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JPH0357181B2 - - Google Patents

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Publication number
JPH0357181B2
JPH0357181B2 JP59209374A JP20937484A JPH0357181B2 JP H0357181 B2 JPH0357181 B2 JP H0357181B2 JP 59209374 A JP59209374 A JP 59209374A JP 20937484 A JP20937484 A JP 20937484A JP H0357181 B2 JPH0357181 B2 JP H0357181B2
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JP
Japan
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less
corrosion resistance
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steel
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JP59209374A
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> この発明は、高温硫化物環境中、特に硫化水素
並びに塩素イオンの存在する高温湿潤環境中での
応力腐食割れ(以下、「SCC」と略称する)や〓
間腐食等に対しても極めて高い抵抗性を示すな
ど、非常に優れた耐食性を有する上、熱間加工性
も良好なオーステナイト系ステンレス鋼に関する
ものである。 近年、耐食性及び耐酸化性に優れた安定な材料
であるステンレス鋼の需要は、重化学工業等の分
野のみならず、各種日用品類の領域にまで幅広く
浸透し、なお一層増大する傾向を示している。 また一方では、海水利用産業の著しい発達、或
いは海底資源の活用が大きな注目を浴びている状
況下にあつて、従来のステンレス鋼以上に優れた
耐食性や耐酸化性を有する鋼材の開発が強く要望
されてもいた。 <従来の技術> ところで、塩素イオン(Cl-)が存在する環境
下でステンレス鋼を使用する場合には、特に“〓
間腐食”や“孔食”と言つた局部腐食問題を避け
ることができないが、この種の腐食防止を含めた
耐食性向上手段としてMoやN等を添加すること
の有効性が知られるようになつてからは、例えば
海水等が接触する腐食環境下でNを添加した高
Cr高Mo含有オーステナイト系ステンレス鋼が採
用され、大きな成果を上げており、これまで、合
金組成に様々な工夫を凝らしたN含有高Cr高Mo
オーステナイト系ステンレス鋼が提案されてきた
(例えば、特公昭49−40331号公報、特開昭49−
135812号公報、特開昭52−95524号公報を参照さ
れたい)。 <発明が解決しようとする問題点> しかしながら、より一層苛酷な環境での鋼材の
使用を必要としつつある現在の情況を考慮し、実
際上の様々なステンレス鋼使用環境を想定して行
われた本発明者等の実験・検討結果は、 「前記従来のN含有高Cr高Moオーステナイト
系ステンレス鋼はあくまでも“中性Cl-−O2”環
境での高耐食性材料であり、“高温H2S−Cl-”環
境での耐食性が考慮されていないので、H2Sを含
む高温環境ではSCCを発生する」 ことを明らかにしたのである。 そして、従来のN含有高Cr高Moオーステナイ
ト系ステンレス鋼におけるこのような問題は、今
後の需要増が見込まれる海底資源掘削リグ上の配
管や石炭液化装置等の設計に不安を与えるもので
あつた。なぜなら、資源掘削リグ上の配管材料
は、内面は“CO2−H2S−Cl-”環境に、そして
管外面は“海水ミスト”環境にさらされるので、
耐海水性が良好であつても管内面側の耐SCC性が
不良であれば使用に耐えないと判断されるもので
あり、一方、石炭液化装置においては、高温H2S
がらみの腐食、特にSCCが最近の問題として注目
されてきたからである。 また、他方では、従来のN含有高Cr高Moオー
ステナイト系ステンレス鋼は熱間加工性に劣つて
おり、板材の製造上問題のあることが指摘されて
きた材料でもあつた。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、従来の
N含有高Cr高Moオーステナイト系ステンレス鋼
にみられる上記問題点を解決し、耐食性、特に
“高温H2S−Cl-”環境での耐SCC性に優れるとと
もに、強度及び熱間加工性とも十分に満足し得る
鋼材を提供すべく研究を重ねた結果、 (a) 高Cr高Mo含有ステンレス鋼の“H2S−Cl-
環境での耐SCC性はNi含有量に大きく依存し、
更に、適量のW或いはCuの添加により著しく
改善されること、 (b) Nを含有する高Cr高Moオーステナイト系ス
テンレス鋼の基本的な耐食性にはCr,Mo及び
N量が大きく影響し、これらの含有量を、特に Cr(%)+3Mo(%)+10N(%)≧38.0 と調整することによつて十分に満足し得る基本
的耐食性能を安定して確保できること、 (c) N含有高Cr高Moオーステナイト系ステンレ
ス鋼に適量のAlを添加すると、高Mo高N化に
伴つて生じる熱間加工性の劣化が抑制されるこ
と、 (d) 鋼中不純物であるS及びOは結晶粒界に偏析
して鋼の脆弱化を促進するが、適量のAlの添
加とともにS及びOを極力低減すると、N含有
高Cr高Moオーステナイト系ステンレス鋼の熱
間加工性は一段と向上すること、 (e) 上記オーステナイト系ステンレス鋼にB,
Mg,La又はCeの微量添加を実施すると、その
熱間加工性は更に向上すること、 (f) 従つて、N含有高Cr高Moオーステナイト系
ステンレス鋼のCr,Mo及びN量を総合的に調
整するとともに、これにW或いはCuを添加し、
更にS及びOを極度に低減して適量のAlを含
有せしめると、“H2S−Cl-”環境での耐SCC性
を含む耐食性や熱間加工性が大幅に改善された
鋼材が実現されること、 以上(a)〜(f)に示される如き知見を得るに至つた
のである。 この発明は上記知見に基づいて完成されたもの
であり、 オーステナイト系ステンレス鋼を C:0.03%以下(以降、%は重量基準とする)、 Si:1.5%以下、Mn:2.0%以下、 Cr:19.0%以上22.5%未満、 Ni:21.0%以上30.0%未満、 Mo:6.0超〜10.0%、 W又はCuの1種以上:0.3〜2.0%、 Al:0.01〜0.15%、N:0.05〜0.30%、 P:0.03%以下、S:0.002%以下、 O:0.005%以下 を含有するか、或いは更に B,Mg,La又はCeの1種以上:0.001〜0.100
% をも含有し、 残部:Fe及び他の不可避的不純物 から成り、かつ、式 Cr(%)+3Mo(%)+10N(%)≧38.0 を満足する成分組成に構成することにより、十分
な強度はもちろんのこと、優れた耐食性(特に、
“高温H2S−Cl-”環境での耐SCC性をも含む)並
びに良好な熱間加工性をも備えしめた点に特徴を
有するものである。 次に、この発明のオーステナイト系ステンレス
鋼において、各組成成分の含有割合を前記の如く
に数値限定した理由を説明する。 (a) C Cはオーステナイト生成元素であるが、0.03
%を越えて含有させると鋼の耐粒界腐食性の低
下をもたらすことから、C含有量を0.03%以下
と定めた。なお、C含有量が少ないほど鋭敏化
感度性が低下するので、C量は極力抑えるのが
好ましい。 (b) Si Si成分は、耐酸性並びに耐孔食性改善に有効
な元素であるが、1.5%を越えて含有させると
鋼の溶接性及び熱間加工性が阻害される傾向が
出て来ることから、Si含有量を1.5%以下と定
めた。 なお、Si量が微量であつてもそれなりの耐酸
性及び耐孔食性改善効果は認められるが、でき
れば0.05%以上の含有量を確保することが望ま
しい。 (c) Mn Mn成分には、耐食性改善効果を有するNの
固溶量を増大させ、その安定化を図る作用があ
るが、2.0%を越えて含有させると孔食の起点
となり易い硫化物(MnS)の生成が増大し、
“H2S−Cl-”環境は勿論、特に、“Cl-−O2
環境での耐孔食性を劣化させ、また加工性の劣
化を招くことから、Mn含有量を2.0%以下と定
めた。 なお、微量のMn量であつてもそれなりのN
安定化効果が発揮されるが、好ましくは0.1%
以上のMnを含有させるのが良い。 (d) Cr Cr成分には、耐酸性、耐孔食性、耐〓間腐
食性並びにその他の一般耐食性を改善する作用
があり、極めて重要な元素であるが、その含有
量が19.0%未満では“H2S−Cl-”環境におけ
る耐食性が十分でなくなる。一方、本発明のよ
うな高Mo合金系では、Cr含有量が22.5%以上
であるとσ相の析出が促進されて脆化が起り易
くなるとともに、完全オーステナイトが得られ
にくくなる。 従つて、Cr含有量は19.0%以上22.5%未満と
定めた。 (e) Ni Ni成分は主要なオーステナイト生成元素で
あり、Cr等のフエライト生成元素とバランス
してその組織をオーステナイト一相に保つため
に重要な役割を果たし、また鋼の耐酸性や塩化
物を含む高温溶液環境、特に“H2S−Cl-”環
境における耐SCC性を改善する作用を有する反
面、“Cl-−O2”環境、特に海水環境における
耐孔食性および耐隙間腐食性にも大きく影響す
る。そして、その含有量が21.0未満では前記
“H2S−Cl-”環境における耐SCC性改善が十分
でなく、一方、30.0%を超えて含有させると脱
不動態化P.H(ペーハー)が上昇するため前記
“Cl-−O2”環境における耐孔食性および耐隙
間腐食性の劣化を招くことから、Ni含有量は
21.0%以上30.0%未満と定めた。 (f) Mo Mo成分は、Crと同様、鋼の耐孔食性及び耐
〓間腐食性の改善に必須の元素であるが、その
含有量が6.0%以下では海水等のようなCl-濃度
の高い環境下における耐〓間腐食性が劣化し、
かつH2Sを含む塩化物環境での耐孔食性も劣化
する。そして、Mo含有量は多くなるほど耐食
性も向上するが、10.0%を越えて含有させると
σ相の析出が促進されて鋼が脆化するようにな
り、熱間加工性が極度に悪化することから、
Mo含有量と6.0超〜10.0%と定めた。 (g) W,及びCu これらの成分は、いずれも、塩化物溶液中で
の耐孔食性及び耐〓間腐食性の改善に有効なも
のであり、また、特にNiとの複合添加によつ
て“H2S−Cl-”環境での耐SCC性を著しく向
上させる均等な作用を有していることから、い
ずれか1種、或いは2種の同時添加を行うもの
であるが、その含有量が0.3%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方、2.0%を越
えて含有させると鋼の熱間加工性が劣化するよ
うになることから、W及びCuの含有量は、単
独又は複合で0.3〜2.0%と定めた。 (h) Al Al成分は、高Mo高N鋼の熱間加工性を改善
する作用を有しているので欠くことのできない
元素であるが、その含有量が0.01%未満では前
記作用に所望の効果が得られず、一方、0.15%
を越えて含有させると鋼の耐食性を劣化させる
ことから、Al含有量は0.01〜0.15%と定めた。 (i) N N成分は、前記Cr,Ni及びMo同様、鋼の耐
食性(特に耐孔食性及び耐〓間腐食性)向上に
有効なものであるが、その含有量が0.05%未満
では十分な耐食性向上効果が得られず、一方、
0.30%を越えて含有させると鋼塊中に気泡を発
生しがちになることから、N含有量は0.05〜
0.30%と定めた。 (j) P Pは鋼中に不可避的に混入する不純物元素で
あるが、溶接性の低下や熱間加工性の劣化をも
たらすので極力低減するのが好ましい。そし
て、P含有量が0.03%を越えると、溶接性や熱
間加工性の劣化傾向が目立つようになることか
ら、P含有量を0.03%以下と定めた。 (k) S Sは、Pと同様、鋼中に不可避的に存在する
不純物元素であり、耐孔食性及び熱間加工性に
悪影響を及ぼすものである。そして、S含有量
が特に0.002%を越えると熱間加工性の劣化が
著しくなることから、その許容量を0.002%以
下と限定した。 即ち、本発明の如き高Mo高N含有合金にお
いては高温での変形抵抗が非常に大となるた
め、熱間加工の際に変形が粒界に集中してその
箇所より割れが発生し易いが、Sは結晶粒界に
偏析して脆化を促進する挙動を示す元素なので
ある。そして、この発明の鋼では、低S化によ
る熱間加工性改善効果を確保するためにS量の
許容上限値を0.002%と定めたが、望ましくは
0.001%以下にS量を制限するのが良い。 ところで、第1図は、(19.5〜21.6)%Cr−
(23.4〜26.2)%Ni−(5.0〜6.7)%Mo−(0.12
〜0.22)%N鋼について、熱間加工性に及ぼす
Sの影響を調査した結果が示されたグラフであ
るが、この第1図は、 「S含有量を0.002%以下に抑えることで熱間
加工性がかなり改善され、0.001%以下では更
に顕著な熱間加工性改善効果を得られる」 ことを示している。 (l) O Oも、Sと同様に鋼の高温度変形態を低下さ
せ、熱間加工性を著しく劣化させる不純物元素
であるが、その含有量を0.005%以下に抑える
と前記熱間加工性劣化作用が目立たなくなるこ
とから、O含有量を0.005%以下と定めた。 (m) B,Mg,La及びCe これらの成分には、いずれも、「SやOの抵
減」並びに「Alの添加」と相俟つて高Mo高N
鋼の熱間加工性を向上する均等な作用があるの
で、特に熱間加工性を一段と向上させる必要が
ある場合に1種以上添加されるものであるが、
その含有量が0.001%未満では上記作用に顕著
な効果が得られず、一方、0.100%を越えて含
有させると鋼塊疵を発生するようになることか
ら、これらの成分の含有量は、単独又は複合で
0.001〜0.100%と定めた。 なお、Cr,Mo及びNは、いずれも、塩化物溶
液環境における鋼の耐孔食性・耐〓間腐食性改善
のために欠かせない成分であるが、これらは相互
に密接に関連して前述のような耐孔食性・耐〓間
腐食性改善効果を醸し出すものであつて、鋼中に
おけるこれらの含有割合を、特に Cr(%)+3Mo(%)+10N(%)≧38.0 とすることで耐食性能がより安定化することか
ら、Cr,Mo及びN含有量は、上記式を満足する
ように更に総合的に調整することと定めた。 また、通常、鋼中のCを固定するためにはTi
等の安定化元素を添加することが多いが、この発
明の鋼ではNを添加するため安定化元素の添加は
行わない。なぜなら、例えばTiを添加すると、
該Tiは鋼中のNと結合してTiNを生成し、有効
N量を低減するからである。 上述のように、この発明のオーステナイト系ス
テンレス鋼は、“Cl-−O2”系よりも腐食性の厳
しい“H2S−Cl-”系環境で優れた耐食性を発揮
する材料であるが、“Cl-−O2”系環境において
も十分に優れた耐食性を示すことは断わるまでも
ないことである。 次いで、この発明を実施例により比較例と対比
しながら説明するが、該実施例によつてこの発明
の技術的範囲が制限されるものでないことは言う
までもない。 <実施例> まず、真空溶解法によつて第1表に示される如
き成分組成の鋼1〜30を溶製した。 次に、これを常法通り熱間圧延して熱延鋼板と
した後、固溶化熱処理(1100℃×30分保持後、水
冷)を施し、続いてTIGなめ溶接(溶接フイラー
なし)してから、SCC試験片(75mml×10mmw×
2mmtの寸法のもの2枚)と〓間腐食試験片(30
mml×20mmw×3mmtの寸法のものと、30mml×15mmw
×3mmtの寸法のもの)とを切り出し、SCC試験
並びに〓間腐食試験を実施した。 SCC試験には、第2図に示されるように、2枚
の前記試験片1,1を重ね合せた状態でU字状に
曲げ、更にフツ素樹脂製ブツシユ2,2を介して
Ti製ボルト3及びTi製ナツト4で拘束したもの
【表】
【表】
【表】 を試験液中に一定時間浸漬すると言う“ダブルU
ベント試験”(5mm拘束)を採用した。なお、第
1図における符号5は溶接部を示すものであり、
また、試験条件は次の通りであつた。 試験液:H2S分圧が10気圧(室温)の食塩水
(Cl-濃度が105ppmのもの)、 液温:150℃、 試験時間:720時間。 そして、耐SCC性の評価は、該試験終了の後拡
大鏡観察或いは断面ミクロ観察にて割れの有無を
調査する方法によつた。 一方、〓間腐食試験には、第3図に示されるよ
うに、大小2枚の試験片6,6を重ね合わせて〓
間を形成し、そ中央部をTi製ボルト7及びTi製
ナツト8で強く締め付け(このとき、フツ素樹脂
製ワツシヤ9,9を介挿させた)、これを試験液
中に一定時間浸漬すると言う方法を採用した。な
お、第2図における符号10は溶接部を示してお
り、また、その試験条件は次の通りであつた。 試験液:H2S分圧が10気圧(室温)の食塩水
(Cl-濃度が104ppmのもの)、 液温:150℃ 試験時間:720時間。 耐〓間腐食性の評価は、上記試験終了の後、肉
眼観察及び腐食減量による〓間腐食の有無を調査
する方法によつた。 又更に、熱間圧延後上記と同様の条件で固溶化
熱処理を施した熱延鋼板から20mml×50mmw×3
mmtの孔食試験片を切り出し、孔食試験をも実施
した。なお、試験は海水を模擬した次に示す条件
の迅速試験で行つた。 試験液:10%FeCl3+1/20NHCl溶液、 温度:60℃、 試験時間:48時間。 そして、耐孔食性の評価は、上記試験終了の
後、肉眼観察による孔食の有無を調査する方法に
よつた。 また、これとは別に熱間加工性の調査も実施し
た。 熱間加工性の調査は、熱延・固溶化処理後の前
記素材から機械加工により引張り試験片を切り出
し、1200℃での高温捩回試験を行つて、試験片が
破断するまでの捩り回数を求める方法によつて実
施した。 以上の試験結果を第2表に示した。 第2表に示される結果からも次のことが明らか
である。即ち、 耐SCC性について 本発明鋼1〜18では何らSCCを発生しなかつた
のに対して、Ni量が21.0%以下の比較鋼19〜21、
及びW又はCu量が0.3%未満の比較鋼22〜23には
SCCの発生がみられる。 耐〓間腐食性 本発明鋼1〜18では〓間腐食の発生がみられな
かつたのに対して、〔Cr(%)+3Mo(%)+10N
(%)〕の値が38.0未満の比較鋼21,22,24〜28お
よびMnが2%を越える29,30では〓間腐食を発
生することがわかる。 なお、本発明鋼は、“Cl-−O2”環境(例えば
海水)においても良好な耐隙間腐食性を有してい
ることも確認された。 耐孔食性 本発明鋼1〜18およびNiが低くかつ〔Cr(%)
+3Mo(%)+10N(%)〕の値が38.0以上の比較鋼
19、20では孔食の発生がみられなかつたのに対
し、〔Cr(%)+3Mo(%)+10N(%)〕の値が38.0
未満の比較鋼21,22,24〜28、〔Cr(%)+3Mo
(%)+10N(%)〕の値は38.0以上であるがSの高
い23およびMnが3%以上の29,30では孔食を発
生することがわかる。 熱間加工性 本発明鋼1〜18では破断に至るまでの捩り回数
が20回以上と、極めて優れた熱間加工性を示すの
に対して、鋼の成分組成条件が本発明の範囲から
外れている比較鋼19〜27,29,30は、いずれも捩
り回数が20回を下回つていることがわかる。 なお、比較鋼30は、Mo含有量が低いので優れ
た熱間加工性を示してはいるが、前述のように耐
食性が劣つているものである。 これらの実施例からも明らかなように、この発
明のオーステナイト系ステンレス鋼は、高Cr,
高Mo,高N,高Niとすることの複合効果を主体
にして、特に“高温H2S−Cl-”水溶液環境での
耐SCC性や耐隙間腐食性並びにCl-−O2環境での
耐孔食性を向上し、極低S化、極低O化並びに
Al添加等を主体として熱間加工性る改善したも
のである。 <総括的な効果> 以上説明したように、この発明によれば、海水
のような中性の高濃度塩化物環境(O2−Cl-
境)での優れた耐食性はもちろんのこと、H2Sを
含む塩化物環境(H2S−Cl-環境)での優れた耐
SCC性をも有し、かつ熱間加工性や強度の点でも
申し分のないオーステナイト系ステンレス鋼を提
供でき、苛酷な腐食環境等で使用される各種設備
や装置類の性能を一段と向上することが可能とな
るなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、高Mo高N含有オーステナイト系ス
テンレス鋼の熱間加工性に及ぼすSの影響を示す
グラフ、第2図は、応力腐食割れ(SCC)試験で
使用したダブルUベンド試験片を示す概略図、第
3図は、〓間腐食試験で使用した試験片を示す概
略図である。 1,6……試験片、2……フツ素樹脂製スリー
ブ、3,7……Ti製ボルト、4,8……Ti製ナ
ツト、5,10……溶接(TIGなめ溶接)部、9
……フツ素樹脂製ワツシヤ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量割合にて、 C:0.03%以下、Si:1.5%以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:19.0%以上22.5%未満、 Ni:21.0%以上30.0%未満、 Mo:6.0超〜10.0%、 W又はCuの1種以上:0.3〜2.0%、 Al:0.01〜0.15%、 N:0.05〜0.30%、 P:0.03%以下、S:0.002%以下、 O:0.005%以下、 残部:Fe及び他の不可避的不純物 から成り、かつ、式 Cr(%)+3Mo(%)+10N(%)≧38.0 を満足する成分組成であることを特徴とする、耐
    食性及び熱間加工性の優れたオーステナイト系ス
    テンレス鋼。 2 重量割合にて、 C:0.03%以下、Si:1.5%以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:19.0%以上22.5%未満、 Ni:21.0%以上30.0%未満、 Mo:6.0超〜10.0%、 W又はCuの1種以上:0.3〜2.0%、Al:0.01〜
    0.15%、 N:0.05〜0.30%、 B,Mg,La又はCeの1種以上:0.001〜0.100%、 P:0.03%以下、S:0.002%以下、 O:0.005%以下、 残部:Fe及び他の不可避的不純物 から成り、かつ、式 Cr(%)+3Mo(%)+10N(%)≧38.0 を満足する成分組成であることを特徴とする、耐
    食性及び熱間加工性の優れたオーステナイト系ス
    テンレス鋼。
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JPS6187855A (ja) 1986-05-06

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