JPH0222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行車体に対地作業装置を駆動機構
により車体左右方向に傾斜自在に連動連結し、水
平面に対する前記作業装置の傾斜角度を検出する
センサーを付設すると共に、前記センサーによる
検出傾斜角度に基いて、前記作業装置の傾斜角度
を設定範囲内に維持するように前記駆動機構を自
動的に作動する制御機構を備えた対地作業車のロ
ーリング制御機構に関する。

上記のものにおいて、作業装置が設定範囲を超
える状態に傾斜し、それに伴い、制御機構により
設定範囲内に復帰させる場合、従来では、作業装
置が設定範囲内に復帰した事をセンサーが検出す
ると同時に駆動機構を停止させていた。従つて、
復帰直後においては、作業装置が設定範囲内の上
下限いずれかに近い側で停止される事となり、微
小な凹凸によつて傾斜しても作業装置が設定範囲
内を超えてしまい、それに伴つてローリング制御
機構が作動する等、制御動作が必要以上に行われ
る欠点があつた。

本考案は、上記の点に鑑み、制御動作により作
業装置を設定範囲内に復帰させた安定状態におい
て、小さな凹凸に起因するローリング制御機構の
作動を抑制し、全体として制御精度を向上できる
ようにすることを目的とする。

次に、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

前後に車輪１，２を軸架した走行車体の後部
に、油圧シリンダ３とリンク機構４を介して駆動
昇降自在に取付ブラケツト５を連結すると共に、
前記取付ブラケツト５に車体前後方向軸芯Ｐ周り
で車体左右方向に揺動傾斜自在に苗植付装置６を
連結し、かつ、前記苗植付装置６に２個の整地フ
ロート７，７を車体左右方向に並べて設け、田植
機を構成してある。

前記苗植付装置６の植付ミツシヨンケース８か
ら突設した支軸９を、前記取付ブラケツト５に回
転自在に軸架し、その軸芯Ｐ周りで苗植付装置６
を揺動傾斜自在に構成してある。

前記取付ブラケツト５に連設した支持ブラケツ
ト５ａに、正逆転自在な電動モータ１０の据付部
材１１を車体前後方向軸芯Q₁周りで回動自在に
取付け、そして、第３図に示すように、前記モー
タ１０の出力軸１０ａにネジ軸１２を一体回転自
在に連動連結すると共に、前記ネジ軸１２に螺合
される筒体１３と、植付ミツシヨンケース８に連
設したアーム部材１４とを、前記ローリング軸芯
Ｐと偏位した箇所で枢支連結し、前記モータ１０
の回転に伴い、苗植付装置６を車体に対して前記
ローリング軸芯Ｐ周りで車体左右方向に駆動傾斜
するように構成してある。

前記苗植付装置６に、重錘と光電管とにより水
平から偏位状態を検出するセンサー１５を付設し
て苗植付装置６の水平面に対する傾斜角度を検出
するように構成してある。

前記センサー１５からの信号と、上限設定器１
６及び下限設定器１７夫々からの信号を、第４図
に示すように、上限比較器１８及び下限比較器１
９に入力し、その比較結果に基き、苗植付装置６
の傾斜状態が設定範囲を越えたことを検出するに
伴い、上限設定器１８あるいは下限設定器１９か
ら前記モータ１０の操作回路２０に指令信号を入
力し、モータ１０を自動的に正転あるいは逆転さ
せて、苗植付装置６の傾斜状態を設定範囲内に維
持させるようにローリング制御機構２１を構成し
てある。

前記上限比較器１８及び下限比較器１９から操
作回路２０，２０夫々への信号経路途中に、前記
操作回路２０，２０への指令信号を設定時間継続
させるタイマー回路２２を介装し、かつ、センサ
ー１５が、設定範囲内にその上限あるいは下限を
越えて復帰した事を検出するに伴つて、上限比較
器１８あるいは下限比較器１９から起動回路２
３，２３に指令信号を入力し、タイマー回路２
２，２２を起動させ、モータ１０を、センサー１
５によつて検出される復帰時点よりも設定時間遅
らせて作動停止させるように時間遅れ機構２４，
２４を構成してある。即ち、上下限両設定器１
６，１７によつて設定される不感帯のほぼ中間レ
ベルに位置させる状態で苗植付装置６を停止させ
るのである。

前記苗植付装置６を駆動傾斜させるに、例え
ば、油圧シリンダ３によつて駆動揺動自在にリフ
トアームを設けると共に、そのリフトアームと、
苗植付装置６を機体に連結する左右一対のリンク
の一方とをリフトロツドシリンダで連結し、その
リフトロツドシリンダの作動によつて駆動傾斜さ
せるように構成しても良く、前記モータ１０やリ
フトロツドシリンダをして駆動機構１０と総称す
る。

本考案は、苗植付装置６を付設した田植機に限
らず、例えばロータリ耕耘装置等、各種対地作業
装置６を付設した各種の対地作業車に適用でき
る。

以上要するに、本考案は、冒記した対地作業車
のローリング制御機構において、前記制御機構２
１を構成するに、前記作業装置６を設定範囲内に
復帰させるにおいて、前記駆動機構１０に対する
作動停止を、前記センサー１５により作業装置６
が設定範囲内に復帰したことを検出した時点から
設定時間遅らせる機構２４を付設してある事を特
徴とする。

つまり、作業装置６を設定範囲内に復帰させる
のに、設定範囲の上下限を越えた後にも駆動傾斜
動作を設定時間継続させ、作業装置６を設定範囲
の上下限近くに位置させる事無く、設定範囲の上
下中間レベルに位置させる状態で停止させ、その
状態で安定させるから、微小な凹凸があつても、
それに起因してローリング制御機構２１が作動す
ることを抑制でき、全体として、制御機構２１の
頻繁な作動を回避し、制御精度を向上できるよう
になつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る対地作業車のローリング制
御機構の実施例を示し、第１図は乗用田植機の側
面図、第２図は要部の一部切欠正面図、第３図は
第１図の要部の断面図、第４図は制御機構を示す
ブロツク図である。 ６……対地作業装置、１０……駆動機構、１５
……センサー、２１……制御機構、２４……時間
遅れ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行車体に対地作業装置６を駆動機構１０によ
   り車体左右方向に傾斜自在に連動連結し、水平面
   に対する前記作業装置６の傾斜角度を検出するセ
   ンサー１５を付設すると共に、前記センサー１５
   による検出傾斜角度に基いて、前記作業装置６の
   傾斜角度を設定範囲内に維持するように前記駆動
   機構１０を自動的に作動する制御機構２１を備え
   た対地作業車のローリング制御機構であつて、前
   記制御機構２１を構成するに、前記作業装置６を
   設定範囲内に復帰させるにおいて、前記駆動機構
   １０に対する作動停止を、前記センサー１５によ
   り作業装置６が設定範囲内に復帰したことを検出
   した時点から設定時間遅らせる機構２４を付設し
   てある事を特徴とする対地作業車のローリング制
   御機構。