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JPH03502720A - エンジンピストン組立体及び冷却凹部を有する鍛造ピストン部材 - Google Patents

エンジンピストン組立体及び冷却凹部を有する鍛造ピストン部材

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JPH03502720A
JPH03502720A JP1502888A JP50288889A JPH03502720A JP H03502720 A JPH03502720 A JP H03502720A JP 1502888 A JP1502888 A JP 1502888A JP 50288889 A JP50288889 A JP 50288889A JP H03502720 A JPH03502720 A JP H03502720A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、一般的には、高出力内燃機関用のコンパクトなエンジンピストン組立 体に関し、より詳細には、燃焼室の高圧および高温に対する耐久性を有し、機械 加工された回転表面を有する鋼鉄ピストンに関する。
〔背景技術〕
ここ数年間においては、燃料経済性および燃料効率の改良、排気ガスの減少、寿 命の増加、1気筒当たりの出力の増加に重点を置いたエンジンの開発がなされて きた。このような開発の傾向によりピストンにはより厳しい機械的および熱的要 求がされるようになった。ピストン部材のクラウン領域は燃料と空気の混合気の 燃焼により加熱される。ピストンリングを備えているピストン組立体はシリンダ ーボアと効果的に接触することにより高温燃焼ガスの漏出を防止し、あらゆる作 動条件の下で潤滑油を制御しなければならない。ピストンに作用する温度および 燃焼圧力は、特に、予め定まっている材料上、構造上および温度上の制限内にあ ることが必要である。そうでなければ、早期に破損が生じることになる。
1986年4月15日付けでH,モーバス(Moebus )に付与された米国 特許第4.581,983号が開示する冷却複合ピストン組立体はそのような増 加した出力レベルに耐え得るような一つの形態を示している。しかしながら、こ の米国特許に係るピストより望ましい型式のピストン組立体が1977年11月 1日付けでケネス R,カムマン(Kenneth R,KamInan )に 付与された米国特許第4.056,044号に示されている。この米国特許(出 願人は本件出願の出願人と同一である)は上部ピストン部材と下部スカートとを 有し、それらはそれぞれ共通のリストビンに枢動自在に連結されている連結式ピ ストン組立体を開示している。
スカート内のトラフに向けられた潤滑油は激しい「カクテル・シェーカー」運動 によって凹部に対して有効に跳ねかかる。凹部はリング溝に隣接するクラウン表 面の下側に位置しているもので、ピストン内部を冷却するためのものである。鋳 造部品について行った集中試験によれば、鋳造に関する知識の現在のレベルでは 約13.790KPa (2000psi)以上の燃焼圧力に耐えることは難し い。より詳細に言えば、上部鋳造鋼鉄ピストンの大多数が極度の多孔質であった ので実験は早期に失敗した。一方、少数の鋳造鋼鉄ピストンのみが比較的低度の 多孔質に製造されていたので、それらは比較的厳しい試験もバスした。鋳造部品 における多孔性のレベルを最小にするため多くの考察がなされたが、多孔性レベ ルは高いままである。多孔性レベルを調べる方法の一つとしてX線検査があるが 、これはコストの面から受は入れがたく、さらにピストンが全く多孔質ではない ということを必ずしも保証するものではない。
多孔性レベルを考慮することに加えて、連結式ピストンの各部品の形状および強 度も、高圧縮荷重および熱応力に対する耐久性を増加させるため引き続き考慮さ れるべきものである。例えば、M、 D、ルーエル(Roehrle )が著し た自動車技術者の世界社(5ociety of Automotive En gineers、 Inc、 )の第77003128日発行)には、それぞれ の部品について世界中で行われた多数の実験が示されている。また、同者では、 主に熱応力を原因として生じる軽量合金やアルミニウムのピストンのひび割れを 最小に抑えるため多くの考察がなされている。
1987年5月5日イ寸けでラトガー・バーチエム(Rutger Berch em )に付与された米国特許第4,662,047号には単一部品からなるピ ストンが開示されている。このピストンは鍛造ブランクをダイでプレスすること によって曲げ加工し、環状円筒形カラーを形成することにより製造される。鍛造 ピストンは高燃焼室圧力および高燃焼室温度に耐えられる特性を有するが、極め て小さな許容差しか有しない比較的薄い壁を備えた部品の鍛造、あるいは正確に 位置決めしなければならない狭く深い孔の形成は、不可能ではないにしても、大 変に困難である。この製造許容差によって、優れた熱消散効果を必要とする狭く 深い孔や薄い壁部分の鍛造が制限されることが多い。複雑な形状や不均一な壁の 厚さは不均一な熱分散やピストンの熱歪みの原因となり得る。従って、もう一つ の目的は、中心軸についての対称性を最大にしつつ、できる限り構造を単純化す ることである。
考慮すべきもう一つの問題は、鍛造を原因とする比較的粗い表面仕上げが応力を 上昇させることである。これは、薄壁部分や孔のように高荷重がかかるピストン の領域においては、特に、危険である。これらのひび割れ伝播領域は検出できず 、しばしば悪い結果をもたらす。
このように、現在求められているものは高出力エンジン用ピストン組立体であり 、約13,790KPa (2000psi)以上、好ましくは約15,170 KPa (2200psi)の範囲の燃焼室圧力において連続的に、かつ効率的 に作動し得るビストンを備えたピストン組立体である。さらに、ピストンは、そ の鍛造を行うことができるように複雑な形状を有しない合金鋼鉄から鍛造により 製造されることが好ましい。そのうえ、ピストンの上部分の範囲および、特に、 冷却凹部の範囲は壁の厚さを比較的薄くし、はぼ均一にし、均一な熱分散および 表面の最大の冷却効果を達成するようにすることが好ましい。
また、冷却凹部の表面は、隣接する表面との間の間隔を正確にあけるため、また 、特に冷却チャネルとリング溝との間の間隔を正確にあけるため、機械仕上げさ れた回転表面とされる。ピストンはその中心軸回りに対称な回転表面ををしてい ることが好ましく、この回転表面はひび割れの伝播の原因となる表面の凹凸がな く、このため熱歪みを避けることができるものとすることが好ましい。
本発明は以上述べた問題の一つまたは二つ以上を解決することを目的とするもの である。
〔発明の開示〕
本発明の一つの態様として、鍛造鋼鉄ピストンが提供される。
本発明に係る鍛造鋼鉄ピストンは、はぼ円筒形状の上部分と、ピストンの頂面か ら延び、下端面を有している比較的薄い管状壁と、下端面から上方に延びる内方 を向いている壁面とを備えている。
ピストンの上部分は、内方を向いている壁面から半径方向内側に隔置された外方 を向いている環状壁面と、内方を向いている壁面と連結し、環状冷却用凹部を形 成する連結部分とを備えている。
内方を向いている壁面、外方を向いている壁面、および下方を向いている連結部 分はすべて十分に機械加工された回転表面を有している。ピストンはさらに下部 分を備えており、この下部分は一対の従属ビンボスを備えており、この従属ビン ボスは並んで配置されており、各ピンボスはボアを形成している。
本発明の他の態様として、エンジン用ピストン組立体が提供される。このピスト ン組立体が用いられるエンジンは、ブロックと、該ブロックに受は入れられ、ボ アを形成しているシリンダー・ライナーと、ブロックに連結したシリンダー・ヘ ッドを備えるものである。本発明に係るピストン組立体は鍛造鋼鉄ピストンを備 えており、この鍛造鋼鉄ピストンは、はぼ円筒形状の上部分と、頂面と、頂面の 外周縁から延び、下端面を有する比較的薄い管状壁と、下端面から上方に延びる 内方を向いている壁面とを備えている。ピストンの上部分は、内方を向いている 壁面から半径方向内側に隔てられて形成されている外方を向いている環状壁面と 、内方を向いている壁面と連結し、環状冷却用凹部を形成する連結部分とを備え ている。内方を向いている壁面、外方を向いている壁面、および下方を向いてい る連結壁面はすべて十分に機械加工された回転表面を有している。ピストンはさ らに下部分を備えており、この下部分は一対の従属ビンボスを備えており、この 従属ビンボスは並んで配置されており、各ビンボスはボアを形成している。鍛造 鋼鉄ピストンの下部分は一対のビンボスを備えている。
ピンポスは冷却用凹部と連結しており、各ビンボスは内部にボアを形成している 。本発明に係るピストン組立体は複雑な形状を有しない鋼鉄ピストンを備えてお り、このため容易に鍛造または機械加工でき、13,790KPa (2000 psi)を以上の範囲の燃焼室圧力に対して耐久性を有する断面形状を有してお り、さらに軽量でもある。
〔図面の簡単な説明〕
第1図は本発明に係るエンジン用ピストン組立体の垂直方向の部分的な断面図、 第2図は第1図のn−tt線におけるピストン組立体の一部分の垂直方向の断面 図、 第3図は第1図および第2図に示したピストンの頂面の領域の一部を示す部分的 な拡大断面図、 第4図は第2図のIV−IV線の方向から見た場合のピストンの平面図、 第5図は第2図のV−V線におけるピストンの断面図、第6図は第2図のVI− VI線におけるピストンスカートの上方から見た平面図であり、 第7図は、第1図および第2図に示したピストンの頂面の領域の部分的な拡大断 面図であり、鍛造により形成された冷却用凹部の一部のみを備えた鍛造ピストン の流れすじを示し、第8図は、第1図および第2図に示したピストンの頂面の領 域の部分的な拡大断面図であり、鍛造により深く形成された冷却用凹部を備えた 鍛造ピストンの流れすじを示している。
〔実施例〕 第1図および第2図には多気筒型のディーゼル・エンジン10が示されている。
ディーゼル・エンジンlOは底部ブロック12と、頂部ブロックまたはスペーサ 一部分14と、複数のファスナすなわちボルト18により通常の方法で強固に結 合されたシリンダー・ヘッド16とを備えている。
中央で支持されたシリンダー・ライナー48は頂部ブロック14により安定的に 支持された円筒形の上部分52を備えており、また中心軸66を有するピストン ・ボア54を形成している。この点に関しては、1987年1月27日付けでB 、ボールハイマー(Ballheimer )に付与された米国特許第4.63 8,769号に相互参照がなされている。すなわち、同米国特許においては、中 央支持式ライナーを備えた多気筒型シリンダー・ブロックの特徴および利点が述 べられている。ただし、本実施例におけるディーゼル・エンジンlOは従来型式 のエンジンで足りる。
ディーゼル・エンジンlOは、第1図の右下に示すように、第一冷却用オイル発 射ノズル74および第二冷却用オイル発射ノズル75を備えている。第一オイル 発射ノズル74は底部ブロック12に強固に取り付けられており、さらに、圧力 オイル供給源(図示せず)と作動的に連結しており、連結式ピストン組立体76 の所定の領域においてほぼ垂直方向にエンジン潤滑オイルの小幅の噴流をつくり 出す。第ニオイル発射ノズル75も底部ブロック12に取り付けられているが、 垂直方向からは傾斜して取り付けられており、ピストン組立体76の他の領域に おいて冷却オイルの噴流と衝突する。
ディーゼル・エンジンIOの連結式ピストン組立体76は鍛造上部鋼鉄ピストン 部材78と下部鍛造アルミニウムピストンスカート80とを備えている。上部ピ ストン部材78と下部ピストンスカート80とは、長手方向を向いている中心軸 84を有する共通の鋼鉄リストビン82に連結して取り付けられている。上部眼 状端部92と、鋼鉄で裏打ちされたブロンズのスリーブ・ベアリング94とを有 する従来型のコネクティング・ロッド90はリストビン82と作動的に連結し、 リストビン82によって駆動される。
第2図および第4図に最も良く示されているように、上部鋼鉄ピストン部材78 はほぼ円筒形状で、所定の最大直径りを有する上部分96を備えている。上部分 96は十分に機械加工された頂面98と、凹状の対称形のクラウン表面100と を有している。
頂面98は平坦である、すなわち中心軸66と垂直な面上に位置している。クラ ウン表面+00は、本実施例においては、中心軸66の回りに十分に機械加工さ れた回転表面である。一般的に、クラウン表面100は、クラウン表面100の 中央に位置し、頂面98の高さよりも下方にある頂部102と、軸方向外周表面 104と、頂部102と軸方向外周表面104とを滑らかに結ぶ環状トラフ10 6とを有している。
第3図に最も良く示されているように、上部ピストン部材78は、頂面98の外 周縁から延びる比較的薄い厚さの管状壁108ををしている。本実施例における 管状壁108の高さLHは31mmであった。管状壁108は、その周囲に、第 一ランドまたは頂部ランド110と、断面が楔形の頂部リング溝112と、第二 中間ランドまたは上部中間ランド114と、断面が矩形の中間リング溝116と 、第三中間ランドまたは下部中間ランド118と、断面が矩形の底部リング溝1 20と、第四ランドまたは底部ランド122とをこの順番に備えており、底部ラ ンド122は該底部ランド122より下方にあり、半径方向に延び、十分に機械 加工された下端面+24で終わっている。本実施例においては、頂面98と頂部 リング溝112との間の最小垂直距離T R,Hは5mmであった。はぼ軸方向 に延び、内方を向いている環状のテーパ付き壁面126は管状壁108内部にあ り、下端面124から上方に延びている。
上部ピストン部材78の上部分96は、さらに、テーパ付き壁面126から半径 方向内側に隔てられて形成されている半径方向外側を向いている環状の壁面12 8と、下方を向いている連結壁部分130とからなる。連結壁部分130は壁面 126と壁面128とを連結し、正確に定められた断面形状を有する環状の冷却 用凹部132を形成している。冷却用凹部132の頂上部は頂部リング溝112 の頂」二部とほぼ同じ高さの関係にある。冷却用凹部132の頂上部は上部ピス トン部材78の頂面98の直下に位置しており、頂面98からの垂直距離はEで 表される。ある実施例においては垂直距離Eは約5.5mmであった。
実際には、本実施例の壁面128は上部円錐部分134とその下方に続いている 円筒部分136とからなる。上部円錐部分134は、第3図に示すように、約1 2.33°の中心軸66からの傾斜角Aを有する。一方、壁面126は十分に円 錐形状をなしており、約1.17°の傾斜角Bを有する。内側を向いている壁面 1’2B、外側を向いている壁面128、および下方を向いている連結壁部分1 30はいずれも十分に機械仕上げされた回転表面である。壁面126と頂部リン グ溝112の最も内側の部分との間の半径方向厚さは、壁面126と中間リング 溝116の最も内側の部分との間の半径方向厚さよりもわずかに大きい。したが って、壁面126と中間リング溝116の最も内側の部分との間の半径方向厚さ は最も破損し易い部分であり、本実施例におけるその半径方向厚さの最小値は1 .74mmである。好ましくは、3mmまたは4mmである。シール溝112. 116.120は十分に機械仕上げされた回転表面であるので、それらの半径方 向における危険断面は正確に制御できるものである。
変形例として、環状冷却用凹部132は第7図に示すような浅い凹部、あるいは 第8図に示すような深い凹部その他いかなる形状に鍛造してもよい。さらに、第 7図および第8図に示すように、凹部の深さを変えることにより得られるグレン 流れが想像線により示されている。第8図に示す変形例においては、内側を向い ている壁面126のみが機械仕上げした回転表面であれば良く、したがって、壁 面126とシール・リング溝116との間の危険断面だけを正確に制御すればよ い。
連結式ピストン組立体76は、頂部リング溝112に嵌め込まれている楔形の頂 部スプリット圧縮リング138と、中間リング溝116に嵌め込まれている段付 き矩形断面の中間スプリット圧縮リング140と、底部リング溝120に嵌め込 まれているオイルリング組立体142とを備えている。
第1図および第2図に示すように、上部鋼鉄ピストン部材78は一対の従属ピン ボス160を有する下部分158を備えている。
従属ビンボス160は冷却用凹部132の壁面128と連結し、さらに、下方を 向いている凹部ポケット162と連結している。
凹部ポケット162は上部分96により形成され、中心軸66を中心とする。凹 部ポケット162はクラウン表面100の頂部102からほぼ均一に隔置されて おり、第1図および第2図に示すように、はぼ均一の厚さCの比較的薄いクラウ ン164を形成している。例えば、本実施例においては、厚さCは約5mmまた は6mmである。環状トラフ106と冷却用環状凹部132との間には比較的薄 く、はぼ円錐形のような形状のウェブまたは壁166が形成されており、ウェブ 166は最小厚さWを有する。本実施例では、厚さWは約4〜7mmである。各 ピンボス160にはそれらを貫通するボア168が形成されており、ボア168 にはそれぞれ鋼鉄で裏打ちされたブロンズのベアリング・スリーブ170が組み 込まれるようになっている。これらのベアリング・スリーブ170は軸方向に整 列しており、その内部にリストビン82を枢動自在に組み込んでいる。
第1図、第2図および第6図を参照すると、ピストンスカート80は、上部ピス トン部材78の下端面124と接触はしていないが、近接した位置関係にある頂 面172を有しており、この頂面172には上方を向いている環状の冷却用トラ フ174が形成されている。ピストンスカート80の周囲には、さらに、わずか に楕円形の外周面176が頂面172から延びている。ピストンスカート80に は一対の整列したりストピン受はボア178がピストンスカート80を貫通して 形成されている。ピストンスカート80は、このように、双方のりストピン受は ポア1フ8内部に挿入可能に設けられているリストビン82に連結式として取り 付けられている。
ピストンスカート80内部には軸方向を向いている一対のボス184が形成され ており、これに対応して、このボス184を貫通して軸方向に延びる一対の潤滑 剤通路186が形成されている。
潤滑剤通路186は冷却用トラフ174と冷却用凹部132との間を連通させて いる。第6図に示すように、潤滑剤通路186は対角線方向に対向して設けられ ており、このためピストンスカート80は二通りの配置の仕方をもってリストビ ン82に取り付けることができる。したがって、潤滑剤通路186のうちの少な くとも一方は軸方向において第一オイル発射ノズル74と整列する。
さらに、ピストンスカート80には、ピストンスカート80の底面において下方 に開口し、対角線方向に対向している半円筒形凹部188が形成されており、ピ ストンスカート80が往復運動してその最下位置まで達したときにはオイル発射 ノズル74.75との間にクリアランスが生じるようにしている。
〔産業上の利用可能性〕
本発明における鍛造鋼鉄ピストン78は連結式ピストン組立体76として用いら れる。連結式ピストン組立体7Gは約15,170KPa (2200psi) の燃焼室圧力を受ける高燃焼室圧力エンジン10に用いられる。鍛造鋼鉄ピスト ン78は出カッ増加を可能にする。第1図に示すように、連結式ピストン組立体 76は中央支持式シリンダー・ライナー48と、二個のシリンダー・ブロック1 2.14とを有するエンジンIOに用いられる。
エンジンの作動中においては、ピストン組立体76の往復運動の間に第一オイル 発射ノズル74は該ノズル74と整列しているスカート通路186内部に潤滑オ イルを発射する。潤滑オイルの噴射流は上方に噴射を続け、ピストン部材78の 上部分96の環状冷却用凹部132を形成している壁面126、壁面128およ び連結壁部分130と接触する。潤滑オイルの大部分は、ピストン組立体76が 往復運動する際に、スカート・トラフ174にたまり、激しい[カクテル・シェ ーカー」運動を行って跳ねかかり、冷却用凹部132の壁面126.128.1 30、およびリング溝112.116.120を形成しているウェブ166と管 状壁108を冷却する。同時に、第ニオイル発射ノズル75はコネクティング・ ロッド90と凹部ポケット162すなわちクラウン164の下部とに潤滑オイル を細長い柱状にして発射する。
第3図を参照すると、冷却用凹部132の頂上部は頂部リング溝112の頂上部 と同じ高さにある。冷却用凹部132の頂上部は上部ピストン部材78の頂面9 8の直下に位置しており、頂面98からの垂直距離はEで表される。ある実施例 においては、直径りは124mm、垂直距離Eは約5.5mmであった。このよ うに、壁の厚さを比較的薄く、はぼ一定とするのは熱分散をほぼ均等に行い、冷 却を最大限に行うためである。壁面126は中心軸66の回りに機械仕上げされ た回転表面であり、機械仕上げすることによって正確に寸法通りに形成でき、お よびリング溝112.116.120と壁面126との間を正確に同心とするこ とができる。寸法通りに形成すること、およびリング溝底部と壁面126とを同 心とすること、特に壁面126に最も近いリング溝116底部と壁面126とを 同心とすることは極めて重要である。
というのは、誤差があると管状壁108の強度が低下し、ひび割れ、不均一な熱 分散および/または熱ひずみの原因となるからである。冷却用凹部132を形成 している内側を向いている壁面126、外側を向いている壁面128および下方 を向いている連結壁部分130はすべて中心軸66回りの機械仕上げの回転表面 であり、こうすることによって、ひび割れの伝播や熱ひずみの原因となる不均一 さを排除することができる。壁面126.128および連結壁部分130を機械 加工することによって壁の厚さ、同心性、壁面の仕上げをすべて正確に行うこと が可能になる。あるいは、第8図に示す深い鍛造凹部132を有する変形例にお いては、壁面126のみを機械仕上げによる回転表面とし、寸法上の制御、リン グ溝112.116.120の底部との間の同心性、特に壁面126に最も近い リング溝116底部との同心性を確保することができる。
以上述べた寸法上の制約に加えて、連結式ピストン組立体76は複雑な形状を有 さないように、またある材料を使用してつくることが好ましい。より詳細に言う と、上部鋼鉄ピストン部材78は、4140改良鋼その他のクロム−モリブデン 合金鋼から鍛造成形することが好ましい。同様に、下部アルミニウムピストンス カート80は5AE321−T6改良アルミニウムその他の合金アルミニウムか ら鍛造成形することが好ましい。
上述の合金鋼は特にクラス■の鍛造に適応しており、約13゜790KPa ( 2000ps i)以上、好ましくは約15.170KPa (2200psi )以上の高圧縮圧力に耐え得るオーステナイト粒度5またはそれより微細な粒度 を提供できるものである。鍛造鋼鉄ピストンのエツチング断面部分は、それらの 内部のグレン流れすじがほぼ、あるいは広い逆U字形をなしていることを示して いる。この逆U字形は第3.6.7図に示したピストン部材の形状に概略的に近 似しており、またウェブ166および管状壁108のグレン流れすじとほぼ並ん でいる。これによって断面強度の増加がもたらされている。
上述の鍛造アルミニウム合金は高い硬度、優れた耐摩耗特性、小さい熱膨張率を 有している。
本発明の他の態様、目的および利点は図面、発明の説明および請求の範囲から理 解される。
国際調査報告 国際調査報告   。58900714

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ほぼ円筒形状をなし、中心軸を有する上部分と、頂面と、該頂面から延び 、シール用リングを受け入れる溝を有する管状壁と、下端面と、該下端面から上 方に延びている内側を向いている壁面とからなり、 前記上部分は、前記内側を向いている壁面から半径方向内側に隔てられて形成さ れた外側を向いている壁面と、前記内側を向いている壁面および前記外側を向い ている壁面の双方と連結している下方を向いている連結壁部分とを備え、環状冷 却用凹部を形成し、 前記連結壁部分は前記頂面から比較的短い距離Eだけ下方に位置し、 前記内側を向いている壁面は前記中心軸回りに機械仕上げされた回転表面である 、 エンジン内で往復運動する鍛造鋼鉄ピストン。
  2. (2)前記外側を向いている壁面と前記下方を向いている連結壁部分とは前記中 心軸回りに機械仕上げされた回転表面であることを特徴とする請求項(1)記載 の鍛造鋼鉄ピストン。
  3. (3)一対の従属ピンボスを有する下部分をさらに備え、前記従属ピンボスは前 記冷却用凹部と連結しており、各従属ピンボスはボアを形成し、該ボアは共通の 軸に沿って整列していることを特徴とする請求項(1)記載の鍛造鋼鉄ピストン 。
  4. (4)前記上部分と前記下部分とは一体的に、または単一部品として鍛造されて いることを特徴とする請求項(3)記載の鍛造鋼鉄ピストン。
  5. (5)鍛造に用いる原材料はクロムーモリブデン鋼であることを特徴とする請求 項(4)記載の鍛造鋼鉄ピストン。
  6. (6)前記頂面と前記冷却用凹部の頂上部との間の垂直距離は約6mmであるこ とを特徴とする請求項(1)記載の鍛造鋼鉄ピストン。
  7. (7)前記上部分は、前記クラウン表面と前記冷却用凹部との管に比較的均一な ウェブが形成されるように、前記中心軸回りに機械仕上げされた回転表面を含む 凹状のクラウン表面を形成していることを特徴とする請求項(1)記載の鍛造鋼 鉄ピストン。
  8. (8)前記冷却用凹部と、前記溝の最も内側の部分との間の最小半径方向厚さは 約1.74mmであることを特徴とする請求項(1)記載の鍛造鋼鉄ピストン。
  9. (9)ボアを形成しているブロックと、ピストンボアを形成しているシリンダー ・ライナーと、前記ブロックと連結しているシリンダー・ヘッドを有する型式の エンジンに用いるエンジンピストン組立体であって、 中心軸と、頂面と、該頂面から延び、外側を向いている頂部ランドを形成してい る管状壁と、前記頂面から所定の最小垂直距離TRHを有する頂部リング溝と、 下端面と、該下端面から上方に延びている内側を向いている環状の壁面とを有し 、ほぼ円筒形状の上部分を備える鍛造鋼鉄ピストン部材とを備え、前記上部分は 、前記内側を向いている壁面から半径方向内側に隔てられて形成された外側を向 いている壁面と、前記内側を向いている壁面および前記外側を向いている壁面の 双方と連結している下方を向いている連結壁部分とを備え、前記頂部リング溝と ほぼ同じ高さにある環状冷却用凹部を形成し、前記内側を向いている壁面は前記 中心軸の回りに機械仕上げされた回転表面であり、 前記冷却用凹部と連結した一対の従属ピンボスを備え、各従属ピンボスはボアを 形成し、該ボアは共通の軸に沿って整列している、エンジンピストン組立体。
  10. (10)前記外側を向いている壁面と前記下方を向いている連結壁部分とは前記 中心軸回りに機械仕上げされた回転表面であることを特徴とする請求項(9)記 載のエンジンピストン組立体。
  11. (11)前記上部分と前記下部分とは一体的に、または単一部品として鍛造され ていることを特徴とする請求項(10)記載のエンジンピストン組立体。
  12. (12)アルミニウムピストンスカートと、前記ピストン部材を該ピストンスカ ートに連結させるリストピンとを備えていることを特徴とする請求項(10)記 載のエンジンピストン組立体。
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