JPH0232551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の車体に取付けられる車両用補
器の取付構造の改良に関するものである。

（従来技術） 従来、自動車の補器を車体に取付ける構造とし
て、例えば、実開昭57−63726号公報に記載され
ているように、リヤフロア下面にブラケツトを介
して車両用補器としてのフユエルポンプを取付け
たものがあつた。しかしながらこの従来構造で
は、フユエルポンプは車体外でしかも地面に近い
位置に露出しており、走行中に飛石等がフユエル
ポンプに当つてこれが損傷したりする問題があつ
た。またこのような問題を解決するためフユエル
ポンプを覆うカバーを設けることも考えられる
が、このようにすると今度は部品点数、組立工数
が増えてコスト高になつてしまうという問題が生
じる。

（考案の目的） 本考案は、部品点数が増加することなくフユエ
ルポンプ等の車両用補器が飛石等によつて損傷す
るのを防止でき、さらに自動車の衝突時にもフユ
エルポンプ等の車両用補器が損傷することのない
自動車の車両用補器取付構造を提供せんとするも
のである。

（考案の構成） 本考案は、リヤシートクロスメンバとフロア部
とで形成する閉断面の下面に開口を形成し、該開
口に着脱自在な蓋部材を設け、該蓋部材の上面に
フユエルポンプを取付け、これによりリヤシート
クロスメンバとフロアとで形成される閉断面内に
車両用補器を収容するようにしたものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図について説明する。

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、図において、１はフロントフロアであり、こ
れの少し上方には該フロントフロア１に続いてリ
ヤフロア２が配設されており、このリヤフロア２
の後部２ａはさらに上方に折り曲げられ、該後部
２ａ下方には車両用補器としてのフユエルタンク
３が取付けられている。

そしてフロントフロア１とリヤフロア２との接
続部の車室内側にはリヤシートクロスメンバ４が
配設されており、これは上記両フロア１，２を接
合するとともにリヤシート１０を取付けるための
ものである。該リヤシートクロスメンバ４は横断
面チヤンネル状で、車幅方向にのびており、また
その内側にはこれと略同一形状で該リヤシートク
ロスメンバ４を補強するためのレインフオースメ
ント１４が固着されている。そして上記リヤシー
トクロスメンバ４の前壁部４ａ下端のフランジ部
４ｂはフロントフロア１の後端部１ａに固着さ
れ、また上記レインフオースメント１４の前壁部
１４ａの中程にはリヤフロア２の前端部２ｂが固
着され、さらに該レインフオースメント１４及び
リヤシートクロスメンバ４の後壁部１４ｂ，４ｃ
のフランジ部１４ｃ，４ｄはともにリヤフロア２
の前端部２ｂの少し後方に固着されており、この
ようにして上記リヤシートクロスメンバ４とリヤ
フロア２とで閉断面９が形成されている。なおリ
ヤシートクロスメンバ４とレインフオースメント
１４との隙間にはグラスウール１２が充填されて
いる。

そして上記リヤフロア２のリヤシートクロスメ
ンバ４下方部分には長方形状の開口２ｃが形成さ
れており、該開口下面には蓋部材５が取付けられ
ている。該蓋部材５は水平部５ａとこれに続いて
車外方向下方に折り曲げ形成された傾斜部５ｂと
からなり、その周縁部には取付フランジ部５ｃが
形成されており、該フランジ部５ｃはリヤフロア
２、リヤシートクロスメンバ４のレインフオース
メント１４及びサイドシル１１にボルト６により
着脱自在に取付けられている。

上記蓋部材５の水平部５ａ上面にはフユエルポ
ンプ７の脚部７ａが防振ラバー８を介してボルト
締めされており、これによりフユエルポンプ７は
リヤシートクロスメンバ４とリヤフロア２とで形
成される閉断面９内に収容されている。なお７ｂ
は上記フユエルタンク３と上記フユエルポンプ７
とを連通する吸入パイプであり、７ｃは該フユエ
ルポンプ７とエンジンとを連通する吐出パイプで
ある。

このように本実施例構造では、フユエルポンプ
７を上記閉断面９内に収容したので、いわゆるデ
ツドスペースを有効利用できる。また上記蓋部材
５がカバーとなつて飛石等がフユエルポンプ７に
直接当ることはなくなり、該フユエルポンプ７の
損傷を防止できる。またレインフオースメント１
４、グラスウール１２によりポンプ騒音が車室内
に伝わるのを低減でき、さらに自動車の後部に他
の自動車が衝突した場合においても、上記フユエ
ルポンプ７はレインフオースメント１４で補強さ
れたリヤシートクロスメンバ４とリヤフロア２と
によつて保護されているため、該ポンプ７が破損
するおそれは少なくなる。

またフユエルポンプ７は着脱自在な該部材５を
介して取付けられており、このためフユエルポン
プ７の取付け、取外し、メンテナンス等を容易に
行なうことができ、作業時においても少ない作業
工数で着脱することができる。

なお、上記実施例ではフロントフロア１とリヤ
フロア２とは段違いに接続されていたが、これは
フロントフロア１とリヤフロア２とが同一面状に
接続されていてもよい。また、シートクロスメン
バー４はリヤフロア２上面に取付けられていた
が、これはフロントフロア１上面に、あるいはさ
らに両フロア１，２に渡つて配設されていてもよ
い。

さらに、上記実施例では車両用補器としてフユ
エルポンプ７を例にして説明したが、これに限る
ものではなく、他の車両用補器にあつても上記同
様の効果が得られるものである。

（考案の効果） 以上のように、本考案に係る自動車の車両用補
器取付構造によれば、フロントフロア又はリヤフ
ロアとリヤシートクロスメンバとで形成される閉
断面内に、フユエルポンプ等の車両用補器を収容
するようにしたので、部品点数が増加することな
く飛石等によるフユエルポンプ等の車両用補器の
損傷を防止でき、さらに自動車の後部衝突時にお
いてフユエルポンプ等の車両用補器が破損してし
まうのを防止できる、また閉断面下面の開口を着
脱自在な蓋部材で覆うとともに、これを介して補
器を取付けるようにしたので、補器の取付け、取
外し、メンテナンス等を容易に行なうことがで
き、作業時においても少ない作業工数で着脱する
ことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による自動車のフユ
エルポンプ取付構造の斜視図、第２図は第１図の
−線断面斜視図、第３図は第２図の−線
断面図である。 １……フロントフロア、２……リヤフロア、２
ｃ……開口、４……リヤシートクロスメンバ、５
……蓋部材、７……フユエルポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントフロアとリヤフロアとの接続部の車室
   内側に、横断面チヤンネル上で車幅方向に伸び、
   フロア部材とで閉断面を形成するリヤシートクロ
   スメンバが設けられ、前記閉断面の下面には開口
   が形成され、該開口部には着脱自在な蓋部材が取
   付けられ、該蓋部材の上面には車両用補器が取付
   けられていることを特徴とする自動車の車両用補
   器取付構造。