前述の不燃性溶剤の中でも空気中の許
容濃度の低いクロロホルム，テトラクロロエタ
ン，トリクロルエタンおよびトリクロルエチレン
などは人体への影響から使用すべきではない。本発明において原液量を容量で30％以下にする
ことと、沸点が100℃未満の不燃性溶剤を用いる
ことは安全上不可欠のことである。すなわち、室
内に敷いてあるジユータンやカーペツトに殺虫剤
を散布した場合、噴射剤や溶剤の蒸気が人蓄に悪
影響を及ぼす内容組成であつてはならないことか
ら、本発明においては散布後、速やかに溶剤や噴
射剤を揮発させて安全を確保するため、使用する
溶剤は不燃性で沸点100℃未満とし、その使用量
も０〜30％の範囲に限定されなければならない。
また、溶剤の許容濃度も高いものを選び、噴射剤
も不燃性ガスを使用して構成される。本発明において使用されるバルブは倒立使用専
用とし、かつ、そのバルブ開閉は傾倒式（チルト
バルブ）が限定使用される。ジユータンやカーペツトは室内において広範囲
に敷いてあるのが常であり、使用時の操作性は重
要なことである。倒立使用専用で、しかも傾倒式
バルブと図面で示すような噴霧ボタンを使用する
ことで、この操作性が大きく改善される。すなわち、敷物に対し本発明品を使用する場
合、缶底を手で持ち敷物に噴射ボタンを当てが
い、前方又は後方に滑らせる、丁度、敷物上に線
を引く要領で敷物上を移動させることによつて害
虫の最も多く生息するジユータンやカーペツトの
植毛の根元に薬液が勢いよく噴射され効果的に害
虫を駆除することができる。上述のような使用方法が最も簡便であるが、傾
倒式バルブと図面で例示するような噴射ボタン
（長径ノズル）が効果的である反面、時折バルブ
ステムが屈曲して破損したり、また、噴射ボタン
がステムから抜ける場合がある。このような事態
を防止するため、必要以上の力をステムに与えな
いような工夫が大切である。また本発明において実施される噴射機構におい
ては、噴射ボタンの長径ノズルを複数にしたり、
その先端において側面に噴出する噴口等を設ける
ことにより、一層効果的な駆除が可能となる。以下本発明の実施例及び実験例の一部を示す。実施例１ｄ−T80−フラメトリン 0.5g，ｄ−T80−レ
スメトリン 8.0g，オクタクロロジプロピルエー
テル1.0gをエアゾール容器に入れ、噴射剤として
フロン−12と液化石油ガス（主成分：ブタン）の
混合ガス（重量比で90：10）を293.7ml充填し、
デイプチユーブを欠いた倒立使用専用の傾倒式バ
ルブを取付けて300ml入りのエアゾール剤とし、
これに第４図Ｂで示される噴霧ボタンを付け、更
に保護キヤツプをかぶせて敷物用エアゾール殺虫
剤を得た。実施例２エムペンスリン 2g，ｄ，ｄ−Ｔ−アレスリ
ン 0.4g，デイート 3gを不燃性溶剤フロン−
112（ジフルオロテトラクロルエタン）に溶かした
溶液20mlと噴射剤としてフロン−12とフロン−
114との混合ガス（重量比で60：40）を280ml充填
し、デイプチユーブを欠いた倒立専用の傾倒式バ
ルブを取付け、更にこの傾倒式バルブのステム異
常屈曲防止装置、第４図Ｃで示される噴霧ボタン
および保護キヤツプを取付けて300mlの敷物用エ
アゾール殺虫・忌避剤を得た。実施例３ dl，ｄ−T80−アレスリン 1.0g，ペルメトリ
ン 0.5g，ピペロニールブトキサイド 0.0g，を
不燃性混合溶剤（重量比でエタノール：フロン−
112：フロン−113＝20：20：60）に溶かした溶液
75mlと噴射剤してフロン−11 20ml，フロン−12
205mlを充填し、倒立使用型で傾倒式バルブおよ
び第４図Ｄに示す噴射ボタンを取付けて300ml入
りの敷物用エアゾール殺虫剤を得た。実施例４ｄ−T80−レスメトリン 1.0g，フエノトリン
0.5g，安定剤としてジブチルヒドロキシトルエ
ン 0.1gをノルマルペンタン10mlに溶かし、更に
メチルクロロホルムとフロン−113の１：１の混
合溶剤を加えて30mlの溶液とし、これにフロン−
12とフロン−114の混合噴射剤（重量で２：１）
を270ml充填した。これに倒立専用の傾倒式バル
ブ、第４図Ｃで示される噴霧ボタンを取付けて
300ml入りの敷物用エアゾール殺虫剤を得た。次に敷物用エアゾール殺虫剤において、溶剤の
選択や原液量がいかに大切かを示す実験例を述べ
る。実験各種溶剤にアレスリン 2g，ピペロニールブ
トキサイド 6gを溶解して90mlの原液とし、噴
射剤としてフロン−12を210mlと共にエアゾール
缶に充填し、倒立使用専用の傾倒式バルブおよび
噴射ボタンを取付け300mlの敷物用エアゾール殺
虫剤を試作した。このエアゾール剤をアクリル製
カーペツト（0.36m²）に30秒間全面に噴射し、10
分間放置（室温21℃、湿度40％）したのちガスラ
イターの火をカーペツト表面に近づけてその着火
の有無を観察した。その結果を表に掲げる。

【表】実験実験と同一の有効成分を不燃性溶剤フロン−
112とフロン−113の等量混合物に段階的に溶か
し、噴射剤として、フロン−12と液化石油ガスの
混合ガス（重量比で90：10）と共にエアゾール缶
に充填し、倒立使用専用で傾倒式バルブおよび噴
射ボタンを取付け300ml入りのエアゾール剤を試
作し、これを純毛ジユータン（0.09m²）に夫々30
秒間噴射したのち、30分間放置（室温20℃）し、
このジユータンを底面積0.09m²の箱に入れて、
夫々の箱にマウスを１匹づつ入れて蓋（直径１cm
の通気口付）をしてマウスの溶剤蒸気による窒息
性を１時間観察した。また参考品として沸点100
℃以上の溶剤テトラクロルエタン（沸点約129℃）
(A)とトルエン（沸点約111℃）(B)の原液30容量％
のものを試験した。その結果を表に掲げる。

【表】表，からも明らかな如く、敷物用エアゾー
ル殺虫剤の溶剤の選択、使用量は安全上最も大切
な要因であって、沸点の高いものや原液量の多い
ものは危険である。次に本発明品の殺ダニ効果試験の一部を示す。効果試験ｄ−T80−レスメトリン 1g、エムペンスリン
1g，ピペロニールブトキサイド 3gをフロン
−112に溶解して30mlとした原液と噴射剤として
フロン−12とフロン−114の混合ガス（重量比で
80：20）を270mlエアゾール容器に充填し、倒立
使用型で傾倒式バルブを取付け、更に噴射ボタン
第４図Ｃを付けて300ml入りの敷物用エアゾール
殺虫剤を製し、チリダニの生息する１辺40cmのカ
ーペツト片（チリダニ平均生息数：630匹／２cm²）
の周囲（端から10cmの位置）に上記敷物用エアゾ
ール殺虫剤を秒速約20cmの速さで４辺共噴射し
た。これを１週間培養飼育したのち、中心部を２
cm²切り取り、これに生息するダニ数を調査した。
その結果を表とした。

【表】【図面の簡単な説明】

第１図は傾倒式バルブおよび噴射ボタン（長径
ノズル）を取付けた部分断面図。第２図は第１図
の噴射状態を示す部分断面図。第３図は傾倒式バ
ルブのステム屈曲防止装置の例示。第４図は本発
明で使用される噴射ボタン形状の例示で、Ａ，
Ｃ，Ｅ，Ｇはその側面図、Ｂ，Ｄ，Ｆ，Ｈは夫々
の正面図を示す。図面において、１……エアゾール容器，２……
バルブ，３……噴射ボタン（長径ノズル），４…
…バルブステム，５……噴射ボタンの抜けおよび
屈曲防止カバー，６……噴射ボタンの抜けおよび
屈曲防止部分を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

１ピレスロイド系殺虫剤を有効成分とすること
を必須とし、それらの成分と不燃性の噴射剤とか
らなるか、もしくは、それらの成分を沸点100℃
未満の不燃性溶剤類に溶かした溶液30容量％以下
と不燃性の噴射剤とからなり、倒立使用専用で、
かつ傾倒式バルブを使用することを特徴とする敷
物用エアゾール殺虫剤。