JPH0113083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クリーム状の化粧料、歯みがき等を
収納するチユーブ容器に関するものである。

〔従来の技術〕

内容物を定量注出する機能を具備した容器とし
て種々の構成のものが利用されているが、そのほ
とんどが定量注出のための専用の操作を必要とす
ると共に、定量注出のための専用の操作部分を容
器本体外に設けた構成となつていた。

このため、容器の取扱は、通常の従来通りの取
扱手順に加えて、定量注出のための操作を必要と
し、その操作が面倒となる不満があつた。

この不満を解消する従来技術の一つとして、例
えば実公昭42−014958号公報に示された技術があ
る。

この実公昭42−014958号公報に示された技術
は、容器体内に、排出口を開閉する摺動子を昇降
変位可能に組付けて構成し、容器体を逆立した際
に、内容液中を下降移動して一定時間後に排出口
を閉鎖する摺動子による排出口の閉鎖までの時間
内に内容液を排出口から注出するものとなつてい
る。このように、容器体を逆立してから摺動子が
排出口を閉鎖するまでの時間がほぼ一定であるの
で、その間に注出される内容液もほぼ一定とする
ことができる。

この上記した従来技術は、内容液の注出操作で
ある容器体を逆立させると云う操作で、ほぼ一定
量の内容液を注出することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記した従来技術は、摺動子の
内容液内での重力による下降移動を利用している
ので、内容液の粘度が或る程度以上に大きくなる
と、適正な動作を得ることが不可能となり、クリ
ーム等の練り状内容物の注出には全く適用不能で
ある。特に、チユーブ容器のように、胴部の押圧
変形量により押出内容物量を制御するものにあつ
ては、内容物の押出注出は全く達成できない。

また、上記した従来技術に多少の改良を加える
ことにより、容器体胴部の押圧変形により摺動子
の移動を達成すべく構成したとしても、計量部分
である筒体内に内容物を侵入位置させることか不
可能となる、継続した定量押出動作を得ることか
できない。

この上記した従来技術の問題点の発生原因は、
摺動子の復帰動作を強制的に達成する手段がない
こと、エアバツクがあることにある。

そこで、本考案は、上記した従来技術の問題点
を解消すべく考案されたもので、チユーブ容器の
本体に対する押圧操作により弾性変形する弾片の
変形によりシリンダ機構を作動させると共に、こ
のシリンダ機構内への内容物および外気の出入り
を規制することにより、従来通りの押圧操作によ
りチユーブ容器内から定量の内容物を注出するこ
とができるようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の手段は、下
端がシールされた軟質合成樹脂製の胴部上端に口
筒を有する頭部を連設したチユーブ容器本体を有
すること、 上部を口筒内に密嵌入させて胴部内に垂下位置
し、胴部内における筒壁上部に吸入孔を開孔し、
この筒壁の一部を下方に延長して組付片を形成し
たシリンダー筒を有すること、 このシリンダー筒内に配されるピストン片を有
すること、 一端が組付片下端に固定されかつ他端がピスト
ン片に固定され、外部力により延び変形できる湾
曲形状の弾片を有すること、 シリンダー筒上部内に配され、吸入孔を閉鎖し
かつシリンダー筒内の負圧により開く第一の逆止
弁を有すること、 口筒の開口部に位置し、シリンダー筒を閉鎖し
かつシリンダー筒内の圧力上昇により開く第二の
逆止弁を有すること、 にある。

チユーブ容器本体内にはクリーム状内容物が充
填収納されているので、シリンダー筒とピストン
片と弾片と両逆止弁との組合せ物は、このクリー
ム状内容物内に埋没位置することになる。

〔作用〕

弾片に対応する本体部分を押圧して弾片を延び
変形させると、この弾片の延び変形によりピスト
ン片がシリンダー筒内を上昇摺動変位するので、
シリンダー筒内の圧力が上昇する。

このシリンダー筒内の圧力上昇により、第一の
逆止弁が閉じると共に、第二の逆止弁が開き、シ
リンダ筒内の一定量の内容物が、この第二の逆止
弁を通つて本体外に押出される。

この状態から、本体胴部に作用させていた外部
力を取り去ると、弾片の弾性復帰により、ピスト
ン片がシリンダー筒内を摺動下降復帰し、シリン
ダー筒内を負圧状態とする。

シリンダー筒内の負圧発生により、第二の逆止
弁は閉状態となると共に、第一逆止弁が開き、こ
の開状態となつた第一の逆止弁を通つて本体内の
内容物がシリンダー筒内に吸入され、次の流出動
作に備える。

第一の逆止弁が取付けられた吸入孔は、内容物
が最後まで残留する本体の頭部直下に位置するの
で、弾片の適正な弾性変形動作が達成できなくな
るまで内容物を無駄なく注出する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら
説明する。

軟質合成樹脂製のチユーブ容器本体１は、下端
を密封シールした胴部２の上端に肩部４を介して
口筒３を連設して構成されている。

この本体１の口筒３内に密に挿入組付けされる
シリンダー筒５は、直線円筒形状をしていて、外
周に周設されたフランジ１０より上に位置する上
端部分である弁筒部９を口筒３内にフランジ１０
が口筒３下端開口縁に当接するまで密に嵌入組付
けして本体１に組付けられている。

このシリンダー筒５のフランジ１０に対向した
内周面部分には、内鍔状に弁座片１８が周設さ
れ、弁筒部９内に配置された弁球２０と組合さる
ことにより第二の逆止弁１７を構成している。こ
の第二の逆止弁１７の構成部分である弁筒部９の
内周面上部には、弁球２０の上方への抜け出しを
防止するための係止突片１９が、内容物の注出に
支障を与えない形態で突設されている。

第一の逆止弁１４は、弁座片１８の下面に強固
に組付け固定されるリング板１５に、筒壁６の内
径と等しい外径の円筒片形状をした充分に柔らか
い弾性材料製の肉薄な弁片１６を垂下設し、この
弁片１６を吸込孔７に対向配置して構成されてい
る。

弾片１２は、半円弧状に湾曲成形された弾性板
により構成されており、その湾曲中央部分を胴部
２の胴壁間近に位置させている。

この図示実施例においては、両逆止弁１４，１
７を組付けたシリンダー筒５とピストン片１１と
弾片１２との組合せ物は、本体１内に内容物が充
填される前に、本体１の開放された底部から本体
１に組付けられ、内容物はこの組合せ物を組付け
た本体１内に開放状態にある底部から注入充填さ
れ、しかる後、開放状態となつている底部を密に
シールして底シールを成形してチユーブ容器の成
形が達成される。

それゆえ、使用当初においては、シヤンダー筒
５内、すなわち圧力室１３内には内容物が位置し
ていないので、胴部２を一回押圧して空運転し
て、圧力室１３内に内容物を吸入してから、所定
の定量注出動作を行うことになる。

〔考案の効果〕

本考案によるチユーブ容器は、上記した構成と
なつているので、下記する効果を発揮する。

一定容積の圧力室内の内容物を注出するので、
定量注出を正確にかつ確実に達成することができ
る。

この内容物の定量注出操作は、従来からのチユ
ーブ容器の内容物注出操作と全く同じで良く、そ
の操作が簡単である。

従来通りの構造をした本体にシリンダー筒とピ
ストン片と弾片との一体的に取扱いの可能な組合
せ物を挿入組付けするだけ組み立てが完了するの
で、その製造作業が極めて簡単である。

弾片の弾力によりピストン片を強制的に移動さ
せて内容物の注出を達成するので、注出動作が確
実に達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す全体縦断面
図である。第２図は、第１図に示した実施例の内
容物注出完了状態を示す全体縦断面図である。 符号の説明、１；チユーブ容器本体、２；胴
部、３；口筒、４；肩部、５；シリンダー筒、
６；筒壁、７；吸入孔、８；組付片、９；弁筒
部、１０；フランジ、１１；ピストン片、１２；
弾片、１３；圧力室、１４；第一の逆止片、１
５；リング板、１６；弁片、１７；第二の逆止
弁、１８；弁座片、１９；係止突起、２０；弁
球。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端がシールされた軟質合成樹脂製の胴部上端
   に口筒を有する頭部を連設したチユーブ容器本体
   と、上部を前記口筒内に密嵌入させて前記胴部内
   に垂下位置し、胴部内における筒壁上部に吸入孔
   を開孔し、前記筒壁の一部を下方に延長して組付
   片を形成したシリンダー筒と、該シリンダー筒内
   に配されるピストン片と、一端が前記組付片下端
   に固定されかつ他端が前記ピストン片に固定さ
   れ、外部力により延び変形できる湾曲形状の弾片
   と、前記シリンダー筒上部内に配され、前記吸入
   孔を閉鎖しかつシリンダー筒内の負圧により開く
   第一の逆止弁と、前記口筒の開口部に位置し、前
   記シリンダー筒を閉鎖しかつシリンダー筒内の圧
   力上昇により開く第二の逆止弁とから成るチユー
   ブ容器。