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JPH0979011A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

Info

Publication number
JPH0979011A
JPH0979011A JP23525595A JP23525595A JPH0979011A JP H0979011 A JPH0979011 A JP H0979011A JP 23525595 A JP23525595 A JP 23525595A JP 23525595 A JP23525595 A JP 23525595A JP H0979011 A JPH0979011 A JP H0979011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
teeth
helical
camshaft
spline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23525595A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kawai
合 啓 之 川
Katsuhiko Eguchi
口 勝 彦 江
Atsushi Sato
藤 篤 佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP23525595A priority Critical patent/JPH0979011A/ja
Publication of JPH0979011A publication Critical patent/JPH0979011A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝達部材(ピストン)に形成する歯の加工工
数を短縮すると共に、伝達部材の歯径を小さくして装置
全体の軸方向の長さを短くすること。 【解決手段】 動力が入力されヘリカル状の外歯133
をもつ入力部材1と、弁を開閉するカムが軸上に配設さ
れヘリカル状の外歯223をもつ出力部材2と、両部材
間のトルク伝達を行うと共に軸方向へ移動可能でありそ
の位置に応じて入力部材に対して出力部材の相対回転位
置を変角させる円筒状の伝達部材3とを備え、入力及び
出力部材の外歯を伝達部材内に配置し、伝達部材に、入
力部材の外歯と係合する第1の内歯312,323と、
出力部材の外歯と係合する第2の内歯313,324と
を形成し、入力部材の外歯,第1の内歯及び出力部材の
外歯,第2の内歯の内少なくとも一方をヘリカル状にし
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁開閉時期制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の弁開閉時期制御装置とし
ては、例えば、特公平5−77843号公報に示される
ものが知られている。このものは、弁を開閉するカムを
もつ出力部材であるカムシャフトと、カムシャフトの周
りにそれと相対回転可能に配設され、動力が入力される
入力部材であるタイミングプーリと、カムシャフト及び
タイミングプーリ間に配置され、両者間でトルク伝達を
行うと共にその位置に応じてタイミングプーリに対して
カムシャフトの相対回転位置を変角させる円筒状ピスト
ンとを備えたものである。また、このものでは、カムシ
ャフトの外周にはヘリカル状の外歯が,タイミングプー
リの内周にはヘリカル状の内歯が夫々形成され、ピスト
ンの内周にはカムシャフトの外歯と係合するヘリカル状
の内歯が,その外周にはタイミングプーリの内歯と係合
するヘリカル状の外歯が夫々形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このもので
は、カムシャフト及びタイミングプーリ間にピストンを
配置しているため、前述の如く、ピストンの内外周に夫
々内歯,外歯を形成する必要があり、加工工数が増大す
る。
【0004】また、ピストンの外周に外歯を形成してい
るため、カムシャフトの軸心から外歯までの長さ(以下
外歯の径と称する)が大きくなり、最大変角量に相当す
る前記外歯の軌跡長(つまり外歯の円弧の長さ)が大き
くなる。その結果、最大変角量を所望量にするために
は、ピストンの軸方向へのストロークを大きく設定する
必要がある。そのため、装置全体の軸方向の長さが長く
なる。
【0005】故に、本発明は、伝達部材(ピストン)に
形成する歯の加工工数を短縮すると共に、伝達部材の歯
径を小さくして装置全体の軸方向の長さを短くすること
を、その技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために本発明において講じた第1の手段は、動力が入
力され外歯をもつ入力部材と、弁を開閉するカムが軸上
に配設され外歯をもつ出力部材と、前記両部材間のトル
ク伝達を行うと共に軸方向へ移動可能でありその位置に
応じて前記入力部材に対して前記出力部材の相対回転位
置を変角させる円筒状の伝達部材とを備え、前記入力及
び出力部材の外歯を前記伝達部材内に配置し、前記伝達
部材に、前記入力部材の外歯と係合する第1の内歯と、
前記出力部材の外歯と係合する第2の内歯とを形成し、
前記入力部材の外歯,前記第1の内歯及び前記出力部材
の外歯,前記第2の内歯の内少なくとも一方をヘリカル
状にしたことである。
【0007】上記第1の手段によれば、入力及び出力部
材の外歯を伝達部材内に配置したので、伝達部材に各外
歯に係合する内歯を形成するだけで済み、伝達部材に内
歯及び外歯の両方を形成する必要はない。その結果、伝
達部材に形成する歯の加工工数を短縮できる。
【0008】また、伝達部材に内歯のみを形成している
ので、伝達部材に内歯及び外歯の両方を形成したものと
比べて、歯径を小さくでき、最大変角量に相当する内歯
の描く円弧の長さを小さくできる。その結果、最大変角
量(所望変角量)を小さくすることなく、伝達部材の軸
方向へのストロークを小さくできる。そのため、装置全
体の軸方向の長さを短くできる。
【0009】上記技術的課題を解決するために本発明に
おいて講じた第2の手段は、上記第1の手段に加えて、
前記入力及び出力部材の外歯を前記軸を中心とする同一
円周上に配置すると共に、前記両外歯間に、前記円周に
沿って延在し且つ前記入力部材に対して前記出力部材が
相対回転する際の最大変角量に相当する長さ以上の空隙
を設けたことである。
【0010】上記第2の手段によれば、入力及び出力部
材の外歯を出力部材の軸を中心とする同一円周上に配置
したので、伝達部材の内歯の歯径を一層小さくでき、伝
達部材の軸方向へのストロークを一層小さくできる。従
って、装置全体の軸方向の長さを一層短くできる。
【0011】また、両外歯間に、前記円周に沿って延在
し且つ入力部材に対して出力部材が相対回転する際の最
大変角量に相当する長さ以上の空隙を設けたので、入力
部材に対して出力部材が確実に最大変角量まで相対回転
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。
【0013】図1〜図13を参照して、第1実施形態の
弁開閉時期制御装置10について説明する。
【0014】図1において、弁開閉時期制御装置10は
水平の中心線Xを境にして、上半分が最大遅角状態を、
下半分が最大進角状態それぞれ示す。弁開閉時期制御装
置10は、図5に示す如くカムシャフト21の一端に取
り付けられ、タイミングプーリ(入力部材)1と、カム
シャフト部材(出力部材)2と、ピストン(伝達部材)
3とを備えている。
【0015】タイミングプーリ1は、ギヤ部11と、有
底円筒状のカバー12と、スプライン部材13とを備
え、その内部に室14を形成する。図5に示すように、
ギヤ部11は、エンジン55のクランクプーリ51とタ
イミングベルト52を介して連結され、クランクプーリ
51の回転動力を取り込んでいる。カバー12は、カム
シャフト21の左端を覆うようにギヤ部11にボルト1
5により固定されている。
【0016】スプライン部材13は、ギヤ部11に固定
され、カムシャフト21の周りにそれと相対回転自在に
支承されている。従って、タイミングプーリ1がカムシ
ャフト21と相対回転自在である。図2に示すように、
スプライン部材13は、円筒状の本体131と、2つの
フランジ部132,132と、ヘリカルスプライン(外
歯)133,133とを備えている。フランジ部132
は、カムシャフト21の軸方向へ本体131から突出し
ており、相互に離間して対向している。また、フランジ
部132は、カムシャフト21の軸心を中心とする所定
半径の円周上に配置され、断面円弧状を呈している。ヘ
リカルスプライン133は、各フランジ部132の外周
部全域に形成され、その向きは正面から見ると同じであ
る。ここでは、図4に示すように、ヘリカルスプライン
133付の各フランジ部132の長さは、仰角70°の
扇形の弧の長さに設定されている。尚、フランジ部13
2の数は1つでも良く、3つ以上でも良い。
【0017】図1に示すように、カムシャフト部材2
は、カムシャフト21と、スプライン部材22とを備え
ている。図5に示すように、カムシャフト21の周りに
は、エンジン55の気筒数に対応する複数のカム53が
配設され、エンジン55の吸排気弁の少なくとも吸気弁
54(図5では4つの吸気弁のうち1つの吸気弁のみを
図示)を開閉する。
【0018】図1に戻って、スプライン部材22は、カ
ムシャフト21の左端にボルト23により固設され、ピ
ン24の作用によりカムシャフト21に対して相対回転
不能とされている。図2に示すように、スプライン部材
22は、円盤状の本体221と、2つのフランジ部22
2,222と、ヘリカルスプライン(外歯)223,2
23とを備えている。フランジ部222は、その一端が
本体221の外周部に固定され、カムシャフト21の軸
方向へ延在しており、相互に離間して対向している。ま
た、フランジ部222は、スプライン部材13のフラン
ジ部132と同一円周上に且つ交互に配置され、断面円
弧状を呈している。ヘリカルスプライン223は、各フ
ランジ部222の外周部全域に形成され、その向きは正
面から見ると同じであり、ヘリカルスプライン133と
は逆方向に傾斜して交差している。ここでは、図4に示
すように、ヘリカルスプライン223付の各フランジ部
222の長さは、フランジ部132と同様に仰角70°
の扇形の弧の長さに設定されている。
【0019】図4に示すように、両フランジ部132,
222間には、それらと同一円周上に位置し且つその円
周に沿って延在する空隙40が設けられている。空隙4
0の長さは、最大遅角時(又は最大進角時)においてタ
イミングプーリ1に対してカムシャフト部材2が相対回
転する際の最大変角量(ここでは30°に設定)に相当
する弧の長さよりも長く設定されている。ここでは、空
隙40の長さは、最大遅角時(又は最大進角時)におい
て仰角40°の扇形の弧の長さに設定されている。
【0020】図1に戻って、円筒状のピストン3は、室
14内において、スプライン部材13,22の外周上に
軸方向に摺動可能に配設されている。ピストン3は、軸
方向にて2分割された第1ピストン31及び第2ピスト
ン32と、両ピストン31,32を離間する方向へ付勢
するスプリング33とを備えている。
【0021】第1ピストン31は、円筒状の本体311
と、2つの第1ヘリカルスプライン(第1の内歯)31
2,312と、2つの第2ヘリカルスプライン(第2の
内歯)313,313とを備えている。図3に示すよう
に、第1ヘリカルスプライン312は、本体311の内
周部に形成され、相互に離間して対向している。この各
第1ヘリカルスプライン312は、タイミングプーリ1
の各ヘリカルスプライン133と係合しており、その向
きはヘリカルスプライン133と対応する形になってい
る。一方、第2ヘリカルスプライン313は、本体31
1の内周部に第1ヘリカルスプライン312間に位置す
るように形成され、相互に離間して対向している。この
各第2ヘリカルスプライン313は、カムシャフト部材
2の各ヘリカルスプライン223と係合しており、その
向きはヘリカルスプライン223と対応する形になって
いる。
【0022】第2ピストン32は、軸方向へ2分割され
た円筒状の第1本体321及び第2本体322と、2つ
の第1ヘリカルスプライン(第1の内歯)323,32
3と、2つの第2ヘリカルスプライン(第2の内歯)3
24,324とを備えている。図3に示すように、第1
及び第2本体321,322は互いに固定されている。
第1ヘリカルスプライン323は、第1本体321の内
周部に第1ヘリカルスプライン312と対応する位置に
形成され、相互に離間して対向している。この各第1ヘ
リカルスプライン323は、タイミングプーリ1の各ヘ
リカルスプライン133と係合しており、その向きはヘ
リカルスプライン133と対応する形になっている。一
方、第2ヘリカルスプライン324は、第1本体321
の内周部に第1ヘリカルスプライン323間に位置する
ように形成され、第2ヘリカルスプライン313と対応
する位置にて相互に離間して対向している。この各第2
ヘリカルスプライン324は、カムシャフト部材2の各
ヘリカルスプライン223と係合しており、その向きは
ヘリカルスプライン223と対応する形になっている。
尚、第1及び第2本体321,322を一体的に設けて
も良い。
【0023】スプリング33は、第1ピストン31の本
体311及び第2ピストン32の第2本体322間に配
設されている。第2本体322の外周縁322aは、シ
ール部材34を介してカバー12の内周面と液密的に接
触しており、室14を遅角側油圧室16と進角側油圧室
17とに区画している。ピストン3はヘリカルスプライ
ン133,223上で軸方向に摺動可能だが、その摺動
範囲は進角時において第2ピストン32の第2本体32
2の外周縁322aの左端面がカバー12の段付部12
aに当接する所まで(図1の下半分)、又は遅角時にお
いて第2本体322の外周縁322aの右端面がギヤ部
11の端部11aに当接する所まで(図1上半分)であ
る。ピストン3の軸方向への移動により、図4の状態
(最大遅角状態)から、タイミングプーリ1のヘリカル
スプライン133は時計回りに,カムシャフト部材2の
ヘリカルスプライン223は反時計回りに回転する。
【0024】第1及び第2ピストン31,32はスプリ
ング33によって互いに離れる方向に付勢されるため、
両ピストン31,32同士が接触している状態から、第
1ピストン31は図1左方に、第2ピストン32は図1
右方へと移動する。つまり、スプリング36はピストン
3に対して拡開作用を及ぼす。従って、ピストン3の第
1ヘリカルスプライン312,323がタイミングプー
リ1のヘリカルスプライン133に,ピストン3の第2
ヘリカルスプライン313,324がカムシャフト部材
2のヘリカルスプライン223に夫々圧接される形とな
る。つまり、バックラッシュを埋める。これらの圧接力
はピストン3の移動に際して摺動抵抗となるため、ピス
トン3をその位置に静止させることにも役立つ。
【0025】図6に示す油圧回路61が弁開閉時期制御
装置10に作動油圧を供給する。ここで、ポンプ63が
オイルパン62からオイルを汲み上げて油圧を発生し、
油圧切替弁64によってカムシャフト21に設けられた
ポート65,66の何れか一方に油圧を供給する。67
はドレン回路である。油圧切替弁64は制御装置68に
よって駆動され、制御装置68は入力されるエンジン負
荷信号,カム角度信号,クランク角度信号などの各種信
号に応じて、最適な駆動信号を油圧切替弁64に出力す
る。
【0026】図1において、ポート65,66は、カム
シャフト21の外周上にリング状に形成されている。ポ
ート65は、カムシャフト21の内部を軸方向に延びる
通路71の一端に連通しており、通路71は他方でスプ
ライン部材13に形成された通路72を介して進角側油
圧室17と連通している。通路71の左端は、スプライ
ン部材22により閉鎖されている。ポート66は、カム
シャフト21の内部中央を軸方向に延びる通路73の一
端に連通しており、さらにボルト23の内部中央を軸方
向に延びる通路74を介して遅角側油圧室16と連通し
ている。
【0027】以下、以上の構成を有する弁開閉時期制御
装置10の作動を説明する。
【0028】エンジン55の始動に伴って、直ちにピス
トン3が図1の上半分に示す最大遅角状態の位置に移動
する。これはピストン3が係合するタイミングプーリ1
のヘリカルスプライン133やカムシャフト部材2のヘ
リカルスプライン223の傾斜方向がタイミングプーリ
1の回転方向との関係で、ピストン3を最大遅角状態の
位置に移動させようとする方向になっているからであ
る。この方向の力はエンジンの運転中、常にピストン3
に作用し続ける。そして、ポンプ63が油圧を発生しは
じめる頃には、初期状態で油圧切替弁64がオフ状態で
あってポート66に油圧を供給する位置に保持されてい
るため、遅角側油圧室16内は油圧で満たされ、最大遅
角状態が保持される。このとき、油圧切替弁64はポー
ト65をドレン回路67と連通させているため、進角側
油圧室17内はシリンダヘッド内圧(略大気圧)とな
る。
【0029】遅角側油圧室16内が油圧で満たされてい
る状態では、この油圧は第2ピストン32に作用して第
2ピストン32の外周縁322aの右端面をボデー13
の端部13aに当接させる。しかし、第1ピストン31
についてはその左右両端面に油圧が作用するため、遅角
側油圧室16内の油圧が第1ピストン31を水平方向に
移動させるような力は発生しない。上述の最大遅角状態
および後述する最大進角状態に係わらず、エンジン55
のクランクプーリ51からタイミングベルト52を介し
てタイミングプーリ1のギヤ部11,スプライン部材1
3に入力されてきた回転動力(トルク)は、スプライン
部材13のヘリカルスプライン133と圧接状態で係合
する両ピストン31,32の第1ヘリカルスプライン3
12,323へと伝達され、更に両ピストン31,32
の第2ヘリカルスプライン313,324と圧接状態で
係合するスプライン部材22のヘリカルスプライン22
3を介してカムシャフト21に伝達される。
【0030】ここで、カムシャフト21はカム系から変
動トルクを受け、カムシャフト21の本来の回転運動の
他に余分な回転運動(負方向の回転運動など)がカムシ
ャフト21に作用するが、スプリング33の拡開作用に
より、タイミングプーリ1のヘリカルスプライン133
−ピストン3の第1及び第2ヘリカルスプライン31
2,323,313,324−カムシャフト部材2のヘ
リカルスプライン223の結合が隙間なく強固となって
いるので、各結合部分の隙間に基づくような打音は発生
しない。
【0031】エンジン55の状態が制御装置68に入力
される各種信号により判断され、例えば高速・高負荷運
転時であると判断されると、制御装置68は油圧切替弁
64を駆動してポート65に油圧を供給する位置とす
る。その結果、油圧は進角側油圧室17に供給され、第
2ピストン32に作用する。同時に、ポート66は油圧
切替弁64によってドレン回路67と連通するため、遅
角側油圧室16はシリンダヘッド内圧(略大気圧)とな
る。このとき、第1ピストン31と第2ピストン32と
の間には隙間があるため、第2ピストン32は第1ピス
トン31との隙間を狭めるように移動する。つまり、ス
プリング33がわずかながら縮められ、その拡開作用に
よるタイミングプーリ1のヘリカルスプライン133−
ピストン3の第1及び第2ヘリカルスプライン312,
323,313,324−カムシャフト部材2のヘリカ
ルスプライン223の結合が弱くなる。従って、ピスト
ン3の移動に際しての摺動抵抗が軽減され、応答性良く
進角方向にピストン3が移動する。言い換えれば、ピス
トン3はスプリング33の所定方向の付勢力を軽減しな
がら左方へと移動していき、最終的には図1の下半分の
位置まで移動する。以上の作用は、ピストン3に移動の
力が作用したとき(進角側油圧室17の油圧が遅角側油
圧室16の油圧よりも優勢のとき)に作用する。
【0032】しかし、図1の下半分に示す最大進角の位
置では、第2ピストン32の外周縁322aの左端面が
カバー12の段付部12aに当接するため、第2ピスト
ン32が受ける進角側油圧室17内の油圧は間接的にも
第1ピストン31には作用しない。従って、スプリング
33の拡開作用が再び作用して、タイミングプーリ1の
ヘリカルスプライン133−ピストン3の第1及び第2
ヘリカルスプライン312,323,313,324−
カムシャフト部材2のヘリカルスプライン223の結合
が隙間なく強固となる。
【0033】油圧切替弁64の制御の仕方によっては、
ピストン3を最大進角位置と最大遅角位置の間の任意の
位置(中間進角位置)で停止させることができる。これ
は、ピストン3が任意の位置にきたときに、遅角側油圧
室16の油圧と進角側油圧室17の油圧とをバランスさ
せれば良い。従って、進角量を零から最大の間の任意の
量とすることができる。このように、任意の位置にピス
トン3を停止させた場合でも、前述のとおりピストン3
には移動の力が作用しないため、スプリング33の拡開
作用は有効に働く。
【0034】尚、本実施の形態では、4つのスプライン
が全てヘリカル状である例について説明したが、タイミ
ングプーリ1のスプライン及びピストン3の第1スプラ
インのみをヘリカル状にしたり、カムシャフト部材2の
スプライン及びピストン3の第2スプラインのみをヘリ
カル状にしたりしても良い。
【0035】また、高速・高負荷運転時に制御装置68
が油圧切替弁64を駆動してポート65に油圧を供給す
る場合を説明したが、ポート65に油圧を供給する条件
は他にもあり、設計により適宜設定されれば良い。
【0036】また、入力部材としてベルト駆動されるタ
イミングプーリの例を示したが、動力入力手段であれば
何でも良く、例えばチェーン駆動されるタイミングギヤ
や1対のカムシャフトに配設された互いに噛み合うギヤ
の一方などでも良い。
【0037】さらには、弾性部材として拡開作用を持つ
圧縮スプリングの例を示したが、弾性部材として引っ張
りスプリングを使用することもでき、その場合には、進
角時に引っ張り方向の付勢力を軽減する必要があるた
め、第2ピストンの左側に進角側油圧室を配置すること
が必要となる。
【0038】以上示したように、本実施の形態では、タ
イミングプーリ1及びカムシャフト部材2のヘリカルス
プライン133,223をピストン3内に配置したの
で、ピストン3の内周部に各ヘリカルスプライン13
3,223に係合するヘリカルスプラインを形成するだ
けで済み、ピストン3の内外周にヘリカルスプラインを
形成する必要はない。その結果、ピストン3に形成する
ヘリカルスプラインの加工工数を短縮できる。
【0039】また、ピストン3の内周部のみにスプライ
ンを形成しているので、ピストン3の内外周にスプライ
ンを形成したものと比べて、スプライン径を小さくで
き、最大変角量に相当する内歯の描く弧の長さを小さく
できる。その結果、最大変角量(所望変角量)を小さく
することなく、ピストン3の軸方向へのストロークを小
さくできる。そのため、装置全体の軸方向の長さを短く
できる。
【0040】また、タイミングプーリ1及びカムシャフ
ト部材2のヘリカルスプライン133,223をカムシ
ャフト21の軸心を中心とする同一円周上に配置したの
で、ピストン3のスプライン径を一層小さくでき、ピス
トン3の軸方向へのストロークを一層小さくできる。従
って、装置全体の軸方向の長さを一層短くできる。
【0041】また、タイミングプーリ1のヘリカルスプ
ライン133付フランジ部132及びカムシャフト部材
2のヘリカルスプライン223付フランジ部222間
に、それらと同一円周上にタイミングプーリ1に対して
カムシャフト部材2が相対回転する際の最大変角量に相
当する長さよりも長い空隙40を設けたので、タイミン
グプーリ2に対してカムシャフト部材2が確実に最大変
角量(30°に設定)だけ相対回転することができると
共に、回転中に両フランジ部132,222が干渉する
ことはない。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、入力及び出力
部材の外歯を伝達部材内に配置したので、伝達部材に各
外歯に係合する内歯を形成するだけで済み、伝達部材に
内歯及び外歯の両方を形成する必要はない。その結果、
伝達部材に形成する歯の加工工数を短縮できる。
【0043】また、伝達部材に内歯のみを形成している
ので、伝達部材に内歯及び外歯の両方を形成したものと
比べて、歯径を小さくでき、最大変角量に相当する内歯
の描く円弧の長さを小さくできる。その結果、最大変角
量(所望変角量)を小さくすることなく、伝達部材の軸
方向へのストロークを小さくできる。そのため、装置全
体の軸方向の長さを短くできる。
【0044】請求項2の発明によれば、入力及び出力部
材の外歯を出力部材の軸を中心とする同一円周上に配置
したので、伝達部材の内歯の歯径を一層小さくでき、伝
達部材の軸方向へのストロークを一層小さくできる。従
って、装置全体の軸方向の長さを一層短くできる。
【0045】また、両外歯間に、前記円周に沿って延在
し且つ入力部材に対して出力部材が相対回転する際の最
大変角量に相当する長さ以上の空隙を設けたので、入力
部材に対して出力部材が確実に最大変角量まで相対回転
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る弁開閉時期制御装置の
断面図である。
【図2】図1における2つのスプライン部材,カムシャ
フト,ボルトの分解斜視図である。
【図3】図1におけるピストンの分解斜視図である。
【図4】2つのスプライン部材の要部断面図である。
【図5】エンジンの構成図である。
【図6】油圧回路の構成図である。
【符号の説明】
1 タイミングプーリ(入力部材) 133 ヘリカルスプライン(外歯) 2 カムシャフト部材(出力部材) 223 ヘリカルスプライン(外歯) 3 ピストン(伝達部材) 312,323 第1ヘリカルスプライン(第1の内
歯) 313,324 第2ヘリカルスプライン(第2の内
歯) 10 弁開閉時期制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力が入力され、外歯をもつ入力部材
    と、 弁を開閉するカムが軸上に配設され、外歯をもつ出力部
    材と、 前記両部材間のトルク伝達を行うと共に軸方向へ移動可
    能でありその位置に応じて前記入力部材に対して前記出
    力部材の相対回転位置を変角させる円筒状の伝達部材と
    を備え、 前記入力及び出力部材の外歯を前記伝達部材内に配置
    し、前記伝達部材に、前記入力部材の外歯と係合する第
    1の内歯と、前記出力部材の外歯と係合する第2の内歯
    とを形成し、前記入力部材の外歯,前記第1の内歯及び
    前記出力部材の外歯,前記第2の内歯の内少なくとも一
    方をヘリカル状にした弁開閉時期制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記入力及び出力部材の外歯を前記軸を中心とする同一
    円周上に配置すると共に、前記両外歯間に、前記円周に
    沿って延在し且つ前記入力部材に対して前記出力部材が
    相対回転する際の最大変角量に相当する長さ以上の空隙
    を設けた弁開閉時期制御装置。
JP23525595A 1995-09-13 1995-09-13 弁開閉時期制御装置 Pending JPH0979011A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100427306B1 (ko) * 2001-12-06 2004-04-14 현대자동차주식회사 연속 가변 밸브 타이밍 장치의 오일 회로

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100427306B1 (ko) * 2001-12-06 2004-04-14 현대자동차주식회사 연속 가변 밸브 타이밍 장치의 오일 회로

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