JPH0974012A - 超電導多層複合体を用いた超電導磁石装置と着磁方法 - Google Patents
超電導多層複合体を用いた超電導磁石装置と着磁方法Info
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- JPH0974012A JPH0974012A JP7258256A JP25825695A JPH0974012A JP H0974012 A JPH0974012 A JP H0974012A JP 7258256 A JP7258256 A JP 7258256A JP 25825695 A JP25825695 A JP 25825695A JP H0974012 A JPH0974012 A JP H0974012A
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Abstract
エンチの発生防止を可能にすると共に高くて一様な製作
精度を得ることを可能にし、更に装置全体を小型かつ低
重量化することを可能にするのに適した超電導磁石装置
を提供することにある。 【構成】冷媒容器11には液体ヘリウムが収容され、こ
の液体ヘリウム内には超電導多層複合体の管状体13が
浸漬されている。管状体13にはその周方向に永久電流
が流れており、したがってこの永久電流により、管状体
13の内部空間を通る磁束が発生される。
Description
に静磁場発生源として超電導多層複合体を利用した超電
導磁石装置に関する。
置はいろいろな分野において用いられている。一般的に
知られている超電導磁石装置についていえば、特開平4
−49948号公報に示されているように、超電導線をコイ
ル状に巻き、これを冷媒容器に収容されている超電導用
冷媒である液体ヘリウム中に浸漬されて、予め定められ
た空間に磁界を発生させるようにしたものである。
磁石装置においては、超電導コイルの接続部分の接続抵
抗の故に生じる磁束の低下は避け難いという問題があ
る。また、接続抵抗や超電導コイルの機械的変化により
発熱が生じ、これがクエンチの原因となる。更に、超電
導コイルの巻線作業や接続作業は人間に頼る部分が多い
ため、その製作精度は一様にされ難く、必ずしも高いと
はいい難い。加えて、装置全体が大型であり、かつ高重
量であるという問題もある。
クエンチの発生を防止し、製作精度を高くかつ一様に
し、そして装置全体を小型かつ軽量化するのに適した超
電導磁石装置を提供することにある。
手段によって達成される。本発明の超電導磁石装置は、
超電導用冷媒が収容される冷媒容器と、前記冷媒容器中
に配置され、予め定められた磁場空間の中心軸に沿う磁
束を発生する永久電流の保持媒体となる超電導多層複合
体を含む静磁場発生手段と、前記静磁場発生手段を前記
冷媒容器中に保持する手段とを含むことを特徴とする
(請求項1)。
場発生手段は、前記中心軸をシリンダ中心軸とするシリ
ンダ状の超電導多層複合体を含むことを特徴とする(請
求項2)。
場発生手段は、前記中心軸に直交して配置された、前記
中心軸を中心とした穴を有する平面板状の超電導多層複
合体を含むことを特徴とする(請求項3)。
導多層複合体は、中央部より端部に近い方で小さい直径
を有することを特徴とする(請求項4)。
場発生手段は、直径の異なる少なくとも3個のシリンダ
状超電導多層複合体を有し、前記少なくとも3個のシリ
ンダ状超電導多層複合体は中央部から端部に向かって前
記直径が順次小さくなるように配置されていることを特
徴とする(請求項5)。
場発生手段は、第1の直径を有する第1のシリンダ状超
電導多層複合体と、前記第1のシリンダ状超電導多層複
合体に部分的に同心円状に重なり、前記第1のシリンダ
状超電導多層複合体より長さの短い少なくとも1つの第
2のシリンダ状超電導多層複合体とを含むことを特徴と
する(請求項6)。
場発生手段は、前記中心軸をシリンダの中心軸とし、片
方の開口部が完全に閉じられたシリンダ状超電導多層複
合体を含むことを特徴とする(請求項7)。
場発生手段は、片方の開口部の一部が閉じられたシリン
ダ状超電導多層複合体を含むことを特徴とする(請求項
8)。
場発生手段は、前記超電導多層複合体を覆うように片方
の開口部が完全に閉じられたシリンダ状の超電導多層複
合体から成る磁気シールドを含むことを特徴とする(請
求項9)。
場発生手段は、前記超電導多層複合体を覆うように片方
の開口部の一部が閉じられたシリンダ状の超電導多層複
合体から成る磁気シールドを含むことを特徴とする(請
求項10)。
シールドの開口部の閉じられた側の前記磁場空間を明る
くする手段を含むことを特徴とする(請求項11)。
場発生手段は、前記超電導多層複合体の内側に、前記中
心軸を囲むように配置された超電導多層複合体から成
る、磁束密度分布を調整するためのシムを含むことを特
徴とする(請求項12)。
は、複数の穴を有することを特徴とする(請求項1
3)。
容器は互いに分離された第1,第2の冷媒室を有し、前
記超電導多層複合体は前記第1の冷媒室に配置され、前
記シムは前記第2の冷媒室を配置されていることを特徴
とする(請求項14)。
場発生手段は、前記超電導多層複合体を部分的に加熱す
る加熱手段と、前記加熱手段により前記超電導多層複合
体の温度を部分的に制御し、発生する磁場の均一度を調
整する手段とを含むことを特徴とする(請求項15)。
手段は前記超電導多層複合体の表面に配置された1個以
上の面ヒータを含むことを特徴とする(請求項16)。
手段は前記静磁場発生手段の熱膨張係数と実質的に同じ
熱膨張係数を有することを特徴とする(請求項17)。
場発生手段は、開口端面が所定の空間を隔てて互いに対
向するように曲げられた管状超電導多層複合体と、前記
管状超電導多層複合体の外周側又は内周側に配置された
着磁コイル手段とを含み、前記冷媒容器は、前記冷媒容
器の外部に前記所定の空間を形成するように構成されて
いることを特徴とする(請求項18)。
場発生手段は、前記管状超電導多層複合体を覆うように
前記冷媒容器内に配置された管状磁気シールドを含み、
前記着磁コイルが前記管状磁気シールド内に配置されて
いることを特徴とする(請求項19)。
容器は互いに分離された第1,第2の冷媒室を有し、前
記管状超電導多層複合体は前記第1の冷媒室に配置さ
れ、前記管状磁気シールドは前記第2の冷媒室に配置さ
れていることを特徴とする(請求項20)。
場発生手段は、前記開口端面に平行にそれぞれに近接し
て配置され、超電導多層複合体からなる少なくとも1つ
の穴を有する板状のシムを含むことを特徴とする(請求
項21)。
場発生手段は、前記中心軸を中心として同心円状に配置
された、前記超電導多層複合体を着磁するための着磁コ
イル手段を含むことを特徴とする(請求項22)。
コイル手段は、前記超電導多層複合体の外側に配置され
ていることを特徴とする(請求項23)。
場発生手段は前記超電導多層複合体及び前記着磁コイル
手段を覆うように、前記冷媒容器内に配置された、超電
導多層複合体から作られた磁気シールドを含むことを特
徴とする(請求項24)。
配置される空間を取り囲むように形成され、超電導用冷
媒を収容する冷媒容器と、前記冷媒容器内に設けられ、
前記空間を挟んで互いに対向するように配置された一対
の円板状超電導多層複合体からなる静磁場発生手段と、
前記静磁場発生手段を前記冷媒容器内に保持する保持手
段とを含み、前記円板状超電導多層複合体は中心部に開
口を有し、該開口の周囲を流れる電流によって前記空間
を通り、前記一対の円板状超電導多層複合体に垂直な方
向の磁束を発生することを特徴とする(請求項25)。
場発生手段は、前記一対の円板状超電導多層複合体のそ
れぞれが、互いに一定の間隔をおいて重ね合わされた少
なくとも2枚の円板状超電導多層複合体を含むことを特
徴とする(請求項26)。
場発生手段は、前記一対の円板状超電導多層複合体と前
記空間を挟んで互いに対向するように配置された円板状
超電導多層複合体から成る一対の磁気シールド板を含む
ことを特徴とする(請求項27)。
場発生手段は、前記超電導多層複合体を覆うように前記
冷媒容器中に配置され、前記永久電流と反対方向に流れ
る永久電流の保持媒体となる第2の超電導多層複合体か
ら作られ、かつ前記超電導多層複合体を基準にして前記
静磁場空間の中心軸と反対側に配置された磁気シールド
板を含むことを特徴とする(請求項28)。
場発生手段は、前記超電導多層複合体と前記磁気シール
ドとを接続する電気絶縁性の熱伝導体を含むことを特徴
とする(請求項29)。
場発生手段は前記冷媒容器中に前記超電導多層複合体を
覆うように配置され、第2の超電導多層複合体から作ら
れた磁気シールドを含み、前記冷媒容器は前記磁場空間
を形成するように前記中心軸の周りに位置する内側周部
分と、該内側周部分の外側において前記中心軸の周りに
位置する外側周部分と、前記内側周部分と前記外側周部
分との接続部を構成するサイド部分とを含み、前記磁気
シールドは前記中心軸の周りに配置されるように該中心
軸の方向に分割された一対の磁気シールド部材を含み、
該一対の磁気シールド部材はそれぞれカップ状に形成さ
れて、その縁部には互いに対向するようにつばが設けら
れていると共に、その底部には前記内側周部分が入り得
る孔を有し、前記冷媒容器の外側周部分は前記一対の磁
気シールド部材のつばの部分において前記中心軸の方向
に分割されて、この分割された部分が液密的に接合さ
れ、更に前記冷媒容器のサイド部分と前記内側周部分は
液密的に接合されていることを特徴とする(請求項3
0)。
シールドの底部を基準にして前記中心軸の方向において
前記サイド部分とは反対の側に配置されて、前記磁気シ
ールド底部の前記孔付近の部分を押さえる押さえ部材を
備えていることを特徴とする(請求項31)。
超電導多層複合体の両端部の断面寸法が中間部の断面寸
法より大きいことを特徴とする(請求項32)。
場発生手段は、前記管状超電導多層複合体の細管を束状
に寄せ集めた細管集合体からなることを特徴とする(請
求項33)。
検体が配置される空間を取り囲むように形成され、超電
導用冷媒を収容する冷媒容器と、前記冷媒容器内に配置
され、前記空間を通る静磁場を発生させる永久電流の保
持媒体となる超電導多層複合体を含む静磁場発生手段
と、前記静磁場発生手段を前記冷媒容器内に保持する保
持手段と、前記静磁場に重畳されるべき傾斜磁場を発生
する傾斜磁場発生手段と、被検体に高周波パルスを印加
する手段と、前記被検体から核磁気共鳴信号を発生させ
るように予め定められたパルスシーケンスに従って前記
傾斜磁場と前記高周波パルスを制御する手段と、前記核
磁気共鳴信号に基づいて前記被検体の断層像を構成する
手段とを含むことを特徴とする(請求項34)。
に、前記静磁場発生手段は、前記超電導多層複合体を着
磁する手段を含むことを特徴とする(請求項35)。
磁用コイルに励磁電流を流すことにより超電導多層複合
体によって囲まれている空間に所定の値の磁束を発生さ
せるステップと、前記超電導多層複合体を超電導状態と
なる温度に維持した状態に於いて前記励磁電流を徐々に
低下させ、前記超電導多層複合体に超電導電流を発生さ
せるステップと、前記超電導多層複合体を超電導状態と
なる温度に維持した状態に於いて前記着磁用コイルから
の磁束の発生を零にし、前記超電導電流を永久電流とし
て前記超電導多層複合体に保持させるステップとを含む
ことを特徴とする(請求項36)。
に、前記所定の値の磁束を発生させるステップは、前記
超電導多層複合体が超電導状態となる温度よりも高い温
度に於いて前記着磁用コイルにより前記所定の値の磁束
を発生させるステップを含むことを特徴とする(請求項
37)。
に、前記所定の値の磁束を発生させるステップは、前記
超電導多層複合体が超電導状態となる温度に於いて前記
着磁用コイルにより前記所定の値の磁束を発生させるス
テップを含むことを特徴とする(請求項38)。
に、前記所定の値の磁束を発生させるステップは、前記
超電導多層複合体が超電導状態となる温度に於いて前記
着磁用コイルにより前記所定の値の磁束を発生させるス
テップと、前記所定の値の磁束を発生させている状態
で、前記超電導多層複合体を超電導状態となる温度より
も高い温度に加熱するステップと、前記所定の値の磁束
を発生させている状態で、前記超電導多層複合体を再度
超電導状態に戻すスップとを含むことを特徴とする(請
求項39)。
層複合体を、その内側に前記軸が通る空間を形成するよ
うに配置し、前記第1の超電導多層複合体を基準にして
前記軸の反対側に於いて、前記第1の超電導多層複合体
を覆うように前記軸の周りに第2の超電導多層複合体を
配置した超電導磁石装置の着磁方法であって、該方法
は、前記第2の超電導多層複合体を超電導状態とし、該
超電導状態を維持するステップと、着磁用コイルに励磁
電流を流すことにより前記第1の超電導多層複合体によ
って囲まれている前記空間に所定の値を磁束を発生させ
るステップと、前記第1の超電導多層複合体を超電導状
態となる温度に維持した状態に於いて前記励磁電流を徐
々に低下させ、前記第1の超電導多層複合体に誘導電流
を発生させるステップと、前記第1の超電導多層複合体
を超電導状態となる温度に維持した状態に於いて前記着
磁用コイルからの磁束の発生を零にし、前記超電導電流
を永久電流として前記第1の超電導多層複合体に保持さ
せるステップとを含むことを特徴とする(請求項4
0)。
に、前記着磁用コイルにより磁束を発生させる際、前記
空間の端部に向かう磁束を磁束妨害手段により前記第2
の超電導多層複合体側に押し返すステップを含むことを
特徴とする(請求項41)。
軸に沿う磁束を発生させるようにその軸の周りに流れる
永久電流の保持媒体となる超電導多層複合体から作られ
ている。この超電導多層複合体から作られた静磁場発生
源は電気的接続部を本質的に必要としないと共に、通常
の超電導コイルのように機械的変化を起こす恐れも実質
的にない。したがって、接続部の接続抵抗の故に生じる
磁束の減衰並びにその接続抵抗や超電導多層複合体から
作られた静磁場発生源の機械的変化の故に生じる発熱に
基づくクエンチの発生は防止される。更に、その超電導
多層複合体から作られた静磁場発生源は通常の超電導コ
イルのような巻線作業や接続作業を必要としないため、
その製作精度の一様性及び高度性が得られる。加えて、
その超電導多層複合体から作られた静磁場発生源の構造
的単純さの故に通常の超電導コイル型のものに比べて装
置全体の小型化及び軽量化が達成された。
メージング装置用の超電導磁石装置の一実施例を示す。
図1(b)は図1(a)のIB−IB断面図である。この
実施例は静磁場発生源としてシリンダ状の超電導多層複
合体を用いた例で、11は外部に対して断熱された円筒
状の中空部を有する冷媒容器で、この中空部には超電導
用冷媒である液体ヘリウムが収容され、その上部には冷
媒注入ポート12が設けられている。冷媒容器11内の
冷媒中には静磁場発生源としての超電導多層複合体のシ
リンダ状体13が浸漬され、該シリンダ状体13は冷媒
容器11内の所定位置に保たれるようにその両端におい
て支持部材14a及び14bによって支持されており、
該支持部材14a及び14bは冷媒容器11に固定され
ている。図では省略されているが、支持部材14a及び
14bは冷媒がシリンダ状体13の内外間を自由に流通
し得るように適当な数の冷媒流通孔を有する。なお、冷
媒容器11の中心軸に沿う貫通孔33は磁気共鳴イメー
ジング装置に本実施例を利用する場合の被検体等の収容
空間となるものである。支持部材14a,14bは静磁
場発生源の熱膨張係数と実質的に同じあるいはマッチす
る熱膨張係数を持っている。
てNbTi層(30層)とCu層(31層)とを両表面
がそれぞれCu層で形成されるように交互に積層し、か
つ層と層の間にNb層(合計60層)をそれぞれ介在さ
せたものを熱間圧延及び冷間圧延することにより得られ
た厚さ1mm程度のNbTi/Nb/Cu超電導多層複合
体が用いられる(圧延により得られた厚さ1mm程度のシ
ートをn枚一体化したシートも使用可能である)。ま
た、これを深絞り加工することによりカップが得られ、
更にこのカップの底を切り取ることにより超電導多層複
合体のシリンダ状体13が得られる。NbTi/Nb/
Cu超電導体多層複合体の作り方等はたとえばアイイー
イーイー・トランザクションズ・オン・アプライド・ス
ーパーコンダクティビティ,第3巻,第1号,1993
年3月,第177頁〜第180頁(IEEE TRANSACTIONS
ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY, VOL.3, NO.1,MARCH
1993, PP177−180)に詳しく記載されてい
る。
その周方向に永久電流が流れており、したがってこの永
久電流の故にシリンダ状体13の内部即ち貫通孔33内
には磁場が形成される。
体のシリンダ状体13は電気的接続部を本質的に必要と
しないと共に、通常の超電導コイルのように機械的変化
を起こす恐れも実質的にない。したがって、接続部の接
続抵抗の故に生じる磁束の低下並びにその接続抵抗やシ
リンダ状体13の機械的変化の故に生じる発熱に基づく
クエンチの発生は防止される。更に、シリンダ状体13
は前述のように超電導多層複合体の深絞り加工及び切断
加工により形成され、したがって通常の超電導コイルの
ような巻線作業や接続作業を必要としないため、その製
作精度の一様性及び高度性が保たれる。加えて、超電導
多層複合体から作られた静磁場発生源の構造的単純さの
故に通常の超電導コイル型のものに比べて装置全体の小
型化及び軽量化が図られる。
の実施例を示す。図2(b)は図2(a)のIIB−IIB断
面図である。この実施例も磁気共鳴イメージング装置用
の磁石として説明する。この実施例は静磁場発生源とし
て超電導多層複合体の円板状体を用いる例である。図に
おいて、11は外部に対して断熱された円筒状の中空部
を有する冷媒容器で、この中空部には超電導用冷媒であ
る液体ヘリウムが収容され、その上部には冷媒注入ポー
ト12が設けられている。冷媒容器11内の冷媒中には
静磁場発生源としての複数個の超電導多層複合体の円板
状体43a〜43fが並置された状態で浸漬されてい
て、これらの中心部にはそれぞれ磁束通過孔44a〜4
4fが設けられている。超電導多層複合体の円板状体4
3a〜43fは冷媒容器11に取り付けられた支持部材
45に固定されている。なお、この実施例でも図1の実
施例と同様に冷媒容器11にその中心軸39に沿って貫
通孔33が設けられてある。
ダ状体13と同様に、NbTi層(30層)とCu層
(31層)とを両表面がそれぞれCu層で形成されるよ
うに交互に積層し、かつ層と層の間にNb層(合計60
層)をそれぞれ介在させたものを熱間圧延及び冷間圧延
することにより得られた厚さ1mm程度のNbTi/Nb
/Cu超電導多層複合体が用いられる。そして、このN
bTi/Nb/Cu超電導多層複合体から、所望の形及
び大きさを有しかつその中心部に磁束通過孔を有する超
電導多層複合体の円板状体43a〜43fを加工して得
ることができる。
fにはそれぞれ永久電流が流れている。これらの永久電
流はそれぞれ磁束通過孔44a〜44fの周りに流れ
る。このため、これらの永久電流によって磁束通過孔4
4a〜44fを通過する磁束、したがって磁界が形成さ
れる。
の超電導多層複合体の円板状体43a〜43fの数はコイ
ルの巻き数に相当し、したがって、その数を増やすと、
得られる磁界の強さが強くなる。この実施例によっても
図1の実施例と同様の効果を期待し得ることが明らかで
ある。
a〜43fの形状は円板状に限らず様々な形状の板状体
のものが可能である。
いて図1を用いて説明する。着磁の際は貫通孔33内に
励磁電源15に接続された着磁用コイル16が挿入され
る。着磁方法としては以下の3つの方法(1),(2),
(3)がある。
態にし、その状態で着磁のための外部磁界を徐々に下げ
て零にする。図5には、超電導多層複合体において、超
電導多層複合体の一方の側から加えた外部磁界Haと超
電導多層複合体を挟んだ逆側における磁束密度Bの関係
を示す。直線y=axは常電導状態での外部磁界Haと
磁束密度Bとの関係を表わす。Hc1′ は外部から加え
た磁界が超電導多層複合体を透過して反対側に現われる
磁界強度(以下、下側臨界磁界という)であり、Hc2
は上部臨界磁界である。着磁方法(1)では、図5の
のルートで外部磁界が印加され、超電導多層複合体に磁
束B1 を保持する永久電流が流れる。
法(1)の手順を説明する。まず、冷媒容器11の中は
空の状態にされる。すなわち、超電導多層複合体13は
初めに超電導状態となる温度よりも高い温度に保たれ
る。この状態において着磁用コイル16には励磁電源1
5から励磁電流が供給される(図6(c))。着磁用コイ
ル16はソレノイド型のもので、これに電流が流れるこ
とによってそのコイルの中空部を通過するループの磁束
が発生して着磁するための外部磁界を形成する(図6
(d))。このループ状の磁束には超電導多層複合体1
3の管壁を貫通するループと超電導多層複合体13を貫
通せず、外側を回るループの磁束がある。いずれにして
も、このようなループ状の磁束は超電導多層複合体13
にその周方向に、通過磁束を捕捉するための誘導電流を
発生させる。しかし、超電導状態より高い温度ゆえ、誘
導電流は抵抗のためにすぐに減衰し、零になる(図6
(b))。
る液体ヘリウムが充填される(図6(a)のt1 )。す
なわち、超電導多層複合体13は超電導状態となる温度
に冷却される。この後、図6(c)のaに示すように励
磁電源15から着磁用コイル16に供給される励磁電流
が徐々に低くされ、やがて零にされる。これによって、
超電導多層複合体13には超電導特性に沿って磁束を保
持する方向の誘導電流が発生し、永久電流として保持さ
れ(図6(b))、この永久電流によってループ状の磁
束が発生される(図6(e))。このループ状の磁束は
シリンダ状超電導多層複合体13の中心軸39に沿って
空間33を通過するようになり、その結果として軸39
に沿う静磁場が発生し続けられる。超電導多層複合体1
3がこのようにして永久電流保持媒体として着磁された
後は着磁用コイル16は空間33から取り去られ、その
空間33は磁気共鳴イメージングを行うように被検体を
取置するための空間として使用される。
する方法であり、超電導状態にして外部磁界を上げてゆ
き、領域IIの所定値に固定し、一定時間後に外部磁界を
徐々に低下させて零にするという方法である。
説明する。図7(a),図7(c)に示すように、超電
導多層複合体13を超電導状態となる温度に保ったまま
着磁用コイル16に励磁電流を徐々に増加するように流
すと、これに伴って、超電導コイル16によって発生さ
れる空間33を通る着磁用磁束が徐々に増加して着磁す
るための外部磁界を形成し(図7(d))、超電導多層
複合体13にその周方向の電流が超電導特性に沿って磁
束を増加させない方向に誘導される(図7(b))。ま
た、着磁用コイル16に流す電流がHc1′を越えた外
部磁界を発生させ所定値になったら、これを所定時間そ
のまま保つ。即ち、空間33を通る着磁用磁束、したが
ってそれにより超電導多層複合体13の周方向に誘導さ
れる電流も所定値に達した後この値を維持する。この
後、図7(c)に示すように着磁用コイル16に流す電
流を徐々に低下させ零にすると、超電導多層複合体13
には、図7(b)に示すように超電導特性に沿って磁束
上昇時と逆向きの電流が誘導されて着磁用コイルの電流
が零になっても誘導されたその周方向の電流はある値の
永久電流として保持される。該永久電流により、図7
(e)の着磁値が得られる。
する方法であり、領域Iで超電導多層複合体を加熱し、
一時常電導状態にし、その後再び超電導状態にして、外
部磁界を徐々に低下させるという方法である。
説明する。超電導多層複合体13を超電導状態に保った
まま着磁用コイル16に励磁電流を徐々に増加し外部磁
界を下側臨界磁界Hc1′ 内の所定値に設定し、その状
態で内部に設けられたヒーターにより超電導多層複合体
13を常電導特性状態になるように加熱する(図8
(a),図8(f))。それにより、超電導多層複合体
13の内部に外部磁界が自由に通過できる状態となる。
複合体13を超電導状態に戻す。この状態のもとで励磁
電流を減少させて、外部磁界を徐々に低下させる(図8
(c),図8(d))。その低下過程において、超電導多
層複合体13の内部を通過した磁束を保持するように、
誘導電流が発生する(図8(b))。この誘導電流が永
久電流となり図8(e)の着磁値を得る。
3は、図1の超電導多層複合体13をヒーター46で加
熱する例であり、ヒーター46は超電導多層複合体13
を挟むように設置され、外部に設けられたスイッチSW
を介して、電源47に接続されている。図4では図2の
超電導多層複合体43a〜43fの各々を挟むようにヒ
ーター46が設置される。他は、図3と同様である。
発明の超電導磁石装置の一実施例である。図10は図9
のX−X断面図である。これらの図において、11は外
部に対して断熱された冷媒容器で、これは仕切り22に
よって二つの冷媒室23及び24に仕切られている。両
冷媒室23及び24には超電導用冷媒である液体ヘリウ
ムが収容され、両冷媒室に液体ヘリウムを挿入するため
の冷媒注入ポート25及び26は冷媒容器11にそれぞ
れ設けられている。冷媒室23内には静磁場発生源とし
ての超電導多層複合体からなるシリンダ状体13が設置
され、これは支持体14によって支持されている。支持
体14は冷媒容器11に固定されていて、液体ヘリウム
が自由に流通し得るように適当数の冷媒流通孔17を有
する。冷媒室24にはシリンダ状体13を覆うように磁
気シールドとしての超電導多層複合体からなる円形箱状
体30が配置され、これはこの内外間を冷媒が流通し得
るように冷媒容器11に固定されている。
内部空間33にはソレノイド型の着磁用の着磁コイル1
6が配置され、これは励磁電源15に接続されている。
冷媒容器11の、空間33の軸39に沿う一端(図では
左端)には磁束妨害部材40が設けられている。この磁
束妨害部材40は超電導用冷媒である液体ヘリウムで満
たされた容器41とその中に浸漬された超電導多層複合
体42からなる。この超電導多層複合体42としてはシ
リンダ状体13及び円形箱状体30と同様に前述したN
bTi/Nb/Cu超電導多層複合体が用いられる。磁
束妨害部材40は、シリンダ状体13を着磁する際、最
初の段階から使用され、着磁終了後は取りはずされる。
ぞれコック36及び37を介して超電導用の冷媒源38
に接続されている。冷媒注入ポート25及び26のキャ
ップを外し、コック36及び37が開けると、冷媒室2
3及び24には超電導用冷媒である液体ヘリウムが注入
される。円形箱状体30は超電導状態となる温度に保た
れると磁気シールドとして作用するようになるので、シ
リンダ状体13から発生されて、外部に漏洩されようと
する磁束すなわち磁場は円形箱状体30によって遮蔽さ
れる。加えて、着磁コイル16から発生される磁束であ
って、かつ空間33において該空間33の、軸39に沿
う端部(図では左端)に向かう磁束は磁束妨害部材40
によって外部にほとんど漏洩することなしに磁気シール
ド30内に押し返されるように導かれる。なぜならば、
磁束妨害部材40は液体ヘリウムで満たされた容器41
とその中に配置された超電導多層複合体42からなり、
したがって該超電導多層複合体42は磁気シールドとし
て機能するからである。これは着磁コイル16から発生
される磁束によるシリンダ状体13の着磁効率の増大が
図られることを意味する。
めの超電導多層複合体の着磁装置のもう一つの実施例を
示す。この実施例の図9に示される実施例に対する相違
点は磁場妨害部材40が空間33を進む磁束と方向が反
対の磁束を発生させる、励磁電源15に接続されたコイ
ル43からなっていることである。コイル43に励磁電
源15から電流が供給されると、該コイル43は着磁コ
イル16によって発生されるループ状の磁束と方向が反
対の磁束を発生し、この磁束は空間33において該空間
33の、軸39に沿う端部(図では左端)に向かう磁束
を磁気シールド30内に押し返すように導く機能を果た
す。したがって、図11の実施例によってもシリンダ状
体13の着磁効率の増大が図られる。
静磁場を発生させる超電導多層複合体を用いた超電導磁
石装置の一実施例である。図12において、11は外部
に対して断熱され、超電導用冷媒である液体ヘリウムで
満たされた冷媒容器である。11はコ字状をしており、
図12では紙面の背後側で図示の上部と下部の容器が連
通している。その内部平坦部には図13に示される円板
状の超電導多層複合体からなる静磁場発生源27a及び
27b並びに28a及び28bが配置されている。静磁
場発生源27a及び27b並びに28a及び28bは、
それぞれは冷媒容器11の外部に存在する空間33を介
して互いに対向している。18a,18bは、着磁用コ
イルであり、上記静磁場発生源を着磁後取り除かれる。
静磁場発生源27a,27b;28a,28bから永久
電流I1,I2により発生される磁束Bは空間33,静磁
場発生源27a及び28aの中央開口、静磁場発生源2
7b及び28bの中央開口、空間33の経路を形成する
(図13)。したがって、空間33には垂直方向(図1
2の上下方向)に静磁場が形成される。空間33は磁気
共鳴イメージングを行うように被検体としての被検者が
配置される空間として用いられる。一対の円板状超電導
多層複合体のそれぞれは、2枚に限らず、所定の間隔を
おいて重なった1枚以上の円板状超電導多層複合体を含
む実施例も考えられる。
の着磁用コイル18a,18bは励磁電源15に接続さ
れ、その極性は同一方向に接続される。その結果、図1
2に示すような磁界101が発生される。また、冷媒
は、冷媒源38がコック36を介して冷媒容器11に設
けられた、冷媒注入ポート25から注入される。着磁は
既に説明した3つの方法(1),(2),(3)により行
われる。
3の実施例との相違点は、静磁場発生源28a,28b
の代わりにアクティブ磁気シールド29a,29bが設
けられていることである。静磁場発生源27a,27b
の中央部には比較的大きな開口が設けられているが、ア
クティブ磁気シールド29a,29bには開口が存在し
ない。また、磁気遮蔽の観点から、アクティブ磁気シー
ルド29a,29bの径は、図15に示されているよう
に静磁場発生源27a,27bのそれよりも大きく取る
ことが望ましい。
る。図14中、18aは静磁場発生源27a,27bを
着磁するための着磁用コイルで、励磁電源15aに接続
される。また、2つの着磁コイル18bは励磁電源15
bに接続される。但し、着磁コイル18bの極性は着磁
コイル18aと反対方向である。その結果、図14に示
すような方向の磁界102,103,104が発生す
る。
a,15bにて、使用する所定の磁場強度を得ると同時
に、磁気シールド29a,29bによる磁気シールドが
効果的に行われるようバランスをとった調整を行いつ
つ、着磁を行う。着磁の仕方は既に説明した3つの方法
(1),(2),(3)のいずれかで行われる。
適用したものであるが、これをシリンダ状態にしても同
様の効果が得られる。
石装置の一実施例である。既に説明した実施例の構成要
素と同一の機能を有するものには同じ番号を付してあ
る。超電導多層複合体から作られたシリンダ状の静磁場
発生源13は冷媒容器11内においてその中央貫通孔3
3の中心軸39の周りに配置され、冷媒容器11に固定
されたボビン25に埋め込まれている。シリンダ状の超
電導多層複合体13を着磁するためのソレノイド型の着
磁コイル34は冷媒容器11内において超電導多層複合
体13の外側に配置され、ボビン19によって支持され
ている。したがって、静磁場発生源13と着磁コイル3
4は事実上一体化されている。なお、ボビン20はガラ
ス繊維強化プラスチック(FRP)で作られてよい。
うに超電導多層複合体から作られた磁気シールド30が
配置され、該磁気シールド30は静磁場発生源13及び
着磁コイル34を、静磁場発生源13を基準として軸3
9と反対側において覆っている。冷媒容器11の上部に
は冷媒注入ポート25が設けられていると共に、着磁コ
イル34への電流供給用のコネクタ部89も設けられて
いる。
た、磁気シールドを有し、着磁のために冷媒容器内を2
つに仕切り、磁気シードのみを独立して冷却することも
可能であり、その場合は図9の構成に似たものとなる。
磁コイルを内蔵する場合は、超電導多層複合体27a,
27bの外側に着磁コイルを設けることができる。
(2),(3)のうちのいずれかで行う。
他の実施例である。既に説明した実施例の構成要素と同
一の機能を有するものには同じ番号を付す。図17にお
いて、超電導磁石装置の基本構成は図16に示したもの
と同じであり、異なる所は、冷媒容器11,磁気シール
ド30、及びシリンダ状超電導多層複合体13を支持す
るボビン19の構造である。本実施例では、上記の冷媒
容器11及び磁気シールド30を分割構造として、組立
を容易に行うことができるようにしたものである。
うに軸39の周りに位置する内側周部分11aと、該内
側周部分11aの外側において軸39の周りに位置する
外側周部分11bと、内側周部分11aと外側周部分1
1bとの接続部を構成するサイド部分11c及び11d
とで構成されている。磁気シールド30は軸39の周り
に配置されるように軸39の方向に分割された一対の磁
気シールド部材30a及び30bからなる。一対の磁気
シールド部材30a及び30bはそれぞれカップ状に形
成され、その縁部には互いに接触状態で対向するつば3
0c及び30dが設けられていると共に、その底部30
e及び30fには冷媒容器11を構成する内側周部分1
1aが入り得る孔が設けられている。冷媒容器11を構
成する外側周部分11bはつば30a及び30bの部分
11dにおいて軸39の方向に第1の外側周部分11b
1及び第2の外側周部分11b2の2つに分割されてい
る。したがって、第1の外側周部分11b1及びサイド
部分11cでもって第1のカップ状冷媒容器部材を、ま
た、第2の外側周部材11b2及びサイド部材11dでも
って第2のカップ状冷媒容器部材をそれぞれ形成してい
ることになる。分割部分11dはつば30a及び30b
を包むような形で溶接等により液密的に接合され、ま
た、サイド部分11c及び11dも内側周部分11aに
溶接等により液密的に接合されている。
1にボルト92a及びナット92bを用いて固定されて
いる。押え部材91は磁気シールド部材30a及び30
fに向かって開口するコ字状断面を有し、それぞれ冷媒
容器11を構成する内側周部分11aに密に嵌まってい
る。
の装置への組入れ方を説明するに、静磁場発生源として
の超電導多層複合体13及び着磁用コイル34を有する
ボビン19をその両端において押え部材91にボルト9
2a及びナット92bを用いて固定する。この場合、押
え部材91の一方の外端部から他方の外端部までの間隔
は一対の磁気シールド部材底部30e及び30f間の内
側寸法と実質的に同じにされる。次いで、押え部材91
を図のように冷媒容器11を構成する内側周部分11a
に嵌め込む。その後、一対の磁気シールド部材30a及
び30bを図のように互いに対向させる。すなわち、そ
の底部30e及び30fの孔に内側周部分11が入るよ
うにしてつば30c及び30dを図のように対向させ
る。最後に、第1及び第2のカップ状冷媒容器部材を内
側周部分11aに両側から図のように嵌め込み、11d
で示される互いに対向する部分を図のように溶接等によ
り液密的に接合すると共に、サイド部分11e及び11
fは内側周部分11aと同様に溶接等により液密的に接
合される。サイド部分11c及び11d間の内側寸法は
底部30e及び30f間の外側寸法と実質的に同じにさ
れている。もちろん、断熱構造物90の装置への組込み
も当然なされなければならないのであるが、そのやり方
は周知のやり方と同じでよいので、ここでは省略する。
れ得ることが理解される。同時に、装置の製作を簡単に
するために磁気シールド30による磁気シールド効果を
妨げる要素は実質的に存在しない。これは磁気シールド
30による磁束の外部漏洩防止効果を実質的に損なうこ
となしに超電導磁石装置の製作が容易に行われ得ること
を意味する。
はサイド部分11c及び11d並びに押え部材91によ
って実質的に堅固にサンドイッチされている。したがっ
て、何らかの原因で外部から底部30e及び30fにそ
の外側に向かう電磁力が作用する場合はもちろん、その
内側に向かう電磁力が作分した場合でも磁気シールド3
0の破損又は位置ずれは事実上生じない。
及び第2の外側周部分11b1及び11b2を直接接合
するのではなく、図18に示されるように、つば30c
及び30d並びに第1及び第2の外側周部分11b1及
び11b2の端部を全体的に包むような当て具93を用
い、これを第1及び第2の外側周部分11b1及び11
b2に溶接等により液密的に接合するようにしてもよ
い。同様に、図19に示すように、内側周部分11aと
サイド部分11dとの接合についても当て具94を用
い、これを内側周部分11a及びサイド部分11dに溶
接等により液密的に接合するようにしてもよい。もちろ
ん、内側周部分11a及びサイド部分11dの接合につ
いても事情は全く同じである。
りによって2つの冷媒室に分割し、静磁場発生源13を
一方の冷媒室に、磁気シールド30を他方の冷媒室に配
置することもできる。この場合には、両冷媒室にそれぞ
れ冷媒注入ポートを取り付ける必要がある。
管状超電導多層複合体をC字型に曲げて構成した超電導
磁石装置の実施例である。既に説明した実施例の構成要
素と同一の機能を有するものには同一の番号を付する。
断熱され、超電導用冷媒である液体ヘリウムで満たされ
た冷媒容器11はコ字状(又はC字状)断面を有し、そ
の内部にはC字状断面を有する静磁場発生源27が配置
されている。静磁場発生源27は超電導多層複合体から
作られた管状体である。管状体27の両端部は冷媒容器
11の外部に存在する空間33を介して互いに対向して
いる。静磁場発生源27の外周又は内周側には1つ又は
複数の着磁コイル(図示せず)が、静磁場発生源27の
全長に沿ってソレノイドコイル状に巻かれている。静磁
場発生源27から発生される磁束は符号53で示される
ように空間33を通り、したがって空間33には静磁場
が形成される。空間33は磁気共鳴イメージングを行う
ように被検体1が配置される空間として用いられる。具
体的には、被検体は移動テーブル上に寝かせられ、この
移動テーブルを図示の右方向から左方向に、又は紙面と
垂直な方向に移動することによって空間33に運ばれ
る。超電導多層複合体27は図1の超電導多層複合体1
3と同じようにして作られている。
(1),(2),(3)のいずれかにより行われる。
施例と相違する。管状超電導多層複合体27の両端部が
広口になっている。すなわち管状超電導多層複合体27
の断面(横断面)の寸法(大きさ)がその中央部におい
てよりも両端部において大きいことである。この実施例
によれば、管状超電導多層複合体27の中央部の断面寸
法が図20の実施例のそれと同じならば、管状超電導多
層複合体27の両端部が広口にされている分だけ磁束の
分布範囲が広くなる。別の言い方をするならば、磁束の
分布範囲が図20の実施例のそれと同じならば、管状超
電導多層複合体27の中央部を図20の実施例のそれよ
りも細くすることができる。これは管状超電導多層複合
体27の曲げ加工の容易化を可能とする。
生源27の周りに磁気シールド51を配置したこと、管
状静磁場発生源27の両端部に円形の板状シム52を配
置したことで、図20の実施例と異なる。図22は、超
電導磁石装置の要部断面図、図23は、図22のXXIII
−XXIII断面図である。
冷媒容器11はC字状縦断面と円形状横断面を有する。
冷媒容器11は、縦断面がC字状、横断面が円形をな
し、そして両端がそれぞれ閉じられた仕切り22によっ
て2つの冷媒室23及び24に仕切られて(分離され
て)おり、これらの冷媒室23及び24には超電導用冷
媒である液体ヘリウム用の冷媒注入ポート25及び26
が設けられている。冷媒室23には縦断面がC字状の、
超電導多層複合体から作られた管状静磁場発生源27が
配置されている。管状静磁場発生源27の両端部は冷媒
容器11の外部に存在する空間33を介して互いに対向
しており、また、その外周には1つ又は複数の着磁コイ
ル32がソレノイドコイル状に巻かれている。着磁コイ
ル32は、管状静磁場発生源27の内周側に配置しても
よい。50は着磁コイル32用のコネクタ部である。冷
媒室24には縦断面がC字状の、超電導多層複合体から
作られた磁気シールド51が管状静磁場発生源27の外
周を囲むように配置されている。冷媒室24には管状静
磁場発生源27の両端部に近接して円形の板状シム52
がそれぞれ配置され、該板状シム52は図24に示され
るように少なくとも1個の磁束通過孔を有する。管状静
磁場発生源27から発生される磁束は符号53で示され
るように空間33を通り、したがって空間33には静磁
場が形成される。空間33は磁気共鳴イメージングを行
うように被検体が配置される空間として用いられる。具
体的には、被検体は移動テーブル上に寝かせられ、この
移動テーブルを図示の右方向から左方向に、又は紙面と
垂直な方向に移動することによって空間33に運ばれ
る。超電導多層複合体27は図1の超電導多層複合体1
3と同じようにして作られている。
管状静磁場発生源27に於いて、磁束は管状静磁場発生
源27内でも外側経路より内側経路を通過する量が一般
に多い。従って、空間33は、その状態が従った磁束分
布となる。これを補正し、均一な磁束分布とするため、
板状シム52を設ける。板状シム52としては、例え
ば、内側経路部位には少数の穴をあけるか或いは小さい
穴をあけ、外側経路部位には多数の穴をあけるか或いは
大きい穴をあけて磁束分布の均一化を図る。穴の形状は
円形に限らない。
法(1),(2),(3)のいずれかにより行われる。
導多層複合体をC字型に曲げたものを複数個集めて構成
した超電導磁石装置の実施例である。図25は本実施例
の全体構成の概略図、図26は静磁場発生源27の断面
図である。
は、管状超電導多層複合体からなる静磁場発生源27
が、図示の如く超電導多層複合体で作られた細管を束状
に寄せ集めてできた細管集合体によって構成されている
ことである。この細管集合体27は、外表面が電気絶縁
処理された超電導多層複合体から作られた細管を束ねて
全体的に図26のような形状となるように曲げ加工し、
その後これにエポキシ樹脂を含浸させ、固めることで実
現できる。もちろん、両端面は加工により図示のように
平らに形成され得る。
7の外周全域に亘り、1個又は複数個配置される。着磁
の仕方は、既に説明した3つの方法(1),(2),
(3)のいずれかで行われる。
状に寄せ集めてできた細管集合体27は、工作上並びに
管径の大小混合により、一本の管の場合に比べて、曲げ
加工の容易性並びに静磁場空間33の磁束密度分布の均
一性の向上(配列による)の利点がある。
から作られた静磁場発生源13の構造について説明す
る。超電導多層複合体である静磁場発生源13の本体
は、ほぼ均一な肉圧を有するとともに、実質的にシリン
ダ状に成形されている。図示されているように、その管
の一端の内径D2はその管の中央部における内径D1よ
りも小さくなっている。また、シリンダ状空間を通る予
め定められた長手中心軸39に沿って均一な静磁場を発
生させるように、上記シリンダ状の超電導多層複合体の
形状は、長手中心軸39に対して軸対称に構成されてい
る。さらに、シリンダ状超電導多層複合体の両端部の直
径が、その中央部に直径よりも短くなっている。特に、
図27の場合には、シリンダ状超電導多層複合体の直径
がその中央部からその端部に向かって漸次短くなってい
る。このシリンダ状超電導多層複合体の軸方向断面の形
状は円の一部であっても良い。
生源13を示す。この実施例においては、シリンダ状超
電導多層複合体である静磁場発生源13が、一定の直径
を有する中央部領域Aと、それぞれの中央部領域と連続
する2つの端部領域BおよびCとの3つの領域から構成
されている。上部両端部領域BおよびCの軸方向断面の
形状は、円錐台形になっている。図28の例によって
も、図27に示される実施例と同様の効果が得られ、静
磁場全体としての均一度のより一層の改善が図られる。
場発生源13を示す。この実施例においては、シリンダ
状超電導多層複合体である静磁場発生源13が、複数個
(この例では、5個)の円筒体60,61および62か
ら構成されている。これらの円筒体の直径は、中央部か
ら端部に向かって順次その径が小さくなっている。すな
わち、円筒板60,61,62の順に直径が小さくなっ
ている。各円筒体を接続する必要はなく、各円筒体によ
って発生される軸方向の磁場が実質的に乱れることがな
いよう、各円筒体を図のように規則的に配列するだけで
良い。なお、この実施例においては、5個の円筒体を用
いてシリンダ状磁石を構成した例を示したが、本発明の
観点からみて、円筒体は60と61の少なくとも3個あ
れば所定の目的を達成することができる。その場合に
は、必要に応じて円筒体60の長さを長く取る必要があ
る。また、円筒体の個数を増やすことによって、図27
の実施例に近い効果が得られることは説明するまでもな
く明らかであろう。
構成できるので、前に述べた実施例のように面倒な加工
工程を必要としない利点を有する。以上説明した実施例
は、例示であって、当業者であれば本発明の精神を逸脱
しない範囲において容易に他の変形が可能である。例え
ば、図28においては、端部領域の軸方向断面の形状が
円錐台を形成しているが、この円錐の周囲面は図のよう
に直線状である必要はなく、前にも述べたとおり、端部
に向かって漸次その直径が小さくなるような曲線状にな
っていても良い。管状超電導多層複合体の両端部の直径
を、その中央部の直径よりも短くすることにより、磁束
の漏洩点が管状体の中央部から一層遠くになり、超電導
多層複合体磁石の全長にわたっての磁束の均一性が、全
長にわたって等しい直径を持つ管状体よりも長くとるこ
とができる。したがって、装置全体をより一層小型にす
ることができる。
から作られた静磁場発生源13の他の実施例について説
明する。超電導多層複合体である静磁場発生源13は、
この実施例においては、一定の径D1 を有し、かつほぼ
均一な肉厚を有する超電導多層複合体の第1の円筒管5
4,円筒管54よりもわずかに大きな径D3 を有する超
電導多層複合体の第2の円筒管55,56、および同じ
径D3 を有する超電導多層複合体の第3の円筒管57,
58から構成されている。第3の円筒管57,58は、
それぞれ第2の円筒管55,56よりも長さが短くなっ
ている。この条件を満足する限り、これら第2,第3の
円筒管55,56,57,58の長さは、ある程度任意
に決めることができる。要は、メインの第1の円筒管5
4の端部付近の磁界を強めることによって、端部開口が
漏れでる磁束の傾斜角が、単一円筒管の場合よりもより
一層中心軸39に平行になるようにしたものである。し
たがって、より一層平行磁場の均一性を高めるために
は、管の端部から中心に向かって順次長さが短くなるよ
うに3種類以上の長さの異なる円筒管を配列するのが良
い。
業者であれば本発明の精神を逸脱しない範囲において容
易に他の変形が可能である。例えば、図30の実施例に
おいては、第1の円筒管54の端部と第2の円筒管5
5,56の端部が揃うように配列されているが、前に述
べた本発明の原理からみて、第2の円筒管の一部が第1
の円筒管の端部よりも外側に突きでていても良い。ま
た、図30の実施例においては、第2の円筒管の径が第
1の円筒管の径よりも大きくなっているが、この逆であ
っても良い。しかし、超電導多層複合体は磁束を通さな
いので、図30の実施例のように第2の円筒管の径が第
1の円筒管の径よりも大きい方が、平行磁場の均一性が
より一層高められる。また、超電導磁石を構成する管
は、必ずしも円筒でなくとも良く、例えば、より一層被
検体の形状に適合するような楕円であっても良い。
両端部付近において、二重管構造を採用することによ
り、端部付近の磁束の方向が中心軸に平行な方向に補正
され、超電導多層複合体磁石の全長にわたっての磁束の
均一性が、全長にわたって等しい直径を持つ単一のシリ
ンダ状体磁石よりも改善される。したがって、装置全体
をより一層小型にすることができる。
場発生源の他の実施例を示す。図中13は超電導多層複
合体を用いた円筒形静磁場発生源で、中心軸は39にて
示す。該円筒長手方向(Z方向)の中心の円筒内部の磁
場を活用しMRI装置を形成する。またBZ は磁場を形
成する磁束の方向を示す。このような前記超電導多層複
合体13に、面ヒータを8a,8b,8c,8d,8e
に分割独立して取付け、各々ヒータを加熱する電源Pを
設け、該Pを各々制御する制御ユニット9を設けた構成
とする。このような構成のもとで、前記超電導多層複合
体13が着磁されているものと仮定し、ヒータによるシ
ミングを行う。
た状態での電流分布は、図31中の磁束の方向がBZ 方
向であればこれを発生し続ける永久電流として円筒周方
向に流れている。一般にソレノイド形コイルでのコイル
内部中心の磁場はZ方向の円筒中心から端面に近づくに
従い低くなる。これを補うよう、従来の巻線方式では円
筒中心から両端面に向け巻回数を増加させる手段を用い
ているが、前記超電導多層複合体13においては一般に
Z方向円筒全長に亘り形状と超電導複合体の特性に沿っ
た電流分布となる。よって、従来の巻線方式と同様に補
正したい場合はZ方向円筒長さ方向をn分割し、着磁後
流れる電流を制御し、従来巻線の巻回数による補償と同
等の目的を達しようとするものである。そのためにZ方
向円筒長さの中心を両端部より電流を小さくするための
制御を行う。
る。図32(a)は前記超電導多層複合体13の永久電
流を温度の変化により示したもので、NbTiを用いた
合金形超電導材を液体ヘリウムで冷却して使用する場合
の使用温度範囲は4.2K 付近で運転され、臨界温度T
c(9K以上で超電導状態は失なわれる)以内で使用す
る。よって、4.2K が最大永久電流でTc点が最小永
久電流値となる。この間で超電導多層複合体13の温度
を部分的に変え、その部分の永久電流値を制御し、永久
電流によってつくられる磁場を調整する。図32(b)
はその制御状態を示したもので、時間軸に対し、ヒータ
電流を例えば3種に制御し、該ヒータ電流を<
<とすれば、ヒータの温度は該ヒータ電流に比例し
て高くなる。よって永久電流密度は4.2K に於ける値
に対し,,の順で減少量が大きくなる。従って、
超電導多層複合体13の円筒中を流れる永久電流はヒー
タ電流を制御することにより希望の値に調整することが
できるので所期の目的を達成することが可能となる。
の例を述べたが、円板形超電導多層複合体にした場合で
も全く同様の効果を得られると共に、ヒータの設置形態
とか密度とかを変えることにより、従来の巻線方式での
調整では困難な形状の場合でも連続的な微調整が可能で
ある。更に部分的に臨界温度Tcを超えた制御を行って
も、線材と異なり安定な動作が得られる。この現象は、
前記超電導多層複合体13の特長のひとつでもある。ま
た前記超電導多層複合体13を1個の円筒として扱った
がこれをn分割し、それぞれにヒータを付加し、これを
集合体としても同一の効果を得ることが可能である。
載された着磁方法(1),(2),(3)の何れの方法で
も可能である。
他の実施例である。図34は図33のXXXIV−XXXIV断面
図である。既に説明した実施例の構成要素と同一の機能
を有するものには同じ番号を付す。
で、これは仕切り22によって2つの冷媒室23及び2
4に仕切られている。両冷媒室23及び24には超電導
用冷媒である液体ヘリウムが収容され、両冷媒室に液体
ヘリウムを注入するための冷媒注入ポート25及び26
は冷媒容器11にそれぞれ設けられている。冷媒室23
内には静磁場発生源としての超電導多層複合体からなる
シリンダ状体13が配置され、これは支持体14によっ
て支持されている。支持体14は仕切り22に固定され
ていて、液体ヘリウムが自由に流通し得るように適当数
の冷媒流通孔29を有する。冷媒室24にはシムとして
の超電導多層複合体からなるシリンダ状体63が配置さ
れ、これは支持体64によって支持されている。支持体
64は冷媒容器11に固定されていて、液体ヘリウムが
自由に流通し得るように適当数の冷媒流通孔65を有す
る。
に配置され、これは励磁電源15に接続されている。一
方、冷媒注入ポート25及び26はそれぞれコック36
及び37を介して超電導用の冷媒源38に接続されてい
る。冷媒注入ポート25及び26のキャップを外し、コ
ック36及び37を開けると冷媒室23及び24には超
電導用冷媒である液体ヘリウムが注入される。
4を液体ヘリウムで満たしておく。この状態において励
磁電源15から着磁用コイル16に電流を供給する。着
磁用コイル16はソレノイド型のもので、これに電流が
流れると、そのコイルの中空部を通るループ状の磁束が
発生する。このループ状の磁束は、シリンダ状体13と
シム63の一端側から両者の内周を経由して、両者の他
端側に出て、着磁コイル16の外周を回るループを形成
する。いずれにしても、そのようなループ状の磁束はシ
リンダ状体13にその周方向に流れる誘導電流を発生さ
せるが、シリンダ状体13は常電導状態ゆえ誘導電流は
減衰し、零になる。この場合、超電導多層複合体から作
られたシム63には超電導特性に応じて、磁束を通さな
いための誘導電流が誘導される。
すと、シリンダ状体13は電導状態となる温度に冷却さ
れる。したがって、この状態において励磁電源15の電
流を徐々に減らし、着磁用コイル16への電流の供給を
零にするならば、シリンダ状体13にはループ状磁束を
保持する方向の誘導電流が超電導材料の特性に従って生
じる。通過した磁束に対応して生じた誘導電流は永久電
流として保持され、この永久電流によってループ状の磁
束が発生される。このループ状の磁束はシリンダ状体1
3の中心軸39に沿って空間33を通過し、その結果と
してシリンダ状体13の中心軸39に沿う静磁界が発生
し続けられる。シリンダ状体13がこのようにして着磁
された後は着磁用コイル16は冷媒容器11の外周から
徐去され、静磁場が形成された空間33が磁気共鳴イメ
ージングを行うように被検体が配置されるための空間と
して使用される。
との間であってかつその軸39の周りに配置された、超
電導多層複合体から作られたシム63は磁気シールドの
機能を有する。したがって、超電導多層複合体から作ら
れた静磁場発生源13から発生される磁束は、シム63
の、両端部と空間部を通過することになる。このため、
空間33に形成される静磁場の均一度はシム63がない
場合に比べて高められることになる。また、シム63
の、軸方向の寸法を適切に定めることによって空間33
に形成される静磁場の均一な範囲を軸39に沿って拡げ
ることができる。
体から作られたシム63の他の実施例を示す。このシム
は一群の静磁場補正用孔66を有する。静磁場発生源1
3から発生される磁束の一部は一群の静磁場補正用孔6
6を通って空間33に入り、その空間33に形成される
静磁場に影響を及ぼすことになる。したがって、一群の
静磁場補正用孔66の分布,数及び大きさ,形状を適切
に定めることにより静磁場の局所的補正が可能となり、
その結果として静磁場全体としての均一度のより一層の
改善が図られるようになる。
の実施例である。図37は図36のXXXVII−XXXVII断面
図である。既に説明した実施例の構成要素と同一の機能
を有するものには同じ番号を付す。これらの図におい
て、外部に対して断熱された冷媒容器11には超電導用
冷媒である液体ヘリウムが収容され、その上部には液体
ヘリウムを注入するための冷媒注入ポート12が設けら
れている。冷媒容器11内の冷媒中には静磁場発生源と
しての超電導多層複合体からなるシリンダ状体13が配
置され、これは支持体14によって支持されている。支
持体14は冷媒容器11に固定されていて、液体ヘリウ
ムが自由に流通し得るように適当数の冷媒流通孔29を
有する。静磁場発生源としてのシリンダ状体13を基準
にしてその内部空間33の軸39と反対側において超電
導用冷媒中に配置された、磁気シールドとしての超電導
多層複合体からなるシリンダ状体63が備えられ、これ
は支持体64によって支持されている。支持体64は冷
媒容器11に固定されていて、液体ヘリウムが自由に流
通し得るように適当数の冷媒流通孔65を有する。静磁
場発生源としての管状体13の磁気シールドとしての管
状体63との間には電気絶縁性の熱伝導体95が介在さ
れている。すなわち、電気絶縁性の熱伝導体95は電気
絶縁体95b及びこれを挟持する熱伝導部材95aとを
含み、これによってシリンダ状体13とシリンダ状体6
3とは熱的に一体となるように接続されるが電気的には
互いに絶縁される。
ノイド型の着磁用励磁コイル16が配置され、これは励
磁電源15に接続されている。冷媒容器11の外周には
ソレノイド型の打消用励磁コイル96が配置され、これ
も励磁電源15に接続されている。一方、冷媒注入ポー
ト25はコック36を介して超電導用の冷媒源38に接
続されている。冷媒注入ポート25はキャップを外し、
コック36を開けると冷媒容器11には超電導用冷媒で
ある液体ヘリウムが注入される。
に、はじめに、冷媒容器11には超電導用冷媒である液
体ヘリウムが収容されておらず、したがって、シリンダ
状体13は常電導状態となる温度に保たれているものと
する。この状態において、励磁電源15から着磁コイル
16に電流を流すと、空間33を通るループ状の磁束が
発生する。このループ状の磁束は励磁コイル16の一端
側から空間33を通ってシリンダ状体13の一端側を回
り、更に管状体13の他端側を回って励磁コイル16の
他端側を戻るように形成される。もちろん、着磁コイル
16の一端側から出てシリンダ状体13の管壁をその内
側から外部に貫通し、それからシリンダ状体13をその
外部から内部に貫通して戻るループ状の磁束もある。い
ずれにしても、そのようなループ状の磁束はシリンダ状
体13にその周方向に流れる誘導電流を発生させるが常
電導状態故減衰し零になる。次いで、コック36を開
き、冷媒源38から冷媒容器11に液体ヘリウムを注入
する。これによって、シリンダ状体13は超電導状態と
なる温度まで冷却される。この後、励磁電源15からの
着磁コイル16への励磁電流の供給を徐々に低下させ止
めると、シリンダ状体23に新たに誘導された超電導電
流は永久電流として保持され、この永久電流にもとづい
てループ状の磁束が発生される。シリンダ状体13は超
電導状態となる温度に保たれており、したがって、永久
電流に基づいて生じたループ状の磁束は、空間33をそ
の軸39に沿って通過するようになるため、その結果と
してその軸39に沿う静磁界が発生し続けられる。
源15からは着磁コイル16に電流が供給されるだけで
はなく、着磁コイル96にも電流が供給される。着磁コ
イル96に電流が供給されるとループ状の磁束が発生
し、これによってシリンダ状体63にはその周方向に流
れる誘導電流が発生されるが常電導状態故減衰し零にな
る。一方、冷媒容器11に液体ヘリウムを注入すること
によりシリンダ状体13が超電導状態になる温度に保た
れている状態のときは、シリンダ状体63も超電導状態
になる温度に保たれている。したがって、励磁電源15
からの着磁コイル16への電流の供給が徐々に低下させ
止められるとき、励磁電源15からの着磁コイル96へ
の電流の供給も徐々に低下させ止められるならば、シリ
ンダ状体63に誘導された超電導電流も永久電流として
保持されることになる。
すると、着磁コイル16及び96は図示の位置から取り
除かれる。
て生じる磁場の冷媒容器11外への漏洩は避け難い。し
かるに、シリンダ状体63に保持される永久電流の方向
はシリンダ状体13に保持される永久電流のそれと反対
で、その大きさはそれによって発生される磁場がシリン
ダ状体13からの冷媒容器11外への漏洩磁場を打ち消
してその漏洩をできるだけ少なくするような値に設定さ
れる。この漏洩磁場を消ち消すために常電導状態の温度
において着磁コイル96に流すべき電流の大きさ等は実
験的に求めるのがよい。シリンダ状体63はこれに永久
電流を流して漏洩磁場を打ち消していることから、いわ
ゆるアクティブシールドとして機能することが理解され
る。
実施例を示す図である。本実施例では、超電導多層複合
体で構成された静磁場発生源13の一端側が、閉じた形
状となっている。
れた磁気シールド67は静磁場発生源13を基準にして
軸39と反対側及びその軸39の一端側において静磁場
発生源13を覆うように超電導用冷媒中に配置されてい
る。超電導多層複合体は、通常の鋼板よりも優れた磁気
シールド特性を有している。したがって、静磁場発生源
13からの外部漏洩磁場は磁気シールド67によって効
果的に遮蔽される。特に、磁気シールド67の開口部前
方では漏洩磁場は完全になくなる訳ではないが磁気シー
ルド67の球面体部67aの後方へは磁束が漏れること
がなくなる。したがって、球面体67aの後方は(極端
に言えば、開口部より後方)は磁気フリーのスペースと
して利用できるようになる。
源13を第1の冷媒室に、磁気シールド67を第2の冷
媒室にそれぞれ配置することによって、第2の冷媒室と
独立して第1の冷媒室を空にしたり、これに冷媒を充填
したりすることができる。このようにすることによっ
て、磁気シールド67の励磁の影響から完全に遮蔽する
こともできる。
て、図38の磁気シールドを省いたものや、静磁場発生
源13の両端が図1と同様、開放状態になっているもの
が考えられる。
の実施例を示している。図39の実施例では、磁気シー
ルド67の球面体部67aの中央部に被検体の断面積程
度の大きさを持つ開口が設けられている。中央部に開口
を設けているので、解放感があり、通風や採光の面でも
優れている。その他の構成および作用は、図38の実施
例と同様である。また、図40の実施例では、被検体用
空間の上記磁気シールド67の端部に光の反射体すなわ
ち鏡68が設けられている。鏡のような光の反射体を設
けることによって、空間の奥行きが広がり、解放感が高
められる。なお、光の反射体は被検体用空間を明るくす
るものであれば良く、反射体ではなく、照明でも良い。
この実施例も、その他の構成および作用は、図38の実
施例と同様である。
として用いた磁気共鳴イメージング装置のハードウエア
部分を示す。被検体71は静磁場発生源として用いられ
る超電導多層複合体を含む超電導磁石装置72によって
発生される静磁場中に配置される。高周波パルス発生装
置73によって発生される高周波パルスは増幅器74に
よって増幅された上、送受信コイル75に導かれ、該送
受信コイル75から被検体71に電磁波が印加される。
これによって被検体71の核スピンが励起される。この
ようにして励起された被検体71の核スピンから発生さ
れる核磁気共鳴信号は送受信コイル75によって検出さ
れ、受信装置77に導かれる。傾斜磁場発生用コイル7
6は傾斜磁場制御装置78の制御によりX,Y及びZ軸
方向の傾斜磁場を発生し、スライス面を特定する。これ
らの傾斜磁場は静磁場に重畳される。
置78,高周波パルス発生装置73及び受信装置77に
接続され、予め定められたパルスシーケンスにより高周
波パルスの発生、X,Y及びZ軸方向の傾斜磁場の発生
及び核磁気共鳴信号の受信のタイミングを制御する。シ
ーケンス制御装置79はまたコンピュータ80に受信装
置77に導かれた核磁気共鳴信号に基づく像再構成処理
を行わせ、情報の授受を行う操作卓81を通して表示装
置82に像を表示させる。
場発生源としたMRI装置では、従来知られている様々
なパルスシーケンス、例えば、種々のスピン・エコー
法,エコー・プレーナ(echo planer)法等により断層像
を得ることができる。また、今後開発されるであろう静
磁場を用いる様々なパルスシーケンスでの断層像撮影を
可能とする。
体から作られた静磁場発生源は電気的接続部を本質的に
必要としないと共に、通常の超電導コイルのように機械
的変化を起こす恐れも実質的にない。したがって、接続
部の接続抵抗の故に生じる磁束の減衰並びにその接続抵
抗や超電導多層複合体から作られた静磁場発生源の機械
的変化の故に生じる発熱に基づくクエンチの発生は防止
される。更に、その超電導多層複合体から作られた静磁
場発生源は通常の超電導コイルのような巻線作業や接続
作業を必要としないため、その製作精度の一様性及び高
度性が得られる。加えて、その超電導多層複合体から作
られた静磁場発生源の構造的単純さの故に通常の超電導
コイル型のものに比べて装置全体の小型化及び軽量化が
図られる。
とした本発明による超電導磁石装置の一実施例を示す
図。
本発明による超電導磁石装置の一実施例を示す図。
例図。
例図。
装置の一実施例を示す図。
を説明する図。
磁場発生型の超電導磁石装置の一実施例を示す図。
実施例を示す図。
導磁石装置の他の実施例を示す図。
合体と、磁気シールドとの関係を示す図。
石装置の一実施例を示す図。
と磁気シールドを分割した構成の実施例を示す図。
割部の他の接合例を示す図。
側周部分の他の接合例を示す図。
成した超電導磁石装置の一実施例を示す図。
成した超電導磁石装置の他の実施例を示す図。
に磁気シールドを施した実施例を示す図。
例。
曲げて構成した超電導磁石装置の一実施例を示す図。
施例を示す図。
施例を示す図。
施例を示す図。
施例を示す図。
布の均一化を図る実施例図。
ムとを備えた超電導磁石装置の一実施例を示す図。
導磁石装置の一実施例を示す図。
導磁石装置の一実施例を示す図。
体設置空間を解放的にした超電導磁石装置の他の実施例
を示す図。
体設置空間にミラーを備えて解放的にした超電導磁石装
置の一実施例を示す図。
したMRI装置のブロック構成図。
板状超電導多層複合体 44a〜44f 磁束通過孔 46 ヒータ 47 電源 50,89 コネクタ部 52 板状シム 53 磁束 55,56,57,58 円筒管 60,61,62 円筒体 63 シリンダ状シム 64 支持体 65 冷媒流通孔 66 静磁場補正用孔 67 磁気シールド 71 被検体 72 超電導磁石装置 73 高周波パルス装置 74 増幅器 75 送受信コイル 76 傾斜磁場発生用コイル 77 受信装置 78 傾斜磁場制御装置 79 シーケンス制御装置 80 コンピュータ 81 操作卓 82 表示装置 90 断熱構造物 91 押え部材 92a ボルト 92b ナット 93,94 当て具 95 熱伝導体 101,102,103,104 磁界
Claims (41)
- 【請求項1】超電導用冷媒が収容される冷媒容器と、 前記冷媒容器中に配置され、予め定められた磁場空間の
中心軸に沿う磁束を発生する永久電流の保持媒体となる
超電導多層複合体を含む静磁場発生手段と、 前記静磁場発生手段を前記冷媒容器中に保持する手段と
を含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項2】請求項1記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は、前記中心軸をシリンダの中心軸
とするシリンダ状の超電導多層複合体を含むことを特徴
とする超電導磁石装置。 - 【請求項3】請求項1記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は、前記中心軸に直交して配置され
た、前記中心軸を中心とした穴を有する平面板状の超電
導多層複合体を含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項4】請求項2記載の超電導磁石装置に於いて、
前記超電導多層複合体は、中央部より端部に近い方で小
さい直径を有することを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項5】請求項2記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は、直径の異なる少なくとも3個の
シリンダ状超電導多層複合体を有し、前記少なくとも3
個のシリンダ状超電導多層複合体は中央部から端部に向
かって前記直径が順次小さくなるように配列されている
ことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項6】請求項2記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は、 第1の直径を有する第1のシリンダ状超電導多層複合体
と、 前記第1のシリンダ状超電導多層複合体に部分的に同心
円状に重なり、前記第1のシリンダ状超電導多層複合体
より長さの短い少なくとも1つの第2のシリンダ状超電
導多層複合体とを含むことを特徴とする超電導磁石装
置。 - 【請求項7】請求項1記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は、前記中心軸をシリンダの中心軸
とし、片方の開口部が完全に閉じられたシリンダ状超電
導多層複合体を含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項8】請求項1記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は、片方の開口部の一部が閉じられ
たシリンダ状超電導多層複合体を含むことを特徴とする
超電導磁石装置。 - 【請求項9】請求項1記載の超電導磁石装置に於いて、
前記静磁場発生手段は更に、前記超電導多層複合体を覆
うように片方の開口部が完全に閉じられたシリンダ状の
超電導多層複合体から成る磁気シールドを含むことを特
徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項10】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、前記超電導多層複合体
を覆うように片方の開口部の一部が閉じられたシリンダ
状の超電導多層複合体から成る磁気シールドを含むこと
を特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項11】請求項9記載の超電導磁石装置は更に、
前記磁気シールドの開口部の閉じられた側の前記磁場空
間を明るくする手段を含むことを特徴とする超電導磁石
装置。 - 【請求項12】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、前記超電導多層複合体
の内側に、前記中心軸を囲むように配置された超電導多
層複合体から成る、磁束密度分布を調整するためのシム
を含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項13】請求項12記載の超電導磁石装置に於い
て、前記シムは、複数の穴を有することを特徴とする超
電導磁石装置。 - 【請求項14】請求項12記載の超電導磁石装置に於い
て、前記冷媒容器は互いに分離された第1,第2の冷媒
室を有し、前記超電導多層複合体は前記第1の冷媒室に
配置され、前記シムは前記第2の冷媒室に配置されてい
ることを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項15】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、 前記超電導多層複合体を部分的に加熱する加熱手段と、 前記加熱手段により前記超電導多層複合体の温度を部分
的に制御し、発生する磁場の均一度を調整する手段とを
含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項16】請求項15記載の超電導磁石装置に於い
て、前記加熱手段は前記超電導多層複合体の表面に配置
された1個以上の面ヒータを含むことを特徴とする超電
導磁石装置。 - 【請求項17】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記保持手段は前記静磁場発生手段の熱膨張係数と
実質的に同じ熱膨張係数を有することを特徴とする超電
導磁石装置。 - 【請求項18】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は、 開口端面が所定の空間を隔てて互いに対向するように曲
げられた管状超電導多層複合体と、 前記管状超電導多層複合体の外周側又は内周側に配置さ
れた着磁コイル手段とを含み、前記冷媒容器は、前記冷
媒容器の外部に前記所定の空間を形成するように構成さ
れていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項19】請求項18記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、前記管状超電導多層複
合体を覆うように前記冷媒容器内に配置された管状磁気
シールドを含み、前記着磁コイルが前記管状磁気シール
ド内に配置されていることを特徴とする超電導磁石装
置。 - 【請求項20】請求項18記載の超電導磁石装置に於い
て、前記冷媒容器は互いに分離された第1,第2の冷媒
室を有し、前記管状超電導多層複合体は前記第1の冷媒
室に配置され、前記管状磁気シールドは前記第2の冷媒
室に配置されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項21】請求項18記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、 前記開口端面に平行にそれぞれに近接して配置され、超
電導多層複合体からなる少なくとも1つの穴を有する板
状のシムを含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項22】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、 前記中心軸を中心として同心円状に配置された、前記超
電導多層複合体を着磁するための着磁コイル手段を含む
ことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項23】請求項22記載の超電導磁石装置に於い
て、前記着磁コイル手段は、前記超電導多層複合体の外
側に配置されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項24】請求項22又は23記載の超電導磁石装
置に於いて、前記静磁場発生手段は前記超電導多層複合
体及び前記着磁コイル手段を覆うように、前記冷媒容器
内に配置された、超電導多層複合体から作られた磁気シ
ールドを含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項25】被検体が配置される空間を取り囲むよう
に形成され、超電導用冷媒を収容する冷媒容器と、 前記冷媒容器内に設けられ、前記空間を挟んで互いに対
向するように配置された一対の円板状超電導多層複合体
からなる静磁場発生手段と、 前記静磁場発生手段を前記冷媒容器内に保持する保持手
段とを含み、前記円板状超電導多層複合体は中心部に開
口を有し、該開口の周囲を流れる電流によって前記空間
を通り、前記一対の円板状超電導多層複合体に垂直な方
向の磁束を発生することを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項26】請求項25記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は、前記一対の円板状超電導多
層複合体のそれぞれが、互いに一定の間隔をおいて重ね
合わされた少なくとも2枚の円板状超電導多層複合体を
含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項27】請求項25記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、前記一対の円板状超電
導多層複合体と前記空間を挟んで互いに対向するように
配置された円板状超電導多層複合体から成る一対の磁気
シールド板を含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項28】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は、前記超電導多層複合体を覆
うように前記冷媒容器中に配置され、前記永久電流と反
対方向に流れる永久電流の保持媒体となる第2の超電導
多層複合体から作られ、かつ前記超電導多層複合体を基
準にして前記静磁場空間の中心軸と反対側に配置された
磁気シールドを含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項29】請求項28記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は更に、前記超電導多層複合体
と前記磁気シールドとを接続する電気絶縁性の熱伝導体
を含むことを特徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項30】請求項1記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は前記冷媒容器中に前記超電導
多層複合体を覆うように配置され、第2の超電導多層複
合体から作られた磁気シールドを含み、前記冷媒容器は
前記磁場空間を形成するように前記中心軸の周りに位置
する内側周部分と、該内側周部分の外側において前記中
心軸の周りに位置する外側周部分と、前記内側周部分と
前記外側周部分との接続部を構成するサイド部分とを含
み、前記磁気シールドは前記中心軸の周りに配置される
ように該中心軸の方向に分割された一対の磁気シールド
部材を含み、該一対の磁気シールド部材はそれぞれカッ
プ状に形成されて、その縁部には互いに対向するように
つばが設けられていると共に、その底部には前記内側周
部分が入り得る孔を有し、前記冷媒容器の外側周部分は
前記一対の磁気シールド部材のつばの部分において前記
中心軸の方向に分割されて、この分割された部分が液密
的に接合され、更に前記冷媒容器のサイド部分と前記内
側周部分は液密的に接合されていることを特徴とする超
電導磁石装置。 - 【請求項31】請求項30記載の超電導磁石装置に於い
て、前記磁気シールドの底部を基準にして前記中心軸の
方向において前記サイド部分とは反対の側に配置され
て、前記磁気シールド底部の前記孔付近の部分を押さえ
る押さえ部材を備えていることを特徴とする超電導磁石
装置。 - 【請求項32】請求項18記載の超電導磁石装置に於い
て、前記管状超電導多層複合体の両端部の断面寸法が中
間部の断面寸法より大きいことを特徴とする超電導磁石
装置。 - 【請求項33】請求項18記載の超電導磁石装置に於い
て、前記静磁場発生手段は、前記管状超電導多層複合体
の細管を束状に寄せ集めた細管集合体からなることを特
徴とする超電導磁石装置。 - 【請求項34】被検体が配置される空間を取り囲ように
形成され、超電導用冷媒を収容する冷媒容器と、 前記冷媒容器内に配置され、前記空間を通る静磁場を発
生させる永久電流の保持媒体となる超電導多層複合体を
含む静磁場発生手段と、 前記静磁場発生手段を前記冷媒容器内に保持する保持手
段と、 前記静磁場に重畳されるべき傾斜磁場を発生する傾斜磁
場発生手段と、 被検体に高周波パルスを印加する手段と、 前記被検体から核磁気共鳴信号を発生させるように予め
定められたパルスシーケンスに従って前記傾斜磁場と前
記高周波パルスを制御する手段と、 前記核磁気共鳴信号に基づいて前記被検体の断層像を構
成する手段とを含むことを特徴とする磁気共鳴イメージ
ング装置。 - 【請求項35】請求項34記載の磁気共鳴イメージング
装置に於いて、前記静磁場発生手段は、前記超電導多層
複合体を着磁する手段を含むことを特徴とする磁気共鳴
イメージング装置。 - 【請求項36】着磁用コイルに励磁電流を流すことによ
り超電導多層複合体によって囲まれている空間に所定の
値の磁束を発生させるステップと、 前記超電導多層複合体を超電導状態となる温度に維持し
た状態に於いて前記励磁電流を徐々に低下させ、前記超
電導多層複合体に超電導電流を発生させるステップと、 前記超電導多層複合体を超電導状態となる温度に維持し
た状態に於いて前記着磁用コイルからの磁束の発生を零
にし、前記超電導電流を永久電流として前記超電導多層
複合体に保持させるステップとを含む超電導磁石装置の
着磁方法。 - 【請求項37】請求項36記載の超電導磁石装置の着磁
方法に於いて、前記所定の値の磁束を発生させるステッ
プは、前記超電導多層複合体が超電導状態となる温度よ
りも高い温度に於いて前記着磁用コイルにより前記所定
の値の磁束を発生させるステップを含むことを特徴とす
る超電導磁石装置の着磁方法。 - 【請求項38】請求項36記載の超電導磁石装置の着磁
方法に於いて、前記所定の値の磁束を発生させるステッ
プは、 前記超電導多層複合体が超電導状態となる温度に於いて
前記着磁用コイルにより前記所定の値の磁束を発生させ
るステップを含むことを特徴とする超電導磁石装置の着
磁方法。 - 【請求項39】請求項36記載の超電導磁石装置の着磁
方法に於いて、前記所定の値の磁束を発生させるステッ
プは、 前記超電導多層複合体が超電導状態となる温度に於いて
前記着磁用コイルにより前記所定の値の磁束を発生させ
るステップと、 前記所定の値の磁束を発生させている状態で、前記超電
導多層複合体を超電導状態となる温度よりも高い温度に
加熱するステップと、 前記所定の値の磁束を発生させている状態で、前記超電
導多層複合体を再度超電導状態に戻すスップとを含むこ
とを特徴とする超電導磁石装置の着磁方法。 - 【請求項40】予め定められた軸の周りに第1の超電導
多層複合体を、その内側に前記軸が通る空間を形成する
ように配置し、前記第1の超電導多層複合体を基準にし
て前記軸の反対側に於いて、前記第1の超電導多層複合
体を覆うように前記軸の周りに第2の超電導多層複合体
を配置した超電導磁石装置の着磁方法であって、該方法
は、 前記第2の超電導多層複合体を超電導状態とし、該超電
導状態を維持するステップと、 着磁用コイルに励磁電流を流すことにより前記第1の超
電導多層複合体によって囲まれている前記空間に所定の
値を磁束を発生させるステップと、 前記第1の超電導多層複合体を超電導状態となる温度に
維持した状態に於いて前記励磁電流を徐々に低下させ、
前記第1の超電導多層複合体に誘導電流を発生させるス
テップと、 前記第1の超電導多層複合体を超電導状態となる温度に
維持した状態に於いて前記着磁用コイルからの磁束の発
生を零にし、前記超電導電流を永久電流として前記第1
の超電導多層複合体に保持させるステップとを含む超電
導磁石装置の着磁方法。 - 【請求項41】請求項40記載の超電導磁石装置の着磁
方法は更に、前記着磁用コイルにより磁束を発生させる
際、前記空間の端部に向かう磁束を磁束妨害手段により
前記第2の超電導多層複合体側に押し返すステップを含
むことを特徴とする超電導磁石装置の着磁方法。
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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ID=27586148
Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-09-12 JP JP7258256A patent/JPH0974012A/ja active Pending
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