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JPH0235735B2 - Kojundoparajiumushibozokukarubonsanennoseiho - Google Patents

Kojundoparajiumushibozokukarubonsanennoseiho

Info

Publication number
JPH0235735B2
JPH0235735B2 JP57044632A JP4463282A JPH0235735B2 JP H0235735 B2 JPH0235735 B2 JP H0235735B2 JP 57044632 A JP57044632 A JP 57044632A JP 4463282 A JP4463282 A JP 4463282A JP H0235735 B2 JPH0235735 B2 JP H0235735B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
palladium
copper
reaction
catalytic reduction
precipitate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57044632A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58162551A (ja
Inventor
Hiroshi Itaya
Akinori Shiotani
Motozo Yoshikyo
Mikio Fujimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP57044632A priority Critical patent/JPH0235735B2/ja
Publication of JPS58162551A publication Critical patent/JPS58162551A/ja
Publication of JPH0235735B2 publication Critical patent/JPH0235735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高純度パラジウム脂肪族カルボン酸
塩の製法に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、有機パラジウム塩、有機銅塩、および
1,10−フエナントロリンまたは2,2′−ビピリ
ジンからなる触媒の存在下にてオルソフタル酸エ
ステルを酸化カツプリング反応させることにより
生成した反応液から高純度のパラジウムの脂肪族
カルボン酸塩を製造する方法に関するものであ
る。
オルソフタル酸ジメチルおよびオルソフタル酸
ジエチルなどのようなオルソフタル酸エステル
を、酢酸パラジウムなどのパラジウム系触媒の存
在下にて酸化カツプリングさせることによりその
二量化反応生成物、すなわち、2,3,3′,4′−
ビフエニルテトラカルボン酸テトラエステル(以
下、a−BPTTまたはa−体と略記する)およ
び3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
テトラエステル(以下、s−BPTTまたはs−
体と略記する)を製造する方法は以前より知られ
ていた。しかし、この方法による反応では、a−
BPTTがs−BPTTよりも高い選択率で生成す
るが傾向あり、一方、化学工業における原料、た
とえば、芳香族ポリイミド製造用のカルボン酸二
無水物の中間原料としての用途では、s−
BPTTがa−BPTTよりもはるかに高い有用性
を持つため、s−体への選択率が高い酸化カツプ
リング反応を含む反応系の開発が求められてい
た。
そして、そのようなs−体への選択率が高い酸
化カツプリング反応を実現した反応系は、特開昭
55−153747号公報に開示されている。この反応系
では、有機パラジウム塩に1,10−フエナントロ
リンまたは2,2′−ビピリジンを添加した系を触
媒として用いてオルソフタル酸エステルの酸化カ
ツプリング反応を行なわせることにより高い選択
率でs−体を得ている。そして、この触媒系にさ
らに有機銅塩を添加することにより酸素分圧が低
い系でも目的の酸化カツプリング反応が効率良く
進行することも開示されている。
常圧などのような酸素分圧の低い系において高
い選択率で目的のs−体を得ることのできる方法
は、化学工業的な製造法として非常に好ましい方
法であるが、この方法にも触媒の再生が困難がと
もなうとの欠点がある。
従来から知られていた酢酸パラジウムなどのみ
からなる比較的単純なパラジウム系触媒の存在下
にてオルソフタル酸エステルを酸化カツプリング
させる反応を利用した二量化反応においては、た
とえば特公昭53−20009号公報に開示されている
ように、反応に使用したパラジウム触媒を還元剤
で活性化処理したのち、硝酸を加えた酢酸などの
脂肪族カルボン酸中で加熱することによりパラジ
ウムの脂肪族カルボン酸塩を再生することは容易
に達成することができる。
しかしながら、前記の有機パラジウム塩、有機
銅塩、および1,10−フエナントロリンまたは
2,2′−ビピリジンからなる触媒は、還元剤で活
性化処理したのち、単に、硝酸を加えた酢酸など
の脂肪族カルボン酸中で加熱する方法によつて
は、高純度のパラジウム脂肪族カルボン酸塩を得
ることは困難である。すなわち、還元剤による活
性化処理を施した触媒を上記の硝酸含有脂肪族カ
ルボン酸中で加熱処理した反応液からは、生成し
たパラジウムの脂肪族カルボン酸塩の析出に非常
に長時間を必要とし、さらに同じく生成した銅の
脂肪族カルボン酸塩が析出物に混入するため、得
られるパラジウムの脂肪族カルボン酸塩は純度の
低いものとなる。
一般に、このようにして再生されたパラジウム
の脂肪族カルボン酸塩は他の触媒成分と組み合わ
されて、再びオルトフタル酸エステルを酸化カツ
プリングさせる反応に触媒として利用されるが、
純度の低いパラジウムの脂肪族カルボン酸塩は、
その二量化反応の収率および選択率を著しく低下
させる。このため、触媒に含まれていたパラジウ
ム成分を脂肪族カルボン酸塩として回収、再生す
る場合には、その生成物は高純度のパラジウム脂
肪族カルボン酸塩とする必要がある。
従つて、本発明は、有機パラジウム塩、有機銅
塩、および1,10−フエナントロリンまたは2,
2′−ビピリジンからなる触媒の存在下にてオルソ
フタル酸エステルを酸化カツプリング反応させる
方法において生成した反応液から高純度のパラジ
ウム脂肪族カルボン酸塩を製造する方法を提供す
ることを主な目的とするものである。
本発明は、有機パラジウム塩、有機銅塩、およ
び1,10−フエナントロリンまたは2,2′−ビピ
リジンからなる触媒の成分下にてオルソフタル酸
エステルを酸化カツプリング反応させた反応液
を、還元処理することにより還元パラジウムと還
元銅を主成分とする触媒還元生成物を沈澱させ、
この沈澱物を有機物除去のための工程にかけた後
に、脂肪族カルボン酸中で加熱することにより銅
成分を溶出除去し、次にその不溶物を活性化処理
し、これを微量の硝酸を含む脂肪族カルボン酸中
にて加熱し、次いで析出物を取り出すことを特徴
とする高純度パラジウム脂肪族カルボン酸塩の製
法からなるものである。
次に本発明を詳しく説明する。
本発明において高純度パラジウム脂肪族カルボ
ン酸塩の製造原料となるものは、オルソフタル酸
ジメチルおよびオルソフタル酸ジエチルなどのよ
うなオルソフタル酸エステルを、有機パラジウム
塩、有機銅塩、および1,10−フエナントロリン
または2,2′−ビピリジンからなる触媒の存在下
にて酸化カツプリング反応させることにより3,
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸テトラ
エステル(s−BPTTと略記する)を高い収率
で製造する方法における二量化反応により生成し
た反応液を還元処理して得られる沈澱生成物であ
る。
上記の二量化反応については、例えば前記の特
開昭55−153747号公報に開示されており公知であ
る。
この二量化反応により生成した反応液の還元処
理は、一般には、反応液を常圧あるいは加圧下に
て水素と触媒させながら加熱する方法により行な
うことが望ましい。そして通常は、常圧から200
気圧、好ましくは10〜20気圧の圧力下において、
反応液を水素と触媒させながら100〜300℃、好ま
しくは、180〜240℃の温度に加熱する方法がとら
れる。ただし、他の還元剤、たとえばアルカリ金
属のヒドリド化合物、アルカリ土類金属のヒドリ
ド化合物、ホウ素およびアルミニウムのヒドリド
誘導体、金属と酸との組み合わせ、金属とアルコ
ールとの組み合わせなども使用することができ、
必要に応じてそれらの還元剤を用いて還元処理を
行なう。また、この還元処理の際には、析出する
触媒還元生成物の微粒子を効率良く凝集させて高
い収率で触媒還元生成物を回収するために、還元
処理を行なう系にシユウ酸アンモニウムなどのPH
調節剤を加えておくことも望ましい。
なお、パラジウム触媒を含む反応液から触媒還
元生成物を沈澱回収する方法は、たとえば、特公
昭53−20009号公報に記載されており、本発明に
おける反応液から触媒還元生成物を沈澱回収する
工程は、その方法に準じた方法により行なうこと
ができる。
上記のようにして沈澱回収された沈澱物は、還
元パラジウムと還元銅を主成分とする触媒還元生
成物であり、本発明においては、この沈澱物を次
に有機物除去のための工程にかけて、沈澱物中の
有機物の含有量を大きく低減させ、さらに銅成分
を溶出除去したのちに、再び活性化処理し、次い
で脂肪族カルボン酸との塩形成のための処理を行
なうことを特徴としている。
すなわち、本発明者の研究によれば、前記のよ
うにして得られた還元パラジウムと還元銅を主成
分とする触媒還元生成物には、相当量の1,10−
フエナントロリンまたは2,2′−ビピリジンなど
の触媒の有機物成分に起因すると想定される有機
物が、一般には構成元素の含有量で表わして炭
素:2.0〜15.0%、水素:0.2〜3.0%、窒素:0.02
〜3.0%程度となるような量で含まれている。そ
して、このような触媒還元生成物に対して脂肪族
カルボン酸との塩形成のための処理を直接行なつ
た場合に、パラジウムの脂肪族カルボン酸塩の析
出に非常に長時間を必要とし、さらに同じく生成
した銅の脂肪族カルボン酸塩が析出物に混入して
パラジウムの脂肪族カルボン酸塩が低純度となる
のは、主として、これらの有機物成分の混入が、
パラジウムの脂肪族カルボン酸塩の早期の析出を
妨げるためであるとの知見が得られた。そして本
発明者は更に研究を行なつた結果、これらの有機
物成分を触媒還元生成物から除去したのちに脂肪
族カルボン酸との塩形成のための処理を行なつた
場合には、生成したパラジウムの脂肪族カルボン
酸塩は短時間のうちに高収率で反応液から析出
し、かつ析出したパラジウムの脂肪族カルボン酸
塩は高い純度を持つことを見い出した。
本発明において、触媒還元生成物から有機物を
除去するための工程は、たとえば、触媒還元生成
物を焼成するか、あるいは稀アルカリ水溶液中で
再還元処理することにより行なうことができ、本
発明の実施にあたつては、これらの方法を利用す
ることが望ましい。
触媒還元生成物、すなわち、還元処理による沈
澱生成物、を焼成する処理は、酸素含有の雰囲気
下、たとえば空気中において200〜1000℃の温度
で電気炉などを用いて行なうことが好ましい。こ
の加熱温度は、特に400〜600℃の範囲とすること
が好ましい。
触媒還元生成物を稀アルカリ水溶液中で再還元
する処理は、アンモニア水、あるいは水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの水溶液に触媒還元
生成物を添加した混合物を、通常は、常圧から
200気圧、好ましくは10〜50気圧の圧力下におい
て、水素と触媒させながら100〜300℃、好ましく
は、180〜240℃の温度に加熱する方法がとられ
る。ただし、還元剤は水素に限定されるものでは
なく、前述したような各種の還元剤を使用するこ
とができる。また、稀アルカリ水溶液としてはア
ルカリ濃度が約1〜10重量%の水溶液を用いるこ
とが好ましく、また特にアンモニア水を用いるこ
とが好ましい。
触媒還元生成物を、有機物を除去するための工
程にかけることにより、触媒還元生成物に含まれ
ていた有機物の量は大幅に減少する。具体的には
この有機物除去処理により、触媒還元生成物に含
有される有機物の量を、構成元素の量で表わして
炭素1.0%以下、水素0.15%以下、そして窒素0.01
%以下とすることが好ましい。
有機物除去処理後の触媒還元生成物は、次いで
脂肪族カルボン酸中で加熱することにより銅成分
を溶出除去する工程にかけられる。すなわち、実
質的にパラジウム成分と銅成分からなる有機物除
去処理後の触媒還元生成物をギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸などの炭素数6以下の低級
脂肪族カルボン酸に投入し、これを加熱すること
により銅成分を低脂肪族酸カルボン酸塩に変換し
て溶媒中に溶出させる工程である。加熱は、溶媒
の役目もしている脂肪族カルボン酸を還流させな
がら行なうのが好ましい。この加熱においてパラ
ジウムの大部分は酢酸塩に変換しないため、その
不溶物中にパラジウム成分の純度は相対的に高く
なる。なお、上記の銅成分を溶出除去する工程に
かける前に、有機物除去処理後の触媒還元生成物
に対して活性化処理を施しておくことが好まし
い。この活性化処理の具体的な操作は、次に述べ
る銅成分を溶出除去した後の不溶物に対する活性
化処理と同様である。
銅成分を溶出除去した後の不溶物は、次いで脂
肪族カルボン酸塩への転換反応のための予備処理
である活性化処理にかけられる。不溶物を分離し
たのちの反応液は、その中に溶解している銅の脂
肪族カルボン酸塩の濃度が過度に高くない限り、
これをそのまま、あるいは新しい脂肪族カルボン
酸溶媒を加えたのち、上記の銅成分溶出除去処理
の反応溶媒として用いることができる。
活性化処理は、たとえば、処理対象物である有
機物除去処理後の触媒還元生成物を、酢酸などの
脂肪族カルボン酸中に入れ、この混合物を、常圧
から50気圧の圧力下において、水素と触媒させな
がら室温から240℃の温度で加熱還元する方法が
とられる。ただし、還元剤は水素に限定されるも
のではなく、前述したような各種の還元剤を使用
することができる。
活性化処理を行なつた生成物を、次に、微量の
硝酸を含む脂肪族カルボン酸中にて加熱して脂肪
族カルボン酸塩に変換したのち、反応混合物を冷
却あるいは濃縮するなどの方法によりパラジウム
脂肪族カルボン酸塩を析出させ、これを反応液よ
り分離する。
上記の反応に用いる脂肪族カルボン酸の例とし
ては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
などの炭素数6以下の低級脂肪族カルボン酸を挙
げることができる。また、これらの脂肪族カルボ
ン酸の無水物を用いることもできる。特に好まし
いものは、酢酸である。なお、これらの脂肪族カ
ルボン酸は循環使用することも可能である。すな
わち、析出したパラジウムの脂肪族カルボン酸塩
を分離したのちの反応液は、その中に溶媒してい
る銅の脂肪族カルボン酸塩の濃度が過度に高くな
い限り、これをそのまま、あるいは新しい脂肪族
カルボン酸溶媒を加えたのち、微量の硝酸を加え
て、上記の反応の反応溶媒として用いることがで
きる。
上記のように脂肪族カルボン酸塩への変換の反
応は微量の硝酸の存在下にて行なうが、この硝酸
の使用量は、触媒還元生成物に含有されている還
元パラジウム(金属パラジウム)1モルに対して
0.1〜10モルとするのが好ましく、特に好ましい
範囲は、0.5〜2.0モルである。
この反応は加熱下に行なうが、その加熱条件に
は特に制限はない。ただし、加熱温度が低い場合
には反応速度が低下するため、一般には、反応を
還流下に行なうことが好ましい。
なお、還元剤で活性化処理した金属パラジウム
を、硝酸を加えた酢酸などの脂肪族カルボン酸中
で加熱することによりパラジウムの脂肪族カルボ
ン酸塩に変換し、これを取り出す方法の反応操作
は、たとえば、前記の特公昭53−20009号公報に
記載されており、本発明における触媒還元生成物
を脂肪族カルボン酸塩に変換し、これを取り出す
工程を実施するに際しては、そこに記載されてい
る各種の反応操作、反応条件などに準じた方法を
利用して実施することができる。
以上述べたような本発明の方法によれば、脂肪
族カルボン酸塩に変換されたパラジウム、すなわ
ち、パラジウム脂肪族カルボン酸塩は、反応混合
物中に1,10−フエナントロリンあるいは2,
2′−ビピリジンに起因する有機物の混入が著しく
少ないため、反応混合物を冷却あるいは濃縮する
などの方法により、反応混合物から短時間(室温
で10時間以内、通常は5時間以内)のうちに析出
し、その析出物には、前記の有機物が殆ど含まれ
てこないため、析出物は高純度のパラジウム脂肪
族カルボン酸塩となる。また同時に生成した銅の
脂肪族カルボン酸塩は、反応液に溶解した状態で
残り、析出物中に混入する割合が著しく低いもの
となる。
また、本発明の方法においては、有機物を除去
したのちに、一旦、銅成分を溶出除去する工程を
加えているため、最終的に得られるパラジウムの
脂肪族カルボン酸塩の銅成分含有量は、そのよう
な工程を加えていない方法に比べ更に低くなる。
従つて、二量化反応の反応液から沈澱回収した触
媒還元生成物中の銅成分の含有量が高い場合にお
いて銅成分含有量の低いパラジウム脂肪族カルボ
ン酸塩を得るためには、本発明の方法は特に有利
である。
このような高純度のパラジウム脂肪族カルボン
酸塩、たとえば高純度酢酸パラジウムは、前記の
二量化反応において高い触媒活性を示す。従つ
て、有機パラジウム塩、有機銅塩、および1,10
−フエナントロリンまたは2,2′−ビピリジンか
らなる触媒の存在下にてオルソフタル酸エステル
を酸化カツプリング反応させた反応液から本発明
の方法によつて再生したパラジウムの脂肪族カル
ボン酸塩を、触媒成分として循環使用することが
可能となり、このため触媒成分として高価かつ貴
重であるパラジウムの有効利用が可能となること
から工業的に非常に有利となる。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
実施例 1 酢酸パラジウム、酢酸第二銅および1,10−フ
エンナントロリンからなる触媒の存在下にてフタ
ル酸ジメチルを酸化カツプリング反応させること
により生成した反応液を70mlとり、これを水素圧
40気圧、加熱温度220℃の条件にて2時間還元処
理したところ、沈澱物(触媒還元生成物)が得ら
れた。この沈澱物は、金属成分がパラジウムと銅
からなり(パラジウム/銅=38/62重量%)、か
つ、炭素4.32%、水素0.42%、そして窒素0.08%
(全て重量%、以下同様)で表される有機物を含
んでいた。
上記の沈澱物を0.300gとり、これを電気炉に
いれ空気雰囲気下、550℃で5時間加熱焼成した
ところ、有機物はほぼ完全に除去されていた(炭
素0.0%、水素0.03%、窒素0.0%)。
この加熱焼成物を酢酸に入れ、水素圧30気圧、
加熱温度60℃の条件にて水素による活性化処理
(水素賦活)を1時間行なつたのち、得られた沈
澱物を0.200gとり、これを60mlの酢酸中にいれ、
6時間加熱還流した。次いで反応混合物を熱時濾
過して、不溶物を分離した。濾液から酢酸を留去
したところ酢酸第二銅が0.326g残つた。
上記の不溶物を酢酸に入れ、水素圧30気圧、加
熱温度60℃の条件にて水素による活性化処理(水
素賦活)を1時間行なつたのち、得られた沈澱物
を濃硝酸0.05mlを含む酢酸10mlに加えて1時間加
熱還流した。加熱還流が終了したのち反応液を熱
時濾過したが、未反応物は検出されなかつた。
この濾過液を室温下で1時間放置冷却したとこ
ろ、褐色の酢酸パラジウムが0.115g析出した。
この析出物を原子吸光分析により分析したとこ
ろ、銅原子の混入量は0.50%であつた。ただし、
銅原子の混入量(%)=[Cu(mg)/試料(mg)]×
100である。(以下同様) また、析出物を分離したのちの母液には酢酸パ
ラジウムが0.040g、そして酢酸第二銅が0.008g
含まれていた。
実施例 2 実施例1において得た触媒還元生成物(パラジ
ウム/銅=38/62重量%、炭素4.32%、水素0.42
%、窒素0.08%)を同じく0.300gとり、これを
30mlの2%アンモニア水に入れ水素圧20気圧、加
熱除去200℃の条件にて再還元処理を1時間行な
つた。生成物を分析したところ、有機物の含有量
は著しく減少していた(炭素0.88%、水素0.15
%、窒素0.0%)。
この再還元処理物を酢酸に入れ、水素圧30気
圧、加熱温度60℃の件下にて水素による活性化処
理(水素賦活)を1時間行なつたのち、得られた
沈澱物を0.200gとり、これを60mlの酢酸中にい
れ、6時間加熱還流した。次いで反応混合物を熱
時濾過して、不溶物を分離した。濾液から酢酸を
留去したところ酢酸第二銅が0.309g残つた。
上記の不溶物を酢酸に入れ、水素圧30気圧、加
熱温度60℃の条件にて水素による活性化処理(水
素賦活)を1時間行なつたのち、得られた沈澱物
を濃硝酸0.5mlを含む酢酸10mlに加えて1時間加
熱還流した。加熱還流が終了したのち反応液を熱
時濾過したが、未反応物は検出されなかつた。
この濾過液を室温下で1時間放置冷却したとこ
ろ、褐色の酢酸パラジウムが0.103g析出した。
この析出物を原子吸光分析により分析したとこ
ろ、銅原子の混入量は1.2%であつた。
また、析出物を分離したのちの母液には酢酸パ
ラジウムが0.053g、そして酢酸第二銅が0.031g
含まれていた。
比較例 1 実施例1において得た触媒還元生成物(パラジ
ウム/銅=38/62重量%、炭素4.32%、水素0.42
%、窒素0.08%)を、0.200gを有機物除去のた
めの処理を行なうことなく60mlの酢酸中にいれ、
6時間加熱還流した。次いで反応混合物を熱時濾
過して、不溶物を分離した。濾液から酢酸を留去
したところ酢酸第二銅が0.232g残つた。
上記の不溶物を酢酸に入れ、水素圧30気圧、加
熱温度60℃の条件にて水素による活性化処理(水
素賦活)を1時間行なつたのち、得られた沈澱物
を濃硝酸0.05mlを含む酢酸10mlに加えて1時間加
熱還流した。加熱還流が終了したのち反応液を熱
時濾過したが、未反応物は検出されなかつた。
この濾過物を室温下で放置冷却したが、反応生
成物の析出は非常に遅く、3日経過後に褐色の酢
酸パラジウムが0.073g析出したにすぎなかつた。
この析出物を原子吸光分析により分析したとこ
ろ、銅原子の混入量は4.8%であつた。
また、析出物を分離したのちの母線には酢酸パ
ラジウムが0.084gそして酢酸第二銅が0.118g含
まれていた。
実施例 3 酢酸パラジウム、酢酸第二銅および1.10−フエ
ンナントロリンからなる触媒の存在下にてフタル
酸ジメチルを酸化カツプリング反応させることに
より生成した反応液を70mlとり、これを水素圧40
気圧、加熱温度220℃の条件にて2時間還元処理
したところ、沈澱物(触媒還元生成物)が得られ
た。この沈澱物は、金属成分がパラジウムと銅か
らなり(パラジウム/銅=86/14重量%)、かつ、
炭素4.60%、水素0.28%、そして窒素0.03%で表
わされる有機物を含んでいた。
上記の沈澱物を0.300gとり、これを電気炉に
いれ空気雰囲気下、550℃で5時間加熱焼成した
ところ、有機物はほぼ完全に除去されていた(炭
素0.0%、水素0.02%、窒素0.0%)。
この加熱焼成物を酢酸に入れ、水素圧30気圧、
加熱温度60℃の条件にて水素による活性化処理
(水素賦活)を1時間行なつたのち、得られた沈
澱物を0.200gとり、これを30mlの酢酸にいれ、
6時間加熱還流した。次いで反応混合物を熱時濾
過して、不溶物を分離した。濾液から酢酸を留去
したところ酢酸第二銅が0.075g(酢酸パラジウ
ムを0.11mg含有)残つた。
上記の不溶物を酢酸に入れ、水素圧30気圧、加
熱温度60℃の条件にて水素による活性化処理(水
素賦活)を1時間行なつたのち、得られた沈澱物
を濃硝酸0.1mlを含む酢酸10mlに加えて1時間加
熱還流した。加熱還流が終了したのち反応液を熱
時濾過したが、未反応は検出されなかつた。
この濾過液を室温下で1時間放置冷却したとこ
ろ、褐色の酢酸パラジウムが0.269g析出した、
この析出物を原子吸光分析により分析したとこ
ろ、銅原子の混入は痕跡のみであつた。
また、析出物を分離したのちの母液には酢酸パ
ラジウムが0.092mg、そして酢酸第二銅が0.003g
含まれていた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機パラジウム塩、有機銅塩、および1,10
    −フエナントロリンまたは2,2′−ビピリジンか
    らなる触媒の存在下にてオルソフタル酸エステル
    を酸化カツプリング反応させた反応液を、還元処
    理することにより還元パラジウムと還元銅を主成
    分とする触媒還元生成物を沈澱させ、この沈澱物
    を有機物除去のための工程にかけた後に、脂肪族
    カルボン酸中で加熱することにより銅成分を溶出
    除去し、次にその不溶物を活性化処理し、これを
    微量の硝酸を含む脂肪族カルボン酸中にて加熱
    し、次いで析出物を取り出すことを特徴とする高
    純度パラジウム脂肪族カルボン酸塩の製法。 2 還元パラジウムと還元銅を主成分とする触媒
    還元生成物からの有機物除去のための工程を、そ
    の触媒還元生成物を焼成するか、あるいは稀アル
    カリ水溶液中で再還元処理することにより行なう
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高
    純度パラジウム脂肪族カルボン酸塩の製法。
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